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マスター:守崎 志野
シナリオ形態:ショート
難易度:普通
参加人数:8人
サポート:3人
リプレイ完成日時:2013/06/28


みんなの思い出



オープニング


 暗くじめじめした洞窟中で、そこだけは淡い光に包まれている。見たこともない花が咲き誇る中にお茶会でも開かれているような椅子とテーブルが幾つかしつらえてあり、そのうち四つの椅子が埋まっている。
「やっぱりまだ寂しいわねぇ」
 テーブルにお茶の用意をしていた二十代後半の女性が溜息をついた。
「お客様ばかりだと、賑やかでも司にはつまらないかしら。お友達を招かないと」
 悩ましさと楽しさが入り交じった表情で女性は首をかしげる。
 そんな女性を、ぼんやり光る人型にぽっかりと空いた四対の眼窩が虚ろに見つめていた。


 少し肌寒いが爽やかな山風が濃い緑の匂いを運んで吹き過ぎていく。
「おはようございます」
 村の駐在所に赴任したばかりの警官、茶木司は道行く村人に声を掛けるが、挨拶が返ってくることはない。無視されるか、顔を背けられるか。
(よそ者嫌いは相変わらずだな)
 六才の時から二年間、司は両親と共にこの村に住んでいた事がある。村人は両親とほとんど口を利こうとせず、司は子供達の輪に入ることは出来なかった。閉鎖的な土地にありがちなよそ者嫌いに加えて、父の仕事が土地開発関係だったことで警戒の目で見られていたのだろうと今ならわかる。
 そして、司が八才になった大雨の日に車で出かけた母は車ごと崖崩れに巻き込まれ、谷底に押し流された。遺体は見つからなかったが、到底生きていられる状況ではなく死亡とされた。やがて開発計画も白紙となり、父と司はこの地を離れた。
 村の人達は自分の事がわかるだろうか?どちらにせよ、今更話す気は無いが、ただ。
(美幸はどうだろうな……)
 辛い思い出ばかりでもこの村を忘れられない、嫌いになれないのは、周囲がどうだろうがずっと仲良くしてくれた友達がいたからだ。
 相沢美幸。当時の村長の孫で、皆に話しかけても無視されたり拒絶されていたりした司に自分から声を掛けてくれて、それ以来よく一緒に遊んだ。司と仲良くなった分、美幸も他の子供から敬遠された筈だが気にする様子もなく、二人は仲のいい友達だった。
 ただ、母が崖崩れにのまれた後で会うことがなくなり、きちんと別れも言えなかった事が今でも心残りだ。
(あれからそろそろ二十年か)
 何でも美幸は三年前に結婚したが、夫は仕事先で天魔絡みの事件に巻き込まれて亡くなり、その後病がちになって今は実家に帰っているという。
(さて……と、巡回の時間か)
 思い出に浸ってばかりもいられない。署からの連絡では、最近この近くで失踪事件が何件か起こったという。村で起こっていることでは無いとは言え、注意するに越したことはない。
 様々な思いを胸に、司は自転車で巡回に出発した。


「良かったわ、お友達も集まってくれて」
 女性はテーブルにお菓子を並べながら浮き浮きした様子で呟いた。席は更に三つ埋まっている。
「でも、まだ寂しいわ。せっかくの誕生日なのに、司をがっかりさせてしまいそう」
 干からびたものが、カラカラと笑うような音を立てる。ガムテープを口に貼られ、椅子に縛り付けられた三人の子供に女性は優しい笑顔を見せた。
「そうね。お友達をもっと呼びましょう、ね?」


「うちの娘が帰ってこないんです!」
「うちの息子も!」
「私のところもです!」
 日が暮れた頃、駐在所に三組の親が血相を変えて駆け込んできた。
「落ち着いて。事情を聞かせてください」

 司が何とか事情を把握しようとしていたのと同じ頃、村の中で怨嗟にも似た呻き声が上がる。
「あいつだ……あいつが帰ってきたからだ……」
 村人が黒い塊となって駐在所に向かっていた。



リプレイ本文


 潮鳴りのように響く罵声。駐在所の壁は傷だらけになり、ガラスは割れている。それでも中に急拵えのバリケードでもあるのか、扉が固く閉ざされているのが暴徒と化した村人の怒りに拍車を掛ける。
 だが、そんな時でも波に乗りきれず、端の方で居心地の悪い思いをしている人はいるものだ。
「なぜこんなことに」
 葛山・帆乃夏(jb6152)はそんな人を見つけて近づき、穏やかに語りかけた。語りかけられた四十代くらいの女性は一瞬ギョッとしたような顔をしたが、帆乃夏の語り口と、行方不明の子供達を探す為に来た撃退士だという言葉に安心感を覚えたのか、声を潜めて答えた。
「私にだってわかりませんよ。いきなり駐在さんの所為だ、あいつを追い出せ、あいつを殺せって……ついて行かないととこっちが殺されそうな勢いだったんですから」
「駐在さんって、嫌われるような人だったんですか?」
「いいえ。でも……年配の方達が酷く嫌ってて、その所為で」
 女性が言葉を濁す。これ以上話していては、女性の立場を悪くしてしまいそうだ。帆乃夏は女性に礼を言い、子供達は必ず助けますと告げてその場を離れた。

「村長さんを個別に呼び出すのは難しいですね」
 近くの町から乗ってきた車を少し離れた場所に停めてその様子を見ていた撃退士達の一人、夏木・夕乃(ja9092)は呟いた。
 下手に村長だけ引き離そうとすれば火に油を注ぎかねない。
「余所者淘汰ですか…。気に入らなければ、どうあっても認めない 」
 同じく様子を見ていたエルネスタ・ミルドレッド(jb6035)がどこか悲しげにぽつりと呟いた。
「どこであっても、変わらないのですね…」
「それだけではないと思いますよ」
 安瀬地・治翠(jb5992)が静かに言う。
「人の怨嗟が目に見えますね 怨嗟は恐怖からとも思いますが」
「人間、難しいことばっかり、そんで喧嘩なる、へんなの 」
 不思議そうな顔で言ったのはルーファ・ファーレンハイト(jb5888)。
「ちゅ、駐在所の人は大丈夫でしょうか?早く何とかしないと」
 どこか及び腰だが、夢前 白布(jb1392)の言う事はもっともだ。このままでは事情を聞くのもままならない。
 そんなところに背中の羽根を広げた青年が降り立った。

「お取り込み中のトコ失礼しまァす、久遠ヶ原学園の撃退士なんスけど…よろしいか?」
村人達の背後からこの場にそぐわない軽さの、しかし強く人を引き付ける声が響く。反射的に村人達は投石の手を止め、声の主であるマクシミオ・アレクサンダー(ja2145)に殺気立った目を向けた。
「この駐在所勤務の警官と話がしてェんで。離れてくれンと困るんだけども」
 それへの答えは怒号と共に投げられた石だった。盾にぶつかり、固い音を立てる。
「撃退士は人殺しの味方か!」「何が警官だ!あいつは疫病神だ!」
 そんな声を制するように鋭くホイッスルの音が響く。
「そこまで言うなら、根拠となる証拠を出しなさい」
 盾を手にしたヴェス・ペーラ(jb2743)が駐在所の前に立ち、冷静に問いかけた。少し下がって夕乃、エルネスタ、治翠、帆乃夏、ルーファ、そして白布が駐在所を守るように立っている。マクシミオもさりげなく此方に合流し、盾を構え直す。
「この中に村長さんはいらっしゃいますか?」
 夕乃が進み出て村人を見回した。初老の男が撃退士達の前に出てくる。
「さっきも言いましたが、私達は久遠ヶ原学園の撃退士です。警察から、子供達の失踪事件に天魔が関わっている疑い有りという依頼を受けて来ました」
 考えられるだけの言葉を尽くし、夕乃は撃退士は天魔を倒すのが仕事で人を裁くのは専門外であること、そうは言っても目の前で虐げられている人間を見過ごす訳にはいかないこと、パニック状態だったで済まされる以上の事をするなら止めるし、刑事罰に足る証拠もあるので即刻警察に通報する旨を説明した。素直に村人が調査に協力し、速やかに天魔退治できればそれで良いのだと。だが、返ってきたのは。
「だったら、さっさと天魔を退治しに行ったらどうだ?」
 村長が値踏みするような目で夕乃を見た。舐められてはいけないと夕乃は胸を張る。
「確かにその通りです。でも、こんな状況を見逃す訳にいきません」
「余所者の、それも子供に何が判るか。撃退士だのと持ち上げられたガキが口を出す事じゃない」
「ですが」
 見かねた治翠が口を挟む。
「こんな事をしている内に状況が動けば、子供達の捜索が更に困難となります。それは皆様の本意ですか?」
「だから、さっさと行けと言ってるだろうが!」
 村人から村長に同意する声が上がる。それに気を強くしたのか、村長は更に尊大な態度で吐き捨てる。
「大体、久遠ヶ原ではガキ共に好き勝手させている上に天魔まで引っ張り込んでいるというじゃないか。本当は何をやっているんだか」
 こんなところで聞くと思わなかった侮蔑的な言葉に、撃退士達は一瞬言葉を失う。
「ガキは大人の言う事を聞いていればいいんだ。判ったらとっとと失せ……」
「やめろおおおおおおおおおお!!」
 村長の声は、それまで皆より下がって駐在所の扉に張り付いていた白布の叫び声で遮られた。
 まき散らされるむき出しの感情、悪意。
 すべてを押しつぶすように迫ってくるそれが、たまらなく怖い。
黒の光纏を発しつつ、恐怖を振り払うかのように白布は空高くに矢を放つ 。
 村長達は一瞬怯んだように静かになったが、次の瞬間、顔を歪めて吠えた。
「この化け物がぁ!」
 ヴェスが最早問答無用かと威嚇斉射の構えを見せ、村人達が石を握る。
 一触即発かと思われたその時。
「村長も校長もいい加減にしてください!」
 その声は、撃退士達の誰でもなく、村人達の背後から響いた。見れば、そこで身を震わせながら立っているのは帆乃夏が先刻話を聞いた女性だった。教頭先生、と誰かの声がする。
「子供達を探しもせずに何やってるんですか!」
「何だと!この化け物どもが……」
「大人として、恥ずかしくないんですか!」
 空気が変わった。すかさずエルネスタが進み出る。
「おおよそは夏木さんからの説明通りです。子供達を助けるためには一刻を争うんです。どうか、ご協力の程を」
 一時の興奮が冷めれば、村人達の中にもこの状況はおかしいと思う者も少なく無いらしい。深々と頭を下げるエルネスタに、ばつが悪そうに目をそらす。
 ただ、村長はなおも噛みつこうとしたが、
「ちょっとうるさい、落ち着くといい 」
 ルーファが気迫で黙らせる。ついでに校長と呼ばれていた男には天使の微笑で出鼻を挫いておく。
「事情を聞かせて頂けますか?」
 夕乃の言葉に、女性は深くうなずいた。


 駐在所にいたのは茶木司、そして行方不明になった子供の親達だった。司に事情を聞かれていた時にあの騒ぎになり、出るに出られなかったらしい。やや怯えていたものの話はできる程度だ。
 司の方も投石で傷を負ったもののさほど深いものではなく、ヴェスが手当をするとすぐに元気を取り戻した。
「僕達は、子供達を助けたいんです」
 だから、知っていることを教えてほしいと頭を下げる白布に、関係あるかどうかわからないがと前置きして司は語り出した。
「元々余所者嫌いのところがある土地だったんですが……今にして思えば、その中でも私の一家が特に爪弾きにされたのは私が原因だったかもしれません……」
 子供達の輪に入れなかった司と唯一親しくしてくれた美幸。だが、周囲からは司の一家が美幸をたぶらかしているかのように言われたという。
 そして二十年前の司の誕生日。美幸は二人で司の誕生会をしようと言った。二人でみつけた、花の咲く洞窟で。
 けれど約束の日は十年に一度有るか無いかという大雨だった。いくら何でも洞窟まで行くのは無理だと思った、が。美幸は前日から洞窟に行っていたのだ。誕生会の準備をするために。それを知った司の母は美幸を迎えに行き、そして崖崩れに巻き込まれてそれっきり。
「悲しいですね」
 白布は思わず口にした。誰も悪くないのに、不運な偶然が重なって優しい筈の思い出が壊れてしまう。
 言葉が途切れる中、携帯が鳴った。

「え、そうなんですか?」
 白布の話を聞き、治翠はどうにも納得がいかないものを覚えた。
「実は茶木さんと同年代の人に話を聞いてみたんですが、話が逆なんです」
 そちらの話では、美幸は出来はいいが自分が女王様でなければ我慢できない性分で、司ばかりかその家族まで奴隷のように扱っていたという。
 あれじゃ恨んで当然だね。
 治翠が話を聞いた中にはそんな風に言った人もいた。
 司を仲間外れにさせたのも美幸。司の母親がそれで学校に抗議しに行ったけど、美幸って家族親戚には受けが良かったから。司の母親の方が悪いってことになったらしいよ。美幸の旦那さんが死んだ時なんて、こっそりだけど天罰だって言ってる奴もいたよ。
 彼らは治翠に声を潜めて語ってくれた。白布が司に聞いた、悲しくも美しい話とは違いすぎる。

「思い出の洞窟、ですか。実は……」
 小学生くらいの子供に話を聞いていたエルネスタは、最近子供達の間で花畑と光る人間の洞窟の噂が流れていたという。もっともほとんどの子供は嘘だと思っていたらしいし、問題の洞窟は昔崖崩れを起こした道の向こうにあり、子供が行けるような場所ではないという。
「洞窟の花畑と崖崩れの道……偶然にしては出来すぎた一致です」
 しかも、行方不明の子供達は誰かから『秘密の通路』を教えられたらしい。秘密だからとそれ以上の事は話さなかったと言うが。
「いかにも子供の心をくすぐるような言い方ですね」
 それもまた、奇妙な一致に思えた。

「そう、いつ崩れてもおかしくないって、誰もが知ってたって言うんだよね」
 教頭先生と呼ばれた女性の伝手で、帆乃夏は二十年前の事故について聞くことが出来た。
 崖崩れそのものには人為的な点はない。元々風化で脆くなっており、いつ崩れてもおかしくはないと誰もが知っていた。
 それならば、どうして司の母はあの道を通ったのだろう?いくら息子の友達を探しに行くと言ってもそこまでするだろうか?これが自分の子供ならともかくとして。
 司にごねられたんじゃないかねと年配の村人が言った。母親が学校に抗議したことで先生からも睨まれてたし、父親の仕事もやりにくくなったらしいから。今ならともかく、あの頃は村の実力者とか長老とかと事を構えると仕事どころじゃないからね。
 何だろう、何かが思っていたのと違う。

 人目が無いのを幸い、ルーファは崖崩れが起こった道の上を飛行して確認していた。
「何かあるといい」
 崖崩れの後、ほとんど放置されたらしい。子供どころか、一般人では大人でも通るのは難しそうだ。
「でも、人、通った」
 皆の情報によれば、子供達が向かった洞窟はこの先にある。
「ルーみたいに、飛べるなら」
 そう、天魔か撃退士なら充分可能だ。

「茶木さんはここにいてください」
「ちゃんと待っててくださいね」
 夕乃と白布が司に言う。何かあった時に備えて子供達の親や教頭先生と詰めていてほしいといったものの、本当の所は違う。
 警官とはいえ撃退士では無い司は連れて行けない。それに、司にとっては辛いことになるかもしれない。
 彼の思い出が全て、壊れるかもしれないのだから。


「こんな暗いとこで花なんか咲くのかねえ…嫌な予感しかしねえんだが」
 懐中電灯で足下を照らしながら、一足早く洞窟に踏み込んだマクシミオはぼそりと呟き、黙り込む。一方、少し先を行くヴェスはナイトビジョンで視界を確保し、索敵や鋭敏聴覚であたりを探る。
 やがて、二人の足が同時に止まった。
「嫌な予感が当たっちまったじゃんかよ」
 マクシミオの鼻腔を、甘い花の匂いがくすぐる。前方が仄明るい。
「誰かいます」
 物陰から伺うと、いくつもの人影が見えた。
「子供は全員いる、みてえだな…? 」
 椅子に拘束され、怯え弱りきっているのが見て取れる。そして近くには、司と同年代と思える女性が一人。
「相沢美幸ですね」
 しかし、どう見ても尋常な様子では無い。
 一刻も早く救出すべきか、皆の到着を待つか。
「せっかくの誕生会なのに、司、来ないわね。もしかして、あなたたち、司に意地悪したの?来れなくしたの?」
 ゆらりと、剣呑な空気が揺れる。これ以上はまずい。二人は盾を構えて飛び出した。
「オイ、女、答えろ。てめぇは一体何だ?」
 子供達の拘束を解くには手間がかかるし、自力で逃げられそうも無い。かと言って、この状況で椅子ごと三人の子供を運ぶ余裕は無い。皆が来るまで子供達を庇って持ちこたえるしかなさそうだ。
「あら、また司じゃ無かったのね」
 美幸は心底落胆したように見えた。
「どうして?私、謝っているのに。どうして許されないの?可笑しいでしょう?ねえ!」
 手近の椅子を振り上げて子供に振り下ろそうとするのを、二人の盾が食い止める。
「何だ、こいつは!?」
「普通ではありません……光纏?」
 一般人の力では無い。天魔ともどこか違う。美幸の腕が、うっすらと金色に光っているように見える。
「約束でしょう?お客様とお友達を呼んで、本当に誕生会をしたら許してくれるって。ねえ、そうだったでしょう!」
 力の加減もわからないのか、光纏した腕が狂ったようにあたりをたたき壊す。皮膚が裂け、血を流すのも厭わない。マクシミオもヴェスも子供達を庇うのに手一杯だ。
「危ない!」
 白布の声と共に矢が飛んでくる。それが貫いたのは、人魂を思わせる光のモソモソと動くアメーバ、否、苔のような存在だった。
 駆け込んできたエルネスタと帆乃夏が子供達を庇いつつ椅子ごと子供達を連れ出そうとするのに追いすがる美幸。その美幸を白布の威嚇射撃を受けて駆け込んできた治翠とルーファが取り押さえようとする。
 ヴェスとマクシミオも容赦なく苔のような天魔に火炎放射器と大鎌を叩き込んだ。
 やがて、天魔が光を失い、美幸が疲れ果てたように倒れた時、咲き誇っていた花は色を失い、腐った土に還る。
 洞窟は、本来の姿に戻ったのだ。


 有り難うございましたと丁寧に頭を下げる司に見送られ、撃退士達は帰路に着いた。
 失踪事件は自覚が無いままアウルに覚醒した美幸とそれを利用した天魔の仕業とされ、村も落ち着きを取り戻した。美幸の処遇については上が決めることだろう。
 子供達は衰弱していたものの、無事に家族の元に戻った。
 だが、いくつもの疑問や矛盾は残されたまま。
「また、起こるんでしょうか」
 夕乃が呟く。多分、形を変えてまたどこかで起こる、そんな予感。
 忘れてしまえば楽なのだろう。何の因果も無いと思い、目の前だけを見ていられるなら。
「届くだけでも手を伸ばす。それしかありません」
 エルネスタが誰にとも無く答える。

 忘れたとしても、消えることなど無いのだから。
 


依頼結果

依頼成功度:成功
MVP: −
重体: −
面白かった!:9人

澪に映す憧憬の夜明け・
マクシミオ・アレクサンダー(ja2145)

卒業 男 ディバインナイト
撃退士・
夏木 夕乃(ja9092)

大学部1年277組 女 ダアト
Little Brave・
夢前 白布(jb1392)

高等部3年32組 男 ナイトウォーカー
スペシャリスト()・
ヴェス・ペーラ(jb2743)

卒業 女 インフィルトレイター
撃退士・
ルーファ・ファーレンハイト(jb5888)

大学部3年42組 女 ルインズブレイド
花咲ませし翠・
安瀬地 治翠(jb5992)

大学部7年183組 男 アカシックレコーダー:タイプA
燐光の紅・
エルネスタ・ミルドレッド(jb6035)

大学部5年235組 女 アカシックレコーダー:タイプB
梅花を仰ぐ六乙女・
葛山 帆乃夏(jb6152)

大学部3年38組 女 アカシックレコーダー:タイプA