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マスター:佐嶋 ちよみ
シナリオ形態:ショート
難易度:難しい
参加人数:10人
サポート:1人
リプレイ完成日時:2012/12/06


みんなの思い出



オープニング

●狭き門
 京都。
 中京城を取り囲むように八つの砦が配置され、東に位置する一つは、元の地図を辿るならば鴨川を渡り御池通りをまっすぐに、烏丸御池にふてぶてしく鎮座している。
 広い道路へ無理やり腰を下ろしたような煉瓦造りに見える建物は、両側の建物を倒壊させ、撃退士達は正面からの攻略を余儀なくされていた。
 補給部隊として――短時間の前線交代を担った者たちの報告によれば、砦近辺には強力なサーバントが待機しているため、迂回しての接近はいたずらに被害を増やすだけだろうということである。


「と、いったところでだ。砦の守る向こう側にはゲートがある。囚われた人々がいる。
生かさず殺さず精神吸収を行ない、あちらは天界からサーバントを連れ込み放題――なんて状況が完全に整う前に仕掛けたい」
 ミーティングルームに集まる生徒たちも、説明する教師と同じ思いだ。神妙な面持ちで頷く。
「こちらも無尽蔵に人手があるわけじゃない、攻める時は一気に落とす。砦の内部が増援サーバントであふれかえる前にな」
 周辺の敵データ、それから付近の画像をスクリーンに映し出す。
「東要塞攻略部隊は、要塞から1km程度のところに陣地を張ってる。
普段は、そのラインさえ越えなければ無駄な消耗戦は無いと報告を受けている。
仮に起きたとして――出てくるのは、こいつらだ」
 銀髪の鳥人。弓矢を所持し、魔法属性の遠距離攻撃を放つ。
 禍々しい色の大型蜘蛛。見かけによらず素早い動きで、粘糸を吐きだし、あるいは噛みつきで毒を与える。
 報告によれば、距離を縮めての噛みつき攻撃は回避場所を失うと強力なダメージを与えるとのこと。
 そして、白き巨人。放った後に数秒の静止時間をハンデとする拳は、一発で撃退士を沈めかねない威力をもち、再生能力は無い代わりにとにかく硬い。
「遠距離、近距離、パワータイプ……まぁ、バランス良く向こうも用意してるってことだろうな。
で、写真にもあるが…… 砦の上にはサブラヒナイト。物理攻撃半減の鎧に魔法弓ってぇのは変わらずだ」
 映っているのは、等間隔で6体―― だが、むろん四方に配置されているだろうし砦の内部までは解らない。
「そして、厄介なのがファイアレーベン。連絡は細かに受けてるが、東要塞で確認しているのは1体だけのようだ。
飛んでるのは銀色の鳥人もいるからな、魔法攻撃を抑えるためだけに配置されているという見立てだ」
 外側だけで確認の取れている敵が以上。
 内部までは解らない。
「時間が惜しいってのは正直なところだ。このまま延々と睨みあうわけにはいかない。そこで、諸君らを起爆剤として呼び寄せたわけだ」
 ――具体的な、砦攻略。
 閉ざされた門を打ち砕く、そのために動く。



●城門粉砕戦
 陣地から要塞までの、1kmという距離。
 要塞の城門を粉砕するまでの、上空を含めた敵からの攻撃。
 城門を開けてからの、内部の敵との戦い。

 備えるべきは、上記三項目。
「一気に攻めていく。そのために、混乱を防ぐため、各部隊の担当を分けておく必要がある。
陣地に滞在している撃退士達は、周辺のサーバントを相手取るのは長けている。
彼らに露払いとなってもらい、諸君らには城門粉砕、並びに砦直近・上空の敵への対応に専念して欲しい。
もちろん、要塞までの道の敵の掃討が完了した撃退士達も随時追いつき、加勢する」
 京都の街中にドカリと居座る西洋砦は、V兵器でしかダメージを与えられないことは既に報告で受けている。
 天魔たちは透過能力をもつにもかかわらず、正面にはご丁寧に門が作られている――狙うなら、そこだ。
 壁を崩しても、恐らく開いた穴から埒の明かない戦闘は広がる。
 ならば扉に衝撃を与え、それ自体を破壊しきれずとも『開ければ』通れる。

 要塞直近の敵を相手取りながら、城門を開けること。
 開けた瞬間に飛び出してくる敵を抑え込むこと。

 加勢の撃退士達が完全に合流するまでの持久戦となる。



リプレイ本文


 冷たい風が、鴨川を渡る。
 荒れ果てた京の都は、ひっそりと呼吸をしていた。

 砦を陥落するべく、陣地を張る撃退士。
 砦の向こう、助けすら呼べない人々。

 曇天を旋回する異形の鳥たちの声だけが、けたたましく響いている。


「走って中京城まで行けちゃいますね」
 伏し目がちに、紫ノ宮 莉音(ja6473)は呟く。
 春には宇治川で攻防していたというのに……こんなにも、近いところまで踏み込んでいる。
(庭園の桜…… ちゃんと咲くかな)
 そして、この目で見ることはできるだろうか。
 京都に居て、しかし京都の『家』には戻れない。
 要塞の向こうに囚われている人々の中に、見知った存在が居るであろうことを思うと…… 怖い。
 莉音は一瞬だけ、目を閉じて、軽く頭を振る。意識を振り払う。
「頑張ります…… 頑張りましょう」
 全ての願いは、祈りは、そびえる要塞を、そして中央に君臨する中京城を落すまで、叶うことは無いのだ。


 一行の到着を、常駐の撃退士達が出撃準備を整え、待っていた。
「此処をクリアすれば大きな一歩だ……。士気を高めるためにも負けられない、か」
 城門の突破が最優先。
 そう確認する志堂 龍実(ja9408)へ、先陣を引き受ける撃退士達が頷きを返した。
「さすが要塞、デカイな」
 ここからでも目視できる。
 久瀬 悠人(jb0684)は普段の緩い雰囲気を崩すことなく、標的を確認した。
 通りを封鎖するほどの要塞、その中央部には監視塔らしきものが頭を覗かせている。
「……でもさ。これ、明らかに場違いだよな。――京都の町並みに合わないんだよ」
 だから、切り崩す。
 最後の一言だけ、ワントーン下げて。
(この小さな手で護れるものは、そう多くないですけど……)
 若菜 白兎(ja2109)は、両の手を閉じ開きして、じっと見つめる。自分には何が出来るかを考える。
「一緒する皆さんと無事に帰れるよう、精一杯頑張りたいと思うの。そういう小さな事の積み重ねが、京都の解放に繋がってくれるって信じてるの」
 城門粉砕に当たる班も、そこまでの道をつける撃退士達も。
 無事に目的を達成し、次へ次へと続くように。



●城門への道程
 降り注ぐ鳥人の放つ魔法矢を、先陣達が引きつける。
 駆け寄る蜘蛛を押しとどめ、白き巨人を誘導し。
 行け、走れ、怒鳴るような合図に呼応し、一行は飛びだした。

(今まで繋いできたものを…… 無駄にするわけには、いかない)
「――行こう」
 姫川 翔(ja0277)の、深い海のような瞳がまっすぐに要塞を見据える。
(……指を咥えて、あれを眺めるのは…… 今日で、お終い)
 終わらせる。こじ開ける。粉砕する。
 開いたその先へ、進む!!
「透過能力で、要塞から出て来られても……困る。から」
 翔が阻霊符を展開する。
 透過能力のある天魔が、要塞に立て籠る理由。それは、透過能力を持たない人間を入れないため――と考えるならば。
 逆手にとって、阻霊符で奴らを閉じ込めてしまえば良い。いつでも出られると思っているのなら、その考えを封じ込めてしまえば良い。
 そう、考える。
 諦めない。
(……人間の底力。此処で、奴等に思い知らせて……やる)
「人間だって、負けはしません」
 レグルス・グラウシード(ja8064)が高らかに叫ぶ。
「さて、気合い入れますか!」
 cicero・catfield(ja6953)の温厚な表情が一転して、交戦的なそれへと変わった。
 ロングレンジショットで、こちらの異変に気付き近づいてきたファイアレーベンへ先制の一手。
 その間に、蒼い風のオーラが悠人の周囲を取り巻く―― 竜魂召喚、

「来い、ランバート」

 紅い単眼のスレイプニル、悠人の召喚獣・ランバートが現れると同時に上空へと飛翔する。
「喰っても構わないぞ」
 主の声に、召喚獣は獰猛な咆哮で応じた。
 空中で、異形同士が激突する。
 スレイプニルがファイアレーベンの片翼を喰いちぎる。
 暴れるファイアレーベンの炎のブレスは、更なる空へと吐き出された。
(……今や!)
 炎の息を警戒し別方向でタイミングを図っていた莉音が、アサルトライフルで狙撃する!
 重ねるように、シセロ、悠人も銃撃で加勢する。
 召喚獣の帰還とともに、ファイアレーベンも地に墜ちた。

「魔法攻撃、解禁だな」
 龍実は、氷晶霊符にアウルが通うのを感じ取った。
 攻撃魔法を封じられる状況で要塞の外壁に張り付いているジャイアントスパイダーを相手取っていたグループは、一気に力を得る。
 白兎が、水無瀬 快晴(jb0745)へ刻印を付与する。
「聖なる刻印の加護を……」
「ありがと。……さて、試してみるか」
 快晴は軽い身のこなしで、蜘蛛の群れへと向かった。
 外壁へ接近すれば、もれなく上からサブラヒナイトの矢が降り注ぐ。
 ファイアレーベンを落とすまでは、魔法攻撃を交えた多彩な攻撃が出来ないため、こちらの行動パターンも制限されていた。が。
「……落ちろ」
 深い、闇の中へ。
 銃撃で誘導されていた蜘蛛へ、纏めてナイトアンセムを仕掛ける!
 深い深い闇が、ジャイアントスパイダーを包み込む。
「ふふふ…… 蜘蛛の姿をしていても、闇に忍び寄るのはアリスの方が上手なようですね」
 マント状の漆黒のアウルに身を纏い、潜行したアリス・シンデレラ(jb1128)はジャイアントスパイダーへと大鎌を振り下ろした。
 認識障害に陥り、なお且つ奇襲を受けた一体は、ところ構わず粘糸を吐き散らす。
「どちらを向いているの? アリスはここですよ」
 翻弄するように、アリスの鎌が一度、二度、閃く。
 闇の支配者たる証でもって、自在に立ち回る。
「くっ」
 粘糸に片腕をからめ捕られたアデル・シルフィード(jb1802)は、短く持った刀で振り払った。
 短いタイムロスで拘束を解き、肩口へ噛みついてきた蜘蛛をそのまま迎撃する!
「大丈夫ですか!!」
 レグルスがロータスワンドに魔力を込めて、アデルに加勢した。
(紫ノ宮先輩から、事前にしっかりお話を聞いておいたの)
 大剣を構え、白兎は正面からジャイアントスパイダーとぶつかり合う。
 糸も吐き出せない至近距離で、毒を帯びる牙を剣で抑えつける。
 噛みつかれると厄介―― 予想以上に素早い動き―― それらを封じる、戦いを。
「……お前達に、構ってる暇は…… 無い」
 白兎が引きつける、そこへ翔が剣を振り下ろす!
「ここは、一気にカタをつけてしまおう」
 龍実の放つ氷晶霊符での一撃が、最後の蜘蛛を打ち砕いた。



●そびえしもの
「こんな……危ない技は、嫌いだけどッ!」
 混戦が落ち着いた状況を判断し、レグルスは仲間たちへ下がるよう告げる。

「でもッ! お前たちを倒せないことの方が! もっと嫌だッ!!」

 叫びと共に、アウルで作り出した無数の彗星が要塞へ――その城壁で矢を番えるサブラヒナイト達に容赦なく叩き込まれる。
 城壁は頑丈らしく、この攻撃によって崩れる様子はなかった。
「敵がひとりだけだと思うなよ」
 アデルは盾で魔法矢を受け止めながら距離を縮め、小天使の羽で上昇するとともに虹のリングを放ち、レグルスのサポートをする。
 術を使い切りレグルスが下がると、莉音、白兎に軽傷を治癒された仲間たちが進み出た。
「前の自分とは違うぞ…… それを見せてやる!」
 龍実の氷晶霊符、並び立つ莉音の召炎霊符の攻撃が、うねりとなって壁上の敵へ襲いかかった。
「おいで、エルダー」
 続いて、悠人が賢竜・ストレイシオンを召喚する。
「撃ち放て」
 エルダーは短い指示を汲み取り、ハイブラストでサブラヒナイトの一体を吹き飛ばす。
 悠人自身も魔法書で攻勢に入った。


 派手な戦闘を展開する一方で、門への攻撃も開始している。
「……こんな、門」
(門を壊せれば……また、奴の喉元に……一歩。近付ける)
 巨大な鉄扉を忌々しい使徒に見たて、翔は攻撃を加えた。激しい金属音が響く。反動で腕がしびれるのも厭うものか。
「散々溜まっていた鬱憤。全力で門にぶつけさせて貰う……よ」
 そう呟く翔は、薄く笑っていたかもしれない。
「ここの門は…… 別の要塞と同じ強度なの?」
 白兎は、南要塞への偵察経験がある。
 アウルの衣による加護を維持しながら、翔と共に門へ衝撃を与える。
 この、門の向こうには―― そう考えると、破壊の兆候に気を配ることも重要になってくる。
 深入りは禁物。そして、なにが待ち構えていてもひるまないこと。
「開く仕組みになっているって事は、閉める仕組みがあるって事よね」
 両開きの門、その合わせを狙い、アリスが縦一直線に鎌を振り下ろす。

「内側の鍵や、かんぬきを断ち切らないと、同じことの繰り返しじゃないかしら……!」

 一度や二度で、壊れるような造りではない。しかし、狙う箇所を絞って、全員で当たったなら――?
 扉を粉砕する必要はない、『開ける』ことさえ出来れば突入できる。
 そして『閉める』ことができなくなれば、それでいい――それが、良い。
 たしかに、敵は人間と違い、無尽蔵に近く送り込まれてくるかもしれない。
 しかし『要塞に追い込まれ立て籠っている』のは、他ならぬ天界勢なのだ。
 攻撃拠点としての、要塞ではない。少なくとも、今は。
 そうであるうちに叩き落とせという作戦であるならば。
「力は、敵を倒すためだけじゃないッ」
 レグルスもまた、扉中央部分へと攻撃を集中させる。
 それを合図に、一斉攻撃が始まった。



●開かれた先
 遂に門を閉ざすパーツが断ち切られた。
 翔、白兎の力押しにより、重い扉が勢いづいて向こう側へと開かれる。

「行きますよ!! ――主よ、我に力を与えたまえ」
 距離を保ち、瞬間を狙っていたシセロが発声とともにクイックショットで群れを為して飛び出してくる骸骨兵士の出鼻を挫く。
「纏わり……つくなよ」
 遠距離攻撃による支援で充分な間を得た翔が剣を構え直し、射程に収めた骸骨兵士たちを封砲で吹き飛ばす。
「新しい僕の盾……しっかり守ってくれよ、僕がみんなを助けられるようにッ!」
 前線へ身を滑らせ、レグルス自身が盾となる。恐らくは、扉への攻撃が始まった頃から備えていたのだろうサーバントの群れが、波のように押し寄せてくる。
 一人で全てを受け止めることは流石に無理、下がったところからこぼれるようにあふれるように骸骨兵士たちは飛び出してくる。
「来たわね…… まとめて串刺しにしてあげるわ!」
 そこを待ちかまえていたアリスが、罪を貫く闇の槍を仕掛ける。味方をも巻き込む危険な技だが、初手であればその恐れも少ない。
 闇の支配者たる証と併用し、神出鬼没に打ち果たしてゆく。
「ランバート、攻めるぞ」
 悠人は再びスレイプニルを召喚すると、フランベルジェを手に召喚獣へ飛び乗り、騎乗戦を展開する!
 骸骨の群れに飛び込み、斬りつける。
「退路の確保も、忘れないでくださいね!」
 召喚獣が帰還し、取り残された悠人への道をアリスがつける。
「二人とも、こっちだ!」
 アデルの援護が加わり、悠人とアリスは仲間たちの敷く、門付近の前線へと戻る。

 龍実がスピードを活かし、ホワイトジャイアントへ薙ぎ払いを掛ける。
「今だ、翔!!」
「……ん。逃がさない、よ」
 呼び声に、翔が応じる。剣の重さそのままを、足元へ叩きこむ。
「仲間を傷つけさせない為に頑張るの!」
 門へ攻撃を与えていた大剣を、今度は盾に。
 白兎が、ホワイトジャイアントの一撃を、シールド活性化で受け止める。
「……逝け」
 そこへ、距離を図りきった快晴が渾身のクレセントサイスを発動させる!
「ふ、ふわ」
 眼前で、白兎を巻き込まないようギリギリのラインで、三日月の刃が踊り巨人を刻む。
 一撃で倒すまではいかないものの、カオスレート補正での攻撃は強力で、ボロボロと石のような表皮が削れ落ちている。
 気を取られかけていた白兎が我に返り、未だ静止中のホワイトジャイアントの背後へ回ると膝裏を狙い大剣を打ちつけた。
「……俺にできるのは……ここまでだが」
 快晴は拳銃の射程ギリギリまで離れ、援護射撃へと完全に切り替える。
 入れ違いに、薙刀を手にした莉音が正面から加勢に入った。


「なかなか……長いな!」
 所有スキルを使い果たした仲間も少なくない。
 シバルリーで防御の底上げをしたアデルは、ホワイトジャイアントへと相手を切り替える。
(固い、が―― やはり魔法攻撃の方が通るか)
 攻撃の一つ一つの感触を、身に刻む。

「癒しの風です、よー」

 周囲の疲弊を見てとって、白兎が合図を送る。
 敵を含まないよう下がった位置で、味方に回復を掛ける。
「白兎さんも」
 ホワイトジャイアントを相手取るメンバーは少なく、受けるダメージひとつひとつも大きい。
 どうやっても長期戦となる。
 無理し過ぎないで。案じるように莉音が白兎へライトヒールを施した。




「あ……後はよろしくお願いします!」
 加勢の撃退士達が到着し、肩を叩かれるとレグルス達は戦いを託す。
 手短に戦況報告をしようとした龍実が、チラと振り向き息をのんだ。
 門を開ける、今回の任務はそれで充分―― 充分であったが。
 龍実の反応に、他の面々も気づき始める。
 開けた扉、その先で、待ちかまえる軍勢に。
 もし、誰か一人でも要塞内へ深入りするようなことがあったなら……
 想像すると、背筋に冷たいものが走る。
 扉を開かれ、前線のサーバント達が殲滅されても、微動だにせず敷地を守る――そう指示をされているのかもしれないが、そのことが何より不気味だった。


 何を守る?
 監視塔、だろうか。
 扉を開き、その先にあるもの。
 それを崩さなければ、要塞制圧とは成らない。
 東要塞攻略戦は、その名の通り、まだ扉が開かれたばかりだ――。


(――ねぇ。引き籠っていても……無駄。だよ)
「はやく、出て来い」
 翔が、打ち砕かれた扉の向こうに呼び掛けた。
(まだ拝めてもいない奴の顔、だけれど。……奴の顔が……渋くなるの、が。……少しだけ、楽しみ)
 さぁ、この動きを受けて、奴は―― 六星枝将の長であった米倉 創平は、どんな反応をするのだろうか?



依頼結果

依頼成功度:成功
MVP: 夜の帳をほどく先・紫ノ宮莉音(ja6473)
 絆紡ぐ召喚騎士・久瀬 悠人(jb0684)
 紡ぎゆく奏の絆 ・水無瀬 快晴(jb0745)
 期待の撃退士・アリス・シンデレラ(jb1128)
重体: −
面白かった!:4人

希みの橋を繋ぐ・
姫川 翔(ja0277)

大学部4年60組 男 ルインズブレイド
祈りの煌めき・
若菜 白兎(ja2109)

中等部1年8組 女 アストラルヴァンガード
夜の帳をほどく先・
紫ノ宮莉音(ja6473)

大学部1年1組 男 アストラルヴァンガード
クオングレープ・
cicero・catfield(ja6953)

大学部4年229組 男 インフィルトレイター
『山』守りに徹せし・
レグルス・グラウシード(ja8064)

大学部2年131組 男 アストラルヴァンガード
遥かな高みを目指す者・
志堂 龍実(ja9408)

卒業 男 ディバインナイト
絆紡ぐ召喚騎士・
久瀬 悠人(jb0684)

卒業 男 バハムートテイマー
紡ぎゆく奏の絆 ・
水無瀬 快晴(jb0745)

卒業 男 ナイトウォーカー
期待の撃退士・
アリス・シンデレラ(jb1128)

中等部3年5組 女 ナイトウォーカー
魔を祓う刃たち・
アデル・シルフィード(jb1802)

大学部7年260組 男 ディバインナイト