.


マスター:嶋本圭太郎
シナリオ形態:イベント
難易度:普通
参加人数:25人
サポート:2人
リプレイ完成日時:2013/04/12


みんなの思い出



オープニング

※このシナリオはエイプリルフール・シナリオです。オープニングは架空のものであり、ゲームの世界観に一切影響を与えません。

 ある晴れた平日。
 掲示板に張り出された依頼のチェックをしていた潮崎 紘乃(jz0117)は、自分の見覚えがない依頼が張り出されているのを見つけた。

「  自分の事を幸福だと信じている貴方へ。
  或いは、
   自分の事を不幸だと疑わない貴方へ。

   貴方の幸福は、
   貴方の不幸は、
       ──どれほどのものでしょうか?


   久遠ヶ原幸福・不幸選手権を開催いたします。

   於:久遠ヶ原島

  日時:4月1日               」

「なにこれ?」
 紘乃は眉根を寄せた。

「あの依頼、受けたの牧田さんですか?」
 受付の奥へと入って、紘乃はデスクで新聞を読みふける上司に尋ねた。
「あの依頼?」
「幸福・不幸選手権とかいう‥‥私は聞いた覚えもないんですけど」
「いや、俺も知らんぞ」
 牧田は新聞を畳んで立ち上がる。紘乃について掲示板まで行き、張り紙をみてむぅとうなった。
「なんだこりゃ」
「牧田さんも知らないのなら、誰が出したのかしら」
「‥‥それ以前に、不備だらけだぞこの依頼。場所はこの島としか書いとらんし、日時と書いときながら時間はないし、おまけに報酬については触れてもいない。こんなの受理しやがってどこの新人バイトだ、まったく」
「はがしときますか?」
「そうだな、いたずらかもしれん。一応、紙の方は保管しておいてくれ。受理したやつを見つけたら説教してやる」
 憤慨しながら席へと戻る牧田を苦笑しつつ見送ったあと、紘乃は張り紙を丁寧にはがした。



 翌日。
 出勤してきて掲示板を確認した紘乃は、昨日はがした「久遠ヶ原幸福・不幸選手権」の張り紙が、同じ場所に張り出されていることに気づいた。
 しかも、文面までまったく同じだ。
「‥‥?」
 首を傾げていた紘乃だったが、ふと思い出して自分の机まで駆け寄る。
 引き出しを開けると──昨日そこへしまったはずの張り紙がなくなっていた。
「ど、どういうこと?」
 薄気味の悪さを感じる。紘乃は、改めて張り紙をはがすことはしなかった。
 どうせ、場所も時間もはっきり書いてない依頼だ。放置しておいても、きっと問題ないだろう。
 紘乃はひとまず忘れることにして、今日の仕事に向かうのだった。



 それから、どれくらい時間が経っただろうか。
「あれ、ここはどこ?」
 ふと気がつくと、紘乃は見覚えのない場所に立っていた。
 薄暗い物陰に、無骨な鉄骨がむき出して組み上げられているのが見える。重なり合ったカーテンの向こうから、光が漏れている。
 ステージの舞台袖、だろうか。
 いきなりこんなところに立っている経緯も理由もわからず戸惑っていると、声をかけられた。
「ようこそいらっしゃいませ」
 飛び出しそうになった心臓を必死でなだめつつ振り返る。
「あれ、モブ子ちゃん?」
 そこにいたのは見知った顔の学生だった。普段は島のはずれのコンビニでバイトしていて、たまに斡旋所でも受付を手伝っているモブ子(愛称)だ。
「ねえ、ここってどこなのかしら」
 聞いてみると、モブ子はいつもと同じように表情を変えずに答える。
「久遠ヶ原幸福・不幸選手権の会場ですよ」
 なんだっけそれ、どこかで聞いたような‥‥としばらく考えて、紘乃は斡旋所の張り紙を思い出す。
「あれ、モブ子ちゃんの依頼だったの?」
 モブ子は首を振った。
「私は、アルバイトです」
「アルバイト?」
 なんの、と聞くより早く、モブ子は紘乃の手をむんずと掴んだ。
「さあ、行きましょうか」
「行くって‥‥え? ちょ、ちょっと!?」
 そのまま引きずられるようにして、紘乃はカーテンの向こうへと連れて行かれた。


 想像していたとおり、そこはステージになっていた。
 ステージは清水の舞台というほどではないにしろ、かなり高い位置に作られていた。観客の姿は、だいぶ下方に見える。
「ってゆうか、あれって‥‥」
 ウオオオオォォン。
 観客のざわめきがうなるように響いて、思わず覗き込んだ紘乃は、その光景に絶句する。
 そこは人外の異形‥‥ディアボロかサーバントか、とにかくそうとしか見えないものたちで埋め尽くされていたのだ。
「て、天魔じゃないの!」
 あわててステージの際から下がる紘乃だが、対してモブ子は落ち着いたもの。
「ただの観客ですから、気にしなくていいですよ」
「いやいや気になるわよ!?」
「私と同じ、モブですから。それより、時間が押してますのでさっさとどうぞ」
「どうぞ、って?」
「幸福でも不幸でも、さっさとアピールしてください」
 紘乃は目を丸くする。いつの間にか、参加者扱いされてる?
「ちょっと待って、私は‥‥」
「あと一分以内に始めないと失格です」
「えええ!?」
 そんなこと言われても。とりあえず考えてみたものの、アピールするほどの幸福も不幸も持ってない。
「あと三十秒」
 な、何か言った方がいいのかしら? そうは言っても最近じゃ応援しているチームのエースが海外に移籍した事くらいしか──。
 と、あたふた考えているうち。
「時間切れです」
 モブ子が淡々と告げる。ステージの下の観客(天魔)どもが、残念そうにウオオオォォン、とうなり声をあげた。
 紘乃がモブ子を見やると、彼女はどこからか垂らされたロープを手にしている。
「残念でした」
 そして、ロープを引いた。
 バコン。音を立てて、紘乃の立っていた床がばっくりと開く。

「ぇええええぇぇぇぇ‥‥!!??」

 紘乃は理解できないことだらけのまま、奈落の底へと真っさかさまに落っこちていった。



 悲鳴の残響が消え失せると、床に開いた穴も元通り消えていた。
 モブ子はステージ袖を見やる。
「じゃ、次の方どうぞ。優勝目指してがんばってくださいね」
 中途半端は奈落の底、である。


リプレイ本文

「幸福か不幸かって? もちろん幸福に決まってる!」
 最初にステージに現れたアッシュ・クロフォード(jb0928)は、ネックレスの光る胸元をどんと叩いた。
「この世に生を受け、素敵な家族に恵まれ、最高の仲間たちを得た──俺が幸福でない理由なんか無いだろ?」
 ステージの下の客席に向け、自信満々にスピーチをする。
「そして何より最高なパートナーに出会えたことが俺にとって最高の幸福だね! 紹介するよ──俺のパートナー、雷竜ジークだ!」
 アッシュは光纏し、彼と同じように雷を纏ったヒリュウ・ジークを召還した。
 ジークとアッシュは動きを合わせ、その仲良しぶりをアピールする。
「よしいいぞ、ジーク!」
 その小さな頭を撫でてやるアッシュの笑顔は、心底幸せそうであった。

「周 愛奈(ja9363)なの。宜しくお願いしますの」
「俺は緋野 慎(ja8541)! よろしくな!」
 続いてステージに立ったのはまだ幼さを残す二人。まずは年少の愛奈が、礼儀よくぺこりと礼をする。
「愛ちゃんは父様と母様の一人娘として生まれたの。結婚してなかなか授からなかったから、愛ちゃんが生まれるって分かった時、父様も母様も普段のクールさをかなぐり捨てて狂喜乱舞して喜んだそうなの」
 一体どんな狂喜乱舞っぷりだったのだろうか。
「父様は格好良くて、母さんは美人さんなの。
 父様はお菓子を作るのがとても上手なの。父様が作るお菓子、愛ちゃん大好きなの。
 母様は愛ちゃんにかわいい服を選んでくれるの」
 愛奈は嬉しそうに自分の家族のことを語る。
「あと、伯父様が中華料理のお店をやっているの。よく食べさせて貰っているの。とっても美味しいの」
 最後まではきはきと喋りきって。
「だから、愛ちゃんはとっても幸せなの」
 ありがとうございました、と礼をした。

 続いて慎が一歩前へ。
「俺は、不幸か幸福か、は正直なところどうでもいい──人によりけりだもんね」
 慎は少し照れくさそうに頬を掻いた。
「今日はたった一人の、ある人に感謝を言うために来たんだ」
 そして、おもむろに語り始める。
「俺は、赤ん坊の頃に山に捨てられてた、らしい。それ自体は、たぶん不幸なことだったんだと思う、けど‥‥その時、俺はある人に拾われたんだ」
 慎はそこまで言って、一度言葉を止めた。一度大きく、深呼吸。
 両手を口に当て、目一杯の声量で。
「じいちゃあぁぁん!
 俺を拾ってくれて、育ててくれて、いっぱい愛してくれて、ありがとおぉぉーーー!!!」
 自分を形づけてくれた、大切な人への想いを。
「俺、すっごい幸せだよ! じいちゃんに出会えて、すっごい幸せだよおぉ!」
 恥ずかしすぎて、面と向かっては言えないけれど。
 肺の中の空気をすべて吐き出してはあはあ息を切らせながら、慎は満足そうに「にしっ」と笑った。


 会場がほんわかした空気に包まれる中、続いてステージへと現れたのは鷺谷 明(ja0776)。
 つかつかと靴音を響かせて、眼下の観客を見下ろした。
「幸福とは要するに世界をどれだけ愉しめるか、だよ。ならば私が勝者確定。一切皆楽を体現する私に隙は無い」
 その笑みは確信に満ちている。
「まあ私の精神はとうに解析して固定しているから私の精神をぶちのめすには余程のトラウマ突かんとできんよ? まあそれでもどうしようもなく悲しくなることはあるんだけどそしたら脳内麻薬ドバドバだしてヒャッハーすればいいだけだし」
 一人陶然として熱弁する明。ある意味で前の三人と同じ──はずだが、どこか違う。
「──うん。故に私は最強。世界を愉しみ続ける私は人体実験とか人肉食いとかも普通にできるのです」
 だんだん発言が危険になってきた。観客(天魔)がざわざわと騒ぎ出す。
「まあ実験対象は私の身体で食ったのは私の肉だけど。ちなみに肉は筋張ってて美味くなかった。美味いなんていう奴は禁忌破りに快感を見出しt(バコン)」
 唐突に足下がぱっくり開き、明はバラエティ番組の芸人のように喋り途中で落っことされた。下は奈落だが。

「じゃ、次の方どうぞ」
 紐を引いたモブ子が何事もなかったように次を促した。


 大きなバッグを抱えた羊山ユキ(ja0322)が登場。
「ユキの幸せ‥‥それは、お菓子です☆」
 制服のポケットを探る。右手が大福を取り出した。
「和菓子にはほんのり控えめの甘さの良さがあるし‥‥」
 左手はスティックケーキを引っ張り出す。
「洋菓子にはそれそのものが華のように美しく美味しい魅力が‥‥☆」
 左右の手を交互に眺めて。
「ユキはそんなお菓子を愛してやまないので、お菓子こそが幸せなのです! 会場の皆様にも幸せのおすそ分けですー♪」
 そういうと、両手のお菓子は一度ポケットにしまいなおして、抱えていたバッグを開く。中はお菓子が詰まっていた。
「えーいっ♪」
 何のためらいもなく、観客席に向かってお菓子をぶちまける!眼下の天魔がお菓子に群がっていく。
 バッグの中の大量のお菓子を残らず投げてしまうと、彼女は改めて制服のポケットを探り、大福とケーキを取り出す。
「うふふ、幸せー☆」
 それぞれぱくりと一口食べて、ユキはにこにこほっぺを押さえた。


「えっと、こちらでよろしいのでしょうか?」
 続いて壇上に現れたのは蒼井 明良(jb0930)。
「友達に『ぜひ出なさい』と言われたのですが‥‥私はワリとツイてると思うんですよ」
 赤い眼鏡のフレームをくいと持ち上げて。
「久遠ヶ原に入れたことがまずそうだと思うんですよ。受験勉強いらないですし! 戦いは知らなかったですけど、頼りになる人たちとお知り合いになれることはとってもツイてると思います!」
 観客たちはふむふむと聞いている。
「もちろん、いいことばかりじゃないですけど‥‥お金を入れたら自動販売機が故障したとか、買ったばっかりの自転車が壊れたりとか、そんなのふつーですよね!」
 アアオウ、と観客から残念な吐息が漏れる。
「え? 学食に行ったら売り切れだったとか、注文したものが壊れたりとか、そんなこと良くありますよね?」
 ていうか壊す関係多いな。
「‥‥兄と思ってた身内が姉だったりしましたけど、別にツイてないワケじゃないですしね」
 ふと遠い目をする明良。観客はあまりの不憫さに静まりかえった。‥‥と、壇上にぽいぽいと何か投げ込んでくる。
 明良が拾い上げると、それはさっきユキが投げ込んでいたお菓子だった。
「いただけるんですか? わあ、やっぱり私、ツイてますね!」
 ‥‥まあ、本人がそう思ってるならそれでいいのだろう‥‥きっと。


 草薙 胡桃(ja2617)がずかずかとステージに向かう。胡桃は眼下の観客をきっと睨むように見据えると、声を張り上げた。
「彼氏が出来たのに、彼氏が無茶ばっかり!
 お料理頑張って作ってるのに、レシピないとまだ兵器!
 撃退士だって言ってるのに、家族全員甘やかしてばっかり!」
 拳をぶんと振り上げて。
「気がついたらからかわれてばっか!
 これでも! モモ! 撃退士っ!!!
 ひとりで! できるもんっ!!!」
 すべて言い切った胡桃は、ぜいぜいと息を切らせて観客を見回す。いかに自分が「不幸」であるか──みんな理解した?
 が、観客はなんだかご近所の世話焼きおばさんみたいな感じであらあらまあまあと温かい目を向けていた。
 また壇上にぽいぽいと、何か投げ込まれていく。
 胡桃が拾い上げると、それはやっぱりユキの投げ込んでいたお菓子だった。
「だから! 子供扱いするなーっ!」
 じたじたと足を踏む胡桃のもとへ、お菓子がさらに投げ込まれていった。


 憤慨しながら去る胡桃と入れ替わりに、高虎 寧(ja0416)がすたすたとやってくる。
 寧は胡乱げに目線を左右へとやった。
「うちにとって一番の幸福は寝る事なのですね」
 淡々と、当たり前の事実であるかのように。
「人生に取り睡眠は1/3占めるものですから、それを幸福として楽しめるのはやはり人生に勝利したと言えるのではないでしょうか」
 確かに、寝る事が幸福なら毎日必ず幸福であるということだ。
「うちとしてはその哲学に乗っ取り、只管に寝る事が一番の幸福だと自覚できるので、この点は一番押しで自慢した処です」
 うんうん、と寧は一人満足げに頷いた。
「という訳でうちの主張は終えてあとは寝る事にします」
 一方的に言い放つ寧。唖然とする観客をよそにステージの端っこでごろんと横になると、あっという間にすやすやと寝息をたて始めた。

「‥‥次の方ー」
 え、モブ子さんスルーですか。

 レイラ(ja0365)が壇上へ。
 制服を折り目正しく着こなす彼女の主張は。
「不幸だと思うこと‥‥その‥‥デロいことに良く遭遇すること‥‥あぁ」
 語尾に小さく、内緒にしておいてください、と付け加えて。
「今回は発表するだけの場ですから大丈夫ですよね?」
 だがそのとき、観客席からステージへと乱入するものが!
「!? えっ‥‥なんで、こんなこと・・」
 それは長い触手がうねうねといやらしく蠢く天魔だった。詳しくは書かないが、もういかにもそういう役割で登場したとしか思えない。うじゅるうじゅると触手アピール。
「ああ、なんということでしょう‥‥」
 レイラは我が身に降りかかるデロい予感にその爆乳を‥‥じゃないその身を震わせると、いきなり制服を脱ぎ始めた。‥‥その下は水着姿。
「「準備良すぎだろ!」」観客総ツッコミである。
 これはもうあれでしょ? 据え膳ってやつでしょ? とばかりに触手が伸びて、レイラを絡め取る。あとはめくるめくぐっちょぐちょの世界である。
「ああっ、そこ、だめですっ‥‥」
 ぬっちょぬちょの合間にレイラの嬌声が漏れ聞こえてくる。

「あんまりこっち来ると邪魔なので続きは端っこでどうぞ。では次の方」
 カオスめいてきたステージ端を無視してモブ子が次を促した。


 続いては久遠寺 渚(jb0685)の登場です。市民、あなたは幸福ですか?
「もちろん幸福です、コンピュータ様! 幸福なのはここアルファ・久遠ヶ原市民の義務ですから!」
 それは素晴らしいことです、市民。では観客になぜこのアルファ・久遠ヶ原の市民が幸福でいられるのかを語ってください。
「ここは外の世界と違って天魔がいません。仮に侵攻してきてもコンピュータ様の忠実なる僕、完璧な撃退士によってすぐ様殲滅されます」
 その通りです市民。天魔の殲滅は撃退士の義務です。
「まさにここはエリュシオン、楽園です! これを幸福と思わない者がどこにいましょうか? もしいるとすれば、それは反逆者です!」
 素晴らしいスピーチでした、市民。ところで今あなたは「まさにここはエリュシオン」といいましたね?
「‥‥? はい」
 この世界にエリュシオンの名が冠されていることはあなたのセキュリティクリアランスには開示されていません。どうやってそのことを知ったのですか?
「‥‥あ」
 知り得ない情報を知ることは反逆行為です。反逆者には略式の処刑が与えられます。(zapzapzap!)

 心配はいりません。彼女の代わりはすぐにやってきます──では、続きを行いましょう。


 モブ子が台車を押しながら現れた。
 台車の上には静馬 源一(jb2368)が体育座りで乗っかっている。
「源一で御座る‥‥忍者で御座る‥‥」
 その視線は手元に落とされたまま。
「源一で御座る‥‥背が小さいせいで下級生と間違えられて同級生にパシらされるで御座る‥‥」
 さして大きくない台車にすっぽり収まってしまうほどである。無理もない。
「源一で御座る‥‥おじーちゃん‥‥山道で雉を見かけたからといって自分に取ってこさせようとしないで‥‥!? 急斜面は危ないので御座るよ!? 自分、猟犬じゃないから追いつけないで御座るよ!?」
 小さいからすばしっこいと思われたのだろう。無理もない。
「源一で御座る‥‥源一で御座る‥‥」
 最後はフェードアウトしようとしたが、モブ子は台車を押す代わりに紐を引いた。バコン、とステージに穴が開く。
「!?」
 が、そこは只の奈落ではなく、奈落に向かって螺旋状に降りるスロープが設置されていた。
「だから、急斜面は危ないので御座るよおおおぉぉ‥‥‥‥!」
 悲鳴をドップラー効果つきで残しつつ、源一は台車ごと滑り落ちていった。


 ステージが元通りになってしまうと、ミリオール=アステローザ(jb2746)がぱたぱたと小走りに駆けてきた。
「はワー、どうなっているのか気になるのです」
 興味津々、屈み込み、ステージの床をぺたぺた触る。
「はっ、そんな場合じゃなかったのですワっ」
 ミリオールはぱっと立ち上がり。
「わたしは今、凄く、すっごく、幸せなのですワっ!! ‥‥憧れの地球ライフを送れているのですものっ!!」
 凹凸のない胸をいっぱいに張って、高らかに叫んだ。

「地球という星は様々な感情があふれてて、変化を続けてて、それを見てるだけでも毎日飽きないのです」
 その奥にある感動を大事に取り出すように。ミリオールは胸に手を当てる。
「たまのつらい事件もあるけれど、それはそれ。自分の力で変えていくことも出来るよねっ」
 うんうん、と頷く。
「嘗ての力は殆ど失い、故郷にも戻れないけど‥‥それでも! 無味乾燥な生活とは無縁の刺激ある世界、こんな素敵な世界に居て不幸せなはずがないのですワっ!」

 沢山の世界で星を見てきたというミリオール。そんな彼女が一目惚れしたこの星は、私たちが想像しているよりも貴重で素晴らしいのかもしれない。


 続いて縁付き眼鏡をかけた柔和な雰囲気の少年がステージへ。
「テイ(ja3138)です。傭兵に拾われて、育てられてきました。良くある話だけど話そうと思います」
 ぺこりと礼をする。
「小さい頃に孤児になって‥‥親戚のバーちゃんに預けられたんだけど、バーちゃんが傭兵だったから僕も少年兵として戦場に出る羽目になって。おかげで何度も死にそうな目にあったなあ」
 観客から同情的な溜め息が漏れる。
「一度なんか戦地のど真ん中で偽情報掴まされちゃって、周りは敵ばかりになって補給もなくて、あー死ぬんだな。とか思ってたら、突然ディアボロが現れて周りが地獄に早変わりしたんだ。その間に僕とバーちゃんと数人の仲間は逃げ出した。とってもラッキーだったよ」
 にっこりと笑うテイ。ぜんぜん笑い事には聞こえないが。
「それで、何度も死にかけて不幸だ、という主張でしょうか?」
 モブ子が問うと、テイはきょとんとしたあと首を振った。
「逆だよ。よく生きてこられたなーってことさ」
「はあ」
「こうやって生きていること自体、すごく幸福なんだなあって、それが僕の主張です」


 テイと入れ替わりにやってきたのは浪風 悠人(ja3452)。
「俺以上の不憫はいない!」
 開口一番、それである。
「まずは入学初日、可愛い女子とカッコいい男子の友達が出来たと思ったら性別が逆だった。初依頼の終了時女子を食事に誘ったと思ったら男子だった」
 不憫だが久遠ヶ原ならありがちだ。まだこの程度なら。
 だがこれは悠人の不憫列伝におけるまだ導入部。
「部活で仮装大会を企画して、猫耳メイド服まで用意したのに頓挫するし‥‥」
「漸く彼女が出来ましたが、その彼女に吊された挙げ句高圧電流を流されました」
「しかもその数ヶ月後には別の女性に告白されて修羅場に‥‥」
 ノってきた。どんどんノってきた。
「気がついたら周りにボケ体質が集まりいつの間にかツッコミ役を押しつけられているし! 不憫四天王に数えられていて眼鏡が本体と呼ばれて良く割られそうになるし! たまに入る難しい依頼で何故か強敵に無視されるしッ!」
 いったい彼の不幸はどこまで用意されているのだろうか?
 身振り手振りを交え熱弁する彼にモブ子が近づいてきた。
「盛り上がっているところですが、時間が押しまくってます」
「まだ語りきれないほどあるんですが!」
 悠人が訴えると、観客もそうだそうだと彼を後押しする。
「仕方ないですね‥‥じゃあ、あっちの方で続けててください」
 モブ子がステージ端を示す。そして。

「んんっ、もう‥‥」
「すやすや」
「‥‥なんだこの状況」
 傍らでレイラが相変わらず触手にぬっちょぬちょにされ、足下で寧がぐっすり眠っているその場所で、悠人は主張を続けることとなった。


 カオス度を増すステージ端を後目に、中央にはインヴィディア=カリタス(jb4342)が降り立った。
「天界の娘よ。大いに喜べ。冥界の娘よ。喜び叫べ。
 見よ、この美しく儚い世界を、この耐え難き至高の楽園を
 私が此処に立ち、存在している、其れこそが幸福以外のなんであろうか」
 カリタスは嫣然と微笑みを浮かべて、謳うように言葉を紡ぐ。
「──僕は、人が好きだ。悪魔も、天使も、愛している」
 朗々と良く通る声が、会場の空気を支配していく。
「美しい、君達は何よりも美しい、だからこそ、僕が一番幸せだ」
 ステージの端(カオスでない方)に立っているモブ子の側まで歩み寄ると、彼女の髪を自然な仕草で一房手に取り、そっと撫でた。
「こんなに美しい君たちに囲まれている。触れ、話すことができる。その事実こそが僕の幸福を証明する、何よりの証拠さ」
 モブ子から離れ、踊るように手を広げて。
「特別な事なんて何もない、それでも僕は、この上なく満たされている」

 たとえ否定されようとも、全てを愛おしみ、慈しむ。
 天使のような外見を持つ愛の悪魔・カリタスは存分に彼の愛を振りまいていった。


 カリタスの残した空気を打ち破るように、猛スピードで何かが回転しながらやってきた!
 それはステージの端の鉄骨に突っ込んで止まる。そして立ち上がったのは──パンダであった。

 パンダこと下妻笹緒(ja0544)は、何食わぬ顔でステージの中央まで歩いて戻ってきた。
「幸か不幸かと問われたら、それはもう間違いなく不幸だといわざるを得ない」
 さも当然であるといった風だ。
「理由など聞かずとも分かるだろう。なに分からない?」
 笹緒はやれやれと一つ息を吐き、そして。
「この!」
 両手を広げて変なポーズを決める。
「スーパーキュートで!」
 続いて片足をあげて変なポーズ。
「アルティメットラブリーな!」
 さらに身体を前に倒して変なポーズ。
「パンダちゃんの姿を!」
 お尻をふりふり変な(略
「自ら見ることが出来ない!」
 とどめに股の間から顔を出して(略
 変なポーズ五連発を決めた笹緒。
「これが不幸でなくてなんだというのか。こんなにも可愛いのに抱きしめてあげることも出来ない。まさに不幸の極致」
 笹緒はせめても自分の肩を抱く。
「それは偏に自分以外の生きとし生けるものすべてに幸福を与えている者の宿命なのだ」
 ミイラっぽい天魔や骸骨っぽい天魔の観客がうんうんと頷いていた。


 パンダが去ったと思ったら。
「正義のマスクマン! クマスクマン登場! がおー!」
 今度は熊である。ただし着ぐるみではなくマスクマンだが。
 クマスクマンこと熊野 二郎(jb5072)。名前はあれだが歴とした女性であることはビキニスーツからあふれんばかりのおっぱいが示していた。念のため書いておくが改造とかでもないよ。
「クマスクマンはいつでもハッピー! 元気にハチミツ美味しいよ!」
 元気に飛び跳ね、右手を舐める仕草でアピール。
「がおー! がおー! クマスクマンだぞー!」
「‥‥具体的になにが幸福なんでしょうか」
 話が進まないのでモブ子がやってきた。
「え? こうして元気にいられるのが最高に幸せなんじゃないかなーって。ねえ! プロレスしたい! 技かけてもいい?」
「何故でしょう」
「プロレスってなんかカッコいいじゃん、マスクマン好き、なんかカッコいいじゃん!」
 よく分からないが、とにかくモブ子がクマスクマンの技を受けることになった。
 クマスクマンはモブ子を引き寄せると、目一杯ぎゅーっと抱きしめた!
「クマスクマン必殺のベアハグだぞー! がおー!」
「もがもが」
 モブ子が何か感想を言ったが、おっぱいに顔が埋もれているためなにも聞こえなかった。‥‥うらやま いえ何でもありません。


「ここはどこでしょうかー?」
 頭の上のアホ毛をくるくる回しながら現れたのは櫟 諏訪(ja1215)。モブ子に説明されて状況を把握する。
「自分がするのは幸福自慢ですねー? 自分にはすごい頑張り屋さんの恋人がいるのですよー?」
 来ました今回のリア充枠です。
「友達思いで、優しくて、いつも元気いっぱいで、可愛い彼女さんなのですよー?」
 観客席から異様なオーラが発せられる中、にこにこ笑顔でアピールする諏訪。だがそこへ。
「恋人ならわたくしにもおりますわっ!」
 まさかの乱入者だ。
 現れたのはシェリア・ロウ・ド・ロンド(jb3671)。着用しているドレスには電球が埋め込まれてゴテゴテピカピカ。手には黄金色のマイクがやっぱりゴテゴテピカピカ。
 シェリアは自前のマイクを口元に当て、大声で叫んだ。
「わたくしには愛しの君がいます!! 家で決められた婚約者ではなく、この学園で好き合った大好きな恋人ですわっ!」
 恥ずかしがるそぶりもなく全開で幸せを訴える。その姿を見て諏訪もアホ毛をピンと伸ばした。
「自分が目標に頑張っていて、照れくさい反面もっと頑張らなきゃなーって思えるのですよー? 恋人になってもう半年以上がたちますが、毎日がすごく楽しくって幸せで、あっという間だったのですよー」
 会場からは「爆発しろ!」とお決まりの野次が飛ぶ。しかし二人ともまったく意に介さない。
「なにも聞こえませんわ‥‥わたくしの耳にはいるのは恋人の優しい声だけですもの。嗚呼、幸福幸福」
「いつも自分に元気を分けてくれる恋人に、たくさんのありがとうを伝えたいのですよー? これからもよろしくお願いしますねー!」
 シェリアは自身の幸福に浸りきり、諏訪は恋人に向けてのメッセージを送る。
「もう幸せっ! 花火でも打ち上げますわよ!」
 ついに感極まったシェリアは光纏する。黄金色のオーラがデコドレスと重なって眩しいことこの上ない。
 彼女は観客席に向かってエナジーアローを打ち込んだ! ‥‥観客天魔だからって容赦も躊躇も一切ない。
 花火代わりの魔法の矢が観客席で炸裂し、阿鼻叫喚の悲鳴がこだまする。
「‥‥ちゃん、大好きですよー!」
 音に紛れて諏訪が恋人の名を叫んでいた。
 収集がつかなくなったところで、モブ子が紐を引く。愛を叫ぶ二人はまとめて落っこちていった。


 光には陰が寄り添うように、リア充がいればそうでない者もいる。
「ふっ、幸運? そうだな、人間界に来れたということは一つの幸運であろうか。
 一目ぼれした女と恋人どうしとなったのも幸運であろうか」
 あんこく(jb4875)が落ち着いていたのは最初だけだった。
「‥‥まあ一瞬にして不幸に覆されたがな! 女は悪魔である! 我以上の悪魔である!」
 足を踏みならして憤慨するあんこく。
「最初に付き合った女には全財産を奪われ! 次に付き合った女は『けっこんさぎ』という奴で100万久遠もする婚約指輪を持ち逃げされ! 次の女は『ごめんね、好きな男ができちゃった』とかいって我の前から去っていき!」
 名前の割に純朴なのか、ひたすら女運が悪いらしいあんこく。
 その両目からは滂沱たる涙が‥‥いや、これは血!? 真っ赤な血涙が頬を濡らしていた。
「『あきた』だの! 『相性が悪い』だの! 『想像と違った』だの! あっさりと我を捨てていき! 我に残ったのは、借金だけである! 思い出? いるか! こんな思い出!!」
 げしげしと床を蹴りつける。あたかも思い出を消し去るかのように。
 直前にリア充の競演を見せつけられていた観客は、彼に惜しみない同情の拍手を送るのだった。多分、嬉しくないだろうが。


「不幸だぁッ!? 馬鹿言っちゃいけねぇッ!」
 長い舌をべろべろ動かし力強く言い切るのは革帯 暴食(ja7850)。
「今までの人生で、自分を不幸だと思ったことなんざぁ一度もねぇッ! 人生のあらゆる一切合財が幸福だったッ!」
 向けられたマイクを奪い取り、観客に向けてだんと足を鳴らす。
「うちにとって世の中にゃ喰えるモンと喰えねぇモンの二種類ッ! ちなみに喰えねぇモンはねぇッ! 食すことこそが愛であり、愛こそ幸福ッ!
 一切合財有象無象、森羅万象八百万ッ! 全てを喰ううちにとっちゃ、そこら中に幸福が転がっていると同義ッ! 道端の石ころも天魔も喰うッ! 喰うその一瞬こそ至高ッ!」
 そういうと暴食は、唐突にマイクにかぶりついた!
 ベキボキィィィイン(ハウリング)とマイクを喰らった暴食。テンションがさらに加速する。
「今まで数多を喰って来たッ! 老いも若きも男と女も親さえもッ! 全てが幸福だったッ! 喰えば一生腹ん中で一緒にいられんだからなッ!」
 むき出しの腹をぽんと一つ叩くと、暴食はステージから観客席へとダイブ!
 逃げまどう観客をひっ捕まえ、問答無用でかじり付き始める。観客は大混乱。
「故にうちは、最ッ高に幸福だッ!」
 悲鳴に混じって、暴食の叫びが聞こえてきた。


「‥‥名誉よりサンダルフォンがほしい」
 月詠 神削(ja5265)はステージに立つなり、そう呟いた。
「なにが不幸かって? ‥‥くじがおかしい。あんなに引いてるのにお目当てのアイテムが来ない‥‥。
 というか、最近Aランク以上のアイテムさえ掠りもしないんだよ」
 くじといえば、学園の購買で実施されているあれのことである。
「‥‥何かいいアイテム持ってる人たちって、Sランクが三つとか四つとかあったりするよな? 何この格差? いいアイテムは寂しがり屋だから、同じいいアイテムがたくさんある所に行こうとするのか? ‥‥理不尽だ」
 そんな話をされても観客(天魔)にはなんのことやらさっぱりだが、神削は滔々と語り続ける。
「その上さ‥‥。
 Cとかそこらのアイテムで地道にやってこうとしても、科学室で強化したら、失敗して無くなるのが多々あるよな?」
 同意を求められても(以下略)、神削は熱を込めて語り続ける。
「鉄くずになるのもきついけど‥‥メインウェポンが店売りの弱いアイテムに突然変異したときは本気で泣いた」
 嘆く神削の足下に、何かがぽいっと投げ込まれる。
 拾い上げてみると‥‥箱に手書きで「サンダル型携帯電話 サンダルフォン」と書かれていた。
 神削は無言でそれを投げ返した。


 混迷するステージに新崎 ふゆみ(ja8965)がわはー☆ と登場。
「ふゆみは思うんだよっ‥‥自分がシアワセか、なんて考えること、そんなの意味ないんだよっ」
 観客に向かってにこっ☆ と星を振りまくと、自身のことを語り始める。
「ふゆみ、おとーさんとおかーさんリコンしちゃってて。で、結構前から、弟と妹の世話しながら、お料理とか家事でずっと忙しかったんだ‥‥でも、友達が『かわいそう』って言うのが、不思議で」
 心底分からない、といった風に、ふゆみは人差し指を顎に当てる。
「だっておかーさんも兄弟もいるし、ふゆみ元気だし。お金ないけど、アウルの力でゲキタイシになれるから、お金も稼げるようになったんだよっ☆ この学校来てから、かっこいいだーりんもできたもん!」
 ふゆみは笑顔全開だ。そうあることに一分の疑いも持っていないのだ。
「だから、自分で言っちゃえばいいんだよっ‥‥ふゆみ、シアワセなんだよっ★ミ」
 他人と比べてここが幸福、ここが不幸‥‥そんなことを考える必要はない、と彼女は言っているのだ。
 幸福か、不幸かは、自分自身のもの。自分が今の境遇に満足なら、それで十分、シアワセなのだ。


「幸せとは、なんだ!」
 最後の登壇者、若杉 英斗(ja4230)もまた、「幸せ」について考える。
「朝起きて、『おはよう』と挨拶が出来る相手がいること。学校に登校して、友人たちとの何気ない会話。部活動。‥‥そんな何気ない、あたりまえの生活の繰り返し」
 英斗は眼鏡の奥に表情を隠して語る。
「これをあたりまえだと思える、まさにそれが『幸せ』なのだ!!」
 そう、平凡な日常、それこそが最高の幸福。高三にしてその高みに達したのか。
「よって、俺はすごく幸せだ!! 断じて不幸ではない!! モテないからって、不幸なんかじゃないぞーっ!!」
 どう聞いても、そっちが魂の叫びでした。涙拭けよ。
「これか!? これは、汗だ。目から汗が出てきただけだ」
 だが突然、胸元を押さえるとうずくまる。
「やばい、非モテオーラが暴走をはじめた‥‥」
 モブ子が様子を見に行くと、そんなことを口走った。
 なんかもういろいろこじらせすぎたようである。
「くっ‥‥抑えきれないっ!!
 はやくっ、みんな、はやくここから逃げろっ!!」
 腕を振ってモブ子を遠ざける英斗。
「いかん、これ以上は‥‥」
 ゴゴゴゴゴ‥‥どかーん!

 膨れ上がった非モテオーラは会場を一瞬白い閃光で包み、直後爆風が襲った。

 まさかの爆破オチであった。



 悠人は爆発でさすがに演説を止めた。なんだか会場全体が揺れているような感じがする。
 そこへモブ子が現れた。
「まさかリア充じゃないのに爆発するとは思いませんでした」
「いやそういう問題じゃないから」
 とりあえずツッコむ悠人。
「では表彰に移らせていただきます。まずもっとも不幸と認定されたのは、浪風悠人さんです。独走です。『THE 不幸』の称号を送らせていただきます」
「全く嬉しくないよ!?」
「続いて『THE 幸福』の称号は‥‥高虎寧さんです」
 モブ子は相変わらずぐっすり寝ている寧の顔の所に称号の書かれた紙を無造作においた。
「主催者からのお言葉です。『私も寝てたい』だそうです」
「ぐう」
 寧は寝息で答えた。
「というわけで、選手権はこれにて終了です。みなさん速やかにお帰りください。多分この会場、もう崩れます」
「ええー!?」


 ほどなくして、安普請の鉄骨は崩れ、会場は全壊した。

 参加者や観客や‥‥奈落に落ちた人たちがどうなったかは、誰も知らない。


依頼結果

依頼成功度:普通
MVP: 202号室のお嬢様・レイラ(ja0365)
 先駆けるモノ・高虎 寧(ja0416)
 二月といえば海・櫟 諏訪(ja1215)
 おかん・浪風 悠人(ja3452)
 ブレイブハート・若杉 英斗(ja4230)
 釣りキチ・月詠 神削(ja5265)
 グラトニー・革帯 暴食(ja7850)
 ひょっとこ仮面参上☆ミ・新崎 ふゆみ(ja8965)
 絆は距離を超えて・シェリア・ロウ・ド・ロンド(jb3671)
重体: −
面白かった!:15人

2013コミカル部門入賞・
羊山ユキ(ja0322)

大学部1年158組 女 ディバインナイト
202号室のお嬢様・
レイラ(ja0365)

大学部5年135組 女 阿修羅
先駆けるモノ・
高虎 寧(ja0416)

大学部4年72組 女 鬼道忍軍
パンダヶ原学園長・
下妻笹緒(ja0544)

卒業 男 ダアト
紫水晶に魅入り魅入られし・
鷺谷 明(ja0776)

大学部5年116組 男 鬼道忍軍
万里を翔る音色・
九十九(ja1149)

大学部2年129組 男 インフィルトレイター
二月といえば海・
櫟 諏訪(ja1215)

大学部5年4組 男 インフィルトレイター
ヴェズルフェルニルの姫君・
矢野 胡桃(ja2617)

卒業 女 ダアト
悪魔テイマー・
テイ(ja3138)

大学部3年169組 男 インフィルトレイター
おかん・
浪風 悠人(ja3452)

卒業 男 ルインズブレイド
ブレイブハート・
若杉 英斗(ja4230)

大学部4年4組 男 ディバインナイト
釣りキチ・
月詠 神削(ja5265)

大学部4年55組 男 ルインズブレイド
グラトニー・
革帯 暴食(ja7850)

大学部9年323組 女 阿修羅
駆けし風・
緋野 慎(ja8541)

高等部2年12組 男 鬼道忍軍
ひょっとこ仮面参上☆ミ・
新崎 ふゆみ(ja8965)

大学部2年141組 女 阿修羅
ウェンランと一緒(夢)・
周 愛奈(ja9363)

中等部1年6組 女 ダアト
未到の結界士・
久遠寺 渚(jb0685)

卒業 女 陰陽師
猛き迅雷の騎獣手・
アッシュ・クロフォード(jb0928)

大学部5年120組 男 バハムートテイマー
想いの繋ぎ手・
蒼井 明良(jb0930)

大学部5年193組 女 アストラルヴァンガード
正義の忍者・
静馬 源一(jb2368)

高等部2年30組 男 鬼道忍軍
ファズラに新たな道を示す・
ミリオール=アステローザ(jb2746)

大学部3年148組 女 陰陽師
絆は距離を超えて・
シェリア・ロウ・ド・ロンド(jb3671)

大学部2年6組 女 ダアト
撃退士・
インヴィディア=カリタス(jb4342)

大学部6年282組 男 ダアト
撃退士・
あんこく(jb4875)

大学部3年133組 男 ナイトウォーカー
撃退士・
熊野 二郎(jb5072)

大学部6年210組 女 アカシックレコーダー:タイプB