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マスター:望月誠司
シナリオ形態:ショート
難易度:普通
形態:
参加人数:8人
サポート:2人
リプレイ完成日時:2013/03/02


みんなの思い出



オープニング

 砂漠の晴天を渡り、氷土の凍える夜を行き、太陽と月は空に軌跡を残す。
 人は旅路を行くだろう。行き先は誰も知らない。命が枯れるまで。
 砂に残した足跡は、風に吹かれて消えるだろう。波間に浮かんだうたかたが、海に溶けて消えゆくように。
 

「光と闇は二つで一つ。故に景は『かげ』と呼んで『ひかり』を意味する。燃えて砕けた太陽の『残滓(ひかり)』を守るなら、君は何に光を捧げる?」
 久遠ヶ原学園、またしても人手が必要だという事で劇団ドリーマーズからの依頼を受けた長谷川景守は、同じく依頼を引き受けた面子と共に部室に詰めていた。
「…………すまん、なんだって?」
 景守は片眉をあげる。十六歳の少年には意味が良く解からなかった。
「ふっ――問いかけを繰り返すのは趣味ではないのだよ長谷川センパイ。聞こえていた筈だぞ?」
 先日の依頼では裏方をやっていた劇団員である年の頃十四歳程度の少女がふふんと不敵に笑って、その雪のように真っ白な長髪を払う。青と金のオッドアイが挑戦的に煌めいていた。
 なお髪は脱色で、目にはカラーコンタクトを入れている――という風聞を景守は聞いていた。少女本人は「地毛だよ! 地目なのだよ!」と主張しているが、真偽の程は定かではない。
 少女は、袖口や裾などにふんだんにひだ飾りが装飾された黒服に身を包んでおり、俗にゴシックドレスと呼ばれる服装だと景守はかろうじて知っていた。
「音は拾えたが、意味が解からん。山田、お前の言葉は遠まわし過ぎる。聞きたい事は、はっきり聞いてくれないか」
「ニッポンジンの癖にワビサビの解からぬ奴だなぁセンパイは。というか、プライベートの時は私の事は山田ではなく花子でもなくジャンヌ・ルイ=ヴァントーズと呼びたまへと言ったろう」
 と、山田もといジャンヌ・ルイ。
「…………そういえば、部活ではペンネームで通すんだったか?」
「ペンネームではない、真名だ」
「……真名、というと、寺の卒塔婆に書いてあるアレか?」
「真の名前という意味ではそれも真名だが、私の真名とは厳密には違う。私の物は仏弟子として新たに身につける真の名前ではなく、天使として産まれいでてより与えられる真実の名前だ。山田花子は七十二ある仮称、通り名の一つであり、ジャンヌ・ルイ=ヴァントーズが真名なのだ」
「正直良く解からんが、俺より年下なのになんか色々詳しいな」
「こう見えても私は君よりずっと年上だ。日本名や中学二年生というのは外見に合わせた仮の身分なのだよ。本来は齢一千を数えるアークエンジェルなのだ私は」
 一千年。膨大な時間だ、と景守は思った。この地上において、無数の国が興り、そして滅びていった時間、数多の人々が生きて、死んでいった時間、その昼と夜とを、目の前のこの小さな娘が、渡ってきたというのだろうか?
「なるほど、お前は人ではないと?」
「うむ、光輝く天上界を捨てこの『地球(テラ)』という名の異界に降臨した一柱の"赤翼の黒き凍風"にして堕天使なのである。ジャンヌ・ルイが覚えづらいというなら『スカイシンガー(空に歌う者)』と呼んでくれて構わんぞセンパイ」
「そうか、解かった、絶対呼ばん」
「なんでっ?!」
「ちょっとあんた達、おもいっきり議題から逸れてるわよ」
 劇団長を務めるブロンドの女が呆れ顔で言った。名はパトリシア、愛称はパティ。曰く、パットと呼んだら殺すから! との事である。
 一部を除いてスタイルが良い絶壁美人は、コツコツとホワイトボードを拳の裏で叩きながら言う。
「今話し合う事は、次の作品の内容についてなんだからね。じゃれてないで真面目にやってよね」
「これは心外だー、私は真面目にやっているのにー」
「それなんだが」
 景守は言った。
「ここって劇団だよな?」
 少年の問いかけに周囲の劇団員達は頷く。
 景守はホワイトボードに視線をやった。
 そこには、マジックペンででかでかと「密着撃退士24時! 特派員は見た!」と記してあった。
「なんで舞台ではなく映像作品を作る事になってるんだ?」
「自分達で演ったのを偶に撮ったりもしてるのよ。その延長ね。山田が好きなのよ、こういうの」
「私が歌を歌うのは、人々が生きる姿を記録し残したいからでもあるのだ。偶にはドキュメンタリーというのも悪くはなかろう? あと私は山田でなくジャンヌ・ルイだ」
「とりあえず24時間密着するのは無理だと思うぞ、講義とかあるし」
 景守が言うとパティは板消しできゅっきゅとマジックを消し、12時、と書き変えた。
「半分にすりゃ良いって問題でもないと思うが」
「つまんない奴ねぇ、チャレンジ精神が足りないわ」
「悪かったな。せいぜい一依頼時を撮影するのが限度だろう、テープの尺の問題で」
「まぁやはり、無難なのはそのくらいかね。命がけだからな、神経をすり減らして無理が出てしまうような事態は避けたい」
 とジャンヌ・ルイ。
 うーんと唸りつつパティは「地球の守り手3〜撃退士達とその戦場〜」と書き変える。
「……3?」
「1と2は劇団員達でやったんだよー」
 と答えたのは、お茶を淹れて来たのか湯呑を一同に配っているおかっぱの童女、はぐれ悪魔のシィール=クラウンだ。
 わざわざ劇団の外から人員を募集したのはそういう訳であるらしい。
 一同はあれやこれや話し合い、とりあえず実行可能そうな形にまとめる。
「それじゃ、要点を整理するわね。
 今回、撮影するのは、某県の山中に現れたディアボロの退治行についてよ。三つの頭を持つ巨大な蛇型ディアボロの出現が確認されているわ。里にはまだ降りて来てないみたいだけど、村の人達は不安で夜も眠れないそうだから、退治してくださいって事ね。
 これを退治すると共に映像撮影を行う事について、現地の依頼人との話はついているって事は一応伝えておくわね。その辺は心配しなくて良いわ。
 カメラは私とジャンヌ・ルイとシィールで三台ね。被写体は今回依頼に参加してくれた皆。
 
 あぁ後、一応、映像は撮るんだけど、映りが生える戦い方しよう、とか考えなくて良いからね。死ぬから。普段やってる通りに戦ってちょうだい。
 むしろ、良い所見せようとしてヘマするとその映像が世界に出荷されるからね、撃退士として恥じないように戦いなさい、って私が言うのもなんだけど、そういう事ね。

 とりあえず、そんな所かしら」

 とパトリシアは言ったのだった。


 某県の村へと出発する前にジャンヌ・ルイが澄み切ったソプラノで歌っていた。シィールがカメラを回している。
 曰く、OPテーマであるらしい。

「砂漠の晴天を渡り、氷土の凍える夜を行き、太陽と月は空に軌跡を残す。
 人は旅路を行くだろう。行き先は誰も知らない。命が枯れるまで。
 砂に残した足跡は、風に吹かれて消えるだろう。波間に浮かんだうたかたが、海に溶けて消えゆくように。
 されど歌は万里を巡るだろう。やがて全ては消えるだろう。魂に刻んだ記憶こそ、死出の旅路の唯一の供よ。
 私はお前を歌うだろう。誰かもお前を歌うだろう。お前は永久に生きるだろう。宇宙が終わるその日まで」

 銀色の長い髪を風に吹かせ、青と金の瞳を撃退士達へと向けて、黒いドレスに身を包んだ少女が振り返って問いかけた。

「貴方は、何の為に戦っていますか?」


リプレイ本文

 REC、高速で駆動してゆく数字、四角の白い枠線。
 オッドアイの少女の歌の後、画面が横にパンしてまた別の少女の姿がフレーム内に現れる。
「――仕事だから」
 目出し帽――別名をバラクラバ、または顔面覆と呼ばれる、強盗犯やテロリストや特殊部隊の皆さんが良く使う、頭から首まですっぽりと覆われて目の周りだけ開いている覆面である――をつけた、Robin redbreast(jb2203)は意志を感じさせない緑眼でそう答えた。
「これ、てれびとかで映るんですよねっ?  えいっ、えいっ!」
 その後ろでピースピースとはしゃいでいるのはメイベル(jb2691)だ――街のビデオショップには出荷されるしネット上でも放送されるだろうが地上波民放は多分無理ではないかな。
「カァァアアアアトォオオオオオオオッ!!」
 画面外から女の怒声が響いてガサゴソという音と共に録画が止められる。暗転。

〜劇団ドリーマーズNG集より〜


「なんでいきなり出オチなの?! なんで覆面なの?! 人のファッションにとやかく言わないけど、ロビンさっきまで普通の格好してたわよね?! ていうかメイベルもおもいっきりな御約束やらない!」
 カメラを片手に金髪ポニテの団長パトリシア・スミスがきーきーと叫んでいる。
「顔が出回ってしまったら困る……」
 Robinはおっとりとした口調でそう答えた。
 北方遊牧民族の生まれの彼女は幼い時に拐われ暗殺組織に売られ、自我と一切の思考を持たないように躾けられ、上官の命令には疑問を持たずに従う人格が形成されている。
 あらゆる武器を使いこなし、どんな命令にも対応できる身体能力を備えるように訓練され、武器がなければ素手で絞め殺し、無意識でも人を殺せる技術を身に付けている。
 罪悪感や倫理観、善悪などというものはなく、自らの意思も持たないキル・マシーンだ。
 所属する組織が摘発され、未成年ということで保護され、矯正も兼ねて学園に送られてきたのだが、
「全世界に映像で顔が出回ってしまったら、暗殺等の隠密裏の仕事ができなくなってしまう」
 と思考する習性は残っているようである。
 しかしそのような事情を知らないパティは、
「ロビン折角可愛いんだからさ、ちょっとくらい無理?」
 と、やいのやいの顔だしについての交渉をRobinと始めたのだった。
「賑やかな事だね」
 アデル・リーヴィス(jb2538)が呟いた。
「人生はDejavu、何処かで見たような神々の戯曲なのだよ(毎度こんな調子だよ)、とは言ってもDocumentaryFilmは劇団輪廻が導く最大公約数ではなく、それはTheaterだがね(普段やってるのは演劇だけどね)」
 自称千年を生きる大天使がジャンヌ・ルイ語でアデルに説明した。
「劇? へえ、愉快な事してるんだね」
 と()内の脳内翻訳をかけてから答えて堕天使アデル。だがアデルは固執する一つや幾つかの例外を除いて基本的に興味が無く、その為全てを甘受する傾向がある女天使である。基本的に好き嫌いも無く「どうでも良いからそれで良い」というのが、彼女本来の基本スタンスだ。故に実際の所は劇にも興味はなかった。
 しかし、
「うむ愉快だぞ。輪廻の輪は回り続けてぐぐぐぐぐろーばる、ブラジルでの蝶の羽ばたきがテキサスでトルネードを引き起こすなら、真実の所、二度はないのだ。故に私は過ぎゆく唯一の一瞬達を歌うが使命と課したのだよ。生き生きするぞ!」
 カオス力学までレトリックに持って来る目の前の相手は、興味以前に話しているだけで脳味噌が疲れそうな手合いである。ある意味、クラシックな奴なのだろう千年天使は。
「だからジャンヌ・ルイさんは元気なんですね。歌うのが使命ですか」
 一方、メイベルはふんふんと頷きながら相槌を打った。
 本当は良く分かってないのだが、しかしもの凄く為になることを言ってくれてるのでは、とメイベルは思っているからである。
 ヘテロクロミアの銀髪少女はふっと格好つけたポーズを取って頷くと、元は魔界の兵士であったという灰銀髪の少女へと語る。
「うむ、私と君と皆が生きた証をこの世界に残すのだ。歌は音楽にして波動、ハーモニック(調和)こそが宇宙の調律であるなら、音楽は宇宙の運行を解き明かす為の鍵だ。歌は空気の振動であり力学であり数学であり、そして宇宙のシステムの一部なのだ。鍵があるならシステムの全体、真実への扉を探そう。ムーンダーナ、天球の音楽、つまり宇宙の法則を解き明かさんとする者を古代では音楽家と呼び、現代では科学者と呼んだ。故に科学者は神を謳う。公理に神は集約される。卵が先か鶏が先か、始まりがあるなら始まりの始まりは何処から来たのか、我々という存在は何処から来たのか、科学で解き明かせない物をゴーストと呼ぶなら、幽霊を探そう。万象の法則を観測し解き明かして歌うのだ。おお、世界は偉大にして美しい、私はスカイシンガー、永遠の探究者にして記録者だ!」
 生きてるのが楽しそうな奴だという事だけは皆が理解した。誰かこいつを止めろ。
 ジャンヌ・ルイという名のスピーカーにスイッチを入れた事をメイベルが後悔したか喜んだかは本人のみが知る所だが、そんな調子で久遠の名を冠する学園キャンパスの昼下がりに天使と悪魔がかく語り合っていると、その間にRobinとパティの話はまとまったようで、Robinは渋々といった様子で覆面を脱いで、目深な帽子を被って顔を隠していた。
 シィールが再びカメラを構え、テイク2が始まる。


 REC、高速で駆動してゆく数字、四角の白い枠線。
 オッドアイの少女の歌の後、画面が横にパンしてまた別の少女の姿がフレーム内に現れる。
「――仕事だから」
 鍔の長い帽子を目深に被った少女が、顔を隠すように俯きがちにそう答えた。その声音にはしかし、迷いがない。
 少女の艶やかな口元は、薄く笑みの形に歪められ「なんでそんな当たり前のことを聞くんだろう」という疑問を呈しているかのようだった。
 暗殺組織に育てられた少女は、自由を知らぬ籠の鳥のように、何の意思も夢も持たない。
 仕事だから、それ以外に何の理由があるだろうか。
 見る者に生まれる新たな疑問、では仕事とはRobinにとってどんな意味を持つ物なのか、何故戦う事を仕事に選んだのか――しかしカメラは問いかけない。人には背景がある。静かに回り続ける。
 画面は流れるようにパンし、続いて灰銀の髪の少女が映される。
「撮られてるとなんだか不思議な気分です」
 はにかんだように碧眼の少女は微笑した。
「戦う理由は、ズバリ、お礼の言葉を言ってもらうため、ですっ!」
 メイベルは言った。
「私たちの所にお仕事が来るということは、どこかで困ってる人たちがいるということですよね。
 そこでジャジャーンと参上して、ババーッと解決すれば、
 その人たちが喜んでくれる、喜んでくれれば「ありがとう」と言ってくれる、ありがとうと言ってくれれば、私が嬉しくなるという寸法です!」
 カメラは静かな駆動音を発しながら回り続ける。
 出演者達から語られる理由は、理由の一端、一端というのは、その人物の全像への鍵。
 カメラには語られない理由。
 はぐれ悪魔のメイベルは、魔界出身の下級悪魔で、幼い頃から何かにつけて無能と謗りを受けてきた。
 しかし、ある時、任務で地球へと赴いた時に、気まぐれで一人の人間を助けた所「ありがとう」と言葉をかけられた。
 その言葉に、感動したのだ。
 生まれて初めて受けた感謝の言葉だった。
 以来、魔界には戻っていない。人助けの為に奔走している。いつしかはぐれ悪魔と呼ばれるようになった。
 カメラは回る。
 多くの命達の生を映して。


「おお、空の壁を破る大いなる円環が開かれた! アストラルライトによる超物法則が発動し、今、我々は時空を超える! DimensionCircle、其は空間基底を連結させて距離を同ディメンジョン化し足し引きを可能と――」
「後ろが詰まってるから急いでくれ」
 赤眼銀髪の青年、神凪 宗(ja0435)は蒼輝輪の前で詠っているゴスロリ少女の背を押して輪を潜ると、何処かは知れぬ山林へと降り立った。Dサークルによるワープには誤差がでる。
 GPSで確認すると件の村から七キロ程離れた場所のようだった。一同は移動を開始する。
(映像作品向きでない外見と性格ですが……)
 いつも通りディアボロ退治をすれば良いのであればなんとかなるかなと久遠 冴弥(jb0754)が歩きながら考えていると、
「久遠さん、久遠さん」
 と呼びかけられ振り返る。

――何故、撃退士として戦うのですか?

 と放映時には編集されてテロップでも入るのだろう、パティが冴弥へとカメラを回し、その後ろで景守が「例のアンサーどうぞ」とカンペボードを持って立っていた。
 兄から団長について聞いていた冴弥は「パトリシア先輩は過去作品でもコケる病は大丈夫だったのでしょうか?」とパティにふとした疑問を抱きつつ――後でシィールに聞いた所、やっぱり盛大にコケてたらしい事が判明する――問いに答えた。
「私は……アウルのお陰で私には道が増えました。ならばそれを最大限活かせる道へ行きたかったんです」
 冴弥はそう答えた。
 かつて久遠冴弥はとても病弱だった。
 物心つく前から入院を繰り返していた程だ。
 兄が久遠ヶ原に渡ってしばらく後、自身もアウルに目覚め、その影響で身体的問題もクリアされたのだという。
 そして冴弥は自身の体を病弱から解放したアウルを活かす道を求め、兄と同じ久遠ヶ原学園の門を叩いた。
「それに……これまで、自分の事すら覚束ない私の為に、家族、兄さんにも苦労をかけました――もうその必要はないと、今度はこちらが助けになれると示さないと」
 冴弥は軽く微笑するとそう答えたのだった。
「お兄さんの事は好きですか?」
 パティがそんな言葉をぶん投げる。
「えっ」
 冴弥は固まった。家族の事は大切に思っているが、しかし録画されている前で言ってのけるというのも気恥しい。
「妹さんへカメラ回しながらそんな事聞くな阿呆。カットだカット」
 景守がカンペボードでパティの頭を叩いて止めていた。


「何の為に戦う……か」
 天風 静流(ja0373)が道を歩きながら呟いた。丘を一つ越えると年季の入った木造の家々が見えて来た。裕福そうには、あまり見えない。典型的な日本の寒村だ。
「村が見えて来たな。とりあえず、ディアボロを撃退してからにしよう」
 艶やかな黒髪を風に流しつつ女はそう言った。パティがカメラを構えて横からズームしている。凛とした長身美人はアップに耐えるマスクである。
 村へと辿り着いた一行は、依頼人への挨拶もそこそこに件のディアボロがなわばりを張っているという山へと向かった。
(撮影されながらって凄く恥ずかしいなぁ……)
 と胸中で呟いているのは橘 優希(jb0497)だ。気にするなとパティは言っていたが、しかし背後から追って来るカメラは気になる。
(あまりカッコ悪い所を見せないようにしよう)
 そう決意する。
 お嬢さんそれは死亡フラグ――と視聴者がいたらつっこみを入れていたかもしれないが、幸いにして心の中での呟きなので録画されてはいない。殺し合いにフラグなど関係ないものではあるが。なお橘優希は女性と見紛うばかりだが男だ。
 他方。
「大丈夫かね?」
 ジャンヌ・ルイがカメラを外してマキナ・ベルヴェルク(ja0067)に問いかけていた。
「……問題ありません」
 黒服に身を包んだ少女はそう答えた。実際の所は、離人感が酷い。
 マキナの返答を聞いたジャンヌ・ルイはカメラを再び構えると言った。
「不調そうだが、貴女は何故戦う?」
「……そうですね。 端的に言えば、"終わり"が欲しいのです」
 マキナは答えた。
「私は今を、耐え難いと考えていますから」
 戦なんて、早く終わってしまえば良い、と。
「言葉にするなら、そんな所です。その為に駆け抜ける。抱く願いを成す為の求道を……その疾走が、例え何を轢殺しようとも。それでも、終焉(おわり)の先には望んだ刹那があるのだと信じて……己が"ない"私には、それしかないのですから……」
 カメラは回る。
「……済みません、妙な雰囲気になってしまいましたね」
 苦笑してマキナは言った。
「余り深く考えないでください。私も上手く説明出来たとは思えませんから」
 終わりの先を求めるが故の、『終焉』の渇望。
「そうかね」
 ゴシック天使は言った。
「総ては終わりゆくものだ」
 マキナは些か以上に『終焉』を見詰め過ぎていたが、あるいは終焉を見つめるという意味では、このカメラマンも同じ手合いなのかもしれない。
「だから私は永遠を歌う。私としては、貴女の刹那の永遠を願っているよ」
 ジャンヌ・ルイはそう述べてから、ぱっと笑うと。
「現在の終焉を求める君にそれは大きなお世話という奴かもしれないが、ひとまずは君がここで頑張って生きている姿を永遠化してあげよう」
 少女はカメラを回しながらそんな事を言っていた。


「生肉を使って匂いで誘き寄せる……しかし、闇雲に仕掛けても仕方ないし、まずは痕跡を追いたい所だが」
 件の蛇をどうやって捕捉するか、その事に対し天風が言った。
「誘き寄せる前に、細い山道等で接敵すると戦いづらい、かな」
 と帽子を深くかぶっているRobin。
 なおパティ曰く、戦闘中などに顔が見えてしまったら編集でカット・修正しておくとの事。
 後に、顔が見えないので逆に視聴者から注目が集まったというのは閑話休題。人は自分が見えないものを探そうとするから。
「ずっとアルファルトの道を進んでいきたく思う、広い道の上でなら何処で接敵しても問題ないので」
 言うなら、積極策と慎重策だろうか、自分から探しにゆくか、相手が来るのを待つか。
 判断の基準は、敵の索敵能力に拠るだろうか。
 極論で言うなら、千年待っても来ない相手に待ちを打つのは無駄だし、逆に放っておいても来てくれる相手なら自分達に優位な地形に誘いこんで迎撃した方が安全だ。
 現実は極論の条件ではなく、その狭間に浮かんでいる。何処で見極めるか。
「誘いは、山に対して風上になる位置でかけたいですね……そうでなくては臭いが敵まで届きません」
 考えるようにしながら冴弥が言った。
「今の所、北風だね」
 人差し指を舐めて空へと翳し風向きを確認してアデル。
「探索と誘導ならやるが」
 と神凪。手には袋を持っている。中身は血だ。出発前に肉屋で買いこんでおいた。
 一同は相談すると、とりあえずアスファルトの道を通って山の北側へと回ってから周辺を索敵し遭遇すれば戦闘へ、遭遇できず存在跡を確認したら最寄りの路上に生肉を仕掛けよう、という事に決めた。
「振動も感知しそうな気がしますし、強めに足音をたててみますか」
 と冴弥。やっといて損はなかろうと一同はアスファルトの道を足音を立てながら歩いてゆく。Robinは光纏して阻霊符を展開した。冴弥はヒリュウ・ニニギを召喚して空へと飛ばし周囲を警戒させておく。
 葉が落ち裸となっている木々を左右に一行は進む。Robinは長い枝を拾って持つと時折小走りに先行しては、枯れ草が大量に積もっている箇所があると、枝で払って跡がないか確認していた。ニニギは制限時間に限界が来たので何度か召喚しなおしたが、最後の制限時間が過ぎても敵影は発見できなかった。
 進む途中、何かをひきずったような、巨大な跡がアスファルトの道の左右の地面に残っていた。以前に道の上を横切っていったのだろう、恐らく大蛇によるものと思われた。実際にその跡を目にするとかなりの巨体である事が実感できる。
 北側でないので、そのまま進む。
 一行は山を貫く石の道を半刻程進むと山の北側へと出た。周囲を探索して、蛇の跡を発見してなわばり内である事を確認すると、最寄りの路上へと戻る。
 橘は出発前に買った袋から生肉を取り出して、路上とその周辺へと設置した。
「……帰ったら、トンカツでも作ろうかな」
 青年はじっと、設置した生肉を見て呟いた。幼い頃から母の手伝いをしていたので料理は得意である。
 神凪がその上からさらに血液をふりかけた。
 血匂が風に乗って流れるように山中へと広がってゆく。
 一同は周辺を警戒しながら路上で待機した。
 しばし経ったが、気配はない。
 広い山なので、既に匂いを嗅ぎ取っていても移動に時間がかかっているのかもしれないし、匂い自体が届いていないのかもしれない。
 蛇その者ならぬ撃退士達には、解からない。
「少し出て来る」
 神凪が言った。もしこちらに蛇が来たら携帯に連絡してくれ、と。
「情報によればブレスの射程は長い。見付かったら一気に下がる位で丁度良いかもしれない」
 天風が述べ、銀髪の忍軍は「解かった」と言い残して山林の中へと入っていった。


 山脈の斜面に当たった冬風が山肌を登ってゆく。
 神凪は山頂方向へと向かって歩いた。手に持つ袋から血を散布しながら進んでゆく。
 その作業を進め、やがて手持ちの血も尽きようかという頃、神凪は木々の陰、山の上から巨大な黒い影がうねりながら、滑るように地を這って迫って来るのを視界に捉えた。
 乱立する木々を無視して突き抜け真っ直ぐに迫って来る。

 大蛇だ。
 
 男は即座に踵を返した。


 携帯で神凪からの連絡を受け取った路上の面々は迎撃の準備を進めていた。
 ばきばきと木々が薙ぎ倒される音が周囲に響き渡る。阻霊の範囲に入ったのだ。
 木々の間から神凪が飛び出して来る。
「蛇を路上へ誘い込もう! 一旦後退を!」
 橘が言って、撃退士達はアスファルトの道上を駆ける。
 やや経ってから木々を薙ぎ倒して路上へと三つ首の大蛇が飛び出して来た。蛇は撃退士達へと一瞥を送ったが、距離が離れている事から、もっと近い血肉を優先させたようだ。路上に設置されている生肉の塊に牙を立て喰らいつく。ガツガツと丸呑みするように肉を呑みこんでゆく。
「死と再生を司る、神の使い……」
 アデルが体長十メートルもの巨大さを誇る三つ首の大蛇を見据えて呟いた。
 古来、脱皮を繰り返し古い肉体を捨て新しい肉体を得る蛇は、死と再生の象徴であり、神の使いであり悪魔の使いとされた。不老不死の象徴。再生する神々。尾を噛む蛇は始まりも終わりも無い永遠を司るという。
 しかし、
「……なんて、そんな神々しさは微塵も無いね」
 血に塗れた肉を貪欲に喰らう眼前の巨蛇は、ただの肉の塊だ。
 ブロンドの堕天使は淡い蒼色の粒子を霧のように纏い、背から光の翼を出現させてはためくと、冬の空へと舞い上がった。風が逆巻き景色が流れる、微かに鮮やかさを増した碧眼で巨大な蛇を天より見下ろした。
 メイベルも闇の翼を発動、背から悪魔の翼を広げて浮き上がる。
 冴弥の声と共に青白のストレイシオン・天叢雲が召喚される。防御効果発動の意を受けた天叢雲が力を集中させてゆく。
 Robinは山林の中に飛び込んでいる。大蛇の背後に回り込みたい。木々の間を縫って影のように駆ける。
 路上、真っ向から神凪が突撃している。
 その右手を走るのは橘だ。大蛇の左頭部を狙う。 
 アデルもまた左へ旋回し、大蛇の右頭部の注意を惹かんと降下しながら突っ込む。
 陽動三人よりやや距離を置いて景守、天風、マキナ、冴弥、メイベルが前進を開始する。
 相対距離四〇メートル。大蛇が振り向いた。
 先頭を駆ける神凪が有効射程に入ると、三つ首の大蛇は顎を開き、その咥内へと光を急速に集めてゆく。
「事前に情報のあったブレスか」
 神凪、呟きつつタイミングを計って左へ跳ぶ。瞬後、中央の蛇頭の顎から爆音と共に猛烈なプラズマブレスが吐き出された。巨大な光の奔流が一直線に空間を貫いてゆく。
 光は神凪の右手の空間を灼き焦がして抜けた。かわした。
 直後、右の蛇頭より神凪へと再びプラズマの光が飛んだ。猛烈なブレスが神凪の身を呑み込み貫通して抜けてゆく。光の中で神凪が消し飛んだ。否。消し飛んだのはジャケットだけだ。空蝉。
 左の蛇頭は地を這うように突進してくる神凪本体へとさらにブレスを放つ。左右からの攻撃にも備えていた神凪は駆けながらこれも鮮やかにかわしてゆく。
「当たらなければどうという事はない」
 男が述べ、距離が詰まってゆく。
 先頭、神凪、相対距離24m。遠い。ブレスの射程が長い。
 撃退士達の身体が、青い燐光をまとったように発光し始める。天叢雲の防御効果がその力を現したのだ。
 再びブレス三連、神凪は二発を掻い潜るが流石に避けきれずに三発目に直撃を受け、身が焼き焦がされる。激痛が走り抜け、視界が揺らいだ。青光の防御結界の上からでも痛烈な威力だ。負傷率五割六分。すかさず景守からヒールが飛んで負傷率三分まで回復。
「こらー! 君の相手は僕だっ!」
 頭が三つなら思考も三つだろうかと、橘が大剣の切っ先を蛇の左頭へと向け注意を惹かんと挑発している。なんか遠くで人間が騒いでるけどそんなの関係ねぇ、という風情の大蛇の頭達ではあったが、流石に神凪狙うのは効率悪いんじゃないかと思い始めたらしく、左の首は橘へと標的を変えてプラズマブレスを発射し、それに続いて中央がブレスを放ち、右も続こうとしたが、雷の矢が天空より飛来して突き刺さる。氷錐はちょっと届かないので雷鳴矢に切り替えたアデルの射撃だ。右頭は首を巡らせると空を舞う堕天使へと向かって光の奔流を撃ち返す。
 地上。
 轟音と共にプラズマブレスの大奔流が橘へと迫る。二連。
「――こいっ!」
 青年は気合いの声と共にグランオールを翳す。集中防御。メイベルが重ねて乾坤網を発動させた。宙に浮かぶ悪魔からアウルが放たれ防護の力が網のように橘の周囲に展開される。瞬後、光の奔流が橘へと連続して襲いかかり、呑み込んで、その壮絶な破壊力を解き放ってゆく。
 直撃、直撃、全力防御と乾坤網で非常に硬い、負傷率七割二分。身体から煙が吹き上がっているがまだいける。
 空。
 アデル、右頭が光を集めている間に旋回を開始している。機動する天使へとプラズマの奔流が唸りをあげて迫り、呑み込んで猛烈な勢いで灼き焦がしてゆく。負傷率六割九分、ダアトは魔法攻撃に対しては硬い。
 地上。
「天叢雲、雷を」
 冴弥の言葉に答えて天叢雲が電撃を放った。複数の首をまとめて薙ぎ払わんと飛んだサンダーボルトを左右の首は素早く回避し、中央の首に直撃し焼き焦がす。電撃に麻痺したのか中央の首の動きが鈍る。
 すかさず駆けて来た神凪が中央の首へと跳躍し、袈裟斬りにエネルギーブレードを一閃させた。光の刃が大蛇の身を斬り裂いて血飛沫を飛ばす。天風は駆けつつ鬼心を、マキナは九界終焉・序曲を発動させた。
 景守がアデルへとヒールを飛ばして負傷率四分まで回復。
 中央の首は天叢雲へと爆光を撃ち放ち、ストレイシオンはひらりと横に跳んで回避。天叢雲、呑気な性格の割に素早い。セフィラビーストは横手に回り込みつつ反撃のサンダーボルトを撃ち放ち、大蛇の三本の首をまとめて貫いてゆく。
 左右の頭は電撃を浴びながらも再度光を集中させると、それぞれ橘とアデルへとプラズマブレスを撃ち放った。
 橘、攻撃を捨てて回避に集中している。タイミングを計って横っ跳びに全力回避。光が足先をかすめて虚空を貫いてゆき、橘は地面で一回転してから起き上がる。かわした。
 空を機動するアデル、避けきれない。
「この!」
 メイベルが乾坤網を発動させた。光の防護網がアデルを包み、猛烈なプラズマブレスが防護網ごと天使の身を呑み込んで灼き焦がしてゆく。負傷率五割三分。
 その間に木立の陰から出て来たRobinが大蛇の後方へと回り込んでいる。アウルを集中させゴーストバレットを発動、不可視の弾丸が大蛇の首元へと襲いかかった。バックアタック、急所攻撃、一撃が綺麗に炸裂し、鱗が爆ぜ飛んで血飛沫が凄まじい勢いで吹き上がる。
 景守がアデルとヒールを飛ばして全快させる。
 天風が疾風の如くに踏み込んで来て跳躍すると、和槍を引き絞るように構え、麻痺している中央の大蛇の首目がけて蒼白い光を纏った神速の突きを繰り出した。穂先が硬い鱗を紙の如くにぶち抜いて突き刺さり、強烈な衝撃を巻き起こしてその首がのけぞるように後方へと弾き飛ばされる。中央の首は脱力したようにそのまま動かなくなった。潰した。
「まずは一つ」
 中央が潰れたを見た神凪は、再度跳躍する。
「次はこちらだな」
 宙で逆袈裟に光刃を振るい右の首を斬り裂く。血飛沫が舞い、煌めく氷の錐が空より降って来て右首へと突き刺さった。アデルのクリスタルダストだ。強烈な破壊に蛇の動きが鈍っている所へ、メイベルは間髪入れずに六花護符を翳した。雪弾が鋭く飛んで右首に炸裂する。
 マキナは蛇の胴体部分へと踏み込むとアウルを解放し右の義腕を叩き込んだ。四方の空間より黒焔が出現し鎖となって大蛇の身に絡みついてゆく。封神縛鎖だ。大蛇は身をよじらせ二つの頭は顎を開こうとするも鎖に封じられて開けない。
 拘束した。
「――終焉(おわり)です」
 マキナが言った。
 神凪が光の刃を一閃させて雷遁を叩き込み、天叢雲が電撃を撒き散らし、天風が黄泉風を発動させて突き込み、マキナが諧謔の拳を打ち込んで、Robinが流水の両刃剣で斬り刻み、アデルが氷の錐を突き刺し、橘が大剣でスマッシュを叩き込み、メイベルが雪弾を炸裂させた。
 スタン状態で防御も回避も出来る訳がなく、滅多打ちにされた大蛇の二本の首は爆ぜ、その胴体も動きを止めたのだった。


 色々焦げてた橘は、仏頂面の景守からライトヒールによる治療を受けさせられてから改めてカメラの前に立つ事になった。なんだか誤解による気遣いが劇団員達からなされているような気がしないでもない。
 REC、高速で駆動してゆく数字、四角の白い枠線。
 声が高く、背も小さく、画面にアップで映されるその顔は、完全に女性のソレである。黒髪は長く伸びている。どっからどうみても女である。
「何故、撃退士として戦うのかは……誰かが傷ついたり、苦しんでる姿を見たくないから……かな?」
 橘は少し照れながらそう答えた。
「少なくとも、自分の目が届く範囲の人達は守りたい」
 だが男だ。


「ヒーローだからね、意味なんてそれだけ」
 アデル・リーヴィスはそうとだけ答えた。


 ヒーロー

――『ヒーロー』になる為、唯それだけの為に、命すら簡単に投げ出せる。
 わたしの存在価値は最早、あの子の思想をこの身に宿し、現実へと反映させるだけに過ぎない。

 弱きを助け強きを挫く。
 弱者の声に耳を傾けて、誰をも助け導くヒーロー。

(最後は絶対にハッピーエンドじゃないといけないんだよ)

 そう思う。
 ハッピーエンドへの案内人として、ヒーローは存在してる。
 たった一人、誰かの笑顔を守る為に。
 その人にハッピーエンドをもたらす為に。

――だからわたしは、戦う。


「戦う理由は……私の場合、それほど深くは無いな」
 天風静流は言った。
「この時代に、こういう力を持ったが故だろう」


 神凪宗は黙して語らなかった。
 神凪宗は東北より渡り歩いて来た男だ。
 幼き日よりの友は撃退士として戦場で散り、友が果たせなかった「平和な世界」という想いを胸に戦場に立つ事を選んだ。
 但し、やはりこういう場でも、それを語りはしない男だった。


 暗い暗い闇の部屋、闇の底を覗いたかのような暗闇の中に、光が一筋伸びている。
 それは四角い光となって映像を映しだしていた。
 光の中で、人々が生きている。
 静かな駆動音を立てて回る映写機の側で、オッドアイの少女はじっとそれを見つめていた。
 昔、千年天使が言った。真の死とは全てから忘れ去られる事だと。
 時は流れて、通り過ぎてゆく。
 それは記録。
 記録を見た者は、そこに生きていた人々を、記憶するだろう。
「さぁ全世界に向けて出荷するわよー!」
 部屋の外から明るい女の声が聞こえてくる。また忙しくなりそうだ。

――私は覚えている。

 少女は光を見詰めて、胸中でそう呟いた。

●エンディング

 砂漠の晴天を渡り、氷土の凍える夜を行き、太陽と月は空に軌跡を残す。
 人は旅路を行くだろう。行き先は誰も知らない。命が枯れるまで。
 砂に残した足跡は、風に吹かれて消えるだろう。波間に浮かんだうたかたが、海に溶けて消えゆくように。
 されど歌は万里を巡るだろう。やがて全ては消えるだろう。魂に刻んだ記憶こそ、死出の旅路の唯一の供よ。
 私はお前を歌うだろう。誰かもお前を歌うだろう。お前は永久に生きるだろう。宇宙が終わるその日まで。


 了


依頼結果

依頼成功度:大成功
MVP: −
重体: −
面白かった!:9人

撃退士・
マキナ・ベルヴェルク(ja0067)

卒業 女 阿修羅
撃退士・
天風 静流(ja0373)

卒業 女 阿修羅
凍気を砕きし嚮後の先駆者・
神凪 宗(ja0435)

大学部8年49組 男 鬼道忍軍
夢幻のリングをその指に・
橘 優希(jb0497)

卒業 男 ルインズブレイド
凍魔竜公の寵を受けし者・
久遠 冴弥(jb0754)

大学部3年15組 女 バハムートテイマー
籠の扉のその先へ・
Robin redbreast(jb2203)

大学部1年3組 女 ナイトウォーカー
対偶の英雄・
アデル・リーヴィス(jb2538)

大学部6年81組 女 ダアト
仲良し撃退士・
メイベル(jb2691)

大学部2年193組 女 陰陽師