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マスター:佐紋
シナリオ形態:ショート
難易度:普通
参加人数:8人
サポート:2人
リプレイ完成日時:2012/08/28


みんなの思い出



オープニング

 真夏のビーチ。キャッキャウフフの連鎖が止まらない。
 今日も今日もとて、わがままボディを夏の日差しに見せ付けながら
 異性の気を引く簡単なお仕事。

 そんなビーチに今、災厄が襲い掛かろうとしていた。

「いやぁ、暑いなぁ!暑ければビーチで泳げばいいじゃない!賢人はそう言った!」
 そんなこと誰も言っていない。
 東雲楓はまたまたビーチに来ていた。前回は慰安だったが今回は?
 今回は試験も近いと言うこともあり、参加者を募っての「夏の合宿」である。
 民宿を借り切っての勉強会。先ほどまで参加したメンバーと5時間に及ぶ勉強会を終え
 ビーチに繰り出しに来たのだ。
さぁ、泳ぐぞ!っと張り切って海に入ろうとしたその瞬間だった。

「ちっくしょおおめぇえええ!!!」

 えー…。どこかで聞いた悲哀の叫び。
 あれはそう、前回のビーチでも聞いた魂の叫びではなかったか?
 イヤイヤながらも、声が聞こえた所に足を運んでみると…案の定奴が居た。

「ちっくしょおおめぇえええ!!!」

 サーバント「嫉妬」ありていに言えば「のっぺらぼう」だ。
 人型をしたサーバントだが、顔が無い。
 顔は無いが口はある。そこからの魂の叫びだったのだ。
 一度退治されたのだが、またまた出現していた。
 orzの体勢を取りながら叫び声をあげるサーバントには悲哀しか感じない。
 人間の負の感情を基に作られたであろう「嫉妬」は、
 ボッチにとっては色々共感できる部分もあるかもしれない。いろんな意味で。
 砂地をバンバン叩きながら、血涙を流しながら叫んでいた「嫉妬」はゆらりと立ち上がる。

「モテる奴が憎い!俺を作った天使が憎い!そして何よりも…キャッキャウフフな
展開をしている貴様らが憎い!粛清してやるぁ!」

 ビーチに居た一般人の女性に襲い掛かかり、水着を掠め取っていく嫉妬。
 各地で起こる女性の悲鳴。各地で起こる男の歓声。
 そして、各地で起こる修羅場の嵐。まさにビーチはカオス。
 しかも前回とは違うところがあった。
 嫉妬のスキル『ゴッドハンド』
 近寄らなくても神の見えざる手により、遠くにいる獲物の水着を剥ぎ取ることが出来る、
 無駄に高性能なスキルを駆使していたのだ。 

「うわーっはっはっは!わめけ!叫べ!甘酸っぱい雰囲気なんぞぶち壊しにしてくれるわぁ!!」

「…また、阿呆なことをやるサーバントだな…無駄に攻撃力が高い(いろんな意味で)のが厄介だが…。
まてよ。これは使えるかも知れんな!」

 ティーンと来た!と言う感じで何かを閃く楓。
 持ってきていた携帯で知り合いの教諭に電話をかける。

「…そうなのだ。勉強合宿で来ていたのだが、そこにサーバントが出現してな…うむ。うむ。
それで正式な依頼として…そう、その通りだ。報酬と引き換えに…うむ。うむ。
…話が早くて助かる。では、全力で倒すこととしよう」

 携帯を切る楓。そこで集まっていた合宿メンバーに朗報を伝えた。

「皆、よく聞け。あのサーバント「嫉妬」を倒すのは学園の正式な依頼として受けることとなった。
ただし、報酬は出ないが…試験での『実技』の点数で加算することを了承してもらったぞ!」

 沸きあがる歓声。
 皆の目の色が変わった。
 ウエタケモノ同士の熱い(暑い)戦いが切って落とされた。


リプレイ本文

「く…サーバントにも、私と同じ志を持つ者がいたとは?!」
 ラグナ・グラウシード(ja3538)は既にカオスになっているビーチを見た。
 嫉妬は水着をひん剥くだけではなく、リア充の男性どもにも襲い掛かり、タコ殴りにして砂に埋めていたのだ。
「人とサーバントが同じ志を持つ日がこようとは…」
 魂のレベルで分かり合える気がした。
「何とも迷惑な……。ちゃっちゃと倒しちゃいたいね」
 そんなラグナを尻目にうんざり気味に発言するのはソフィア・ヴァレッティ(ja1133)
 ソフィアの言う通り、本当に迷惑千万なサーバントである。
 以前に嫉妬と戦ったことのある楓等に話を聞くと、無駄に高性能なスペックを持っているらしく、
 倒しきるのも一苦労しそうだ。
「あのサーバント…なんだかわいそう」
 六道 鈴音(ja4192)が呟く。はしゃぎ回る嫉妬見て浮かぶ感情は「哀れ」
 その作られた生い立ちも想像すると、更に悲しくなってくる。
「あはは。ボクはかわいそうと言うより、面白いと思うね」
 アリーセ・ファウスト(ja8008)は新しい玩具を見つけたと言わんばかりの楽しげな笑顔だ。
「このまま斃しちゃうのは惜しいよね。ここはひとつ、前提を覆してみようかな」
「いいえ!あいつは倒さないとダメよ!絶対!」
 息巻くのは桐村 灯子(ja8321)だった。
 以前に嫉妬と遭遇し戦った事があり、その時まんまと水着をひん剥かれた思い出が蘇る。
 正直あの神速からのひん剥きは、狙われれば回避することは非常に難しい。
「…脱がされることはもう諦めるわ。だがしかし!倒しきってみせる!どんな手を使っても!えぇ、どんな手を使ってもよ!」
 灯子の瞳に炎が宿る。若干頬が赤かったのは何故か。
「何が嫉妬だ、てめーが嫉妬なら俺は憤怒だ。殺人光線真っ直中に引きずり出しやがって……!」
 うだるような暑さが七水 散華(ja9239)の肌を焼く。サーバントなぞ出なければ、
 今はまだ民宿にいたはずなのだ。冷房の効いた部屋で快適にすごして居たかった。
「ほんとマジ勘弁だよねー。折角勉強終わってあそぼーとか言うときに限ってさー」
 ゆるい口調で溜息を付くのはリア充の百々 清世(ja3082)だ。

「先手必勝よ」
 はしゃぎ回る嫉妬に狙いをつけスキル『ダークショット』を放つ。
 嫉妬が背中を向けている時に引き金を引いたのだが
「のわー!あっぶねぇ!」
 もう少しで当たるという寸前で回避されてしまう。流石は嫉妬。素早さが尋常ではない。
「お久しぶりぃ嫉妬ちゃぁんッ。前の決着つけようぜぇ、ケラケラ!」
 舌舐めずりをしながらとてもいい笑顔で高笑いするのは、革帯 暴食(ja7850)
 灯子と同じく、以前に嫉妬と戦ったことがあるのだ。その時は逃がしてしまったが、
 こうして再び相対することが出来たのである。そこに浮かぶは歓喜。そして愛。
「ケラケラケラケラ!今度こそ骨の髄までブッ喰い殺すッ!」
 出現した暴食に気づき、嫉妬は心底嫌そうな表情をした。顔は無いのに。
「ま、またお前か…サーバントは食い物じゃねぇぞ!」
 涎をたらしながら嫉妬に噛り付こうとする暴食。しかしそこは神速を誇るサーバント。
 華麗?に避ける。
「サーバント嫉妬!俺を見ろー!」
 スキル『シャイニング非モテオーラ』を全開にし、自分に気を引くラグナ。
 気にしたくないのに気になる。そんなオーラがラグナから発せられる。
 思わずラグナに注目してしまう嫉妬。
 ラグナを見る嫉妬の表情は、何か嫌なものを見たといわんばかりの表情だ。顔は無いのに(
 ラグナに注目している嫉妬に紫電が走った。アリーセの『ライトニング』が嫉妬を襲ったのだが当たらない。
 ひょいとかわされる。
「まだまだ!喰らえ!六道鬼雷刃」
 鈴音がアリーセと同じく『六道鬼雷刃(リクドウキライジン)』を嫉妬に畳み掛けるように放つ。
 そしてこれが今回の初ダメージとなった。命中重視の攻撃でようやく当たる嫉妬。
 その神がかり的な速度と回避能力に撃退士達は手を焼くのであった。

「さぁて!そろそろこちらの番だな!今回の俺は一味違うぞ!見ろ!この俺の右手を!」
 ラグナのオーラを振り切った嫉妬の右手が赤く燃え上がり、さらに光り輝きだした。
「俺の拳が真っ赤に燃える!お前をひん剥けと轟き叫ぶ!必殺!『神の手(ゴッドハンド)』!!!」
 何が轟き叫んでいるのかが理解に苦しむが、その光り輝く手が発射された先は………ソフィアだった。
 アレはまずい、確実にひん剥かれる!と思い、全力で回避しようとしたソフィアだったが…無理だった。
 着ていた白のホルタ―ネックビキニの水着を見事にひん剥かれたのである。
 強引にひん剥かれたのだが、強引ではなかった。
 なんと言うかソフトタッチだったのだ。あれはそう、まだ幼い頃、母親に優しく服を脱がせてもらったようなそんな記憶。
 あれ?ちょっと気持ち良いかも?そんな感覚だ。流石は神の手である。とても紳士(
「っぶふー!」
 ラグナやビーチに居た一般男性陣から鼻血が漫画的に吹き出した。原因はソフィアである。
 水着の下は裸か!?いや裸ではなかったのだ。
 大事な所を超局所的にカバーするニッ○レスと前貼りが申し訳程度に、しかし自己主張が激しくソフィアを守っていた。
 下手に裸になるよりエロイ。しかもソフィアは健康系の十分な発育をしていた。胸も大きい。
 今、まさにビーチの視線は彼女に釘付けだ。本人も意識したらしく、慌ててしゃがみこみ顔を真っ赤にする。
「魔女にだって恥じらいはあるんだよぅ」
 ビーチの皆が(主に男性陣+嫉妬)がサムズアップをした。萌えた。何かが胸に来る。
 健康系万歳!脱いでも色々と凄かった。
「今だけで良いからそれ着てなー」
 そんなソフィアに優しくパーカーを着せたのは清世だった。
 流石はイケメン。こう言うさりげない優しさがモテる要素なのだろう。ソフィアが清世に礼を言う。
「いいよーきにしないで。ソフィアちゃんが無事なら全然OKだから」
 さりげない優しさとまぶしい笑顔に、ソフィアはキュンっとしたかもしれなかった。
 ラグナが何故か「ぐぬぬぬ」と言い、歯軋りをしている(

「男なら自分の身体でぶつかれ! 女々しーんだよ、だからモテねーんだ!」
 散華が禁忌ワードを放つ。モテない嫉妬にモテない発言。
 嫉妬のコメカミに青筋が走る。
「そこまで言うのならお前には教育的指導を施してやる!受けてみろ!これが全非モテの嘆きと悲しみだ!
『超嫉妬炎(スーパーバーニングファイア)』!!」
 怒りの炎が散華を襲う。回避などはじめから考えていない。自分が狙うのは相打ちだ。肉を切らせて骨を絶つ。
 全身を炎で焼かれながらも嫉妬に肉薄し、スキル『痛打』を放った。
 その攻撃は見事に当たり、嫉妬にダメージを入れた。そして二次的効果のスタンを期待したが、
 それはレジストされたようだった。
 ちなみに、他にも数名超嫉妬炎でダメージを受けていたりする。しかし、ラグナだけはスキル『銀の盾』で受けきっていた。
 次に嫉妬が『神の手』を発動させようとしたときだ。
 ラグナはスキル『ドMの極み』でそのダメージ(ひん剥き)を肩代わりする。当然ひん剥かれるラグナ。
 男はこれだろう?とばかりに褌をさらす。

 −ビーチは暗黒に包まれた−

 …気を取り直して次のターンである。

「っく!もう、本当に当たらないわね!」
 灯子が焦れる。前回の戦いの時もそうだったが、本当に攻撃が当たらない。何か工夫が必要だった。
 そんな時、再び嫉妬の『神の手』が発動した。狙われたのはアリーセだ。
 回避できずに水着を剥ぎ取られるアリーセ。しかし、彼女は動揺していなかった。
 すぐに変えの服(魔装)を活性化し装着しようと思ったがとどまった。
 この機を利用しようと考えたのだ。大事な所を手で隠しつつ、流し目を嫉妬に送る。
 腰まで届いている銀髪が風に揺られ美しかった。照りつける太陽の元、裸の美少女が嫉妬を誘う。
 声には出さないがアリーセは言った。「イ」「イ」「コ」「ト」「シ」「マ」「ショウ」
 口の動きがそう言っていたのだ。完全な色仕掛けである。
「…なん…だと」
 嫉妬の動きが鈍る。裸の美少女からのお誘いである。これは男として特攻しなければいけない。
 しかし、これは色仕掛け。それはわかっている!がしかし!…葛藤が始まっていた。
 それを見た灯子も動いた。すすーっとアリーセの横に寄って行き水着の肩紐をずらして行く。
 色仕掛けその2である。
 灯子は顔が真っ赤であった。色仕掛けなんて生まれてこの方したこともなかったのだ。
 相手の隙を作るためとはいえ、やはり羞恥心が顔に出る。
 だが!それがよかった!恥ずかしながらも色仕掛け。これが新鮮!魅惑的なアリーセに純情な灯子。
 それをガン見する嫉妬。
「据え膳食わぬは男の恥…我突貫セリ。いっただきまーす!」
 阿呆が一匹二人に飛び掛り、難なく捕獲嫉妬。
「これなら当たるっしょ!」
 清世の『ストライクショット』は見事に命中し嫉妬に被弾する。そのダメージで思わず二人を解放してしまう嫉妬。
「エッチな天魔はゆるしません!」
 再び鈴音は『六道鬼雷刃』を発動させ、紫電が嫉妬を打ち抜いた。
「カカカッ!これでも喰らっとけ!」
 散華の『痛打』も嫉妬に難なく決まるが、スタンはレジストされる。
 暴食・ラグナもそれぞれ攻撃をヒットさせる。
 自身の危機を察知し『超嫉妬炎』を再び放ち、窮地を脱出する嫉妬。そこから暫くは一進一退の攻防が繰り広げられた。

「貴様の超嫉妬炎と私のリア充獄殺剣…どっちが上か、勝負だッ!」
 ラグナがツヴァイハンダーFEを構え嫉妬と対峙する。態度は格好いいが…比較する技の名前が色々と残念すぎた。
 一陣の風が二人の間を駆け抜ける。それを見守るギャラリー。
「『リア充獄殺剣』!!」「『超嫉妬炎』!!」
 二人が同時にスキルを発動させ、交差する。そして立っていたのは…居なかった。
 二人とものノックダウンである。

「お?んじゃま遠慮なく頂くとしますかねぇッ」
 倒れ伏した嫉妬に噛り付こうとする暴食。しかし、慌てて飛び起きたのは嫉妬だ。
「くっそ、油断した隙に逃げようと思ったのにー!」
 しかし、本当にフラフラな嫉妬。明らかにダメージの蓄積がある。
 一度小突いて最後は大技で行くか!っと暴食の脳内会議で方針が決定される。
「いくぜぇ嫉妬ちゃんッ!」
 暴食の体がぶれる。自身を独楽に見立てのローリングソバット。その後にスキルの大技を…。
 大技を決めたかった。
「へぶぅ!」
 吹き飛ばされる嫉妬。涙やらなんやら液体を吐き出しながら砂浜に叩き付けられ、ぴくぴくと痙攣する。
「あれぇッ!?…おーい嫉妬ちゃん?」
 返事が無い…ただの嫉妬のようだ。実は先ほどのローリングソバットが実にいい一撃だった。スマッシュヒット。
 クリティカルな一撃のオーバーキルであった。
 締まらない。実に締まらない戦いであったが嫉妬を打破することは出来た。
「ま、まぁウチが勝ったんならそれでよしッ!じゃぁ、早速いっただきまー」
「待ってください!革帯さん、かじりつくのはもうちょっと待って」
 鈴音が暴食を止める。天魔撃退の目標はもう達成できた。ここから先は、哀れな非モテを救うための戦いだ。
 しかしその前に、相手はサーバント。取り合えず逃げられても困るので一応拘束はした。
「うーん」と言いながら意識が覚醒する嫉妬。
「っは!に、逃げられん!」
「落ち着いて嫉妬君。もう、戦いは終わったんだよ?ねぇ、嫉妬君。貴方の気持ち、私にもちょっとわかる」
「な、何がわかると言うのだ」
「嫉妬君、生まれたときから一人ぼっちだったんでしょう?もしよかったら、私と友達になりましょう。彼女は無理だけど…」
「そうだぞ嫉妬よ!お前を作った天使が憎かろう、何故そんな者に従う必要がある?
さあ、学園に来るんだ…そして、私とともにリア充を爆破しようではないか!」
「リア充を爆発か!」
 人に優しくされた嫉妬。生まれて初めてだった(ある意味当たり前)人間にも自分と同じような嫉妬の権化が居る。
 めっちゃシンパシーを感じる。
「らぐにゃんと嫉妬…色々…なんか…や、まあ良いや…」
 意気投合しかけているらぐなと嫉妬を見て呆れる清世。
「ねぇ嫉妬くん。君、そんなに彼女が欲しいなら久遠ヶ原学園に来ない?なんならボクが彼女になってあげてもいいよ?
色々と退屈しなそうだし、さ」
 妖艶に微笑むアリーセ。まさかの彼女発言だ。サーバントの恋人になってもいいという撃退士。
 相容れない間柄にも関わらず生まれようとしているラブロマンス。甘酸っぱい夏のおもひで。これが…夏の恋人なのか。
 ぐらりと、本当にぐらりとくる嫉妬だった。自身に恋人?アリエナイ。自身に友達?アリエナイ。何だこのパラダイス。
「お、俺は…俺はサーバント嫉妬だ!」
 嫉妬から炎が立ち上る。
「よくも俺を惑わせたな人間共め!友達とか恋人だとか!なんだそれは!嬉しいじゃないか畜生めぇ!
そんな俺に俺自身が嫉妬する!」
 身を焼く炎。自身に嫉妬するのはある意味アイデンティティの崩壊だ。自分は嫉妬。
 嫉妬とは劣っていなければならない負の感情だ。それが満たされるのは自身の存在理由を自身で否定しまうことは、
 即ち自己の消滅に他ならない。
「まさか俺に嫉妬するときが来るとは思ってみなかったが、楽しかったぜ人間共!輪廻があるとするならば、
終焉でま見えよう」
 噴出す炎は嫉妬を焼き尽くし…そして灰となった。


 戦闘が終わり、それぞれは思い思いにすごし始めた。
「嫉妬かぁ…馬鹿な敵だったけど、色々と同情もするなぁ。嫉妬として負の感情を元に作り出されて、
自身に嫉妬して消滅って何かやるせないなぁ」
ソフィアは冷たいドリンクを片手にビーチでのんびりし、先の戦闘でのことを振り返っていた。
 視線を移すと、ラグナと清世がじゃれあっている。
「らぐにゃんさー。顔は悪くないけど、卑屈なんだよねー。体格もいいのにもったいね。
よーしお兄さんがナンパのコツを教えよう!さぁ、行くよ!」
 ギャーギャーわめくラグナを無理やり引っ張っていく清世。実に楽しそうである。
「きゃぁ!ちょっと何処まで行くの!」
「ケラケラ!どこまでも行くさッ」
 浮き輪に体を預けプカプカ浮いていた灯子だったが、不意に浮き輪がぐんぐんと流される。
 見れば海中で暴食が浮き輪を引っ張っていた。その後、一旦沖のほうまで行って戻ってきたのだった。

「あー……殺人光線で死ぬかと思ったー」
 一人民宿に戻った散華は日の当たらない場所で水分補給しながら教科書に目を通していた。
 少し日焼けして体がひりひりするのは致し方ない。
 遊びつかれた皆は後数時間で戻ってくるに違いなかった。
 そうすればまた勉強だ。試験はもうすぐ。学生の本分は学ぶことにあり。
 楽しくも騒がしい合宿は今暫く続くのであった。

 了


依頼結果

依頼成功度:普通
MVP: KILL ALL RIAJU・ラグナ・グラウシード(ja3538)
 グラトニー・革帯 暴食(ja7850)
 Queen’s Pawn・アリーセ・ファウスト(ja8008)
重体: −
面白かった!:16人

太陽の魔女・
ソフィア・ヴァレッティ(ja1133)

大学部4年230組 女 ダアト
オシャレでスマート・
百々 清世(ja3082)

大学部8年97組 男 インフィルトレイター
KILL ALL RIAJU・
ラグナ・グラウシード(ja3538)

大学部5年54組 男 ディバインナイト
闇の戦慄(自称)・
六道 鈴音(ja4192)

大学部5年7組 女 ダアト
グラトニー・
革帯 暴食(ja7850)

大学部9年323組 女 阿修羅
Queen’s Pawn・
アリーセ・ファウスト(ja8008)

大学部6年79組 女 ダアト
余暇満喫中・
柊 灯子(ja8321)

大学部2年104組 女 鬼道忍軍
告解聴者・
七水 散華(ja9239)

大学部2年116組 男 阿修羅