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マスター:嶋本圭太郎
シナリオ形態:イベント
難易度:やや易
参加人数:25人
サポート:2人
リプレイ完成日時:2013/09/16


みんなの思い出



オープニング

●群馬県伊勢崎市
 この地は、今悪魔の支配下にある。
 結界に覆われた市の中心部、さらにその中心にはゲートがあり、この地を支配する悪魔の拠点となっていた。

「ふむ、どうだ?」
「まあ、お似合いでございますよ」
 その支配拠点の、まさに主である悪魔レガ(jz0135)が今なにをしているかというと‥‥。袖を通した和服の具合をヴァニタスの小野 椿(jz0221)に尋ねているところだった。
 和服といっても本格的なものではなく、いわゆる甚平のような着物合わせの上衣とズボンを組み合わせたものだ。
「でも、少し胸元を開けすぎですかねえ」
「これでいい、あまり締めると苦しくてかなわない」
 伸ばされてきた椿の手を邪険に振り払いながら、それでもレガは満足そうな表情を浮かべていた。

「いつもスーツ姿で暑そうだと思っていましたから‥‥亡くなった主人のものを仕立て直したのですけれど、サイズが合ってようございました」
「ゲートの中にいる分には、暑いも寒いもないがな」
 ゲート内はいわば異空間であるので、外の気温には左右されない。
「そういえばそうですねえ‥‥。私は長年この国で暮らしてきましたから、夏といえば暑いものだと身に染みてしまっておりますの」
 椿は口元を押さえて笑った。
「ふむ、まあ着心地は悪くないぞ」
 レガは革張りの椅子にどしんと腰を下ろした。

「思い出します。あの人もこの時期はいつもそんな格好で‥‥。近くでお祭りがあるというと、そのまま飛び出していっていました」
「人間の祭りか‥‥」
 椿の言葉に、レガは興味深そうに眉を動かした。
「お前は祭りには行かなかったのか?」
「私は、体が弱かったですから。夏はいつも、臥せってばかりおりましたねえ‥‥。それでも何度かは連れて行ってもらいましたが、人混みに入るとやはり気分が悪くなってしまって、ろくに楽しめませんでしたのよ」
 言いながらも、老婆は懐かしそうに目を細めている。その様子を眺めていたレガが、ふいに言った。
「では、行くか」
 椿は何を言われたのかわからずに主の顔を見た。
「行く‥‥どちらへでしょう」
「祭りだ。私も興味がある」
 レガが立ち上がると、椿はあわてた。
「お待ちくださいな、急にそのようにおっしゃられても‥‥人間の祭りに悪魔が顔を出したら騒ぎになりますよ」
「翼を隠していけばいい。黙っていればわからん」
「ですが‥‥」
 レガは鼻で一つ笑うと、椿に顔を近づける。
「いいか、お前はヴァニタス、我が眷属だ。もはや人ではない」
 それはつまり、逆らうことは許されないという意味だろうか。椿は眉根を寄せたまま、頷く。レガは続けた。
「人間時代にどれだけ体が弱かろうと、今のお前には関係ない。楽しめることは楽しめ。かつて出来なかったことがあるというなら、なおさらだ」
 言うだけ言うと、椿の返事は待たずに背を向け、部屋を出ていこうとする。
「都合よく祭りがやっているといいがな。ふふん、楽しみだ」
 聞こえぬようにふうと息を吐いて肩から力を抜くと、椿もその後に従った。


●久遠ヶ原
「ええと、身内からの依頼で申し訳ないんだけどねっ」
 潮崎 紘乃(jz0117)は集まった君たちに向かって頭を掻いて見せた。
「私の地元の神社で、ちょっとしたお祭りがあるんだけど‥‥最近ちょっと人出がよくないらしくて、みんなにお手伝いをお願いしたいという話です」
 紘乃は資料の束を持ち出すと、前にいた生徒に「後ろに回してね」といって渡す。
「神社のお祭りといっても、お願いされているのは前日の宵宮‥‥まあ前夜祭のようなものね。特別な行事があるわけではなくて、夜店を楽しむだけのシンプルなお祭りです。
 今年は夜店の数も足りてないらしくて‥‥。みなさんで何か出し物をしてもらってもいいし、賑やかしに来てくれるだけでもありがたいそうよ。少しだけど報酬も出るし、軽い気持ちで楽しんでもらっていいんじゃないかしら」
 あちこちで厳しい戦いが続いているし、と少しばかり表情を曇らせる。といってもそれは一瞬のことで、またいつも通りの笑顔を浮かべた。
「時にはこんな平和な依頼もいいんじゃないかしら? 今回は息抜きのつもりで、存分に楽しんできてねっ」



リプレイ本文

「それでは、急病人などがでた場合はこちらに運べばよいのですね」
 知楽 琉命(jb5410)が念押しするように言う。
「頼むよ。あんたは屋台かい?」
「ええ、焼きトウモロコシを売りますから、よかったら後で来てくださいね」
 琉命は神社の社務所をでた。猛暑はようやく峠を越しつつあるが、まだじっとりと暑さは残っている。
(熱中症などにも気をつけないといけませんね)
 太陽の沈みつつある空を見上げた。

 琉命は高台の小さな境内を通り過ぎ、急勾配の階段を下っていく。
「この辺りでいいかな」
 参道の人の流れを眺めながら、君田 夢野(ja0561)は片隅にケースを置いた。丁寧に取り出したのは津軽三味線。
 夢野はリラックスした様子でバチを弦に当て、ピン、ピンと軽くはじく。
 どこかに設置されたスピーカーから、テープ録音の祭囃しが流れてきた。
「さて、はじめるか」
 かすれたその音をバックに据えて、夢野は本格的にバチを操り始めた。
 

「よっと‥‥見本はこんなもんでいいかな」
 点喰 縁(ja7176)が立て置いた割り箸の先にはちょこんと猫が乗っている。今日の売り物である飴細工だ。
「さすがに他のも作っとくべきかねぇ?」
 気づいたらそれぞれポーズの違う猫が三つほど並んでいた。自分で苦笑しつつふと通りの先を見ると、横切る女性たちのなかに、覚えのある黒髪の人影が。
「おっ、戒ちゃーん!」
 それは間違いなく七種 戒(ja1267)の後ろ姿だと思ったが、彼女はこちらに気づかなかったようだ。
「あらら‥‥また後で来てくれっかな」
 彼女の消えた方向をしばらく見やっていると、屋台の前から声がした。
「まあ、可愛いわねぇ」
「なんだこれは。食い物か?」
 しわがれた老婆の声に続き、深みはあるがぞんざいな中年男性の声。
「へえ、食べられますよ。これは飴で作ってあるもんでして‥‥」
 彼は学園の資料などはよく見ている方だ。
 だから振り返ったとき思わずぽかんと口を開けてしまった。
 しばらくそうしてしまってから、はっと我に返る。
「‥‥らっしゃい。なにをお作りしやしょうか?」



 かき氷屋台では、メフィス・ロットハール(ja7041)が明るく接客をしている。
 注文を受けたメフィスが奥へと声をかけると、アスハ・ロットハール(ja8432)がハンドルに手をかけた。このご時世だというのに手回し式である。
 塊の氷がぐるぐる回ると、その下から雪のように白く細かくなって器を瞬く間に満たしていく。
 氷で満たされた器をメフィスが受け取り、果肉のたっぷり入ったシロップをくるりと回し、客に手渡す。。

「ふむ‥‥氷だけ、と思っていた、が。色々あるの、だな」
「流行ってるみたいね、果肉入り」
(やはりこういうものは、彼女の方が得意なのだ、な)
 上々な客の反応をみて、言うとおりにしていて良かった、と感心するアスハである。
「あ、いらっ‥‥、しゃい」
 ふと接客をしていた妻の声が元気を失ったように聞こえてそちらを見ると、赤茶けた肌の偉丈夫が和服の老婆を伴って立っていた。
(どういうこと、だ?)
 メフィスは気づいていないはず‥‥だが彼女は訝しげな目つきで男の方を見ていた。悪魔嫌いの彼女は、何か感じるところがあったのだろう。
「メフィス」
 努めて穏やかな声で名を呼ぶとメフィスははっと我に返り、作り笑顔で接客を再開した。


「まあ、今回は試験の合間の息抜きということよね」
 グレイシア・明守華=ピークス(jb5092)はオレンジ地に青い蝶が散りばめられた明るいデザインの浴衣を着て、のんびりと歩く。
 丁度学園は試験シーズン。効率良く勉強をこなしてきた彼女にすれば、こういったイベントはいい息抜きだ。
(という事で、適当に夜店を見て楽しもうかしらね)

 しばらく歩くと、醤油の焼ける匂いが漂ってきた。琉命の焼きトウモロコシ屋である。
「ひとつもらえる?」
 琉命は程良い焼き色がついたトウモロコシに、刷毛でもう一度タレを塗ってからグレイシアに渡した。

「ん‥‥おいしいわね」
 ふっくら焼けているトウモロコシを齧りながら歩いていると、麻布を壁代わりにした簡素な見世物小屋が。
「やあお嬢さん、見ていきますか?」
 入り口では、饗(jb2588)が煙管を揺らしながら接客をしていた。
「なにがあるの?」
「それはもう、古今東西から選り集めた珍しい品々です。今日だけ、特別ですよ」
 一見して胡散臭いが、饗の狐の様な耳や尻尾をみていると、何となく覗いてみてもいいかな、という気分になった。
「どうぞごゆっくり」

 小屋に入るとまず最初に目に入ったのは「おおいたち」の看板。
「‥‥?」
 そこには大きな板に血の色の絵の具がぶちまけて置いてあった。
 首をひねりつつ次へ進むと「ろくろ首」の看板。
 陶芸用ろくろの上に女性のマネキンの首が置かれていた。
「ええっと‥‥」
 最後の「人魚のミイラ」に至っては、猿のミイラと魚のミイラがつなぎ合わされたものが置かれていた。しかも、どう見ても作り物だった。

 もうおわかりだろうが、これは古き良き時代の洒落‥‥というか騙し‥‥というか、とにかくそういうものである。だが今年の春までスイスで暮らしていたグレイシアにどこまで通じたのだろうか。

「さすがにミイラの本物は用意できませんでねえ。用意したらしたで色々言われそうですし」
 受付で饗が煙管をふかし、いたずらっぽく笑う。
 結局、彼の耳と尻尾が一番の見世物というオチであった。


 リリアード(jb0658)が待ち合わせ場所に向かうと、戒とマリア・フィオーレ(jb0726)が彼女を待っていた。
「リリィも戒ちゃんも浴衣、似合うわねえ」
「マリア氏も素敵ですよ」
 ダンディを気取る戒。マリアは微笑んで彼女の左腕に自分の腕を絡めた。
「お?」
「じゃあ私はこっちね」
「おお?」
 リリアードは右腕をとり、三人はゆっくり歩き出した。

(両手に花っ‥‥!)
 戒の内心は浮き足立っていた。外見はポーカーフェイスで堪えていたが。
 長い髪を結い上げたリリアードのうなじが色っぽい。
 マリアの浴衣の合わせから時折覗く谷間が艶めかしい。
 今日はこれを独り占めである。なにこれ危険が危ない。
「はい戒ちゃん、あーんして」
 と思っていたらマリアが楊枝に刺したたこ焼きをこちらに差し出していた。ぱくっと食いつくと結構熱かったが、些細なことなので我慢して飲み込む。
「こっちもよ。戒ちゃん、あーん」
 続けて反対側のリリアードがかき氷のスプーンを差し出していた。今度はきんと響く冷たさと甘さが口中に広がる。
「いい食べっぷりね‥‥浴衣に零しちゃダメよ」
 マリアが優しい手つきで戒の口の端に残ったソースを拭いてくれた。
(おおお‥‥!)
「あら、なぁにあれ?」
 リリアードが戒の腕を引っ張る。
「いらっしゃい」
 鴉乃宮 歌音(ja0427)が一行を出迎えた。
「たこ焼きかと思ったら、違うのね」
「機材はそう。作っているのは鈴カステラ」
 作り方もたこ焼きと変わらない。
「小袋をもらおうかしら」
「毎度あり。砂糖とグラニュー糖の甘甘コンボをどうぞ」
「あら‥‥リリィ、それ美味しそう」
 会計を終えると、マリアが顔を寄せてきた。
「これ? ふふ‥‥ほら、あーんなさいな」
 リリアードは袋からカステラを一つ取り出すと、マリアの口の中へ。

(‥‥至福!!)
 美女二人が眼前で戯れる光景に、戒は涙を流さんばかりの感動を味わっていた。


「うっわー、楽しそう! 楽しそうだねアル!」
 ジオラルド・コンスタンティン(jb2661)が少年のような歓声を上げる傍ら、アルペジオ・フェンリル(jb3557)は場違いにさえ見える濃紺のコートを着込んで立っている。
「これが、人間のお祭りでございますか。実に、実に興味深うございます」
 汗もかかずに一見して無表情、しかしその実ジオラルドと同様に、好奇の目でもって眺めている。
「僕、こういうのすっごい好き! 人間ってすごいよね!」
「揃いも揃って、何故こうも嬉々とした表情を浮かべているのでしょう」
 堕天使のジオラルドに、はぐれ悪魔のアルペジオ。道行く人々とは少し雰囲気の異なる二人もまた、好奇の目を送られていた。
「ジオ、私、もっと見て周りとうございます」
「うん、色々見よ! あれとか! あ、あっちのも!」

「うーんと、僕はこれ!」
 ジオラルドが直感で選んだのは、可愛いとも不細工とも言い難い、少なくとも絶対に売れ筋ではないお面だった。
 一方、アルペジオは一つ一つのお面を慎重に吟味している。というか、あなたも買うんですね。
「似合いますでしょうか」
「わあ、似合うよ、アル!」
 キャラ面を装着したアルペジオに、ジオラルドは惜しみない賞賛の拍手を送る。
 いやます周囲の人の目線をものともせず、二人は次なる屋台を物色する。
「あ! わたあめ! 僕あれ食べてみたかった!」
 アル、アルアルあれ買おう、とジオラルドが腕を引っ張っていく。

「わたがしふわふわあまあま♪」
 そこはヴァローナ(jb6714)の屋台だった。
 ざらめを機械に投入して棒をくるくる回していると、白い糸がどんどん集まってふわふわのお菓子になっていく。
 特に注文が来ているわけでもないのに作っているのは、単純にそれが楽しくて仕方ないからだ。
「店主様。私達にわたあめを二つお願いできますでしょうか」
 アルペジオ(キャラ面装備)が声をかけると、ヴァローナはにっこり頷いた。すでに沢山用意されていたわたあめを一つ手渡し、お金を受け取る。
「はい。美味しいよ♪」
「ありがとうございます」
 アルペジオとジオラルドがそれぞれわたあめにかじり付きながら離れていくのを、ヴァローナは満足げに見送る。そしてまた新しいわたあめを用意すると、客足が途絶えた隙を狙って‥‥。
「んあまー♪」
 心から幸せそうにわたあめを頬張っていた。


「はい、三つですね、ありがとうございます!」
 両手を忙しなく動かしながら、甚平姿の礼野 真夢紀(jb1438)が元気よく返事をする。
 具沢山の焼きそばに半熟目玉焼き。トッピングもたっぷり添えて。
「学園祭は今年もこれの予定ですもんねー♪ っと、できました。仁也さん、お願いします!」
 注文分の焼きそばを手際よくパックに詰めて出すと、捻り鉢巻きをきりりと締めた美森 仁也(jb2552)がそれを受け取って袋に詰め、会計をする。その背後では美森 あやか(jb1451)が包丁を振るっていた。
「真夢紀ちゃん、お野菜の追加できたよ」
「ありがとうございます、あやかさん!」
 『あやかさんが材料準備、まゆが調理。二人とも食材を扱うからお金には手出せません! 仁也さん会計お願いします!』役割分担は事前の真夢紀の差配通りだ。
「ごめんねお兄ちゃん、接客任せちゃって‥‥」
「あやかは知らない人苦手だろう? 俺と真夢紀君に任せたらいいよ」
(他の男にあやかと会話させたくないからね)
 優しく微笑みかける仁也の内心は恋人への独占欲であったが。
「おっ、君はいつぞやの‥‥」
 そこへ親しげに声をかけられた。
「あ、確か商店街の」
 さきにあやかが思い当たった。以前ここの商店街のイベントに参加したときに顔を合わせた役員の一人だ。
「また来てくれたんだねえ。ご夫婦で屋台かい?」
「え、あ、その、まだ夫婦というわけでは‥‥」
 といっても約束はしてあるのですけど、とあやかは下を向いてキャベツを刻んだ。
「私もいるんですけどね」
 一応そう主張しつつ、真夢紀は鉄板の焦げかすを削り取っていた。

「真夢紀君、疲れてないかい?」
 注文を一通り捌いて、仁也は真夢紀を気遣う。
「まだまだ、どんどん焼きますよ」
「用意した材料、足りるかな‥‥?」
 あやかが材料を確認しようと屈んだとき、新たな来客があった。
「お祭りの食べ物といったら、これは外せないんじゃありませんかねえ」
「ほう、そうか。楽しみだな」
 その二人組を見て、真夢紀と仁也は一瞬、動きを止めた。これまで何人かがそうしたように。
 一方、顔を上げたあやかは、声を失くしている二人を不思議そうに見やる。
「お兄ちゃん、真夢紀ちゃん?」
 真夢紀が仁也に不安そうな視線を送る。
(‥‥相手に敵対意思はないみたいだしあやかは多分正体を知らない。普通の人間として応対しよう)
 仁也が思念をとばすと、彼女の顎が小さく動いた。

 二人組が焼きそばを手に去るのを見て、仁也はようやく詰めていた息を吐いたのだった。


 屋台を離れていく男の袖を、つんつんと引っ張るものがあった。
「あー! やっぱり叔父様っ! ‥‥と、お婆様!」
 振り返ったレガ(jz0135)と小野 椿(jz0221)に向かって、ミシェル・G・癸乃(ja0205)は屈託のない笑顔を浮かべる。
「君か。こんなところで会うとは奇遇だな」
 レガは特に警戒するでもなくミシェルに向き直ったが、椿は幾らか表情を引き締めたようだった。だが、ミシェルは明るく問う。
「二人とも、今日は遊びに来たんだし?」
 レガはいつもとは違いリラックスした和装だし、戦いにきたなら‥‥。
「焼きそばに、かき氷に、飴細工‥‥いろいろ買ってるんだし」
 そんなものを持ってうろうろしたりしないだろう。
「ふむ、人間の祭りとやらに興味があったのだ」
「そうなんだ。なら、他にも見て回ろう!」
 至極自然な動作で、ミシェルはレガの腕をとる。
「ほらほら、楽しむならとことん! だしっ。お婆様も!」
 二人を引っ張るようにして、夜店の人混みへとまた飛び込んでいった。


「あ、あー、あー」
 海野 三恵(jb5491)は水槽を泳ぐたくさんの金魚を懸命に追いかけていたが、小さな魚は無軌道に動きまわって彼女の手元から逃げていく。
 それでも何とかプラスチックの輪の中に捉えてすくい上げるが、頼りない網はあっさり破れて、魚がまた水に飛び込む音が寂しく響いた。
「金魚すくい、難しい、です」
 三恵は隣を見やる。一緒にきたジェンティアン・砂原(jb7192)もまた、大きく穴が開いたポイを片手に苦笑した。
「んー‥‥僕も惨敗だねぇ」
 大げさに手を広げてみせると、三恵は屈託のない笑顔を見せる。
「でも、シーは、楽しい、です。昔聞いたこと、本当、でした」

「きれい、です‥‥」
 小さな金魚が泳ぐ袋を、三恵は飽きることなく眺めている。
「ジェンさん、ありがとう、です」
「おまけしてもらったんだけどね‥‥」
 ジェンティアンは頭を掻いたが、気を取り直して明るい声を出す。
「さあ、次はどこへ行こうか。学園の生徒が出している店を回ってみるのもいいかもね。ほら、見世物小屋まであるよ」
 その声に少し退屈げに受付に座っていた饗の耳がぴく、と動いた。
 だが三恵はふと先の方を見ると、ぱたぱたと走っていく。
「海野ちゃん?」
 ジェンティアンが追いかけると、三恵は一つ先の屋台で買い物をしていた。
「一緒に来た、お礼‥‥あと、金魚、もらいました、から」
 三恵は二本買ったラムネの一本を、ジェンティアンに手渡す。
「ラムネ、あげる、です。きれい、だから、です」
「ありがとう」
 ジェンティアンは受け取ったラムネをくっと飲んでから、透き通った瓶を見る。
「うん、中のビー玉がキラキラで綺麗だね‥‥海野ちゃんの笑顔みたいだ」
 三恵ははにかんで、言葉通りの笑顔を浮かべた。彼女を誘ってよかったと、ジェンティアンは心から思うのだった。


 天宮 佳槻(jb1989)の周りには、子供たちが多く集まっていた。
 正確には、彼の前に置かれているビニールプールと、そこに浮かんだたくさんのヨーヨーに集まっているのだ。子供たちは真剣な表情で狙いを定め、針のついた紙縒りを慎重に下ろしていく。釣り上げれば喜び、失敗すればがっかりするが、そうした態度の中にも人それぞれに個性があって、佳槻は興味深くそれを眺めていた。
「叔父様見て見て! きれいなんだしっ」
 子供たちと入れ替わりに別の三人組がやってきた。男性と老婆は見覚えがない。
「まあ、ヨーヨー釣りね。懐かしいわねえ」
 男はあまり興味なさそうに突っ立っているが、老婆は身を屈めてプールに浮かぶヨーヨーを見つめていた。

「叔父様、せっかくだから挑戦してみる?」
 お婆様にプレゼントしたらどうかな、とミシェルが振り返ると、レガは変な顔をした。
「これを釣るのか」
「やってみますか? 結構難しいですよ」
 佳槻に言われて闘志が湧いたらしい。
「よし椿、どれが欲しいか言え」
「え? あら‥‥」
 椿は戸惑う間に、レガはさっさと紙縒りを受け取って屈み込んでしまった。

「叔父様、結構不器用なんだし?」
「‥‥そんなことはない。勝手が分からなかっただけだ」
 ミシェルは自分で釣ったヨーヨーを手にしている。
「何故道具が水で切れるのだ‥‥」
「そういう遊びですからね‥‥はい、これはおまけです」
 佳槻はレガが狙っていた赤いヨーヨーを取り上げ、椿に手渡す。
「まあ、ありがとうね」

「不思議な人たちだったな‥‥」
 どういう組み合わせなのかは全くわからなかったが、佳槻の胸には何となく微笑ましいものが残ったのだった。


「ぐ‥‥歩きにくいな‥‥」
 キャロライン・ベルナール(jb3415)は浴衣の裾を押さえながら歩いていた。
 せっかくの機会だからと初めて浴衣を身につけてみたものの、歩く度に着崩れていく。
「い、いかん。帯が‥‥」
 何度か自力で直してみようと試みたが上手くいかない。必死であたりを見回すと、和服をきっちり着こなした老婆の姿が目に入った。
「帯を‥‥帯を直さねば‥‥」
 藁にもすがる思いで、キャロラインはそちらへ近づいていく。

「ん。甘いもの食べる。美味しい」
「これも食い物なのか? 人間の世界にはいろいろあるな‥‥」
 レガはヴァローナの屋台の前で、差し出されたわたあめをしげしげと眺めていた。
「真剣に、オススメ。幸せになれる」
 椿は二人のやりとりを微笑ましく見守っている。とそこへ。
「いきなりで申し訳ないが‥‥帯の直し方を教えてもらえないだろうか?」
 キャロラインが困り果てた顔で立っていた。浴衣はすっかり着崩れて、見ようによっては大変色っぽいことになっている。
「あらあら、大変」
 椿は駆け寄り、彼女の帯の状態を確認し始める。
「これは一からやり直さないと駄目ねえ‥‥。レガ様、先に行っていてくださいな」
(‥‥レガ?)
 その名は覚えがあった。キャロラインは男を見、それから改めて椿を見る。
 すぐに記憶はつながった。
「どうしたの?」
「あ、いや」
 一瞬緊張したが、すぐに気持ちを落ち着ける。
「迷子になるなよ」
 レガは全く戦意を見せずに、わたあめ片手にその場を離れていった。

「はい、これでいいかしら。苦しくはない?」
「ああ‥‥全然違うな、ありがとう」
 腰紐から全部直されて、キャロラインの浴衣は出発前より着心地が良くなった。
「‥‥今日は、どうしてここに?」
 思わず口に出してから、不自然な質問だったかと口を押さえる。だが椿は気にしなかった。
「お祭りの事を話したら、あの方がね‥‥。ご自身も興味があったのでしょうけれど」
 連れてきてくださったのよ、と椿は片手を頬に当てて微笑む。
 それからいくつか他愛ない会話をして別れた。お祭り楽しんでね、と別れ際に椿は告げていった。


「こんばんは、素敵なご婦人」
 一人になった椿に声を掛けるものあり。
 す、と差し出されたのは花束代わりの綿菓子。亀山 絳輝(ja2258)は気取ったポーズで椿に笑いかける。
「一人で回るのにはもったいないお祭りだと思いまして。もしよければ、私と回っていただけませんか?」
「あら、でも‥‥」
 椿はちょっと困った顔になったが、しばらく思案した後で右手を差し出した。
「ふふ、そうねえ、せっかく来たのだもの。おばあちゃんと一緒でいいのなら」
「光栄です」
 絳輝は恭しくその手を取った。

「よりにもよって何故カニなのだ‥‥あっ!」
 慎重に削っていたはずが、二本目の足がぽっきり折れた。
「残念、失敗だね」
 店主の歌音が淡々と告げ、絳輝は地団駄を踏む。
「くっ‥‥弾は当たらぬぽいは破ける輪投げは外れる型抜きは崩れる! なんでだ!! 私が不器用だからとでもいうのか!」
 目端に涙を浮かべて悔しがる絳輝。
「このままでは面目が‥‥も、もう一件だけ!」
 絳輝はまた別の屋台を指さす。椿はにこにこと微笑みながら彼女についていった。

「毎度あり」
 その背中に歌音は声をかける。
(人界の文化を楽しむといい。こうした文化交流は侵攻を鈍らせるのだ)
 椿同様、この場にいるのであろう悪魔の事を一瞬だけ考えて、また淡々と仕事に戻った。


 射的屋台では、戒たち三人が景品を狙っていた。
「あら、惜しいわね」
「あん、今当たったのに!」
 リリアードとマリアがまず挑戦したが、景品を落とすには至らない。
「こうなったら‥‥戒ちゃん?」
「お任せ下さい本職です」
 戒は銃を受け取りずずいと一歩前へでる。二人が体を離したので今日ずっと感じていた温もりが一時的に消えてしまったが、ここは我慢。
 戒は超張り切っていた。二人にいいとこ見せるこれ以上ないチャンス。最大の集中でもって照準を定め、全身全霊を込めて引き金を引く!
 箱の上部にコルク弾が当たる。そいつは一瞬ふらついてから、ぱさりと下に落ちた。

「さすがね、本職さん」
 景品を受け取ると、マリアは早速封を開けて三つの髪飾りを取り出した。
「ほら、つけてあげるわ‥‥うん、似合ってるわよ」
 戒の髪を軽く指で梳いてから、髪飾りを取り付ける。
「今日の記念になるわね。戒ちゃん、ありがと」
 リリアードもまた戒の腕をとり、感謝の気持ちを込めて頭を撫でる。
 戒は銃を構えた姿勢のまましばらくそれを受け入れていたが‥‥突然、がっくりと膝をついた。
「戒ちゃん?」「どうしたの?」
 二人に心配そうに顔を寄せられる戒。
「萌えが 限界に 達しました」
 満面の笑顔のまま気を失ったのだった。



「はぁ〜、お祭り、楽しいのですぅ〜」
 深森 木葉(jb1711)は右手に残ったわたあめをついばむようにして食べながら歩いている。
「綿菓子、あまいのですぅ〜」
 たこ焼きはアツアツだったし、かき氷はひんやり冷たかった。飴細工は綺麗だし、ヨーヨー釣りも型抜きも難しいけど楽しかった。
 他にも沢山、楽しい夜店をたっぷり堪能した。途中資料で見た悪魔の姿を確認したのが気にはなったが、どういうわけか純粋にお祭りを楽しんでいるだけのようだったので、そっとしておいた。
(人界のことを理解して帰ってくれたらよいですねぇ〜)
 木葉の視界に、小さな鳥居が目にはいる。これは神社の宵宮祭だった事を思い出す。
「最後に、神社に参拝してから帰りましょう〜」

「‥‥うむ、良い賑やかさだ」
 中津 謳華(ja4212)もまた、祭りを堪能していた。祭りに参加するだけで良いとはずいぶん気楽な依頼もあったものだと思いつつ、屋台を方々見て回る。
 彼なりに楽しんでいたのだが、どうも所々で気になる『匂い』を感じていた。
 何やら強そうな‥‥それも撃退士とは異なる質の『匂い』だ。
「特に騒ぎが起きている訳でもないが‥‥気になるな」
 もし、普段は会えないような強者がここに来ているのなら、話をしてみるのも良いかもしれない。
「少し、見に行ってみるか」
 謳華は導かれるようにして歩き出した。

「それにしても‥‥この『りんごあめ』なる物は、なかなかなくならないな‥‥」


 家路に向かう人たちの姿が増えていく。絳輝は物憂げにつぶやいた。
「祭りは好きですが、祭りが終わるのは嫌いです。なんだか、夢から覚めてしまう‥‥そんな寂しさがあります」
「確かにねえ。‥‥でも、お祭りが終わらなかったら、お祭りが始まるときのわくわくする気持ちが味わえなくなってしまうわね」
 だから、終わるということも必要なのだと、そう言った椿の微笑みはしかし、どこか寂しそうだった。

「ああ‥‥あそこにいらしたわ」
 どうやら、探し人を見つけたらしい。
「今日は付き合っていただいて、ありがとうございました」
「こちらこそ。こんなおばあちゃんを誘ってくれて、ありがとうね」
 椿は丁寧にお辞儀をし、人の流れに消えていく。
「また会えたら一緒にお食事を!」
 今日は、楽しかった。
 彼女がただの老婆でないことを知ってはいても、それでも。
「おやすみなさい、椿おばあちゃん」
 絳輝は心からの笑顔でその背を見送るのだった。


 ミシェルはレガと二人で、境内へと続く階段を上っていた。
「アタシ、叔父様の事別に嫌いじゃないんだし」
 少し賑やかさから離れたところで、ぽつりと言う。変だよね、とミシェルは笑った。
「名前、呼んでくれた。痛かったけど嬉しかったんだよ」
 拳を受けたお腹をそっと押さえる。レガがこちらをみた。
「強いとこ、ちょっと尊敬。突っ走るとこ、子供っぽいよね」
「私がか?」
 心外そうに顔をゆがめるレガに、ミシェルは力強く宣言する。
「いつかは越えるよ。負けっぱは悔しいもん!」
「次の挑戦を楽しみにしていよう‥‥ミシェル。その評価は少々気にくわないがね」

 境内に入ったレガは参道の隅の人だかりに気付く。そこでは、夢野が三味線を演奏中だった。
 夢野は人レガの姿にすぐ気づいたようだったが、一曲弾き終えて、人だかりがばらけてからレガに向き直った。
「よう、久しぶり」
 知人に声をかけるような態度だ。
「どこかでみたと思ったが、君はあの時の人間だったか。大した腕前だな」
「戦いでは負けてもコイツでは負けないからな」
 巧みに三味線を繰って速弾きを披露すると、夢野は笑う。謳華が階段を上がってきたのはそんなときだった。
「どうやら『匂い』の元はここだったようだな」
「‥‥ふむ、君は?」
 レガが謳華を見た。五メートルほどの距離に、つかの間緊張が走る。
 だがそこへ、木葉が駆け込んできた。
「この方は、お祭りを楽しんでいるだけです。それを邪魔するのなら‥‥」
 木葉はレガと謳華の間に入り、謳華の方を見て言った。
 だが謳華は両手を広げてみせる。
「安心しろ。俺は敵意も殺意も無い相手に剥く牙は持ち合わせていない」
「なんだ、仕掛けてくるなら応じてもいいのだがな」
 むしろレガの方が状況を楽しむように答えたのだが。
「レガ様」
 階段を上がってきた椿が叱咤するように名を呼ぶと、やれやれと肩をすくめたのだった。

「平和な人の世も悪くあるまい? 俺達撃退士は、コレを護る為に戦っている‥‥悪魔や天使に譲れない物があるように、これだけは譲れない」
 夢野は強い決意を秘めて、はっきりと告げる。
「だから、次に会ったら再び敵対者だ。その時は、俺たちは躊躇しないからな」
「その時こそを、私も待ちわびているよ」
 視線を巡らすと、謳華が先ほどと同じようにして立っている。
「中津荒神流・中津謳華だ‥‥次は拳で語り合うのも良かろう」
「レガだ。私の住処まで来るといい。いつでも歓迎しよう」
 二人が離れていく。ミシェルは椿にささやいた。
「お婆様。あの時、助けてくれてありがとうなんだし」
「椿さん」夢野も声をかける。「尚矢君と勇矢君が君を恋しがってる、一言だけでもくれないか」
 孫の姿を思ったのか、椿は一瞬苦しそうに顔を歪める。
「私はもう死んだものと‥‥あの時見た物は何かの間違いだったと、そう、伝えて下さい」
「それで‥‥いいのか?」
 答えずに、背を向けた。
「叔父様、お婆様‥‥またね!」
 ミシェルの声だけが、二人を追いかけていった。



 二人がまた屋台の前を通過していく。縁は息をついた。
「ふぃー、的屋にかまけて遊ぶつもりが‥‥とんでもねぇ珍客がいたもんだなぁ‥‥」
 それでも何事もなく済んだのだから、重畳というところだろう。
 宵宮祭もそろそろお開きの気配が濃くなってきていた。

 かき氷屋台は大変盛況で、メフィスたちはほとんど休む間もなく働いていた。シロップもほとんど完売だ。
「お疲れさまだけど、最後にあと二つ、いいかな?」
「僕たちの分、か」
 アスハが残った氷で二つのカップを満たす。メフィスはそこに残ったイチゴのシロップをかけると、小さく切った黄色と緑の寒天を散らした。
「綺麗でしょ? 私たちみたいに。なんてね」
 いたずらっぽく笑う妻と二色の寒天を交互に見て、アスハは得心する。
「ああ、ナルホド‥‥こんな風に綺麗に映る関係でいたい、な。ただ、本当の僕達の間にあるのは、氷のような冷たさ、ではないが、ね」
 二人の瞳の色を移した寒天ごと氷を掬ってメフィスに差し出し、口に含ませる。
「ふふっ、確かに‥‥冷たいけど、どこか暖かくなるわね」


「戒ちゃん、気がついた?」
「おお‥‥?」
 戒が目を開けると、すぐ近くにマリアの顔があった。
「急に倒れるからびっくりしたわよ‥‥お水飲むかしら」
 すぐ横からリリアードも覗き込んできて、心配そうに額に手を伸ばす。
「っていうか頭の後ろがあったか柔らかいんですけどこれは‥‥」
「ふふ、私の膝枕、気持ちいいかしら」
「ひ‥‥膝枕!」
 かっと目を見開く戒。ホント今日どうなってるの、なんでこんな幸福なの?
「もう無理です。死にます」
 ひたすらいい目に遭い続けた戒はマリアの太股の感触を魂に刻みつけながら安らかに息絶えた。いや絶えてません。


「楽しかったね、アル!」
「ええ、大変楽しゅうございましたね、ジオ」
 満足げに振り返るのジオラルドとアルペジオの二人は持てる限りの夜店アイテムを抱えていた。
「ゲートの悪魔も、これならばうつつを忘れて楽しむのも仕方ないというものですね」
「僕らも居るんだし、居ても可笑しくないよね!」
 途中見かけたレガたちの事も、「だって楽しいもん」とあっさり片づける彼らである。
「‥‥ジオ。私達も、次回は浴衣なるものを着てみましょう」
「うん! 次は浴衣も着てみよ!」

 こうして、宵宮の祭は盛況の内に幕を下ろしたのだった。


依頼結果

依頼成功度:成功
MVP: ラッキーガール・ミシェル・G・癸乃(ja0205)
 あんまんマイスター・七種 戒(ja1267)
 いつかまた逢う日まで・亀山 絳輝(ja2258)
 押すなよ?絶対押すなよ?・メフィス・ロットハール(ja7041)
 蒼を継ぐ魔術師・アスハ・A・R(ja8432)
 魅惑の片翼・リリアード(jb0658)
 魅惑の片翼・マリア・フィオーレ(jb0726)
 心の受け皿・キャロライン・ベルナール(jb3415)
 小悪魔な遊び・ヴァローナ(jb6714)
重体: −
面白かった!:17人

ラッキーガール・
ミシェル・G・癸乃(ja0205)

大学部4年130組 女 阿修羅
ドクタークロウ・
鴉乃宮 歌音(ja0427)

卒業 男 インフィルトレイター
Blue Sphere Ballad・
君田 夢野(ja0561)

卒業 男 ルインズブレイド
あんまんマイスター・
七種 戒(ja1267)

大学部3年1組 女 インフィルトレイター
いつかまた逢う日まで・
亀山 絳輝(ja2258)

大学部6年83組 女 アストラルヴァンガード
久遠の黒き火焔天・
中津 謳華(ja4212)

大学部5年135組 男 阿修羅
押すなよ?絶対押すなよ?・
メフィス・ロットハール(ja7041)

大学部7年107組 女 ルインズブレイド
猫の守り人・
点喰 縁(ja7176)

卒業 男 アストラルヴァンガード
蒼を継ぐ魔術師・
アスハ・A・R(ja8432)

卒業 男 ダアト
魅惑の片翼・
リリアード(jb0658)

卒業 女 ナイトウォーカー
魅惑の片翼・
マリア・フィオーレ(jb0726)

卒業 女 ナイトウォーカー
芽衣のお友達・
礼野 真夢紀(jb1438)

高等部3年1組 女 陰陽師
腕利き料理人・
美森 あやか(jb1451)

大学部2年6組 女 アストラルヴァンガード
ねこのは・
深森 木葉(jb1711)

小等部1年1組 女 陰陽師
陰のレイゾンデイト・
天宮 佳槻(jb1989)

大学部1年1組 男 陰陽師
最愛とともに・
美森 仁也(jb2552)

卒業 男 ルインズブレイド
悪魔囃しを夜店に響かせ・
饗(jb2588)

大学部3年220組 男 ナイトウォーカー
撃退士・
ジオラルド・コンスタンティン(jb2661)

大学部8年150組 男 ダアト
心の受け皿・
キャロライン・ベルナール(jb3415)

大学部8年3組 女 アストラルヴァンガード
撃退士・
アルペジオ・フェンリル(jb3557)

大学部8年291組 男 陰陽師
ArchangelSlayers・
グレイシア・明守華=ピークス(jb5092)

高等部3年28組 女 アストラルヴァンガード
智謀の勇・
知楽 琉命(jb5410)

卒業 女 アストラルヴァンガード
撃退士・
海野 三恵(jb5491)

大学部1年275組 女 アストラルヴァンガード
小悪魔な遊び・
ヴァローナ(jb6714)

大学部3年278組 女 鬼道忍軍
ついに本気出した・
砂原・ジェンティアン・竜胆(jb7192)

卒業 男 アストラルヴァンガード