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マスター:水音 流
シナリオ形態:イベント
難易度:普通
形態:
参加人数:23人
サポート:3人
リプレイ完成日時:2017/03/01


みんなの思い出



オープニング

 2月13日、午後11時58分。

 本土からの荷物を載せて夜の海をひた進む、小型の貨物船。ブリッジでは、航海士や副船長らがテキパキと真面目に業務をこなしている。
 もうすぐ水平線の中に久遠ヶ原島が見えてこようかといった辺りで、暇を持て余していた船長がふと副船長に話しかけた。

「昔さー、タイタニ●ク号の映画あったじゃん。なんかカップルが甲板で両手広げてイチャイチャするやつ」
「はあ」
「もし私の船でアレやる客がいたら後ろからドロップキックかまして、絶対魚の餌にしてやろうと思うわけよ」
「この船、貨物船だから客なんか乗ってないですよ」
「履歴書にもちゃんと『豪華客船の船長希望』と書いたのに、何故こっちに配属されたのだろうか」
「そんなアホな事考えてるから、船のオーナーに不穏分子だと思われてるんじゃないすか?」
「副船長、最近私に冷たくない?」
「すいません、仕事の邪魔なんで寝ててくれます?」
「はい……」

 そして時計の針が14日の午前0時を指し――

 轟音。
 突然、何かに船底を突き上げられて激しく揺れる船。

「なんだ、ゴ●ラか!? ガ●ラか!?」

 ド派手に座礁した模様。
 どんどん傾く。

「ちっ、あんたがタイ●ニックの話なんかするから!」
「ごめんね!? でも舌打ちはやめよ!? 泣いちゃうから!」

 為す術もなく船首が上を向き、そのまま押し出されるように転覆。
 逆さまになってあっという間に浸水していく船から、何とか脱出する船員達。

 0時になる前までは、障害物など一切存在していなかったはずの海域。
 だが今、救命ボートに揺られる彼らの目の前には、確かに1つの“島”が浮かんでいた――



 店を閉め、カウンター周りの後片付けをしていたリーゼの携帯にオペ子から電話が入る。

『リーゼさんにお客さんが来てます』
「?」

 なぜ店ではなく斡旋所に?
 疑問に思いつつ、呼び出されるまま斡旋所を訪れるリーゼ。
 そこで待っていたのは、いつも店で使う酒を卸してくれている酒屋のオヤジだった。

「おー、悪いねリーゼちゃん、こんな夜中に呼び出しちまって。実は頼まれてた例のアレなー、さっき運送業者から連絡があって、オシャカになっちまったらしいんだわ」
「ふむ…?」
「その運送業者さんがこちらです」

 オペ子が言う。
 促された先に目を向けると、船乗りと思しき男達がバスタオルを羽織ってソファーに座っていた。

「貨物船の乗組員さん達です」
「「どーも」」

 沈没して救助されたなう。

「突然現れた謎の島に当て逃げされたらしいです」
「いえ逃げられてはいませんけど」

 でも船は引っくり返って、積んでいた荷物はグシャア。
 どうやら、リーゼが酒屋のオヤジに頼んで手に入れてもらったブツもその中に含まれていたらしい。

「積荷の方は時既に時間切れですが、とりあえず謎の島については至急調査が必要なのでドローンを発進させました」

 ドローン=量産型ロペ子3機。

「映像が来ます」

 モニター前に集まる一同。

 陸子をぶら下げながら飛ぶ空子が、前方海に浮かぶ島に上空からライトを向ける。
 明かりの中に、ぼんやりと浮かび上がる陸地。流石に久遠ヶ原島ほどではないにしろ、しかしそれは、確かに『島』と呼んでも差し支えのない大きさである事が窺えた。
 突如として久遠ヶ原近海に出現した謎の小島。
 やがて島の海岸直上へと到達した空子が、陸子を投下。海子も海中を突き進み、島の周囲の探索を開始する。

 陸海空、3機それぞれの視点で表示される3つの映像。
 だが生い茂った植物が邪魔で、上空からは島内部の様子は分からない。
 海中にも目立った点は無し。
 一同の視線は、自然と陸子のカメラに注がれる。

 最初に気になったのは、島の地面。
 砂にしては色がやけに黒っぽく、土にしては質感が妙にスベスベしているように見える。そう、これはまるで、

「チョコレートみたいですね」

 栄養価高め。
 それに加えて、

「植物の種類がバラバラです」

 サトウキビが生えているかと思えば、すぐ隣にはカカオの木。更には苺や葡萄、オレンジ、レモンといった多様な果実だけでなく、菫や藤、トウガラシ等々の香草類まで見て取れる。季節や地域の分布など関係無いと言わんばかりに、島のあちこちに群生しているようだ。
 更に……

\モ〜/

 牛が居た。
 白黒柄のホルスタイン。だけでなく、褐色のジャージーその他も。

 頷くリーゼ。

「自然が豊かな証拠だな(感嘆」

 そのまま陸子は森の中を突き進み、ほどなくして島の中央エリアに到達。
 するとそこには、何かの工場と思しき施設が建っていた。どこから電力を得ているのか、建物の裏手には配電設備もある。
 扉を開けて中に入ると、大掛かりな機械の数々。操作盤の傍には、ご丁寧に分厚い取扱説明書まで添えられている。

「醸造工場に似とるなぁ」

 そう言ったのは酒屋のオヤジ。
 オペ子の指示で、試しに陸子が手近な機械のスイッチをポチッとな。するとヴゥゥゥンと電気の通う音がして起動。ゴウンゴウンと野太い振動音を轟かせ始めた。

「稼動するようですね」

 そうオペ子が言ったその時、

『ギョギョー!』

 何かの奇声。

 直後、陸子が背後から殴られたように横転。カメラにノイズが走り、そのままブツンと暗転した。
 映像が消える寸前、画面端に僅かに見切れた影は銛のようにも見えたが――

 しかし考える暇は無く、空子のカメラにも異変。

 鬱蒼と茂っていた木々の絨毯がメキメキと揺れたかと思うと、次の瞬間、吸盤の付いた触手のような物が伸びてきて空子に直撃。
 叩き落とされて錐揉みしながら墜落した空子は、グシャリと重い音を立てて交信を絶った。



「という訳で謎の島の調査依頼を発信です」

 早朝。
 朝一で召集された撃退士達。その中には、自ら調査隊に加わったリーゼの姿も。

 エリスがうさぬいに救命具を着せながら尋ねる。

「リーゼが自分から行くって言うなんて珍しいわね?」
「島の植物に少し用がある」

 陸子のカメラにチラリと映っていた、とある植物。
 “約束”を守る為に、何としてもあれを手に入れるのだ。

「以後は謎の島を『チョコレー島』と呼称します。しかし字数の都合でリプレイでは単に『島』とだけ表記される可能性も無きにしも非ずです」

 調査の一環として、チョコレー島の動植物を採取。その場で使ってみると尚良し。

「今日は2月14日なので、バレンタインのお菓子がまだのヒトは現地で手作りするのをオススメです」

 なんか食材になりそうなのがいっぱい映ってたし。

「ついでにロボ研さんから、音信不通になった陸子と空子のパーツを回収してきて欲しいと要請がありました。余裕があればよろしくどうぞです」

 そしてオペ子は、自分のオフィスチェアにどっこいしょと腰を下ろし、

「危なそうなのでオペ子は斡旋所からモニターしようと思います。お土産期待してます」



 その頃、海子は。

 ブオォォォォ!(ゴボボボボボボ!

 ただひたすらにチョコレー島の周りを回遊していた――




リプレイ本文

 陽波 透次(ja0280)やオペ子に挨拶する不知火藤忠(jc2194)。

「今日はよろしく頼む」
「こちらこそ」
「よろしくどうぞです」

 一方、

「チョコの、島?」

 説明を聞いて小首を傾げる星杜 藤花(ja0292)。

「折角ですし、甘いものを仕入れる…のも、良いかもしれませんね」

 するとその言葉に、彼女の夫である星杜 焔(ja5378)がにこにこキラキラしながら頷いた。

「もっててよかったエコバッグ!」

 という名の巨大な背負い籠。

 素材を集めてお菓子作り。
 最近は家計の事も考えて、趣味の“餌付け行動”を控えるようにしていたのだが……

「この島の材料を使えば費用がタダ…魅力的すぎるよね」
「一杯お菓子持って帰りましょうね」

 息子の為にも。
 お菓子夫婦は笑顔でレシピを考え始めた。

 他方で、樒 和紗(jb6970)も念入りに装備の確認。

「リーゼが自ら参加するとは余程重要な植物なのでしょう。いつもお世話になっているのですから、これは是非に手伝わねば(芋ジャージでぐっ」

 材料があるなら作らねばと、リュックに道具を詰め詰め。

「鍋と擂鉢があれば大抵の事は出来ます」

 今回は石臼はお留守番。
 そして和紗の隣では、蓮城 真緋呂(jb6120)も気合ふんす。

 誰かが言っていた。そこに山があるから登るのだと。

「だったら、そこに食べ物があったら食べなきゃ。そうでしょ?」
「その通りですね(こくり」
「兄様の探し物の手伝いもしたいけど、それはそれというか(もにょもにょ)。だから和紗さんに任せるわね(ぐっ」
「任されました(ぐっ」

 対して、映像を繰り返し確認していた透次。
 目的:空子の救出。

「先行偵察してくれた勇敢な仲間を助けなくては」

 その為に映像を分析して、空子が墜落した位置の割り出しを試みる。
 ふと、

「ん? 今なにか…」

 巻き戻す。
 よく見ると、海中を進む海子から紐のような物が伸びている。

 なんと紐の先にシエル・ウェスト(jb6351)がぶら下がっていた。

『まぁ私も悪魔ですしね?』

 偶には悪魔らしい事もしないと在り方を忘れると言うか。
 悪魔らしく海子に紐を括り付けて既に島へ向かっていた模様。

 いつぞやの海子ライドで圧死しかけた経験がある彼女は、学んでいた。
 水圧の壁は分厚い。
 ので、今回は水面に対して体を平行に。緑色の髪が海と一体になり、ワカメのように揺れる。
 やがてチョコで出来た岸が近づき、彼女は島へ上陸しようと…しようと……

 ブオォォォォ!(ゴボボボボボボ!

 一向に島へ揚がらない海子。
 紐で繋がったシエルも、そのまま回遊コースへと入っていった。

 そっと陸子と空子の視点に戻す。
 映っている牛の姿を見て、逢見仙也(jc1616)が呟く。

「牛…つまり肉ですか」

 そして吸盤付きの触手。たぶんタコの足。

「更にたこ焼きも出来ると」

 チョコなんてなかった。

「まあとりあえず局長に、オペ子さん経由で匿名希望のチョコを贈りましょうか」
「オペ子タダ働きはしない主義です」
「ついでにオペ子さんにもあげますけど」
「引き受けます」

 一方、タコ足が気になっていた地堂 灯(jb5198)。
 大きさ的に、見覚えのある足。

「あのタコ…もしかして?」

 むむむ…と唸りながら、灯はチャイナドレスに防水スプレーを吹いた。



 島に降り立つ一同。
 その中に1人、ぁゃιぃ風貌の人物がいた。

『(シュコー)こんな島、上陸しただけでしぬじゃん(フー)』

 頭をすっぽり覆ったガスマスク。(たぶん)砂原・ジェンティアン・竜胆(jb7192)@甘味が苦手。
 島中から漂うチョコ臭をガード。

『僕だけ依頼難易度が“非常に難しい+危険”にハードルあがってるのは、(水ω音)の陰謀かな!?』

 しんでも眼鏡だけは回収してあげるね。 by (水ω音)

 対して、むすっとしてジェンティアンを見ている早上@呼び出された。

「なぜ私が…」
『どうせ義理どころか義務チョコさえ貰えないぼっちでしょ?(決めつけ』
「ふん、残念だったな。この時期は毎年私のデスクにもちゃんとチョコ菓子が届く」

 総務部から。

『…それ税金から出てたりしないよね?』

 安心してください、女性職員達のボランティアです。
 まあそれはそれとして、

『周り海だし、嫌な予感しかしないよね』

 ペンギンとか人鳥とか企鵝とか。
 絶対襲われる。国民守る撃退庁なら、おう盾になれや。

『それともペンギンより自分が格下だって認めるの?(ふふん』
「良いだろう、貴様を餌にしてペンギン共を調教してやる」

 仲良いなお前ら。

 そんな彼らを横目に、至極真っ当にそわそわしていたのは龍崎海(ja0565)。

(バレンタインか。チョコは貰えるのだろうか)

 女子から貰えたらなぁ…と少し期待しつつ、足下の地面に生命探知と異界認識を掛けてみる。
 万が一この島が巨大な天魔の類であるとしたら、それを材料にしたチョコを食べたいとは思わない。

 結果は、反応無し。
 つまり安全。正真正銘、普通のチョコである。いや、まあ、島と化したチョコを普通のチョコとは言わない気もするが。

 すると、輸送船から降りずに様子を見ていた白衣コスの鴉乃宮 歌音(ja0427)が口を開く。

「14日になると同時に島が現れたのなら、14日を過ぎたらどうなるんだろうね?」

 15日になると同時に消える説の提唱。
 と、その時、

\ギョギョー!/

 魚的なナニカが現れた!
 銛を構えて一同のもとへ突進して来r

 バリバリッ ピシャーン!
 ピシュッ ぶっすー!

 雷で丸焦げになって眉間に矢が刺さり、動かなくなる半魚人。
 撃ったのは月乃宮 恋音(jb1221)と歌音。

「……今の鳴き声から察するに、陸子さんを襲ったのは、このお魚さん達と同じ生物のようですねぇ……」
「天魔かな?」

 屠ってから確かめるスタイル。
 海が焦げた半魚人に異界認識を掛けると、天魔の反応が出た。

 一方、少し離れた森の中に、見慣れた形の生き物がいる事に気づく恋音。

\モ〜/

 乳牛。敵意は無いようだ。
 近づいて撫で撫で。

 しかし念の為、異界認識を使用する海。反応は無し。
 海は半魚人達の奇襲に備えて阻霊符を展開しつつ、考える。

「普通の牛という事は、このまま島に放置だと見捨てることになるんじゃ?」
「……はい、そうなりますねぇ……。……ですので、後ほど一緒に、船に乗っていただこうかと思うのですよぉ……(ふるふる」
「じゃあ私はココで船の護衛でもするとしよう」

 天魔も出るみたいだし、と告げる歌音。
 島がいつ沈んでも大丈夫なように、岸から少し離れて待機。

「経過報告があればレポートに纏めて送信もしておくよ」
「じゃあ善は急げね!」

 声を上げて飛び出す雪室 チルル(ja0220)。
 謎の島といえばモンスター! という事はきっとキングでコングなヤツがいるに違いない!

「思い知ることね! この島では、あたいこそ最強種ってことを!」

 目的:怪獣退治。
 チルルは大剣を掲げ、島の最深部目指してドドド!と走り去る。

 それを尻目に、恋音が従えた牛をじーーーーーっと見ていた真緋呂。

「牛肉…霜降…」
\モ〜(ふるふる/

 でもそのままじゃ食べられない。それにこれ乳牛だし。
 ので、牛は放置して別の食べ物に食指を向ける事にする真緋呂。

「加工しなくてもすぐに食べられる物が良いわ!」

 チョコ陸地とか果実とか。

 目標:食べられるだけ食べ尽くす。
 真緋呂はお腹をぺこぎゅーさせながら、ばびゅーん!と駆けて行った。

 その背を見送った後、恋音も行動開始。
 持参した複数の材料――薬やら製菓やら――の詰まった鞄を牛の腰に括りつけ、その背によじ登る。

 目的:薬品の生成&臨床実験。

「……宜しくお願いしますぅ……」
\モ〜/

 まずは島で採取できそうな大豆やカカオ、砂糖黍等の素材を追加調達するのだ。
 牛に乗り、森の中へ入って行く恋音。

 牛乳娘と乳牛を無言で見送る雫(ja1894)。
 何やら考えを巡らせ、

「先ずは労働力を確保しましょうか」

 通信機のスイッチをON。

「オペ子さん、魚人の住処と思われる場所の割り出しをお願いします。どうぞ」
『オペ子的には北東と南東と南西と北西が怪しいと思われです。どうぞ』

 それってつまり島全体。

「なるほど。どうぞ」
『お気をつけてです。どうぞ』

 雫は大剣を担いで、てくてくと森の中へ消えて行った。



 その頃、

\ドゥルルン!/
\ブオーン! ブオーン!/
\ドッドッドッドッ!/

 隣のスペースでは複数の排気音が轟いていた。
 名車(バイク)KAT●NAに跨るRehni Nam(ja5283)。

 超配管工車競技的レース風。タグは【超】。
 カートやらバイクやら車的な何かに乗って島を調べ回り、ついでにバレンタインのお菓子も作ってしまおうという目論み。
 ちなみに“レース風”という事で、順位っぽいサムシングも算出される。
 ルールは↓

 スタートは島の岸辺。
 ゴールは久遠ヶ原の波止場。
 勝負はゴール順(最下位が1点。順位1つ毎に+1点)、半魚人撃破数、作ったチョコの味(エリスとオペ子による3点満点評価)という3要素それぞれのポイント合計制。
 チョコは何処で作っても良いし、材料も不問。久遠ヶ原式の野良競技なので妨害もアリという、おそろしい仕様である。

「全力で勝ちに行きます」

 言いながら、バイクの後部座席にエリスをライドオンさせるレフニー。

「私、審査員みたいだけど参加していいの?」
「優勝は譲らないのです。エリスちゃんも譲らないのです」

 チョコ審査員でも連れ回していくスタイル。

「某Dさんが何をしでかすか分かりませんし」

 某D、もといディザイア・シーカー(jb5989)をじとーとした目で警戒。クリスマスの時の公開告白で警戒度は鰻上りだ。
 とは言え、

「もしレースに優勝するなら…認めるのも吝かではありません」
「ならば今日こそ超えて見せよう、我が壁その1よ!」

 奮起するディザイア。

 だがしかし。
 次の瞬間、車には乗らずに翼を広げてどこかへ飛んで行くD氏。

「Σ逃げるのです?!」
「これも作戦の内だ!」

 最優先は陸子と空子の回収、そして言わずもがな、お嬢である。
 だがお嬢の安全は、レフニーが付き添っているのなら(悔しいが)当面心配はあるまい。
 ならばまずは陸子と空子を迎えに行く。この勝負に勝つ為に! そう、これは逃げるのではない! 所謂、戦略的コースアウト…!

「待ってろ、戦友!」

 という訳で、お空をびゅーん。

 一方、海も上空を行き、空子の捜索を開始。
 それまでの情報から空子の消失地点を推測しつつ、飛んでいれば空子を襲ったモノが同じように現れたり、襲撃時の痕跡が見つけられたりするかもしれない。
 陰影の翼でスイー。

 そして視点は再び【超】へ。

 マシンセレクトでサイドカー付きバイクをチョイスした、ミハイル・エッカート(jb0544)(マ●オコス
 サイドカーに座るのは、いつもの人狼(ルイ●ジコス

 そのコンビを見て驚きを隠せない藤忠。

「何故コスプレ」

 いやしかしそれよりも、

「これは一体どうした事か」

 自らの格好を見下ろす藤忠。

 紫ドレスにフリフリ日傘。
 衣装提供:不知火あけび(jc1857)。

 更にミハイルが、藤忠の頭にそっと王冠を乗せる。
 まるでピ●チ姫のようなシルエット。

「似合ってるよ藤姫!(ぐっ
「かわいいぞ藤姫!(ぐっ」
「藤姫と呼ぶな!(汗」

 ミハイルを弄れればそれで良い、と思っていたのに、とんだ弄られ役である。
 おのれ今に見ていろ…とブツブツ言いながら、藤忠も自分のカートにライドオン。

 一方、一際大きな排気音で地面を揺らしていたのは斉凛(ja6571)。
 愛車の4tトラックどぅるるん!

「ハム販売の次は、ホワイトデー商戦に向けチョコレートを売るわ」

 タダで大量の材料を採取して、暴利価格で丸儲け。

「積載量なら負けませんですの」

 4tの名は伊達じゃない。

 徐々に昂ぶるエキゾースト。
 やがてどこからともなくスタートシグナルが現れ、チョコレースの開始を告げた――



 緑生い茂る森の中に、ポニーテール生い茂る緑頭の姿があった。

 いつの間にか上陸に成功していたシエル。

「ここが新しい畑ですね?」

 口元から上を仮面で覆い隠し、カオスレートの下がる悪魔ドレスでオシャンティ。手近な木によじ登ってチョコの大地を見下ろし、鞄をごそごそ。
 どっさり握った、シエりじをの種。
 そして高らかに笑い声を上げながらばらまく。

「フゥーハハハハ! 育ぁてぇ!(黒幕感」

 目的:チョコレー島を侵略的外来種(シエりじを)で埋める。

 シエりじをの種を降らせながら枝から枝へと跳び移るシエル。
 時折ジャンプに失敗して首から地面に刺さりつつ、緑の悪魔は島の深緑化計画を推し進めた――



 ふらりと立ち寄ったスーパーで意図せずタイムセールが始まった時のような気分で森を進むヒスイ(jb6437)。

「材料がタダで報酬もって美味しすぎる」

 けどバターも欲しい(頷き
 すると目の前の草むらから、乳牛が1匹モ〜と現れたではないか。

「…絞れって事かな」

 とりあえず牛を一撫でしつつ、どうせ加工するなら少しでも新鮮な方が良いと考えて、島の中央にあるらしい工場まで連れて行く事に。
 逃げる様子も無いので、牛はその場で待たせて周辺の素材を採取して回る。

 砂糖黍を発見。
 品質調査も兼ねて刈り取る。ナイフでざくざく。

「そう言えば、初依頼も島で食材採取だったっけ(ざくざく」

 今使っているナイフも、当時購入した物である。感慨深い。
 砂糖黍を掴んでざくざく。
 次の砂糖黍もざくざく。
 次々とざくざく。
 シエりじををざくざく。

\糖質!/
「!?」

 いつの間にか、砂糖黍に混じってシエりじをが生えていた。

「…砂糖漬けにしよう(頷き」

 ヒスイはシエりじをを反芻している牛のもとへと戻り、採取した茎束を積み込みつつ、牛と共に次の素材を探して歩き出した。



 リーゼと共に島を探索していた和紗。
 出発前に見た陸子カメラの映像を思い返してみる。

「菫に柑橘、香草…醸造工場まであると、パルフェ・タムールが出来ますね」
「Σ」

 瞬間、リーゼが真顔のまま小さく汗を浮かべた。

「何か当てましたか?(」
「ん…いや、少し(汗」

 嘘がつけないながらも、一所懸命に何かを隠そうとしている模様。
 それ以上は聞かないでおいてあげて!(

 一方、わんこのお散歩の様にリーゼについて回る和紗に少しほっこりしつつ見守る(監視する)ジェンティアン。

『…でもリーゼの手伝いって、和紗がやって意味あるの(何となく察し』

 それを隣で眺めながら首を傾げる早上。

「ちょっかいを掛けに付いて来たのではないのか」
『だって和紗に怒られるし。今日はちょっかい掛けるの止めとこうかなって』

 でも大人しく見てるのも飽きてきたよねよし邪魔しよう。
 ちょっかいは掛けないと言ったなあれは嘘だ。

 だがその時、脇の茂みから半魚人が!

\ギョギョー!/

『危ない和紗!』

 ジェンティアンは和紗に危害が及ぶ前に、ファイアワークスで半魚人を焼き魚にs…瞬間、和紗がアンタレスどーん!
 焼きジェンティアン。
 それを見下ろす早上。

「愚かな」

 ふふんと鼻を鳴らs…瞬間、ジェン定食が手を伸ばして早上の足首をガシィ!からの吸魂符ずずずー!
 倒。

「き、貴様…(ぎりぃ」
『定食ならお漬物もセットでしょ…!』

 キムチ早上。
 ジェンティアンは持っていた薬草(トウガラシ)をもぐもぐして体力を追加回復しつつ、ずりずり這いながら和紗達の後を追った。



 労働力を求めて島を徘徊していた雫が、磯臭い集落を発見。
 大量の半魚人達が佇んでいる。どうやらヤツラの、幾つかある巣の内の1つのようだ。

 瞬間、強襲を掛ける雫。
 突っ込んで薙ぎ払ってどっかんばったん。

 だがトドメは刺さず。
 退治せずに力で屈服させて、島を発掘する為の労働夫にする。

「きりきり働いてください」
\ギョ、ギョギョー…/

 早速、雫はチョコで出来た地面を魚達に掘らせ始めた。



 ふわふわ笑顔で焔と歩く藤花。
 右を向いても左を向いても食材の山。

「焔さんはお料理得意だし、きっと素敵ななお菓子を…」
「うん、沢山作ろうと思うよ〜」

 食べる楽しみ。
 作る楽しみ。
 エコバッグ(背負い式)にぽいぽいと食材を詰めていく。

 だがそれを阻む、魚臭いサーバント!

 銛を振り上げ、食材を担いでいる焔めがけて突き下ろ…そうとするがしかし、いつの間にか両脇に移動した焔と藤花に、左右の腕をそれぞれガシィと腕組みされて捕まる。

\ギョ…!?/
「材料やお菓子を狙って半魚人は現れるのだね…ならば…」
「何かしらおしおきが必要ですね…」

 そう、おなかいっぱい食べていただくというおしおき(?)です。

 焔もにこ〜っと半魚人に笑い掛ける。

「どうせならもっと美味しくしてから食べない?」

 お菓子を奪われるならお菓子をあげてしまえば! いいじゃない!
 餌付けできる喜びが! ここに!

「という訳で工場があるみたいだし、そこで沢山御馳走してあげるよ〜」

 捕まえた魚をずるずる引きずって歩き出す、星杜夫妻。
 やがて木々の向こうに工場が見えてくる。

 とその時、工場の屋根に誰か立っていた。

 緑頭の仮面悪魔。
 枯れ木に灰を撒くじじいのように、大量の種を周囲にぱっぱっ。工場周りに重点的にばら撒く。

 シエりじをがにょきにょき。
 だがいつもと様子が違う。

\しょこら/

 チョコ色のシエりじを。

「土が活きてますね?」

 次々生えてくるチョコりじを。
 これを足掛かりに、次はチーズ生産まで漕ぎ着けられないだろうか。後の研究用に、ぶちぃして種まで収穫するシエル。

 ふと、焔&藤花と目が合う。

「……」
「「……」」

「品種改良でワンチャン……」

 そう言い残し、どこかへと走り去る緑の悪魔。

「せっかくだから使わせてもらおうかな〜」

 後に残ったチョコりじを少し収穫しつつ、焔と藤花は魚を連れて工場内へ。
 取説を読みながら機械ゴウンゴウン。あっという間に精製されるジャムや砂糖。
 そうして完成したチョコ菓子を、半魚人の口にぐいぐいねじ込む。

「さあたんとおたべ〜」

 ぐいぐい。

「おかわりもおたべ〜」

 ぐいぐい。

 まるまると膨らんでいく半魚人。
 育ちすぎた金魚のような姿で引っくり返って大人しく(動かなく)なる。

「餌付け完了だね〜」
「次のお魚さんを連れてきましょう」

 にこにこしながら再び工場の外へ。
 この夫婦やべえ。



「はっ! 食い倒れ!?」

 ぴきーん!と何かの気配を感じて振り返る真緋呂(見つけたバナナもぐもぐ

「…気のせいだったみたいね」

 周りに誰も居ないのを確かめてから、再び島の食べ物を探す。
 蜜柑もぐもぐ。
 林檎しゃりしゃり。
 西瓜しゃくしゃく。

「さてと。準備運動はこれくらいにして…」

 足下の地面に視線を落とす。
 メインディッシュのチョコレート。

「いただきまーす♪」

 がっぷり。

「!! こ、これは…!」

 硬過ぎず、それでいて板チョコを割った時のようなパキンッとした、心地良い歯ごたえ。口に入れた瞬間、しっとりとした舌触りが香り高いカカオと共にふわりと広がる、上質の風味。

 この島うめぇ!
 真緋呂は頬袋をぱんぱんにしながら、もりもりと口で島を掘り始めた――



 半魚人に出くわさぬよう隠密系スキルで気配を消し、森の中で空子を捜索していた透次。
 陸子はおそらく工場内に転がっているだろうが、空子の墜落地点は未だ判然としないまま。

 でもたぶんこの辺のはず。
 木に引っ掛かっていたり草に埋もれていたりする可能性も考慮しながら、森の中をうろうろしていると……

 発見。
 機能停止した空子がチョコの地面にめり込んでいた。

 透次はケセランを召喚して死角を見張らせつつ、敵生物の不意打ちに警戒しながら慎重に空子のもとへ。
 掘り起こす。

「アルミ缶みたいな事になってる…」

 ベッコベコ。

 するとそこへディザイアも到着。

「ここにいたか戦友!」

 アルミ空子を、そっとおんぶ。
 回収。

「さぁ、一緒に帰ろう」
「あとは陸子さんですけど、2体だと嵩張りますし、一旦船まで戻ります?」
「そうだな、ついでにナースに修理を頼むとしよう」

 ナース=歌音(白衣)。
 半魚人に気をつけながら、2人は来た道を引き返――

 ぎゅんっ、どかーん!

 突然、何かに叩き落とされたかのような勢いで上空から海が降ってきた。
 直後、木々を薙ぎ倒しながら巨大なタコが登場。

 空から捜索していたら襲われた。
 大ダメージを受けたはずの海は、しかし果敢に立ち上がってタコを見る。

「異界認識しないと(使命感」

 結果は反応無し。つまり普通のタコ。
 いやまあこの大きさのタコは普通とは言わない気もs…触手ばちこーん!
 ホームラン。

「龍崎さんがしんだ!」
「いかん、撤退だ!」

 ディザイアの提案に頷く透次。すかさずケセランを囮に。
 白い毛玉がタコ墨で真っ黒にされている隙に、2人は空子を抱えてだばだばと逃走した――



 船の上でのんびり紅茶を味わう歌音。
 そこへ……

 ぎゅんっ どかーん!
 突然、何かにホームランされたかのような勢いで海が降ってきた。

「やあ、急患かな?(つんつこ」

 更に、

「急患の受け入れを頼む!」

 ディザイアと透次が空子を抱えて戻ってきた。

「まあそう慌てず、まずは一服していくと良い」

 歌音は予め持参しておいた食材で、2人にあったか〜いニンニクスープを提供。

「チョコの匂いばかりだと甘味に辟易するだろう?」
「なるほど」
「いただきます」

 2人がスープブレイクしている間に、歌音は海を回復ぴろろん。
 その後、はんだごてを取り出して空子のオペを開始した。



 ドギャギャ!と鳴り響くドリフト音。
 島の外側を周回しながら、渦を巻くように少しずつ内陸へと攻める【超】組。
 勿論、食材の確保も忘れてはいない。

 片手でハンドルを握りながら、サイドカーの人狼に網を渡すミハイル。

「いいか、ガウガウガウのガウ! だぜ!!」

 手書きの絵を見せつつ、ミハ流狼語。

\がう/

 頷く人狼。
 ミハイルの頭に網ぱさぁ。

「ちくしょう、やっぱり駅前留学が必要か!」

 対して藤忠も、隣で並走しながら材料採取。
 目に付いた果実に網を引っ掛けアクセル全開。馬力に任せて実をもぎ取る。

「ん? あんな所にピーマンがあるじゃないか」

 しっかりゲット。
 後でミハイルにやろう。
 そのまま韋駄天を使用してドヒューン!と加速する藤忠。

 それを追うレフニーのバイク(2人乗り)。
 後部座席のエリスが網で材料を掬いつつ、2輪の機動力を活かしてギュンギュン走る。
 だがその時、

\ギョギョー!/

 コース上に半魚人の群れが飛び出してきた!

 アクセル全開レフニー。避けずに片っ端から撥ね飛ばす。

\1Combo!/
\2Combo!/
\3Combo!/

 謎の頭上文字。

「そしてこれが4Combo目です!」

 藤忠カートにコメットどかーん!

\ワァオ!?(SE)/

 スピンして後方へ流れていく藤忠。
 その隙に、今度はキノコが上位に飛び出した。

 小振りなキノ●オ風帽子でバイクに乗ったあけび。
 でも帽子以外はいつもと同じ服。

「だってコスプレだと運転し辛そうだし!」
「俺にはドレスに傘まで持たせておきながら…!」

 藤忠の訴えもばびゅーん!とぶっちぎり、網で底引き漁しながらレフニーを追う。
 だがそこに半魚人!

「なんの!」

 ジャンプボタンを押してバイクごとピョイーン!
 魚頭を飛石代わりに踏みつける。

\1Combo!/
\2Combo!/
\3Combo!/
\4Com――

「あ、間違えて人狼轢いちゃった!」

\きゃいん!(4Combo?/
「ぐわー!?」

 スピンするミハカート。
 後ろから来ていた藤忠カートを巻き込んでクラッシュどかーん。

\マンマミ〜ア!(SE)/

 それでも何とか体勢を立て直そうとハンドルを回s

 プップー!
 どごーん!

 後続の4tトラックが衝突。

「あら? 今なにか当たったかしら?」

 車高の高いトラックからは、車高の低いカートが見えない。
 障害物をどっかんどっかん撥ね飛ばしながら、先行するレフニーとあけびを追いかける凛。
 ちなみに、運転席が窓とドアで覆われている4tトラックでどうやって食材を拾っているかと言うと、

「大漁でござる!」
「入れ食いでござる!」

 コンテナの中に乗っていた豚侍の皆さん。後部ハッチから網投げえんやこら。
 果物やら牛やらシエりじをやらがわっさわっさ。

 3車で団子になって先頭争い。
 ふとコース脇に、徒歩でのんびり探索していた仙也とラファル A ユーティライネン(jb4620)の姿が。

 爆走しながら、すれ違い様にぶんぶん手を振るあけび。

「ちょっと優勝してくるねーーーー!(ドップラー効果」

 ファァァアオン!と一瞬で横切っていく【超】組を見送る仙也。
 その後、手に入れたカカオを担いで工場エリアへ向けて歩き出す。

 一方のラファルも、立ち上る土煙…もといチョコ煙を傍観していたが……

 突如としてラファルの前に現れる謎の集団。
 何やらメカメカしい機材をたくさん持っている。

「なんだオマエらこんなとこまで来やがっtウワナニヲスルー」

 有無を言わさず緊急改造されるラファルさん。
 人型を保っていた彼女は一変、【超】仕様のデスマシンへと変貌した――



 触手の主を探す徘徊ダアトの灯さん。
 空子のカメラに映っていたのはきっと、いや絶対に2年前の夏の大ダコに違いn

 タコアッパーどごぉ!

「!?」

 何が起きたのか分からぬまま、高々と打ち上げられる灯さん。
 弧を描いてから地面にぐしゃあ!

 よろよろと顔を上げると、森の中から巨大タコがにゅるりと姿を現した。
 見覚えのあるタコ顔、生え変わったと思しきタコ足。
 間違いない、ヤツだ。

「物騒な再会の挨拶ね、ならこっちも遠慮はしないわっ!」

 立ち上がるや否や、地を蹴る灯。空中で身を捻り、加速させた体重に遠心力を上乗せして渾身のチャイナキック炸裂掌。

「逝っチャイナー!」

 ドカァ!
 カウンターで伸びてきたタコパンチとぶつかり合い、爆ぜた衝撃波が草木を揺らす。

 間髪容れずに消し炭光線(ファイヤーブレイク)。
 対するタコも、高圧タコ墨ビーム。
 赤い炎と黒い水が轟々ビチビチと飛び散った――



 半魚人をバッサバッサと薙ぎ倒しながら島中を走り回っていたチルル。
 疲れた体はチョコで回復!(そこら辺の地面抉ってもぐもぐ

「これだけ走ったんだから、きっとここが島の最深部ね!」

 だからキングでコングなやつが居るのも絶対ここね!
 ちなみに現在地が島のどの辺りなのかは知らない。

 チルルは木を叩いて枝葉の中を揺さぶってみたり、幹を引っこ抜いて地中を覗いてみたり(キングなコングを探している模様

「おかしいわね! 見つからないわ!」

 だがその時、

 バキバキバキー!

 木々をへし折りながら巨大タコが登場。
 灯とボカスカ殴り合い。

「出たわねでっかいの!」

 きっとこいつがキングね!
 コングじゃない? こまけぇこたぁいいんだよ!
 どちらがこの島の最強種かを決める頂上決戦!

 灯ごと真っ二つにする勢い。
 チルルは氷大剣を振り上げて、巨大タコへと飛び掛かっていった――



 空に赤みが差してきた頃。

 島の中心部(縦方向)に向けて掘削していた(させていた)雫。
 掘る位置が深くなるにつれ、チョコの質が更に良くなっていく。

「やはり、表層部よりも中心部の方が質の良い物が取れるようですね」

 掘り出した大量のチョコが詰まった荷車を眺めてごちる。
 ふと、物陰でぼーっとしている半魚人を発見。大剣の先で突っつく。

「定時退勤なんてありませんよ」

 チョコ鉱山のスローガン:労働は自由への道。
 もっと良質なチョコの鉱脈まで掘り続けるのだ。

「そろそろ籠がいっぱいになってきましたね…」

 一旦船まで運ぶとしようか。
 陸子や空子が無事なら運搬をお願いできたのだが……

 するとオペ子から通信が入る。

『こんな事もあろうかとスタンバイさせておきました』

 直後、ずどーん!と何かが降って来た。
 カタパルトで射出されたオリジナルロペ子。

「船までお願いします」

 支払いは全てチョコレート。

「頑張リマス」

 荷車を引き、チョコの山をブオーっと運んでいくロペ子。

 刹那、不意に足下から振動が。

 ちゅどーん!
 掘削していた穴から、なんと熱々の液チョコが噴き出した。

「温泉チョコ…!」

 声を上げたのは、焔と共に偶然通り掛かった藤花。
 これがあれば、夢にまで見た天然チョコフォンデュが出来る…!

 藤花が、きらきらそわそわしながら雫に駆け寄る。

「あのっ、あのっ、少し分けてもらっても良いでしょうか…!」
「このチョコは労働の証。取引となればこちらも籠の中の食材を要求します」

 商談風景。
 だがその時、

\ギョギョー!/

 掘り当てた温泉チョコの所有権を巡り、労働夫達によるストライキが勃発。
 そしてそれは一瞬にして暴動へと発展。銛を手にして雫や藤花達へと襲い掛かr

 大剣ずどーん!

\ギョギョー!?/

 まさに雑魚を散らす様に労働夫を蹴散らす雫。
 反乱には徹底した武力鎮圧。

「お行儀の悪い半魚人は討伐しちゃおうね〜」

 焔も魔具やスキルで応戦。
 だがトドメの一歩手前で、雫が制止。

「大事な労働力なので」

 圧倒的な武力差により、失敗に終わるストライキ。

 その後、取引再会。
 商談の結果、藤花達は持っていた素材を手放して温泉チョコを樽でゲット。無くなった材料を集めに、再び森の中へ。

 一方の雫は、大人しくなった魚共にひたすらチョ鉱脈を掘らせ続けた。



 工場にやってきたディザイアと透次、そして復活した海と空子。
 陸子を発見。

「待たせたな戦友!」

 回収。

 時を同じくして、仙也も工場内へと到達。
 採取したカカオを精製機にどさどさ。

 目的:局長にチョコ(カカオほぼ100%のやつ)を贈る。

「でもこのままだと味気ないな」

 後でタコか牛肉でも混ぜよう。という訳でとりあえずスイッチぽちっとな(ゴウンゴウン
 直後、オペ子にも駄賃代わりにチョコをあげると約束していた事を思い出す。

「カップケーキとかで良いかな」

 好みで選べるよう、甘さやクリームの量が違う物を複数。

「……おぉ……。……それでしたら、丁度こちらに、乳牛さんがおられますよぉ……」

 牛に乗った恋音が登場。

「じゃあお言葉に甘えて」

 仙也は恋音が連れてきた乳牛から牛乳を採取。
 精製機に入れてクリームに。チョコや砂糖と混ぜてケーキを完成させた。

 ドゥルルン!
 そこへ【超】組も合流。
 適当なスペースに駐車して、早速お菓子作りに取り掛かる。

 リボンで髪をポニテにして、エプロンを装着するレフニー。
 精製機に砂糖や小麦、牛乳、果物を放り込む。

「エリスちゃんは檸檬とラズベリー、どっちが良いです?」
「ラズベリーも美味しそうだけど、しいて言うなら檸檬が気になるかな」

 じゃあ檸檬にするのですー、と精製機にぽいちょ。
 チョコレモンケーキが完成。

 一方、ミハイルも婚約者へのお土産作り。
 ドライフルーツ入りのチョコ。
 人狼を振り返って念押し。

「ツマミ食いするなよ! 絶対だぞ! フリじゃないからな!」
\ぐる/

 ヨダレぼたぼた。
 心配なので別途ドライフルーツを食わせておく。

 隣では、あけびがズコットを作っていた。
 折角なので手間隙込める(加工は精製機だけど

「お、あけびのも美味そうだな!」
「ミハイルさんは婚約者さんに作って貰えば良いと思いますよ!」
「そうだな、美味いに違いない!」

 あれ? からかったつもりが砂糖を精製してしまった。まあいいか。

「友が幸せなのは良い事だ」

 頷きながら藤忠もチョコ作り。麦から作ったウイスキーで酒生チョコ。
 チョコにしなかった分の酒も大量にカートに積み込む。

「すぐに飲めないのが残念だ」

 飲酒運転なんてしたら怒られちゃうしな!
 そしてこっそりと、別の精製機にピーマンぽいちょ。藤忠は出てきたピーマンチョコを、そっと懐に忍ばせた…。

 他方では、凛が凄まじい量の材料を加工していた。
 牛乳はバターや生クリームに、カカオはチョコに。出来上がった製菓用素材を、豚侍がせっせとトラックに積み込む。

 その間、レース用に1つだけチョコチーズケーキを作る凛。
 チョコとチーズのコラボ。

「チーズケーキはジャスティス」

 対して、料理ではなく実験を始める恋音。
 採取した材料で高速精製が可能な事は判った。ならば島外から持参した品はどうか。

 牛乳とチョコ、そして試作段階である『同時に摂取した食品の美容効果を格段に高める薬』をぽいちょ。
 ゴウンゴウン…チーン。一瞬で完成。

「……どうやら、産地は問わないようですねぇ……」

 次いで大豆と薬も合成し、手に入れたのは特製ミルクチョコと特製大豆バー。
 問題は、副作用として体質次第で効果が出過ぎる可能性が有る事だが……

 自分で実験。ミルクチョコの方をちょびっとだけ実食もぐもぐ。

 ぺかー!
 ポリフェノール効果でみるみる輝く恋音のお肌。まるで蛍光灯だ。

「……い、一応、実験は成功ですかねぇ……(ふるふるぺかー」
(何だか急に辺りが明るく…?)

 きょろきょろしつつ精製作業を進めるヒスイ。
 とりあえずバター。
 保冷鞄IN。久遠ヶ原の技術力で驚きの収納力!

 次いで砂糖を煮詰めて、趣味の飴細工へ。持参した道具で煉り煉りチョッキン。
 贈る相手はエリスを想定。

(題材は何にしよう…)

 そもそもこれをエリスに渡しても良いのかどうか。
 贈り物のお菓子には意味がある。そう例えばこれがホワイトデーだったとしたら、飴=貴方が好き。

(けどエリス=飴の印象…むぅ…)

 いや別に他意はないのだ。
 だがしかし。

 などと考えていたら、気がつくと目の前には多様なうさぬい飴がズラリ。
 うさぬい、ポンデうさぬい、薔薇飾り…etc.

 その時、工場のあちこちに生えていたチョコりじを達が一斉に鳴き始めた。

\魚くせえ!/
\磯くせえ!/
\DHA!/

 直後、ギョギョー!と雪崩れ込んでくる半魚人達。
 りじを警報にいち早く反応したヒスイは荷物を抱えて飛行、銛の一撃を回避。

「魚の餌にする気はないよ?(ニコッ」

 銃で応戦。

 一方、ディザイアも怒りを燃やして反撃。

「陸子と空子の仇…今までの苦痛を知ると良い!」

 修理した空子と分離合体、空戦加速型ディザイアになる…寸前、

「エリスちゃんを守るのです!」

 レフニーがディザイアの背をどん!
 魚の群れに突き落とす。

「おのれレフn(銛ぐさー」
「助けないと!」

 浮遊盾を展開しながら海がディザイアを回収。
 手当しながら後退。

 すかさず透次がカカオを投げて魚の注意を逸らしつつ、魔剣ティルフィングでスパァ!
 行き過ぎた切れ味は、傍にあった精製機ごと魚をおろし切りにしていた。さすある(流石アールトアームの略

 仙也も、菓子に群がる魚共を淡々と片付ける。

「チョコが欲しい?」

 野郎特製でも良いなら土下座するがよい。してもしなくてもぶちのめすけど。

「嫌? なら女の子に土下座しんさい?」

 ×:片付ける
 ○:煽る

 その言葉を鵜呑みにしたのか、魚の矛先が近くに居た凛の方へ。
 だが迂闊!

 ドギャギャギャギャ!
 凛はひらりと愛車に飛び乗り、瞬間、4tドリフトで魚を華麗にひき逃げ。
 更にバックで戻ってきてギャルン!と回転、ターンでひき逃げ。
 ひき逃げのプロ。

 その隙に恋音も、牛達を誘導して避難を開始した――



 手隙になったのでチョコを手作業で作っていた和紗巨匠。
 2017年入魂の作。後で皆に渡そう。
 だがふと、

「何やら島が騒がしいですね?」

 顔を上げると、森の奥から牛やら車やらが地響きと共に迫って来ていた。

 飛び出してきた半魚人を雷死蹴(カート)でぶっちぎるあけび。
 それでもしがみ付いてくる魚は刀でおろす。

「またつまらぬ物を斬ってしまった…」
「何枚下ろしに出来るだろうな」

 藤忠も闘刃武舞や鎌鼬でバッサバッサ。

 他方では爆発。
 爆炎と自在花火で焼き尽くしながら爆走するミハイル。

「炎の中から飛び出るバイク。特撮ヒーローか。格好いい」

 ついでに、魚を捕まえて藤忠にぶつけるよう人狼へ指示(似顔絵付き

「ガウー! ガウガウー! だぞ」
\がう/

 ミハイルを掴んで半漁人の群れにぽいちょ。
 ストライクぐしゃあ!

 ミハイルはしんだ。
 かに思われたが!

 走って追いついて再びハンドルを握るミハイル。

「違う俺を投げるんじゃない(苺ソースだくだく」
「大丈夫かミハイル!」

 言いながらピーマンチョコの雨を降らせる藤忠。
 見た目は普通のチョコだ遠慮無く食え。

「ピーマン臭い!」

 ハンドル捌きギャギャー!(回避

「犬かお前は」

 また、レフニーも妨害攻撃。
 ライバル達のチョコの品質低下を狙って、生体レンジの構えを――

 メキメキメキー!

 その時、全く別の方向から新たな車が現れた!

「今日の俺様はワルワルマシン猛レースだぜー(やけくそ」

 魔改造された巨大ラファルさん。

「学園の技術屋共が妙に張り切りやがって俺を悪魔のマシーン『ブラック大魔王』に改造しやがったんだ。何を言っているかわかんねーだろうが俺にも何が何だかわかるかぼけー」

 魔王じゃなくて大魔王だからたぶんセーフ!
 などと言っている間にも全てを粉砕して島を蹂躙しながら突き進む、ラファルさん改めブラック大魔王。

「こいつは制御が効かねえ。みんな俺に粉砕される前にさっさと逃げろー」

 カカオもバターも工場も電動アウル式の超大型芝刈り機でメキメキ粉砕木っ端微塵!
 と思ったら、飲み込んだ物が全てチョコっぽい製品になってポイポイ吐き出されてきたではないか。ちなみに工場は鉄分に還元。

「図ったなー存在Xめ―じゃなくて、それもってさっさと島出ろやー」

 粉砕する事に変わりはない。
 エンジンを吹かして、メキメキ迫る大魔王から必死に逃げる一同。

 刹那、なんと藤忠がバナナの皮をミハイルめがけて投擲!
 スピンするミハイル!

「ぐわー!?」
「古典芸はやっておかないとな」

 また、前を走っていた恋音の牛がチョコに躓き転倒、コースを塞ぐ。
 そこへ後続である凛のトラックが!

「…………お、おぉぉ…………!(ふるふるふるふる」

 だがその時、チルルと灯の同時攻撃に吹き飛ばされた巨大タコがコースに乱入。

 タコにぶつかって逸れるトラック。
 突っ込んだ先には、雫の鉱山が!

 ドギャーン!(ひき逃げ

 ぺしゃんこになる労働夫。
 雫がおこ。

「私の奴隷…もとい、工夫を傷付ける事は許しませんよ」

 大剣ぶんぶこ追走ドドド!

 だが更にその時、地面が突如傾いた。
 重量バランスの崩れた島がまさかの転覆。一気に海へと放り出される一同。
 一体何が起きたと言うのか。

 よく見ると持ち上がった側の陸端に、真緋呂が1人取り残されていた。

 もしかして:島の片側だけ食べ過ぎた。

 ぐいーんと上昇するチョコ岸にしがみ付く真緋呂。
 だが次の瞬間、耐え切れず落下。海ぼちゃした真緋呂はしかし、

「助けて兄様…!(まだチョコもぐもぐ」

 両手一杯にチョコを抱えているせいで上手く泳げない!
 そこへ、和紗が用意した防水段ボールに乗ってスイーと現れるリーゼ。救助。



 転覆した島を眺めながら、船上で点呼を取る歌音。

\1!/
\1!/
「1!」

 全部チョコりじを(+シエル

「2〜」
「3〜」

 続いて返事をしたのは焔と藤花。
 そして、

「4だ!」
「じゃあ5で」

 生きていた空ディザイアと海。
 陸子を抱えて船に上がる。

「すぐに修理を頼む!」
「了解だよ」

 歌音は未帰還者達の為に信号弾を打ち上げた後、陸子を応急処置。

 その頃、未帰還者達はタコ相手に水中戦を強いられていた。

「蛸? 透過して切るだけですけど?」

 飛行できる仙也は涼しい顔で蛸へ急降下。

 だが予想に反して、タコパンチは仙也に直撃。
 海が半魚人対策で阻霊符を使っていたのだ。
 慌ててoffに。

「海子さん、海子さんはどこに!?」

 透次が救助を要請。
 合流し、墜落プカーした仙也と透次を掴んで船まで運ぶ海子。

 一方、レフニーとはぐれたエリス。
 飛行しながら海面を探していると、

\がおー/

 白くまーが泳いでいた。
 そして、

「待たせたな!」

 空ディザイアの声。
 修理を終えた陸子との追加合体、アーマードディザイア!

「さぁ、決着をつけようじゃないか…くまー、我が壁その2よ」

 タコが海中にいる今、空を飛べない(と思われる)白くまーは圧倒的不利!
 そろそろディザるの対義語が出来ても良いはず!(チラチラ

 しかしタコが狙ったのはエリスだった(黄色いから目立つ

「危ないお嬢!」

 反射的にエリスを抱え込むディザイア。
 迫るタコパンチ。

\がお!/

 その時、白くまーがとんだ。
 急浮上した勢いで海面ジャンプ。その身を挺して――

 ディザイアに頭突き。
 タコパンチコースに押し出した。

 ばちこーん!
 ディザイア(だけ)に触手が直撃ぐわー。

 くまる【くまる】
 全てを投げ打ってエリスを庇う白くまー奥義の1つ。ディザイアはしぬ。白くまーがナワバリ(エリス)を主張する際にも、しばしば見られる。

 墜ちてぷかーするディザイア。

「おかしい、俺は確かに対義語を所望したはず…」

 これ『ディザる』に対して、対義してないよね?よね?
 でもまあ、

「いいんだ、お嬢からもうチョコ貰ったし…あれ!? 貰ったよね!?」
「あ、ごめんまだあげてない」

 ディザイアは海子に回収された。

 その頃、沈みゆくミハイル。
 このままではお土産が濡れてしまう!

「これを頼むあけび!」

 ミハイルは藤忠にしがみ付いて道連れにしつつ、Rコンクエスターモードで滞空中のラファルにちゃっかり乗っていたあけびへと荷物を託す。
 対して藤忠は、

「もう車に乗ってないから飲んでも構わんな…!」

 同じくあけびにお酒を預けつつ、1瓶はその場でぐびぐび。

 尚も元気に暴れ回るタコ。
 その姿に心底感心した灯は、

「そのタフさ、うちの弟みたいね…そうだわ! あなた、私の使い魔になりなさいっ!」

 友達汁を駆使してタコをスカウト。

「さあ、手始めにまずは私を助けるのよ!」

 するとタコは触手でグルリと灯を巻き取り……
 そのまま海面にびたーん!

 ダメだった模様。
 更にミハイルと藤忠も捕まえ、タコは3人を掴んだまま海の中へと帰って行った。

 それを慄きながら眺めていた早上とジェンティアン。
 ふと早上が言う。

「おかしいと思わないか」
「何が?」
「今日はまだ一度もペンギンに襲われていない」
「!!」

 そこへサメらしきヒレが出現。

 サメ…ではない。
 なんと、ヒレ(手)を立てて横向きに泳いでいるペンギン達だった。スイー。

 慌てて夜想曲を放つジェンティアン。
 眠るペンギン。

 だがしかし!
 泳いでいた勢いそのままに、睡魔すやぁしながら慣性スイーしてクチバシで突進どっすぅ!

 水中のヤツラを止める術などないのだ(刺されば止まる
 ペンギンが刺さったままブクブクと沈んで行く2人。

 そして時刻は0時。
 日付と共に海に消えるチョコレー島。

 あけびは静かになった海を眺めながら、

「チョコ美味しい!」

 自作した菓子を頬張った。



 持ち帰った素材でお菓子作りに励む凛。
 メイドさんが作りましたラベルも制作。箱にペタリ。

「ただで材料が手に入れば丸儲けよね」

 懐ほくほく!

 一方、牛達を島から避難させていた恋音。
 あの後、労働力兼乳牛としてフェルミへのお土産にした模様。
 また、エリスに島で作った特性食品を渡すと、

「ありがとう。でも、も、もう少し実食データが揃うまで置いといてもいい…?」

 警戒された模様。

 他方で、ヒスイはと言えば。
 ロビーでディザイア達にチョコを渡していたエリスを見つけて、声を掛ける。
 照れながら差し出したのは、例の飴細工。

「ありがとう!」
「た、他意はないから」
「?」

 どうやらエリスは、お菓子の意味とかにはまだまだ疎いようだ。

 その時、ロビーのテレビにニュースが映る。
 港に打ち上げられた数人の撃退士。それはどう見てもミハイルや藤忠、ジェンティアン達だった。

 そしてその中には灯の姿も。
 気を失ったまま、しかしその手にはいつ作ったのか、青海苔の代わりにワカメが乗ったたこ焼き(チョコ)がしっかりと握られている。

 そのたこ焼き(チョコ)にはタコが一切入っていなかった…とは、後に語られた彼女の弟の談。



 ちなみにレースの最終結果はこんな感じだったんですってよ!

 1位:凛
 2位:あけび
 3位:ラファル
 4位:レフニー
 5位:ディザイア(但し車に乗っていない(
 リタイア:ミハイル、藤忠



 2月28日。

「和紗、誕生日おめでとう」

 そう言ってリーゼが差し出したのは、カットした檸檬を飾り付けたブルームーンカクテル。
 だが、普通のものとは少し違っていた。

 菫ではなく、藤のパルフェ・タムール。
 彼が島へ赴いたのは、この特殊なリキュールを手に入れる為だったようだ。

 月明かりに照らされた藤の夜景。
 これからの日々も、美しく穏やかな色に溢れている事を願って――






























 とあるシエルハウス。
 菜園に新しいりじをの種を植えるシエル。
 りじをにょきにょき。

\ほわいとでえ/

 チョコ色。
 ゆくゆくはチーズりじをの開発にも着手する予定。

 キレイなりじをが咲きますように。


依頼結果

依頼成功度:大成功
MVP: 伝説の撃退士・雪室 チルル(ja0220)
 思い繋ぎし紫光の藤姫・星杜 藤花(ja0292)
 ドクタークロウ・鴉乃宮 歌音(ja0427)
 歴戦の戦姫・不破 雫(ja1894)
 思い繋ぎし翠光の焔・星杜 焔(ja5378)
 大祭神乳神様・月乃宮 恋音(jb1221)
 あなたへの絆・蓮城 真緋呂(jb6120)
 久遠ヶ原から愛をこめて・シエル・ウェスト(jb6351)
重体: −
面白かった!:16人

伝説の撃退士・
雪室 チルル(ja0220)

大学部1年4組 女 ルインズブレイド
未来へ・
陽波 透次(ja0280)

卒業 男 鬼道忍軍
思い繋ぎし紫光の藤姫・
星杜 藤花(ja0292)

卒業 女 アストラルヴァンガード
ドクタークロウ・
鴉乃宮 歌音(ja0427)

卒業 男 インフィルトレイター
歴戦勇士・
龍崎海(ja0565)

大学部9年1組 男 アストラルヴァンガード
歴戦の戦姫・
不破 雫(ja1894)

中等部2年1組 女 阿修羅
ラーメン王・
佐藤 としお(ja2489)

卒業 男 インフィルトレイター
前を向いて、未来へ・
Rehni Nam(ja5283)

卒業 女 アストラルヴァンガード
思い繋ぎし翠光の焔・
星杜 焔(ja5378)

卒業 男 ディバインナイト
紅茶神・
斉凛(ja6571)

卒業 女 インフィルトレイター
Eternal Wing・
ミハイル・エッカート(jb0544)

卒業 男 インフィルトレイター
大祭神乳神様・
月乃宮 恋音(jb1221)

大学部2年2組 女 ダアト
ペンギン帽子の・
ラファル A ユーティライネン(jb4620)

卒業 女 鬼道忍軍
海のもずく・
地堂 灯(jb5198)

大学部4年1組 女 ダアト
護黒連翼・
ディザイア・シーカー(jb5989)

卒業 男 アカシックレコーダー:タイプA
あなたへの絆・
蓮城 真緋呂(jb6120)

卒業 女 アカシックレコーダー:タイプA
久遠ヶ原から愛をこめて・
シエル・ウェスト(jb6351)

卒業 女 ナイトウォーカー
久遠ヶ原の魔法使い(黒)・
ヒスイ(jb6437)

中等部3年1組 男 ナイトウォーカー
光至ル瑞獣・
和紗・S・ルフトハイト(jb6970)

大学部3年4組 女 インフィルトレイター
ついに本気出した・
砂原・ジェンティアン・竜胆(jb7192)

卒業 男 アストラルヴァンガード
童の一種・
逢見仙也(jc1616)

卒業 男 ディバインナイト
明ける陽の花・
不知火あけび(jc1857)

大学部1年1組 女 鬼道忍軍
藤ノ朧は桃ノ月と明を誓ふ・
不知火藤忠(jc2194)

大学部3年3組 男 陰陽師