.


マスター:猫野 額
シナリオ形態:イベント
難易度:易しい
参加人数:25人
サポート:1人
リプレイ完成日時:2014/05/24


みんなの思い出



オープニング


 拝啓

 葉桜の候、久遠ヶ原学園の皆様はおかわりございませんか。こちらは今まさに桜の見ごろを迎えており、訪れた春に町も活気づいております。わたくしどもの町はまだまだ復興の途上ではございますが、少しずつ日々の暮らしが戻りつつあるのも、ひとえに皆様のご尽力あってのことです。改めて御礼申し上げます。
 さて、このたびは皆様に、今一度わたくしどもの町にお越しいただければと思い、筆を執った次第にございます。つきましては近日、不肖わたくしめが営んでおります旅館を会場とし、お花見の宴会を開催いたします。町の皆からは、お世話になった撃退士の皆様を、この機会にぜひともお招きしたいとの声があがっております。ご多忙な身の上とは存じますが、ご参加いただければ幸いです。
 乱文乱筆のほど、ご容赦願います。皆様のご無事息災を心よりお祈り申し上げるとともに、お会いできる日を心待ちにさせていただきます。

                     かしこ
 二〇一四年四月
                    安見吉香



●自販機近くのベンチにて

「――とまあ、こんな感じの手紙が届いててな」
「そうですか」
「反応薄っ」

 ズッコケる樹裏 尚子(jz0194)。危うく持っていた缶ジュースを落としかけるほどオーバーなリアクションである。
 まあ、予想はしてたけどな。呟く尚子に再び「そうですか」と気のない返事を返すのは笆 奈津希だった。
 並んで座る二人の視線の先。グラウンドでは、どこかのクラスが実技の授業を受けていた。
 動きのぎこちない生徒が多い。おそらく、新入生向けの授業なのだろう。

 ちら、と奈津希に視線を投げる尚子。
 肌のあちこちに切り傷や擦り傷が目立つ彼女は、ぼんやりとグラウンドを眺めている。

 大規模作戦の最前線、いの一番に単身敵陣へと突撃した奈津希。
 案の定、開戦後早々に意識不明の重体となり、有無を言わさず久遠ヶ原へと召還されていた。
 撃退士特有の超回復によって、日常生活には支障が無い程度には復活している。
 しかし、少なくとも今回の作戦期間中、前線に復帰することは許可できないとの診断だった。

「なあ、なっちゃん」
「なんですか」

 いつもはツッコミが飛んでくる愛称呼びにも、大した反応は無い。
 そのことを意識しながらも、平静を装って尚子は続けた。

「このお花見、参加せえへん?」

 しばらく無言。
 尚子へ顔を向けた奈津希は、ゆるゆると首を振った。

「奈央が」

 姉の名を口にする。一度言葉は切れた。

「皆が戦ってますから」

 まあ、予想はしてたけどなぁ。硬い表情の奈津希に苦笑を返して、尚子は残りのコーラを飲み干した。
 仲間たちが命がけで戦っているときに、のんきに花見などやってられない。
 奈津希が言いたいのはつまり、そういうことなのだろうと尚子は思った。
 今回に限らず、大規模な戦いでは常に後方支援をこなしているのだから、その気持ちは分かるつもりだ。
 そこで尚子は、わざとらしく大きな溜息を吐いた。

「まー、しゃーないわなー。行く気ない人無理矢理つれてっても場がシラケるだけやしなー」
「……」
「しっかし困ったわー。これもれっきとした依頼なんやけどなー。人集まらんとヤバいわー」
「…………」
「なっちゃんが会いに行ったら、女将さん絶対喜ぶと思ったんやけどなー。残念やなー」
「尚子さん」
「うん? 何?」

 変に明るい笑顔で答える尚子。
 奈津希は、睨むような視線を向けていた。

「行け、って言ってくれた方が、楽です」
「ほんなら行こう! はい、決まり!」
「…………」

 奈津希は頭を抱えた。どこまで調子が良いんだこの先輩は。
 行く気ない人無理矢理つれてったら場がシラケるんじゃなかったのか。
 呆れる彼女の肩をばしばしと叩いて、尚子は笑う。

「不景気な顔しとる暇あったら、さっさと準備しとくんやで? 本番は明日なんやから」
「……は? え、ちょっと待ってください。いくら何でも話が急すぎ――」
「しゃーないやろ。桜が散ったら、まぁた『お葉見』になってまうからなあ。他の皆には伝えてあるから大丈夫やって!」

 ほな、うちはまだ仕事残っとるさかい。明日、頼んだで?
 言いたいことを言うだけ言って、尚子はゴミ箱に空き缶を投げ入れた。
 駆け足で斡旋所へと戻って行く。

「他の皆って……」

 わたしに声などかけずとも、人は集まっているじゃないか。
 小さく息を吐き、奈津希はベンチから立ち上がる。
 依然としてあまり気は進まないが、せっかくのお節介を無碍にするのも気が引けた。

「……青森。久しぶり」

 すっかり花を散らせた桜の木を見上げて、奈津希はぽつりと呟いた。


リプレイ本文

●会場にて

「――おー、やっとるねえ。なるほど見事な景色やなあ」

 柔らかな春の色に包まれたその場所は、集った人々で賑わっている。
 樹裏 尚子(jz0194)は、飲み物の入った重たいクーラーボックスを置いた。

「樹裏先輩、お疲れ様っす!」
「おう、くろりん。そっちも準備お疲れさん」

 「うっす!」と答えたのは虎落 九朗(jb0008)。
 去年のこの時期、尚子とその友人が開いた『お葉見』に参加したのが彼である。
 地元の人たちに混ざって宴会の用意を手伝っていた九朗。ちょうど一段落ついたところらしい。
 そーいやあ、と九朗が尚子に尋ねる。

「旅館の炊事場、借りられるって聞いたんすけど」
「あー、そら女将さんに直接確認した方がええな」
「了解っす! あざっす!」

 旅館の女将を探し始めた九朗を見送り、尚子はクーラーボックスの蓋を開けた。
 ビール瓶とオレンジジュースのペットボトルを持ち、グラスの空いた人を探して会場へ繰り出す。

「手伝いましょうか?」
「おうっ!? な、なんや雫っちか。びっくりしたわ」

 そんな尚子の前へ、ひょっこりと現れたのは雫(ja1894)だった。
 雫と尚子が顔を合わせたのは、学園生同士の模擬戦で対峙して以来である。
 手加減無用と容赦なく雫からブッ飛ばされたことは、尚子の中でトラウマになっていた。
 オーバーな反応に首を傾げる雫。まあいいです、と気を取り直して言う。

「幹事も楽しまないと皆さんも楽しめません。落ち着いたら、樹裏さんも楽しむ側に回ってくださいね」
「そうさせてもらうつもりや。気遣ってくれておおきにな」

 雫と別れ、尚子は再び会場を巡りはじめる。
 見知った顔が視界を横切った。

「あれ、宗ちゃんやん。仕事あったんとちゃうの?」
「依頼なら済んだ。少し寄ってみようと思ってな」

 神凪 宗(ja0435)は旅館を見やった。
 青森が舞台となった悪魔との戦いで負傷した宗は、一時この旅館で療養していた。
 久しぶりに訪れた此処は、あのときよりもたくさんの人で賑わっている。
 宴会場を眺めていた宗。喧騒から離れた場所で寄り添う男女に気づく。
 ふと思い立ち、尚子へと話を振った。

「……そういえば。相変わらず男と歩いている姿を見かけないが、大丈夫か?」
「な、なんやねん藪から棒に……」
「もっと活発に行動して、男の気を引けるように頑張ってみてはどうだ」
「これでも精一杯頑張っとるんやけど!」
「そうは見えんな。必要なら相談に乗るぞ?」
「余計なお世話や! うちにそのへんの話題振らんといて!!」

 血涙を流しそうな尚子に、苦笑を浮かべる宗。
 用事は済んだ、と踵を返す。

「ありゃ、もう帰るん?」
「ああ。会いたい顔がいたんだが、ここには来ていないようだからな」
「ちょっとくらい飲んでいったらええのに」
「今回は遠慮しておく。次回があったら考えておこう」

 学園への帰路につく宗に、尚子はひらひらと手を振る。
 手元のビールとジュースはまったく減っていない。
 そろそろ真面目に回らんと。ぼやく尚子の背後で「あー!」と声が上がった。

「去年お葉見の依頼出してたおねーさんだー!」
「またえらいストレートな覚え方やねえ」

 神谷 愛莉(jb5345)の言葉にツッコミが入る。
 九朗同様、昨年の『お葉見』に参加したメンバーの一人が愛莉である。
 あのときは、部活動の先輩から料理を習っているところだと彼女は言っていた。
 今日も愛莉は重箱を持参していた。満面の笑みを浮かべて、その蓋を開ける。

「お料理修行の成果、おねーさんに見てもらうのー♪」

 筍ご飯のおにぎりに、筍の煮物。卵焼きと、菜の花の辛し和え。
 アスパラと新玉葱、たこさんウィンナーのケチャップ炒め。
 玉葱、アボカド、海老、そしてトマトを使ったサラダ。

「おおー!」

 割り箸を受け取り、まずはケチャップ炒めを一口。
 続いてサラダ。卵焼き。煮物。辛し和え。一通り箸をつけたあと、最後におにぎりを手にする。
 もぐもぐ。無言で食べ続ける尚子を見上げて、愛莉が尋ねる。

「……どうですか?」
「うん。どれもこれもチョー美味い!」
「ホントっ? よかったー!」
「他の人たちにも食べてもろたら? アドバイスもらえるかも」
「じゃあ、みんなに食べてもらいます!」

 ありがとーございましたっ。
 ぺこりとお辞儀をする愛莉に、こちらこそどーも、とお辞儀を返す尚子。
 離れていく愛莉を目で追った。一人の男の子と合流し、何やら笑顔で話している。

「……うちもだいぶ丸くなったなあ」

 周囲に溢れるリア充オーラを受け流している自分に気づき、己の成長を感じる尚子だった。


●玄関にて

 小走りで旅館へ駆け寄るウィズレー・ブルー(jb2685)。
 落ち着いた風貌とは裏腹に、その双眸はきらきらと輝いていた。
 彼女を追って歩くのは、カルマ・V・ハインリッヒ(jb3046)。
 いつになくそわそわしている天使を眺めて、悪魔の青年は苦笑を浮かべた。

「この旅館、桜とよく合って素敵ですね」

 趣ある造形美。そして、その美しさを引き立てる春の色。
 広がる景色に微笑むウィズレー。そのままふらりと旅館の中へ。

「わあ……!」

 内装を目にしたウィズレーは、感嘆の息を漏らした。
 人間がつくった構造物が大好きな彼女。さっそく壁に触れてみようと手を伸ばして――

「少しはしゃぎすぎですよ、ウィズ」

 やんわりと制止された。
 しょんぼりと肩を落とす。気を取り直して、ずいっとカルマに顔を寄せた。

「では、では、私はここのお手伝いをしたいです。カルマ」

 こんな素敵な場所を提供して頂いたのですもの。そう言って嬉しそうに笑う。
 カルマは再び苦笑する。

(……この流れを予想していた俺は、もうすっかりウィズに染められましたか)

 そんな二人の元へ、着物姿の女性が少し慌ててやってきた。

「ごめんなさい。きちんとしたお出迎えが出来なくて……」

 頭を下げる旅館の女将――安見 吉香に対して、二人は気にしなくていいと答えた。
 お互いに自己紹介を済ませ、さっそくウィズレーが吉香へと尋ねる。

「あの……私に何か、お手伝いできることはないでしょうか?」
「お手伝い? そうねえ……」

 客として招いた相手に手伝わせるというのは、どうなのだろうか。
 返答に窮する吉香へ、今度はカルマが申し出る。

「無理にとは言いません。出来ればで良いので、俺たちにも何か手伝わせてください」
「ううん……せっかくのご厚意だから、少しだけお願いしようかしら」

 ありがとうございます、とお辞儀をするウィズレー。彼女の瞳は輝きを取り戻していた。
 女将の手を取り、熱の籠もった語調で頼み込む。

「落ち着いたら、ぜひこの旅館の事を教えてください。築何年か、建材の種類は何か、あとは――」
「ウィズ。女将さんが困ってますよ」
「あ……す、すみません」

 カルマの言葉で我に返ったウィズレーが、頬を朱に染めながら吉香の手を離す。
 吉香はカルマに目配せしながら言う。

「いいえ、お気になさらず。可愛らしい恋人さんね?」
「「えっ」」
「あら、違ったかしら」

 わざとらしくとぼけて、吉香は楽しそうに笑った。
 カルマとウィズレーは、ぶつかった視線をどちらからともなく逸らした。


●旅館の厨房にて

「……っべぇ。作りすぎたかもしんねぇ」

 九朗がぼそりと呟いた。

「だ、大丈夫ですっ。……たぶん……」

 炎武 瑠美(jb4684)が自信なさげにフォローを入れる。

 女将から許可をもらい、厨房を借りて料理を作り始めた九朗。
 揚げ物、和え物、おにぎり、炊き込みご飯等々を同時に調理。
 通りかかった瑠美が、忙しそうな様子を見て手伝った……その結果。
 数十人前の料理が厨房のテーブルを埋め尽くしていた。

「全部外まで運ぶのだけでも大変だな……」
「……すごく時間がかかりそうです」

 美味しそうな香り、そしてどんよりとした雰囲気に包まれる九朗と瑠美。
 そこへやってきた吉香が、口元に手を当てて驚く。

「あらまあ、こんなにたくさん」

 女将の声を聞いてびくりとする二人。怒られるかもしれない。
 しかし、それは杞憂に終わった。吉香は満面の笑みを浮かべる。

「どれも美味しそうね。皆で運びましょう」


●廊下にて

 良い香りの湯気が列を成して進む。
 先頭を歩くのは九朗と瑠美、そして小学生の二人。
 小さめの皿を抱えているのは、先ほどまで外の花見に参加していた愛莉と礼野 明日夢(jb5590)。
 愛莉が飽き始めたのを感じた明日夢が彼女の手を引いたのは、少し前のこと。
 二人は吉香の手伝いをしていた。

「この料理、おにーさんがつくったんですか?」
「おう。炎武先輩に手伝ってもらいながらな」

 愛莉の質問に九朗が頷く。
 去年の『お葉見』で弁当を振る舞った二人は、それぞれがこの一年で料理の腕を上げたようだ。
 調理談義に花を咲かせる九朗と愛莉。その隣で、瑠美が明日夢へと声をかける。

「明日夢くんは小さいのに、しっかりしていますね」
「一晩泊まってご迷惑をおかけするので。これくらいのお手伝いは当然です」
「本当にありがとうね。助かるわ」

 四人の後ろを歩く吉香が礼を述べる。
 かつて明日夢は、姉と一緒にこの旅館に滞在していたことがあった。
 その際、明日夢たちはほぼ毎日、吉香の手伝いを欠かさなかった。
 良く出来た子だと吉香は感心していた。きっと姉の教育が良いのだろう。

「確かに素晴らしい内装ですね……ウィズ、余所見は危ないですよ」

 そこかしこに溢れる和の風情を堪能しつつ、危なっかしいウィズレーを諌めるカルマ。
 もちろん二人も料理を運ぶ手伝いの最中なのだが、如何せんウィズレーは落ち着かない。
 最初に手伝いを申し出たのはウィズのはずなのですが、とカルマは肩を竦めた。

(まあ、戦ばかりよりは良いでしょう)

 冥魔の軍勢に所属していた頃のことを想起する。
 思えば、彼女との出会いも戦場だった。
 それに比べて今このときの、なんと平穏なことか。

「――ウィズレーさん、さっき建物について聞きたいことがあるとおっしゃっていたわね?」
「あ、はい」

 夢見心地の表情を浮かべていたウィズレーが、吉香の一言でぴしりと姿勢を正す。
 あまり詳しく無いけれど、と吉香は笑顔を浮かべる。

「私が話せることは、すべてお話しするわ。あとでお時間をいただいてもいいかしら?」
「ありがとうございます。ぜひお願いします」

 ――本当に、良い時間ですね。
 ウィズレーの笑顔を見ながら、カルマは心底そう感じた。


●花の下にて

「……すまない。少し聞きたいのだが」
「あ、はいっ。なんでしょう?」

 料理を運び終えた瑠美に、トラウィス(jb9859)が声をかけた。

「花見とは桜を眺めることで合っているのか? よく分からなくてな」

 悪魔であるトラウィスが人界に下ったのは、もうだいぶ前のことである。
 しかし久遠ヶ原学園にやってきたのは最近の話。
 宴席に参加するのはこれがはじめてだ。

「お花見は、桜を眺めながら、お酒を飲んだりお料理を食べたりすること、だと思います」
「なるほど。よくわかった、ありがとう」

 瑠美に礼を告げたトラウィスは、しばし考え、ひとつ頷く。
 酒と食べ物を確保した彼は、それを手に会場を巡り始めた。
 やがて、一本の桜の前で立ち止まる。そして『闇の翼』で飛翔。
 太い枝の上に腰を下ろし、目の前の花と眼下の人々を眺めながら、酒を口に運んだ。

「……うん、此処からの眺めは良いな」

 これが花見か。
 教わったばかりのイベントを堪能し、トラウィスは満足そうだった。


●二人で

「おー! すっごい一面ピンクなんだよー!」

 人の輪から離れた場所。
 広げたシートの上で寛ぐ影野 恭弥(ja0018)目掛けて、真野 縁(ja3294)は集めた桜の花びらを散らす。
 体のあちこちに花びらが引っかかった恭弥を見て、にまりと笑った。

「くふ、雪みたいだね!」
「あんまはしゃぎ過ぎて転ぶなよ」

 だいじょーぶ、と恭弥の注意を流し、駆けていく縁。
 行く先々で地元のお年寄りから声をかけられているようだ。
 しばらくすると、重箱に溢れんばかりの料理を盛って、とてとてと恭弥の方へ戻ってくる。

「ふおお! おにぎりにからあげにハンバーグ、おかずいーっぱいに桜餅に柏餅! もしやここが天国なのかな!?」

 恭弥の隣へ座った縁は、早速もぐぱくと料理を平らげていく。
 相変わらずの量に呆れつつ、恭弥も自分で確保した料理へと箸を伸ばした。

(コンビニ弁当よりは美味い……かな)

 無表情のまま淡々と食べる恭弥。
 対して縁は、にへにへと幸せそうな笑顔を浮かべながら重箱を軽くしていく。
 おかず類を食べ終え、デザートに手をつけたところで、ようやく縁のペースが落ちた。少しだけ。

「んんー! やっぱり桜餅を食べると春って感じがするんだね! 上は一面の桜、下は桜の絨毯! これぞ絶景なんだよ!」
「……そんな一気に食べたら喉に詰まるぞ」

 喋る合間にも食べ続ける縁。
 恭弥が差し出したペットボトルのお茶を受け取り、それを傾けて喉を鳴らす。
 ぷはーっ。満足げにお腹をさする縁の傍に、空っぽの重箱が置かれた。


 …………。


「んに……」

 ごしごしと目を擦る縁。
 お腹いっぱいになったせいで、眠くなってきたらしい。

「ったく……ほら、こっち来いよ」

 ぽんぽん。恭弥は自分の膝を叩いた。
 こくりと頷いて、縁は体を横にする。

「お休みなさいなんだね……」

 くふりと笑った縁が、くうくうと寝息を立て始めるまで、そう時間はかからなかった。
 彼女の頭を優しく撫でながら、恭弥は空を見上げる。

「平和だな……」

 たまにはこういうのも悪くない、と恭弥は思った。
 自分の心の中の冷たい何か。
 縁の明るい笑顔が、それを溶かしてくれている。そんな気がした。


●三人で

 旅館に着いたカイン 大澤(ja8514)は、適当な場所を見つけて腰を下ろす。

「……特に何もすることはないか」

 手持ち無沙汰のカインは、退屈そうに人々を眺める。
 その中に、誰かを探す見知った顔を見つけた。

「おっ、いたいた。おーい!」

 目が合うと、幽樂 來鬼(ja7445)はひらひらと手を振った。
 その隣にはウェル・ウィアードテイル(jb7094)の姿もある。
 カインのところまで歩いてきた來鬼とウェルは、三人が向かい合うような形で座った。

「たまには誰かと一緒の花見も悪くないね」
「そういや、この面子でなんて初めてよな」

 輪の中心に酒と菓子を置きながら呟くウェル。
 少し意外だといった表情の來鬼は、確保してきた料理を並べた。
 黙ったままのカインに、來鬼が笑顔で尋ねる。

「で。カインちゃんは何してたの?」
「銃器の整備が出来れば良かったが、こういうところで武器弾薬は広げられねえやと思って」
「たしかにこの雰囲気の中で銃火器を持ち出したら大騒ぎになりそうだよね」

 そう言いつつ菓子を頬張るウェル。その片手には缶ビール。
 じっと缶ビールに視線を送るカインに気づき、ウェルはぷらぷらと缶を振りながら言う。

「色々食べてるけど、春は桜が一番の肴なんだよ。……おっと、キミはまだジュースで我慢だよ?」
「はいはい、これ持って。注いであげるからさ」

 來鬼に勧められるがまま、カインは紙コップを手に持った。
 とくとくと注がれていくジュースを眺め、満たされた液体をまじまじと見つめる。
 その様子を來鬼とウェルは見守った。カインが一口飲んだのを見て、顔を見合わせて二人は笑う。

 しばらく女性二人の世間話が続いた。
 ウェルと來鬼の掛け合いの中途、ときたまカインに話が振られ、無表情ながらも反応を返す。
 雑談が一区切りついた折、ふう、とウェルは息を吐いた。
 酔いが回ったことで、動くのが少々億劫になっていた。

「來ちゃん。膝、借りてもいいかな」
「ん、いいよー」

 優しく笑う來鬼の膝に頭を乗せ、これはいいねえとくつろぐウェル。
 目を細めて、彼女は小さく呟いた。

「……また来年も来れるといいね」

 そうだねえ。しみじみと同意する來鬼の声を聞きながら、ウェルは目を閉じる。

 悪魔でありながら、人並みの時間しか生きられなくなった。
 だけど。私は皆と見た桜を忘れない。
 忘れないから、皆が「居なくなった」後に見る桜はきっと寂しい。
 そう考えれば、この短い人生も思った以上に悪くないかもしれない。

 すっかり静かになったウェルに、苦笑しながらブランケットをかけてやる來鬼。
 まだ一杯目が空にならない紙コップを持つカインにも、ブランケットを差し出す。

「外だし寒かったら使いな?」

 こくり。頷いて、カインはブランケットを受け取った。
 穏やかに微笑んで、ウェルの頭を撫でる來鬼。
 彼女が注いでくれたジュースと、彼女が渡してくれたブランケット。
 それらを順繰り見つめて、無表情のままカインは思う。

(――コレが日常なのか? 俺にはないものだ)

 今までは少年兵として、戦いの中で生きてきた。
 今は撃退士として、戦いに身を投じて生きている。
 縁遠かった平穏な場所。そこで過ごす今この瞬間を、少年は記憶に刻み込んだ。


●一人から

「働いた後のお茶は格別ですね」
「ええ。お話も聞けましたし、来て良かったです」

 桜を眺めながら、カルマとウィズレーが談笑している。
 やや離れた場所に座る笆 奈津希は、二人から視線を逸らした。
 ひとり、桜の木を見上げる。

「綺麗だよね」

 呟きが聞こえて、奈津希の視線が動いた。
 あっ、ごめん。謝りながら、清純 ひかる(jb8844)はジュースの入ったコップを差し出す。

「いきなり話しかけたから、びっくりさせちゃったかな。話し相手がいなくてさ」
「……ん」

 短い声をもらして、奈津希はコップを受け取った。
 伸ばされた手の甲には、最近できたのだろう大きな傷痕。
 それに気づいたひかるが、心配そうに尋ねる。

「怪我してる……大丈夫?」
「別に。すぐ治るし」

 奈津希はそっぽを向いた。
 ひかるから、顔の傷が見えなくなるように。心配する彼の顔が、見えなくなるように。
 料理の乗った皿を持つ雫が、こちらへ歩いてくる。

「覇気がありませんね」

 開口一番、率直な印象を告げる雫。
 奈津希は黙っている。その視線は皿の上の料理に向いていた。

「食べます?」
「ん」

 雫の問いに、奈津希は首肯した。
 割り箸と皿を受け取り、黙々と料理を口に運ぶ。
 お腹がすいていたらしい。あっという間に平らげた奈津希を見下ろして、雫は言う。

「重体ですか」
「守りたくて、戦って、怪我した。それだけ。ちょっと痛かったけど、後悔してない」
「――相変わらずまっすぐなんだね」

 眩しいくらいに。
 バナナオレを手にした水枷ユウ(ja0591)が、奈津希の隣に並んで座った。

「不変を守りたい、だっけ」

 ユウが呟く。頷く奈津希。金の瞳がわずかに翳った気がした。
 それはいいんだけど。誰かのために力を使えるのは、とても尊いことだけど。
 ユウは、奈津希の名前を呼んだ。

「ナツキ。あなたはとてもまっすぐ。この先もきっと、たくさん助けて、たくさん守る」

 そうあってほしい。本心から、ユウはそう思っている。
 まっすぐで、綺麗で、思わず手を貸したくなる。そんな彼女なら、きっと。
 だけど、とユウは続けた。

「倒れちゃったら、誰も、何も守れないよ。守りたいなら自分も大事にしなきゃ。だから――」
「わかってる」

 死んじゃだめだよ。
 そう言おうとしたユウの言葉を、奈津希は強い語調で遮った。

「……わかってる。大丈夫」

 一転して、言葉は弱々しく繰り返された。
 笑おうと無理をして、今にも泣きそうな。そんな顔をしていた。
 ずずー。ユウのくわえたストローが音を立てる。
 ふう、と息を吐いて、雫が口を開く。

「体が治ったら、また模擬戦の相手を務めますよ。強くなる為のお手伝い位にはなるでしょうから」
「戦いはまだ続いてるけど、ずっと気を張ってると疲れちゃうよ。それだと、いざってときに困るよね」

 今日みたいな日にのんびりしておかないと。ひかるは努めて明るく笑った。
 四人は桜を見上げた。春風が花びらを散らし、桜吹雪が舞う。
 そうだ、とユウが何かを思いつき、立ち上がって服をはたいた。

「せっかくだからお風呂入ろ、お風呂」
「……私は遠慮しておきます」
「僕もパスかな……結局一人になるし」

 雫が辞退し、ひかるは頬を掻いて苦笑する。
 ナツキは? 視線で尋ねるユウに、最後の一人は頷きを返した。


●女湯にて

 夜。
 旅館周辺の桜はライトアップされ、昼とは違った華やかさを魅せている。

(公共の風呂は緊張するわね……)

 体にタオルをしっかりと巻いて、陽波 飛鳥(ja3599)は露天風呂へと足を踏み入れた。
 主な目的は花見だが、他の人の体も……気になるところである。
 久遠ヶ原には、立派なバストを持っている女性が多い。飛鳥は慎ましい方であり、コンプレックスを感じていた。
 先客はどうやら三人。気にしない、気にしないと唱えながらも、さっそく全員のサイズを目視確認。

「――撃退士である以前にィ、貴女は女の子なんだからねェ? お肌や体は大切になさいなァ」

 つるーん。
 一人目、黒百合(ja0422)。
 その胸は平坦である。

「おっしゃるとおり、だね。さ、背中流すよ」

 ぺたーん。
 二人目、水枷ユウ。
 その胸は平坦である。

「やだ」

 かなりまな板だよコレ!
 三人目、笆 奈津希。
 その胸は平坦である。

(…………あれ?)

 なんか予想してたメンバーと違う。
 飛鳥は何とも言えない表情を浮かべた。
 そんな彼女の胸中など知る由も無く、貧乳三人組は体を洗っていた。

「傷が染みるのは自業自得。我慢しないと」
「むぅ……」

 ユウの言葉に頬を膨らませる奈津希。
 一足早く体を洗い終えた黒百合が、湯船に向かいながら奈津希を諭す。

「女の子は綺麗になる義務がある、ってものよォ。ちゃんと洗わないとォ」
「……わかった」

 未だ不満そうではあるが、大人しくユウに背中を流してもらう奈津希。
 にこにこと笑う黒百合。湯船に浸かると同時、はあーと大きな溜息。

「ここでお酒が飲めれば最高だったんだけどねェ……」

 以前、この旅館に来たときも、大浴場での飲酒を止められていた黒百合。
 呟きを耳にした飛鳥が、体を洗う手を止めて彼女を二度見した。

(……どう見ても未成年なんだけど)

 黒百合は中等部である。外見も学年相応である。
 本人曰く、飲酒しても法的に問題ない実年齢らしい。
 久遠ヶ原では良くある話である。


●男湯にて

「綺麗だなぁ……」

 湯の流れる音を聞きつつ、陽波 透次(ja0280)は湯船から桜を眺める。
 露天風呂には、大仕事を終えた九朗と、月詠 神削(ja5265)の姿もあった。

「やっぱ温泉は良いなぁ。心が洗われるっつーか……」

 すっかり気の抜けた表情の九朗が、独り言を呟いて大きく息を吐く。
 透次は、壁を隔てた向こう側にいる姉のことを思う。

(……姉さんと一緒に見れると良かったんだけど)

 あっちはあっちでこの景色を堪能しているだろう。そう考えることにした。
 二人と同じく穏やかな表情の神削。しかし心には懸念が過ぎっていた。
 思い返すのは、青森で起こった悪魔との戦い。討ち取れなかった敵のこと。

(滋賀ではリザベルが干渉してきた。他の連中も、そろそろ動くか……?)

 神削が特に気にしているのは、アラドメネク。
 実際に刃を交え、死闘を演じた相手である。
 聖槍による一撃を受けたにも関わらず、ほとんど間を置かずに戦線へ復帰してきた化物だ。
 彼がまた動けば、笑えない事態になりかねない。

(今なら……奴にも届くだろうか)

 静岡で天使を屠った己の手を見つめる。
 答えは出ない。それでも、今度こそ――


●個室にて

 大浴場から戻った陽波姉弟。
 二人は窓際で桜を眺めながら、トランプを広げていた。

(どうして的確にババを避けるのよー!)

 ぐぬぬ。まったく勝てずに唸る飛鳥。
 五連敗を喫したところで、弟をキッと睨む。

「こんなのイカサマよ! 鏡か何かで私の手札を覗いてるんじゃないの!?」
「そんなことしてないよ……」

 鏡を置くまでもなく、姉の手札は透次に筒抜けなのである。
 心情が顔に出すぎる。そこがまた姉さんらしい、と思う透次だった。
 そろそろ、わざと負けて機嫌を取る必要がありそうだ。

 翌朝。
 寝ぼけた飛鳥は透次の布団に潜り込み。
 誤って姉の胸を触ってしまったがために、思いっきり殴り飛ばされる。
 そんな未来を、弟はまだ知らない。



 ところ変わって別室では。

「場は整った……いざ尋常に勝負」
「枕投げ? いいね、修学旅行みたい♪」

 押入から布団一式を引っ張り出した赤城 羽純(jb6383)の提案に、御崎 緋音(ja2643)が笑顔で賛成する。
 チーム分けは、羽純と緋音のペア対春名 璃世(ja8279)と春名 瑠璃(jb9294)の姉妹コンビ。
 開戦直後、羽純と緋音は手始めに、動きの素早い瑠璃へと標的を絞る。
 機動力を活かしてそれらを避ける瑠璃。妹を庇って璃世が前へ。

「さすが姉妹……良い動き」

 瑠璃の反撃を冷静に捌きつつ、羽純は作戦を実行するタイミングをはかる。
 一方の春名姉妹側も動きを見せようとしていた。

「姉さん、連携して一気に叩くわよ! って、おぉぅ……」

 瑠璃が朗々と宣言する。しかし返事が無い。
 見れば、璃世は枕の山に埋もれていた。
 今だ。きらり、と羽純の目が光る。

「……スキありっ」

 すぱーん。

「え……? きゃーっ!?」

 羽純は『緋音の』浴衣を脱がせ、それを瑠璃に被せて視界を奪った。
 一瞬の出来事に、何が起きたかわからない緋音。
 すぐさま状況を理解し、近場の布団を引き寄せて体を隠す。

「は、羽純っ、何するの!?」
「女しかいないから大丈夫……それに緋音が脱がされるのはいつものこと」
「そ、それはそうだけど。って、納得しちゃう自分がヤダ……」

 思わず涙を浮かべる緋音。仕方ないね、と羽純は頷く。
 一方の瑠璃は、これは好機とばかりに戦線を離脱。

「瑠璃、大丈夫……って、緋音!?」

 枕の山から脱出した璃世が、状況に目を丸くする。
 しかも妹が見当たらない。まさか、と部屋の隅へ目をやると。

「いただきまーす♪」
「ダーメっ!」

 瑠璃が隠していた老酒を、璃世は素早い動きで取り上げた。
 姉さんはこんな時だけ早いんだから、と瑠璃は唇を尖らせる。

「レモンスカッシュで我慢! お酒はダメ!」
「わかったわよ……」

 手渡されたスカッシュをちびちび飲みはじめる瑠璃。
 ちなみに緋音の浴衣を被ったままである。
 そして、枕投げも終わっていなかった。

「なんだ、やけに騒がしいな……って危なっ!」

 部屋に入ってきた秋月 奏美(jb5657)の顔を目掛けて枕が飛来する。
 咄嗟に体を逸らした結果、奏美の背後で「ぶっ!?」と声が漏れた。

「……まぁた随分と派手な歓迎やなあ?」

 顔面で枕をキャッチしたのは、尚子だった。変に清々しい笑みを浮かべている。
 奏美に誘われてこの部屋へ来てみたところ、ご覧の有り様である。
 その尚子から連れてこられたのは瑠美。部屋の中を覗いて「はわわわ」と慌てだした。

「は、早く浴衣返して〜!!」

 涙目の緋音は何故か下着姿である。

「油断大敵……」

 にやりと笑う羽純は、やってきた奏美たちを巻き込む気満々。

「樹裏さん、大丈夫!? ……ってあれ、お酒が――」
「いただきまーs」
「ダメーーっ!!」

 訪問者を気遣ったかと思えば、瑠璃に老酒を奪還された璃世は再びそれを阻止すべく走る。
 姿勢を低くした瑠美は、緋音の浴衣を回収しようと試みた。
 彼女の頭上を羽純と尚子が投げる枕たちが飛び交う。
 熱の入り始めた尚子。その服の裾が、ぐいっと引っ張られた。

「んお? ……あ、雫っち」
「尚子さん。私が怖い子だと思っているそうですね」

 現れたのは雫である。目が据わっていた。
 オレンジジュースと間違えて、ビールを飲んでしまったらしい。

「ここはお互いに腹を割って話をしましょ――」

 べしっ。
 雫の顔を枕が直撃。
 あちゃー。冷や汗を流す尚子も、後頭部に追撃を受けてつんのめった。

「……ひとまず共闘しましょうか」
「さんせー。こんなん、ゆっくり話もできへんわっ!」

 かくして、雫も枕投げへと参戦。
 そしてなぜか、緋音の浴衣も枕に混ざって宙を待っていた。
 ひんひん言いながら瑠美がそれを追い、緋音は流れ枕にきゃーきゃーと騒いでいる。
 そして部屋の隅では、璃世が瑠璃に正座をさせ、お説教モードに入っていた。

「……なんだこれ」

 奏美は一人、呆然としていた。
 去年のお葉見のことを尚子と話そうと思っていたのだが、それどころではなくなっている。


 しばらくして。

「ん……美味しい……」

 もぐもぐと料理を食べる羽純。
 ようやく落ち着きを取り戻した部屋には、奏美が作った手料理が並んでいた。

「おにぎりも、おはぎも、桜餅も、全部美味しい♪ おかわりっ!」
「体動かしたから、お腹減っちゃった。ありがとね、奏美さん♪」
「ああ、いや。好きで作ったんだ、気にしなくていいよ」

 老酒を完全に遠ざけられ、しばらく静かだった瑠璃。美味しい食べ物ですっかり機嫌が直っている。
 無事に浴衣を取り戻し、きちんと着直した緋音が、笑顔でお礼を口にした。
 微笑む璃世も、謙遜する奏美へと感謝を述べた。

「カナちゃん。いつもさり気ない優しさをありがと。……たまには、私たちに甘えてね」
「女の子同士の友情かぁ。ええねえ、うん」

 疲れて寝てしまった雫と瑠美へ布団をかけ終えた尚子が、しみじみと呟く。
 うちも頂いてええかな? 箸を取る尚子へ、奏美は頷きを返した。

(……あれから一年、か)

 奏美が初めて参加した依頼は、尚子が主催した『お葉見』だった。
 自分の料理を食べながら談笑する皆を眺め、この一年を振り返る。

 来年も。その先も。
 ここにいる皆で、こんな時間が過ごせたら。
 窓から見える桜を眺めながら、ぼんやりと未来を思い描く奏美だった。


依頼結果

依頼成功度:大成功
MVP: −
重体: −
面白かった!:9人

God of Snipe・
影野 恭弥(ja0018)

卒業 男 インフィルトレイター
未来へ・
陽波 透次(ja0280)

卒業 男 鬼道忍軍
赫華Noir・
黒百合(ja0422)

高等部3年21組 女 鬼道忍軍
凍気を砕きし嚮後の先駆者・
神凪 宗(ja0435)

大学部8年49組 男 鬼道忍軍
ちょっと太陽倒してくる・
水枷ユウ(ja0591)

大学部5年4組 女 ダアト
歴戦の戦姫・
不破 雫(ja1894)

中等部2年1組 女 阿修羅
心に千の輝きを・
御崎 緋音(ja2643)

大学部4年320組 女 ルインズブレイド
あなたの縁に歓びを・
真野 縁(ja3294)

卒業 女 アストラルヴァンガード
金焔刀士・
陽波 飛鳥(ja3599)

卒業 女 阿修羅
釣りキチ・
月詠 神削(ja5265)

大学部4年55組 男 ルインズブレイド
肉を切らせて骨を断つ・
猪川 來鬼(ja7445)

大学部9年4組 女 アストラルヴァンガード
祈りの心盾・
春名 璃世(ja8279)

大学部5年289組 女 ディバインナイト
無傷のドラゴンスレイヤー・
カイン=A=アルタイル(ja8514)

高等部1年16組 男 ルインズブレイド
撃退士・
虎落 九朗(jb0008)

卒業 男 アストラルヴァンガード
セーレの友だち・
ウィズレー・ブルー(jb2685)

大学部8年7組 女 アストラルヴァンガード
セーレの友だち・
カルマ・V・ハインリッヒ(jb3046)

大学部8年5組 男 阿修羅
惨劇阻みし破魔の鋭刃・
炎武 瑠美(jb4684)

大学部5年41組 女 アストラルヴァンガード
リコのトモダチ・
神谷 愛莉(jb5345)

小等部6年1組 女 バハムートテイマー
リコのトモダチ・
礼野 明日夢(jb5590)

小等部6年3組 男 インフィルトレイター
臨機応変・
秋月 奏美(jb5657)

大学部3年258組 女 阿修羅
託すは相棒の一撃・
赤城 羽純(jb6383)

大学部6年110組 女 ルインズブレイド
High-Roller・
ウェル・ウィアードテイル(jb7094)

大学部7年231組 女 阿修羅
撃退士・
清純 ひかる(jb8844)

大学部3年156組 男 ディバインナイト
戦場を駆ける薔薇・
春名 瑠璃(jb9294)

大学部5年207組 女 ルインズブレイド
阿修羅四天王・
トラウィス(jb9859)

大学部7年194組 男 阿修羅