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マスター:佐嶋 ちよみ
シナリオ形態:イベント
難易度:易しい
参加人数:25人
サポート:1人
リプレイ完成日時:2014/05/24


みんなの思い出



オープニング


『嫌なご時世だと思わない?』
「あー、まったくだな」
 電話の向こう、二卵性双生児の姉である成実の言葉を話半分に聞き流し、筧 鷹政(jz0077)は溜めこんでいた書類内容をパソコンへと打ち込んでいた。
『世は春! 冬の寒さも年末年始の強行軍も決算の地獄も乗り越えての春! なのに!』
「社員旅行中止だっけ? ナルちゃん、ゴシュウショウサマー」
『社員も雇えないタカ君、ゴシュウショウサマー。ブラインドタッチはできるようになった?』
「うっせ。切るぞ」
 血を分けた双子でありながら、姉の成実は頭の出来が非常によろしく、良い大学を卒業し一流企業でバリバリ働いている。
 そんな彼女でさえ、春先の社員旅行――一泊二日のキャンプ――を楽しみにしていたのだというから微笑ましい。
『決まったことは仕方ないのよ、事情が事情だしね。それで、折角だから良い話を流してあげようと思って』




 久遠ヶ原学園、斡旋所。
「よ!」
 見慣れた赤毛の登場に、斡旋所の男子生徒は顔を上げる。
「あれ。こっちで顔を合わせるのは久しぶりですね、先輩」
「新緑シーズンだぜ、遠足の季節だぜ、炊事遠足行こうぜ!!」
「……小学生ですか」
 顔を合わせるのは久しぶりなのだが、相も変らぬようであった。


 話をまとめると、こう。
 鷹政の姉が勤める会社の社員旅行が事情により中止となり、浮いた予約を学園の皆さんへ、ということだそうだ。
 一泊二日の日程だったが、参加人数や準備費用などをスライドさせた都合でコンパクトに日帰り。
「それはまた」
「冬に、世話を掛けたからさ。その礼も兼ねてるんだと。ま、それは俺からもね」
 完全にプライベートな旅行先で遭遇した事件に、鷹政が助けを求めたのは今年の二月頃か。
「優先ナシの先着25名、仕事じゃないから報酬は出せないけど、羽を伸ばして魂の洗濯でもどうでしょう」

 場所は、関西にある山間のオートキャンプ場。
 少し下ると川があり、――泳ぐには気合が必要だが、足を浸すくらいは楽しめるだろう。
 釣り具のレンタルもあるが、獲物は小魚くらい。
「バーベキューに必要な道具のレンタル費用、人数分の基本的な材料は俺が持つよ。ただし、食べる量が多い人は自前で追加用意してな」
 パンフレットを指し、細かな説明を足していく。
「へぇ、この人が管理人なんですか」
「若いよな。四十前くらい?」
 キャンプ場経営は老後の趣味でー、なんて印象が強いが、まだまだ働き盛りといった男性の写真がページ最後に載っていた。
 爽やかな笑顔と、年齢相応の落ち着きがある。
「……先輩、いくつでしたっけ」
「言うな。聞くな」
 パッと見は20代半ばを超えたくらいの鷹政だが、言うな、聞くな。
「お姉さん、すごく残念がってたんですよね。わかる気がします」
「? どういうこと?」
「……わかる気がします」
「どういうことなの」
 酷く残念そうな目で見上げる男子生徒の頬を、鷹政はギュムと引っ張った。





リプレイ本文


 季節は春から初夏へ、着々と移り変わっている。
 街中はビルだのなんだので気温上昇も甚だしいが、山の上には涼やかさが残っていた。
 余計なものの一切ない、緑豊かな大自然。
 いざ満喫、炊事遠足!




「最近になって思った、リフレッシュマジ大事」
 キャンプ場を見下ろし、久瀬 悠人(jb0684)があくび一つ。
「悠人さん!」
 慌てて炊事場から駆け上がってきたのは地領院 夢(jb0762)、年の離れた小さな友人だ。
「皆さん、始めてますよ。一緒にお手伝いしましょうよ」
「……知ってるか、夢」
 眠たそうな眼差しをそのままに、悠人が腰に手を当てた。
(真剣なお話かな……?)
 釣られるように、夢も姿勢を正して青年を見上げる。
「邪魔にならない、ってのも立派な手伝いなんだぜ」
「もーっ!」


 用意されていた食材と持ち込みによる+αで、炊事場は賑わいを見せていた。
「ヤルからには全力でだな」
 シャツの袖をまくり、ダッチオーブン三台を傍らに調理を開始するのは強羅 龍仁(ja8161)。
「あ、俺……手伝います」
「ん?」
 降ってわいた声に、龍仁が振り返る。青髪の長身の青年が、反応を伺うようにおずおずと佇んでいた。
「高等部の、真城木……です。えと、小野の」
「俺の可愛い幼馴染でっす☆ 強羅さん、今日は特製メニューあるん?」
 真城木貴行(jb0978)の背へタックルしながら、小野友真(ja6901)が参上する。
「ああ、友真の…… ……似ないでよかったな」
「……あ、血縁は無い、ので」
「圧倒的ツッコミ不足」
「一臣も来てるんだろう?」
「向こうで、筧さんとビール飲みながら炭火班ー。ので、こいつ、置いていきますね!」
「わ、わわ、……小野は、どうするんだ?」
「肉を! 焼く!!」
 幼馴染を突きだし、ヒーローは風のように去って行った。
「……だそうなので。俺でよければ……手足に使ってください」
「そいつは助かる」
 フッと笑い、龍仁はメニューの説明を軽く始めた。
 チキンとラム肉は、ロースト用。
 ビーンズをメインにした、スープのチリコンカーン。
 食後のデザートとして、ベイクドストロベリーケーキというラインナップ。
 他に、石窯を使ってピザも焼く。
 バーベキューだけでは胃に重いだろうと考え、あれこれ楽しめるよう考えてきた。


「昼間からのビールって最高だよねー」
「帰りの運転を気にしなくていいって極楽だよな」
 駄目な大人トークを展開しているのは、加倉 一臣(ja5823)と筧。炭火班である。
 薪と炭を組み、固形燃料に着火して風を送る。コンロは三台あるので、行ったり来たり加減を見ながら。
「筧さんのおごりと聞いて!」
 クーラーボックスを傍らに下ろしたのは月居 愁也(ja6837)、生粋の道産子。
「遠足といえばおにぎりとジンギスカン! 漬込タイプの肉は地元から取寄持参しましたよ!!」
「え、マジで? 俺も、豚と鶏は適当だったんだけどラムだけは頑張った」
「だと思って、俺はタレをがんばりましたよね」
 スッ……
 一臣が、手荷物から道民にしかわからない秘伝のタレを取り出す。

「BBQで羊とか、本土はまずやらへんな」
「「本土発言」」

 戻ってきた友真が、三人の盛り上がりへ激震を与えた。
「へぇ、加倉さん達はジンギスカンか」
 ヒョイと、後ろから若杉 英斗(ja4230)が顔を出す。
「若様も食べよーぜー」
「材料とか、差し入れ、用意して来てないんですよね」
 愁也の誘いに、英斗が暫し考え。
「じゃあ……若杉 英斗、ジンギスカン踊ります。おいしくできるよう願いを込めて(倒置法)」

♪ラム・ラブ ラム・ラブ
♪ジンギス☆カァン
♪十勝の恵み 日高の恵み
♪みんなまとめていただくよ
♪オホォーツク!

 自作ミュージックでポーズを決めッ☆
「……わかった、ちゃんと手伝います」
 腹筋崩壊して蹲る愁也と一臣、手拍子あわせて一緒に友真が踊り出したところで、英斗は素に戻った。


 湧き水を引いているらしく、炊事場の蛇口をひねると冷たい冷たい水が噴き出してくる。
 龍崎海(ja0565)は、反射的に手をひっこめた。
「さすが、山の中だね……。お茶も美味しく淹れられるかな?」
 飲み物は、ペットボトルに入れずこちらで味わおうと茶葉を持参していた。
 ヤカンに一杯の水と、それから米を炊くための水を汲みながら、海は改めて周辺をグルリ眺める。空気も美味しい。
「重いですよねっ。一つ、持ちます」
「ああ、ありがとう」
 夢が、よいしょと小さな体でヤカンを持ち上げた。
「肉を食べていると、米も食べたくなるんだよね。これくらいで足りるかなぁ」
「炊き加減とか、難しいって聞きました。でも、みんな揃って食べれば美味しく―― 悠人さんはもっと働きましょうよっ」
「よ〜しチビ、あっち向いてホイでもしようぜ〜」
 木陰に腰を下ろし、ヒリュウのチビと戯れている年上の友人へ、夢は振り返っては叫んだ。
「しかも負けてる……」


「炭火OKー。使う人、こっち来t 強羅さん、最初からクライマックスだね……」
 筧が炊事場へ声を掛けると、下準備を終えた龍仁が貴行とともにダッチオーブン三台を手に姿を見せた。
「石窯は?」
「温度が上がるまで、もう少し掛かるかな。……っと、そちらは?」
「は、初めまして…… 真城木貴行、です」
「あぁ、君が! 聞いてる、聞いてる。俺は、卒業生の筧な。よろしくどうぞ」
 互いに空いている手で握手を交わす。
「摘まみ食いなんぞせずに、良い子で待ってろよ?」
「……ジャッジメントチェーンの季節には、まだ早いかなって」
 昨年の夏を引き合いに出し、筧は龍仁へ苦笑いを返す。
「鷹政」
 去り際に、ふと龍仁が足を止めた。
「あとで、時間を取れるか?」
「強羅さんのお手製デザート分、しっかり空けておきますよ。コーヒータイムでいい?」
 ――言わずとも、用件はわかる。
 言わずともわかるから、きちんと言葉にしておくべきなのだろう。




 さく。さく。芝を踏む音が小気味よく響く。
(晴れてんなー……)
 キャンプ場ではしゃぐ声が随分と遠くなってきたところで、影野 恭弥(ja0018)はボンヤリと空を仰いだ。
 渦巻く陰謀あるでなし。
 警戒すべき何かがあるでなし。
 レンタルの釣り道具一式を片手に、恭弥は静かな上流を目指す。
「それっぽくなってきたか」
 川の流れが急になり始め、川の両端に岩肌が見えてくる。
 時折、パシャンと川魚が跳ねた。飛沫がキラキラと輝いては落ちる。
(……この辺り)
 対岸が、生い茂る木々で日影となっているポイントを見つけ、恭弥はそこを釣場と決めた。
 手早く準備を進め、岩に腰掛ける。
 スナップを利かせて釣り針を投じる。
 碧空を、野鳥が鳴いて飛んでゆく。
 穏やかな、穏やかな時間。


 散策路を通り、釣り場へ向かう人影二つ。
 九条 白藤(jb7977)、九条 静真(jb7992)の姉弟だ。
「たまには、ゆっくりと過ごすのもえぇね」
 柔らかな風が髪に絡んでは逃げてゆく感触が心地いい。
(転ばんように、注意せな……)
 姉が。
 陽気な白藤と並んで歩きながら、静真はクールにそんなことを考えていた。
 言葉が無くても、肌に触れる自然の匂いが全てを伝えてくれる。
 賑やかな学園も良いけれど、こうした落ち着いた時間も大切にしたいと―― 白藤がそう考えているところに、視界の端に黒い影。
 どこかで見た…… 否、見慣れた。それは。その人は。
(……睦、さん……?)
 白藤が店主を務める老舗呉服屋【九条屋】の常連・志摩 睦(jb8138)、だと思う。
(写真……やろか)
 声をかけようか――でも――
 悩む白藤に気づかず、静真は先へ進む。
 もうすぐ散策路が終わり、釣り場の一つに着く頃だ。別れてしまう、離れてしまう――
「静真、待っ ……ぃ……っ」


「うむ、平和やのぅ」
 中流で、のんびり釣り糸を垂らしているのは麻生 遊夜(ja1838)。
 伸び気味の黒髪を、風がさらさらと撫でては過ぎる。
(やはりこういうイベント事は、心が洗われるねぇ)
 親しい友人たちは、真っ先にジンギスカンやら何やらで盛り上がっているようだった。
 こちらも、魚が釣れたら差し入れに持って行きつつ御相伴にあずかろう。
(大物ではなくても…… 釣れたらやけども、ね)
 スタートして20分。
 ぴくりともしない釣り糸に、何やら達観した笑みを浮かべつつ。
 こんな一日の過ごし方も、きっと良いだろう。


 キャンプ場から少し下った川の流れは幅が広がっていることもあり、緩やかだ。
 水遊び可能ということだから、念には念を。
 濡れても良いように服の下には水着を装備、清純 ひかる(jb8844)が釣りに勤しむ。
「それ、なんだ?」
 既に川の中でエンジョイしていた鵜飼 博(jb6772)が、水の中から不思議そうにひかるへ問いかける。
「ツリザオ。魚を取る道具だよ。これでも故郷に居た頃は、釣りの清純と言われたんだ」
「へーっ。でも素手で取った方が早くね?」
 キラッと王子様な爽やかな笑みを浮かべるひかるへ、博、にべもない。
 天使の羽を隠すことなく伸び伸びさせて、小魚や川エビなどを捕まえては戯れる。
「おっ、と」
「危ない!」
 石に足を滑らせた博。
 ハッとして、ひかるは釣竿を横に置き手を伸ばす。

 ――ばっしゃん

「あっはは、濡れてやんの!」
「ここは既に僕の領域だ! ……って、ぷはっ。ケガはない?」
「へーきへーき! 気持ちいいな!!」
 互いにずぶ濡れになり、二人は顔を見合わせて笑い合う。

「……何をしているんですか」
 アイシス・ザ・ムーン(jb2666)は、お気に入りの本を抱きしめながら同行者の博を半眼で見遣った。
「あんまり騒ぐと、魚が逃げてしまいますよ」
 素足になり、そっと流れに足を浸す。水の冷たさに、思わず紫色の瞳を固く閉じた。
 太陽も、陽光にさらされた河原の石も、あんなに暖かいというのに。
 絶えず流れる川の水の清らかな冷たさよ。
「アイシスも一緒に泳ごうぜ!」
「私は泳がないのですよ。本が濡れるのです」
「置けばいいじゃん!」
「こうやって、静かに童話を読みたくて来たのです」
「童話はいつでも読めるけど、魚はここでしか取れないぜ! ほら!」

「あ……」
「あ!」

 博が掬い上げた小魚がピチピチ跳ね…… アイシスの愛読書に少しばかり水滴を飛ばした。
 この日。
 川の水より冷たいものを、博は身をもって知ることとなる。




 野鳥が枝から枝へ移るたび、さやさやと木々が揺れる。
 小動物や虫の鳴き声、生命の気配がそこかしこに感じられる散策路は、優しい木陰に守られた遊歩道だ。
「春の野山に遠足って何だか懐かしい気分になるね、リーダ」
「春は問題ないですけど夏は辛そうです」
「焼かれるよね、きっと」
 インドア派のリディア・バックフィード(jb7300)が先の事まで考えて、並んで歩く天宮 葉月(jb7258)が明るく笑った。
(最近は色々あったし、ゆっくり休んで気分転換しよう♪)
 何気なく通り過ぎる傍らには、木苺が色づいていたり。
「あ、これ食べられるやつだね」
 足を止める葉月に合わせ、リディアも覗き込む。
(……これは)
 歩道の向こうには山菜なども見受けられたが、彼女の興味を引いたのは小さな足跡。
「この森は小動物が出る。確保しますか」
「かっ、確保?」
「私の図書館には新たな実験体が必要です」
 『バックフィード図書館』の主は、真剣な表情で友人へ頷く。
「でも……。ここで生活してる子たちを、勝手に連れ帰っていいのかな」
(リーダも図書館で飼ってるし、好きそうって思ってはいたけど)
 葉月はモフモフできれば充分と考えていたので、リディアの発言に驚いた。
「可能なら、ですね。もちろん、ケガなんてさせたくありませんし。それに……」
(今のペットに友達がいるはず。あの子たちに、寂しい思いをさせたくない)
 少しだけ、リディアの表情が曇る。
「散策を楽しみましょう。確保はもちろん、念頭に置いて」
 波打つ金髪を背へ流し、リディアは一度、気持ちを切り替える。
 葉月が何を心配しているか伝わったから。
「この時期食べられる野草って言うと、タラノメとかワラビかな? 見つけたら散策帰りに炊事スペースで調理して食べよう♪」
「毒草の類には要注意ですね」
 歩調を落して、少女たちは再び進み始めた。


「遠足…… 行軍の軍事教練か……」
 散策路から外れ茂みの中。
 伏せた姿勢で周囲の気配へ神経を研ぎ澄ませるは歌音 テンペスト(jb5186)。
(昔のあたしは、遠足が嫌で醤油を飲み熱を出して休んだもの……。でも、今回は逃げない……!)
 弱いあの頃とは違うんだ!!
 野外給食の教練も、華麗にクリアして見せようではないか。
 空色の髪と瞳を持つ少女は、さながら軍人……あるいは狩人……場所が場所だけに純然たる不審者といった雰囲気を纏っている。
「ふふふ。爬虫類・両生類・幼虫・成虫……自然界は良質なタンパク源に満ちているわね」
 地中からの戦利品は、順調に増えている。
「あとは…… 肉。肉が欲しいところよ」
 狩ってから熟成させた方が美味いが、それはそれとして。
 歌音の視界の端で、小さな影が動く。――野兎!

「皆の空腹を満たすぜ、エイエイオー!」
「……目標発見。確保します、逃しませんっ」

 歌音が縄を投じるより早く、異界から呼ばれし無数の手が兎を捕えた。
「はい、ハヅキどうぞ」
「……リーダ」
 小さくやわらかな温度が、リディアから葉月の腕へと預けられる。
 ケガ一つ負うことなく、何が起きたかもわからず、野兎はキョロキョロと周囲を見回している。
「ふふっ、くすぐったい!」
 兎をモフる葉月の後ろ、樹上でリスの親子がこちらを覗いており、リディアの視線に気づくとささっと逃げていった。
 自然には、自然の生活が家族がある。
 小さくも逞しく生きるこの命を、連れ帰るかそっと見送るか、リディアは遠足が終わるまで少しの間、考えることにした。
「今回は、あたしの完敗ね……。仕方がないわ、譲ってあげる」
 ぽん。
 歌音は、リディアの肩を叩くとクールな笑みを浮かべ、その場を後にした。




「おっしゃ、火加減もバッチリやな! ガンガンいっk」
「野菜からだよ野菜から!!」
 持ち込みのジンギスカン鍋へラム肉投下しようとした友真をバシーして、ジンギスカン奉行・愁也がキャベツにもやしを広げていく。
 匂いに誘われ、木陰で休息していた十八 九十七(ja4233)も輪に加わったタイミングで、

「ジンギスカンと聞いて!」
「ごはん、炊けました……よ」

 ギィネシアヌ(ja5565)が、貴行とともに炊きあがったご飯を持って登場。
「いくつかは……おむすびにしました。味噌だれで、焼きおにぎりも作れるかなって」
「あ、じゃあ、こっちの網に乗せてよ」
 一臣が貴行を手招きする。
「? 一臣さん、それって」
「ホタテの香草焼き。お前用な?」
「……一臣さん、好きっ」
 片目を瞑る一臣へ、友真がしがみついたその行動が隙となる。
「ラム肉うっめぇ!!」
「ギィネ!? それ、俺の肉!!」
「オミ先輩には…… これを用意してるから……」
 ギィネシアヌは恥じらいの表情で、そっと白い円筒状のパックを差し出す。見覚えのあるそれは。
「ギィネ? なんで学食のカレーをテイクアウトで持ち込んだの?」
「大自然でカレーも美味しいのぜ……? パパ、いや?」
「愛娘の願いを断る父がどこにいるか!!」
「真城木くんは、もっと肉食え肉」
「……ありがとうございます、月居さん。俺、初ラム肉……です」
「あ。あとでね、焼きマシュマロもしようねっ」
 春名 璃世(ja8279)が、持参したパッケージを見せた。お楽しみはまだまだたっぷり。

「おーい! 手土産であるぞー!」

「麻生くん!!」
 陽気な声に、一臣が顔を上げる。
「小物でも焼いたり揚げたりすりゃ十分美味く食える、醤油があればどうとでもなるのだ」
 ニカッと得意げに、遊夜は釣果を提げて。


 下準備を一緒にした流れで、海や夢たちは共に穏やかなBBQを。
「あ。お茶の味が違いますね……美味しい」
「良かった、荷物も軽量化できたしね」
 水が違えば、同じお茶でも味わいが変わる。
「……夢、俺を助けろ」
「取り合わなくても……、こちらのお肉が焼けてますよ?」
 ヒリュウのチビと焼き肉の奪い合いに陥っている悠人のヘルプへ、夢が『仕方ないなぁ』と困った風に笑った。
「九十九折さん、食べてる?」
「あっ、は、はいなのです」
 海に声を掛けられ、九十九折 七夜(jb8703)は驚いて顔を上げる。
「こうやって…… 持ってきたピタパンに、焼いたソーセージとお野菜を挟むです♪」
「おー、便利そうだな」
「これなら手も汚れにくいし、お片付けの手間が省けるのです」
 七夜の説明に感心している間に、悠人の肉は再びチビに奪われる。
「こっち、肉たりてるー?」
 ラムは、あらかたジンギスカンチームに回ったが、他の材料は余裕がある。
 筧が顔を出し――召喚主と召喚獣の仁義なき戦いに笑いを零した。
「鷹政お兄さんも、おひとついかがなのです?」
「こいつは可愛らしい差し入れだな、ありがとう。えーと、九十九折さんだったね」
 小等部1年の彼女は、今回が初めて一人での遠出だったっけ。
 具材ぎっしりサンドしたピタパンを差し出され、筧は頭を撫でながら受け取る。
「こうやって野外で料理をするのも楽しいものだね……。さぁ、清純ピザ完成だ!」
 石窯から、焼きたてのピザをひかるが運んできた。
 川での戦利品もトッピング、現地ならではの味。

「筧のおっちゃーん、貴重なタンパク源だぉ!」
「歌音さん、アウトォオオオオ!!」

 火であぶった大地の戦利品(映像化危険)を木の枝に刺し特攻する歌音を、筧は体を張って止めた。
 たぶん、夢や七夜に見せてはいけない類。
「若い人の会話に入っていけないだろうと思って、差し入れに来たのに。加熱すると格段に美味しくなるのよ!?」
「野外給食的にはMVPなんだけどね……!」




 賑わいを冷かしながら、筧は少し離れた場所に広げたテーブルセットに腰を下ろす。
 ハンドドリップコーヒー、二人分。
 カップを挟み、向こう側には龍仁が座っている。
「鷹政。『あの子』に何があったか、俺は知らないが―― ……」
 切り出したのは、龍仁だった。
 言いかけ、鋭い眼差しにぶつかり、龍仁は言葉を飲む。鳶色の瞳が、真っ直ぐに龍仁を見据えている。
「……傍にいるだけが、全てじゃない。離れることが大事な時期も、あるんだ」
 珍しく、どこか突き放したような言葉。強い声音。
 今まで、それとなく濁してきた。
 その度、龍仁が間に入って立ち回ってくれたことを筧も知っている。
「『どうか、元気で』……今の俺が、アイツにしてやれるのは見送ることだって考えてる」
 この青い空の下、元気に冒険しているだろうと想像する。
 戻って来ること。
 その願いが『あの子』を苦しめると筧は知っていて、きっと龍仁は知らない。
 理由は、今は、誰にも話せない。
「親子だよ。それは、ずっと変わらない」




「貴方残念なんでしょう! 残念ながら!」
 ズバン、と割り込んできたのはエルナ ヴァーレ(ja8327)であった。
 シリアスな空気なんてなかった。
「……えー。どなたですか」
「どうしたら残念じゃなくなるか占ってあげるわ!」
「見てもらったらどうだ、鷹政」
「こっち見て言えよ、強羅さん」
 声を押し殺して肩を震わせる友人を、筧は半眼で睨みながら魔女なるエルナへ席を用意する。
「それでは。結婚は25歳までにしておきな……」
「……」
「…………」
「え? あぁ、なんかごめんなさい……就職は大企業が……あ、フリーランスよね……。えーっと、うん……だ、大丈夫! そんな貴方に開運アイテムよ!」
 二人の視線を受け、エルナは占い相手のプロフィールを思い出して口ごもる。
 気を取り直して、胸の谷間からカードを三枚、取り出した。

 筧鷹政ブロマイド×3

「…………」
「3枚セットがポイントよ? いいわね! これで脱残念よ!!」
「残念を越えた何かになりそうな気がするね って、いつから俺、残念になったの……?」
 微妙なぬくもりの残るカードに手を伸ばしあぐね、筧が額を押さえる。
「魔女様、何してんの?」
「加倉の知り合いか、納得したわ」
「筧さん、どういう意味……。あー、占いか。面白そうだから頼んでみようかな」
「……ディバインが向いてるって出てるわ。耐久力的な意味で」
「ポーズだけでも良いんで、占いらしい行動してくれませんか。振り向きもしないで!」
 手をひらひらさせて一言で切り上げた魔女へ、一臣が机をバァンする。
「あ、そうだ。片付けも終わったし、誘いに来たんですよ。 \撃退士バドミントン/ やるでしょ、筧さん?」
 ――去年のビーチバレーの借りは返しますよ
 そう付け足す一臣へ、筧と龍仁が視線だけを交わす。
「行って来い。『ジャッジメントチェーンの季節には、まだ早い』だろ?」


 後片付けは、チビも一緒に。
 夢が、ちらりと悠人を見上げる。既に彼は昼寝を所望している顔である。
「この後、トレッキングもと思ったんですけれど……疲れますよね」
「……散策なら」
 ぽふ。
 ションボリする夢の頭を撫でて、悠人は最大限の譲歩を。
「良いんですか? 嬉しいです! 食べれる野草もあるって……悠人さん、わかります?」
「食べられる草な〜、この時期だとウスバサイシンとか? ワラビもあるかもな」
 散策路入り口へ向かいながら、悠人が指折り数えると、意外だと言わんばかりに夢が瞳を大きくする。
「……なんだその意外そうな顔は。俺はこう見えても博識だぞ」
 大学生なので。
「わ、わ、凄いですね。……すっかり忘れてました」
 大学生だということを。
 歳の離れた友人同士。手に手を取ってではないけれど、適度な距離で遠足最後の時間へ向かった。




「し、静真えぇて大げさな!」
 足をひねった白藤は、釣りをするはずだった川へと足首を浸し。
 治療できる誰かを探してくるという弟の袖を引っ張った。
「静…… ……わかった」
 心配なんだ、と言外に瞳で訴えられ、姉は大人しくなる。
『待 っ て て』
 口パクで伝え、静真は歩いてきた散策路を引き返した。


「ギザミミ! ギザミミなのです!」
 どうやら童話の主役と似ていたらしき野兎発見、アイシスのテンションが上がる。
「ギザミミってなんだ? レアなのか!? 捕まえて食べるんだぞー!」
「食べるのはダメなのです、――あっ」
 追いかけ回す博が、クイックターンする兎についてゆけず、そのまま進行方向の木へまっしぐら――
「シートン!」
 激突と共に、謎の断末魔をあげて気絶した。
「さ、流石うさぎのギザミミなのです……速過ぎるのです」
 肩で息をして、アイシスも野生の強さを見送った。
(かわえぇ二人やな)
 風景写真を撮っていた睦が、微笑ましい光景に遭遇してデジタルカメラを降ろす。そこへ。
「え……? 静真くん……って、どうしたの!?」
 顔なじみの少年が、手招きしていると思ったらあっという間に睦の手を引いていた。
『こ っ ち』
「わかった、行く、行くから、大丈夫やから」
 こんなに焦った静真は珍しい。
(どうしたんやろ……)

 緑が開け、河原に出て……
「……白藤ちゃん? どないしたん?」
「む、睦さん!? なんで此処に……」
「足、捻ってもうたん?」
 白藤が一人、川で足を冷やしていること。
 静真の焦る姿から、睦はそう結びつける。
 下から上へ、白藤の肌が赤く染まる。
「……そか、せやから静真くん焦っとったんやね。捻挫は甘く見たらアカンし、手当てさしてな?」
 穏やかな声に、白藤は眉根を寄せて無言でうなずくしかできなかった。
『だ い じょ う ぶ?』
 手当の間、静真は何もできない。その分、折角来たのだから釣りをしよう。
 釣り糸を垂らしながら、空いてる手で姉の髪をそっと撫でる。
 白藤は右を見て左を見て天を見て、それから絞り出すように声を出した。
「こないだは、堪忍な……?」
 色んな感情が溢れて、形にすることが難しくて。
 ようやく発した白藤の言葉に、睦はパチパチとまばたきをする。
(……こないだって、アレの事やろか。うちはそない気にしてへんのやけど……)
 でも、白藤は気にしていたということ、なんだろう。
「今度、よければ、うちとお茶して? うちの事も、やし……、睦さんの事も。お話……聞かせてくれへん?」
「……お誘い、ありがとうやで。うちも、白藤ちゃんといっぱいお話して、ちゃんと……友達になりたい」
 手当を終えて、睦は白藤と視線を合わせる。安心させるように、優しく微笑んで。
「おおきに……。……睦さんが心配してくれるよって、少しは……うちも気ぃつける」
「心配だったら、静真くんかて」
 睦の言葉に、静真はゆっくり首を振る。
『あ り が と う』
 色んな感情を一つに集めて出てくるのは、そんな言葉。優しい言葉。




 散策路から少し外れた場所で、海はレンタルした毛布を広げる。
「昼寝にはちょうど良さそうだ。あとは、アラームをセットして、と」
 蚊や蜂といった厄介な虫のシーズンは少しだけ先で、昼寝をするのに気温もちょうどいい。
(帰る時間が過ぎてまで、ってなったら困るからな)
 先ほどまでの喧騒が、嘘のよう。
 川のせせらぎに耳を澄ませ、青年は静かに目を閉じた。




「はーい、みなさん輪になってー」
 一臣が号令を掛け、撃退士バドミントン参加者を集める。
「あれだろ! 最後まで立ってたヤツが勝者でいいんだよな……」
「……つまり倒せば勝ちやな?」
「バドミントン? 魔女様に勝てると思うなぁー!」
「輪? ……え? どういうことですか……?」
「総当たり戦だよ、真城木くん。たくさん肉食った分、発散しないとな!」
「まって月居君、同時総当たり戦とかナニソレ俺も知らない」

「……勝者に賞金は出ないんですの…………?」

 九十七が、凶器(ラケット)を装備して地獄の底より低い声で呟いた。
 一同の目が、一斉に赤毛の卒業生へ向けられる。

「ストップ! キャパオーバー! 撮っていいのは写真だけ、むしっていいのは雑草だけ!!」

「審議からのアウトォオオ!!!」
 友真の叫びがゲームスタートの合図となった。
「まずはサーブから…… えいっ!」
「あはは、春名さんは可愛いなあ」
 振りかぶっての盛大な空振りを披露する璃世へ、筧が呑気に笑う――その額をシャトルが襲った。
「まず筧さんから狙うべきと俺は思いましたくらえ精密狙撃ィ!」
「甘い!」
 ――が、その顔面はラケットで死守されている! 重さを跳ね返し、友真へリターンを掛けるが、

「ふっ……。この一撃を受ける為にシールドを手に入れたんです。よし、高身長盾とディバ盾よ頑張れ」
「いくぜいくぜいくぜー! YAHAAAA!」
「オミー!! ここで会ったが百年目ですの! 喰らい……やがれェェェェエエエ!!!」
「九十七ちゃん! なんか燃えてる! 摩擦で炎発生してる!!」
「春名さん、力を入れるタイミングをずらすといいですよ。……そうそう」
「わ! ありがとうございます、若杉さん! できた…… ありがとっ!」
「!? ラケットごと飛んでくるとはどういうトラップなの!?」
「……魔女様、危ない……!」
「まさか1ターンで試合終了とかさせねぇよ!?」

 貴行が庇護の翼を展開したのはエルナ相手で、一臣はあらん限りの回避射撃でシャトルを拾いまくった。
「盾ェェエエ!?」
 残されたのは、友真の叫び。

「縮地回り込みかーらーのー 鬼神一閃アターック!」
「あぁ”!!?」
「すみません人違いです人違いでしたやべェ俺の盾今日不在!!」
 機動力全開で愁也がアタックしたのはヒャッハースイッチ入った九十七ちゃんでした。
「愁也、貸一つ!!」
 一臣がスライディングでシャトルを拾い、その間に愁也はバックステップで避難。
「サンキュー、加倉さん!」
 かーらーのー、

「捕 捉 完 了」

 捕食者の目が、一臣をロックオンしていた。
 緑火眼開放中の一臣の背へ、それでも避けきれぬ強烈な九十七のアタックが極まる。
「くらえデスペラードシャトル! 3つ同時攻撃!」
「待って、この中にワイヤーをラケットに張ってるやつがいる!!」
 防戦一方の筧が叫び―― そっとラケットを持ち替えるギィネシアヌに気づく。
「……」
「……」
 にこっ。
 笑みを交わし、何も見なかったことに。




 気温が僅か、下がる。
 小さな変化を敏感に察知し、恭弥は目を開けた。
(時間か……)
 釣った魚で小腹を満たした後、陽気に任せて浅い眠りに浸っていた。
(団体行動は、これだから面倒だ)
 火を完全に消して、釣り具を方に掛けた。


 静真が白藤を背負い、姉弟と睦はゆっくりと集合場所へ向かう。
 そろそろ、迎えのバスが到着するはず。
(……あ)
 静真は、小さく笑んで背中を揺らす。合図に白藤も顔を上げた。
「わぁ、めっちゃ綺麗や……!」
(綺麗やなぁ……。うん、また、来たいなぁ……)
「写真、撮ろか。なんや、収まり切らん気もするなぁ」
 自然の生み出すものが、あまりにも美しくて、圧倒されながらも睦はカメラを手にした。
(……ゆっくりでえぇから、知っていきたい。うちの想い、白藤ちゃんに届くやろか……?)




「お世話になりました」
「どうぞまた来てください。シーズンオフなら、もっと格安で準備できますし」
 男前オーナーが、一行を見送る。
「応急手当道具も、次回は揃えておきましょうか?」
「あ、それは自己責任なんで。俺含め」
 撃退士バドミントン参加者も、見た目は傷だらけだが回復スキルでなんとかなっている。
 貴行だけ、名誉の負傷でラケットを受け止めた額に絆創膏が貼られているが。
 筧が手を振り、ゆっくりとバスが走り出す。
(今度は、皆一緒に来てみたいなあ♪)
 散策路で見つけた綺麗な花は、大切なお土産に。
 大冒険を終えた七夜は、ノートを抱きしめた。

「いい汗かきましたね♪」

 車内で璃世が配った、レモンと莓のシャーベットの味を、きっと忘れることはないだろう。
 窓の外には、一番星が輝きはじめていた。





依頼結果

依頼成功度:大成功
MVP: 仲良し撃退士・アイシス・ザ・ムーン(jb2666)
 遥かな高みを目指す者・九条 静真(jb7992)
 『魂刃』百鬼夜行・九十九折 七夜(jb8703)
重体: −
面白かった!:12人

God of Snipe・
影野 恭弥(ja0018)

卒業 男 インフィルトレイター
歴戦勇士・
龍崎海(ja0565)

大学部9年1組 男 アストラルヴァンガード
夜闇の眷属・
麻生 遊夜(ja1838)

大学部6年5組 男 インフィルトレイター
ブレイブハート・
若杉 英斗(ja4230)

大学部4年4組 男 ディバインナイト
胸に秘めるは正義か狂気か・
十八 九十七(ja4233)

大学部4年18組 女 インフィルトレイター
魔族(設定)・
ギィネシアヌ(ja5565)

大学部4年290組 女 インフィルトレイター
JOKER of JOKER・
加倉 一臣(ja5823)

卒業 男 インフィルトレイター
輝く未来を月夜は渡る・
月居 愁也(ja6837)

卒業 男 阿修羅
真愛しきすべてをこの手に・
小野友真(ja6901)

卒業 男 インフィルトレイター
撃退士・
強羅 龍仁(ja8161)

大学部7年141組 男 アストラルヴァンガード
祈りの心盾・
春名 璃世(ja8279)

大学部5年289組 女 ディバインナイト
撃退士・
エルナ ヴァーレ(ja8327)

卒業 女 阿修羅
絆紡ぐ召喚騎士・
久瀬 悠人(jb0684)

卒業 男 バハムートテイマー
絶望に舞うは夢の欠片・
地領院 夢(jb0762)

大学部1年281組 女 ナイトウォーカー
心重ねて奇蹟を祈る・
真城木貴行(jb0978)

大学部4年78組 男 ディバインナイト
仲良し撃退士・
アイシス・ザ・ムーン(jb2666)

高等部2年9組 女 陰陽師
主食は脱ぎたての生パンツ・
歌音 テンペスト(jb5186)

大学部3年1組 女 バハムートテイマー
太陽の翼・
鵜飼 博(jb6772)

中等部2年5組 男 アカシックレコーダー:タイプB
この想いいつまでも・
天宮 葉月(jb7258)

大学部3年2組 女 アストラルヴァンガード
金の誇り、鉄の矜持・
リディア・バックフィード(jb7300)

大学部3年233組 女 ダアト
歌よ、響け・
九条 白藤(jb7977)

卒業 女 アカシックレコーダー:タイプB
遥かな高みを目指す者・
九条 静真(jb7992)

大学部3年236組 男 阿修羅
宛先のない手紙・
志摩 睦(jb8138)

大学部5年129組 女 ナイトウォーカー
『魂刃』百鬼夜行・
九十九折 七夜(jb8703)

小等部5年4組 女 アカシックレコーダー:タイプA
撃退士・
清純 ひかる(jb8844)

大学部3年156組 男 ディバインナイト