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マスター:佐嶋 ちよみ
シナリオ形態:イベント
難易度:普通
参加人数:25人
サポート:2人
リプレイ完成日時:2013/06/18


みんなの思い出



オープニング


 岐阜県多治見市。
 『日本一暑い街』の名を欲しいままにしているこの地は、今日も――

「「暑い!!」」

 ぐたり、避難地に設置してある撃退士詰め所のテーブルに突っ伏す赤髪の撃退士が二人。
「なにこれ、6月よね? 今、6月よね」
 桃色に近い明るい髪を背に流し、野崎 緋華(jz0054)は差し出された麦茶をグイと飲み干す。
「過去最高気温は40.9度! まだまだこれからだねー」
 口にして、今日の最高気温を確認し、再び撃沈するのは深い色の赤毛を短く整えている筧 鷹政(jz0077)。
 撃退士には見えぬラフなTシャツ姿で失礼。
「「暑い」」
「多治見……ですから」
 黒髪を肩口で切りそろえた、情報屋・陶子は、そんな二人を猫のような笑顔で見下ろした。
「天魔が出ても、ゲートが発生しても…… 自然は強いですね」
「強すぎる 陶子さんも強すぎる」
「頭から麦茶を浴びたいですって、筧君?」
「やめなよ、陶子さん。麦茶がもったいない」
「……仲良くなったよね、二人とも」
 フリーランス相手の情報屋である陶子とは付き合いの長い鷹政だが、緋華と意気投合している姿に少なからず驚いている。
 そう、易々と距離を縮めるタイプではないように思っていたから。
 それを言えば、緋華とて同じか。
 多治見ゲートの件で顔を数回合わせた程度だが、風紀委員という肩書もあってか、とっつきにくい印象が拭えなかった。
「それだけの時間が過ぎましたからね」
 さらりと音にした陶子の言葉は、各々の胸に深く沈む。

 守りたかった…… 守れなかった。守られて、しまった。

 敵を倒しても、失われたものは戻らない。
 失われたものは戻らないが―― 季節は巡る。
 会うは別れの始まりというけれど、どこからが始まりで、いつまで別れは続くのだろう。
 別れの中にも出会いは生まれ、日々は繰り返し繰り返し、そうして巡る。




 市民から、市街地へ戻りたいという声が上がるのは予想していたことであった。
 現地で戦いを続けている撃退士からも、土岐川を挟んでの南半分に関してはほぼ安全であると報告を受けている。
 今は近隣諸都市へ避難している人々も、いつでも多治見へ戻れる状態なのだそうだ。
「とは言うけど、ねぇ」
 嘆願書に目を通し、緋華は火の点いていない煙草を咥え、眉根を寄せる。
 鰯の頭も信心――だなんて。
 戻りたい気持ちは解る。けれど、『ほぼ安全』という言葉に縋って行動を起こすのも上手くない。
「対岸の火事、ってわけにもいかないしね。けど、そうだな。一日くらいだったら、どうにかならないだろうか」
 行儀悪くテーブルへ腰かけながら、鷹政が提案する。
「夏祭りには早いけど、一日限定で戻ること、皆がバラバラに行動しないよう誘導できる形でさ」
「……祭りですか」
 その言葉に、陶子がフムと考え込む。
「それこそ、お盆の行事ですが……7月に、土岐川で精霊送りをするんです。昔は提灯を川へ流していたそうですが、今は棚にぶらさげる形で」
 場所は多治見橋、駅から10分程度の場所。
「行けるかな?」
 緋華が鷹政を見上げる。
 南半分はほぼ安全、確実に安全と言える場所に誘導を絞り、別れと誓いの祭りを。
 その間、北では徹底しての防衛戦。
 静と動が別れる一日。
「行けるね」
 現地で戦うフリーランス部隊へ身を置く鷹政が、小さく頷きを返す。
「暗い雰囲気にはしたくないから、祭りの主旨も幅広く取ろう」
「っていうと?」
「今回の、多治見に限ったことじゃなくても……別れや出会い、何かしら抱えてる生徒さんも多いだろ? せっかくだから、そういった気持も提灯で照らそう」
「なるほどね」
 それくらいの方が、地元の人々にとっても、重くならないかもしれない。
 『別れや出会い』、鷹政の言葉に感じるものがあったらしく緋華はしばし黙考する。
「ゲート壊してハイオシマイ、なんて世の中簡単じゃないけどさ……。そうだね。だからこそ、明るい一日は大事かもね」
 どんな苦境でも汚れることのない思い。泥中の蓮、と呼ばれるようなそれを、緋華は目にしてきた。


 もう一度、立ち上がるための力となるよう。
 そんな一日と、なるよう。




リプレイ本文


「……この国の暑さは、湿気を含んでいるせいか何年経っても慣れぬものだな」
 多治見市街地を見渡し、クライシュ・アラフマン(ja0515)は白面の下の表情を伺わせぬ、涼やかな声で言い放つ。
 依頼を受け、この地を訪れたのは朝晩の冷え込みが厳しい季節だった。
 今は一言でいうなれば、暑い。
 暑いが、しかし、それすらも楽しむように、街は活気に溢れていた。
「ふむ」
 この土地の伝統行事であるという『精霊送り』、時を経て形式が移り変わったと聞くが、詳細を知る者も居るだろうか?
 趣味と実益を兼ねて、祭りを楽しみながら聞いて歩くのもいいだろう。
 辛い思い出ばかりではない昔の記憶を求め、クライシュは歩き始めた。




 北方警備にあたる面々は、駅の北側へ集合していた。
「今日は、集まってくれてありがとう。これが俺たちの管轄区域です。異変、トラブルがあれば俺に連絡を」
「筧さんは、お祭りに行かなくていいんですか?」
 配られた地図に目を通しながら、若杉 英斗(ja4230)が訊ねる。
「あー、ははは。お祭りを守るために頑張らせていただきます。若杉君も、よかったの、こっちで?」
 問いを返せば、表情に翳りを見せながらも英斗は応じた。
「自分は……盾になってこそのディバインナイトですから」
 多治見のゲート破壊や街に関する戦いに、英斗は参加経験がある。思うところもあるだろう。
「後の祭り、か……」
「誰が上手いことを」
 誰に言うでなく口にした常木 黎(ja0718)へ、筧が反応した。
「……気づいたらヴァニタスは倒されて、ゲートができて悪魔も撃破されてたんだもの」
「常木さんは最初の接触から、戦ってくれてたものな」
「まあ……今日のところは『バイト』に精を出すさ」
 黎は気だるげに肩を竦めて見せた。
「それにしても…… 暑いな」
「何事もなく終えられたら良いのですが」
 こうしているだけでも汗が噴き出てくる。
 普段より軽装の志堂 龍実(ja9408)がぼやく傍らで、雫(ja1894)は準備してきた暑さ対策アイテムを確認する。
 スポーツ飲料はもちろん、珍しいところでは塩飴か。
 汗で失われるのは水分ばかりではない。塩分も重要だ。
「さぁて……。せっかくのお祭りを台無しにするわけにはいけないし、がんばっていきますか」
 それぞれの編成確認もまとまったところで、蒼桐 遼布(jb2501)が明るく言い放った。




 出店の準備が完了するまで、街へ戻ってきた人々は『安全』と太鼓判を押された場所を巡ったり、駅前広場に集まっていた。
 広場には、退屈解消が重要な、子供達の姿が目立つ。
(お祭りを楽しんでくださる方たちの笑顔が、この地で亡くなられた方への祈りになると思います)
 フッ、と晴れ渡った空へ視線を流すのは――もふもふの黒猫。
 名をカーディス=キャットフィールド(ja7927)という。中に人はいる。
「「しゃべった!!」」
 恐る恐る遠巻きにしていた子供たちが、明るい声色にビクリと跳ねる。
 カーディスは、手にしたバスケットからバルーンパフォーマンス用風船を取り出しては、次から次へと器用に動物や花を生み出していく。
「男の子用に、剣もできますよ〜」
「「猫すげぇ!!!」」
「ごふっ」
 バルーンアートに集中していたところで、腹にちびっこのタックルを受けてカーディスは咽こんだ。
 せき込みながら顔を上げると、遠くからこちらを見つめている女性に気づく。
 くるくるささっと花を作り、カーディスは小首を傾げて。
「美しいお嬢さん、お花をどうぞ。お祭りは楽しくなくっちゃ」
「あ、……ありがとうございます」
 愁いを帯びた表情が、ふわりと柔らかな笑顔となる。
(早くこの地から天魔を一掃し、平和な土地へすることを誓いますよ)
 たった一日だけでなく、毎日、子供たちの笑いがこの街に響くよう。


(一日だけの里帰りですか……)
 カーディスに後れを取りつつ、エイルズレトラ マステリオ(ja2224)も準備OK。
 にぎわう広場、これもしばらくは『今日限り』なのかと思うと、背中合わせに寂しさも感じる。
「せめて、今日という日は楽しい思い出になるように、精一杯お祭りを盛り上げてあげたいですねえ」
 男子儀礼服の上からマントを羽織り、ハロウィンのマスクを着用してシルクハットを頭にのせて。
 暑い?
 季節を先取りすぎ?
 Non,Non。これが『奇術師』のスタイル。

「世界に南瓜は数居れど、手品をする南瓜は私だけ。寄ってらっしゃい、見てらっしゃい。南瓜奇術師のお出ましです!」

 手品、という単語に、老若問わず歓声が上がる。
「あれは何だー!?」
「「あめだーー!!」」
 晴天から、カラフルなキャンディが降り注ぐ。
 わっと子供たちが走り出した。
 エイルズレトラは大きく肩を揺すり、子供たちの視線が空に釘づけになってるうちに次の仕掛けを。
 キャンディ、クッキー、ポップコーン。
 予想だにしない場所から煙とともに現れ、素通りしようとする通行人の手の中にさえ現れる。
「フハハハ! 怪人パンプキンの魔法のオヤツからは、何人たりとも逃れられないのさ!」
 ノリの良い観客に、エイルズレトラも自然とテンションが上がってゆく。
「まだまだ余興を続けたいところだが、時間というものがある。お菓子がなくなったわけではない!!」
 どっと笑いが起きたところで、3,2,1!
「諸君、また会おう!!」

 煙と共に、南瓜奇術師は衣装だけを残して消えてしまった。

(しばらくは、取りに戻れそうにな…… あっ、持ち帰ろうとして、あっ)
 観客にこっそり混ざり大団円、のつもりであったが、完全に好奇心を煽られた子供たちが、エイルズレトラの衣装を持ち帰ろうとしている!!
(お祭り実行委員の方にでも、あとで取り返してもらえるよう話を通しておきますか……)




「あっついな」
 眼鏡をはずし、額から流れる汗を拭って英斗は空を仰ぐ。
「……お祭りを楽しむって気分でもないしな」
 ゲート破壊戦で経験した『失敗』が、英斗の胸には暗い影を落としている。
(せめて)
 せめて、今日という日を護り通せたなら、この影も晴れるだろうか。
「英斗くん! 一緒に、行きましょー」
 パタパタと、紫ノ宮莉音(ja6473)が追いかけてきた。
「ひとりだと、危ないですよー」
「……莉音くん」
 警備班は、筧と同行する者、単独で動く者など、個人の希望を尊重した上で穴の無いよう割り振りが決められていた。
 旧知の仲の二人だ、必要以上に気を遣う必要もなければ呼吸の合わせ方も知っている。
「……街が、立ち直ろうとしてますね」
「うん」
 それでもどこか言葉少なに、二人は歩く。
(ゲートだとか天魔だとか、画面の向こうの出来事だったな……)
 莉音にとって『ゲート』を強く意識したのは、去年の春。故郷を襲った『六星七門示現陣』、のちに『封都』と呼ばれる出来事がきっかけだった。
 京都は、まだ奪還できずにいる。
 そうしている間に―― この街に悪魔が現れ、ゲートを展開し、そしてそれを自分たちが撃破した……
 規模が違うといえばそれまでだが、ひとつ『取り返した』という経験は大きい。
「……頑張ろう」
 あの街も、取り返せるように。自分に言い聞かせるよう、莉音は小さく音にする。
「……っと」
「来たか」
 莉音の生命探知に、何かが反応する。
 この周辺には警備の撃退士以外いないだろうし、二人の死角となる見通しの悪い場所に向けて発動していたものだ。
「絶対に、通さない!」
 瓦礫を飛び越え、一足にヘルハウンドが襲い掛かってくる!!
 莉音が素早く審判の鎖で動きを止め、流れる動きで英斗が竜牙で一撃を与える。
「筧さん! 出ました、ヘルハウンド……3体!」
 1体目を撃破したところで、英斗は素早く連絡を入れる。




 英斗から筧へディアボロ出現の連絡が入った頃、別の地点でもディアボロが確認されていた。
「他でも湧いて出たか! ってぇことは、こっちは自分で処理するべきか?」
 闇の翼を広げ、広視野で巡回をしていた遼布は手短に報告を流してから双龍矛を手にした。
 多対一を覚悟し、降下しようというところで物陰から撃退士が一人、飛び出して来る。
「……生憎と、邪魔をさせる訳にはいかんのでな」
 腕を組んだままの姿勢から、体術による攻撃を繰り出したのは中津 謳華(ja4212)だ。
 ヘルハウンド1体に、アンデッドウルフが3体、従っている。
「そこは俺の距離……。雑魚では俺は屠れんと知るがいい」
「助太刀参上っと!」
 ひらり、遼布が背を合わせる位置に舞い降り、結合能力を持つアンデッドを打ち払う。
 射程を活かし、易々とは近づけない。
 結合するといってもダメージは蓄積するだろう。重ねて重ねて攻撃をするだけだ。
「む。感謝」
「あっちこっちで、湧き始めてるようだな。単独は危ないけど、直ぐに応援も難しそうだ」
「なるほど」
 短い会話の合間にも、迎い来る狼たちをちぎっては投げ、ちぎっては投げ。
「……ようやく活気を取り戻しつつあるのだ。それを脅かすとあらば容赦などせん」
 アンデッドの陰から一気に飛び込んできたヘルハウンドの牙を、ガチリと受け止めて。
「ふむ、貴様の『牙』はこの程度か……。ヌルい。俺が本物を教えてくれよう……!」
 瞬間火力を爆発させ、謳華はそれを粉砕した。
(さて…… 何かしらは得ているだろうか?)
 撃破完了したところで、謳華は市街中心部へと振り向いた。
 物思う表情だった、最速を誇る友人は…… この街での経験に、答えを見つけることができただろうか。




 走る。
 フラッペ・ブルーハワイ(ja0022)は一心に走る。
 祭りや警備に関して参加できないことは、先に伝えておいた。
 走らずにいられない理由が、フラッペにはあった。

 多治見にゲートを展開した女悪魔。
 彼女の散り様を、引かぬ決意を、傍で目にしてきた。
 ゲートに向かうため幾度となく走った道を、フラッペは辿る。
(本当に……倒すしか、なかったのだ?)
 ゲートの入り口があった多治見駅前は、今は子供たちが輪を作り、デモンストレーションを楽しんでいた。
(彼女の命と引き換えに、手に入れた平和……なのだ)
 フラッペの胸には、今でもあの赤い花が咲いている。
 どうしてもやりきれなくて、どうしても納得いかなくて、平和になった街を見つめて、その場に崩れ落ちた。
 吸い込む空気が熱い。
 気温によるものか、自身の涙によるものかは解らない。
「ボクはこれからも、誰かの決意を踏みにじりながら……、誰かの笑顔を護らなきゃいけないのだ……?」
 今は亡き悪魔へ問いかける。
 コアさえ破壊すればゲートは維持できなくなり、この街は平穏を取り戻す。
 それが答えでは、いけなかったのだろうか。
 命と引き換えにしてでも、ゲートを展開し続ける理由……それを知ることすらないままに、あの悪魔は討たれた。
 『生きる理由』があるのは、人も天使も悪魔も同じもの。存在自体は同等だとフラッペは考えるから、結論は出せないまま。
 ぽたぽたと、大粒の涙が地面を濡らした。
「赤い花、勝手な願いだけど、どうか……これからのボクを、見守っていてほしいのだ……」
 自分は忘れない。
 この地に咲き、散った赤い花を。その悪魔の名を。
 災厄をもたらし、そして全てを賭け、散っていった花を。
(完全に平和が戻って……誰かがキミを悪く言っても。ボクは忘れない。キミという存在を)




「御堂さん、大丈夫!?」
 あちこちでディアボロ出現の報告が上がる中、単独行動で一番多くの敵に遭遇した御堂・玲獅(ja0388)のもとへ、筧たちは駆けつけた。
 アウルの鎧を掛け盾を装備し、仲間の合流まで徹底して防戦をしていた玲獅には、幸い深い傷は無かった。
「祭りが恙なく終わる様、尽力致しましょう」
 ヘルハウンド3体にアンデッドウルフ6体。
 防御に徹していた玲獅が、攻勢へと転じる。
 双剣を手に、牙を剥くアンデッドウルフを一太刀のもとに切り捨てる!
「速攻で滅するが一番だな」
 鳳 静矢(ja3856)は刀を抜き放ち、滅光でもって襲い掛かるヘルハウンドを撃退した。
「おー!! 俺も戦うんだぞ!」
 影とアウルの力により鋼の虎を生み出すのは彪姫 千代(jb0742)。
 磁場を発生させ、群がる狼たちの動きを重圧により鈍らせる。
「なんだか一緒の依頼は久しぶりだな、筧」
「あは。頼もしさに磨きがかかったね、志堂君」
 くすっと笑う龍実に呼吸を合わせ、筧も踏み出して大太刀を振るう。
 最後の一体が、倒れ間際に咆哮ひとつ。
「仲間を呼んだのでしょうか……」
「このあたりでは、増援として呼ぶ行動は確認できてないけど……警戒は必要だね」
 玲獅の言葉へ、筧は頷きを返した。




 市街南部に、ずらりと出店が並ぶ。
 店先に吊るされる提灯が灯り、風鈴の音がチリチリと可愛らしく。
「お祭り…… お祭りなのー!」
 紅い浴衣を着こなして、香奈沢 風禰(jb2286)は大きな瞳を輝かせた。
「りんご飴、くーださーいなっ。あ、お土産用に、もう一つなのっ」
 包んでもらう間に、次の甘い香りに首を巡らせる。
「綿菓子!! あ、シズ兄、警備でお腹すかせるだろうから……たこ焼き・イカ焼きも欠かせないのっ」
「いっぱい食べるねぇ、お嬢ちゃん」
「フィー、撃退士なのっ 朝飯前なの!」
 指折り数える風禰へ、笑いながら店主が大玉のりんご飴2本を手渡す。
「……お、重いなの〜」
 よろよろしつつ、それでも足取りは祭りの空気に弾んでいる。
 風禰の赤い影は、人ごみへと溶け込んでいった。




 祭りの喧騒が、遠く。
 癸乃 紫翠(ja3832)は指示を受け、他班への合流ではなく更なる周辺警戒へと対応していた。
 一匹いたら十は居ると思え、というやつである。
「……いた! そこから14時の方向」
 物陰から走るのは黎の声。
 それと同時にアウル弾が放たれ、潜んでいたヘルハウンドの脚を撃ち抜く。
 察知して、紫翠も鎌を手に応戦する。向こうからは物陰に潜む黎の姿は見えず、紫翠のみが敵だと思い込んでいるに違いない。
「勤勉って本当は合わないんだけどなァ……」
 ぼやきながら、連絡を済ませた黎は紫翠の援護へ。
「招かざるお客さんにはご退場を願いましょうか」
「おっと」
 紫翠の横を、三日月の軌道を描いたアウルが駆けてゆく。雫の【地すり残月】だ。
「私で戦力に足りるでしょうか」
「お釣りがくるね」
 二人だけでは厳しい。
 そう伝えたところへ、即座に雫が駆けつけた。
 機動力や、敵との相性を鑑みてのことなのだろう。
 無駄骨に終わるかもしれない――そう言われていた警備班だったが、どうやら祭り終盤まで走り続けることになりそうだ。




「おい、りんご飴の店でてるぞ、好きだったよな?」
「りんご飴は巨峰の耳のついたのだと嬉しいな〜。あるかなぁ」
 涼やかな浴衣姿で祭りを楽しむのは如月 敦志(ja0941)と栗原 ひなこ(ja3001)。
 どこか初々しい二人の様子に、店主がちょっと待ってなとオマケ付でリクエストのりんご飴を渡してくれた。


「祭りといえば、食い倒れ! これは天羽のお約束!!」
 デモンストレーションか何かですか、という雰囲気で人の輪を作り出しているのは天羽 伊都(jb2199)であった。
 本人にそのつもりはなかった。
 食べ物系の出店を賑やかし、活気づけになれば。そう、思っただけであった。
 が。
 全店網羅・その数たるや山の如し。
 まさかの:一人で全て食べる。
 いざ! と割り箸を手にしたところで、通行人の一人が足を止め、つられるようにもう一人、そして今ココである。
 綿菓子・りんご飴・たいやき・クレープ、焼きそば・フランクフルト・たこ焼き・イカ焼き・お好み焼き……
 手が止まることなく、その体へ吸い込まれてゆく。
「っあー!! 美味しかった!!! ごちそう様です!!」
 完食したところで盛大な拍手。
「う、ちょっとお腹きつい…… あれ?」
 伊都は、ようやくそこで観衆に気づいた。
(本分、すっかり忘れていましたよ……。結果オーライでしょうか)
 照れ笑いを見せながら、伊都は腹ごなしに金魚すくいへ向かった。

「見よ! 秘技! 神速掬い上げ!!」
 ――ばしゃん
 スキル神速を活用し、瞬間的に大量の金魚を掬う心算であった。
 しかし。
 攻撃力が災いし、金魚すくい(物理)となった。
「ごめん……壊しちゃった♪」
 セッティングが破壊され、水が漏れる。
 伊都も、頭から水をかぶり、衣服の背中に金魚が入り込んでいた。
「金魚救い、手伝います…… ごめんなさい」
 水を失いピッチピチしている金魚を他のプールに移すお仕事を、伊都もそそくさと手伝った。




 自前の浴衣姿、袖をまくって『たこ焼き屋』の看板を掲げるのは加倉 一臣(ja5823)と小野友真(ja6901)だ。
「くるくる回すんは任せろー! それ以外は任せる!!」
「生地の配合は本場の友真仕込み……って期待した俺の希望を返してください」
 ウロ覚えー、フィーリングフィーリングー♪
 と大阪人が胸を張るものだから、自分で調べ、『関西風たこ焼き』の生地を完成させたのは一臣である。
「一臣、友真来たぜー」
「やっほー! 頑張ってる〜?」
「お! 来たね、二人とも。ちょいと自信作よ」
 手をつなぎ現れた敦志とひなこを、一臣が笑顔で迎える。
「なんたって、俺特製だからな」
「え」
「ゆーま君じゃないの?」
「大阪人だからって過度な期待はやめてください……」
※いじめではありません
「冗談だって。じゃ、一つよろしく」
「売上げ協力さんきゅ。二人には一つおまけなー」
 すぐに笑顔へ戻し、友真は手早くパックへ詰める。
「ゆーまくん手際いいなぁ……。そういえば、その鰹節って極臣……?」
「見た目も味も一品やろ。安心のブランド、極臣です」
 一丁上がり、と手渡されるなり、アツアツを敦志が頂く。
「うん、美味いね!」
「あっ、ずるい!」
「熱いから気をつけろよ? ほれ、あーん」
「ちょ、ちょっと! 敦志くん!? んぐ」
 ずるい、と言った口へ、敦志が問答無用でたこ焼きを放り込む。
(唯でさえ恥ずかしいのに、2人の前で何をさせるつもりデスカ!?)
 真っ赤になって涙目のひなこは、熱さで抗議が出来ず、ポカポカと敦志の胸を叩いた。
「あ。筧さんと千代に差し入れ持ってくから焼いて? 極臣大盛でな!」
「筧さんのんは中に鰹節詰めとく? 間違えんと渡したってな」
「やだこの子ひどい……」
 隣でやり取りを聞いていた一臣が、目に涙を浮かべた。笑いすぎで。

 仲睦まじく去ってゆく二人の背に手を振ったところで、金魚柄の浴衣姿でRehni Nam(ja5283)が姿を見せた。
「たこ焼き2船、くださいなー です♪」
「まいどー! 来てくれたんやね、れふにゃん」
「もうすぐ雅楽が始まりますから、ジュンちゃん達に差し入れしようと思いまして」
「そんな時間か。皆によろしく伝えておいて」
 オマケを付けて、一臣が焼きたてたこ焼きをレフニーへ手渡した。

 来客が不意に途切れたところで、赤い影がふらりと立ち寄る。
「がんばってるみたいだね」
 市街地の警備・見回りを担当している野崎であった。
「はーい、がんばってまーす!」
「鰹節は削り立てでっす☆ 緋華さんも巡回お疲れ様です。ちょっと休憩していきませんか。サービスしますよ」
「ありがと。そうさせてもらおうかな」
 充分に市民たちは楽しんでいるらしく、騒動の心配はなさそうだ。
「じゃ、そんな色男二人には、あたしから差し入れ。他にはナイショね」
 悪い笑みを浮かべ、野崎は冷えたラムネの瓶を2つ、取り出した。




 祭事の刻が近づき、再び駅前広場に人々が集まり始めていた。

(みんなの想いを明日に繋げる為……かぁ)
 犬乃 さんぽ(ja1272)は、本番までの休憩時間に出店で手に入れた陶器の茶碗を見つめていた。
(お爺ちゃん、元気になれたかな?)
 結界の影響で、救出後も弱っていた老人のために、探し物をしたことがある。
 陶器のお店では、無事だった品や、他の場所で焼き上げた地元職人の品が並んでいて。
 その中に――見覚えのある味わいのものが、あったのだ。
「お祭りに来てる人達の心に、あの提灯のように灯り灯せたらいいな」
 器から元気をもらい、立ち上がる。
 しゃらり、手首に提げた鈴の音がついてきた。舞いの時に、鳴らすのだそうだ。
 視線を落としたところで、自身の衣装に目が行く。
 赤と白は古来より日本では祝福の色合いだという。
 赤い袴をまとったさんぽは、ふと気になってその場でくるり。
「……どうかな? 似合うかな?」
 雅楽演奏をする亀山 淳紅(ja2261)と九十九(ja1149)へ尋ねると、
「めっちゃ似合うで、さんぽちゃん!! ええなあ、日本の美やわぁ」
「日本の!? 本当!?」
「そうさねぇ。本番の衣装が一回きりってのがもったいないねぃ」
 かく言う九十九も、借り物の狩衣へと着替えを終えていた。
 流派不問とのことで、楽器は愛用の古琴を。
 九十九自身、この街を巡る戦いに身を投じたこともあるけれど、今はひとりの『楽士』として。
(楽の音色が、先に逝く者も未来へと歩む者にも、等しく道標になる……そう、信じたいものさねぇ)


 九十九が爪弾く古琴の弦が共鳴し、熱の帯びる空へ響く。
 淳紅の龍笛『干将』は低音を効かせ、琴の音を支える。
 シャン、
 さんぽの手にする鈴が鳴る。
 それは旅立つ者への思慕と、取り残され見送る者の寂しさを伝えるような、物悲しげな音調。
 時折かき鳴らすような音色は、送る側に立つ者の、形容しがたい思いをそのまま表している。
 古琴を演奏する九十九の胸の中に浮かぶのは、詩仙と謳われる李白の漢詩の一つであった。
 親しき友の旅立ちを見送る詩である。
 シャン、
 鈴の音を機に、音調が変わる。
(届けみんなの想い、そして明日の力になりますように)
 しっとりとした舞いから、躍動感あるものへと変わってゆく。
 古琴の弦の音を響かせながら、淳紅へと手番は移る。

 美しい旋律を引き継ぎ、『雅楽風味』にアレンジした曲は耳に優しく、知らない者も空気へ取り込んでゆく。
 淳紅は歌う。空に向け。目に見えぬ誰かに向け。目に見える、大切な人に向け。


 ――ここにあなたがおらずとも
 今宵も花は咲くのです
 共に陶(とう)した世界に
 梢に空に、地面に泥に

それでも あぁ それでも
 私は『いずれまた』と

 浮かぶ灯りに一片の
 涙と綻ぶ笑顔をくべて
 届きますようにと歌います


 『気持ちがとけあって楽しい、ゆらゆらと長く続くさま』……陶都とも呼ばれる多治見へ、『陶』の文字へ秘められたもう一つの意味を乗せて。
 聴き入るレフニーが胸に抱いているのは、淳紅と対になっている竜笛『莫邪』。
(ねえ。私は貴方の涙を拭えていますか? 貴方の笑顔を守れていますか?)
 心の中で、レフニーは歌う。
(私は月となりたい。闇の中貴方を癒す、優しき光に。私はポラリスとなりたい。荒海を行く貴方の、道標に……)


「お兄ちゃんは、行かないのかい?」
 老人に背後を取られ、クライシュはビクリと振り向いた。
「その面」
「……。風習のようなものでな」




 湧いて出るディアボロを倒しに倒し、それも鳴りを潜めるころには日が暮れていた。
 筧と並び歩きながら、静矢が苦笑いをし……すぐに真剣な面持ちとなる。
「結局誰が『勝った』のでしょうね……」
 問いたいことはわかる。
 この地で終焉を迎えたヴァニタスのことだろう。静矢と筧は、その件で共闘している。
 生きている者が勝者であるなら、これまでに命を落とした撃退士たちが報われない。
 人類側の勝利だというなら、払った代償は大きい。
「こうしてる間にも、戦いは、いつもどこかで続いていて」
 うまくまとまらないな、と筧は笑った。
「……勝った負けたで区切るのは、俺には難しいけど。経験できて、良かったとは思ってるよ」
「経験、ですか」
「うん。生きてる限り、人間は成長していくから。最後の最後で『俺は勝った』って言えたら――」
 ――筧
 耳に、今も残る相棒の声。不意によぎり、
(あいつは……『勝った』んだろうか)
 自身の命と引き換えに筧を生かして。その最期は、選択は、果たして――。
「筧さん?」
「心の整理は…… まだ、難しいようですね」
 顔を覆ってうつむいた筧へ、雫が塩飴を差し出した。
「塩分補給、してください。……私は行きますが、薄着だからって女生徒を見詰めるは止した方が良いですよ」
「はは。ありがとう、雫さん」
 涙声で、筧は飴玉を受け取った。
「今、父さんの隣なんだぞー!」
 静矢と逆隣に居た千代が、電話に元気よく応答している。
「千代、今のは?」
「父さん、あんな、たこ焼き来るんだぞー!」
 話がつながらない。
 筧が首を傾げているところへ、
「警備お疲れさまー♪」
「警護も重要だけど少しは休まないとな?」
 思ったより近くにいたらしく、ほどなくひなこと敦志が差し入れを手に現れた。
「一臣と友真の手作りですよ」
 一礼をしながら、敦志が筧へ手渡す。
「へぇー。すごいな。……すごいな?」
「父さんの鰹節ばっかでズルイぞ!」
「いや、千代、これ、鰹節ばっかっていうかむしろ」
 主に鰹節。
「あ、深い意味は無いそうですので」
「よく削れました、って伝えておいて……」




「シズ兄! お土産なの♪ どーんとどーんなのー♪」
「おや、また沢山買ってきたねぇ……」
 警備を終えて市街へ戻ってきた静矢を、風禰が出迎える。
「せっかくだから、頂こうかな」
 落ち着いた頃に、提灯を受け取って吊るしに行こう。


 無数の提灯が、多治見橋へと集まり始める。
(……今の俺は大勢の仲間達の犠牲でここに居る。死に行く者達の魂を送る儀式というのなら、せめてその想いを送るとしよう)
 明かりの先に揺らぐ川面を見つめ、クライシュは表情を隠す白面に触れた。


『武を追求した剣士、その生き様にのみは最大限の敬意を表す』
 筆を入れ終え、静矢は嘆息する。
「願わくばもう一度、刃を交えて見たかった…… な……」
 純粋に強き者を追い求め、散ることすら厭わなかったヴァニタスを想う。
『ビバ! 剣士に敬礼なのなの!』
 その隣では、風禰がペリカンのイラストと共にそんなことを書いている。
「シズ兄の真似っ子なのー♪」
「はは。よく描けているねぇ」
 ほんの少し、湿った気持ちが幼い笑顔でもって浮上する。
 風禰が橋の上から提灯さげに失敗し、川へダイブするのはそのあとのこと。


「提灯、綺麗やなぁ」
「そうだな……」
 店じまいを終えて、一臣と友真も御霊送りへ姿を見せていた。
「生まれ変わりがあるかはわからへんけど、次は平和やといいよな」
 送られてゆく魂を灯りの中に見出して、友真がぽつりと。
 言葉少なに、一臣も頷く。
(誰もが楽しく笑えるように……。俺、もっと強くなりたい)
「……生きてく覚悟、やっけ?」
 聞いた言葉を、友真は口にする。
「この世界で、な」
 その言葉は一臣にとって、大切な決意であり指標であった。
(生きてゆく人間に遺されるものがある。あの時に決めた道を目指して行くんだ……)


 汗で額に張り付く髪を払いながら、紫翠は揺らぐ灯りを見つめた。
(俺は、姉貴と義兄さんを送ってはやれなかった……。せめて今ある人の想いは、亡くなった人のもとへ……)
 喪ってしまった、姉夫婦。
 悔やんでも悔やみきれない。それでも進まなくてはいけないことを、紫翠は知っている。
 生きられなかった人の想いを背負うとまでは、言わない。
 でも、生きている。今を生きられる。大切な人に巡り合えた。
 姉の名にある『桃の花』と、義兄の名から浮かぶ『羽根』を散りばめた提灯をさげ、紫翠は一歩を踏み出す。
「……どうか、安らかに」


「何て書こうか、何を描こうか……。向こうから見えるとええな。見えたら、返事くれへんかな」
 うーん、と唸りながら淳紅は提灯と睨めっこ。
 すでに言葉を乗せ終えたレフニーが、優しく笑った。
(ありがとうと、さようならと、向こうで幸せに、と……)
 逝ってしまった存在へ祈りを込めて、レフニーは提灯を照らす。
「よっしゃ、できた。行こか」
「はい、ジュンちゃん」
 淳紅が、やんわりとレフニーの手を握った。


(昨年もたくさん遊んだな。……いろんな所で、鷹政さんは働き者で)
 『ただのイベントだろう、それは』という内容まで、報酬が出るよう立ち回り、斡旋していたことを思い出す。
 莉音が御霊送りの提灯を棚にかけると、背伸びをした向こう・明かりの下、河川敷で。はしゃぐ千代と並んで歩く筧の姿があった。
(僕ね、鷹政さんみたいになりたいんです)
 直接伝えたなら、どんな顔をするだろう?




「父さん!! 川がキラキラしてるんだぞ!」
 河川敷を歩きながら、千代は提灯の明かりを映す川面に目を輝かせた。
「蛍、いるかと思ったのにな……」
「季節的にはジャストだけどな。もっと上流じゃないかな」
 目に見えてションボリする千代の後頭部を、笑いながら筧が軽くたたく。
 すっかり『父』と呼ばれることに抵抗がなくなってしまっている。
「依頼とは別に見に来るといいさ。これからは、ゆっくり見れるだろ?」


「お疲れ、黎さん」
「――や、お疲れ」
 御霊送りを独りぼんやり眺めていた黎へ、市街巡回にも目途のついた野崎が歩み寄る。
「冴えない顔だね。消化不良?」
「硝煙不足……かなァ」
 言葉を探す黎の横顔を見ていた野崎が、返答に笑った。
 互いに話し上手なタイプではない。
 二人は話題を探し、やがて放棄し、静かな夜に目を細めた。
 空には、無言で星が瞬いている。


 雫は、墨を使って蓮と菊の絵を書き上げた。
「どうか安らかにお眠り下さい。願わくば、この地に戻ってくる人々を守ってあげて下さい」
 戻ってくる。
 たった一日限りではなく、いつの日か必ず、この街に活気は戻ってくる。
 そのための、今日という日だ。
 雫は照らし出される街並みを、もう一度深く、胸に刻む。



 この場所から、もう一度。
 多治見は、歩き始める。




――【陶子】 了


依頼結果

依頼成功度:大成功
MVP: サンドイッチ神・御堂・玲獅(ja0388)
 歴戦の戦姫・不破 雫(ja1894)
 奇術士・エイルズレトラ マステリオ(ja2224)
 歌謡い・亀山 淳紅(ja2261)
 愛妻家・癸乃 紫翠(ja3832)
 撃退士・鳳 静矢(ja3856)
 夜の帳をほどく先・紫ノ宮莉音(ja6473)
 真愛しきすべてをこの手に・小野友真(ja6901)
 二月といえば海・カーディス=キャットフィールド(ja7927)
重体: −
面白かった!:13人

蒼き疾風の銃士・
フラッペ・ブルーハワイ(ja0022)

大学部4年37組 女 阿修羅
サンドイッチ神・
御堂・玲獅(ja0388)

卒業 女 アストラルヴァンガード
アトラクトシールド・
クライシュ・アラフマン(ja0515)

大学部6年202組 男 ディバインナイト
筧撃退士事務所就職内定・
常木 黎(ja0718)

卒業 女 インフィルトレイター
厨房の魔術師・
如月 敦志(ja0941)

大学部7年133組 男 アカシックレコーダー:タイプB
万里を翔る音色・
九十九(ja1149)

大学部2年129組 男 インフィルトレイター
ヨーヨー美少女(♂)・
犬乃 さんぽ(ja1272)

大学部4年5組 男 鬼道忍軍
歴戦の戦姫・
不破 雫(ja1894)

中等部2年1組 女 阿修羅
奇術士・
エイルズレトラ マステリオ(ja2224)

卒業 男 鬼道忍軍
歌謡い・
亀山 淳紅(ja2261)

卒業 男 ダアト
懐かしい未来の夢を見た・
栗原 ひなこ(ja3001)

大学部5年255組 女 アストラルヴァンガード
愛妻家・
癸乃 紫翠(ja3832)

大学部7年107組 男 阿修羅
撃退士・
鳳 静矢(ja3856)

卒業 男 ルインズブレイド
久遠の黒き火焔天・
中津 謳華(ja4212)

大学部5年135組 男 阿修羅
ブレイブハート・
若杉 英斗(ja4230)

大学部4年4組 男 ディバインナイト
前を向いて、未来へ・
Rehni Nam(ja5283)

卒業 女 アストラルヴァンガード
JOKER of JOKER・
加倉 一臣(ja5823)

卒業 男 インフィルトレイター
夜の帳をほどく先・
紫ノ宮莉音(ja6473)

大学部1年1組 男 アストラルヴァンガード
真愛しきすべてをこの手に・
小野友真(ja6901)

卒業 男 インフィルトレイター
二月といえば海・
カーディス=キャットフィールド(ja7927)

卒業 男 鬼道忍軍
遥かな高みを目指す者・
志堂 龍実(ja9408)

卒業 男 ディバインナイト
撃退士・
彪姫 千代(jb0742)

高等部3年26組 男 ナイトウォーカー
黒焔の牙爪・
天羽 伊都(jb2199)

大学部1年128組 男 ルインズブレイド
種子島・伝説のカマ(白)・
香奈沢 風禰(jb2286)

卒業 女 陰陽師
闇を斬り裂く龍牙・
蒼桐 遼布(jb2501)

大学部5年230組 男 阿修羅