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マスター:小田由章
シナリオ形態:ショート
難易度:難しい
参加人数:8人
サポート:2人
リプレイ完成日時:2014/03/10


みんなの思い出



オープニング

●嵌め手
「くそっ特化系だ。俺達じゃあ分が悪い、ここは退くぞ」
「いまからじゃあ倒しきれない。…仕方無いね。僕が足止めするから、援護と連絡ヨロっ」
「おーけー。こんな所で死ぬんじゃねえぞ」
 狭い峡谷を挟んで、太い剣を持つ泥人形のようなディアボロと撃退士が向かい合う。
 互角に打ち合って中で、撃退士が奇妙な事に気がついた。
 フォーメーションを組んだまま、同レベルで戦っている分だけ自分達の方が有利なはずなのに……。
 ディアボロの方が体力を維持しているのだ、決して泥のボディだから見え難いという話でも無い。

 決断するには早い気もしたが、結果としてこの判断が一同を救った。
 後方から似たような奴が増えたのだ、しかも…こいつは泥玉を飛ばしてくる!
「ええい、完全に嵌められた! そこはいいからさっさと逃げろ!でないと手遅れになる」
「あーもう。一撃くらいは覚悟するかっ。ばいばーい!」
 射撃タイプは大型な分だけ足が遅いのか、逃げれば間に合いそうだ。
 だが、形勢としては完全にやられたと言っても良い。
 時間を掛けて有利に戦ってるつもりが、逆に足止めされて、…もう少しでフォーメーションごと潰される所だった。

 戦っていないから判らないが、ここまで用意周到な相手だと…。
「もしかしたら『後衛狙い』もあり得たかもな。ディアボロしか居ないからって騙された」
「ヴァニタスが指揮してるのか、あるいは最初から嵌め手だったのかな。とりあえず、次の手が無いかだけ調べようよ」
「俺達と同じ轍を、増援のメンツにはさせられねえからな。仕方ねえ」
 戦っていた撃退士達は、傷を押して周囲の捜索を開始した。
 無理をした分だけ、次の戦いには参加できないが……。
 さらなる罠があっては、増援が同じ目に合いかねないからだ。
 二重遭難ならぬ、二重増援というのも馬鹿馬鹿しいと、痛む身体を引きずって連絡と監視を続けて行く。

●罠は嵌って、噛み破れ!
「急な用件で悪いが、早速転移してディアボロを倒して欲しい。白兵系の防御型の後ろへ射撃系が控える、割りと危険な部類だ」
「参加者の腕次第では、まともに戦えれば、そう苦労する程でもないんだろうが…。問題なのはルートだ」
「…ちょ、これって間道を縫って民家に向かってるじゃない。明らかに戦闘用なのに…」
 判り易い話、誘っているのだ。
 止めて見せないなら、そのまま民家に押し入りますよ…。
 暗にそう告げることで、正面決戦を挑ませている。
 防御型が居る状態で狭い場所で戦えばどうなるか?間違いなく苦戦する事になるだろう。

「そこで、君らには罠と判って飛び込んで欲しい。無論、対策を整えた上でな」
「…黒幕は状況を用意して、安全地帯から様子を見ているだろう。逆に言えば、その場で指示が出来ないと言う事だ」
「そうか。入念な用意をしていると言う事は、同じ状況だと必ず同じ行動をして来るってわけね?」
 例外は別だが、ほとんどのディアボロは頭が良くない。
 指示された通りにしか動けないし、場合によっては指示すら覚えていない物もいる。
 その場で狭い場所に誘い込めば判り難いだろうに、ワザワザ狭い道を選んでいるのもその辺が問題だろう。
「そういう事だ。相手は一体目が足止めしてから、後方から射撃してくる。方法は任せる」
「言われるまでもねえぜ!罠なんぞ噛み破ってやんぜ!」
 こうして撃退士たちは、僅かな時間を惜しんで作戦を練り始めた。
 作戦さえ決まれば、あとはぶつかるのみ。
 やり方次第で、難しくも楽にもなるだろう。


リプレイ本文

●想定上のトラップ
 山間の道を進んで居た撃退士たちが、不意に枝分かれ…。
 2人ほどが山道から獣道へ踏み行る。
「先を急ぎましょう。罠とはいえ一般人を巻き込もうなんて悪行、見過ごせません」
「飛べる距離も限りがありますしね。…しかし罠に誘っているという事は、敵の目的は何でしょうか?」
 道なき道を、慣れぬ急ぎ足で進む事もあり…。
 ゲルダ グリューニング(jb7318)の言葉に、山寺真人(jb8868)は答えの出無い問いで呟き返した。
 満足な答えなど出るはずもない…だが、思いは別の言葉を口に出す。

「…前に『人助けは大切な事なのよ』と母も言ってましたし、今はそれで良いと思います。思い切り戦いますね!」
「今はそれで十分ですか。…民家へ向かっているとなれば、止めるしかありませんね」
 ため息をつきそうな獣道を、声を出すことで乗り越える。
 ゲルダの微笑みに真人は頷き、山道を行く仲間を見守った。
 …見れば、青い何かを取り出して上に葉を乗せ始めたではないか。
「ともかく、不肖ながら最善を尽くします。彼らのように…」
「ええ。あれでカモフラージュの他に、緩衝材になるはずです。あれで少しは長持ちする…と良いな」
 今は、ただ努力を積み重ねるしかない。
 例えもっと良い手段があるとしても。
 用意された罠を食い破るには、幾つもの努力を重ねて損は無いだろう。
 二人は山道を登り切り、予想進路の裏側へ回り始めた。

「わー、すごく青ーい(・∀・)」
 最初、そんな風に言われていた奇妙な光景。
 少しずつ、枯れ葉や土が被せられ…、山越えする仲間が振り返る頃には、すっかり覆われていた。

●誘因撃滅!
「こんな物ですかね。これ以上は時間の方が足りなさそうです」
「木の葉とかでカモフラージュしてみた甲斐がありましたね(・∀・)/」
 ふうっと汗をぬぐって、只野黒子(ja0049)は固定に使った道具を隠しておく。
 僅かな時間ゆえに全てとは行かないが、遠目に見て判らなければ良いのだ。
 レグルス・グラウシード(ja8064)は、すっかり見違えた光景に満足する。

 遠目に揺れる、茶色いナニカ。
 例え知性があったとしても、あの地点から詳細までは判るまい。
「そんじゃ、やってやろーじゃん! ズンズコ来てるぜ!」
「あいよ。此処がいわゆる最終防衛ラインってやつだ。気合入れていこうぜ」
 バチーン!
 片手を打ちあって、その後で拳を握る。
 花菱 彪臥(ja4610)と向坂 玲治(ja6214)は、迫るディアボロを見つけると即座に行動を開始した。
 泥人形はユーモラスな外見だが、それで油断などしたりはしない。

 まずは気を引きつける為に…。
「静かな山を騒がせるんじゃねーっ。全力でっ、ぶつかってやるぜっ!」
 彪臥の言葉は、走り去る彼を追いかける。
 軽く身を沈ませて、敵の前で横っ跳び!
 その身にまとった輝くオーラは、まるで闘牛士のように鮮やかだ。
「呼び寄せるってのを忘れんなァ、この位置で戦い続けるのはナシな」
「わーってるよ!…にしても、玲治にーちゃん、かっけー!そのモーション、も〜らい 」
 飛び込む彼に合わせるように、懐に沈んで拳が降り抜かれる。
 玲治は無造作に腹へ叩き込んだ後、蹴り飛ばして何時でも下がれるように身構えた。
 その間に彪臥はターンを決めて、挑発効果の程を確かめながら…元の場所に向かい出す。

「さて、迎え撃つ必要があるのですね。ですが…これは2体の泥人形風ディアボロの退治なお仕事です」
「もう1体はもう少し後ろで向こうも囮役みたいだね。こないなら広い位置におびき寄せるだけの作戦でも十分だが…。念には念を入れよう」
 これが1体相手の作戦ならば、順調に進んでいると言えるだろう。
 だが、パルプンティ(jb2761)が言う様に更なる1体が控えて居るのだ。
 うらは=ウィルダム(jb4908)は剣圧を放った後、さり気なく後衛のガード役に回り始めた。
「ぐむむ、判って居ても乗るしかないのって、上手いと言うか、酷いですねー。…それでは、私も向こう側に行きますね」
 言っても仕方ないですね…。
 パルプンティはコッソリ、人の壁に隠れて透過を始める。
 役目は勿論、迂回役。山越えのメンバーとは別の位置を確保し…後ろから来る射撃型を包囲する為だ。

「了解です。お気を付けて」
「…これで全ての『矢』を放ったんだよね。後は…待つだけだよ。全力でね」
 黒子は彼女の『出撃』を見送った後で、杖を振りまわして挑発する!
 少しずつ下がることで、やはり後衛の前へ。
 うらはと共に、後衛をガッチリ固めて相手の後衛潰しに備える為だ。
 極射攻撃に、剣型が突入…。後衛潰しは恐ろしい策ではあるが、判っているなら逆手に取る事はなんでもない!

●罠は嵌って踏みつぶす!!
「かーっ、全然効いた風はねえなあ。もう少し下がるか…?(こんなもんかな?)」
「駄目だよ、これ以上下がったら…。(なーんてね、良いんじゃない?」
 足元を踏みしめれば、ブルーシートがチラほら。
 玲治は輝くアウルを拳に注ぎ始める。
 相手が地面から力を吸い上げるなら、シートの上では使えないハズだ。ならば本命を叩き込むチャンスだろう。
 彼が本気になった所で、彪臥の方も合わせて左右に位置を取りはじめた。

 アウルの輝きが煌めく中で、後方でも少し動きが…。
「チームの回復役ですよー(・∀・)!僕はここに居ますよ〜」
「もう十分だよ。メールも来たし、…少し下がってて」
 ズズン…。
 弓を振りまわしつつ、適宜に回復を掛けて居たレグルスへ、剣型が確認を始め出す。
 ひとまず目の前の前衛を野太い剣で殴って居るが、うらはには視線の様な物が感じられた。

 そうこうする内に、うらはの元にメールが到着。
 恐らくは迂回組からの相図であろう。
「合図ですか?じゃあ、ここからはお願いしますね。…僕の力よ!邪悪なる者を縛る、鋼鉄の鎖になれッ!」
「そうみたいですね。後方でもブルーシートの敷設と、敵影を確認した模様です」
 となればここからは遠慮は不要だ!
 輝くチェーンをひっさげて、レグルスは剣型の泥人形を固定。
 連絡内容を確認したらしい黒子は、チェーンの束縛を確認してから髪の毛では無く…ライフルへ指を延ばす。
 このままシート上で回復遮断し、互いの射界を確保して撃ちあう為だ。

「ここからが本番ですよっ!って危ない!もしかして、敵は視界を共有してる?」
「なら返って都合が良いかな?…残念、その程度じゃ倒れてはあげられないね。君が求めるハッピーエンドは、遠いみたいだ」
 黒子が陽動を開始して間も無く、後方に見えた影から泥団子が飛んで来る。
 うらはに直撃するが、このレベルでは重傷には程遠い。
 感触から言っても、かなりの確率で受け止められるだろう。
 次こそは確実に防いで見せる…と、盾を掲げて待ち構えた。

●反撃開始!
「完了ですよー。このまま集中砲火と行きましょう」
「そうですね、相手は作戦を変えないみたいですし、…楽な作業で申し訳ないくらいです」
 枯れ葉の下に置いてから、透過を終了。
 パパっとブルーシートを設置したパルプンティが見えたので、体を出した辺りで真人は阻霊符を起動させた。
 空から一足早く降り立った事もあり、地面の上でお出迎え。
 念の為にストレイシオンの影から、安全に攻撃させて貰う事にする。

 おそらくは、無理な状況以外は作戦を優先しろと言われているのだろう。
 こちらが射程内だというのに、泥玉のディボロは囮役を撃ち続けている。
「こちらは安全ですけれど、その分だけ味方が危険です。妨害する意味でも、ガンガンいっちゃいましょう。昔、母から聞いたのですが…」
 ヒリュウを防御結界の中に、自分を木陰に隠し…。
 ゲルダは簡単に作戦を説明した。
 この長射程で普通に当てている事を考えると、相手は射撃体勢を取った上で足を止めた相手に狙いを付けている。
 それらの優位性で射撃補正しているのなら、脇から攻撃し続けることで、態勢が崩れるのだと。
 専念出来ない意味でも大きな事だし、ダイナミックに攻撃できれば妨害効果は大きな物となるはずだ。
「母の話を、今でも思い出す事が出来ます。『弓を構えるあの子の姿が神々しくて、よく見入ってしまった物よ』…つまりは、そのくらい専念できる態勢というのは、大きなものなのです」
「…はあ。その辺も含めて、大きな罠だったと言う事ですね。チャッチャとお遊びは終了させましょう」
 ゲルダの話を聞いた時、パルプンティは……え、罠だったのですか?と口にしたと言う。
 どこまで計算されているか判らないが、囲んだ状態の白兵戦でも同じ事が言える。
 ならば、射撃でも似たような有利な態勢があるのだろうと…。今更のようにため息ついて武器を構えた。
「灰は灰に、塵は塵に、泥は泥に戻れりやがれですねー!!」
「前進しますよ。今はその防御力が頼りです」
 パルプンティが冥府へと連なる風を呼び寄せる。
 それは破滅のそこへと悪魔を放りこむ、黄泉に連なる通り路だ。
 彼女の突撃に合わせ、真人はストレイシオンの背を軽く撫でる。
 それが合図であったのか、迂回組の戦闘を召喚獣が押し進み始めた。
「効いてます。ダメージが今一つでも、敵に攻撃専念させなければ何とかなるのです。このまま行きます」
 ゲルダたちが一気に押し出したことで、囮組からも砲撃が飛んで来る…。
 可能な限りの攻撃が、後方に居る射撃型のディアボロに集中し始めた。
 奇しくも、後衛潰しを掛けた相手に、後衛潰しでやりかえした形となる。

●戦局の推移は、順調に…
「もう直ぐ泥んこ遊びは終了ー。そっちに行きますねー」
「カッ!泥遊びはガキの頃に卒業したつもりだったんだがな。…痛って、状況が混乱したんでこっちにきやがったか」
 後方の射撃型は、命中重視な分だけもう一体よりもひ弱なのだろう。
 パルプンティたちがラッシュを掛けた事で、目に見えて崩れ始める。
 これならば、あとちょっとですねーなんて声を掛けられるが、適当に返事している間に玲治へ剣型が重い一撃を浴びせた。
 命令通りの作戦が出来なくなった事で、剣型も後衛狙いを止めたのだろう。

 彼に血がにじむと同時に、剣型の泥が戻って行くのだが…。
「アー!?こちとら食らう覚悟は出来てんだ……その分、俺の一発は痛ぇぞ!」
「まあまあ冷静に冷静に、その分は何とかしますから。僕の力が、仲間の傷を癒す光になるならッ!」
 ズズン!
 玲治の輝く拳が泥の中に吸い込まれ、回復した以上の大穴をこじ開ける。
 そうして、先ほどの光景が逆回しになったように、集ったアウルが傷を癒し始めた。
 囮の必要も無くなり、完全にフリーになったレグルスの回復法術がフル回転を始めたのである。

「やっぱりブルーシートは効いてますね。このまま行きましょう」
「懸念していたこちらの負傷度も、治療の回転率が上がりましたし…このまま勝てるのかな?…それとも勝たされているのか」
 ゲルダのヒリュウが後方から猛烈な突撃を掛けて、その間に真人のストレイシオンが距離をつめて前面に鎮座する。
 召喚獣たちのコンビネーションで、射撃型のディアボロも、風前の灯だ。
 もちろん、彼女たちの攻撃だけなら火力不足だが…。
 次々に突き刺さる、囮班からの砲撃も凄い。ため息を数えるよりも先に、崩れ落ちるだろうが…。

 どうにも、真人には嫌な懸念がぬぐえなかった。
 もちろん、この戦いには勝てる。逃げられて、住民が不安になる事もありえまい…。
「特定の誰かをおびき寄せるとも思えない…。とはいえ、今は増援が来る不安を取り除くくらいかな」
 余裕が出来たことで、真人の脳裏に当初の懸念が蘇る。
 誰が来るか不明なので、有名人や地域を防衛する主要メンバーを狙っての作戦ではあるまい…。
 罠用ディアボロの実戦テストで収まれば良いのだが…。そう思いつつも、まずはミイラ取りがミイラになる可能性を払拭する事にした。
 新たな敵が来るにせよ、ここで余裕を持って倒せば対処できるのだから。

「これで…おしまいですね。残る1体を片つけましょうか」
「えっもう片つけたの?負けねーぞっ!俺の活躍見といてくれよ!」
 ライフル弾の砲撃が、射撃型のディアボロを粉砕する!
 射撃型が動かなくなるのを確認した黒子は、戦槌に持ち替えて白兵戦に切り替える。
 彪臥は彼女が前線に参加したことで、射撃型の撃破のみならず…この戦いの終局を予感した。
 囮だとか押さえて置くとか面倒な話しはここまで!

●戦いの終わり
「もう後衛を狙う余裕はないと思うけどね…」
 しゅたっ…。
 引き抜いた太刀を構えず、そのまま走りつけて流し斬る。
 うらはも前衛に加わって、剣型ディアボロの包囲網を完成させた。

「手数で押し切ろう。相手の手番を増やせば、それだけハッピーエンドが遠のくからね」
「確かにな。終わったと思ったら自爆とか、ゾっとしねえや。さっさと終わらせて、帰るとしようぜ」
 うらはと玲治は、隣り合ってそのまま押し込み始めた。
 相手の能力に、与えたダメージを吸収する以上は、時間を掛けても長引くだけだ。
 加えて最初から罠である以上は、少しでも懸念は取り除いて置くべきだろう。

 もっとも、此処までくれば、流れが変わる要素は何処にも無かった。
 また1人、また1人と加わることで加速的に推移する。
「と言う訳で、ほれほれ、相棒は先に泥に戻ってますよーぅ」
「あーもう、俺のトドメとりやがったー!?しかも、うえーっ、跳ねて泥んこだぜー、風呂入りたいー」
 ザックリ後ろから斬りつけたパルプンティの一撃で、最後のディアボロも崩れ落ちる。
 反対側に居た彪臥は、ほぼ同じタイミングだった事もあり大変だ。
 行きは転移で帰りは公共機関…。
 バスに載せてくれるかなーと、少しだけ心配になった。
「誰かも言ってたが、土くれは土くれに還るってな……」
「今回は、私達にハッピーエンドが訪れたみたいだ。銭湯が楽しめるなら、泥もまた良しだよね」
 玲治の声に、うらはが応じる…。
 向こうでぼやいてる彪臥も、銭湯に誘えば喜ぶだろう。

「そちらは大丈夫ですか?傷とか…」
「傷は大丈夫ですよ。泥は洗ってあげようと思います」
 レグルスが迂回班に声を掛けると、ゲルダたちには攻撃が及ばず無傷だった。
 それだけ後衛潰しを重視していたとは思うが、無事で良かったと言うべきだろう。
「私たちは良いのですが、差し支えなければ、周辺の捜索と、民家の無事も確認しておきたいのですが?」
「ああ、それは良いですね。送り狼対策になりますし、皆で迎えに行きましょう」
 帰り際に真人が別班と合流を言いだすと、黒子も頷いて仲間を呼び集める。
 他に罠があっても、協力し合えば乗り越える事ができるだろう。


 そして闇の奥で呟く声が一つ。
『撃退士の強さと連携、とくと拝見しましたよ』
 天魔の多くは人の強さに無関心。
 だが例外が居るとしたら…、油断はならないだろう。


依頼結果

依頼成功度:成功
MVP: 新世界への扉・只野黒子(ja0049)
 崩れずの光翼・向坂 玲治(ja6214)
 『山』守りに徹せし・レグルス・グラウシード(ja8064)
重体: −
面白かった!:2人

新世界への扉・
只野黒子(ja0049)

高等部1年1組 女 ルインズブレイド
いつでも元気印!・
花菱 彪臥(ja4610)

高等部3年12組 男 ディバインナイト
崩れずの光翼・
向坂 玲治(ja6214)

卒業 男 ディバインナイト
『山』守りに徹せし・
レグルス・グラウシード(ja8064)

大学部2年131組 男 アストラルヴァンガード
不思議な撃退士・
パルプンティ(jb2761)

大学部3年275組 女 ナイトウォーカー
撃退士・
うらは=ウィルダム(jb4908)

大学部3年153組 女 ルインズブレイド
マインスロワー・
ゲルダ グリューニング(jb7318)

中等部3年2組 女 バハムートテイマー
撃退士・
山寺真人(jb8868)

大学部5年26組 男 バハムートテイマー