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マスター:佐嶋 ちよみ
シナリオ形態:ショート
難易度:難しい
参加人数:10人
サポート:3人
リプレイ完成日時:2012/12/27


みんなの思い出



オープニング


 中京城、その四方に配置された大収容所。
 天界勢のエネルギー供給源として、京に残された市民達を捕えている。
 会戦にまさかの敗北を喫した現在、言葉通りの『命綱』である。
 そして――それを護るために配置された、八つの要塞。
「……東の要塞の?」
 報告を受けた米倉 創平(jz0092)は、微かに眉根を寄せた。
 それぞれの要塞に対し撃退士達が陣を敷き、虎視眈々と奪回を狙っているのは知っていた。
 しかし、要塞に詰めているサーバントの量も解らず、そして空中からの勢力もある中で突撃してくるだろうとは――
(いや、今までも、そうだったか)
 万全であると策を立てる、その隙間を少数で突き破る。そうして撃退士達はここまで自分達を追いこんできた。
(どこからだ?)
 東要塞に、兆候らしきものはあったか?
 東がそうであるならば、他の要塞は?
「早急に手を打たなくてはなるまいな」
 一つ落とすことで調子づかれては不味い。
 そこを足がかりに、またチマチマと救出なんぞされてたまるか。
 米倉は地図を手に、増援を送り込む段取りを始めた。



●要塞突入戦
 東要塞の扉は破られた。
 天界軍・撃退士ともに、開放された門を境界としての睨み合いが続いている。
 要塞の敷地内には、見てそれとわかる強力なサーバント。
 かといって天界側も、無駄に打って出ることはしない。

 攻めるなら今と、学園側も追撃の準備を整えているところへ、一石を投じる情報が学園側へもたらされた。
 更なる増援のサーバントが送り込まれてきたという。
「そもそも一気に攻め落とす計画だった。好都合というものだ」
 敵の情報を纏めたレポートを片手に、教師が口の端を歪めた。


 門の幅は、約4m。撃退士二人がようやく横並びできる程度だ。
 そこから先へ踏み込めば、強力なサーバントとの激突が必至となる。
 むやみやたらと攻め込んだとて、意味がない。
 何をして、要塞攻略とするか――
「要塞の中央に建つ、監視塔。それを護るように、サーバント達は唸り声を発しているとのことだ」
 門を開けられようと、迎撃せずに。
 つまり、敵勢にとっての『守るべきもの』は、そこにある。
 恐らくは指揮官を担当するものがいるのだろう。
 ブレインを失えば、低知能のサーバント達はとたんに統制を失う。

 狙うは、監視塔。

 弾丸のように突き抜けて入ったとて、塔の内情はわからない。
 出来得る限り、要塞敷地内の敵は掃討しておきたい。挟撃は御免である。
「情報によれば、この―― 塔の裏手から、増援のサーバントが送り込まれているらしい。
陣地に常駐している撃退士達は裏手の鎮圧に向かい、諸君らには監視塔近辺の敵を散らしてほしい。そういう分担だ」


 狭き門を潜った先は、敵の敷地内。
 激しい戦闘が待ちかまえているだろう。
 突入し、新たなる道をつける。
 高見の見物をしている司令官を引きずり下ろすために。 



リプレイ本文


 鉄枷は断たれた。武器を取れ。鬨の声を上げろ。
 奪りもどせ、奪りもどせ、奪りもどせ!


「……今日こそ。落すよ」

 遠目にわかる監視塔。要塞の心臓。
 姫川 翔(ja0277)は、スゥッと冷たく闘志を秘めた眼差しを向ける。
「まだまだ、進まなきゃいけませんからね」
 砦は、ここ一つだけではない。
 応じる紫ノ宮 莉音(ja6473)は、チラと翔の横顔を盗み見た。
(翔くんと、京都で顔を合わせるのは何度目やろ。いつも何か遠くを見据えているみたいやけど……)
 京都。
 この土地に深い思いを抱く者は少なくない。けれど、それとは違う『何か』を、共闘を重ねるうちに莉音は翔の中に感じ取っていた。
「京都はこの間の救出作戦以来か……。ここまで来たなら作戦成功させたいな」
 傍らで、強羅 龍仁(ja8161)の声。
 救出作戦――それは、京都が『封都』と称されて間もない頃の、大がかりな任務だった。
(あれが、夏の始まりの頃だったか)
 別働隊として参加していた鳳 静矢(ja3856)は、肌で確実な時の流れを感じている。
(会戦に勝利したのは――秋)
 その後の、細かな戦いの結果として迎えた会戦。当時の戦いを、鈴代 征治(ja1305)が思いだす。
(ここが、東の要塞……)
 南要塞攻略戦に参加経験のある澄野 絣(ja1044)は、その違いを目に焼き付ける。

 踏みしめるこの地に、千葉 真一(ja0070)が寄せる感情は……
「天・拳・絶・闘、ゴウライガぁっ!!」
 決意と気合を込め、ヒーローへ。
 力強い叫びは、要塞に向けて。



●開かれし扉
「さて、最初にでかいのを一発入れさせて貰おう。……行くぞ、莉音」
「はいっ」
 先頭を、アストラルヴァンガードの二人が行く。
 開放された門は、二人が並んでようやっとという幅。
 それを逆手に取って――

 龍仁と莉音、二人で無数の隕石を地表に降らせる。

 押しつぶされた骸骨兵士も数体居るようだ。
「なかなか……派手、だね」
 ぽそり。翔が感想をこぼす。
「天界の連中が何しようと大して興味はないけど、ゾクゾクする戦いにはなりそうだね……」
 降り注ぐ隕石を、ものともしないサーバントもいる。
 そうこなくちゃ。
 七ツ狩 ヨル(jb2630)は口元に笑みを刻む。
(ま、現状で俺がどれだけ弱体化してるか……測れればいいかな)
 魔界からはぐれた、その影響はどの程度か。
「天使の傲慢さの権化だな。崩してくれよう」
 自身も天使でありながら、そう口にするのは不動神 武尊(jb2605)。
「守ってやれ」
 武尊の一声で、召喚獣・ストレイシオンが要塞内へと現れる。
 主の命に召喚獣は咆哮を返し、防護結界を張り巡らせる。
 そのタイミングで、撃退士達は要塞内へと踏みこむ!!


「時間が無い…… 最初から全力で行くぞ!」
 翔が放つ黒、静矢の放つ紫の衝撃波が、それぞれに直線の道を作る。

「後方援護は任せてください」
 水葉 さくら(ja9860)は飛来するハルピュイア達に狙いを定める。
「えぇ、連携しっかりで突撃しましょう」
 征治はケイオスドレスト、真一はチャージアップを発動し、共に骸骨兵士の群れへと飛び込む。

「仲間はやらせませんよー」
 絣は平常心第一に、突撃してゆく仲間へ向けて回避射撃を。
「回復は任せろ。思う存分暴れて来い」
 龍仁は後衛で骸骨兵士の群れを往なしながら、全体の戦況を常に視野に収める。

 ここで、どれだけ敵を倒せるか―― 今後に大きな影響を与えるだろう。



●翼をもつ者
(裏手の人たちに、負担をかけ続けるわけにいかないよね)
 莉音とヨルが骸骨兵士たちを仲間に任せ、ケルベロスの炎を避けて。
 引きつけ、狙うのは――
「ヨルくん」
 飛翔を始めたヨルへ、莉音はアウルの鎧を掛ける。
 限界の射程だけで考えれば敵に分がある。

「最低1組、潰したいね」

 莉音めがけて狙いを定める金と銀のハルピュイア。
 闇の翼を広げ、二体を範囲に、かつ地上で暴れるサーバントをも巻き込んで――ヨルがクレセントサイスで切りつける!
(いけるやろか……!)
 ヨルの不意打ちで高度を落したところで、莉音はチタンワイヤーで金髪のハルピュイアを絡め取った。
 立体的な連携攻撃は的中する。
 このまま、力勝負で地上へ落とすことが出来れば!!
「リオン、危ない」
 ふわり、風が周囲で巻き起こる。潜行状態のヨルの翼だ。
 金との競り合いに集中している莉音を狙う、銀髪のハルピュイアへ斧槍を振り下ろす。
「……ッ、ハァっ」
 莉音は一度ワイヤーを外し、得意とする魔法攻撃へと切り替える。
 完全に落とすことは不可能だったが、クレセントサイスでのダメージもあり、鳥人は情報通りの高度を保てなくなっていた。
 こうなれば、地上の莉音・空中のヨル、二人のコンビネーションが力を発揮する。


「飛んでいる分、狙いやすい……ですね」
「素直に堕ちてくれると助かりますー」
 引きつけて引きつけて。さくらは、丁寧に和弓を引く。
 対する絣は魔法書の射程・火力で勝負。
 戦場を飛翔する、もう一組のハルピュイア撃墜を目指す。
「討ち漏らしの心配もないな」
 そう言って、武尊が鼻を鳴らす。
 地上は骸骨だの蜘蛛だのワラワラしているが、空はスッキリしたものだ。
 莉音達が壁沿いに、1組のハルピュイア達を引きつけたおかげで尚のこと。
「埒があかん! 俺は金を落とす!」
 洋弓から魔法書へ持ち替え、武尊は攻撃対象を切り替える。
 『確実さ』を考えるのであれば、この辺りで次の対象へシフトしておく方が、地上班への負担も少ないと判断してのことだ。
 手ごたえから、銀も間もなく落ちるだろう。



●崩れぬ者
「ゴウライパーンチっ!」
 真一は光を纏うシャイニングバンドによる一撃で、骸骨兵士の一体一体を確実に沈めてゆく。
 敵にはコメットの初弾による消耗、封砲によるダメージの累積もあるだろう。
「せぃやー!」
 後ろから襲いかかる兵士へは鼻先に裏拳を当て、そのまま装備の活性化を切り替えての回し蹴り。
 固い装甲ごと叩き潰す!!
「作戦成功、でしょうか」
 真一と背を合わせ、斧槍を振るいながら征治は戦況を判断する。
 初手のコメット連弾が、相当効いている。
 相手取る骸骨兵士の中には無傷の者もおり、その攻撃力・防御力を考えれば、これが全て最初から群れていたらとぞっとする。
 『高レベル』であることに間違いは無いだろう。
 シールド発動で攻撃を食い止めながら、引くことなく征治は攻撃へ転じる。
 遠く、翔と静矢がホワイトスパイダーを相手取っている様子が見える。
 ハルピュイアを撃墜完了した、さくらたち遠距離攻撃組も加勢していた。
「こちらも早く……片づけたいですね」
 槍と槍がぶつかり合い、力のバランスを調整し、相手の体勢を崩したところで体重を乗せて貫く!!
「征治くん!」
 そこへ、莉音とヨルが駆けつける。
「心配いりません。一気に崩しましょう」
 回復はまだ大丈夫、征治は暗にそう告げて、戦況に勢いを持ち込んだ。



●縛る者
 監視塔の外壁に張り付く、巨大蜘蛛。
 要塞へ敵襲ありと察知してから、地上へ降りてきた。
「……潰す」
 直線状に粘糸が吐き出されるのを、翔は跳躍することで回避し――そのまま大剣を突き刺す。
(他の敵を相手にしてる仲間たちには……向かわせない)
「そのままだ!」
 翔が蜘蛛を地に縫いとめたところへ、静矢が強撃を打ち込む!!
 押しつぶされた体勢から放たれる粘糸が脚に絡みつくが、近距離攻撃を与える静矢の手元には影響を与えない。
「これは、たしかに厄介だが……」
 甲殻のように、その背は固い。
 翔の刺突の成功は、上空からの勢いを乗せた一点集中攻撃だったからだろう。
「ふん、俺に仕留められるのを待っていたか?」
 そこへ、武尊達が加勢として到着する。
 開口一番、武尊は魔力を乗せたクロセルブレイドでホワイトスパイダーを斬った。
(魔法が……弱点か?)
 最後はまるで紙のように撃破されたサーバントに、翔と静矢は目を見開く。
 ――その横を、何かが駆け抜けた。
「きゃあっ」
「下がれ! 盾には俺がなる」
 絣の短い悲鳴、龍仁の声。
 わずかな隙を抜けて、ホワイトスパイダーが後衛へ襲いかかっていた。
「……、う」
「澄野さん、ひとまずこっちです」
 麻痺にかかった絣へ肩を貸し、さくらが安全な場所へと誘導する。
「くっ、こいつ――」
 盾で完全に防御に回りながら、龍仁は間近に感じる獰猛さに歯噛みした。
「そのまま、そこでじっとしていてくださいね」
 つい先ほどまで、隣で戦っていた絣が倒れた。
 動揺を抑え、静かな怒りを秘め、さくらはホワイトスパイダーを狙う。
 たとえ、一撃で沈めることはできなくても。


 だいぶ見晴らしの良くなってきた要塞敷地内で、残る蜘蛛の厄介さに手を焼くこととなる。
 機動力が高く、こちらをケルベロスの炎の範囲内へ誘導するかのように間合いを取る。
 遠距離攻撃に徹していれば、回避した隙で距離を縮めて噛みついてくる。
「節足動物の足元を払うのは、どうすればいいんでしょうね」
 自嘲気味に征治が呟く。
 固い胴体の横から生える脚はかろうじて体を持ち上げる程度で、それも腹部はほとんど地についている。
 あの脚を一本一本、斬るわけにもいくまい。
 カチリ、蜘蛛の攻撃対象が反転したことを察した静矢が駆け出した。
 加勢に来てくれた絣を庇うことができなかった――その念が、静矢を走らせた。
 潜行状態が解けたわずかな隙に、ヨルへ飛びかかるホワイトスパイダーの、その前へと飛び出す。
「っ…… 守りは気にせず、殲滅に専念を……!」
 護法を発動し、最大限の守備力でヨルの壁となる。
「……あ」
 ありがとう、とは言わない。
 ヨルは軽い身のこなしでホワイトスパイダーの側面へ回り込み、静矢へ噛みつき無防備となっているその胴体へと斧槍を振り下ろす!!
(……うん。まだまだ)
 自分の力は完全に損なわれていないことを確認し、それから静矢へひらりと片手を挙げた。
 込められたメッセージを汲み取り、静矢も小さく頷く。
 多く言葉を交わしている暇は無い、そうであるならより早い殲滅を。攻略を。



●守りし者
「さぁて門番退治だな」
 真一が拳を打ち鳴らす。
 ホワイトスパイダー、それにケルベロス。要塞内のサーバント達で、これらが『知能』としては高いものだったように思う。
 決して味方を巻き込む位置では炎を吐いてこない。単純な、そういった『指令』を下されているにすぎないのかもしれないが。
 逆を言えば、他のサーバントを射程内に置いておけば、ブレス攻撃は無かった。そういうことだ。
 気づいたのは龍仁で、そこからの蜘蛛対峙は展開が加速した。
 ケルベロスも含めた二度目のコメット連弾で、蜘蛛は一気に押しつぶした。
「続けていくぞ!」
 龍仁が、三度目のコメットを三頭のケルベロスに向けて放ったところで、最後の攻防が始まる!

「足止めと言っても……倒すつもり、で。行く……よ」
 三頭のうち、二体を足止め・一体へ集中砲火という作戦。
 抑えを担当する翔は、同じく一方を受けあう征治へちらりと視線を投げかける。
「ええ、もちろんです」
 『お約束』にコッソリ笑いあい、士気を上げて。
「莉音。……援護、宜しく」
「任せてください」
 ケイオスドレストで臨む征治に対し、莉音は翔にアウルの鎧を掛ける。

「三回攻撃も……届かなければ意味が無い、そうでしょう?」
 門を守るゆえに『動かない』ケルベロス。ここまでの掃討戦で確認している。
 征治は槍のリーチを活かし、確実にその攻撃を止めに動く。
 近くにいると感じれば、直接攻撃を選びたいものだろう。それを、利用する。

 翔はドレスミストで敵の視界を濁すことからスタートする。
(首を……一つずつ確実に、落とす)
 莉音による魔法攻撃の援護を受けながら、翔は獣の牙と格闘する。
 連続攻撃を受けても、すかさず回復魔法が入る。
(征治は……凄いな)
 たった一人で、これを抑えているのか。――もちろん、莉音はいつでも二人の回復に回れるよう、位置取ってはいるけれど。
「……炎は、吐かせない」
 せめて、自分にできる最大の事を。
 翔は一歩踏み込み、ブレスを吐きだすモーションに入ったその顎を強かに叩きあげた!

 集中砲火班では、さくらが盾役として力を発揮していた。
 リブラシールドの装備で徹底して守備力を上げ、直接攻撃の届かない範囲でタウントを発動する。
 結果的に『三回攻撃』を封じる、という作戦だ。
「デカイの行くよ」
 一声かけて、ヨルが最大火力のゴーストバレットを放つ。
「まぁ、爪より何より首から、だな」
 武尊が続き、剣を振るう。三つも首があれば、さぞ迷うだろう? そう言いたげに、フェイントを織り交ぜて。
「この紫の刃で切り裂く……!」
 天使と悪魔、二人の攻撃の合間を縫い、静矢が側面へと回り込み――紫冥刃!!
「ゴウライ、流星閃光キィィィィックっ!!」
 ――BLAZING!!
 真一が、機を逃さずケルベロスを吹き飛ばした!!



●待ちわびし時
「……入り口を塞ぐ形で守らせてた以上、仮に逃げるとしたら上だろうなって思ったけど」
 監視塔上空まで飛翔したヨルが戻り、状況を説明する。
「小窓? ……たぶん、見降ろすためだけのモノっぽい。指揮官だけが逃げ出すってことはなさそう」
 征治の呼びかけで、裏門の対応に回っていた撃退士達も代表の数名が合流していた。
「今潰せば後が楽か……?」
 静矢が、監視塔の小さな鉄扉を粉砕する構えをとるが、常駐の撃退士達に止められた。
「今の消耗状況でヘタな刺激はまずい、か」
 ふむ、と武尊が思案する。
 ――ここまで来たのに、届かない。
 もどかしげに、翔は監視塔を見上げる。
「戦力を立て直して、というのは、まぁ、正論だな」
 回復魔法にはわずかな余裕がある。とはいえ、攻撃手段は皆、ほとんど使い切った状態だ。
 龍仁が唸る。
「ふぅ……。汗をかいたので、熱いお風呂に入りたいです……」
 そこへ、さくらの一言。
「……たしかに」
 毒気を抜かれ、征治が表情を緩めた。
「ここは……任せていいのでしょうか」
 常駐の撃退士達は、『少しでも情報を集めておく』と答えた。
「監視塔付近の敵を掃討、という目的は果たせていますから…… 残念なことは無いと思いますよー?」
「え、あ」
 絣に肩を叩かれ、莉音が我に返る。そんな顔を、していただろうか。
「何度でも、何が敵だって、倒せばいいんだろ!」
 シンプルな真一の答え。
「そうですね……」
 翔と並び、莉音は沈黙を守る監視塔を見上げる。
 その向こうには、京都の空。
(大丈夫……簡単には行かへんって、わかってる。だから、諦めちゃだめなんだ)


 まだ、八ある要塞の一つも落とすことはできていない。
 その向こうに蠢く敵、囚われた人々、
 為すべきことは多くある。
 時に、その現実に打ちのめされそうになるけれど、届かないんじゃないかと思うけれど、
 確実に、進んでいるということを忘れてはいけない。

 
 奪りもどせ、奪りもどせ、奪りもどせ!




依頼結果

依頼成功度:大成功
MVP: 撃退士・鳳 静矢(ja3856)
 夜の帳をほどく先・紫ノ宮莉音(ja6473)
 撃退士・強羅 龍仁(ja8161)
 夜明けのその先へ・七ツ狩 ヨル(jb2630)
重体: −
面白かった!:6人

天拳絶闘ゴウライガ・
千葉 真一(ja0070)

大学部4年3組 男 阿修羅
希みの橋を繋ぐ・
姫川 翔(ja0277)

大学部4年60組 男 ルインズブレイド
日月双弓・
澄野・絣(ja1044)

大学部9年199組 女 インフィルトレイター
最強の『普通』・
鈴代 征治(ja1305)

大学部4年5組 男 ルインズブレイド
撃退士・
鳳 静矢(ja3856)

卒業 男 ルインズブレイド
夜の帳をほどく先・
紫ノ宮莉音(ja6473)

大学部1年1組 男 アストラルヴァンガード
撃退士・
強羅 龍仁(ja8161)

大学部7年141組 男 アストラルヴァンガード
エレメントマスター・
水葉さくら(ja9860)

大学部2年297組 女 ディバインナイト
元・天界の戦車・
不動神 武尊(jb2605)

大学部7年263組 男 バハムートテイマー
夜明けのその先へ・
七ツ狩 ヨル(jb2630)

大学部1年4組 男 ナイトウォーカー