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マスター:佐紋
シナリオ形態:ショート
難易度:非常に難しい
形態:
参加人数:12人
サポート:3人
リプレイ完成日時:2012/07/23


みんなの思い出



オープニング

 ●
 大規模な救出劇が行われている京都でまた一つ、救出案件が入った。
 それは、京都にある某タワーだ。
 集められている撃退士を前に東雲楓が話しはじめ、それに柊誠が質問を投げかけた。

「今行っている救出部隊を、そのままそのタワーにも向かわせることは出来ないんですか?」
「全員が全員というのは無理だな。向こうだって命がけでやっているんだ。
更に追加案件なんぞとても余裕が無かろうよ。それに、今回は大規模救出ではない。
タワーに残されているのは多くても20名だといわれて言われてる。いるが」
「場所が問題…ですね?」
「そうだ」

 楓がタワーの地図を指差しながら説明する。

「まず、タワーと一口に言っても、そのタワーはホテルの最上階に建っている形だ。
そのホテルの最上階11階から建っているのがタワー部。そのタワーの展望室に20名取り残されている形となる。
進入径路は一つしかない。ホテル11階から専用エレベーターで上がるしかないのだが、
今回は空からを考慮している」
「空?」
「うむ。今回はタワーということもあってな。普通ならば、その専用エレベーターを使い移動するのだが、
そんな悠長なことをサーバント共が見逃してくれるとは到底思えん」
「まぁ、確かに」
「で、だ。既に上と話はつけているのだが、軍用の輸送ヘリ(CH-47J)を出動できる手はずとなっている。
だが、こちらも当然リスキーだ」
「空に舞うサーバントもいる訳ですからね」
「地上からエレベーターを使うにせよ、エレベーターを無事に通過できても、その後はタワーホテルを降り地上へ脱出」
「この任務は厄介ですね。空から上手く行けたとしても、救助者を空から運び出すんですから」
「今回は空から行くことが決定されている。理由は導入人員がそこまで避けないのが主な理由なのだがな。
空から行くのであれば、強行突入にはなるが小数の人員で済む。運ぶときの時間も少なくて済むしな」
「当然、その分危険度も跳ね上がるわけですね?」
「当然だな。今回は突入・救出・撤退戦と大忙しだぞ。遠距離攻撃が出来る職・遠距離武器を所持している者を
中心に組むが『小天使の翼』を使えるものが居ると心強い」
「狙撃手の腕の見せ所、空中戦が出来る者が好ましいというわけですか」
「そう言うことだ。それと作戦はこうだ。まずは軍用ヘリでタワー展望部横に付ける。
そこで展望室に穴を開け、そこから人員を救出。撤退となる。
タワーに到着するまでに当然敵に襲撃は予想されるし、救出時のヘリの安全確保、
撤退時もとまさにドンパチ尽くしだな」
「危険な仕事になりそうですね」
「危険でない仕事などついぞお目にかかったことは無いが、今回はその中でも際立ってはいるな。その分、依頼者からの報酬は高めに設定されているが……
 諸君。今回の任務は文字通り「命がけ」だ。サーバントを倒すことは大事だが、優先すべきは人命と・輸送ヘリだ。
輸送ヘリを落とされたら、最悪全滅となるだろう。私達の失敗はそのまま救助者、そして支援者の失命につながると思え」

 ●
 その人達は空を見上げるしかなかった。下に降りればまず間違いなく化け物の餌食だ。
 そうでなくても、エレベーターの前にはあの侍の化け物が陣取っているというのに。
 引くことも進むことも出来ない。天空の檻に閉じ込められ、ただ祈るように信じて待つのみだった。
 きっと助けに来てくれる。撃退士達が助けに来てくれると。
「あ…」
 彼方を眺めていた一人が呟く。チカチカと光るものが見えるのだ。何かがこちらに向かってくる。
 やがて彼らは知った。米粒大のものが徐々にこちらに近づくにつれて大きくなっていく。
 それはヘリだ。ある者はそのヘリをテレビで見たことがあった。
 映画でも災害救助活動などでも見かけるあの輸送ヘリだ。
 
 今、希望は彼方より来たのだ。


リプレイ本文

「安心してください、直ぐに向かいますから…あと少し、辛抱して下さい」
 タワーに取り残されている人達と連絡を取り合い、
 恐怖心を和らげるよう、落ち着いた力強い声で励ましの言葉を贈るのは狩野 峰雪(ja0345)だ。
 その後に、黒百合(ja0422)から事前に救出方法や救出順番決定を避難客に伝える。
 時間が勝負になるので、出来うる限りの準備をしておくようにも伝えた。
「いいかしらァ?時間が無いの、一分一秒でも遅れたらまとめて死ぬわァ…皆、覚悟を決めなさい。
生き延びたいならさァ…?」
 彼女なりの言葉で、避難客を奮い立たせる。
 また、ユウ(ja0591)は内部にどれだけの敵がいるか確認したが、侍の化け物一体だと言うことを確認した。

 やがて、救出を目的とした輸送ヘリCH-47Jがタワーの上部に差し掛かった。
 ここまで、サーバントの攻撃が無く来れたのは行幸と言わざるを得ない。
 が、やはり敵は現れた。まもなく接着しようかというときに、大量の影が飛来してきたのだ。
 その数ざっと十。サーバント「蒼鴉」の群れだった。
「地上は勿論、海の底から空の上まで。戦場ってどこにでもできあがるもんやなぁ…
うん、それにしても、高くて怖い…!!」
 亀山 淳紅(ja2261)が魔法書を具現化させ、落とさないよう紐で自分とくくりつけておく。
 各自の銃弾や魔法が京都の空を紅く染める。
 レイラ(ja0365)は持っていたオートマチックP37を構え、容赦なくサーバントに叩き込み撃墜させた。
「ふぅ。思っていたより易く倒せる。これならいけますね」
 後部ハッチ後列にて戦っていた清清 清(ja3434)は群がる蒼鴉を目掛けて『古キ山羊-The Saturn-』を使用した。
 アウルで作り出した無数の彗星をぶつけ、範囲内の対象すべてにダメージを与える魔法だ。
 この攻撃が上手くはまった。実に5体の蒼鴉を撃墜することに成功したのだ。
 さらに、残った敵を各自で掃討していく。
 十体は瞬く間に倒され、第一陣を撃退することに成功した一同。
 タワーの作業点検用通路からの進入を開始するため、ヘリをタワー上部に接近し突入を開始した。
 
 突入したのは鳳月 威織(ja0339)・ユウ・楯清十郎(ja2990)・御子柴 天花(ja7025)・翡翠 龍斗(ja7594)・柊誠だ。
 ユウは阻霊符を常時展開することも忘れないでいる。
 点検通路から進入した六人を待っていたのは救助者達だ。歓声が上がる。
 しかし、喜びもつかの間だった。エレベーター前に待機していたサブライヒナイトがこちらに歩み寄ってきたからだ。
「ん?あれは?」
 エレベーターが階層を示すランプが点滅している。そう、何者かが上へと上がってきているのだ。
 今回の救助は自分達以外の作戦は聞いていない。となれば、今まさに階下から上がってくる者は…敵しかいない!
 そのことに気づいた威織がエレベーターに向かい攻撃を放つも、それは全てサブライヒトが身を挺して受け止めた。
 そしてエレベーターの扉が開き…脅威が到着した。もう一体のサブラヒナイトが展望室に姿を現したのだ。
 一体でも厄介な相手がニ体に増えた。そして扉は閉まり、また階下へと下がっていく!
「アレを止めないと!」
 龍斗・天花が飛び出す。それをサポートするのはとユウ・清十郎と誠だ。
 そして見事にエレベーターを止めることができた。これで下からの増援はひとまずなくなっただろう。
 しかし、これからが問題だ。敵はサブライナヒト二体。

 突入班がタワーへ入ってからヘリは展望室に横付けされた。
 秋月 玄太郎(ja3789)は展望室の上に飛び降りトマホークを奮い、展望室の強化ガラスを叩き割り中へと入る。
 中ではサブライヒナイトと戦う仲間達が居る。
 救助を行う要の清十郎と誠がサブラヒナイトに張り付いているのを見てすぐに行動に出た。
 無線を使い展望室内の状況をヘリで待つ仲間に伝え、烈風の忍術書を装備しサブライヒナイトへ攻撃を仕掛けたのだ。

 後部ハッチにてヘリの護衛に終始していた博士・美月(ja0044)は遠くから飛来する3つの影を確認した。
「おいでなすったわね」
 すぐに無線で他のメンバーに伝達。飛来したのは厄介な敵「ハーピー」だ。
 美月はスキル『No.01“対天魔用アウル式高出力電撃銃”』を使用した。
 アウルで大型のスタンガンを物質構成しそれを放つ技だ。
 それがものの見事に命中し、スタン状態になるハーピー。飛ぶもことも出来ずそのまま下に落ちてく。
「あたしの領域の中で自由にできるなんて思わないことね」
 もう一体のハーピーがレイラにスキル『誘惑』を使用する。
 甘い歌声がレイラの心を揺さぶるが、なんとか抵抗に成功しレジストした。
 お返しとばかりに発砲するが避けられる。
 その後は峰雪の雷鳴の魔法書を使った攻撃で効果的に大ダメージを与え、楓の『ライトニング』がハーピーを焼ききった。
 最後の一体に攻撃を仕掛けていた淳紅の攻撃は当たりはしたが、戦線からの離脱を許してしまった。そして
「展望室!ハーピーが一体回り込んだぞ!」
 戦線を離脱したハーピーはヘリの反対側に回り込み、展望室目掛けて特攻。ガラスを叩き割り中へ進入した。
 それだけではない。再び蒼鴉の大群がこちら向かい飛翔してくるのが見て取れたのだ。
 数で押してくるサーバントに対抗しなければならない。戦況は一気に加速し始めた。

「中に入ってきたハーピーはあたいが引き受けるよ!」
 エネルギーブレードを装備し、ハーピーへと向かう天花。
「…あっちは今忙しい。だからわたしと遊びましょう?」
 ユウはサブライナイトにスキル『寂しがりの凍手』を使い、拘束を試みる。
 その試みは成功し、見事に動かなくなったサブライヒナイト。
 清十郎は『小天使の翼』を救助者の一人を抱きかかえ、玄太郎が開けた穴からヘリへと救助を開始する。
 その間に玄太郎はヘリの元へと戻った。
 ヘリが撃墜されては元も子も無いのだ。救助も確かに重要だが、ヘリも更に重要と言える。
 特にヘリのローターを絶対に守らなければならない。
 飛来してくる蒼鴉を忍術書にて吹き飛ばす玄太郎だった。

 もう一体のサブラヒナイトを相手取るのは威織と龍斗だ。誠は清十郎と同じく救助者の救助を開始しており、
 二人だけでサブラヒナイトと対峙していた。
 攻撃力が高く、物理防御の高い相手に二人は苦戦を強いられている。
 サブラヒナイトの白刃が龍斗を襲う。避け切れなかった龍斗はかなりの傷を負ってしまった。
「大丈夫ですか!?」
「なんのこれしき…まだやれるさ!」
 こうなると、ユウが拘束に成功したのは非常に幸いだった。
 もし、拘束が失敗しユウが抜かれてしまうと、さらに攻撃の手が降ってきていたからだ。
 そのユウもこちらに回って三対一でサブラヒナイトと対峙することができた。
 三人で抑えてやっとまともに戦えると言った所だ。しかし、アスヴァンが居ないため、徐々に傷は増えていく。
「おぉりゃぁー!」
 傷つきながらも、なんとかハーピーに止めを刺した天花。
 誘惑にかかりそうになったが、必死で首を振りレジスト。
 辛勝と言った感はあるが、それでも一人でハーピーを撃破するという殊勲を打ち立てた。
 そして、次はサブラヒナイトへ向かって突撃を開始する。
 救助はまだ続いているのだ。

「もう大丈夫ですよ。安全な場所までひとっ飛びでいきますから」
 清十郎は流石の高度に怯える人に温かい声をかけ、少しでも恐怖心を和らげる。
 しかし、救助の途中で仲間の攻撃を抜けて、一体の蒼鴉が清十郎を襲った。
 救助者を傷つけてはならないと背を向けて庇う清十郎に容赦なく蒼鴉の爪が食い込み抉る。
「っぐぅ!」
 決して救助者を離さない。この身が削れようとも必ず助けるのだ。
 強い意志が清十郎を奮い立たせ、ヘリへと飛ぶ。
 蒼鴉が再び清十郎を襲おうとしたときだった。一発の弾丸が蒼鴉を貫き、その身を奈落へ誘ったのだ。
 仰ぎ見れば、ヘリに乗っている峰雪がアサルトライフルを構えていた。
「早くこちらへ。敵はどんどん増えています」
「了解。助かりました」
「礼は後で受け取りますよ。今はお互いにやることをやりましょう」
 峰雪の言うとおりだ。今は一刻を争うとき。話している時間も惜しいのだ。
 清十郎は救助者をヘリへ送り届けると、すぐさま展望室へ向かった。
 その護衛に玄太郎が付き、迫り来る蒼鴉を叩き落していく。

「アハハハハァ!敵だらけ、邪魔する連中は皆殺しだわァ! 」
 スキル『爛れた愚者の御手』を使い、楽しげに蒼鴉共を纏めて屠っていく黒百合。
 麻痺の効果も付与されるので、生き残った敵もそのまま落下していくという形で活躍していた。
 が、その時だった。
「来たわねぇ!プレッシャー!」
 ヘリよりも上、太陽を背負いながら飛来する一匹のサーバント。
 それは空中戦では最強の呼び声も高い「ガルダ」
 体長3メートル程の巨体を誇り、今からお前達を屠ると言わんばかりの威嚇の声を上げた。

 救助者を半数以上ヘリに搬送し終わり、ガルダが現れたのを見て龍斗は決心した。
「お前たちは悪夢だ。ならば、此処で終わらせる!」
 スキル『死活』を使って特攻に出た。体内に過量のアウルを循環させ一時的に痛覚をシャットアウトする捨て身技だ。
 しかしだ、ここで時間を惜しんでいては助けるものも助けられない。
 この身を犠牲にしてでも貫く。サブラヒナイトを仕留めきってみせる。
 覚悟を決めた行動に仲間も感化された。そして、怒涛のラッシュがサブラヒナイトを襲う。
「…あなたを止める。なにがあろうとも」
 ユウが再び『寂しがりの凍手』を使用したが、はたして。
 ユウのアウルが青白く冷たい無数の手を呼び出し対象に絡みつく。そしてそのまま凍りついて自由を奪った。
 束縛は成功し止めを龍斗が刺した。
 が、その戦闘が終わった直後にユウが束縛していたもう一体のサブラヒナイトが拘束を解き再び動き始めのだ。
 そして。
「ぐふっ!」
 死活の効果が切れた龍斗が膝を付く。口からは少量ではあるが血を吐いた。
 気絶にこそ居たらなかったが、スキルを使用した反動が一気に体を襲ったのだ。
 気力を振り絞り立ち上がる。
「ここは僕達がしのぎますから、先にヘリに戻っていてください」
 威織が龍斗に声をかける。
 救助者もあと二人となっていた。ここで無理をしなくてもあとは凌げるだろう。
 そう判断した龍斗は頷くとヘリへと戻っていく。ヘリに着いた龍斗は清から回復を施された。
 三対一の構図となった。が、相手はサブラヒナイト。油断できる相手ではない。
 しかし、威織の言うとおり凌ぐだけなら何とかなる。
 時間を稼ぐ戦いは続く。

「これは…不味いかもしれない」
 美月が呟く。ガルダの攻撃は強力だ。その巨体を生かした攻撃をヘリがかわしきれないのだ。
 清十郎が救助者をヘリに収容し、再度戻ろうとしたときだ。ガルダがヘリに体当たりを仕掛けてくるのを見たため、
 咄嗟にヘリの前に飛び変わりに受け止めた。
 清十郎が身を挺した盾となってくれたため、ヘリは大きく揺れる程度で済んだ。しかし、次もうまく行くとは限らない。
 ヘリの撃墜が全てを決める以上“最悪の選択”を迫られる場合があり得る。
 まさに今、その時が来ていた。
「…撤退を」
「要求しますだなんて言わないですよね?」
 美月の無線に割り込んできたのは清だった。
「でも!このままだとヘリが!撃墜されてしまったら全てが無駄になる!」
「そんなことは百も承知です。犠牲が必要ならば僕が犠牲になります」
 清は救うことに固執し、何があっても全員を救おうとしていた。
 救えないのなら自身に価値は無いとまで考えている。
「お二人の問答はそこまでです。今、柊さんが最後の救助者を抱えてそちらに行きました。こちらも撤退を開始します」
 威織からの無線が入る。
 間に合った。後は仲間が撤退の時間を稼ぐだけ。
「ごめん。私、仲間を信じきれてなかったのかも」
「いいえ。博士先輩の言うことも尤もだと思います。時にはそう言う決断も必要だと思います。でも、僕は最後まで
足掻きたいだけなんです。我侭ですみません」
「謝らないで。さぁ、この話はこれで御仕舞い。最後まで頑張りましょ」
 美月の表情はもう暗くは無かった。後は仲間を信じるだけ。それだけなのだから。

 サブラヒナイトからの戦線離脱は困難だった。相手は遠距離攻撃も仕掛けてくる敵なのだ。
 殿を務めるユウがその魔法防御高さを生かしサブラヒナイトの魔法弓を受け、逸らし離脱を図る。
 展望室に開いた穴から飛び出て、ヘリへ飛び移ろうとしたときだ。再びサブラヒの魔法弓がユウを襲う。
 その時だ。
「Io canto‘velato’」
 淳紅のスキル『‘velato’』が発動した。自身に魔法障壁を発動させ、サブラヒの魔法弓を受けきったのだ。
「お帰りユウさん」
「…ただいま。そしてありがとう」
 淳紅はニコッと笑う。これで全員収容完了だ。無線でそのことを告げる。
 撤退が始まり、ヘリがタワーから離れた。
 しかし、ヘリを囲む空には無数の蒼鴉が。そしてガルダがいる。
 玄太郎はスキル『迅雷』を使い接近してきたガルダにジャマダハルで切りつける。
 その後ガルダを踏み台にして華麗にバク宙を決めヘリに飛びのると言う、鬼道忍軍らしい攻撃を繰り広げていた。
 一方では黒百合の『爛れた愚者の御手』・ユウの『凍衝氷槍』・威織の『封砲』・清の『古キ山羊-The Saturn-』
 天花の『飛燕』等が空に群がる蒼鴉達を殲滅していく。
 そしてガルダの『光線』には再び淳紅のスキル『velato』が防ぎきる。
 蒼鴉達は皆の大技によってほぼ殲滅できた。あとはガルダをなんとかすればよい状況まで来たが、
 ヘリと等加速で追って来るので、中々差をつけることが出来ない。
 峰雪の『回避射撃』が何度も火を噴き、なんとかガルダの攻撃を回避している。
 ここでレイラが策に出た。
 予め用意していた発煙筒を数本取り出し、それを投げつけた。
 通常タイプと違い大量の煙を吐き出すタイプで、空に煙幕が張られたのだ。
 一瞬でその煙幕を突き抜けて追尾するガルダ。
 しかし、その煙幕で一瞬目標を見失ったことが重要なのだ。
 その隙を突き一斉に攻撃を叩き込むメンバー達。
 そして淳紅のスキル『異界の呼び手』が発動し、それが見事ガルーダの束縛に成功した。
 飛ぶことが出来なくなったガルダはその翼を収め、ビルの屋上に降り、
 そして一声、威嚇の咆哮をあげた。

 無事に全員を救助することが出来、戦場から離脱する。
 今回は「救助」に的を絞ったため、敵の殲滅は出来なかったがそれはまたの機会に。
 そう、機会は望めばすぐにでも手に入る。
 京都は『封都』はまだ、そこにあるのだから。

 離れ行くタワーに明かりが灯る。それは天を紅く染め上げる明かり。
 それはまだ、都には助けるべき命が残っていることを示すような命の灯にも思えた。 

 了


依頼結果

依頼成功度:成功
MVP: 飽くなき探究者・博士・美月(ja0044)
 ちょっと太陽倒してくる・水枷ユウ(ja0591)
 道を切り開く者・楯清十郎(ja2990)
 盾と歩む修羅・翡翠 龍斗(ja7594)
重体: −
面白かった!:5人

飽くなき探究者・
博士・美月(ja0044)

大学部5年281組 女 ダアト
死神と踊る剣士・
鳳月 威織(ja0339)

大学部4年273組 男 ルインズブレイド
Mr.Goombah・
狩野 峰雪(ja0345)

大学部7年5組 男 インフィルトレイター
202号室のお嬢様・
レイラ(ja0365)

大学部5年135組 女 阿修羅
赫華Noir・
黒百合(ja0422)

高等部3年21組 女 鬼道忍軍
ちょっと太陽倒してくる・
水枷ユウ(ja0591)

大学部5年4組 女 ダアト
歌謡い・
亀山 淳紅(ja2261)

卒業 男 ダアト
道を切り開く者・
楯清十郎(ja2990)

大学部4年231組 男 ディバインナイト
十六夜の夢・
清清 清(ja3434)

大学部4年5組 男 アストラルヴァンガード
撃退士・
秋月 玄太郎(ja3789)

大学部5年184組 男 鬼道忍軍
光の刃・
御子柴 天花(ja7025)

大学部3年220組 女 阿修羅
盾と歩む修羅・
翡翠 龍斗(ja7594)

卒業 男 阿修羅