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マスター:猫野 額
シナリオ形態:イベント
難易度:易しい
参加人数:25人
サポート:2人
リプレイ完成日時:2014/01/11


みんなの思い出



オープニング


●セルカの場合。

 久遠ヶ原にきてから、はじめての長いお休み。
 冬休みがはじまって、数日が経った。
 わたしは笆さんちのマンションでごろごろする毎日を送っている。
 寮のお部屋にはないけど、ここにはこたつがあるの。素敵よね。
 ここでずーっとみかんを食べていたいなあ。お外は寒いし。動きたくないや。

「なあ、せるか。この問題なのだが、わかるか?」
「んー?」

 こたつを挟んで向かい側に座るルーシィが、宿題のプリントをわたしに見せる。
 わたしの方が一学年ぶんお姉さんだからね。頼られるって嬉しい。

「えっと、これはね……」

 ……これは、なんだろう。
 数学の問題ってことは、わかるんだけど。それくらいしかわかんない。
 どうしよう。ほんとのこと言ったらかっこ悪いし。

「んーと……ちょっと時間がかかるから、待っててくれるかな?」
「む、そうか。わかったぞ」

 って、もうすでにみかん食べながらテレビ見てるじゃない。
 ……あれ? もしかして、わたしって期待されてない?
 たしかにわかってないけど。この問題解けないけど……。
 ちょっぴりがっかりしながら、こたつを出てベットに向かう。

「奈央、起きてー」
「んぁ……?」

 お昼なのにぐっすり寝ていた奈央を揺さぶった。
 わたしとルーシィが遊びにきたのに、まだ寝てるんだよね……。
 妹の奈津希はとっくにお出かけしちゃってるのに。
 しばらくお布団を揺らしていると、寝ぼけ声が聞こえてきた。

「……まて、なつき……あとごふん……」

 ……起きる気配がない……。
 ああ、どうしよう。ルーシィがみかんを食べ終わっちゃう。

「奈央ってば。ピンチなの、助けてっ」
「……うるさい。気が散る。一瞬の油断が命取り……」
「どんな夢見てるのよ……」

 ダメだ、起きない。
 奈央は当てにならない。わたしだけでなんとかしなきゃ。

「せるかー? まだわからぬかー? 我、二個目を食べてもいいかー?」
「もうちょっと待って!」

 テレビ画面を見たまま、ルーシィがみかんの皮をむき始めた。
 ……うん? よく考えたらおかしくない? この状況。

「……ねえ、ルーシィ。これ、ひょっとしてわたしにやらせて終わらせるつもり?」
「うむ。そうすれば楽だと聞いた」
「それじゃ宿題の意味がないでしょ!」
「そうなのか?」

 かくんと首を傾げるルーシィ。
 誰よ! この子にズルを教えたのは!
 わたしはムカムカしながら、リモコンでテレビを消した。
 「あー!」とルーシィが不満そうな声を出す。

「宿題を他の人にしてもらうのはダメなの! 終わるまでテレビ見るのもダメ!」
「むむむ……」
「何がむむむよ! まったくもうっ」

 ルーシィに宿題のプリントを返して、代わりにみかんを没収する。
 そんなわたしの目の前に、もう一度プリントを突き出すルーシィ。

「この問題がわからぬのは本当なのだ! 頼む、教えてくれ!」
「えー」
「早くしないとてれびが終わってしまうぞ! 急げ、せるか!!」

 ……頼られるのは、嬉しいけど。
 わたし、この問題解けないってば……。



●笆奈津希の場合。

 冬。
 猫は炬燵で丸くなる季節。

「……さむい」

 わたしも炬燵で丸くなっておけばよかった。
 いつもは行かない遠くの依頼斡旋所に寄ってみたは良いけど……。
 やっぱり、どこでも依頼参加の競争率が高いのは一緒みたい。
 選り好みしなければ参加できるけど、それなら近場の斡旋所で済むし。
 ……何のために外に出たのかわかんない。まあいいや。
 いつもは通らない道を歩く。家に帰るには、一番近い道。……だと思う。たぶん。

「あれ、なっちゃんやん。どないしたん、こんなとこで」
「尚子さん。そちらこそ、どうしてこんなところに? あと『なっちゃん』はやめてください」

 木製の桶を持った尚子さんが、向こうから歩いてきた。
 ……わたしが来た方向に、何かあったっけ。
 歩き出す尚子さんになんとなく着いていきながら、話を聞く。

「うちはアレや。ボランティア活動」
「洗濯用の水汲みですか」
「いつの時代の話やねんそれ。お掃除やっとるの」

 くだらないやり取りをしているうちに、道の先にもう一人立っていることに気づく。
 向こうもこちらに気づいたようで、にこにこと微笑みを浮かべて手を挙げた。

「おひさしぶりです。いつかの模擬戦以来、ですね」
「知沙さんもボランティアですか?」
「ええ。そんなところです」

 小さく頷いて、知沙さんは微笑みを消した。
 尚子さんから桶を受け取り、柄杓で水をすくう。それを目の前の石にかけた。
 一見ただの細長い石だけど、よく見ると人の手で加工された跡がある。
 神妙な表情で知沙さんの行動を見守る尚子さんに、小声で尋ねた。

「……なんです? この石」
「お墓。供養する人数に対して、めっちゃ慎ましいサイズやけど」
「これまでに亡くなった久遠ヶ原の学生すべて。それを悼むための碑……ということになっています」

 尚子さんの言葉を、知沙さんが引き継いだ。
 二人によると、この石碑は有志によってつくられた非公式のものだそうで。
 存在を知っているのは、数人だけしかいないらしい。

 ……普段は、あまり意識しないけど。
 わたしには――わたしたちには、たくさんの先輩がいて、少なくない数の人たちが命を落としている。
 そして、さらに数多くの力を持たない人たちが、苦しんで、悲しんで、つらい思いをしている。
 たくさんの人たちが抱いている想い。たくさんの人たちが残していった想い。
 わたしが背負っているモノは、小さくない。
 見下ろせるほど小ぢんまりとした石碑を眺めながら、そんなことを考えた。

 ……依頼。
 選り好みしないで、何かに参加してみようかな。



●真木綿織部の場合。

「……ふう」

 吐いた息は白く、夜の空気は肌に刺さるような冷たさだった。
 雪に染まった景色と満天の星空。聞こえるのは、湯が露天風呂へと流れ込む音だけだ。
 ほんの少し前まで、青森の復興を手伝う撃退士が滞在していたこの温泉宿も、今では閑散としてしまっている。
 仕方の無いことだ。秋田、富士、四国に種子島。私たちが戦うべき相手は多い。
 こういう言い方はしたくないが、いつまでも青森だけに構っていられない現状なのは確かだろう。

「復興、か……」

 少しずつ進んでいる、とは思う。
 青森だけではなく、京都や群馬など、天魔の勢力から解放された各地で。
 それでも、苦しい境遇の人たちは少なくない。
 友人。恋人。家族。大切な存在を失くした人は、数え切れないほどたくさんいる。
 ……もっと。もっと何かできるはずだ。
 撃退士として、だけではなくて。一人の人間として。私として。

 ……そういえば。
 この露天風呂も、久遠ヶ原の仲間が直してくれたものだった。
 そのおかげで私は今、こうして温泉を堪能できるのだから、本当にありがたい。

 そう考えると、この宿が近いうちになくなってしまうのはとても残念だ。
 夫を病気で亡くし、一人娘は撃退士となり――帰らぬ人となった。
 それがこの宿の女将、安見さんの境遇。
 もう疲れたの、と。そう言って苦笑する安見さんに、私は言葉が返せなかった。
 続けろ、などと安易に言えるはずもない。だけど、続けてほしいとも思う。

 ……私にできることはないか。
 何かあるはずだ。もっと、何かができるはず。
 具体的には何も思いつかなかった。
 それでも私は、焦燥感に追われるようにして、湯船から出た。


リプレイ本文

●12月25日


 クリスマス。
 年末における一大イベントと呼べる今日も、残すところあと数時間。
 夕暮れに染まる街では、イルミネーションが灯り始めている。

「ぐッ……!」

 ひと気のない公園のベンチ。
 そこへ、ぼろぼろの姿になっている男が一人、倒れ込んだ。
 ラグナ・グラウシード(ja3538)である。

「こ、今年も……多くの同志がやられた、か……」

 前日、たくさんの仲間と共に決起したラグナだが、その周囲に味方の姿は無い。
 この二日間、不眠不休で戦い続けた彼ら非リア充たちは、例年の如くリア充爆破に勤しんだ。
 しかし、ここは久遠ヶ原学園。闊歩するのは腕利きの撃退士ばかり。
 一人、また一人と返り討ちに遭い、今となっては散り散りとなってしまった。

「哀しくない、哀しくなんかないぞ……!」

 来年こそ、私にだってきっと!
 ……そんな儚い夢を胸に、涙でベンチを濡らしながら、空を見上げる非モテ騎士。
 依然、リア充を爆破する側のラグナだが、彼とて健全な男子である。
 いつかステキな女性に巡り合えることを願うのは、至極当然のことだった。
 しかし彼の傍らには、今は誰もいない。

「はぁ……」

 ひとしきり泣いてスッキリしたラグナ。
 溜息をひとつ吐き、公園を後にする。

 ――マンションで大勢の仲間が待っていることを、彼はまだ知らない。
 今日は、ラグナの誕生日だった。



●12月某日


「ただいま戻りまし……暑いですね」

 扉を開けた安瀬地 治翠(jb5992)の言葉は、最後まで続かなかった。
 とある高級マンションの一室。
 そこでは、エアコンが全力で熱風を吐き出していた。

「……お前んとこ、熱帯地方の生きもんでも飼ってんのか?」

 治翠に続いて部屋に入った恒河沙 那由汰(jb6459)が、思わず尋ねた。
 厄介なレポートを(治翠のものを写すことで)終わらせるために来てみたはいいが、それにしても真夏のような高気温である。
 友人からの問いに苦笑を返しつつ、治翠はエアコンの設定温度を下げた。
 熱帯の生物は飼っていない。しかし原因ははっきりしている。

「雪人さん、恒河沙さんです。ご挨拶を」

 治翠が扉をノックした部屋では、時入 雪人(jb5998)が冬休みの課題に向かっていた。
 エアコンフル回転の原因は彼である。
 はーい、という返事の後、足音が扉に近づく。
 ……ところが雪人が出てくる気配は無い。それどころか鍵のかかる音がした。
 治翠と那由汰は顔を見合わせる。

「おーい。雪人?」
「はいはい。聞こえていますよ」

 那由汰が呼びかけると返事はするものの、雪人は部屋の外へ出る気がないらしい。
 呆れ顔の那由汰が治翠に尋ねる。

「あいつ、いつもこんな感じなのか?」
「ええ、まあ……すみません、透過して連れ出していただけますか?」

 悪魔である那由汰に、治翠が依頼する。
 が、しかし。壁に手をついた那由汰は、再び呆れた表情を浮かべた。

「阻霊符使ってんぞ。あいつ」
「…………」

 笑顔のまま言葉を失う治翠。
 雪人は、よっぽど外に出たくないらしい。

「恒河沙さん、上着を着てください」
「……何する気だ?」
「奥の手を使います。少し寒くなりますが、ご協力を」
「お、おう。わかった」

 那由汰が上着を羽織っている間に、治翠は部屋のブレーカーを落とした。当然エアコンは沈黙する。
 異変を感じ取った雪人だが、部屋から出なければブレーカーを復旧させることはできない。
 そこまでするのかと呆気にとられる那由汰に、治翠が告げる。

「さて、レポートを進めましょうか」
「……お前って結構スパルタなんだな」

 那由汰が率直な感想を告げた。
 治翠は、笑顔のままであった。

 ――数時間後。
 部屋のドアが開いた。
 長い髪をポニーテールに結いあげ、淡い桃色のセーターを着た雪人は、ぷるぷると震えていた。
 さながら雨に濡れた小型犬である。

「……やあ、恒河沙さん。今日も寒いですね……」
「いや、そこまで寒くねぇだろ」

 思わず那由汰がツッコんだ。
 治翠は平常運転の微笑みを浮かべている。

「出てきましたか。せっかくですから、温かいものでも食べに行きましょう」

 渋々頷く雪人は、内心で治翠を悪魔呼ばわりしていた。口に出すのは怖すぎた。
 いつもこんなやり取りしてんだろなーなどと考える那由汰。
 ……レポートの丸写しが済んでいないことに彼が気づくのは、年が明けてからのことである。



「ふみ。いつも通りだね〜。少し寒いかな?」

 晴天の下、エマ・シェフィールド(jb6754)は街を歩いていた。
 まだ行ったことのないお店を巡り、おいしいものを食べるためである。
 食べ歩きは彼女の日課だった。友人とメールをやりとりしつつ、未踏の店舗を探す。

「そういえば、向こうの方には行ったことないや〜。今日はあっちに……ふみ?」

 一軒の店の前で、エマの足が止まる。
 小首を傾げ、看板に目を留めて。

「ふみみっ! お店が変わってる〜!?」

 建物はそのままのようだが、エマが記憶しているものと店名が違っていた。
 新しく出来たお店では、食べ物を売っているようである。
 エマの足がその店へ向かう。とりあえず入ってみることにしたようだ。

 数分後。
 買ったばかりのたい焼きを手に、エマが姿を現した。
 すでに一口いただいているようで、ほくほくの笑顔がその味を語っている。
 エマの携帯電話が鳴った。友人とのメール交換が続いているようである。

「……あ。そうだっ」

 その友人へ、エマは電話をかけた。
 正午過ぎ、ティータイムにはぴったりの時間帯である。

「もしもし〜。今、時間あるかな〜? メールで言ってた新しいカフェ、一緒に行ってみない?」

 電話の向こうから、歓喜の声が聞こえてくる。
 橙の瞳を輝かせる友人の顔が脳裏に浮かぶと、エマは自然と笑顔になった。
 変わらない日常。いつもの日々。
 友人が来るのを待ちながら、たい焼きを頬張る少女は微笑むのだった。



 久遠ヶ原学園には、同名の施設があちこちに点在している。
 例をあげるなら図書館や図書室。規模、内装、蔵書の種類が異なるそれらは、当然利用者の内訳も異なる。
 そんな図書保管施設の中でも、比較的古く、小規模な図書室。
 寒さを和らげるために設置されたストーブ。それに近い席で、オリガ・メルツァロヴァ(jb7706)が本を広げていた。
 彼女の傍らには数冊の本が積まれている。内容は、いずれも天魔に関するものである。

(……ハーフ、ね……)

 オリガの思考は、本の内容とは少し異なっていた。
 ハーフ。人間と天魔の血を持つ人たち。
 学園がその存在を認めてから、徐々にその数を増やしている。
 面白半分で検査を希望し、自分に天魔の血が混ざっていることを知った人間もいると聞く。

(今まで人として生きてきて、だけど事実は違った。それを知ったとき、どんな気持ちになるのかしら?)

 もしも。
 あたしが、ハーフだったら。

 オリガは本を閉じた。
 それと一緒に、膨らみかけていた想像も中断する。

 マーマのこともパーパのことも、何も知らない。会ったこともないけれど。
 あたしは、オリガ。
 偉大なる魔女、バブーリャの孫。
 だから、あたしも魔女なのよ。
 それで充分。今は、それで。

「……そうよね? バブーリャ……」

 不安の滲むその声を、ストーブの火だけが聞いていた。



 冷たい風の吹く日。
 宮路 鈴也(jb7784)は、とある墓地を訪れていた。
 冬休みを利用して家族の墓参りに来たのである。

「もう一年も終わりか……」

 今年はいつもより早く過ぎた気がする。
 そう思いながら、凍える両手に息を吐く。

 故郷が天魔に襲われて家族も友人も失い、一人だけ生き延びた。
 アウルの適正があることがわかり久遠ヶ原へやってきた。
 色々なことがあったが、それらは遠い昔の話ではない。
 たくさんのものをなくしたあの日から、大して時間は経っていなかった。

 目を閉じ、手を合わせる。
 撃退士になったことで人を救うことが出来た。
 未だ覚えることが多い毎日は、大変だが充実している。
 自分のような存在が、これから生まれることのないように。

「……立派な撃退士になるよ」

 小さく呟く。決意を。誓いを。
 気持ちを新たにした鈴也は、墓前を後にした。



「――さて。はじめるか」

 年の瀬が近づく今日。
 天宮 佳槻(jb1989)は、自身の下宿先の大掃除に取りかかった。

 料理好きの先輩が経営するカフェバー。
 その店舗の二階は居住空間となっており、佳槻はここに住んでいる。
 お世話になっている以上、綺麗な店舗で新たな年を迎えられるようにした方が良いだろう。

 丸一日かけて、天井から床までを丁寧に掃除していく。
 去年は賑やかだったこの店だが、店主不在で開店する機会が減った最近は、寂しいくらい静かだ。
 掃除を続ける佳槻。ふと、ここに泊まっていった人たちのことを思い出す。

 自分がいつかここを去るとき。その日のことを想像する。
 何も残すことなく、ただここから消えていく。
 それは寂しいことなのだろうか。それとも潔いと言えるだろうか。
 そこまで考えて、手が止まっていることに気がついた。思考に耽りすぎたようだ。

「これでよし、と」

 無事に大掃除を終えた佳槻。今後の予定は特にない。
 ベッドで横になり、とりとめのないことをぼんやりと考える。

(……こうして惰眠を貪れるのも、幸せなのかもしれないな)

 そんなことを思いながら、佳槻は目を閉じた。



●12月31日


 2013年、最後の日。
 すでに新年を迎える準備を済ませているソフィア・ヴァレッティ(ja1133)だが、今日は朝から買い物をしていた。

「一年の締めにはやっぱりCenoneを楽しみたいね」

 ソフィアの故郷、イタリアでは、大晦日はご馳走を食べる日である。
 Cenoneと呼ばれる大晩餐。彼女はそのための食材を買い歩いていた。

「レストランもいいけど、ここはあえて自分で作りたいかな」

 この日のための予算は多めに用意してある。
 少し高くても、良い食材であれば躊躇なく購入した。
 買い物を終えて帰宅したソフィア。さっそく調理に取りかかる。
 メニューはすでに決めてある。そのための食材も手に入れた。
 手際よく調理を進めたが、ご馳走作りは時間を要した。
 日が傾き、町が夕焼けに染まるころ、ようやく準備が整った。

「これで完成、だね」

 最後の料理を盛りつけ終えたソフィア。満足げに微笑む。
 年を越す用意は万端。あとは、一緒に過ごす人を待つだけだ。



 久遠ヶ原学園内で最も高い建物。
 その屋上へと腰を下ろしたインヴィディア=カリタス(jb4342)が、夜の街を見下ろしていた。
 悪魔でありながら天使のような風貌を持つ彼にとって、この行動は日課のようなものである。

 年を越す刹那が目前に迫る今夜、眼下の光景はいつもよりも明るく賑やかだ。
 人々の営みをこうして眺めるとき、カリタスは決まって優しく目を細める。
 今日も、彼の表情は穏やかだった。

 人の子。天の子。悪魔の子。
 久遠を名乗るこの学園は、これから何を飲み込み、どこまで成長するのか。
 相容れない者たちで混成されたこの島は、きっと歪の坩堝だ。
 その歪に押し潰されてしまうのか。それとも、その歪すらも抑え込んでしまうのか。
 愛する命たち。その未来がどんなものであろうとも、全てを見届けると誓おう。

「――どうか君達は、美しいままで」

 青年の呟きは、誰の耳にも届くことなく、冷たい空気に溶けて消えた。



「おまたせっ!」

 人々が列を成す神社の前。
 ラルフ・エーデルシュタイン(jb8153)の元へとクリスタ・アウフレヒト(jb8154)が駆け寄った。
 二人の吐く息は白い。除夜の鐘が遠くで響いている。

「クリスタさん。これ、どうぞ」

 ラルフが温かい缶コーヒーを差し出す。
 ありがとう、とお礼を言いつつ、クリスタはそれを受け取った。
 防寒対策をしてきたとはいえ、やはり冬の夜は寒い。
 雑談をしながら参拝の列へと並ぶ二人。呟くようにクリスタが言う。

「……やっぱり混んでるね」
「そうだね。はぐれないように気をつけないと」

 あまりの人の多さに、ときたま誰かに押されるような状況だった。
 本当にはぐれてしまいそうだ。手を繋ごうかどうか、クリスタは迷っていた。
 そんな彼女の様子に気づかないラルフ。空を見上げながら口を開く。

「今夜は月が綺麗だね」
「えっ、あ、うん! そうだね!」
「……? どうかした?」
「ううんっ! なんでもないっ!」

 伸ばしかけた手を引っ込めて、クリスタは誤魔化すように笑った。
 なんでもないなら、いいけど。首を傾げるラルフに気づかれないよう、彼女は小さく嘆息した。
 そういえば、と今度はクリスタが話題を振る。

「ラルフくん、悪魔だったよね? 神社とかお参りしても大丈夫なの?」
「うーん。悪魔が神頼み、っていうのは変かもしれないけど……郷に入っては郷に従え、とも言うからね」

 もちろん、お参りの作法はバッチリ勉強してきたよ。そう言ってラルフは笑った。
 彼につられるようにクリスタも微笑む。

(……寒いけど。ラルフくんと一緒だと、心はぽかぽかなんだよね。なんでだろう?)

 勉強の成果を語るラルフの横顔を見ながら、そんなことを考えた。
 不思議な気持ち。とても心地良いその気持ちがクリスタは好きだった。
 人の列は少しずつ前進していた。鈴の鳴る音が近づく。もうすぐ二人の番である。

「ラルフくん、お願い事は決まってる?」
「そうだね。考えてあるよ」
「……聞いてもいい?」
「それは秘密」

 えー! なんで!? 不満気な表情を浮かべるクリスタに、ラルフは苦笑を返して誤魔化した。
 『仲良く一緒に過ごせますように』というお願い事を口にするのは、少しだけ恥ずかしい。



 一方その頃。
 御崎 緋音(ja2643)は、こたつに入ってみかんを食べていた。

「おこた、あったかいねえ……♪」
「うん……おこたに入ってると、眠くなるのは、なん、で……」

 すぴー。
 温もりに眠気を誘われ、春名 璃世(ja8279)は一瞬意識を手放した。
 隣に座る緋音が慌てて揺り起こす。みかんの甘酸っぱさで眠気を撃退する璃世。

 ここは、緋音と璃世がはじめたルームシェアハウスの一室。
 畳敷きの和室にはこたつが置かれている。二人はここで年を越す予定のようだ。
 残り数時間となった2013年。話題は、自然と一年を振り返る内容となった。
 色々なことがあった。その中でも二人が出会い、親友となれたことは、お互いにとって大きな出来事だ。

「璃世と親友になって本当によかった……♪ これからもずっと仲良くしてね?」
「私も緋音と仲良くなれて幸せだよ。もちろん、これからもずっとよろしくね……♪」

 来年も、笑顔いっぱいの一年になることを願って。
 ……再び睡魔に襲われる璃世を、苦笑いを浮かべる緋音が起こした。



●1月1日


 2014年。
 新しい年がはじまった。
 そのことをしっかり確認し、緋音は新年の挨拶を口にする。

「璃世、あけましておめでとう。今年もよろしくね♪」
「あけましておめでとう、緋音。今年もいっぱい楽しい思い出をつくろうね♪」

 璃世も笑顔で挨拶を返す。
 少しだけ続いた彼女たちの会話。あるときを境にぱったりと止まる。

 手を繋いだ緋音と璃世。
 寝息を立てる親友二人は、ひょっとしたら同じ夢を見ているのかもしれない。



「……フッ。真冬の冷たい風が目に染みるぜ」

 陽波 透次(ja0280)がぽつりと呟いた。
 初詣に訪れた神社は大盛況のようである。例年通りだった。
 隣を歩いているのが彼の姉、陽波 飛鳥(ja3599)なのも、毎年のことである。
 飛鳥曰く。

「一緒に行く相手がいないわけじゃないわよ?
 私が他の人と行くとあんたは一人ぼっちでしょ?
 だから一緒に行ってあげるって言ってるの。感謝しなさい」

 とのことである。だいたい虚勢である。
 なんて寂しい姉弟だ、としみじみ思う透次だった。
 まあ、だが、しかし。飛鳥の着物姿が見れた透次は、内心満更でもなかったりする。
 着付けが甘い姉に対し、可能な範囲でそれを直そうとする弟。

「ちょっと! 公衆の面前で恥ずかしいでしょ!」
「だったらキチンとしなよ。着崩れは心の乱れ、って言うだろ」
「この方が楽なのよ! あーもう、やめなさいってば!」

 しばらく抵抗した飛鳥だが、最終的には弟に説き伏せられていた。
 傍目には、兄と妹のように見えなくもない。
 ある程度飛鳥の服装を整え、満足した透次は、改めてといった体で姉に尋ねる。

「姉さんは、一緒に初詣行く相手はいないの?」
「だ、だから相手がいないわけじゃ……そういうあんたはどうなのよ。私がいなかったらぼっちでしょ」
「僕はいいんだよ」

 透次曰く。
 初詣に姉しか誘えないぼっち生活も、18年続けば癖になり快感に変わる! とのことである。末期だった。
 ついにわけのわからない現実逃避を始めたか、と飛鳥は頭を抱えた。

 こんな陽波姉弟だが、いざ順番が回り、鈴を鳴らしてお願いしたのは、お互いの幸せ。
 なんだかんだ言いつつも、仲の良い二人なのだった。

 ちなみに。
 物は試しと引いてみたおみくじの結果も、二人仲良く「末吉」である。



 人であふれる神社の境内。
 そこには、ミシェル・G・癸乃(ja0205)と癸乃 紫翠(ja3832)の姿があった。
 二匹の飼い猫、羽織袴を着たザクロとティガも一緒である。
 着物姿のミシェルが心配そうに言う。

「大丈夫だし? 代わるよ?」
「……大丈夫。なんとか頑張る」

 体の大きなザクロを抱えた紫翠。
 さらに彼の肩の上では、小柄なティガが動き回っている。
 たくさんの人がいる場所に来たせいで、テンションが上がっているようだ。
 見るからに大変そうである。

「こらこらっ。ティガ、暴れないっ」

 少しでも紫翠の負担を減らそうと、ミシェルがティガをなだめる。
 そうこうしているうちに、二人と二匹は賽銭箱の前へと辿り着いた。
 ミシェルが小銭を投じ、紫翠は二匹と一緒にお参りを済ませる。

『今年も皆でこうして元気で、無事に一年過ごせますように』
『家族が楽しく健康に過ごせますように』

 幸せな時間を、これからも一緒に。
 それが二人の願い事。

 さて、初詣を終えて自宅に戻った癸乃夫妻。
 相変わらずティガは元気で、ザクロはさっそく昼寝を始めていた。
 ずっと二匹を抱え、乗せていた紫翠は疲労困憊のようだ。
 そんな夫を労って、着物から普段着に着替えたミシェルは紫翠を膝枕。

「代わるって言ったのに……」

 呆れ顔で紫翠の髪を撫でるミシェル。

「着物姿を崩したくなかったんだ。綺麗だったよ……もちろん今も」

 そう言って紫翠が微笑むと、ミシェルは頬を染めた。
 「……ばか」と小さく呟いて、照れ隠しにキスをする。

「初詣前に撮った写真、後で飾ろうな」
「ん♪ 玄関に飾るしっ!」

 癸乃家の玄関には、思い出の写真がたくさん飾られている。
 それらを指折り数えて振り返るミシェル。昨年もたくさん思い出が出来た。

「またたくさん思い出撮ってこうね! ……ってあれ?」

 ミシェルに膝枕をされたまま、紫翠は寝息を立てていた。
 穏やかな寝顔。思わず微笑んだミシェルは、そっと感謝の言葉を告げる。

「ありがと、シスイ。今年も宜しくお願いします……」

 頬に触れる。こうして彼の傍にいることができて、ミシェルは本当に幸せだった。
 彼女の目標は、今年に限らず、この先もずっと変わらないことだろう。
 それは、愛する旦那様にとっての良い奥さんになることである。



●1月2日


「遊園地に行こう!!」

 黒崎 啓音(jb5974)が声高にそう言った。
 はいはい、と彼をなだめるのは音羽 海流(jb5591)。

 海流の兄弟たちと従兄妹、義弟である啓音、そして両親と祖父母という大家族。
 昨日、家族皆で初詣を済ませた後から、啓音をはじめとする年少者たちはずっとこの調子である。
 どうやら以前から計画していたことらしく、軍資金は確保済み、行先も決定済みとのこと。
 寝正月を予定し、当初は渋面だった海流も、啓音たちの勢いに押されて同行する運びとなっていた。

(……まあ、いいか。宿題は冬休みに入ってすぐに全部片づけたし)

 一日昼寝をしなかったからと言って死にはしない。海流は、はしゃぐ啓音たちを眺めた。
 啓音や従兄妹たちの立場は、理解しているつもりだ。
 この歳で家族を亡くしている。それでも、啓音や従妹は屈託なく接してくれている。
 普段から従兄がどこか遠慮していることも感じる。
 家族の思い出を増やしたい。そういう思いから、今回の話が生まれたのだろう。

「学園だと部活単位での行動が多いからな! せっかくの機会だ、家族みんなで行かないと!」
「あー。そうだな」
「……海流にぃ、なんか元気ないな? そんなに行きたくないのか?」
「ただ眠いだけだ。気にするな」

 なんだよ、テンションひっくいなあ。
 文句を言いながらも、啓音は笑顔だった。

 本当の家族と、一緒に過ごした思い出。
 啓音の記憶には残っていなかった。
 今の義兄弟や従兄妹たちは、そのほとんどが撃退士として暮らしている。自分だってそうだ。
 想像したくはないけれど、何が起こるかわからない。
 だから、何があってもいいように。家族との思い出を残しておきたい。
 啓音がそう思うのは、自然なことだった。

「ほら、海流にぃ! 早くしろよー!」
「わかったって。……まったく」

 今日は。今日くらいは。
 義弟たちに振り回されるのも、悪くない。
 そんなことをぼんやりと考えながら、海流は家を出た。



●1月3日


 ピロリーン♪

 聞こえてきたスマートフォンのシャッター音に、みくず(jb2654)は首を傾げた。
 音のした台所では、みくずの兄がおせち料理をつくっているはずだが。

「……お兄ちゃん、何してるんだろ?」

 まあいいんだけど。呟きの合間に、皮を剥き終えたみかんを食べ終える。
 手伝おうかと聞いてみたものの、「危なっかしいから近寄るな」と言われている。
 みくずの舌を以て天下一品と称される料理の腕。それを持つ兄がつくるおせちである。
 きっとグルメマンガに出てくるような素晴らしい完成度のものに違いない。

「うわあ……楽しみだなあ♪」

 じゅるる。想像するだけでよだれが止まらないみくずだった。
 ひとまず兄の料理が終わるまでは、こたつに籠もったままスマートフォンで料理ブログを眺めるつもりらしい。
 ちなみに冒頭のシャッター音の直後から数えて、すでに五個のみかんがみくずの胃袋へと消えている。

 台所に視点を移そう。
 完成したてのおせちを前に、くつくつとあやしげに笑う男が一人。
 みくずの兄、紫 北斗(jb2918)である。

「年越しにお正月。和食が得意な『ゆかりちゃん』の魅力をアピールする絶好の機会や! 利用せん手はないッ!!」

 北斗がつくった京風のおせちは、そこかしこに女性らしい趣向をこらした一品である。
 テーブルのセッティングや料理の盛り付け方も、なにやら女子力高めの装いである。
 手にしたスマートフォンで撮影した写真をブログにアップしながら、北斗はほくそ笑む。

(これで『家庭的で優しくてボインでかわいいゆかりちゃん』は健在!
 男どものハートを釘付けにして他の女に恋をさせんことで、新たなリア充の発生を阻止!
 まさに完璧な作戦ッ……! 俺、天才ッ……!!)

 ネカマだった。本人は満足しているようだが、いろいろとひどい作戦である。
 ミッションを終えた北斗。おせちをみくずの待つ居間へと運ぶ。

「待たせたな。おせち出来たで!」
「おおー!! ……ん?」

 目を輝かせたみくずが、ふいに首を傾げる。
 どこかで見たことがあるようなおせち。
 さっきまで眺めていた料理ブログ、その最新記事にアップされていた写真と盛り付け方が似ているような……?

「どないした? 食べてええんやぞ?」
「あ、うん! いただきますっ!!」

 みくずの中で一瞬浮かんだ違和感は、あっという間に消えてしまった。
 今さっきまでそこに在ったはずの料理たちのように。



●1月某日


「えっと、あけまして、おめでとう、ございます。ことしも、よろしく、おねがいしま、す……?」
「あけましておめでとう。こちらこそよろしくね!」

 ぎこちなくお辞儀をするイヴ・クロノフィル(ja7941)。
 そんな彼女に、如月 統真(ja7484)は新年の挨拶を返した。

 お正月の挨拶を兼ねて、統真の部屋に遊びにやってきたイヴ。
 二人並んでこたつに入り、しばらくテレビを眺める。
 コマーシャルに入ったタイミングで「あ」とイヴが口を開いた。

「大事なこと、忘れてた……宿題、やらないと。……分からないトコ、あるから。統真、教えて?」
「ああ、うん。もちろんいいよ」

 こたつの上を軽く整理して、イヴが宿題を広げる。
 できるだけ自力で問題を解きながら、必要に応じて統真に質問をするイヴ。

「ここは……こう?」
「えっと。そこはね、こういう風に考えてごらん?」
「……そっか。ありがと、統真」

 いやあ、これくらいはね。あはは。硬い笑顔の統真である。
 心なしか……どころではなく、顔が真っ赤になっていた。
 彼の異変に気づいたイヴが首を傾げる。

「……? 統真、なんか、お顔熱い……大丈夫?」
「えっ!? ナ、ナンデモナイヨ!?」

 心配そうに至近距離から見つめられ、統真は目が回る思いだった。
 イヴの年齢不相応な、その、あれですよ。胸のふくらみが、ですね。
 こう、ちょっとした拍子に、ね? かるーくぶつかっちゃったりするわけで。

(む、胸が、胸がぁぁ!? お、落ち着くんだ僕! 心頭滅却すれば、ふにふにが気になる……じゃなくてっ!!)

 新年早々、いろいろと試されている統真であった。
 イヴの宿題が終わり、彼女が帰った後、統真はちょっと残念がったとか、そんなことはない。
 ……たぶん。



●冬休み最後の日


 各々が充実した日々を送ったであろう冬休みも、いよいよ最終日。
 晩ご飯もお風呂も終えた雪室 チルル(ja0220)。
 あとは今年最初の登校日に備えて寝るだけである。

「……そう思っていたときが、あたいにもありました」

 彼女の目の前の机では、宿題が山を成していた。
 日記だけは毎日つけていたチルルだが、逆を言えば日記以外は手つかずである。
 どうすんだこれ。

「だ、大丈夫! この程度、あたいにかかればラクショーよ!」

 締め切りまでは、まだ半日ほど時間的な余裕があるはずだ。絶望するにはまだ早い。
 今からアウル全力全開で頑張れば間に合う! はず!!
 疲れた体に鞭を打ち、眠気を向こうへ追いやりながら、チルルは気合を入れて宿題に立ち向かう。
 しかし敵は強大である。深夜どころか早朝コースに突入するであろうことは間違いなかった。

 果たして、チルルは並み居る問題をすべて解き、無事に宿題を提出できるのか!?
 明日、彼女のアウルが奇跡を起こす! ……かもしれない!





 こうして。
 久遠ヶ原の年末年始は、ときに騒々しく、ときに穏やかに過ぎていった。
 2014年。今年は撃退士たちにとって、どんな一年になるだろうか。
 その答えとなる日々を、彼ら彼女らは懸命に生きていくに違いない。


依頼結果

依頼成功度:大成功
MVP: −
重体: −
面白かった!:16人

ラッキーガール・
ミシェル・G・癸乃(ja0205)

大学部4年130組 女 阿修羅
伝説の撃退士・
雪室 チルル(ja0220)

大学部1年4組 女 ルインズブレイド
未来へ・
陽波 透次(ja0280)

卒業 男 鬼道忍軍
太陽の魔女・
ソフィア・ヴァレッティ(ja1133)

大学部4年230組 女 ダアト
心に千の輝きを・
御崎 緋音(ja2643)

大学部4年320組 女 ルインズブレイド
KILL ALL RIAJU・
ラグナ・グラウシード(ja3538)

大学部5年54組 男 ディバインナイト
金焔刀士・
陽波 飛鳥(ja3599)

卒業 女 阿修羅
愛妻家・
癸乃 紫翠(ja3832)

大学部7年107組 男 阿修羅
幸せですが何か?・
如月 統真(ja7484)

大学部1年6組 男 ディバインナイト
二人ではだかのおつきあい・
エフェルメルツ・メーベルナッハ(ja7941)

中等部2年1組 女 インフィルトレイター
祈りの心盾・
春名 璃世(ja8279)

大学部5年289組 女 ディバインナイト
陰のレイゾンデイト・
天宮 佳槻(jb1989)

大学部1年1組 男 陰陽師
サバイバル大食い優勝者・
みくず(jb2654)

大学部3年250組 女 陰陽師
己の信ずる道貫き通す・
紫 北斗(jb2918)

卒業 男 ナイトウォーカー
撃退士・
インヴィディア=カリタス(jb4342)

大学部6年282組 男 ダアト
撃退士・
音羽 海流(jb5591)

高等部3年13組 男 ナイトウォーカー
竜を屠りし者・
黒崎 啓音(jb5974)

高等部1年6組 男 アカシックレコーダー:タイプB
花咲ませし翠・
安瀬地 治翠(jb5992)

大学部7年183組 男 アカシックレコーダー:タイプA
撃退士・
時入 雪人(jb5998)

大学部4年50組 男 アカシックレコーダー:タイプB
人の強さはすぐ傍にある・
恒河沙 那由汰(jb6459)

大学部8年7組 男 アカシックレコーダー:タイプA
混迷の霧を晴らすモノ・
エマ・シェフィールド(jb6754)

大学部1年260組 女 アカシックレコーダー:タイプA
撃退士・
オリガ・メルツァロヴァ(jb7706)

高等部1年1組 女 ダアト
涙を払う救命士・
宮路 鈴也(jb7784)

高等部3年28組 男 アストラルヴァンガード
撃退士・
ラルフ・エーデルシュタイン(jb8153)

大学部2年3組 男 ナイトウォーカー
青春とはすばらしいものだな・
クリスタ・アウフレヒト(jb8154)

大学部2年209組 女 アストラルヴァンガード