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マスター:狭霧
シナリオ形態:ショート
難易度:やや易
参加人数:8人
サポート:1人
リプレイ完成日時:2013/12/23


みんなの思い出



オープニング


 東北の冬は寒い。
 寒気が流れ込み、雪でも降るのではないかというほど冷え込んでいる。
 そんな冬を乗り切るために作られたのが人の知恵と英知の結晶だ。
 人の生み出した神器と言っても過言ではない、その名は……

 KO TA TU

 歴史は室町時代にまで遡る云々、起源は中国の行火云々、そんなことはどうでもいい!
 重要なのは、コタツは日本の冬には欠かせない存在ということだ。
 コタツでミカン…鉄板だ。
 コタツでアイス…いいじゃないか。
 コタツでお鍋…体の芯から温まるよ。
 ひとたび入ったら離れられない、そんな魔性の魅力を持つコタツ。
 そんな、古くから親しまれてきた冬のお供が突如人類に対して牙を剥いたら……貴方はどうするのだろうか。


 寒風が吹き、落ちた枯葉を散らしていく。
 暑い雲がかかり日の光が遮られた空は一層の寒々しさを感じさせる。
 寂しげな公園でブランコが風に吹かれ、取り外されるのを待つように揺れていた。
 もとより人通りがあまり多くない場所にあった公園。
 寒さが厳しくなるにつれ、以前にも増して寂れてゆく。

 だが、そんな公園に先日から徐々に人が集い始めていた。
 しかしながら、自宅にも帰らず、昼夜問わず入り浸る彼らの姿は異様にすら映る。
 当然だろう。なにせ、そこに鎮座していた物が既に異様だったのだから。
 それこそ、積雪前に撤去される滑り台やブランコなどに代わり公園に君臨した新たな主。
 ――寒さに凍える哀れな人間を優しく包み、温もりを与える慈愛にあふれた掛け布団。
 ――台の上に確かな存在感を示し、程よい甘みとほのかな酸味で幸福感を与えるミカン。
 日本人ならば等しく知っている和の心。冬の神器。
 そう、コ タ ツ である。
 公園に君臨したコタツ達は、それを目に留めた人々をたちまち虜にし、自らの中へと迎え入れる。
 コタツに魅せられた人々は全身を炬燵に委ね、首だけ出して幸福感に包まれた。――いわゆるこたつむりである。
 それらは老若男女の分け隔てなく、温もりを求めて集うすべての人間に確かな幸せを与えていた。

 ――それがコタツという先入観を捨て考えた者はこう思うのではないだろうか。
 巧みに獲物を捕えて逃がさない食虫植物のようだ、と。

 無論、公園に置かれている不自然極まりないコタツに何の警戒もなく入る者など皆無だろう。
 しかしそれらは、まるで誘蛾灯のように人々を誘い込んでいたのだ。 
 そして一度入ってしまえば全てがどうでもよくなり、際限なくその身を預け続けることになる。
 犠牲者の中には通勤、通学途中に捕えられた者がいた。
 会社や学校から連絡を受け、あるいは散歩の帰りが遅いのを心配して探しに出た家族もいた。
 結果、数時間後、新たなこたつむりが増えていた。
 それを幾度か繰り返し。

 ついに、依頼を終えた撃退士がそれを見つけたのである――!


リプレイ本文


 撃退士達がその光景を見にした時、抱いた感情は様々だった。
「……なんだろう、これ」
 播磨 壱彦(jb7493)はこの意味不明な状況に困惑していた。
 この時代、意味不明な状況は天魔絡みと相場は決まっているし、彼もそれは解っている。いるのだが…
「……こたつ、いいなあ」
 ぽつりと漏れた呟きに本音が混じっていた。
 厳しい寒さに震えながら帰路に就いていたのだ。そう思っても致し方ない。
「いいなぁ、あったかいよね!」
 そんな壱彦の葛藤など知らず、保科 梢(jb7636)は純粋に羨ましがっている。
「屋外にコタツ…?すっごい怪しい…!」
 アッシュ・スードニム(jb3145)は犬耳をピコピコさせて疑惑の眼差しを向けていた。
 どう見ても怪しいことこの上ないので真っ当な反応といえる。
「これはまた、なんていうか、奇っ怪な絵面だねぇ……」
 しかし、怪しさも度を越せば笑いが込み上げてくるものだろう。
 実際、九鬼 龍磨(jb8028)はあまりの絵面に肩を震わせ笑いを堪えている。
 かと思えば、真面目に不真面目なことを考えている者もいた。
 興味深そうに炬燵の様子を窺っていた月丘 結希(jb1914)が呟いた一言。
「電源も熱源も無し…これ研究して再現すればお金持ちよね」
 異色の才を持つ者の性か。内容は俗物的だが視線は研究者のそれだった。

 と、どこかこの状況を楽しんでいる風の面々とは対称に、負の感情を覗かせる面々もいる。
「ちょっと〜さっきお仕事終わったばっかりなのにぃ…こんなとこ見ちゃったらやるしかないじゃないっ!」
 稲葉 奈津(jb5860)がぼやいた言葉の端々からも窺える不満。
 この寒い中、余計な仕事を増やされたのだから堪ったものではないのだろう。
 その横で、Laika A Kudryavk(jb8087)はどこか不快気に炬燵を見ていた。
「屋外に、暖房器具…無粋ね」
 ロシア出身のLaikaは炬燵に入ったことは無いが、暖房器具を態々外に置く事に不快感を抱いていた。
 室内で温まるならともかく、この状況は彼女の拘りに真っ向から喧嘩を売っている。
 こんな状況を作ったサーバントが許せないのか、彼女は炬燵に向ける視線を厳しいものにして。

「では、行きましょうか」
 なぜかやたら気合の入っている斉凛(ja6571)の掛け声に応じて、撃退士達は公園へと足を踏み入れた。


 公園内に散っている炬燵に対し、撃退士達も同様に散開した。
「もぉぉぉぉぉ!!しょうがないなぁっ!!」
 早く終わらせたいという意識からか先陣を切る奈津。
 その心は戦いに挑む戦士の如し。炬燵との戦いには常にそういった気持ちで臨まなければならないと全身で語っている。
 距離を詰める奈津に対し撃ち出されたのは瑞々しいミカンだ。
 反応し、咄嗟に大剣の腹で受け止め払う。
「ちょっと!みかんの汁ついたらどーしてくれんのよっ!」
 言って、しかし返答は連射だった。
 先と同じように防ぐが、捌き切れず一発食らってしまう。
 鉄球でも叩き込まれたような衝撃。しかし服が汁で汚れなかったのは幸いか。
「こっの!」
 奈津は鈍い痛みを怒りに変え、残る一歩を踏み込んだ。
 大剣を振りかぶり、叩きつけて吹き飛ばす。
 奈津としては倒し易いように一ヶ所に集めようという程度の考えだったのだが…既に死にかけている。
 あれ意外と弱い?と首を傾げ、結局、倒せるなら倒してしまおうと天板を叩き割った。

 一方、同じ炬燵相手でもこちらは歓喜の声が上がっていた。
「燃〜えろよ、燃えろよー♪ヒャッハー」
 炬燵を消毒すべく、ヒャッハーという掛け声とともに炎を撒き散らす凛。
 花が咲いたようなという表現が似合う、とても良い笑顔である。
 ……手に持つ火炎放射器と、アウルの炎に包まれ藻掻く炬燵からは目を逸らそう。
 だが黙って燃やされる炬燵ではない。反撃にミカンを3発。
「中りませんわ」
 しかし、アウルを込めた眼が捉えている。凛は悠々と躱すと、お仕置きとばかりにトリガーを引き続けた。

 結希はスマートフォンを取り出し、Evocation[Kouryuu]を起動。彼女を中心に公園が黄龍の加護を受け、清浄な気に満ちていく。
 防護領域の形成を確認すると、一体の炬燵に狙いを定め駆け出した。
 迎撃するように撃たれたミカンを避けて近づくと炬燵の縁に手をかける。
「それ…って結構重たい!」
 ひっくり返して無力化しようとした結希だったが、予想外の重さに僅かに動きが止まる。
 でもこれくらい、と更に力を込めようとした、瞬間。
 何か細長いものが足首に巻き付き、引っ張られるような違和感。反射的に下を見ようとするが、次いで――
 \メキッ……/
 と、擬音にすればそんな感じだろうか。
 炬燵の足の角に結希の小指がクリーンヒット。小指を狙うのはタンスの専売特許じゃない!と言わんばかりの見事な一撃だった。
 先に張った防護結界のお蔭でダメージ自体は抑えられているが、痛いものは痛いし精神的なそれは甚大。結希悶絶。
「〜〜ッ!こ、小指を狙うとはッ…炬燵の癖に!」
 若干涙目になりながら、巻き付いた触手を焼き払おうと獄炎珠を構えるが。
「私に、任せて」
 駆け付けたLaikaが振るった氷の二刀が触手を切断する。
 礼を言う結希と、手伝うと告げたLaikaは共に炬燵の縁に手をかけ、全力でひっくり返した。
 裏返る炬燵。露わになる裏側。蠢く触手。
「ミカン砲さえ無ければ、触手を切り離して持ち帰るところなんだけど…」
「え、本気?」
 これを見ても動じず、割と本気で言っている結希に困惑気味に返すLaika。
 そんな彼女に熱源や電源がどうだのと説明するうちに、Laikaも僅かながら興味を見せ始める。
 趣味が思考のLaikaと異端の陰陽師たる結希――意外と馬が合うのかもしれない。
 が、一先ず話は後にして、暴れる炬燵に止めを刺すのだった。


 炬燵対応班の戦闘と時を同じくして、こたつむり対応に回った撃退士達も行動していた。

 壱彦が優れた移動力を活かして一気に接近。炬燵布団を捲り上げる。
「失礼してっと…え、なにこれキモい」
 覗き込んだ彼が目にしたのは、本来ヒーターがある部分から生えた触手と、それに巻き付かれ固定されている少年。
 しかも掴んだ布団は明らかに布団の感触ではない。まるで生物の皮のようで、天板もよく見れば表面に細かな凹凸があり甲羅のような…
「」
 正直今すぐ離したいがそれは出来ない。霊符を仕込んだグローブを活性化すると、触手の根元に掌を押し付けて炎の刃を放つ。
 一撃で触手の半分程が千切れたのを確認し、もう一発と意識を集中させた時。
 \ゴッ!/
 炬燵の反撃。足の角が側頭に直撃した。避け得ぬ状況での不意打ちの一撃。かなり痛い。
「痛っ!ああもう!」
 お返しとばかりに炎刃を叩き込んで触手を千切り飛ばすと、少年を担ぎ全速でその場から離脱する。
 壱彦は現実に引き戻されて混乱する少年をなだめつつ、背にミカンを受けながらも安全圏への離脱に成功したのだった。

「幸せそうなところ悪いんだけど…」
 アッシュは飛龍翔扇を投擲しながら接近していた。
 そして狙い通り、こたつむりの意識は彼女に向いている。
 そのまま、射程に捉えたところで――
「イア、やっちゃえ!」
 炬燵の背後に彼女が頼りとする蒼銀の竜が顕現した。
 急な敵の出現に対応できない炬燵を余所に、ティアマット、イアは手を器用に使い軽々と炬燵をひっくり返す。
「そのまま抑え込んでてね。さぁ、お帰りのお時間ですよー」
 イアが炬燵を抑え込んでいる間に、風を纏った扇で触手を切り刻んでいく。
 炬燵も必死に暴れるが、転倒に加え巨大な竜に抑えられているのだ。頼みのミカン砲もこの体勢では役に立たない。
 余裕かと思われた、その時。
 イアの身体にミカンが直撃した。
 見やると、仲間の危機を感じたのか一体のこたつむりがアッシュに狙いを定めている。
 しかし召喚で能力が向上しているアッシュを止める程のダメージには至らない。
 残る触手を切り離し、男性を抱えると光の翼を出現させる。
「イア、お願いねー」
 彼女の頼みにイアは応じるように低く唸り。触手蠢く中心部に剛腕を振り下ろした。
 竜は触手が力を失い動きを止めるのを確認すると、先程のこたつむりに駆け出すのだった。

 遠距離攻撃が可能な梢だが、接近時には一度も攻撃行動をとらなかった。
 腕に自信がないわけでも無いが、万一を考えると手は出したくない。
 顔だけ出して幸せそうに蕩けている少女を羨ましげに見やった後、布団を捲る。
「こたつで寝ると風邪ひいちゃうよ。はい、でましょうねー」
 中に冷たい外気が流れ込むが、一向に魅了が解ける気配が無い。
 思惑は外れたが、しかし触手を断ち切るべく鉄扇を取り出した。角をぶつけられるも、語り掛けながら切り離す。
 声が魅了からの脱却を助けたのだろうか。触手がその大半を失った時、寒っ…と少女が僅かに正気を取り戻す。
 まだ認識がはっきりしないのか、寝ぼけ声で寒いんだけどーと文句を言ってくる少女。それに対し
「あったかかった?幸せだった?でも私はそんな幸せな一時から貴方を現実に引き戻しちゃうよ!
 わぁ、私悪女みたい!」
 何だか妙なテンションだが、しかし可愛らしい悪女もいたものだ。
 梢が少女を引っ張り出すと完全に正気に戻ったのか疑問を投げ掛けてくる。
 しかし現場から離れるよう促す梢と周囲の様子から状況を理解したのか、そそくさと離れていった。
 彼女が安全に離れたのを見送った梢は踵を返すと、先の炬燵に向かい。
「偽物に用はないかなぁ」
 表情を一転。
「それに、さっき頭に角ぶつけてくれたよねぇ」
 怒ってますと言わんばかりの表情で鉄扇を振り被ったのだった。

 一方、龍磨は盾でミカンを防ぎながら距離を詰めていた。
 布団を天板に挟み込もうとするが天板が外れず断念。それならと切り出し小刀に銀焔を纏わせ触手に切り付ける。
 刃の短さゆえに効率は最悪だが、反撃を受けながらも人を傷つけぬよう腕を振るう。
 炬燵の中に体を埋めていたため最後の触手を切り終えた時には体の節々に鈍い痛みが走っていた。
 それでも気力で抑え込み、渾身の引き摺り出す。
「早く逃げてください!」
 正気に戻った人を背に庇い、撃ち出されるミカンを盾で防ぎながら後退する。

 公園内を軽く見渡す。どうやら捕まっていた人々は全員救出できたらしい。
 残りは3体だが、壱彦がその注目を集めている。
 竜彦が盾を構えつつ距離を取ると、彼の目の前にいた炬燵も新たな獲物を求めてか、壱彦の方に向かい始めた。
 サーバントを騙す壱彦の演技力は確かに凄いのだが…何というか、本気で心惹かれているような…
「(いやいや、まさかね…)」
 とは思いながらも、一応用心しておこうと壱彦に寄る龍磨であった。


「――では」
 ガシャリ、と。危ない笑みを浮かべながら火炎放射器を構える凛。
 その視線の先には三体の炬燵と壱彦の姿。
 そう、壱彦の不可解な行動は全てこの時のため。範囲攻撃を最大の効率で放つための下準備。
 決して本気で炬燵に魅了されていたわけではない。
 そもそも、炬燵のキモい正体を直に目にした壱彦が魅了にかかるなど有り得ない。

 ――……はずなのだが。

「(ああ、あったかいんだろうな)」 
 あ、これは駄目だと一目で判るほど、彼の視線は炬燵に釘付になっていた。
 だが仕方が無いだろう。彼の実家には炬燵等なかったのだ。憧れを抱いて何が悪い。
 確かにキモかった。だが同時に、幸せそうな人々も見ているのだ。どんなに心地良いんだろう…と思った時には既に敵の術中だった。
 壱彦が誘惑に屈服し炬燵に潜ろうとした、まさにその時。
「播磨くん駄目だってば!」
 肩を掴まれ、強引にその場から離される。
 嫌な予感が的中したと確信した龍磨が急いで駆け付けたのだ。
 足が縺れそうになりながらも、誘惑から解放された壱彦は見た。
 見惚れてしまいそうな笑みを浮かべた凛。そしてその手に握られた凶器から撃ち出された炎弾が――
「全部燃えておしまいなさい」
 ドカンと。腹の底に響くような轟音を上げて炸裂した。
 熱風が頬を撫で、眩い光が一瞬視界を染め上げる。
 遠慮や手加減などは皆無。正真正銘本気の一撃。それが数瞬前まで壱彦がいた範囲を飲み込んでいた。
 立て続けに放たれるナパーム。壊れる炬燵。
 龍磨がいなかったらと思うと恐怖しかなく…壱彦は彼に本気で感謝したのだった。


 一戦終えた撃退士達は、野次馬と化して残っていた人達と一緒に焚火をしていた。
 凛が提案した炬燵の焚火は撃退署に却下されたが、普通の焚火程度ならとこうして火を囲んでいる。
 丁度良く龍磨が買っていたサツマイモを火に入れて。
 焼き上がりを待つ間、Laikaは静かに火を見つめていた。
 口元には笑み。寒さの中に見つかる暖かさこそ、正しい外での過ごし方だと満足げに微笑んで。
 息を白く染めてこの静かな時間を楽しんでいた。

 数十分後。
 梢は一番に焼き上がった芋を受け取ると一足先に帰宅の途に就いた。
 部屋にあるマイ炬燵でごろごろしようと決意を固めたらしい。

 紅茶の準備を始めたのは凛だ。
 その手際、表情。どれをとっても先程までヒャッハーしていたのと同じ人物には思えない。

 龍磨はベンチで休んでいた男性に声をかけた。
 彼に気付き、感謝を告げる男性に龍磨は照れたような笑みを浮かべ、芋を差し出す。
「焚火のことはひとつ大目に見てください。お芋、いかがですか?」
 ありがとう、と受け取り。それにしても、と前置きして。
「…天魔も変なのがいるんだね」
 と、炬燵の残骸を見ながら零した言葉には龍磨も苦笑を返すしかなかった。

「播磨さん大丈夫?」
「大丈夫…だけど危ないところだった。…うん、よし。今回の依頼の報酬で炬燵買うよ」
 そう固く心に誓う壱彦。彼の炬燵デビューは近い。
 アッシュは外を駆け回れば寒さなんて感じなくなるのに、と焼き芋を頬張る。
「真冬はキツいわ。あたしは炬燵より温泉の方が良いわね。雪見露天とか美肌とか色々あるし」
 と結希が二人に温泉の良さを語る横で、助け出された少女は焼き芋片手に名残惜しそうに炬燵を見つめていた。
 温かかったなぁ…と未練がましいことを呟いていたのだが、それを耳聡く聞きつけた奈津がぐっと迫る。
「確かに温かくて幸せよね…その時はっ!
 いーい?炬燵に依存するとね?あ と で 暖かくなった頃に乗る体重計とお部屋の惨状がっ!……ぱないんだからね……」
 実感のこもった一言に少女の頬が引き攣る。
 というか、目が泳いでいるところを見るに少女にも思い当たる節があるらしい。
 彼女達はその時のことを思い出すかのように遠くを見つめ。
「……気を付けます」
「……うん、あたしも」
 妙に暗くなってしまった空気の中、少女の後悔が悲しく沈む。
 それでもそんな空気はすぐに明るい笑い声に塗り替えられて。
 冬の日にありながら、暖かな笑い声が冷えた空気に溶けていった。


依頼結果

依頼成功度:成功
MVP: −
重体: −
面白かった!:7人

紅茶神・
斉凛(ja6571)

卒業 女 インフィルトレイター
こんな事もあろうかと・
月丘 結希(jb1914)

高等部3年10組 女 陰陽師
優しさを知る者・
アッシュ・スードニム(jb3145)

大学部2年287組 女 バハムートテイマー
力の在処、心の在処・
稲葉 奈津(jb5860)

卒業 女 ルインズブレイド
撃退士・
播磨 壱彦(jb7493)

大学部1年259組 男 鬼道忍軍
非リア充殺し・
保科 梢(jb7636)

大学部2年34組 女 陰陽師
圧し折れぬ者・
九鬼 龍磨(jb8028)

卒業 男 ディバインナイト
撃退士・
Laika A Kudryavk(jb8087)

大学部5年233組 女 ディバインナイト