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マスター:佐嶋 ちよみ
シナリオ形態:イベント
難易度:普通
参加人数:25人
サポート:2人
リプレイ完成日時:2014/04/22


みんなの思い出



オープニング


 二〇一四年四月。京都。
 『封都』と呼ばれた頃より、二年の歳月が流れていた。


 市街を覆う、巨大な結界が張られ。
 シュトラッサー、天使、大天使らと戦い。
 楔となる六つの枝門こそ破壊に成功したが、巨大なゲートはそのままに、京都は天界勢によって封じられてしまった。

 か細い糸を繋ぐように続けられた学園側の戦いは、やがて大きな流れを引きこんだ。
 京都奪還戦――『奪都』。
 代将たる大天使を打ち倒し、シュトラッサーを打ち倒し、舞い戻った敵将を振り払い、そして。




「さくらー! 京都――!!!!」

 風に流れる薄紅色の花びらに両手を広げ、御影光(jz0024)は歓声をあげた。
「中心部こそ戦いの被害が大きかったけど、残ってるところには残ってるものだよなぁ」
「桜の木も、ずっと…… がんばって来たんですよね。京都が人の手に戻ってくる、この時を」
 大木を見上げる光の横顔に、筧 鷹政(jz0077)が目を細める。
 京都奪還の決着となる大規模な戦いは、学園生の手で。
 その後の、地道な復興にはフリーランスの撃退士たちも加わっていた。
 鷹政もその一人で、街にサーバント被害がほとんどなくなるまで動き回り、安全を確保した後も戻って来る一般人のサポートに当たっていた。
 今日は、北東要塞跡地近辺の神社より要請を受けたという光を送り届けに、ここまで。
「剣道の奉納試合かー。いいねぇ、懐かしい」
 バイクのメットをわきに抱え、遠くの鳥居を見遣る。
「筧さんも、剣道を習っていたんですか?」
「学生の頃は、道場に通ってたよ。良い恩師に巡り合えた」
「武道は…… 良いですよね」
 光は、体が弱かった幼少期に古式剣術道場へ入門している。
 技術はもちろん、精神面で学ぶことが多かったと今になり感じていた。
「ん。そう思う。観に来れないのが残念だけど、がんばって」
「はい!」
 礼儀正しくお辞儀をし、青い髪をなびかせて光は神社へと駆けていった。




 桜舞い散る春の京都。
 天界が遺した要塞の痕も今は無く、経済、産業も少しずつ賑わいを取り戻している。
 全てが全て、かつてのようにとはいかないが、長い長い歴史を持つ都に起きた、たった二年間。
 これもまた一つの歴史として、乗り越えてゆくのだろう。

 北東要塞から、東要塞へ。そこから更に東へ、鴨川を越え、筧のバイクは郊外へと抜ける。

 人は、たくましい。
 生きるという意思は、強い。
 故郷を愛する気持ちは、何物にも代えがたい。
 まだまだ観光産業は難しいかもしれないが、安全を聞きつけ真っ先に戻ってきた人々が築いた土台。
 衝突しながらも、新しい都が描かれようとしている。
(肝心な局面には、ほとんど触れられなかったけど――)
 走る子供たちとすれ違い、少しスピードを落として、鷹政は笑う。
 傷つき、そこから立ち上がり、歩き始めたこの街に、少しでも寄り添うことができて。
 こうして、桜を見ることができて。よかったと、笑う。
 整備された道路を走り、道はやがて緑濃い地域へ。
「この寺も…… 相変わらずだなー」



●清らかなる場所にて武の奉納を
「京都の、……そうです、北東要塞跡地から少し離れた場所の、神社で。はい、魔具やスキルなどを使わないごく普通の『剣道』です」
 学園の斡旋所へ送信した情報と照らし合わせながら、光が担当の生徒へと説明する。
「『日常へ戻る』という想いを込めて、ですね。強い武器を扱う、天魔と戦う撃退士が、一般人と同じ条件で演武を披露することがそれに繋がると」
 昨年末の、北東要塞解体――『鬼やらい』を見物していた人々からの提案・要請だった。
「あは。たしかに二人一組、ですね。模擬試合でも良いですし、木刀を使った形の演武だったら一人でも。
私も、お相手可能です。それに……」
 懸念事項に光は苦く笑い、それから言いにくそうに続けた。
「お弁当の準備ですとかも、きっと喜んでもらえるんじゃないかって」
 そちらに対しては、光自身が助力できるかどうかは言及しなかった。



●打ち捨てられし場所に光明を
「東要塞跡地から、もっちょい東にね、そうそう。そこに、廃寺があってさ。
かなりギリまで、避難場所として使われてたんだけど」
 同時期。
 同様の案件を、鷹政が持ち込んでいた。

 市街地から、やや離れた場所にある小さな山寺。
 天魔の襲撃に際し、人々が身を寄せ合った場所だった。
 最終的には撃退士たちによって彼らは救出され、寺自体は打ち捨てられた形となる。
 京都の奪還を待たずして時の住職は天寿を全うし、寺はそのまま自然に還ってしまうかと思われたが――
 当時の避難者たちが集まり、寺の修復依頼が出されたのだった。
「あの辺りはもう、サーバントのサの字も出ないけど、どうしても怖がる声がね。それで、手を貸してほしいんだ」
 フリーランスたちも少しずつ『本業』へと戻り、鷹政が入っているチームも片手程の人数となっていた。
 サーバントが出現すれば集合し、そうでなければ個々人で活動をしている。
「修繕が終わったら、のどかに花見でも。オプションと言ったらせいぜい、それくらいなんだけどさ」




 東方より吹く風は柔らかく、どこからとなく桜の花びらを運ぶ。
 戦いを耐え抜いたのは、人間だけではない。
 破壊され、占領され、その時の流れの中に、物言わぬ自然は常に在った。


 戦いは、終わった。
 忘れることなく、春は来る。






リプレイ本文


 ぽかぽかと、眠気を誘うような陽気。
 風が吹けば木々の葉が鳴り、何処かに残る桜の花弁がはらはらと流れる。


「このお寺。皆さん、を……護って来たのです、わね」
 ひび割れから雑草の伸びる石段。その先に崩れかけた山門、寺の屋根が傾いで覗く。
 苑邑花月(ja0830)はゆっくり下から上へと見上げ、建物が護りつづけた命へと思いを巡らせた。
「足元、気を付けて下さいね」
「あっ、……はい。ありがとうございます」
 並ぶ鈴木千早(ja0203)が、アイスブルーの瞳を細めた。
「ひとつ、お持ちしますよ」
 花月は、用意してきた弁当で両手がふさがっている。すっと、千早が紙袋を受け取った。
 驚き、それから照れと喜びへと感情を変えて、花月は千早の隣に並び、石段を上がり始める。
(今となっては懐かしき、か……。否、まだ忘れる訳にはいくまいな)
 しばらく見上げていたのは、ラドゥ・V・アチェスタ(ja4504)も同様だった。
 しかし、彼にとってはかつて戦いに身を投じた場所であり、それがこうして現存されていたということに感情を傾けていた。
「ラドゥ様、ラドゥ様……!」
 呼びかけたのは当時同行していた加倉 一臣(ja5823)で、振り向くと彼は涙目になっていた。
「山門の、横……」
「……。可愛らしい、狸だな」
 左右それぞれに、ちょこなんと置かれている信楽焼きの狸。サーバントでは、無いようだ。
「なんで、二人して腹筋にダメージ受けとるん……?」
 一臣の影から小野友真(ja6901)が顔を出し、怪訝な表情。
「いや、あのインパクトは……」
「良い顔はされぬ言葉かもしれぬが……あれは楽しい依頼であった」

「懐かしい顔、お揃いでー! 今日は小野君も一緒かー」

 山門から、筧が顔を覗かせ手を振った。あの日の、石段の上で。


 石段。山門。本堂。
 修復すべきは、大体こんな感じである。
「まず、何処が一番脆くなっているかだな……」
 ぐるり見渡してから、鳳 静矢(ja3856)が「ふむ」と唸る。
「道具運びならウチがやるよ」
 ぼそりと、背後から声が。
 黒夜(jb0668)だ。
「助かる、が…… 大丈夫かい?」
 声の調子や顔色から少女が万全の状態ではないことを察し、静矢は案じるが、少女はどこかすっきりした表情で首を横に振る。『平気』だと。
「……故郷なんだ」

 捨てたかった、かつての自分。
 変えることが出来た、今の自分。
 それも、この街があったから――。




 北東の神社は、朝から大忙しだった。
 奉納試合の準備は現地の人たちが手伝ってくれて、参加者たちは肩慣らしの運動を。
 試合へ参加予定の御影は、なぜか練習そっちのけで道着姿へ着替えたとたんに弁当準備の調理場へと呼びこまれた。

「勉強中なのはお聞きしておりましたし、光さんも一緒に作りません?」

 そう提案するのは、ファティナ・V・アイゼンブルク(ja0454)。
「不器用な方に教えるのに少し自信が出来たところなので、宜しければ」
 優しい笑顔で、ファティナが手招きする。
 言葉の裏に何かあるのだと察し、御影はそっと近づいた。
「実は――…… ごにょごにょ」
 ファティナの耳打ちに、御影の表情が変わってゆく。
「そういうことでしたら……是非とも」
 真剣な顔で、コクコク頷いた。
「京都の郷土料理を中心に考えたら良さそうでしょうか。おばんざいお弁当……みたいのを!」
「! せんぱい、私、食べたいです!!」
「皆さんの分を用意しようと思いまして。一緒にがんばりましょうね♪」
「はっ」

「光嬢、剣道の方ではなく参加者への振る舞いをしたいという処が何とも好ましい」

 スッ。
 術中に落ちた御影の背後へ、影のような動きでグラン(ja1111)が現れた。
「落ち着いてくださいグラン先生、私の姿を見てくださいどう考えても奉納試合担当ですっ」
「京都といえば京野菜に丹波牛が有名でしょうか。あるいは、大根炊きのリベンジも?」
「う、うぐぐ」
「丹波牛と大根のステーキのコラボも美味しいと思いますが……」
 今回のきっかけとなった『鬼やらい』なるイベントで、大根炊きならぬ大根ステーキを……残さず食したグランである。
「大根ステーキ……。光さんにも得意料理があるのですね、そちらも加えましょう」
 ファティナが嬉々として両手を合わせるものだから、御影は完全に退路を失った。


「剣道自体は初めてだけど、大丈夫だよね?」
 着替え終わった犬乃 さんぽ(ja1272)は、道着姿でクルクル回る。
 ジャパニーズ着物は今までにも色々な種類を着ているけれど、戦闘服となると気分も変わってくる。
「学園にも、剣道部があったんですよ。……もうなくなってしまいましたが」
 紺地の上下で揃えたキリリとした姿で、鈴代 征治(ja1305)が姿を見せた。
「僕も、その一員でした。入学して初めて剣道に触れたんですよ」
「ほんと? じゃあ、簡単なルールとか、教えてもらえるかなっ」
 征治が、穏やかな笑顔でさんぽの頼みに応じた。

(すべては移り行くもの……季節も、人も、時間も)

 竹刀を握る手に、桜の花弁が落ちる。
 足の裏全体で、大地の熱を感じる。
 撃退士になり、征治が学園で迎える三度目の桜。

 それでも春はいつだって美しく、優しい。




「やっと来れた……」
 山門の修復をしていた紫ノ宮莉音(ja6473)が、手を止めて街並みを振り返る。
 奪還のための戦いには多く身を投じてきたけれど、その後の支援には来ることが出来ずにいた。
(僕は当面は、帰って来る予定はないけど……)
 遠くて近い、故郷。生まれ育った場所。複雑な感情が渦巻く場所。
 当面は帰ってこれないとしても、これからは…… いつでも、過ごすことのできる場所。
 中心地より、莉音にとってこの辺りは馴染みのある地域だった。
「夕焼けの桜が、一番好きなんです」
「おっと、接近バレたか」
 差し入れ、とお茶の入った紙コップを持ってきた筧が振り向く莉音へ笑いかけた。
「ふふふー。鷹政さん、よろしくお願いします」
 石段に腰掛け小休憩。莉音と筧はそれぞれの『京都』を語らう。
 いつしか、今の事も懐かしく思う日が来るのだろう。
「鷹政、湧き水って何処―― ん、邪魔したか?」
「はは、邪魔も何も」
「龍仁さんは、お料理担当ですか?」
「ああ。任せておけ、莉音」
 顔を覗かせたのは、強羅 龍仁(ja8161)だった。
「それじゃあ、うんとお腹空かせておかないと! 図工は苦手やけど……!」


 龍仁と筧は、京都絡みはもちろんだが、他の依頼で顔を合わせることが多かった気がする。
 道案内がてら他愛もないことを話しながら獣道を辿る。
「……鷹政」
「んー?」
 土を踏む音。鳥の鳴き声。草の香り。何処かから、水の流れる音。
 取り戻した平穏。
 まだ、戻らない平穏―― 落ち着かない感情を抱いて、龍仁が呼びかける。
 のんびりとした声だけで、筧は振り向かない。
「強羅さん。この道、あとは真っ直ぐ。俺がいなくても寂しいって泣かないよね?」
「泣くかこの馬鹿」
「ははっ、それじゃ。飯、楽しみにしてるわ」
 下を向いたままの筧の表情は確認できず、そのまますれ違い――
「おい、鷹政!」
 もう一度、強く呼び掛ける。
「『言葉』に、惑わされるなよ」
 ひらり、右手だけがそれに応じた。

 ――お疲れ、虫刺されとかしてへん?
 ――ゆ……友真! へ……平気なんだぞ

 少し離れた場所で、そんなやりとりがあったことに――赤毛は気づいているのかいないのか。


「金槌は、力一杯振っちゃ駄目……」
 ガンッ
「……単純な力仕事、はあんまり得意じゃないんだよ」
 本堂の屋根にて。
 力加減に四苦八苦する七ツ狩 ヨル(jb2630)の隣で、桐原 雅(ja1822)が屋根をぶち抜いた。
「難しい、よね」
 深く深く実感のこもった声で、ヨルが頷く。
「俺も―― あ」
 ドンッ
 苦手なのだと言おうとしたら気が緩み、金槌が屋根をぶち抜いた。周辺の資材が幾つか落ちる。
「「……難しいよね」」


 その頃。
 本堂内の修繕に集中力を発揮していたのは一臣。
 コンコンとリズムよく釘を打ち付け、並べた板木で次々と穴を修復してゆく。
 恋人の友真も声をかけにくいくらいで、周囲の草刈りでもするかと傍を離れたことにも気づかない。
 ガンッ
 どこかで大きな音がした。
「あ、一臣さん、上――」
 戻ってきた友真が声をかける、反射的に見上げる、何故だ資材が落ちてきた。
「……味のある、良いお寺さんやんな」
「笑いの味は求めていないのよ」
「泣かないの、応急手当したるから」
 回避射撃、間に合わなくてごめんなー
 そう付け足して、友真は一臣の被害甚大な顔面へと手を翳した。


 ――凄い音がしたけど。
 救急箱を抱え、志堂 龍実(ja9408)が本堂屋根へと顔を出す。
「救急箱は…… こっちは大丈夫なんだよ」
 空いた穴の下ではケガ人が出たようだが、回復スキルで事なきを得ているようだ。
 雅とヨルが謝罪の声を掛けたら、なぜか大笑いを返された。
「大丈夫なら、良いが……。……ここは眺めが良いな」
 流れが良くわからないまま、せっかく登ったのだしと龍実はそのまま屋根の補修を手伝うことに。
「ついに……戻ってきたんだな、ここに」
 空を近くに感じながら、龍実は呟いた。
 龍実の言葉へ、ふとヨルが顔を上げる。
 隣を見ると、雅もまた口を閉ざし、慈しむような表情で市街地へと視線を投じていた。
(そうか)
 多く言葉は交わさなくとも、なんとなく通じるものがある。
 きっと、この二人も街を取り返す為に戦い、ここにいるのだろう。
 それだけ、長い時間がかかって、たくさんの撃退士が関わってきた。
(……そうか)
 寺の修繕作業で地上は賑わっていて。
 聞こえないけれど、こんな賑やかさが、ずっと向こうの市街地にも響いているはず。


「みゅ、お寺って聞くと幽霊さんが出るって感じ。……いないかな、出ないかな、幽霊さん」
 奥の間の修繕を担当するのは、ユリア・スズノミヤ(ja9826)と飛鷹 蓮(jb3429)。
 薄暗く、かび臭く、空気はひんやりとしていて。『いかにも』といった雰囲気。
「んー、こっちはそれほど痛んでないんだな……。障子紙と、壁板くらいか?」
 損傷具合を確認し、蓮は工具箱を床へ下ろす。
「ユリア、トンカチ使うのか? 重いだろう――、……」
 さっと工具箱へ白い手を伸ばした恋人と、視線が交わる。
「わかった。わかったから俺に変わってくれ。危険な予感がする」
「どういう意味ー?」
 穴を追加しそうだなとか。
 釘の代わりに指を打ち付けそうだなとか。
 蓮は、過った想像を口にしないでおく。
「はい、こっち。繊細な仕事は得意だろう?」
 というわりに、ダイナミックな手つきでも問題のない、障子紙の貼り替えをパス。
「京都って、確か桜の都って言われてるんだよね。依頼は頑張らなくちゃだけど、やっぱり桜見物もしたいなー」
「サッと終えて、外の空気を吸うとしよう」
 蓮の提案に、ユリアがこくりと頷いた。
「桜餅食べてー、お団子食べてー、あとあと、皆でお疲れ様ーってお祝いしたいね」
「……ああ」
(人が自らの手で作り出したものを自らの手で取り戻した、か。人とは……強い者だな)
 薄暗くかび臭いこの部屋も、きっと近いうちに人々で賑わうようになるのだろう。
 寺の再建を望んだ人々によって、命を取り戻すのだろう。




 くじ引きや対戦希望申請を済ませ、晴天の下、奉納試合が幕を開けた。


「明治廃刀令より久しく、弾圧されてきたこの剣の道にもようやく陽の当たる時代がやってきた」
 やあやあやあ、口上よろしく竹刀を構えるのは歌音 テンペスト(jb5186)。
「剣を打たず、心を打ってご覧にいれましょう、相対するは美少女! かつ、貧乳!」
「貧ではないです、歌音先輩……! せ、せいちょうきです!」
 貧乳同盟なるものに所属していることが、何故バレた!
 御影が青ざめるも必死に反論する。
「わかるわ……自分より強い者に嫁ぎたいという思い。その思い……あたしが叶えてあげる!」
「嫁!!?」
 歌音は下段に構え、ススススと距離を縮めてくる。
「私とて容易く負けるわけにはっ」
 退きっぱなしでは試合にならない。御影は、更に下から上へと竹刀を払い――

「!!?」
 
 剣先が、歌音の袴の裾に引っかかる。
 構わず歌音が踏み込んだ。大きく捲り上がり、膝上まで露わになったその奥が見えたのは正面にいる御影だけである。

「面アリ!」

 審判の声が高らかに響く。
 御影の頭が痛むのは、しこたま打たれただけではない。
 見てはいけない物を見た。たぶん。蔵倫的な意味で。
「見たわね、光ちゃん?」
「みみみみみみ見てません!」
「私のモノを見たということは、あなたのモノも見せ」
「ません!!」
 狩人の眼差しをする歌音へ、後ずさりながら御影が息巻く。
「二本先取で勝ち、だったわね。私が勝ったら嫁に」
「行きません!!」
「断言されると燃えるわ! あら、そういう戦法!?」
「ち が い ま す」
 御影が竹刀を打ち落とし、小手から面へと最小限の動きによる連撃が鮮やかに決まる。
「ふふふ…… 光ちゃんが勝ったなら、私がお嫁に」
 スパーン、歌音へ鮮やかな面が決まった。
 お弁当は一緒に食べましょうね。
 倒れながらの歌音の言葉へ、そればかりは御影も頷いた。


 二組目。
 犬の足跡柄の、マイ手拭いをピシリと巻いて、さんぽは防具を身に着けて。
(うわ、視界って結構、狭いんだね……)
 防具の匂い。革の匂い。紐できっちりと体に合わせた感触は、まさに戦いへ望むブシの心境というやつか。
 深々と礼をすると―― クジ任せの、対戦相手は剣道を教えてくれた征治だった。
「さあ、剣道を楽しみましょう」
 基本に忠実な、中段の構え。ブレのない征治の構えは美しい。
(……楽しむ。そうだね!)
 長くはなかった練習時間に、さんぽへ剣道の基本から逸話、思い出話、色々なことを征治は語ってくれた。
 征治に合わせ竹刀の先を落ち着ける。自ずと、さんぽの姿勢もスッと伸びた。
(――視界が)
 さっきまで、狭いと感じていたのに。
 視線を正面から突き合わせる征治が何を考えているのか。
 竹刀の先、足の先から、どんな動きをしようとしているのか。
(広い…… こんなに、見えるものなの?)
 きっと、それは征治も同じだろう。同じように、さんぽの動きを視界に納めているはず。
 ――剣道を楽しもう
 それはこういうことなのだ。
 言葉は無くとも、心に響いた。
 優しげだった征治が、剣士の眼差しへと変わる。それすらも、ワクワクしてくる。
 カシャンッ、試すように征治の剣先がさんぽの竹刀を巻き込む。――見えた!

「こてー!!」

 さんぽが狙った先は、しかし空を切る。
 大きく振り上げた征治の竹刀が、さんぽの面を狙う。
「っっ、とと!!」
 そこは普段から培った足腰と反射神経。左足に力を込め、右手へ回避する流れで胴打ちへと切り替えた。
(流石と言いますか。なかなか、呑み込みが早いですね)
(ボクだって、半分は日本の血が流れてるんだから! 今は立派なブシになってみせるよ!)
 言葉を交わさなくとも、竹刀を交わすことで互いの考えが通じる。
 それが楽しくて、二人は打ちあいを重ねた。


「大丈夫か、光?」
 御影との試合を申し入れていた水無月 神奈(ja0914)ではあるが、弁当の準備やら初戦やらに引っ張り回される少女を案じて試合前に声をかける。
「こうやって神奈さんと剣道で試合できること、楽しみだったんです」
「……あの時の見物人から要請であれば、無様な試合は出来まいな」
「はい!」
 『鬼やらい』――北東要塞陥落の儀を、共に行なった。
 若き撃退士たちが要塞へ引導を渡した姿が、今回の呼び水になったというのなら。
 当事者である二人の、想いは格段に深い。

 神奈の上段――『火の構え』に対し、御影は右足を引いての脇構え――『陽の構え』を取る。
 実戦ではほとんど使われない、『剣道形』の組み合わせだ。
 じりじりと、時間が流れる。
 視線を交え、気勢を発し、互いの呼吸を読みあう。
(――防戦ですか? 神奈さん)
(ふっ、誰に言っている?)
 間合いを通した会話は、一瞬。
 パンッ、竹刀と竹刀が交差し、火花が散った。ように見える。
 振り下ろした竹刀は、御影が下から打ち払う。続けて強気に踏み込んできたところを、神奈は足さばきで躱し、竹刀を戻すと同時に伸びた小手を狙った。
 ――惜しい、微かに逸れる。
「……はぁっ!!」
 鍔迫り合いから、互いに引き面で間合いを取り。
 そこからは、御影は剣先を相手の左小手に付ける平正眼で応じた。
 初回は、やはり牽制を込めたものらしかった。
 上気した体に、春の風が心地よく吹き抜けては、次の機を生み出す。




「さて、やることやったら綺麗にピカピカにですよぅ?」
 静矢と共に本堂外側の修繕を終えた鳳 蒼姫(ja3762)が、ぞうきんを片手にラストスパート宣言。
 二人の手伝いを何くれとなくしていた黒夜も蒼姫に並ぶ。
「繕う必要のある布物は終わりか? 和風建築に関してはあまり詳しくないでな。これらは何処へ戻すのだ?」
 同様に、暖簾の類の修繕を済ませ、ラドゥが顔を出す。
「アチェ様ー! こっちでーす!」
「紫ノ宮か。わかった」
「そういえばアチェ様、今日は他にも大きな荷物もってましたよね??」
「ふ。京料理は次の楽しみに、今回は我輩の弁当で我慢するがよい」
「次は僕が、街をご案内しますねー♪」
 いつかのやり取りを思い出し、二人は笑いあった。


「ん、良い蒸かし具合だな。千代が頑張って丸めた饅頭もあるぞ」
「……おー……。俺が丸めたの、バクハツしてるんだぞ」
「美味そうじゃないか」
 充分に煮沸した水を使って、団子や大福、炊き込みご飯といった多くの種類の料理を、龍仁が調理場を使って仕上げにかかる。
 傍らには、顔を真っ赤にして悪戦苦闘しながら手伝う彪姫 千代(jb0742)の姿があった。
「それは、父さんに食べてもらうやつか?」
「……」
 龍仁の言葉に、千代は首を振る。普段はフルスロットルの尻尾アクセも、今日は一度も浮上していないことに龍仁は気づいていた。
 水汲みの、時だって。

「あははは! 神削君、なに危険物持ち込みしてるのー!!?」
「狐がいるなら……『コレ』だと思って」
「いーなー稲荷ずし! 俺にもわけて!」
「その前に、狐との死闘に加勢してもらえないかな……」

 月詠 神削(ja5265)と筧の、賑やかなやり取りが裏手から響いた。
 ビクリ、千代の肩が震える。
「千代……何時までも逃げてはいられない。父さんが好きならキチンと自分の気持ちを伝えるんだ」
 父さん。
 筧を、そう呼んで親しんでいた千代は、いつしかを機に距離を置くようになって久しい。
 何があったかは、わからない。
 けれど、このままでいいとも思えなかった。


 花見の支度が進む中、雅は竹林の奥を散策していた。
 涼やかな風が通り、竹の葉が鳴る風情はなかなか良い。
(あ、足跡発見なんだよ)
 狸か?、狐か?
 ふさふさの黒っぽいものが、影へと消える。
「怖く、無いんだよ」
 しゃがみこみ、指先から忍法「友達汁」を発してみる。
「おいで」
 真っ黒な瞳が、くるりと応じるように竹の陰から覗いてきた。
「わわ、痩せてる……。ホントは何かあげたいんだけど、餌付けしちゃだめって言われてるから……ごめんね」


『こんにちは。ね、撫でてもいい?』
 一方、ヨルは意思疎通を利用して獣たちへ呼びかける。
 野性味と愛嬌を持ち合わせた姿に、声を掛けずにはいられなかった。
「ヨルくん何してるんー?」
「あ、リオン…… えっと……意思疎通で、お話……?」
「悪魔の人ってそんなんできるんやー……。僕も最近覚えたマインドケアで、お話しできるやろか」
 言葉ではなくても、ふれあい温度を通わせることは、出来るだろうか。
 そっと手を伸ばす莉音へ、ふとヨルが疑問を投じた。
「ねぇ……、なんで餌あげたら駄目なの?」
 お腹を空かせているのに。
 自分たちなら、たくさん食べさせてあげられるのに。
「んーとね、僕たちが、この子たちにご飯をあげられるのは『今日だけ』でしょう?」
 たった一日。それでも、贅沢を知ってしまったら。
「この子たちは、明日も、明後日も、ずーっとずーっと、ここで生きていくから。自分たちで、餌を取っていく強さを身に着けていかなきゃだから。かな?」
 自然の中で、生まれ、抗い、生み、或いは果て。
(……そっか、ここには人間以外にも沢山の『生き物』がいる)
 ――ヨルの記憶に残る、いつかの言葉。
(今、京都にある命は、皆笑顔でいるのかな)


「えとえと、京都さん、あったかい光の中におかえりなさい――かな?」
 石段を降りて、ユリアが両の腕を伸ばす。隣で蓮が微笑した。
 道路に沿って少し登ると、桜の残っている場所があると聞いて、二人きりで散歩を。
「桜って、見てるとちょっと夢心地になるよね。……みゅ、蓮と一緒だから余計に、かな?」
「夢心地? ……今が現実だということ、教えてやろうか?」
「え え、蓮、こんな明るいうちに――」
 ……むに。
 何かを想像したユリアの白い頬を、悪戯な笑みをたたえた蓮が、優しく引っ張る。
「桜ばかり見ているから仕返し……なんてな」
 明るいうちに、何を想像したんだ? ――なんて意地悪なことを言うものだから。
 むうっと膨れて、ユリアはその背中へと飛びついた。


 賑やかな花見から離れ、千早と花月は二人で散策を。
 小川の流れる場所に出て、花月の持参した弁当を広げた。
 春らしい彩りの具材を使ったサンドイッチに、ハート形の桃が入った一口ゼリーをデザートに。
「去年……のこと、花月、の大切な……想い出、です」
「今年もまた一緒に過ごせて嬉しいです」
 ゆっくりゆっくり包みを解いてゆく花月を、千早はじっと見つめていた。
 その白い指先。その長い睫毛。やわらかな、優しい色合いの髪。
「桜も綺麗ですが……花月さんも、どんどん綺麗になっていきますね」
「っ」
 びくり、驚きで花月の手が止まる。
 睫毛が震え、千早を見上げた。赤面しているのが自分でもわかる。
(千早さん、は……どんどん凛々しく、なられて……いきますの、ね)
 目と目があって、言葉は詰まって出てこない。
 川が、山の上から下へと流れてゆくように。
 その感情は、ごく自然に、そして緩やかに。




 今回の京都行きの理由である『奉納試合』『山寺修繕』どちらにも参加せず、ブラリ市街地を歩く姿が一つ。
「ふむ〜。よ〜やく京都観光ができるのじゃな〜」
 ハッド(jb3000)だ。
「ここはひとつ、桜の花見としゃれこまねばなるまいて〜」
 多くの桜は散り、花弁が道を彩る状態だが、それはそれで風情を感じた。
 建物など、元の京の街の姿そのものを取り戻したわけではないだろうが、道行く人々の表情は明るい。
 前を向いて、進んでゆく気力に溢れている。
(なかなかの活気じゃな〜♪ この様子では、グルメも期待できそうであろう〜)
 祇園。舞妓。
 言葉だけ、イメージ映像だけは知っている。
 それもまた、楽しめるだろうか??
「日本の伝統文化を楽しむ。これがいいのじゃな〜」




「筧さーん? うちのおかずは美味しいよー?」
「せっかくの良い景色の中での食事、大勢で食べた方が楽しいな」
 鳳夫婦に呼ばれ、狐と格闘していた筧が本堂前へと戻ってくる。
「わー! 蒼姫さんの手料理って俺、初めてじゃない? ゴチになります!」
「特製卵焼きも美味しいよぅ? ウインナーも、から揚げも!」
「おにぎりハンパねぇ なに使ってるの」
「そこですか……」
「このレベルで違うの! 幸せ者め」
「否定はしませんがね」
 脇を小突かれ、静矢はくつくつ笑った。
 おにぎり数個を拝借し、筧は礼を言うと去って行った。
「何年先も二人共に無事で花見をしよう、蒼姫」
「……何年先も確かにこうありたいけれど、うまく一緒に生きていられると良いですねぇ?」
 蒼姫の表情が陰るのを見て、静矢はそっと肩を抱き寄せた。
「大丈夫……。私が蒼姫を護り、私自身も生き残る……必ず」
 散っては再び咲く、桜の花に誓って。


(私にとってはさしたる思い入れも感慨も無いけど……。でも、まぁ)
 喧騒から離れ、石段に脚を放り出しているのは常木 黎(ja0718)。
 手持無沙汰に、チェーンで首からさげたリングに触れてみる。深い蒼の石の、名前は知らない。
「サボリはっけーん!」
「……当たり障りなく仕事してたけど」
「うん、知ってる。花見不参加ー。ほら、差し入れ。鳳夫妻から貰って来た。まじウマ」
「静矢君、奥さんと来てたんだ」
 おにぎりを受け取り、そういえば見慣れた姿があったと思い出す。
「ずるい」
「え、なにが?」
「俺がバイクで来てるって知ってて飲酒ですか黎さん」
 きっと賑やかで落ち着かないだろうから、ひとりで花見酒でもしようかと持ち込んでいたのだけれど。
(『飲む?』とも言えないしなあ……)
 筧を横目で見れば、ふて腐れながら隣で茶を飲み始めていた。
 修繕作業中も、あちらこちらから声を掛けられ、忙しなく立ち回っていた姿は目にしている。
 今だって…… 今は、どうだろう。
(今、なら?)
「……鷹政さん、あ、あのね――」

「筧! 狸がそっちへ行った!!」
「は!?」

 飛んできたのは龍実の声。
 跳んできたのは一匹の狸。
 龍実手製の弁当の、おかずを咥えて大逃走―― 踏み台にされたのは、筧。

「いってぇええ…… あ、黎さん、今なにか」
「あ…… いや」
「でも」
「鷹政さーん! 黎さーん! こっちで一緒に食べましょー♪」
「だってさ。莉音君も呼んでるし、行こ? 志堂君の料理も美味しいんだ。閑話部自慢♪」
 するりと、ごく自然に差し出される手。
 少し悩んで、黎は首を横に振った。
「少し、頭冷やしてるよ」
「えー。……気が向いたら、おいで」
 伸ばした手は、そのままサラリと黎の髪に触れ、そして去って行った。
(『―しづ心なく花の散るらむ』か……。感化された…… かな?)
 体を折って、黎はしばらく顔を上げられないままに、居た。




 試合を無事に終え、北東の神社では手作り弁当を振舞っての親睦会が開かれていた。
 幾つもの重箱に、色とりどりの『おばんざい』。
 菜箸が添えられていて、好きなだけ取り分けてどうぞ。

「現地の方にも、色々と教えて頂いたんです。ね、光さん♪」
「私が作ったのは、ほんの……少しだけで」
「今回は、大根炊きが成功して何よりです。少しずつですが、上達しているのではありませんか?」
 御影が料理の類をする度に、気づけば傍らにいるグランが、微々たる変化を褒めてやる。
「……乱切りの大根ですか……なるほど、複雑に味が沁みて良そうですね」
「す、すずしろせんぱい、どうかそのあたりでかんべんを」
 本当に、微々たる変化である、が。
「冗談ですよ。僕は割と食べる方なんで、こういった形式は嬉しいです」
「ねね、御影ちゃん。桜綺麗だよね」
「えぇ。枝垂桜は、また独特の味わいがありますよね、犬乃先輩」
 取り分け小皿を手に、さんぽは神社の片隅に咲く枝垂桜に見入っていた。
「はいっ、光ちゃん。あ〜ん☆」
「歌音先輩!? そ、それは」
「竹筒爆菊鶏、差し入れよ! どう、この菊の部分!」
「映像でお届けできなくて良かったと思います!」

 大人数に囲まれて楽しそうにしている御影を、少し離れた場所で神奈が見守っていた。
「あら。輪には入らないんですか、神奈さん?」
 からかう様に、ファティナが隣へ並ぶ。
「……お前が先に来るとは思わなかったな」
「まあ」
「あー! 居ないと思ったら!」
 人の間をかいくぐり、御影が駆け寄ってくる。
「これっ、あの」
「?」
「お誕生日、ファティナ先輩から伺って…… 私、ぜんぜん気が回らなくって」
「私の為に? この弁当を?」
「お誕生日おめでとうございます、神奈さん。形に残らないプレゼントですが、今の私から贈ることのできる一番のものです」
「…………」
「神奈さん?」
「まいったな…… 銀狐に一本取られた」
 弁当箱を受け取った神奈の頬が、微かに染まっていた。
 隣で、ファティナが肩を揺らした。




 後片付けが始まったところで、筧の背へ龍仁が呼びかけた。
「――きっと竹林にいる。行ってこい」
 筧はやはり、右手だけで答えて。
 今日という一日中。その存在に、気づかなかったわけがない。

「千代! 拗ねてないで出てこーい」
「……俺、拗ねてなんかないんだぞ」
「ハイ、見っけ」
 潜行していたのに、返答一つで所在がバレる。
「お……俺は…… さよならを言いに来ただけなんだぞ!」
「ずーっと隠れててか?」
 どんなに上手に隠れても、震える尻尾が覗いている。背を向けたまま、震えている。
 一歩ずつ、筧は歩み寄り――

 ズビシ

 真後ろから、少年の頭上へと渾身のチョップを喰らわす。
「いっ…… 痛いんだぞ!?」
「母さんとこ行けよ、そんでもってヒール掛けてもらえ」
「!?」
「……そしたら、俺んとこ戻っといで」




「夜桜を見るのが楽しみであったというのに〜〜」
 祇園で舞妓はんと懐石食べるのも楽しみであったのに。
 時間制限でやむなく撤退、肩を落としてハッドが寺へと合流してきた。
 それでも、団子や八つ橋や茶菓子や色々、満喫できるものは充分に。


 ゆっくりと、西の方角へ陽が沈んでゆく。
 石段の上から、神削はかつて戦った収容所方面を見据えていた。
(中倉……俺たちはサリエルも倒したぞ)
 この地に眠る彼を、きっと神削は忘れない。
「俺たちはこれからも天に抗うし、絶対負けない。そこで俺たちの戦い……見てやがれ」



「こんなに綺麗だったっけかな」
 夕日に染まる街。散りかけの桜。
 使い捨てカメラに収め、黒夜が呟く。
(綺麗だと思えるように、なったってことか……?)
 体のあちこちが、まだ痛むけれど。今日という日に、来れてよかった。
 この景色を胸に刻み、歩いて行こう。


 京に芽吹く、これからの季節を――再び重ねてゆく歴史を、見守りながら。

 




依頼結果

依頼成功度:大成功
MVP: −
重体: −
面白かった!:20人

鈴蘭の君・
鈴木千早(ja0203)

大学部2年241組 男 鬼道忍軍
Silver fairy・
ファティナ・V・アイゼンブルク(ja0454)

卒業 女 ダアト
筧撃退士事務所就職内定・
常木 黎(ja0718)

卒業 女 インフィルトレイター
鈴蘭の君・
苑邑花月(ja0830)

大学部3年273組 女 ダアト
郷の守り人・
水無月 神奈(ja0914)

大学部6年4組 女 ルインズブレイド
天つ彩風『探風』・
グラン(ja1111)

大学部7年175組 男 ダアト
ヨーヨー美少女(♂)・
犬乃 さんぽ(ja1272)

大学部4年5組 男 鬼道忍軍
最強の『普通』・
鈴代 征治(ja1305)

大学部4年5組 男 ルインズブレイド
戦場を駆けし光翼の戦乙女・
桐原 雅(ja1822)

大学部3年286組 女 阿修羅
蒼の絶対防壁・
鳳 蒼姫(ja3762)

卒業 女 ダアト
撃退士・
鳳 静矢(ja3856)

卒業 男 ルインズブレイド
撃退士・
ラドゥ・V・アチェスタ(ja4504)

大学部6年171組 男 阿修羅
釣りキチ・
月詠 神削(ja5265)

大学部4年55組 男 ルインズブレイド
JOKER of JOKER・
加倉 一臣(ja5823)

卒業 男 インフィルトレイター
夜の帳をほどく先・
紫ノ宮莉音(ja6473)

大学部1年1組 男 アストラルヴァンガード
真愛しきすべてをこの手に・
小野友真(ja6901)

卒業 男 インフィルトレイター
撃退士・
強羅 龍仁(ja8161)

大学部7年141組 男 アストラルヴァンガード
遥かな高みを目指す者・
志堂 龍実(ja9408)

卒業 男 ディバインナイト
楽しんだもん勝ち☆・
ユリア・スズノミヤ(ja9826)

卒業 女 ダアト
撃退士・
黒夜(jb0668)

高等部1年1組 女 ナイトウォーカー
撃退士・
彪姫 千代(jb0742)

高等部3年26組 男 ナイトウォーカー
夜明けのその先へ・
七ツ狩 ヨル(jb2630)

大学部1年4組 男 ナイトウォーカー
我が輩は王である・
ハッド(jb3000)

大学部3年23組 男 ナイトウォーカー
繋ぎ留める者・
飛鷹 蓮(jb3429)

卒業 男 ナイトウォーカー
主食は脱ぎたての生パンツ・
歌音 テンペスト(jb5186)

大学部3年1組 女 バハムートテイマー