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マスター:嶋本圭太郎
シナリオ形態:イベント
難易度:易しい
参加人数:24人
サポート:2人
リプレイ完成日時:2014/03/10


みんなの思い出



オープニング

「いらっしゃいませ」
 自動ドアが開くと、主張も抑揚もない挨拶が耳に飛び込んでくる。
 いつものことではある‥‥が、今日に限ってはそれがなんだか気になって、店長は思わずレジに立つ女の子に声をかけた。
「おはよう、モブ子(愛称)‥‥朝だよ、いま」
「おはようございます、店長。朝ですけど、何か?」
 モブ子は型どおりの挨拶を返した後、きょとと首を傾げて見せた。
「もう少し‥‥ほんの少しでいいから、元気に挨拶とかすると、いいと思うんだけどな。こう、お客さんが『よし、今日もがんばろう!』って思えるような」
「‥‥そういうのは苦手なので」
 モブ子はバイト歴が長いこともあって有能なのだが、接客がどうにも機械的なのが弱点だ、と店長はずっと思っていた。
 外見は悪くないのだから、にっこり笑顔を浮かべて接客できるようになったら固定客の一人や二人つくんじゃないか‥‥と思ったりもするがそれをそのまま口に出すとセクハラ確定なので間違っても言わない。
(ま、なんでも得意不得意はあるしな‥‥)
 こんな人の少ないコンビニでバイトを続けてくれているだけでも感謝しなくちゃ、と店長はそれ以上ツッコむことをあきらめた。

 ここはハッピーストア久遠ヶ原支店。にっこり笑顔で挨拶しようにも、対象となるお客様の気配がないことは触れてはならぬ暗黙の約束‥‥。
「そもそも、挨拶しようにも誰も来ませんが」
 というわけでもなく、店長はがっくりと肩を落とすのだった。



「結構、残ってますね」
「‥‥うん」
 モブ子が棚の一点を眺めて呟く。答える店長は、あえてそちらを見ないようにしている。
 シーズンエンドには、今年もバレンタインデーの特設コーナーが出来ている。しかし‥‥。
「もう14日ですけど」
「‥‥うん‥‥」
 まだ棚は商品がほとんど隙間なく陳列されている状態だった。
 コンビニの季節棚は、いかにロスなく商品を売りきるかが焦点だ。時期が過ぎた売り物を棚に並べておく余裕はないし、並べたところで誰も買ってくれない。
「去年上手くいったから、今年はちょっと‥‥冒険したんだよね」
「はあ」
 モブ子としては特に責める口調でもなかったが、店長の声は消え入りそうであった。
「私は別にいいですけど‥‥残っても、買いませんし」
「いまさくっと釘を差したよね?」
 ロス率を低く抑える手っ取り早い方法は身内に買ってもらうこと‥‥なのだが、毎度そういうことがありすぎてここのバイトは先手を打つことを覚えてしまったのだった。

「はあ、まあそれはいいんだけど‥‥ちょっと協力して欲しいんだよね。これ」
 店長は力を落としつつそう言うと、カウンターの下からなにやら取り出した。
「チョコ‥‥ですね」
 透明な袋の中に、個包装された小さなチョコレートがたくさん入っている。
「本部から販促に使え、って今更送られてきてさ‥‥これ、今日来たお客さんに配ってくれる?」
「はあ‥‥まあ、いいですけど」
 がさがさと袋の中のチョコレートを探って、モブ子はぽつり。
「でも、今日チョコ配ったらチョコ売れないのでは?」
「俺もそう思うけどね送られて来ちゃったからね!」
 店長は泣いた。

「それに、私今日は昼までですから大して配れないかと」
「あーうん。それなんだけどさ」
 店長は申し訳なさそうに笑みを作った。
「勤務後、学校なんだろ? 多分これ余るからさ、持って行って学生に配ってくれないかな」
 モブ子は店長をじっと見た。彼女はこういう時もほとんど表情を変えないので逆に怖い。
「頼むよ。お店の宣伝も兼ねて」
「時間外勤務ですが」
 にべもなく言われ、ぐっと言葉に詰まる店長。
「売れ残りのやつでよければ、ポケットマネーで‥‥」
 店長はさりげなく棚の真ん中に目をやってモブ子を誘導する。その辺りに並んでいるのが一番安い。
 が、モブ子は無情だった。
「じゃ、あれ」
 彼女が示したのは棚の一番上の、一番お高い商品。
「う、売れ残ったらね」
 多分売れ残るだろうな、と商売人の勘がこんなときだけ正確な予測を伝えてきて、店長は笑顔をひきつらせた。



(バレンタインの校舎は──)
 モブ子は去年の光景を思い出した。
(さて、今年はどうなっているのでしょうね)
 普段人気の少ない冷めた空気を吸ってばかりいるのだ。たまには胸焼けするくらい甘い空気を嗅ぎに行くのも悪くはないか、とモブ子はそんなことを考えていた。


リプレイ本文

 いつだって、太陽は変わらず昇り、変わらず沈んでいく。
 だと言うのに、この世を生きる人々は、一日に意味をつけずにいられない。

 今日にどんな意味を見いだすのかは、そうは言っても人それぞれである。

「今日もこの日がやってきたか‥‥」

 久遠ヶ原に昇る朝日を見ながら、佐藤 としお(ja2489)が呟いた。
 まだ日差しの緩やかなその時間から彼は自転車にまたがる。
 それはこの日のために、用意した物だった。



「いらっしゃいませ」
 狐のお面をつけた青年、吹雪 彰刃(jb8284)はすたすたと通路を進み、チルド飲料売場で500mlの牛乳パックを手に取った。
 まるで今日がなんの特別な日でもないかのような落ち着きっぷりだ。
 そんな彼の眼前で棚から品物が転がり落ちた。流れで彰刃はそれを拾い上げる。
「あ、すみません」
 モブ子がレジから出てきて端的な謝罪をしたが、品物を手にした彼は動かない。
 彰刃が手に取ったそれは──よりにもよって、チョコレートだった。
「あの」
 モブ子がもう一度声をかけると、彰刃はスイッチを入れなおした機械みたいにガクンと動いた。
「ああ‥‥大丈夫。今日は普通の日だから‥‥」
「?」

 すっかりお分かりだろうが、彼は『お一人様』だ。
「今日は普通の日‥‥普通の日なんだ‥‥」
 トレードマークの笑顔もこころもち弱々しかった。


(やっぱり今日は、あれね。空気がぴんく色だわ)
 月守 美雪(jb8419)は早速チョコ売場を覗く。
「いっぱいあるわね‥‥どれにしようかな」
 場末のコンビニにしては種類も揃えてある。下段の方には、(店長があきらめたらしく)すでに割り引きシールが貼られているものもあった。

 美雪が物色しているチョコは自分用である。
 我ながらまだまだ色気より食い気ね、と思いつつ、いろいろ目移り。
「うふふ、この時期のチョコ売場は天国ね‥‥っと」
 思わずうっとりと呟いてしまった。きょろきょろあたりを見回す。
「そう、私はプレゼント用のチョコを買いに来たの」
 彼女としては、やはり自分のチョコだけ買いにきたと思われるのは恥ずかしいのだ。
「平常心、平常心よ‥‥あ、これ美味しそう」
 年頃の女性らしい羞恥心は、しかし食い気に若干押されがちであったが。

「ありがとうございました。‥‥よかったらこれもどうぞ」
「あら、いいの?」
 レジへではモブ子が小さなチョコを一個おまけしてくれた。
「大分値下がりしてたし、いい買い物ができたわね。ふふ、食べるのが楽しみ」
 上機嫌でお店の外へでる。

「いやぁ〜どしよぉ〜虫歯とか気をつけなきゃな〜☆ 当日に食べるのが礼儀だけど食べきれるかな〜♪」

 入り口脇で、藤井 雪彦(jb4731)が聞こえよがしに言っていた。
 美雪と目が合うと、前髪をさらりとかきあげキラリと歯を見せて笑う。
「やあ、今日は特別スイートな香りがするね♪」
 視線は美雪の胸元の、チョコが詰まった紙袋に。
「あ、いえ、これは‥‥相手が決まっているので」
 嘘です全部自分で食べます。

 雪彦に若干どぎまぎしながら答え、美雪はそそくさと立ち去った。

(来年は‥‥本命を渡せる相手が出来ていればいいな)
 一人になってからそんなことを考えて、美雪はひっそりと頬を染めたのだった。

「‥‥ちぇっ、行っちゃった」
 一方、雪彦は軽く口をとがらせた。
 チョコをたくさんもらうしかないっしょー!! と意気込んではみたものの‥‥。
(だ‥‥大丈夫だよね? もらえるよね?)
 笑顔の裏で冷や汗たらり。

 そんな彼の目の前を、としおが自転車のベルを鳴らして横切っていく。ちりんちりん。

 車体の横にめいっぱい大きく白抜きでかかれた文字が目に入り、雪彦ははっとする。
(すごい、そこまでやるのか‥‥!)
 同士を見つけた思いで、雪彦はとしおを見送った。
「よーしっ、ボクもガッツリアピールするぞ〜!」

「どうしたの?」
「いえ、なんというか‥‥需要はあるのだろうかと」
 店内からそれを見ていたモブ子は遠い目をした。

「そう言えば、今日はまだ来てないね」
「誰がでしょう」
「ほら、ここの所毎日来るじゃない。青い髪の」
 このコンビニにも僅かながら常連客というものはいるが、彼女はとりわけ印象に残っている。
「毎日毎日、軍手とカマボコと青汁を買っていくんだよね‥‥」
「軍手が毎日必要になるってどんな環境なんでしょうね」
「カマボコと青汁はいいんだ」

「と、いったところで時間ですので、お先に失礼します」


 青い髪をポニーテールにした歌音 テンペスト(jb5186)がお店にやってきたのは、モブ子が店を出た直後だった。
 彼女は店に入るなりきょろきょろ視線を巡らせる。
「‥‥あれ、いない」
 呟くと、店を出て行った。憧れのあの人に会うために。



 そんなこととは露知らず。
 モブ子は通りの一角に人が集まっているのを見つけた。
 確か、あそこはチョコレートの専門店があったはず。


「というわけで、頼むよ」
 店主に頭を下げられて、春名 璃世(ja8279)と黄昏ひりょ(jb3452)は顔を見合わせた。

「お店の前で、彼女から彼氏にチョコを手渡す、っていうシーンがいいかなって」
「いや、まだそういうんじゃないですから!」
 「お店の宣伝チラシ用にモデルになってほしい」という店主にカップル扱いされて、ひりょはあわてて否定する。
「じゃあ、フリでも良いし! ここの所売り上げが落ちてて、ホント困ってるんだよ!」
「どうしよう、ひりょくん?」
「‥‥見捨てておけないもんな」
 仕方なく、といった風で呟く。
「ホントに? ありがとう!」
 店主の感謝を受けて、隣で璃世が柔らかく微笑んでいる。ああやっぱり同じなんだな、と思う。

 お互い、困っている人の力になることに喜びを感じる──そんな性分なのだ。

「チョコはどうする? お店で用意もできるけど」
「あ、いえ」
 店主を璃世が呼び止めた。
「チョコなら‥‥用意、ありますから」
 我知らずその頬が赤くしながら、それをそっと取り出した。


「え、えっと‥‥」
 カメラのレンズと、集まった野次馬にちょっと戸惑いつつも、璃世はひりょの目を見つめた。
「ありがとうの気持ちをいっぱい込めたの。受け取ってくれると嬉しいな‥‥」
 感謝と親愛が詰まった手作りチョコ。
 ひりょはまっすぐに璃世を見つめ返す。その視線に、恥ずかしさと一緒に苦しさがこみ上げた。

 あの日の言葉が甦る。想いを伝えてくれた声と表情が、今の彼に重なる。
 ひりょが一歩進み出た。ゆっくりと手を差し伸ばして、チョコを介して二人がつながる。
 顔を真っ赤にしながら、微笑む。
「嬉しいよ‥‥ありがとう、璃世さん」

 彼の想いにすぐに応えられない、そんな自分にひりょは変わらず接してくれている。
(待っててくれて‥‥ありがと)
 今またこみ上がる感謝の気持ちを少しでも伝えたくて、璃世は微笑みを返すのだった。


「なんだか初々しい光景でした‥‥」
 野次馬に混じって見ていたモブ子は再び学園へ向かう。──と。
 男が電柱の陰から通りをのぞき込んでいるのが見えた。

(いったい‥‥誰なのだ)
 インレ(jb3056)の視線の先には、花屋の店員と穏やかに会話しているイーファ(jb8014)の姿があった。
 時には孫のようにさえ感じられる彼女はとてもいい子だ‥‥少々夢見がちな所はあるが。
 そんな彼女が先日、「チョコを渡したい相手がいる」と言いだした。
(誰かを想うのは喜ばしいことだが‥‥悪い男に騙されておらんとも限らん)
 ヒーローとして、身近な大人として調査するのは当然の行い、むしろ義務。
 こうやって後をつけたりするのも全く悪くな──
「あー、キミキミ、何をやってるのかね」
 うわー職質キター!
「いやいやわしは歴とした撃退士であって今は」
「はいはいちょっと一緒に来てくれる?」

 ようやく誤解を解いたときには、イーファの姿はなかった。代わりにとしおが自転車に乗って彼の前を横切っていった。ちりりん。


(久遠ヶ原にも不審者はいるんですね)
 そんな誤解をしつつ、昼食をとりにオープンカフェに入った。ちょうど店員が、立派なパフェを隣の席に運ぶところだった。

「わぁ〜☆ 美味しそうだねぇ、ハルちゃん♪」
「これは‥‥なかなか食べ応えがありそうじゃのう」
 アムル・アムリタ・アールマティ(jb2503)とハルシオン(jb2740)はででんと置かれた器を前ににんまり笑いあった。

「それじゃあ早速‥‥いただきま〜す☆」
 アムルはこぼれるほどのクリームをスプーンですくい取り、早速口へ運ぶ。
「んん、あま〜い♪」
「んむっ♪ 矢張りパフェは美味なるものよのぉ」
 ハルシオンも大きく口を開けて一口、とろける甘さにほっぺを抑えた。

 二人は幸せそうに相好を崩し、顔ほどもある器に盛られたパフェを平らげていく──のだが。

「あぁっ!?」
 アムルが器に残ったトッピングのバナナを口に放り込んだ瞬間、ハルシオンが声を上げた。
「むぐ‥‥ほうひはの?」
 彼女はほっぺを膨らませてぷいと向こうを向いてしまった。
「‥‥じゃぞ」
「?」
「其れはわしが楽しみに取っておいた分じゃぞ!?」
 どうやら、ハルシオンはバナナを食べたかったらしい。
 器の中にはもう残っていない。さて困ったぞ、とアムル。だけどすぐに名案を思いついた。
「ハルちゃんハルちゃん」
「なん──」
 ハルシオンが振り向いたときには、アムルの顔がもう間近。
 彼女はそのままさらに近づいて、ハルシオンの唇を奪ってしまう。
「むぐーっ!?」
 両手でしっかり頬を固定して、舌までいれちゃう。ハルシオンの意思とは全く関係なく、ちゅ、ちゅと水音が鳴った。
「ぷはぁ」
「な、なな、何をするのじゃお主はー!?」
 ようやく唇をはなれると、ハルシオンは顔を真っ赤にして抗議する。
 しかしアムルは悪びれた様子もない。
「ボクの舌に残ってる味をおすそ分けだよぉ♪ どぉ?」
「どうも何も‥‥」
 なお憤るハルシオンだが、口の中には‥‥。
「い、いや、確かに甘くて美味しい‥‥って、何を言わせるのじゃ!」
「えへへぇ、よかったぁ☆」
「こ、公衆の面前じゃぞ!」
 わたわたと抗議を続けるハルシオン。だがそれはアムルをさらに暴走させるだけだった。
「ハルちゃん‥‥可愛い♪」
「こ、こりゃアむぐ、ちゅ、む‥‥」
 パフェなどそっちのけで、ハルシオンを抱きしめたアムルはキスの雨を降らせる。
 もはやアムルの味しかしないそれを、ハルシオンは受け入れるしかなかった。
「えへへぇ、ハルちゃんだ〜い好きっ♪」



「そういえば‥‥これを配らないといけないのですよね」
 学園入口の近くで、チョコ配布を開始する。
「よかったらこれ、どうぞ」
 偶然通りかかった風理(jb5999)やコルゴン・ゴルゴンゾーラ(jb4771)の右手に半ば強引に小さなチョコを押し込んでいく。


「ありがとうございます、荷物‥‥」
「仕方ない。重そうだったし、ね」
 樹月 夜(jb4609)と支倉 英蓮(jb7524)が並んで学園に入ってきた。
 夜は英蓮のショッピングでの戦利品をどっさり抱えている。英蓮は彼に寄り添うようにして歩いているが、どこかソワソワした様子だった。
 モブ子はそんな彼らにも近づく。
「よかったらどうぞ」
「へぇ、チョコレート?」
 夜が受け取ると。英蓮の表情が密かに変わる。
「? どうしたの?」
 無言のまま、夜の左腕に手を絡ませた。英蓮はモブ子を軽く睨む。
「あ‥‥そちらの方もどうぞ」
 催促されたとでも思ったのか、モブ子は英蓮にもチョコを手渡したが、彼女の険しい目つきはそのままだった。

 モブ子が立ち去った後も、英蓮は夜にくっついたままで、突然光纏してピコハンを顕現した。
「ちょっとちょっと、何してるの?」
「今日はリア充爆破を狙う人が来るかもしれませんから!」
 もし来たらわたくしが追い払います、と英蓮。ところでその武器威力は他のV兵器と変わりませんからね‥‥?


「ふぅ、ごちそうさま」
「お粗末さまでございました‥‥」
 学園内の林で、英蓮お手製のお弁当でランチを済ませた。英蓮はやっぱり周りを気にしている。
「どうしたのさ、支倉さん。今日はなんだか落ち着かないね」
 夜に問いかけられて、はっと体を固くする。
 すう、はあと深呼吸。
「あ、あのっ」

 なんども頭の中で繰り返した大事な言葉。
「わたくしと‥‥お付き合い、していただけませんか‥‥?」

 林の向こうの小道から、ちりんちりんとベルの音が遠くに聞こえる。

 夜は英蓮を見ると、軽く笑った。
「んー? 別に今特定の人が居るわけじゃないから良いよ」
「本当、ですか? ありがとうございます‥‥!」

「あの、では‥‥目を瞑っていただけますか?」
 英蓮に言われたとおりにする。なにやらごそごそと物音がした後、肩に彼女の手らしき重さを感じた。
「ん‥‥」
 それから、柔らかい感触が唇へと。
 口の中に、何か押し込まれる。甘くとろけるそれは、チョコレートだろうか。
 感触が離れ、目を開くと、英蓮が恥ずかしそうに口元を抑えてうつむいていた。
「これが‥‥本命チョコ‥‥です‥‥あの‥‥よろしく‥‥お願いしますね‥‥?」
 告白直後にキスで口移しとは、なかなかに大胆な子である。
 夜は驚きつつも口の中の甘さを味わっていたが‥‥。
「じゃあ‥‥お返し」
「えっ!?」
 素早い動きで英蓮に近づくと、今度は彼から口づけする。
 口の中に残ったチョコを押し返し、甘さを共有。
「む、むーっ」
 英蓮が苦しそうに呻くが、夜はやめない。押し倒してなおも口づけを続けた。
 そのまま息が続かなくなるまで、数十秒──。
 やっと夜が体を起こす。英蓮は息も絶え絶えとなって横たわっていた。
「やられた事は倍返しする主義だからゴメンネ。‥‥これから宜しくね?」
「はあ、はあ‥‥」
 夜は熱に浮かされたようになっている英蓮に、にっこりと笑顔を向けたのだった。


「また‥‥見てしまいました」
 実は林の陰にいたモブ子。
「この先もこんなのばっかりなんでしょうか」

 そんな彼女の想像はそれから十歩で打ち砕かれた。

「ごらんの有様だよ!」
 夜と英蓮が二人の世界を作り出していたその裏っ側で、玉置 雪子(jb8344)がうがーと泣いた。
「バレンタインを前にして‥‥先輩にフラれた‥‥人生オワタ‥‥」
「残念だったね‥‥」
 隣には九鬼 龍磨(jb8028)がいて、雪子の背中を優しく撫でてやっている。
「ウツダシノウ」
「それはやめておきなさい」
「せっかく先輩の為にチョコケーキを作ったのに‥‥どうしてこうなった」
 そういって雪子は黒っぽい塊を取り出した。
「それ、ケーキ‥‥じゃないよね」
 どう見てもカレールーです。本当に(ry
「でももったいないから食べるしかないですよね‥‥」
「塩辛いからやめなさい! あとでカレー作ったげるから!」
 雪子はあんぐり口を開けるが、龍磨に取り上げられて歯がガチンと鳴った。

「そうだ‥‥これは夢なんだ」
 龍磨は雪子の顔をのぞき込むが、目の焦点が合っていない。
「雪子は今、夢を見ているんだ‥‥起きたらチョコケーキを包んで、先輩のお弁当も作って、授業中はどう渡すかイメトレして、放課後に夕日の差す教室でおもいきってチョコケーキの包みを渡すんだ‥‥」
「おーい、大丈夫?」
 手をひらひらさせてみる。
「‥‥はっ! クッキー先輩、チョコ、雪子のチョコケーキはどこですか!」
「いや、これカレールーだし‥‥」
「うわあああん、先輩ー! チョコー!」
 愛しの先輩を求めているのかチョコを求めているのか分からなくなってきた雪子。
 見かねてモブ子がやってきた。
「ケーキじゃないですけど、よかったらチョコどうぞ」
「あ、どうも‥‥ほら、チョコだよ」
「チョコー‥‥」
 チョコを渡すと、雪子はようやく大人しくなった。

 騒ぎ疲れたのか、雪子は龍磨の腿に頭を乗せたまま眠ってしまった。
 軽く頭を撫でてやってから、龍磨は自分のことを振り返る。
「なんていうか、僕も今のままじゃダメな気が‥‥?」

 恋をしたい、とは思うけれど。
 恋ってどんな気持ちだっただろう。
 今、雪子から暖かい熱が伝わっては来るけれど、この気持ちは恋ではないと思う。

 陽だまりの中で。
 血も凍る闇夜で。
 甘い睦言の籠もる部屋で。
 あるいは、死に至る戦場の中で。

 ただ静かに笑いあえる‥‥そんな。

「恋がしたい、な」
 そよ風に揺れる木々のざわめきを聞きながら、龍磨はぽつりと呟くのだった。



 モブ子は学園の図書室にいた。
(さて、そろそろ閉館ですか)
 何気なく入口に目を向けると、丁度ぱたぱたと人が一人駆け込んでくる。
 苧環 志津乃(ja7469)は図書室に入るなり視線を巡らせて。
(まだ、間に合うでしょうか‥‥)
 閲覧席の奥に小柴 春夜(ja7470)を見つけて、彼女の心に光が射した。


 図書室を出た二人は並び歩く。
 志津乃の横顔に、春夜は気持ちがどうしようもなく高まっていることを自覚した。

(いつの間にか、あいつを思い出しても、彼女の姿になってしまうようになった)
 そんな自分を薄情だと思う。
 それでも、志津乃を目の前にすると、ほかの人物のことは目に入らなくなる。
(切り出さないままでいるのは、そろそろ限界かな)
 自分の気持ちを伝えたい、彼女の気持ちを知りたい。
 だけど、彼女を尊重もしたい。相反する思いで、春夜は焦れているのだった。

 一方で志津乃もまた、春夜の隣で気持ちを落ち着けようと懸命になっていた。
「あの、今日は、依頼で遅れてしまって‥‥」
「ああ‥‥いや。気にしなくても‥‥」
「いえ、今日は、どうしても‥‥お会いしたくて」
 志津乃は足を止め、春夜に向き直る。
 こんなにも緊張するものか。
 戸惑いながら、薄青の和紙で包んだチョコを取り出した。
「あの‥‥受け取ってもらえますか‥‥?」
 春夜が手を伸ばした。そこに込められているのは‥‥。
「ありがとう‥‥これは、友情の証?」
「いいえ」
 志津乃は首を振った。
「これからも一緒の時間を過ごしたいんです‥‥友達では、なくて‥‥」
 潤んだ瞳から涙がこぼれそうになる。それ以上は口に出来ず、志津乃は一歩、春夜へと体を寄せた。
 それが、彼女の精一杯の回答。
「苧環さん」
 春夜が志津乃の右手を取ると、志津乃はそっと、しかししっかりとその手を握り返してきた。

 彼女も同じだったのだ。

 たまらなくなって、春夜は彼女の肩を抱いた。
「好きだ。あなたが」
「‥‥‥‥はい」
 力強くその腕に抱かれて胸をいっぱいにしながら、志津乃はか細く頷き答えるのだった。


(やべぇ‥‥やべぇよ‥‥)
 雪彦は青ざめていた。
 めちゃくちゃ張り切って女性陣にアピールしたのに。ここまでの成果は‥‥惨憺たるもの。
 バレンタインデーが終わってしまう!?
「ちょっと雪彦、帰んないの? 私先に行くけど」
 廊下に半分足を踏み出した稲葉 奈津(jb5860)が彼を呼ぶ。
「待って待って、一緒に行くよ!」

(なっちゃんは昔からの付き合いだし〜ちょこっと用意してくれてるよね? チョコだけに‥‥やべぇ心もさみぃ‥‥)
 もはや雪彦にとって奈津は最後の希望であった。
 で、その奈津はというと‥‥。

(ん〜一応持ってきてるけど‥‥キャラじゃなくない? 恥ずかしんだけど!)
 どうしたものかと思案していた。
(でもなぁ〜かなり前からウザいくらいアピってたしなぁ〜どしよ‥‥)
 やっぱり渡してあげようか‥‥いやいや待てよ。
(なんか‥‥ここまで引っ張ってから渡すのって、ちょっと意味深じゃない!? 特別な意味なんかないからサクッと渡せばいーのに!! 私のばかぁー)

(なっちゃん‥‥くれないのかなあ〜)
 内心で葛藤し続ける奈津を、指をくわえて見守るほかない雪彦。
 そこへモブ子が現れた。
「よかったらチョコどうぞ」
 ほとんど流れ作業でチョコを配る彼女は雪彦にもチョコを渡す。雪彦はついに女子からのチョコをゲットした!
 ‥‥が、直後背中に冷気を感じた。
 振り返ると、奈津がこちらを見ている。
「よかったね〜♪ もういらないんじゃない?」
 あれ、視線が冷たい。
「いやいや、くれるんだったらいくらでも!」
「そんなにチョコ好きだっけ? ふ〜ん‥‥」
 奈津は雪彦に背を向けると歩き出してしまう。
「な‥‥なっちゃん?」
 それでもおそるおそるついて行くと、奈津はやがてため息をつく。
「はあ‥‥まあ、いいか」
 そう言って、鞄からさっと包みを取り出した。
「! それ‥‥」
「義理っていうか、友チョコっていうか〜まぁそんな感じのアレだから‥‥有難く受け取りなさいよねっ!!」
 こくこく頷く雪彦に、わざとぞんざいにチョコを手渡す。奈津は晴れやかに笑うと、一言付け加えた。
「WD超期待、なんだからねっ♪」


「はぁ、見つからねぇなあ‥‥」
 ラファル A ユーティライネン(jb4620)が購買部から出てきて、いくらか決まり悪そうに帽子を被りなおした。
 後から出てきたリチャード エドワーズ(ja0951)が扉を閉める。
「ラルのパーツのことはよく分からないが、なかなか難しい探し物みたいだな。その‥‥」
「『良心回路』な」
 ラファルは口の端をつり上げて笑った。
「改造の副産物でたまにできる、って聞いたんだけど‥‥そうそう簡単には見つからねえか」
 二人はずっとこうしてショップを回っていたが、全くの空振りに終わっていた。
「ほとんどあり得ない探し物だからな。こんなのに一日付き合ってくれるお前はホント、物好きというかなんというか」
「戦友の頼みだからな。付き合うさ」
「今日はバレンタインデーだぜ?」
 冗談めかしてラファルが言うと、リチャードは心底驚いた顔をした。
「そう言えば、そうだな‥‥忘れていた。まぁ、特に変わりないかな」

 ふたりの脇を、荷台に段ボール箱をくくりつけたとしおの自転車が通り抜けていった。ちんちりりん。

「悪かったな、付き合わせて」
「いや。ラルと出掛けるのは久しぶりだったから、楽しかったさ」
 探し物が見つかっていればもっとよかったのだが、などと考えていると、モブ子が寄ってきた。
「よかったら、チョコ──」
「おっ。なあ、それは?」
 ラファルが袋を指さす。
 たくさんの一口チョコに混じって、一つだけ大きなハート型のチョコが入っていた。
「よかったらそれをくれないか? 二人分ってことでさ」
 ラファルは自分とリチャードを示して聞いた。
「はあ、いいですよ」
 ラファルが受け取ったチョコは、丁度彼女の心臓ほどの大きさ。
 それを確認すると、それをそのままリチャードに渡した。

「こいつは、俺の良心だ。ちょっと甘いかもしれないけどこれからもよろしくな」

 リチャードは思わぬバレンタインの贈り物に、ふっと表情をゆるめた。
「こちらこそ‥‥よろしくお願いする」


「恋多きでなくとも美味しい特別メニューをいただけるのは今だけ! というわけでディナーやで、ヨル」
「うん‥‥黒の選ぶお店は料理美味しいから好き」
 柔和な笑顔で前を行く蛇蝎神 黒龍(jb3200)に、七ツ狩 ヨル(jb2630)がてってこついて行く。
 並んで学園を出ようとしたところに、モブ子がやってきた。
「チョコどうぞ」
「お、おおきになあ」
「ありがと‥‥」
 黒龍は屈託のない笑顔で受け取り、ヨルはつと思案顔になる。
 バレンタイン=チョコ大交換祭な認識の彼としては、貰ったからにはお返しをしなくてはいけない。
(でも、アレは黒のだから‥‥)
「チョコじゃないけど」
 モブ子にはカフェオレを進呈した。



「良い天気だったなあ」
 太陽が沈んでいく。彰刃は公園のベンチに腰掛けて、その光景をぼんやり眺めていた。
 リアルを充実すればリア充だ! と意気込んでいた彼だが、果たして充実していたのだろうか?
「牛乳は最高だよ。栄養価も高い上にイライラも防止してくれる‥‥」
 朝方コンビニで買ったそれをちびちびやりつつ、穏やかに呟いている。
「だからと言って牛乳だけというのもどうかと思いますが」
 そんな彼に、モブ子が話しかけてきた。
「あれ、確か、コンビニの‥‥」
「朝、お渡ししなかったと思いまして」
 モブ子は彰刃にチョコを渡す。
「牛乳にも合います」
 それだけ言って去るモブ子を、呆然と見送る彰刃。さて、彼のリア充に少しは貢献しているといいのですけど。


 月が昇った。
(あれは、昼間の‥‥)
 公園の照明灯の下に不審者もとい、インレが立っている。
 何となく遠巻きに見ていると、彼の元に女の子がぱたぱたと駆け寄っていく。
 女の子が、何かを差し出した。


「これを、‥‥わしに?」
「はい」
 イーファはにっこりと微笑んで、インレに薔薇の花束を見せる。赤でも黒でもない‥‥そう、チョコレートカラーだ。
「日本では、バレンタインにはチョコを渡すと聞きました。けれど、インレ様が甘い物を好むかどうか、存じ上げませんでしたから‥‥」
 この花ならば、格好のプレゼントだ。
 イーファは花束を差し出すが、インレが戸惑ったまま受け取ろうとしないので、にわかに不安がよぎった。
「あの‥‥インレ様?」
 ひょっとして、気に入ってもらえなかっただろうか。
 その様子に気づき、インレはあわてて手を伸ばす。
「‥‥いや、とても嬉しいよ。ありがとう、イーファ」
 花の香りを嗅ぎ、優しく頭を撫でてやると、彼女は安心したように微笑むのだった。

「だが、わからんかった」
 花に半ば顔を隠すようにして、インレは呟く。
「ふっ夜影跳人と呼ばれたわしも老いたものだ」
 すると、イーファがこんなことを言った。
「最近、落ち着かない様子でしたし‥‥花で心穏やかになっていただければ」

 ああ、本当に。
 良き子に育った。

「‥‥いかん、涙が」
「インレ様?」
 すぐ目元を隠したが、涙が灯りに照らされるのを見られてしまったようだ。
 イーファきれいに畳まれたハンカチを取り出すと、そっとインレの頬へ手を伸ばす。
 インレがまた頭を撫でてやると、彼女はくすぐったそうに笑った。

 落ち着かなかった原因が自分にあるなど、この子は露ほども思っていないのだろう。
 そんな純粋さを持ったまま、これからも成長していってほしいと、インレは切に願うのだった。


 公園の先の展望台に、黒龍とヨルがいた。
「どやった、料理美味しかったやろ?」
「うん。──食後のカフェオレも」
 二人は町のイルミネーションを眺めている。
「黒、これ‥‥あげる」
 ヨルが黒龍に渡したのは、小さなチョコの詰め合わせ。選考基準は‥‥。
「カフェオレと一緒だと、もっとおいしい」
 ということだった。
「おおー、美味しそうやなあ!」
 黒龍は早速包みを開けると、一つを口に放り込んだ。
「どう?」
「ん、程良い甘さやね」
 続いてもう一つ口にくわえて。
「ほあ(ほら)」
「‥‥ん」
 ヨルの唇へと顔を寄せ、口移しでチョコを送る。ヨルは驚きも逃げもせず、ただそれを受け入れた。
「どうや?」
「うん、おいしい」
 ただチョコの甘さにだけ、頬を緩めていた。

「ボクからはこれな」
 黒龍からヨルへはハート型のチョコのほか、本に写真集。
「‥‥夜明けの写真だ」
 ヨルは嬉しそうに、黒龍へと礼を言った。

 ヨルにはまだ、恋愛が分からない。今日の出来事も、仲良しの黒龍と楽しく遊んだ一日としてだけ、彼の記憶に残るのだろう。
 今はそれでもいい。いつか、彼のその白い頬に朱がさす日を目指して。
 黒龍は、ヨルと二人で歩いていく。



 展望台の二人と、それをつい見てしまっていたモブ子の間を、自転車が通っていく。ちりん、ちりん。
 しばらく行った先で、自転車は止まった。

 としおは一日中、島内を自転車で走っていた。真っ赤に塗った箱を荷台に乗せて、目立つようにゆっくりと。
 彼は今日ずっと、ある目的のためにそうしていたのだ。
 その目的は、自転車の側面にこれでもかとはっきり書かれている。

【要らなくなったチョコレート引き取ります】

(‥‥勿論そんなチョコないの知っていますよ、ええ、知っていますとも)
 箱の中身は確認するまでもなかった。朝と全く同じ。空の空っぽだ。
「なんだろう景色がキラキラして見えるよ‥‥あ、目から涙が落ちそうだ><」
 照明灯の光がにじんで何だか幻想的だった。

 彼が打ちひしがれていると‥‥ふいに、がさがさと音が鳴った。
 振り返る。
「あ、どうも‥‥不要なチョコ、引き取ってくれるとあったので」
 結局配布しきれなかったチョコの残りを、としおの箱に突っ込んでいるのだ。
「助かりました。ありがとうございます」
 モブ子はぺこりと頭を下げると、さっさと立ち去っていった。
 箱の中には、ちっぽけなチョコがころころと入っている。

 チョコは手に入った。‥‥だけど、この満たされない気持ちはなんだろう。
 としおの視界は、幻想的にぼやけたままだった。





「今年も、だいぶお腹いっぱいになりました」
 モブ子が去年と同じ締めをしようとしていると──。

「見つけたああああっ!」
「へぐっ」
 何者かが後方から低空タックルで彼女を猛然と押し倒した。

「やっと見つけました‥‥愛しの店員さん」
 モブ子がしたたかに打ち付けた鼻をさすりながら仰ぎ見ると。
「ああ‥‥」
 毎日軍手とカマボコと青汁を買っていく少女、歌音だった。

「お店からヒリュウと一緒に匂いを辿ったんですがこんな時間になってしまいました」
 歌音は鼻を鳴らした。
「あなたにおにぎりを温めて貰ったあの日から、ずっとその無表情が忘れられなかったんです」
 モブ子を下に敷いたまま、くねくねとしなを作る。

「店員さん‥‥あたしの変を受け取って下さい!」

 モブ子は目をぱちくりさせた。「変ですか」
「‥‥言葉なんてどうでもいいんです」
 歌音はうふふふふと笑った。やばいこれイっちゃってる。
「さあ、このままめくるめく愛の世界へ旅立ちましょうッ!」
 モブ子をお姫様だっこして。
「あとは野となれ山となれーッッ!!」
 そして、走り去っていく。

「明日の早朝シフトまでには解放していただきたいです」
 そんなモブ子の訴えをかすかに残し。

 バレンタインの夜は更けていくのだった。


依頼結果

依頼成功度:大成功
MVP: −
重体: −
面白かった!:16人

鉄壁の騎士・
リチャード エドワーズ(ja0951)

大学部6年205組 男 ディバインナイト
ラーメン王・
佐藤 としお(ja2489)

卒業 男 インフィルトレイター
完全にの幸せな日本語教師・
苧環 志津乃(ja7469)

大学部6年175組 女 アストラルヴァンガード
淡き花は幻夜に微笑む・
小柴 春夜(ja7470)

大学部5年235組 男 ディバインナイト
祈りの心盾・
春名 璃世(ja8279)

大学部5年289組 女 ディバインナイト
好色天使・
アムル・アムリタ・アールマティ(jb2503)

大学部2年6組 女 陰陽師
夜明けのその先へ・
七ツ狩 ヨル(jb2630)

大学部1年4組 男 ナイトウォーカー
快楽至上主義・
ハルシオン(jb2740)

高等部1年1組 女 ナイトウォーカー
断魂に潰えぬ心・
インレ(jb3056)

大学部1年6組 男 阿修羅
By Your Side・
蛇蝎神 黒龍(jb3200)

大学部6年4組 男 ナイトウォーカー
来し方抱き、行く末見つめ・
黄昏ひりょ(jb3452)

卒業 男 陰陽師
桜花の一片(ひとひら)・
樹月 夜(jb4609)

卒業 男 インフィルトレイター
ペンギン帽子の・
ラファル A ユーティライネン(jb4620)

卒業 女 鬼道忍軍
君との消えない思い出を・
藤井 雪彦(jb4731)

卒業 男 陰陽師
撃退士・
コルゴン・ゴルゴンゾーラ(jb4771)

大学部3年133組 男 ナイトウォーカー
主食は脱ぎたての生パンツ・
歌音 テンペスト(jb5186)

大学部3年1組 女 バハムートテイマー
力の在処、心の在処・
稲葉 奈津(jb5860)

卒業 女 ルインズブレイド
撃退士・
風理(jb5999)

大学部7年52組 女 アカシックレコーダー:タイプB
雷閃白鳳・
支倉 英蓮(jb7524)

高等部2年11組 女 阿修羅
撃退士・
イーファ(jb8014)

大学部2年289組 女 インフィルトレイター
圧し折れぬ者・
九鬼 龍磨(jb8028)

卒業 男 ディバインナイト
能力者・
吹雪 彰刃(jb8284)

大学部5年174組 男 鬼道忍軍
氷結系の意地・
玉置 雪子(jb8344)

中等部1年2組 女 アカシックレコーダー:タイプB
アイス大好き・
月守 美雪(jb8419)

大学部6年278組 女 ディバインナイト