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マスター:monel
シナリオ形態:ショート
難易度:普通
形態:
参加人数:7人
サポート:1人
リプレイ完成日時:2015/05/09


みんなの思い出



オープニング


 関東某市、緑豊かな公園をメイドと子猫が歩いていた。
 晴れやかな陽射しを受けてメイドの赤い髪は明るく輝き、爽やかな風にふわりと広がる。
 ホワイトブリムが風に遊ぶ髪の毛を押さえ、黒いロングスカートがエプロンと共にふぁさふぁさとはためいている。
「良い天気ですわね。こんな日はお布団を干すのも良いですわね。ええ、もちろんこれでおもてなしするにも丁度良い天気ですわ」
 自分の身長ほどもある戦斧を片手でくるりと回して側を二足歩行で歩く子猫のような生き物に話しかける。
 話しかけられた子猫はかくり、と首を傾げるが、気分の良さそうな主人の様子を見て、再び歩き始める。

 のんびりとした様子で歩くメイドと子猫。
 やがて、遠くに騒がしい悲鳴が響き渡り、メイドは足を止めて耳を澄ます。
「あら、この声は……」
 じっと動かずに様子を伺うメイドの目の前を、数人の若者が騒ぎの方角へと走り過ぎていく。
 目ざとく通り過ぎていく若者達の様子を見たメイドは、にっこりと微笑んで子猫に話しかけるのだった。
「彼らの能力について調べれば御前様に面白い土産話が出来るかもしれませんわね。あなたは先に行ってなさい。すぐに追いつきますから」
 メイドはそう告げると、子猫を置き去りにして、若者達の後を追うように走り出すのだった。


「急ぎの依頼だ」
 斡旋所のミーティングルームに集まった撃退士達に、狩野はいつものように短い言葉を告げる。
 斡旋所に持ち込まれる依頼は、基本的には緊急性の高い仕事が多い。
 必然的に、狩野が依頼の説明を行う際には「急ぎの依頼」である事がほとんどなのであった。

 狩野が説明したところによると、関東の某市の公園で多数のサーバントが出現し、市民を襲い始めたという事だった。

「目撃情報によると、サーバントは2種類。黄色い球状の空中浮遊物と大きな蛇、公園の池にはサメのような生き物が潜んでいるらしい」
 狩野は説明しながらホワイトボードに張り付けた公園の地図に、マジックで×印をつけ始めた。
「黄色の球体、および大蛇は一般人を呑みこむらしい。おそらくは捕獲を意図しているのだろう。サーバントの撃破と飲みこまれた一般人の救助は別働隊が出ている。君達には、まだ無事な一般人の保護を依頼したい」
 地図の端にある大きな池の最奥にマジックでぐるぐると印をつけていく。
「ここだ。サーバントの出現位置から考えて、逃げ遅れた人々はこの池の奥にかたまっているはずだ。サーバントに取り込まれる前に、救助を頼む」
 狩野はそう締めくくると、撃退士達を送り出すのだった。


 撃退士達が公園の池の入口までやって来た時に、不意に後ろから声をかけられる。
「貴方達は学園の方でしょうか?どうでしょう、私と『ゲーム』をしませんか?」
 撃退士達が振り向くと、そこには赤毛のメイドの姿があった。
 シェリル、と名乗ったそのメイドはきっちりとメイド服を着こみ、手には身長ほどもある戦斧を持っていた。
「簡単なゲームです。奥に居るあの方々。あそこまでどちらが速くつくか、ですわ。そうですわね、私は右回りに進みます」
 一方的にそう告げると、すたすたと池のふちまで歩き、撃退士達を振り返る。
「それでは、始めますわね」
 楽しそうに微笑んだシェリルは、右回りに池のふちを駆け抜けていくのだった。


リプレイ本文


 うららかな公園に異形達のざわめきが満ち溢れる。
 撃退士達の返事を聞かず、散歩をしているかのように軽やかなステップでメイド姿の悪魔は飛び出していく。
 次々に襲い掛かってくるサーバント達をかわしながら、斧を振り回して、サーバント達を文字通り吹き飛ばしていく。

「きゃはァ……速力を競う勝負かァ」
 黒百合(ja0422)はニンマリと笑い、右手をかざす。
「いいわァ、楽しく遊びましょうねェ……♪」
 アウルが凝集された空間からスレイプニルが召喚されて、周囲に満ちたサーバントに威嚇の声を上げる。

 エイルズレトラ マステリオ(ja2224)はシルクハットのツバをちょこんと触れて、シェリルの後姿に会釈をする。
「ゲームに付き合ってあげたいのはやまやまですが……今回はいつもと状況が違います」
 タタタッと軽く助走をつけて真っ直ぐ池に向かって走り、そのまま空中へ駆け上がっていく。
「申し訳ありませんが、最短距離を行かせて頂きます」
 サーバントが溢れかえる池の奥、一般人が身を寄せ合っている対岸に向けて、空中を歩き出すのだった。

「また、ゲームか。久々に会ったと思ったが変わってねぇな」
 黒夜(jb0668)は近寄って来た無数の黄色い球体に向かって手を振り、次々に爆発させていく。
 燃え尽きて地面に落ちていく球体の後ろから、新たなサーバントが向かってくるのが見えた。
「時間が勝負です!出来るだけ敵をやり過ごして急ぎましょう!」
 鈴代 征治(ja1305)は迫ってくる敵に向かって走り、アウルを乗せた声をぶつける。
「ここは僕に任せてっ!」
 その声に引き寄せられる様に、黄色い球体が方向を僅かに変えて、鈴代を目標に迫ってくる。
「あたいの邪魔をするなー!」
 その群れに冷たく冴えた一条の軌跡が走り、矢が突き刺さった球体が破裂する。
「かけっこで競争ってわけね!あたいは負けないよ!」
 和弓を構えた雪室 チルル(ja0220)が鈴代を追い抜いて、脇目もふらずに走っていく。

「相変わらずマイペースだなぁ……」
 斧を振り回してサーバントの群れに突っ込んでいくシェリルを眺め、只野黒子(ja0049)はポツリと呟く。
 だが、すぐに池全体に溢れかえるサーバントの動きを見定めるように顔をゆっくりと回し、左周りに走り出した仲間を追いかけながら、顕現した翼を広げてふわりと上空へ舞い上がる。

「唐突なゲーム宣言にびっくりですねー」
 澄空 蒼(jb3338)は淡々とした表情でかくりと首を傾げて、仲間を見回す。
 左周りに走る者、中央突破をはかる者、悠々と召喚獣を撫でる者、それぞれの行動を眺めて、くすり、と小さく笑う。
「楽しくなりそうですねー。こんなネタを見逃すのはとっても惜しいのですよ。私は私で楽しませてもらいましょう」
 足を踏み出したのは右回り、シェリルの後を追うように駆け出すのだった。


「はぁっ!」
 使い慣れた槍を気合と共に一閃し、周囲に群がって来た球体をまとめて薙ぎ倒す。
「ふぅ……」
 敵を引きつけて仲間を先に進ませた鈴代は、群がる敵を倒して一息つく。
 先行した仲間の方向を見ると、新たな敵が押し寄せてくる光景が目に入る。
「しまった!数が多い!」
 慌てて走り出そうとする鈴代の目前で、無数の隕石が降り注ぎ敵を薙ぎ倒していく。
「排除完了……いえ、まだ残っていましたか」
 上空から様子を伺っていた只野は、自らの攻撃の成果を冷静に分析する。
 残った敵の位置、スピード、そして屠った相手の手応え。
 それらを加味した結論を呟く。
「ですが、問題ではありませんね。次は……」
 只野がさらに先に控える敵を見回している下では、雪室と黒夜がそれぞれの進路に立ち塞がる蛇に向かって攻撃を仕掛けていた。
「突撃あるのみよー!」
 雪室が放った矢は池から這い上がって来た大蛇を貫き、黒夜が放った黒炎の刃がのた打ち回る大蛇を両断する。
「近づかずに倒す方が楽だよな」
 黒夜は動かなくなった大蛇を飛び越えて池の外周を走る。
 そして集まってくるサーバントの群れを見て溜息をもらすのだった。

 池の上空を歩くエイルズレトラはアウルのスポットライトを浴びて恭しくお辞儀をする。
「さあさあ、妙な球体を始めとした傀儡の皆様。トランプに翻弄される魅惑のひと時をお届けしましょう」
 アウルの光を浴びたエイルズレトラに向かって、飛蛾が灯火に誘われるように集まってくる。
 雲霞の如く群がってくる球体、大蛇、サメのサーバント達を高みから見下ろすエイルズレトラは、舞台の上から観衆に応えるように両手を上げる。
 その両手からカードが滑り落ちはじめ、いつまでも止まらない。それどころか更に滑り落ちる量を増やしていく。
「カードはお好きですか?」
 滑り落ちたカードが舞い上がり、周囲に居る生き物に見境なく纏わりついていく。
 エイルズレトラはマジックのようにカードの隙間を縫って歩き、カードが荒れ狂う場所から離れていく。
「おやおや、出待ちしていただけるとは光栄ですね」
 カードの範囲外から迫ってきているサーバントがスポットライトを浴び続けるエイルズレトラに向かって迫って来くる。
 周囲をサーバントに囲まれてなお、エイルズレトラと召喚獣のハートは僅かな隙間を見つけては攻撃をかわしていく。
 ハートと共にダンスを踊っているかのような軽やかなステップで、あるいは空へ駆け上がり、あるいは水面すれすれを滑る様に転がり、敵の攻撃をかすらせもしない。
 だが、どれほど素早い動きでも、無数に押し寄せてくる敵に囲まれてはやがて選択肢がなくなってくる。
 大蛇が放つ毒霧に紛れて飛び出してきた黄色の球体に左右から挟まれ、前後上下から口をあんぐりと開けた球体が迫る。
 エイルズレトラを照らし出していた光は黄色によって閉ざされるのだった。

 シェリルは姿が見えなくなるほどにサーバントに喰いつかれ、それでもなお足を止めずにかけ続ける。
 黄色い塊となったシェリルの頭上に戦斧が高々と掲げられ、地面に振り下ろされると纏わりついていたサーバントが弾け飛んで消えていく。
 ちら、と後方を振り返り、にこりと微笑むと再び前に足を進める。
「あららー。見つかってますねー」
 シェリルの背後について行ってた澄空はシェリルと目が合って困ったように目線を逸らした。
「かけっこで追い抜くのもありですよねー?」
 嘯く澄空にシェリルは走りながらくすりと笑う。
「構いませんが、追いつけますか?」
 シェリルの言葉の通り、ただ追いかけているだけの澄空だったが、徐々にシェリルとの距離が開いてきていた。
 むぐ、と言葉に詰まる澄空が何か言おうと口を開いた瞬間、風が吹いた。

「きゃはァ、お先に失礼するわねェ」
 スレイプニルに騎乗した黒百合が高速で澄空を、シェリルを追い抜いていく。
 器用にサーバントの隙間をすり抜けつつ、速度を落とさずに駆け抜けていく様はまさに風の如し。
 あっという間に池を半周し、目的地である一般人が肩を寄せ合っている場所へと迫る。
「きゃはァ、こういう時は、私には誰も追いつけないようォ♪……とでも言うのかしらァ」
 後ろを振り返り、遥か後方で斧を振るうシェリルを眺め、勝ち誇る黒百合に影が差す。
「あらァ、なにかし……」
 異変に気付いた黒百合が振り向くと、視界が暗闇に包まれた。
 高速で進む黒百合とスレイプニルの前方に、壁のように隙間ないサーバントが並んで待っていたのだった。
 ここまで幾多のサーバントをかわして進んで来た事により、到達するまでに時間がかかってしまい、サーバント達に集まる時間を与えてしまっていた。
 さらに、スピードが乗ったスレイプニルは、壁のように並んだ球体のサーバントを避けきれず、真っ直ぐに突っ込んでいくことになってしまった。
 黄色の球体は衝突の寸前に真っ直ぐ切れ目を生じさせたかと思うと、ぱっかりと数mの大きさまで口を開いて、スレイプニル諸共に黒百合を呑みこむのだった。


 左周りに進む4人は着実に歩を進めていた。
 道の前から迫ってくる敵には矢が放たれ、黒炎の刃が切り裂き、地面から伸びた土の槍に串刺しにされる。
 側面から迫ってくる敵は鈴代の槍捌きの餌食となり、近づく事すら許さない。
 だが、池の外周を半分も通り過ぎたところで、徐々にその歩みは苦しいものとなりつつあった。
 敵を引きつけるために遅れがちになっていた鈴代と先行して前へと進む雪室の間が徐々に開き、綿密な連携が出来なくなってきていたのだった。
 池の中央で敵を引きつけていたエイルズレトラが飲みこまれた事も、敵の圧力が増した要因の一つだった。
 池から迫る敵には只野が放つ無数の彗星が押しつぶし、懐に入ってきた敵は黒夜の放つ炎により焼き落とすことで均衡を保っている状態だった。
「こいつら鬱陶しいわね!さっさと道をあけなさいよ!」
 雪室は白銀の軌跡を描きながらエストックを突き出し前へ前へと足を進める。
 池から雪室を狙って飛び出してきたサメは、只野の放つ圧縮された音圧に吹き飛ばされ池に白い腹を浮かべる事になる。
「少し、時間を作ってくれないか」
 無数の刃を放って外側の木立ちから飛び出してきた大蛇を屠った黒夜が、呼吸を整えながら鈴代に頼む。
「ええ、こちらは大丈夫ですよ」
 額に汗を滲ませながら、鈴代は黒夜の側へと駆け寄る。
 池の上空から迫って来た球体を槍で貫き、瞬時に引いた穂先を木立ちから這い出て来た大蛇の脳天に突き降ろし、地面に縫い付ける。そのまま柄を逆手に握り替え、勢いをつけて槍を回転させる。大蛇を引き裂いた穂先は頭上から迫っていた球体を両断するのだった。
 一歩引いて落ちてくる球体の破片を避けた鈴代は槍を構え、新たな脅威が無いか視線を巡らせる。
「こちらにも、一体」
 不意に聞こえた声に視線を向けると、雪室の側を抜けた球体が黒夜に対して大きく口を開いているところに、片腕を差し込んだ只野が立っていた。
 只野は片腕を咥えさせたまま、手甲を顕現させた反対側の腕で球体に突きを入れる。
 深々と刺さった腕を振り払うと、球体は両断されて朽ちていくのだった。
「ありがとう。これでいける」
 鈴代の背後から黒夜の言葉と共に、その気配が消える。
 木立ち、味方、敵の陰すらも利用して、死角を渡り歩くようにステップを踏み、黒夜は雪室よりもさらに前へと飛び込んでいく。
 全周囲を敵に囲まれた状態で霊符を球体に貼り付け、無数の刃を放って一気に爆発させる。
 その破片に敵の視線が集中した瞬間には既に別の場所におり、次の標的に霊符を押し付けている。
 一撃で倒せない敵には更に攻撃を加え、さながら小さな嵐が巻き起こったかのように黒夜の周囲の敵が崩れ落ちていくのだった。
「道が開けたわね!あたいが一番よ!」
 黒夜が拓いた道に雪室が元気に飛び出し、4人は次々に後を追うのだった。


 黄色の球体に呑み込まれた黒百合は吐き出されて地面に叩き付けられることで暗転していた意識が戻る。
「やってくれるじゃァないのォ……」
 顕現させた大鎌の刃を高速回転させ、目の前の黄色の球体をずたずたに切り裂く。
「あらァ……少し多いかしらねェ」
 だが、崩れ落ちた球体の背後には、視界を埋め尽くす黄色の球体が迫っており、黒百合の奮闘も虚しく背後から丸呑みにされ、再び意識を手放す事になるのだった。

 同じく飲みこまれていたエイルズレトラは、水面に叩き付けられる直前に体勢を立て直し、両手からカードをばらまく。
「熱烈な歓迎でしたが、僕は急ぎますので。お返しにカードを差し上げますよ」
 カードに纏わりつかれて池に落ちていくサーバントを横目に、サーバントを惹きつけるスポットライトを浴びながら池の上空を走り続ける。
 軽快なステップで敵の攻撃をかわしながら対岸間近まで辿り着くと、一際サーバントが集まっている場所に興味を惹かれる。
「おや、邪魔ですね。こちらにも集まってきましたし、ついでに片付けておきましょうか」
 エイルズレトラがカードを振りまいてサーバントの群れを一掃する。
 次々とカードに纏わりつかれて崩れ落ちるサーバントを突き破るように黒百合が飛び出て来た。
「きゃはァ、いい気味だわァ……」
 カードの束に飲み込まれていくサーバントにチラリと視線を送った黒百合は、小さく嗤って一般人の元へと走るのだった。


「今なら油断してそうですよねー」
 澄空はシェリルが先に目的地へとたどり着いた二人に視線を送っている姿を見て、気配を潜めて両脚にアウルを込める。
 徐々に引き離されていたシェリルとの距離を全力で疾走することで一気に詰めていく。
「そこに居ると邪魔ですよー」
 目の前に飛んできた球体を両刃の直剣で切り付け、道を切り開こうとするが、全力疾走で体勢を崩していたため、不意に動いた球体から狙いを逸らしてしまう。
 空振りをした澄空に気づいた球体は大きな口を開いて飲みこもうとするが、澄空が身を守ろうと体に引き付けた直剣を挟んでしまう。
「返してくださいー」
 運よく飲みこまれずに済んだ澄空だったが、挟みこまれた剣を取り返す事が出来ない。
 力を込めて引っ張った瞬間、不意に剣を咥えこんでいた力が無くなり、体勢を崩す。
「御取込の所を失礼しますわ」
 剣の先に視線を移すと、赤毛のメイドがサーバントの残骸を斧の先から払いながら微笑んでいた。
「あらー、見つかってしまいましたかー」
 ばつが悪そうに剣をしまい込む澄空に、シェリルは微笑んだまま手を差し伸べる。
「残念ですが、勝負は既についてしまいました。宜しければご一緒にいかがですか」
 視線を動かすことなく、背後から迫って来ていたサーバントを斧の一閃で打ち倒すシェリルに、澄空はおずおずと手を差し出すのだった。


「酷い目に会った。これからまた引き返すのか……」
 立ち塞がったサーバントの集団を眠らせた黒夜が、アイスブルーの輝きが治まらない瞳を池の周辺に漂うサーバントに向けても、もはや溜息しか出ない。
「シェリルさん、今度は人命がかからないゲームをやろう。どちらが多くの敵を倒せるのか、そんなゲームを」
 エイルズレトラはシェリルに提案を行う。
 シェリルは一瞬迷ったように首を傾げるが、スカートを摘まんで軽く会釈をする。
「楽しそうなお誘いですが、御前様をお待たせしていますので。でも、そうですわね」
 ちら、と池に視線を移したシェリルは無造作に戦斧を腰だめに背中に背負う形で構える。
「折角ですから、改良しました技を見て頂きましょう」
 その言葉と共に光り輝く戦斧が振り抜かれ、幅数mに及ぶ光の帯が前方に放たれる。
 その光が消えた後には、サーバントの欠片も残ってはいなかった。
「いずれまたお会いすることもございましょう。皆様をおもてなし出来る日を心待ちにしていますわ」
 大幅に数を減らしたサーバントから一般人を守りながら、撃退士達はそれぞれの想いを胸に帰路につくのであった。


依頼結果

依頼成功度:大成功
MVP: −
重体: −
面白かった!:6人

新世界への扉・
只野黒子(ja0049)

高等部1年1組 女 ルインズブレイド
伝説の撃退士・
雪室 チルル(ja0220)

大学部1年4組 女 ルインズブレイド
赫華Noir・
黒百合(ja0422)

高等部3年21組 女 鬼道忍軍
最強の『普通』・
鈴代 征治(ja1305)

大学部4年5組 男 ルインズブレイド
奇術士・
エイルズレトラ マステリオ(ja2224)

卒業 男 鬼道忍軍
撃退士・
黒夜(jb0668)

高等部1年1組 女 ナイトウォーカー
チョコバーが繋ぐ絆・
澄空 蒼(jb3338)

中等部3年4組 女 陰陽師