.


マスター:佐紋
シナリオ形態:ショート
難易度:普通
参加人数:8人
サポート:1人
リプレイ完成日時:2012/05/14


みんなの思い出



オープニング

「あれ?」

 男子生徒は見た。見てしまった。部長が普段目にすることのないであろう情報雑誌を読んでいる姿を。

 その情報雑誌のタイトルは『セグジィ』
 所謂、結婚情報雑誌である。そしてなんと自分のお腹を摩っているではないか。
 結婚情報雑誌を読んでいる。お腹を摩っている。これは…もしや…。

「うむ…なかなかこれと思うウェディングドレスは見当たらんものだな…」

 そして決定的な言葉が出た。ウェディングドレスだ。

「部長いつのまに!?相手は誰なんですか!?二十歳で結婚は早すぎませんか!?
って言うか、部長を相手にした勇気ある男性は誰なんです!?妊娠おめでとうございます!!」
「おい貴様!勇気ある男性とかどういうことだ!」
「え?・・・それを聞くんですか?いやぁ〜部長が結婚とは…しかももう既にお腹の中に子供まで…
幼女が子供を産むとかこれ如何に」
「何故私が結婚とか子供を産むとかそういう話になるのだ!」
「いやだって、結婚情報雑誌を読みながら、ウェディングドレスが…とか言いながらお腹を摩るんですよ?
もう、決定でしょう!」
「阿呆。お腹を摩ってたのは単にお腹がすいているだけだ。それにだな、このセグジィを読んでいたのには
訳がある。元久遠ヶ原生徒であった先輩が結婚することになってな」
「部長の先輩ですか。やっぱり幼女なんですか?」

部長が持っていた雑誌でバシンッと男性性との頭をはたく。
「いや、身長165cmのごく普通の女性だ」
「おぉ・・・酷い格差社会だ。全米が泣いた」

今度は雑誌の角で男子生徒を殴る。ぐおぉぉっと男子生徒は床を転げた。

「角はやめてくださいよ…で、情報雑誌は何のために?式場探しのお手伝いか何かですか?」
「いや違う。式場は既に決まっている。セントヨハネス教会という所だ。結婚式場に特化した
チャペルなどではなく、本物の教会だな」
「成る程。じゃぁ、なんでそんな情報誌なんて見てるんです?ウェディングドレスがなんとかって」
「あぁ、そうだな。まぁ、なんと言うか…招待されたのだ」
「招待?」
「うむ。プレウェディングしませんか?とな。彼女の夫がウェディングプランナーでな。
今回自分達の結婚を行うに当たり、数組のカップルを招待してくださるのだそうだ。で、だな!
何故か私まで招待が来たのだ!相手もいないというのに!これは何だ!あてつけか!あてつけなのか!?」

 ふんがー!と憤る部長、今までに部長には浮ついた話などこれっぽっちも出たことはないのだ。
 そんな部長にプレウェディングの企画を持ち込むなど、好意の方向性が間違っていると言わざるを得ない。

「うはぁ…チャレンジャーですねぇ、その旦那さん」
「はぁ…もう、諦めたが。自分達の式の前にプレウェディング、まぁ、仮結婚か。
結婚の雰囲気を味わってみないかという企画らしい」
「企画自体は面白そうなんですが、そこに部長を持ってくるあたりセンスが感じられませんね」
「そうだな・・・って、馬鹿者!私以上にドレスの似合う乙女がいるものか!」
「部長…自分で言ってて虚しくなりませんか?」
「…少し反省しようと思う。コホン!で、どんなドレスがあるか見ていたのだが、
もう訳が分からなくなってきたのだ」
「部長って服装とかには拘りがないって言うか、無頓着ですもんね」
「否定はせん。それとプレウェディングに出る相方も見つけねばならんし…」

 部長は目の前にいる男子生徒を無言で見つめた。良い生贄が居たといわんばかりの満面の笑顔だ。

「…なんで無言で俺を見つめてくるのか想像に易いんですが。ちなみに拒否権は?」
「もちろんNOだ!」
「ですよねー」
「さて、私の方はこれで少し目処が付いたとして…あと数組のカップルか…」
「それはもう、依頼形式で出したらどうです?」
「成る程。よし、それで行こう」


リプレイ本文

 ●
 セントヨハネス教会。
 その教会の前に数台の車が止まった。この企画のために集められた参加者だ。
 この車も当然企画費の中に入っている。かなり気合の入った企画のようだ。
 そんな中、今、一組の男女?が教会の前に降り立った。
「花嫁体験が出来る機会と聞いて来たよ。ウェディングドレスってやっぱり憧れるよね…♪」
「結婚式をやるのも見るのは初めてだからな…せいぜい社会勉強と行くか」
 帝神 緋色(ja0640)と烏田 仁(ja4104)は互いに手を取り合いご登場である。
 男性同士のペアだが緋色は新婦役だ。

 次に現れたのは望月 紫苑(ja0652)と春塵 観音(ja2042)だ。
「結婚式の料理がたくさん食べられると思いましたが、そういう式じゃないみたいですね…。
まあ、おめでたい事ですし、別に良いですよね…ドレスも着てみたかったですし」
「もっちーのドレス姿、楽しみだな」

 次に登場は両方共に女性。菊開 すみれ(ja6392)と宮本 明音(ja5435)だ。
 女性同士のペアなので明音が新郎役を努める。
「ウェディングドレスはやっぱり憧れだよね。結婚前にドレスを着ると婚期が遅れるなんて嘘…だよね?」
「あはは。そう言う話がないわけでもないけど、気にしなくて良いと思うよ」

 最後に登場したのは相川 零(ja7775)と姫路 ほむら(ja5415)である。
「憧れだったんです。花嫁さん」
「ま、まぁその容姿からすると憧れるのも頷けてしまう言うか…」
 男性同士のペアだが、ほむらが今回の新婦役だ。

 最後に部長と男子生徒が姿を現した。

 全員揃った所で今回プレウェディングを企画した新郎から参加者全員に、
 改めて今回の企画の趣旨と参加してくれたことに対しての感謝を述べられた。
 そして、それぞれに控え室を用意したから、そこで着替えるようにとのことだった。
 順次着替えを済ませた各々に、係りの者が呼びに来て、一同は大き目の控え室に集められる。
 各々気合の入ったドレス姿やタキシード姿を誉め和気あいあいとしたムードが流れた。
 そこへ係りの者が現れ、一組ずつこれからプレウェディングを開始することが告げられた。

 ●
 最初に呼ばれたのは仁と緋色のペア。
 二人は控え室を出て聖堂の扉前に立つ。
 ここで二人の姿を見てみよう。仁はある意味異彩を放っていた。
 和風のタキシードだ。洋の趣を取り入れつつあくまでも和のスタイルを通したタキシードだ。
 長髪を後ろでくくった髪型とマッチして、何処かの若旦那と言われても頷けてしまう。
 緋色のドレスはうっすら青みがかった白。フリルが幾重にも重なった、可愛らしくも重厚なデザイン。
 銀色のティアラにヴェールをつけて被っており、首には青いレース飾りのチョーカーをあしらっている。
 けばけばしくならない程度にメイクもしっかりと行い…あれです、どうみても美少女花嫁です。 

 扉が開かれ、二人の前に聖堂内部が広がった。なるほど、歴史を感じさせる作りで
 ステンドグラスが正面にありイエスの生誕から死・復活までを物語で綴っている。
 聖堂左右には天使像が配置され荘厳な雰囲気だ。壇上で神父がこちらを見て待っている。

 仁が先に聖堂に入り、緋色をエスコートする形で神父の前へ向かった。
 その際、仁と緋色は腕を組んでいる。
 予想外のエキストラ達、そして万雷の拍手に迎えられ一気に緊張度合いが増した仁。
 しかし、表情には出さず、必死に心を落ち着かせる。
 二人はゆっくりと歩き、神父のもとまで辿り着く。
 神父は優しく微笑むと、二人にへ愛と問う言葉を厳かに言いはじめた。
 この際、緋色はしきりに仁へ視線を送ったり、実感込めて少し溜めを作ってみたりと、
 まるで本物の式のように新婦役を演じている。
「その健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、 悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、
これを愛し、これを敬い、これを慈しみ、これを慰め、これを助け、その命ある限り、真心を尽くすことを誓いますか?」
「「誓います」」
 迷わず言い切った二人。
 次に指輪交換だ。その時またしても緋色は指輪を嵌めてもらう時に、じぃっと仁の目をウルウル瞳で見つめる。
 この攻撃?にさすがの仁も陥落気味だ。しかし、白旗は振らぬ!と気概で戦う仁。
 そして最後に誓いのキスである。緋色は顔を上げ瞳を閉じた。
 仁はゆっくりと緋色のベールを上げる。
 可愛い…と思う自分に必死に自己暗示をかける。
(コイツは男コイツは男…男のはずなんだ…)
 近いの口付け…は流石に口ではなく頬にした仁である。
「ここに結婚が成立しました。二人に神のご加護があらんことを」
 神父が仁と緋色の結婚が神に祝福され、成立したことを告げる。
「不束者ですが、よろしくお願いしますね…旦那様♪」
 緋色は飛び切りの笑顔で仁に言った。その言葉と笑顔を受け仁の胸はドキン!っと高鳴る。
 もう色々とダメかもしれない仁。 
 そして拍手に包まれながら退場していくのであった。

 次に呼ばれたのは、観音と紫苑のペアだ。
 二人は聖堂の扉前に立つ。
「本当に綺麗だね。横に並ぶのが恥ずかしいくらいだよ」
「そう言う観音さんこそ格好良いですよ」
 観音が素直に紫苑を誉める。そして、良いことを思いついた!とばかりに手をポンと鳴らす。
「ねえ、家族になっちゃおうか?ああ、夫婦的なのじゃないよ?もっちーが音の妹になるの!
安心してください。下心はちょっとしかありません。
兄と妹なら公然と二人並んで街を歩けるとかその程度の可愛い下心しかありませんから!覗きとかしませんから!」
 紫苑は観音の言葉に一瞬キョトンっとしたが、
「こんな妹で良ければ、よろしくお願いしますね。兄さん」
 と述べ、観音に微笑んだ。ただ、意味はあまりわかってはいなさそうであったが。
 聖堂の扉が開かれ、二人は腕を組み神父の下へとゆっくりと歩く。
 二人を見てみよう。観音は一般的なタキシードだったが、橙色に彩色されたカフスが印象的だ。
 また、美形なだけあってタキシードが映えている。
 紫苑のウエディングドレスはAラインでタッキングスカートの正統派なタイプ。
 レースやフリルが所々にあしらわれ、胸元やスカートのタック部分、ベールには
 淡い紫色の花のコサージュを付けている。
 清純な紫苑に実に良く似合っていた。
 二人は神父の下へ辿り着き、神父は二人へ問う愛の宣誓を厳かに言いはじめた。
「〜共に手を携え、いつ如何なる時も支え合い、その命ある限り、真心を尽くすことを誓いますか?」
「「誓います」」
 宣誓の言葉を誓った後、「それでね、兄さん」と紫苑が観音に話しかける。
「ここに来るときに美味しそうなケーキ屋さんを見つけたんです。私、あそこのケーキが食べたいなあ…」
 必殺のおねだりである。宣誓の場でのおねだりだ。絶対に断れない。ここで断れば男が廃るのである。
 食へのあくなき探究心が成せる紫苑のおねだりだった。
 もっとも可愛い妹である紫苑のおねだりに観音が嫌な顔をするはずもなく、快諾したのであった。
 指輪交換をすませ、誓いのキスへと移る。紫苑のヴェールを上げる観音。
「ねえ?これってキスしていいの?いやだなぁ、もちろん頬ですよ!
え?頬もなしかあ…そうだよね。うん。分かってた!」
 一人で自己完結しようとした観音に紫苑は柔らかく微笑むと、そっと目を閉じる。
 えっと…これはつまり…観音の心音がビートを刻み始める。
 紫苑から溢れ出る妹成分に陥落した観音は頬に口づけをした。
 そして、紫苑をお姫様抱っこをしての退場である。
「これが依頼なのが残念だよ」
 心底、惜しむ顔の観音に紫苑は微笑むばかりであった。
 どんなケーキを奢って貰おうかと頭の中で描きながら。

 次に呼ばれたのは、明音とすみれのペアだ。
 女性同士のカップルで明音が新郎役を務める。いつもの女の子然とした雰囲気とは異なり
 今日の明音は間違いなく紳士で真摯だ。
 タキシードをビシッと着こなし、すみれをエスコートしている。
 すみれのドレスは華やかであり、たおやかだった。
 ボリューム控えめ色はオフホワイト
 肩・胸元はビスチェタイプ。ドレスラインはAラインタイプでウエストから斜めにフリルが入る
 アシンメントリーなデザイン。
 片側はレースのティアードフリル、もう一方はクラシカルなサテンフリルだ。
 ウエストに大きめのリボンがアクセントとして付いている。
 すみれに良く似合うドレスだ。
 二人は神父の元へゆっくりと歩み辿り着く。
 神父は二人を見て微笑むと宣誓の言葉を促した。
「私、宮本明音は、菊開すみれを生涯愛し、必ず守り抜くことを約束しますっ」
「私、菊開すみれは、宮本明音を生涯愛し続ける事を誓います。
射撃は得意とは言えませんが、一生懸命練習して射撃回避で助けてあげられるように頑張ります」
「「私たち二人はこれから二人で協力しあい、幸せ関係を築いて行きます。
 どんな時も今のこの気持ちを忘れない事をここに誓います」」
 実にエスプリのきいた宣誓が終わった後は、指輪の交換へと移行する。
 明音は用意していた『ジルコニアの指輪』をそっとすみれの指に嵌める。すみれは驚いた顔をして明音を見た。
「君を愛する新郎なんだ。これぐらいのことはさせてくれないか」
 明音の紳士スマイルがすみれを直撃する。
(…あれ?おかしいな?明音ちゃんが本当に格好良く見えるよ)
 カーッと頬が赤くなり、不意にドキドキし始めたすみれであった。
 そして誓いのキスである。すみれは自身のヴェールを上げる明音に、まともに目を合わせられない。
 思わずぎゅっと目を閉じてしまう。そんなすみれを見て明音は優しく微笑んだ。
 そして頬に軽くキスをする明音。
「大好きだよすみれちゃん」
「私もずっと明音ちゃんの事、大好きだよ?」
「さぁ、行こう。僕たちの輝かしい未来へ」
 明音はそう言ってすみれをお姫様抱っこをした。すみれはうっとりした表情で明音の首に手を回す。
 そして明音は最後の演出とばかりに光纏をする。
 発光は抑え目にしてあったが、その光纏の光は、まさに二人を祝福するような暖かい光だ。

 そして、依頼参加者の最後は雫とほむらのペアだ。
 二人とも男性のペアなので、ほむらが新婦役を務める。
 新郎役である雫は一般的な白いタキシードにブートニア(白い花)とハンカチを胸にさした格好だ。
 高身長もあり実にきまっている。
 対するほむらは舞台芸術のスキルも使用し、まさしく女の子だ。
 それもそのはず、去年の冬迄ある事情で娘として育ち己の事を女だと思い込んでいたのだ。
「大きくなったらパパのお嫁さんになるの」
 等と夢見る少女であったのだが、 しかし今は男であると判明した以上将来の夢は軌道修正した。
 しかし、昔の夢を形だけでも叶えられる機会がめぐってきたのだ。
 そうとなれば思いっきり女の子になろう!と思い気合を入れてドレス選びもした。
 色は白系温かみのあるアイボリー。素材はシルクサテンとレース。
 シンメトリースタイルのAラインドレス。パールネックレスと腰の部分にドレスと同色のコサージュ。
 全体的にレース模様で華やかにし、トップス部分は鎖骨や肩だし胸隠しの肩紐なし。
 パニエでスカート膨らませ、スカート部分はレース+段フリルその上に無地腰布をシンメトリーに装飾。
 凝ったドレスである。それを着こなすほむらは、まさに性別が迷子状態である。
「最後だし、少しは羽目外してもかまいませんよね」
 雫はほむらをお姫様抱っこで抱き上げ聖堂へと入場した。
「重くないですか…?」
 女優魂で乙女モード全開なほむらが雫に問うたが、
「全然そんなことないですよ」
 と言って笑って首を横に振った。
 神父の下へ辿り着き、雫はほむらをおろす。
 そして誓いの宣誓を済ませ、指輪の交換へと進んだのだが、顔には出ないものの緊張しているので指がむくみ、
 指になかなか嵌らずほむらに迷惑をかけてしまい、居たたまれずと言った場面があったのはご愛嬌だ。
 まだ幼いからか身長の低い新婦を見て、姉も…と思ったところで頭を振って軌道修正。
(自分は断じてシスコンではない…)
「今…他の女性の事を考えませんでした?」
「!?そ、そんなことと無いよ」
 恋する乙女?は勘が鋭いのである。
 何とか取り繕うことに成功した雫は再びほむらを抱きかかえ退場していく。
 ほむらはその際、
(恩人の高等部の先輩にタキシードを着せたら、ハンサムだし背高くて体格も良いしすごく似合うだろうな〜)
 などど、脳内の中で妄想していた。実は良く似たカップルだったのである。
 しかし、そこを雫に悟られないのはさすがと言ったところか。

 依頼参加者全員が終わった後は、部長と男子生徒の登場だ。
 部長は普段の喧騒が嘘のように大人しくしおらしかった。
 男子生徒も終始まじめに企画に取り組んでいる。
 指輪交換の際、男子生徒から部長の指へジルコニアの指輪が嵌められた。
 男子生徒にそんな甲斐性が?と思った部長だったが、種を明かせば実は、
 半ば脅される形で明音から男子生徒へ渡されたのである。

 ●
 プレウェディングはつつがなく終了し、企画は成功裏に終わった。
 しばらくの時間を得て、本番である先輩の結婚式が執り行われた。
 プレに参加した面々も先輩の結婚式に参列者として参加し、その結婚を祝福する。
 仁は華やかさに内心驚きながら穏やかな顔で見守った。
(俺も何時か…こうして式を挙げられる日がくると良いんだが…)
 仁の思いは今回参加した面々が大なり小なり思った事柄だったようだ。

 式が終わった後、教会の前で新郎新婦を待ち構える参列者の中に皆はいた。
 ライスシャワーがあるのだ。
 登場した新郎新婦に「おめでとう!」「お幸せに!」等と祝福の声と、
 新郎には嫉妬も混じった容赦ないライスシャワーが降りかかる。
 飛び交うシャワーを見た雫と紫苑は
(ライスシャワーは本物のお米かな?もしそうだったらもったいない)
 と食いしん坊振りを発揮していた。

 そして、未来にかける花嫁達へ最大のイベントがやってきた。
 そう、ブーケトスである。
 新婦は後ろを向きブーケをふわりと投げる。
「こっち!こっち!私の方に来て!」
 すみれの掛け声が必死である。その思いが通じたのか、ブーケはすみれの元へ飛んできた。
 はっし!とブーケを掴む2本の腕。すみれの他に伸びた腕は紫苑であった。
 紫苑はあまりブーケトスには興味は無かったが、自分の方向にブーケが飛んできたので
 思わず掴んでしまったのだ。
 ブーケを持つ二人はしばらく見つめあった後、小さく吹き出した。
 そしてそのブーケを仲良く分けたのである。

 聖堂から数十羽の白い鳩が放たれ、大空へ向かって羽ばたいた。
 それは皆に希望を抱かせるに足る幸せの象徴。
 行く先はきっと良いものになる。
 未来の花嫁、花婿達は白い鳩を見つめながらそう思った。

 了


依頼結果

依頼成功度:普通
MVP: 撃退士・望月 紫苑(ja0652)
 リリカルヴァイオレット・菊開 すみれ(ja6392)
重体: −
面白かった!:4人

魅惑の囁き・
帝神 緋色(ja0640)

卒業 男 ダアト
撃退士・
望月 紫苑(ja0652)

大学部7年207組 女 インフィルトレイター
赤い糸捜索隊・
春塵 観音(ja2042)

大学部8年99組 男 ルインズブレイド
クライムファイター・
烏田仁(ja4104)

大学部3年278組 男 インフィルトレイター
主演俳優・
姫路 ほむら(ja5415)

高等部2年1組 男 アストラルヴァンガード
乙女の味方・
宮本明音(ja5435)

大学部5年147組 女 ダアト
リリカルヴァイオレット・
菊開 すみれ(ja6392)

大学部4年237組 女 インフィルトレイター
オールナイトドライバー・
相川零(ja7775)

大学部5年297組 男 ダアト