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マスター:佐紋
シナリオ形態:ショート
難易度:やや易
参加人数:6人
サポート:2人
リプレイ完成日時:2012/06/22


みんなの思い出



オープニング

這い寄るモノ!


「これは…いかんな」
「部長!」
「騒ぐな…やるべきことをやるんだ誠」
「でも!部長が!」
「なぁに、持ちこたえてみせるさ。さぁ、早く行け。お前まで魅入られてしまう」
「っく…すぐに戻りますから、それまで耐えててください!」
「あぁ、わかっている。アレを頼んだぞ」

 柊誠がドアを開け、部屋を出てく。

「さて…とは言ったもののな。どこまで持ちこたえることが出来るか…」

 部屋を縦横無尽に駆け回っていた、モノ。
 誠は隙を突いて部屋を出た。
 そしてそれは今、楓に這い寄って来ている。
 絶体絶命、逃げ場はない。
 既に打てる手は尽くした。
 誠を走らせたが、間に合う保証もない。
 やけに自分の鼓動がはっきり聞こえる。
 楓の手が震える。必死に押さえつけていた。それに手を出すことは禁忌。
 一度手を出してしまえば、もう後戻りは出来ないことは明白だ。
 そしてそれは、もう自分の足元にまで来ていた。
 逃げろ!逃げなければならない!
 しかし、体が動かないのだ。脳の信号を体が拒否している。

 それが一声鳴いた。

 身の毛がよだつ。全身の毛という毛が逆立つのがわかった。
 やはり無理なのだ。避けられない。逃げられない。
 自分の足元に這い寄ってくるモノからは逃げられないのだ。
 すでに目がそれを見るのに固定されてしまっている。
 目線を外すことができない。






『キューン』






「…っくは!」






『キューン』






「無理だぁぁぁぁ!もう、何でお前はこう可愛いんだ!」

 がばっと、ソレを抱き上げる。ソレは白いもふもふ。
 所謂子犬だった。
 ふっわふわのもっふもふだ。
 柴犬の子犬、生後30日。
 這い寄る混沌。甘えん坊の子犬だ。
 殺人的なまでの可愛さに、誰しもが頬を緩ませる魔性の獣。
 まさにリア獣。
 楓の顔をペロペロと舐める。
 そこへ戻ってきた誠。手には色々と犬用の餌を抱えていた。

「あぁ!部長…」
「すまん…勝てなかった」
「ですよねー。それにはまぁ、勝てません」
「うむ。理性が吹っ飛ぶかと思ったぞ。しかし、私の部屋は無理があるからな」
「先輩の部屋は、人間様が住める環境ではないですからね…」
「そうだな…って、おいまて。ソレは一体どういうことなのだ!」
「いやぁ、だってなんですか?あのガラクタの山」
「あれらはだな、色々成れの果てというか…まぁ、そんなことはともかくだ!お前の部屋も無理だったか」
「えぇ。ここはペット禁止らしいんで」

 昨日、とある筋からこの子犬を一週間預かってほしいと依頼があった。
 最初は断ろうかと思っていたのだが、あまりにも殺人的な可愛さにより
 思わず了承してしまった楓。
 しかし、彼女の部屋は現在とてもお見せできない状態なので
 とりあえず、誠の部屋に連れてきたのだ。

「しかし困った。私の部屋でも、誠の部屋でも駄目だとなるとな」
「学校で流石に飼うわけにもいきませんしね」
「うむぅ…一週間か…仕方ない。私達が飼えないのならば、飼えるところ探すか」
「ですね」

 斡旋所に楓が訪れ、集められたメンバーに言った。

「一日里親募集する。この白い柴の子犬をそれぞれ一日面倒見てほしい。
殺人的な可愛さを誇るから注意が必要が必要だ。
愛情たっぷりに可愛がってくれたまえ。餌はこちらで用意した子犬用の缶詰があるから、基本はこれだ」

 楓が子犬用の缶詰を机の上に置いた。

「子犬の名前は大和という。では、諸君しっかり頼んだぞ」


リプレイ本文

 ●
 籤引きで、どういう順番で大和を預かるのかを決めることとなった。
 そして、一番目を引いたのはグラルス・ガリアクルーズ(ja0505)であった。

「…うわぁ、可愛いなぁ。こういう動物の子供のときって凄く可愛いんだよね。
さぁ、行こうか大和。今日は僕がお前のご主人さまだよ」
 グラルスは自分に慣れさせる意味合いを込めて寮まで散歩を兼ねて向かった。
 首輪にリードをつけ、はぐれたり変な所に向かわせないよう注意している。

 やがて軽い散歩を終え自室に到着した。
 部屋は予め片付けはしておいた。
 大和は初めて来る部屋が珍しく、そこらかしこをふんふんと嗅ぎまわっている。
 楓を通して飼い主からトイレはケージ(ハウス)の中でするようにしつけていると聞いていたので
 ケージを借り、その中に給水シートを引くことで対処した。
 部屋にケージを設置して寝床を確保し、もらってきた子犬用の缶詰をあける。

「大和」
 名前を呼んでみた。すると大和は一目散にグラルスの元へと駆け寄ってくる。
 そして尻尾を激しく振りながら、グラルスを見上げた。
『呼び戻し』(名前を呼んでこちらに来させる)は出来ているようである。なかなかしつけが行き届いているようで、
 それなりに苦労しなさそうだと一安心。
 これまた飼い主から預かってきたご飯用のトレーに缶詰の中身を入れた。
 大和の目がキラキラ輝き、グラルスにジャンプしながらご飯をねだってくる。

「大和、お座り」
 激しく尻尾は振りながらも素直にお座りをする大和。しかし、視線はご飯に釘付けである。
「大和、待て」
 そう言いながらご飯のトレーを大和の前に置く。
 大和は前足を忙しなくあげたり下げたりして、また、何度もトレーとグラルスの顔を交互に見ている。
 はやくはやくと言っているかのようだ。
「よし」
 勢い良く食べる大和。基本的なしつけは完璧といえる。これなら、他のメンバーも苦労はしなさそうだ。

 ご飯を与えた後はコミュニケーションだ。
 小さな紐付きボールを取り出し、大和を呼ぶ。
 匂いをかがせ、ボールを投げては取って来させる。
 自慢げにボールを持ってきて、全力で尻尾を振る大和。
「よし、よくできたね。えらいぞ大和」
 誉めることを忘れないグラルス。こうしてグラルスは大和との絆を深めながら、
 一日を終えた。しっかりと、しつけ具合を確認しながらの行動に、
 大和はグラルスを自分より上位の者と捉えたようで、抜群のコミュニケーションをとることができたようだ。

 ●
 次の日は柴島 華桜璃(ja0797)が一日、大和を預かる日である。
 前日のグラルスから、簡単な大和のしつけ具合や諸注意、ご飯用のトレー・ケージ等を預かった。
「諸注意はこんな所です。では大和をお願いしますね」
「分かりましたっ!この柴わんこちゃんを、一日お預かりしますねっ♪
あたしのところは動物OKだから、問題なく部屋で面倒見れますし(にっこり)
 今から楽しみです。ね?大和♪」
『アンッ』

「ご飯は一緒にいただいた缶詰がありますし、問題無いですね」
 ご飯を上げた後、しばらくもふもふと大和を一緒に遊んでいた華桜璃。
 そして、あることをはたと思い出し、買い物袋からシャンプーを取り出した。
「ふふっ。綺麗にしてあげるからね大和」
 一緒にお風呂に入ろうという魂胆である。
 風呂桶を用意しぬるま湯を張る。
 自分も服を脱ぎ生まれたままの姿になり、大和と一緒に風呂場に入る。
 大和を用意していた風呂桶の中にいれ、シャンプーを手に取り、程良くあわ立たせて、部分洗いを心がける。
 丸っこい、ふわふわがぺったんこになり、哀愁を漂わせる大和だったが、
 お湯には慣れているのか、じっとしている。
 水自体にも抵抗は無い様で、気持ちよさそうに華桜璃のなすがままになっていた。
 粗方汚れを落とし終えると、丁寧に優しくシャンプーを流し、洗面器にもう一度ぬるま湯を張る。
 華桜璃の指使いに骨抜きにされた大和は、気持ちよさ気にお湯に使っていた。
 華桜璃は素早く自分の体を洗い、髪も洗う。

 そんなこんなでお風呂が終わり、ほかほかになった両者。
 華桜璃はバスタオルを自分の体に巻き、まずは大和の体を乾かしていく。
 バスタオルで優しく大和の水分をふき取り、ドライヤーを低温にして乾かす。
 やがて完全に乾ききった大和は更に純白具合を増し、ふっわふわのもこもこになっていた。
 華桜璃の足元にじゃれ付いてくる。
「白くてふわふわで、もこもこで…やぁん、大和可愛すぎます♪」
 華桜璃は大和を優しくぎゅーっと抱きしめる。
 大和は華桜璃の顔をペロペロと舐めた。
 その日一日、華桜璃と大和は至福の時間を過ごした様であった。

 ●
 次の日は、神喰 朔桜(ja2099)である。
 朔桜は華桜璃から大和のしつけ具合などを聞き、大和を受け取った。
 朔桜の部屋は高級とまではいかないものの、清潔感のあるマンションタイプの寮。
 1LDKである。ただしあまり趣味的なものが置いていないため、生活感がとことなく薄い。

「ん、じゃあちょっと制服脱いでくるから、此処で待っててねー」
 大和を連れ帰った朔桜はリビングに大和を放し、自身は部屋に戻って着替えた。
 一人の時は結構着るものには頓着しないため、下着にワイシャツ一枚の格好だ。
 男が見れば狂喜乱舞しそうな姿であった。が、男はいない。
 男はいないが大和がいた。尻尾をぶんぶん振りながらボールを口に銜えている。
 どうやら遊んでほしいようだ。
「ちょっと部屋は大事な物とかあるからさ、今日はリビングで一緒にねっ!」
 朔桜がボールを投げては大和が拾ってくる。それを数度繰り返し、はたと気づいた。
「あ、ご飯の用意しなくちゃ」
 まず、自身のご飯の用意である。
 簡単に出来るものを考えて、今日はグーラッシュに決めた。
 グーラッシュとはドイツの家庭料理で豚肉の煮込み料理である。
 豚肉とトロトロの甘い玉ねぎ入りのシチューのような煮込み料理で、
 じゃがいもと一緒に頂くのだ。
 ちゃっちゃと調理を済ませ、レンジジャガイモと一緒にでチン。
 調理時間20分程度ですぐに出来た。
 そして、大和のご飯はもらってきた缶詰を専用のトレーに盛り付け、完了である。

 いつもならテーブルに並べて食べるのだが、今日は大和と一緒に食べようと思い、
 座卓を用意し料理を並べる。座卓の下に大和のご飯を置いて食べ始める。
「大和、美味しい?」
『アンッ』
 普段は一人で食べる食事も今日は大和が一緒だ。
 なんだか、こういうのって良いなと思いつつ、心が温かくなる朔桜だった。
 しばらく大和をもふもふして遊んでいたが、やはり子犬だ。
 大和の反応が薄くなってきた。どうやら遊び疲れたようである。
「本当は一緒に寝たりとか、あまり良くないらしいんだけどね」
 しかし、一夜だけ今夜だけならしつけなどにも影響はしないだろう。
 なにより可愛すぎるのだ。
 朔桜はリビングのソファに毛布を持ってきて、大和と胸に抱き一緒に眠りについた。

 ●
 次は高峰 彩香(ja5000)の番である。
 彩香は胸に大和を抱きながら、自室へ向かった。
 予めしつけやどんな風に育ってきたのかは楓を通して依頼人から説明を受けていたので
 ある程度のことは知っていた。
 また、子犬を預かるとのことなので、部屋の片付けも済ませておいてある。
 子犬が好き勝手に動いても大丈夫なようにとの配慮だ。

「子犬ってかわいいよね〜。思いっきり楽しく過ごさせてもらおう」
 さっそく、ボールを使っての遊びに興じた。
「よーし、良く取ってきたね。えらいぞ〜♪」
『アンッ アンッ』
 ボールを取って来た大和をなでなでして誉める。
 実は犬とのボール遊びとは、しつけの一環でもあるのだ。
 常に主導することによって、主従関係を構築できるしつけそのものになるし、
 また、自由運動によるストレスの発散や、お互いに楽しむことでの信頼関係が深まる。
 正しく遊ぶことにより、上記のような効果が期待できる素晴らしい遊びなのである。
 だが、大和はまだ子犬である。ずっとするのも良くはないし、大和の体力も持たない。
 そこを見極めつつ上手に遊ぶ彩香であった。
「殺人的って言われるだけあって凄いかわいいよね〜」
 少し疲れた大和を抱きもふもふし、なでながら彩香が呟く。
 基本、大和は人懐っこく、しつけも行き届いていた。

「あ、そうだ。ケージ設置してトイレの準備もしておかないと」
 ケージは大和のハウス。その中にトイレ用の給水シートも引いておく。
「本当に大和はおりこうさんだね〜。そろそろお腹空いてきたころかな?ご飯の用意してあげるね」
 抱いていた大和をそっと降ろし、もらってきた缶詰を開け専用のトレーに入れ、大和に出した。

 その後は食後の運動とばかりに、大和の首輪にリードをつけ、軽く散歩に出かけた。
 元気よく走りまわる大和。途中、他の飼い犬とのコミュニケーション(じゃれあい)もしながら
 散歩を終えた。
 犬の世話をするのは初めての経験だったので、多少心配ではあったが
 無事散歩をこなすことが出来た彩香であった。
 散歩から帰って来た大和はほど無くしてすぐに眠ってしまった。遊びつかれたのだろう。
「眠ってる姿も可愛いなぁ。こうやってると、本格的に犬を飼いたくなっちゃうね」
 今日は終始ニコニコしながら一日を過ごせた彩香であった。

 ●
「うむ。お邪魔するぞ」
『アンッ』
 次の日は春名 璃世(ja8279)の番であった。
 璃世は大和だけではなく、楓も自室に招待したのだ。
「2人ともいらっしゃいっ♪ わぁ…想像してたのより何百倍も可愛いっ!もふもふしてるっ!!
初めまして大和、よろしくね♪」
 大和の頭を優しくなでながらニコニコ笑顔の璃世であった。
 楓たちが通された璃世の部屋は片付けられていているが、THE女の子の部屋という感じだ。
 ベッドには巨大でぶさ可愛い犬のぬいぐるみが鎮座している。
「…璃世君。あのベッドに鎮座している不可思議なぬいぐるみは何だ」
「あのぬいぐるみですか?いつも一緒に寝てるんですよ♪可愛いでしょう?って大和、震えてる!?」
 本人は可愛いと思っていても、他にはどう映るかわからない良い例である。
「東雲先輩、とりあえずその子(ぬいぐるみ)をお尻の下に敷いて隠しちゃって下さい!
ほら大和、もう怖くないよ」
 焦りながらも優しく抱きしめる璃世。大和の怯えは次第に無くなり、璃世の顔をペロペロと舐め始めた。

 楓と璃世は談笑しながら、大和の相手をした。
 大和は二人の間を走り周り、部屋を走り回り、時に、柱に頭をぶつけたりと元気一杯である。
 (先輩が大和にデレる所が見たいな…そうだ。けしかけちゃえ!)
 可愛いものが好き。特に小さいものは大好きな璃世である。その範疇に幼女である楓はしっかりと入っていた。
 走り回っていた大和を呼び、抱き上げる。そして楓の目の前で大和の顔を近づかせアテレコをし始めた。
『東雲先輩に遊んで欲しいよぉ。ぎゅってして欲しいよぉ〜』
「…ね?大和がこんなに求めてますよ。ここで応えなきゃ女じゃないです」
 ニコニコと大和をけしかける璃世。大和もそれに応えるかのように楓の顔をペロっと舐める。
「…璃世君。大和とはそんなことをしなくても一杯遊んでやるぞ。なぁ大和」
『アンッ』
「っく、お前は本当に可愛いなぁ!」
 楓は璃世から大和を借りるとぎゅーっと優しく抱きしめる。大和も嬉しいようで尻尾をぶんぶんと振っていた。
 大和にメロメロな楓を微笑ましく見守る璃世。
 ある意味、二人を愛でる事が出来る璃世が一番上位であったかもしれない。

 食事も二人と一匹で仲良く食べた。
 璃世の申し出もあり、楓は璃世の部屋で泊まっていくこととなった。
 璃世は大和の寝姿に萌え、楓の寝顔を見て更に悶えた。
 そして楓の隣に入りニコニコしながら眠りについたのである。

 ●
 籤で最後になったのは唐沢 完子(ja8347)である。
 事前に犬の生態に関する本を可能な限り図書館で借りてきて、
 大和を預かる為の準備を整えて置くなど用意周到であった。
 また、楓を通して飼い主にもしつけ具合などを聞いている。

 大和を家に連れ帰ると、リビングに放す。
 完子の家は一人暮らしには広いマンションの2LDKだ。
 部屋や窓の鍵をしっかり掛けて、うっかり大和が外に出ない様に注意している。
 そして自室に戻って着替えようとしたとき、大和が付いて来た。
「…大和、良い子だからあっちで遊んでなさい。あとで一杯遊んであげるから」
『アンッ』
 尻尾をふりふりしてキラキラした眼差しで完子を見つめる大和。
 完子の自室は趣味のファンシーグッズで整えたとてもピンクでメルヘンなお部屋となっていた。
 普段の完子からはとてもうかがえ知れない趣味である。
 完子は大和の遊び用具であるボールを用意し、それをリビングに投げる。
 ボールを追いかけ走り去っていった大和を確認すると、素早く部屋に入り着替え出た。

 リビングでボール遊びなどで楽しく過ごした完子は、大和の食事の用意に取り掛かった。
 大和の餌は事前に本やネットで子犬用の餌を調べ、自分で作って見ることにしていたのだ。
 子犬用の缶はあるが、いつもそればかりだと飽きるだろうと考えた完子の優しさである。
 子犬用の量に注意しつつ、さつまいもとシーチキン(食塩を含まず、カルシウム含有率が高い物)を
 細かくみじん切りにし、ごま油を小匙1杯加えて、よく混ぜ合わせた自作フードが完成する。
「できた!あたし特性のスペシャルメニューよ。あんたの口に合うと良いけど…」
 大和のご飯用トレーに自作フードを載せて出してみる。
 大和はいつもと違うご飯に最初は手をつけず、ふんふんと匂いを嗅ぐだけだったが、
 やがて、一口食べ、二口食べ…猛烈に食べ始めた。
 すごい勢いで食べる大和を見てにっこりと微笑む完子。
「そんな勢いよく食べないで、もっとゆっくり食べなさいよ。ご飯は逃げないんだから」
 やがて、全てを食べきった大和は綺麗にお皿を舐めまわして、完子にじゃれついた。
「んもう。あんたってば本当に可愛いわね」
 頬が緩む。完子の見えない尻尾がぱたぱたと振られているかのようだ。
 終始ご機嫌で一日を過ごした完子と大和であった。

 ●
 そして、一週間の最終日はメンバー全員で集まり、大和と遊ぼうということになった。
 彩香と完子、グラルスはフリスビーを用意し大和と遊ぶ。
 その後、大和と一緒に走り回ったりして遊んだのは楓や華桜璃、朔桜と言ったメンバーだ。
 それを離れたところできゅんきゅんしながら見惚れている璃世である。
 
 今回の依頼では、各自思い思いに大和と接し、楽しい時間を過ごした。
 短い時間ではあったが、確かに大和との絆を得たのだ。
 普段の戦闘などの依頼とは違いたまにはこんなのも良いかな。
 そう思った完子だった。
 
 了


依頼結果

依頼成功度:成功
MVP: 雷よりも速い風・グラルス・ガリアクルーズ(ja0505)
 二律背反の叫び声・唐沢 完子(ja8347)
重体: −
面白かった!:3人

雷よりも速い風・
グラルス・ガリアクルーズ(ja0505)

大学部5年101組 男 ダアト
グランドスラム達成者・
柴島 華桜璃(ja0797)

大学部2年162組 女 バハムートテイマー
愛すべからざる光・
神喰 朔桜(ja2099)

卒業 女 ダアト
SneakAttack!・
高峰 彩香(ja5000)

大学部5年216組 女 ルインズブレイド
祈りの心盾・
春名 璃世(ja8279)

大学部5年289組 女 ディバインナイト
二律背反の叫び声・
唐沢 完子(ja8347)

大学部2年129組 女 阿修羅