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マスター:嶋本圭太郎
シナリオ形態:ショート
難易度:やや易
参加人数:6人
サポート:2人
リプレイ完成日時:2012/05/28


みんなの思い出



オープニング

 ぴんぽーん。
「いらっしゃいませー」
 店内に人が入ってくると、センサーが反応してチャイムを鳴らす。さらにその音に反応してレジの女の子が脊髄反射的な挨拶をした。

 ここはハッピーストア久遠ヶ原支店。
 人工島のはずれに位置する場末のコンビニである。

 今日も今日とて、店内は静かなものだった。時間は夜八時。夕食時はそろそろ過ぎたとはいえ、まだ活気があっておかしくない時間ではある。しかしここにはすでに一人の客もいない。

 ん、今一人入ってきたじゃないかって?

 残念、それは店長でした。

「あ、お疲れさまです」
 レジに立っている女の子は挨拶をした後で目線を動かし、店長だと気づくと改めて会釈した。
「お疲れさま、モブ子(愛称)。悪いね、一人で」
「店長こそ、お休みなのに大変ですね」
「いや、ちょっと顔出しただけだから! 発注見直して本社からのメールチェックしたらすぐ帰るから!」
 あくまで休日出勤ではないと言い張る店長。ちなみにこれは会社に認められないからとかではなく、自分で認めたくないからである。
 店長はぐるりと店内を見て回りながら、「あー、今日も残ってるなー‥‥」などとつぶやきつつ、弁当やサラダを取り上げていく。
 日保ちのしない商品を両手に抱えてレジまで戻ってくると、「じゃ、これだけ」とカウンターの上に置いた。
 モブ子はなにも言わず、商品をレジに通し始める。
 店長とはすなわち、店一番の上客でもあるのだ。

「暖めは?」
「あ、じゃあこれ」
 店長がモブ子に弁当を渡そうとしたとき──ふいに頭上から水滴が一つ、弁当のふたの上にぽたりと落ちた。
「雨漏り‥‥」
「雨なんか降ってなかったけど」
 二人が上を見上げる。淡いクリーム色の天井に一点、茶色の染みのような何かが。
 それは浮き上がるように膨らんで、やがてカウンターの上に落ちてきた。
 ボトッ、と。
「ぎゃあっ! な、なめくじ!?」
「‥‥大きさと形状からいって、アメフラシというやつでしょうか」
 驚く店長。冷静なモブ子。
 落ちてきたのは、体長およそ四十センチほどのぬめりつく軟体動物だった。
 あわてふためく店長を後目に、モブ子は流しに備え付けてあるペーパータオルを何枚か抜き取ると──店長に渡した。
「え、俺!?」
「気持ち悪いから、触りたくないです」
 どう見ても向こうの方が平気そうだけど、女の子にそう言われては仕方ない。店長はペーパータオルを受け取ると、意を決してアメフラシ(?)につかみかかる。
 が、つかめなかった。
 まるでそこに存在しないかのように、店長の手は空をつかんだのだ。
 透過能力。すなわち。
「天魔じゃないか!」
 店長が叫ぶ。アメフラシはぐっと身を丸めると、次には店長に向かって大量の液体を吐き掛けた。
「うわああ! ‥‥って、なんだこれ。ただの水?」
 幸いにもそれは、特に毒性がある液体というわけでもなく、本当にただの水だった。
 店長は頭から上半身がぐっしょり濡れてワイシャツが肌に張り付き肌色が透けて見えたりしているものの(※サービスシーン)、身体的なダメージはない。
「良かったですね、店長。酸液とかじゃなくて」
「ああ、うん。──いや、良くないよ! 店がめちゃくちゃになる!」
 とっさに店長の頭に浮かんだのは、天魔によって水浸しにされた店の風景と、始末書の山。
「モブ子、君も撃退士だろ! 何とかして!」
「無理です」
「即答!? いや何で?」
「一人じゃ、無理です。多すぎます」
 モブ子の言葉に振り返った店長は愕然とする。

「応援、応援呼んでー!」

 店内はいつの間にか十匹以上のアメフラシ型天魔であふれていたのだった。


リプレイ本文


 コンビニからの緊急依頼を受け、メンバーが夜道を急ぐ。
「急いで向かわないとだね」
 先頭を行くのは、高峰 彩香(ja5000)。以前にもこのコンビニ発の依頼──それはもっと平和なものであったが──に参加したので、地図を見ずとも場所は分かっている。
 彼女を始め、参加者は皆荷物を抱えていた。事前情報から、商品や電子機器を護るためのブルーシートやら、水分を吸い取るためのスポンジやら、濡れた身体を拭くためのバスタオルやら。
 ところで、メンバーは六人のはずだが、ここには五人しか見あたらない。
 残りの一人は、どこ行った?



「ああー、早く来てくれないと、店が、店が‥‥」
「店長、落ち着いてください」
 コンビニ「ハッピーストア」前では、店長とモブ子の二人が撃退士の到着を待っていた。
 アメフラシは今のところ、すべてが店内にとどまっている。モブ子が阻霊符を展開しているため、天魔でありながら液体を吐き出すことしかできないアメフラシは閉め切ったコンビニから出ることは出来ないのだ。
「ああ、水吐いてる、水吐いてるよ! モブ子、お願いだから少しだけでも‥‥」
「‥‥気持ち悪いから、嫌です」
 店長の懇願にも、モブ子はそっぽを向いてしまった。
 と、そこへ。
「ハッハッハ、どうやらお困りのようだな!」
 高らかな声は、頭上から響いた。
「えっ‥‥どこから?」
「店長、あそこです」
 モブ子が指さしたのは、コンビニの屋根の上だった。
 店から漏れ出す光に緩やかに照らされて、浮かび上がるシルエット。ロングコートが風にたなびく。
「とぅっ!」
 影が飛び立ち、一回転して二人の前に華麗に着地。
 降り立ったのは、英雄ACT‥‥こと、相楽 空斗(ja0104)だった。
「助けに来たぞ!」
 親指をびしっと立ててポーズを決める空斗。

「お待たせしました、学園からきた撃退士です〜」
 森林(ja2378)をはじめ他の五名は、ふつうに道の向こうからやってきた。


 メンバーが封鎖されていたコンビニの扉を開くと、そこにはいるわいるわ、十数匹のアメフラシの大群。
「陸上でコイツと遭遇するとは思わなかった‥‥」
 ネコノミロクン(ja0229)は明るいコンビニの中でうねうねとうごめいている軟体動物を見てそう呟いた。
 ジャージ姿に雨合羽、と完全武装で依頼に臨む神林 智(ja049)は膝を屈めて天魔を観察。
「アメフラシって、意外とかわいいんですね?」
「えっ」
 後ろの方で、モブ子が思わず声を出す。
「弁当販売を乗り越えたと思ったらこれとは、大変だね‥‥」
 智とは対照的に普段通りの軽装である彩香は、災難続きのコンビニを憂えた。
「もっと暑くなってから出会いたかったわねぇ‥‥」
 白銀の髪を神秘的なデザインのマントで覆い隠すエルナ ヴァーレ(ja8327)の立ち姿は占い師か、はたまた中世の魔女を想起させる。
 ──肩に担いだ昆虫採集用の虫取り網をのぞけば、であるが。
「ネバネバはともかく水なら、草木にかけてくれればいいのに‥‥」
 一瞬だけかつて暮らした森の風景を思い浮かべた森林だが、依頼に集中するべくすぐに頭から追い払った。

「店長さん、これ使ってください」
 まだ服が乾ききっていない店長に、智がバスタオルを手渡した。
 バックルームの捜索もしたいから、と裏口の場所をたずねるが、店長は首を振る。
「入ってもらうのはかまわないけど、裏口はないからレジの奥にある扉から入ってもらうしかないよ」
「店長、店のレジ袋などを使用するのはかまわないかな?」
「かまわないけど‥‥なにに使うんだい?」
 首を傾げる店長に、ネコノミロクンは不敵な笑みを返した。

「さあ、いくわよ!」
 ブルーシートを手に、エルナが店内に踏み込む。
 まずは備品や商品を護るため、可能な限り迅速に陳列棚などにブルーシートをかけてしまうのだ。
 エルナは店内の一番奥を目指してダッシュ。

 ‥‥だが、待ってほしい。皆さんは経験がないだろうか?
 雨の日のコンビニで、つるっと滑ってしまうこと。
 つるつるしたタイル床は、気をつけていても滑りやすいものなのだ。
 店内の床はすでにアメフラシによる水プラス謎の粘性液で濡れており、おまけにエルナはハイヒールを履いていた。

 これで滑らないはずがない。

 店内突入三歩目で盛大に足を滑らせたエルナは背中から床に倒れ、そのまま濡れた床の上をアメフラシを三匹ほど巻き込みながらつつーっと反対側の壁まで滑っていった。
 巻き込まれたアメフラシにぶしゃーっと水を吐きかけられ、あっと言う間に水浸しになったエルナ。
「あら、水も滴るイイ女‥‥って、そんなわけないでしょうがぁ〜!!」
 水を吐いて一時的に小さくなったアメフラシを払いのけ、ののしりながら起きあがった。
 とはいえ、商品への被害はないし、結果として素早く店奥へたどり着けたのは間違いない。エルナは手にしていたブルーシートを広げ、陳列棚へかぶせ始めた。
 ネコノミロクンが慎重に店内にはいる。ほかのメンバーもそれに続いた。
 アメフラシは多くは床の上にいるが、一部は壁に張り付いてオブジェのようにじっとしているものもいる。
 メンバーはそれらを極力刺激しないようにしつつ、ブルーシートを広げ掛けていく。
 まずはレジやコピー機など、高価な電子製品に優先的にシートをかぶせて水濡れによる故障を防止した後、商品の陳列棚にもシートを。
 コンビニの商品はどれもしっかりとパッケージングされているが、それでもやはり衛生面の問題というのは出てきてしまう。水は被らないにこしたことはない。

 皆が店内にブルーシートを掛けている中、智は先にバックルームへの扉を開いた。
「いた‥‥!」
 狭いバックルームの床に、もそもそとうごめくアメフラシが一匹。幸い、まだ水は吐きだしていないらしく、室内の床は汚れていない。
 だが、智の姿を認めたのか、その身をぐっとまとめて水を吐き出す体勢をとる。
「させるかー!」
 それを見るや、智は用意していたゴミ袋を素早く広げ、アメフラシをその中に捕獲した。
 袋の中でアメフラシが水を吐き、激しく身をよじるのが感じられる。時間をかけると袋が破れてしまいそうだ。
 智は一度外へ出てから袋の中のアメフラシを退治すると、また戻ってきてもう敵のいないことを確認し、これ以上侵入されないようにバックルームの扉をしっかりと閉めた。

 智が店内へ合流し、六人で引き続き店内にブルーシートを掛けていく。
 ゴンドラ型の陳列什器や、レジのあるカウンターなどはそのまま上からシートを掛けてしまえばいいのだが、問題は壁面に備え付けられている弁当などを販売している什器だ。
 上からかけるというわけにはいかないため、ガムテープで止めようとするのだが、ごわごわしたブルーシートはガムテープとの相性が悪く、なかなかしっかり止まらない。
 そうこうしているうちにも、放置されているアメフラシは自分勝手に水を吐き、店内の床を濡らしていく。
 電子機器にあらかたシートを掛けたところで空斗が動いた。アメフラシに間接攻撃を行い、注意を自分に向けさせようとしたのだ。
 誤射しないよう注意深く放たれたロングボウの一撃がアメフラシの一体をとらえた。
 力は無くともそこは天魔である故なのか、攻撃を受けた相手は濡れた床の上をつつっと滑って空斗のそばまで移動し、反撃の液体を放つ。
「ハッハッハ! 俺はこっちだ!」
 華麗な動きで身をかわす空斗。周囲に商品や電子機器が無いことは確認済みだ。
 だがそれもつかの間、別のアメフラシが液体を吐こうと身をくねらせるのが見えた。その先には、まだシートのかかってない商品群。
 それを確認するや、空斗は迷わずその身を投げ出した。謎のネバネバ液体がヒーローの身体を汚す。しかし彼の体を張った行動で商品の被害は免れた。

 空斗が天魔を引きつけている間に、何とかすべての棚をシートで覆ったメンバーは、ここで二班に分かれた。
 コンビニ店内は通路幅が狭く、大立ち回りは難しい。そこで、まずは天魔を捕獲して店外に出し、スペースのある店前で退治する作戦だ。
 森林、彩香、智の三名が店の外へ出て、敵を待ち受ける。
 空斗は引き続き店内で囮・誘引役を行い、エルナは虫取り網で、そしてネコノミロクンは先ほど使用許可をとったレジ袋でアメフラシの捕獲を開始した。
 床の上で相変わらず野放図にうねうねしているアメフラシに、ネコノミロクンがレジ袋を振りおろす! 狙いあやまたず、見事一匹目のアメフラシをゲットした。
 素早く袋の口を閉じ、店外に向かって投げ渡す。始末は外のメンバーに任せて、すぐに二匹目の獲物に狙いを定めた。
 レジ袋は豊富にある上、なかなか頑丈なので店の外に出すまでに破れてしまうこともない。床にいるものを捕獲するときは屈み込まなければいけないので膝下はあっというまに濡れてしまったが、捕獲効率だけを見ればこれは有効な作戦だった。
 エルナも虫取り網で、壁に張り付いていたアメフラシを捕獲する。柄が長いので、手を伸ばしただけでは届かない敵を捕獲できるのが強みだ。ただし、網なので抵抗するアメフラシの吐いた水は外に漏れてしまうのだが。
 空斗も積極的に囮として動き、挑発攻撃をして注意を引きつけては万が一にもシートの中に水が入ってしまわないようにアメフラシの攻撃を受けてもいる。ヒーローはすでにびしょびしょである。

 ついには、アメフラシたちも店内は安住の地ではないと思い始めたのかもしれない。少しずつではあるが、店の外に向かって移動するものも出始めていた。
 
 すでに時刻は夜九時を回り、空は夜の闇に包まれている。
 店前は店内から漏れ出る光で十分な明るさがあるが、一歩脇へと入ってしまえばそこは暗闇の世界だった。

 店内のメンバーが店外へと出したアメフラシを、待ち受けていた三名が退治にかかる。
「もう店には入れないからね」
 森林が和弓の弦を引き絞り、レジ袋に梱包されたアメフラシに一撃を放つ。レジ袋に穴があいて中から液体が漏れだした。
 まだ中のアメフラシはうごめいていたが、智がグラディウスでたたきつぶして仕留めた。
「損害を出させないためにも、きっちり仕留めちゃわないとね」
 彩香はエルナが放り出したアメフラシに狙いを定め、急加速からの一撃を見舞う。手甲に取り付けられた二本の刃が敵をえぐり、体液を飛び散らせた。
 だが、攻撃力皆無とはいえ相手も天魔である。その一撃では絶命にいたらず、空中にとばされながらも彩香に向かってその身をぐっと丸めた。
 そこへ、追加の一撃。
 鋭い観察によって水吐きの動作を察知した森林が素早くはなった攻撃で、天魔は反撃かなわず地面に落ちた。

「天魔退治っていうか、特殊清掃ですねこれじゃ。気楽といえば、気楽だけど‥‥っと」
 武器を振りながら、智がそう言った。
 敵の数自体は多いが、何しろ反撃を受けても液体を浴びるだけである。まして雨合羽装備の智は服も濡れない、残念なことに。
 ん‥‥何も言ってませんよ?

 店内の捕獲は順調に進んでおり、店の入り口周辺には複数のアメフラシがうごめいている状況となった。
 彩香が動き、アメフラシたちを一直線にとらえる。
 武器に込められた渾身のエネルギーが一度に放たれ、烈火のごとき光の衝撃波が天魔をまとめて吹き飛ばした。

 ついには店内に天魔の姿は見えなくなり、店外に残る天魔の姿も残りわずかとなった。
 レジ袋の中から逃れようともがくアメフラシへ、森林が最後の一撃を放つ。
 逃れるすべはなく、アメフラシは末期の水を吐き出すと動かなくなったのだった。

「もう店内には残っていないようだね」
 もっとも多くのアメフラシを捕獲したネコノミロクンは、ドリンクなどを置く冷蔵庫内やバックヤード、さらには天井裏まで確認した後でそう報告した。
「ああ、本当に助かったよ。レジやコピー機は全部無事だし、商品も‥‥全部とはいかないにしても、多くは無傷だ」
 店長は安堵の表情を浮かべて、彼に握手を求めた。
「被害が大きくならなくてよかったよ」
「ああ、君もまた済まなかったね‥‥」
 もっとも多くのアメフラシを退治した彩香にも握手を求める店長だが、視線が中途半端に下に向いている。
 何しろメンバーは多くがアメフラシの液体を浴びて水浸しである。彩香も例外ではなく、服がしっとりと濡れていつも以上にボディーラインが露わになっていた。
「‥‥これで風邪引いたりしないわよね?」
 エルナはすっかり水を吸ったマントを外してそう言った。そうすると彼女も驚くほど薄着である。谷間を伝う水滴も色っぽい。‥‥どこの谷間とは言わないが。
 一方、囮役をこなした空斗は彼女以上にずぶ濡れだが、満足げな高笑いをあげていた。
「行水には丁度良い季節だな、ハッハッハ! 水も滴るいいヒーロー、ということだ!」
 彼も今はコートを脱ぎ、その肉体をさらしている。しとどに濡れた赤髪からは言葉通りに水が絶えず滴っていた。
「お疲れさまですー、バスタオル、使ってください」
「このスカーフ、拭くのに使います?」
 合羽着用の智と遠距離からのサポートが主だった森林の二人は、比較的被害が少ない。通気性の悪い格好でずっと動き回っていた智はだいぶ汗をかいており、他の面々とは違った意味で濡れてしまっていたが。

「さて‥‥これから店内の水を掻きだして、掃除して‥‥モブ子、手伝ってくれるかい?」
「‥‥お店が再開しないと私も困りますから」
 笑顔もつかの間、これからの仕事量にうんざりする店長。モブ子は仕方ない、といった表情である。
「あ、掃除手伝いますね〜」
 だが、森林の申し出に再び店長はぱっと顔を輝かせた。
「本当に!?」
「どうせだから、こっちも手伝うよ」
「ブルーシートも片づけないといけませんしね」
 彩香や智も口々に同意し、店長は彼らの好意に思わず涙ぐんだ。
「みんな、いい子だなぁ〜。ありがとう! 助かるよ」
「だけど、服が汚れてしまっているから一度着替えて、すぐ戻ってくるよ」
 ネコノミロクンが大雨の後のようにぐしょぐしょになった足下を見ながらそう言うと、彩香が続いた。
「そうだね。あたしもこの格好だと、目のやり場に困る人がいるみたいだし」
「え? あれ?」
 彩香にからかうような目線を向けられ、店長は目を白黒させる。
「‥‥」
 モブ子がそんな店長をじと目で見ていた。

 女性は視線に敏感だぞ! みんなも気をつけよう!



 コンビニの一角、光の届かないその場所に、小さくうごめく何かがあった。
 それは、一匹のアメフラシ。
 戦いのどさくさでここまで逃げ仰せたのか? それともはじめからそこに潜んでいたのか? それは分からない。

 アメフラシは緩慢な動作で進み、やがて草陰に潜って、姿を消した。


依頼結果

依頼成功度:普通
MVP: くず鉄ブレイカー・ネコノミロクン(ja0229)
 SneakAttack!・高峰 彩香(ja5000)
重体: −
面白かった!:5人

英雄を期する者・
相楽 空斗(ja0104)

大学部5年25組 男 インフィルトレイター
くず鉄ブレイカー・
ネコノミロクン(ja0229)

大学部4年6組 男 アストラルヴァンガード
異形滅する救いの手・
神林 智(ja0459)

大学部2年1組 女 ルインズブレイド
優しき翠・
森林(ja2378)

大学部5年88組 男 インフィルトレイター
SneakAttack!・
高峰 彩香(ja5000)

大学部5年216組 女 ルインズブレイド
撃退士・
エルナ ヴァーレ(ja8327)

卒業 女 阿修羅