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マスター:水音 流
シナリオ形態:イベント
難易度:普通
形態:
参加人数:25人
サポート:1人
リプレイ完成日時:2016/12/06


みんなの思い出



オープニング

 最も優れた撃退士を決めるべく行われるスポーツの祭典、KOB。
 求められるは能力、そして知能。手加減無用の熱きフェスティバル。
 幻の名匠が手がけた自分だけの武器を手に入れんがため、ここでも戦いの火蓋が切って落とされようとしていた――。

※このシナリオは【KOB】連動シナリオです。
 優秀な成績をおさめたキャラクターには「メダル」が配付され、
 その数が多いキャラクターには、オリジナルの魔具が与えられるチャンスが与えられます。
 詳しいルールについては【KOB】特設ページをご確認ください。




 とある山の入口手前。麓の温泉街と山を真っ直ぐ繋ぐように伸びた舗装路に、『KOB』と書かれたゲート…スタートラインが設置されていた。

 そこへ、電話で呼び出されたリーゼがいつものバーテン服姿で到着。
 すると呼び出した張本人であるオペ子が、ロードレース用の本格的なロードバイクを押しながら現れる。

「KOBの一種目としてロードレースをやるのでテスト走行をお願いします」

 峠がKOBのレース場として機能しているかどうかの確認。
 撃退士だが在校生ではないリーゼは、まさに適役なのだ。

「なるほど」

 頷いたリーゼがロードバイクを受け取ろうとしたその時、

 ひゅるるるる……ずどーん!

 突然、目の前に白い人影と黒い人影が団子になって降ってきた。地面に激突して、べしゃりと潰れたカエルのように動かなくなる。
 しばらくして、

「貴様、どこを見て飛んでいる」
「アァ!? テメエこそ横から直角に突っ込んできやがって、目ん玉付いてんのかよコラ!」

 むくりと復活。
 アーリィとハルだった。どうやら上空を飛行している最中に偶然遭遇し、互いに進路を譲ろうとしないまま衝突したらしい。
 掴み合ってケンカ再開。いかん、このままでは温泉街に被害が出るかもしれない。

「オペ子によい考えがあります」

 そう言って、リーゼに渡しかけていたロードバイクをハルアリへと向けるオペ子。
 テスト走行で先にゴールした方の勝ち。丁度後ろに、予備として用意したロードバイクがもう1台ある。

「おもしれえ、勝負してやんよ」
「良かろう」

 だがそうなると、わざわざ呼び出しに応じてくれたリーゼが無駄足になってしまう。

「案ずる事はないです」

 オペ子は、傍を通り掛かったおじいちゃん(ママチャリ)を発見して呼び止める。

「自転車を貸してください」
「あー? なんぞ、祭りでも始まるんかいのう?(ぷるぷる」

 接収。

 スタートラインに並び、ざっくりとコース説明を受ける3人。
 スタート直後は山の入口へと続く1kmほどの平坦な直線。その後に待ち受ける山道(上り坂)に備えて、ここで如何にスピードに乗るかが肝である。
 そこを過ぎるた後、山へと入ってヒルクライムに突入。

「一本道なのでまず迷わないです」

 後はひたすら上を目指してペダルを回すのだ。

「ではオペ子は先にゴールで待ってます。ちなみにコース全域でスタッフが阻霊符を展開しているのでズルは出来ないです」

 八嶋の運転するバンに乗り、ブオーッと峠を上がっていくオペ子。
 やがてスタートに設置されたシグナル点灯。赤から青へ。

 真っ先に飛び出したのはハル。

「こんなもん、一番でかいギアにしてかっ飛ばしゃ勝ちだろ!」

 力任せにペダルを回す。ギアを上げた分だけ重い。が、最大速度もそれに比例して大きくなる。
 だが彼は普通の人間ではなく能力者――天魔――である。ペダルの重さなど何のその、一気に最大航速へと到達。

 対して、順々にギアを上げていくアーリィ。

「ロードレースは頭脳戦だ」

 漕ぎ始めは不可の少ない小さなギア。そこから速度に合わせて細かくギアを調整。最後に勝つのは筋力の強さではなく、ペース配分を見据えた者なのだ。
 距離が開き過ぎる前に、滑らかに最大航速へと到達してハルに続く。加えて、ハルに追いついた後も決して抜こうとはせず、敢えてその後ろに付く作戦に出た。こうする事で前方を走るハルの体が風除けとなり、風の抵抗を受ける事なく走れるのである。

 そうとは知らず、前を取らせてなるものかと全力で漕ぎ続けるハル。
 そのまま直線を抜け、峠に突入する。

 目に付いたのは、落石注意の看板。
 直後、そこへ降り注ぐ巨大な丸岩。
 ハルは咄嗟に紫電を束ねて雷球を発射。頭上に覆い被さってきた岩を木っ端微塵に粉砕して無理矢理押し通った。
 ぴったりと後方に張り付いていたアーリィも一緒に通過。

 ぐるりとカーブを進み、今度は熊注意の看板が見えr

\がおー!/

 ニホンツキノワグマ。ベアアームでラリアット。

「「おぶ!!」」

 反応が間に合わず、どむっと首を持っていかれるハル&アーリィ。
 クラッシュした2人は、自転車ごと崖下へコースアウトしていった。



 ハルアリに遅れる事しばらく、ちりんちりんとママチャリを漕いで落石エリアにやってきたリーゼ。
 頭上に注意しながら進んでいると、なんと先行していたはずのハルアリが降ってきたではないか。

 冷静にブレーキを掛けてやり過ごす。
 2人は止まる事無くコースを横切って更に下へと落ちていった。

 そしてそのまま進むリーゼの前に熊が出現。

\がおー!/
「……」

 停車して、じーっと目を合わせる。
 威嚇してベアクローを振り上げる熊に対し、待て話せばわかると手の平を向けるリーゼ。

 彼は徐に胸ポケットから蜂蜜キャンディを取り出すと、そっと熊へ差し出す。

\がお…/

 すんすん…ぱくっ
 からころ

\がお/

 飴の味に満足したのか、熊はゆっくりと林の中へ戻っていった。


 (中略)


 コースに復帰して、再びリーゼを追い抜いたハルアリ。息も絶え絶えに、心臓破りの坂を何とか登りきった。
 この先はコース唯一の下り。

 ギアは最大のまま全力でペダルを回し続けるハル。モータースポーツかと錯覚するほどの速度を叩き出す。
 だが次の瞬間、自転車が悲鳴を上げた。チェーンが千切れて、ギアは割れ、フレームも真っ二つになって空中分解。

 300km/hを超える速度で自転車から放り出されたハルは、ぞりぞりとアスファルトの上を滑って大根おろしになってしまった(ソフトな表現

「愚かな」

 刹那、ハルを追い抜いて飛び出すアーリィ。ハルとは違い、細かくギアを使い分けてケイデンスも抑えていた分、フレームへのダメージも少ない。
 ぐんぐん加速。

 下りも終わりに差し掛かり、残すはゴールへの緩やかな上りのみ……かに思われたが!

 なんと下りの最後に、急カーブの続く5連ヘアピンが待ち構えていた!

 トンネル状に生えた並木が邪魔で、直前までヘアピンが見えなかった。
 慌ててブレーキレバーを握るアーリィ。しかし――

 バギンッ

 へし折れるレバー。
 シフトチェンジを酷使しすぎた結果、シフトダウンと兼用になっていたブレーキレバーの耐久値が限界に達してしまったのだ。

 曲がりきれず、コーナーを突き破る。
 そのまま彼は自転車ごと何処かへと飛んでいってしまった。



 5連ヘアピンを抜け、最後に緩やかな上りの直線を走りきった先に待つゴールライン。
 そこへ最初に現れたのは……

 ちりんちりん

 ママチャリーゼ。
 自転車を傷める事無く、今、のんびり到着。

 オペ子が出迎える。

「どうでしたか」
「過酷なコースだった(こくり」

 本番では手に汗握る良いレースが見られそうだ。

「何よりです。当日は給水所のスタッフをお願いします」
「(こくり)」



 そして当日。
 KOBロードレースの部が幕を開けた――




リプレイ本文

 拳を握るRehni Nam(ja5283)。

「数々の自転車競技漫画を読んだ私の前に敵は居ません!」

 実践経験があるとは言ってない。
 そして頭に浮かんだのは勝つ為の秘策。

「エリスちゃんにお願いしてみましょうそうしましょう」

 露出控えめのレースクイーン衣装(ジャケット付き)と黒白模様のチェッカーフラッグを準備。これを着たエリスがゴールで待っていてくれれば、めちゃんこ頑張れる気がする。
 早速、レフニーはエリスの元へ。

「エリスちゃん、お願いがあるのでs」
「ひとっ走り行こうぜ、お嬢!」

 割って入ったのはディザイア・シーカー(jb5989)。
 『お嬢命』と刺繍された法被を纏い、同じく『お嬢命』と刺繍された鉢巻を頭に付けている。愛ゆえに。決してストーカーではない。
 エリスを誘ってのんびりサイクリング。

「うん、いいわよ。一応、私も参加するつもりだったし」

 それを聞き、るーるーるーと目の幅涙を流してしょんぼりするレフニー。

「ど、どうしたの?」
「なんでもないのですー…(るーるーるー」

 レフニーは用意した衣装と旗をそっと片付けた。



 手土産の猫まんまを持ってフェルミ&大次郎のもとを訪れる月乃宮 恋音(jb1221)。
 競技で大次郎に協力してもらおうと考えたのだが……

 不在。

(……うぅん……。……仕方ありません、予備の案で参加すると致しましょう……)

 手配した車に複数の自転車を積み、向かった先は開場前のレース会場。
 コースの各所に予備の自転車を隠しておき、レース本番ではそれに次々と乗り換える事で、自転車の耐久値を気にせず全力で走行しようという作戦である。

(……ルール欄に、自機の交換不可との記述は、ありませんでしたし……)

 法の抜け穴的な。
 そのまま車で峠に入ろうとして、だが直前でオペ子に止められてしまった。

「勝負の公正さを保つ為にレース開始前の侵入は厳禁です。と言えと局長に言われました」
「……おぉ……。……な、なるほどぉ……。……確かに、その通りですねぇ……(ふるふる」

 言いながら、しかし恋音は徐に自らのポケットをごそごそ。
 取り出したのは焼肉屋のクーポン券。

「……なるほどぉ……」

 差し出す。

「なるほろ」

 受け取る。 

「通ってよしです」
「……ありがとうございますぅ……(ふるふる」

 不正なんてなかった、いいね?



 給水所で熊と一緒に準備を始めるリーゼ。
 店から持ってきたクーラーボックスをぱかり。

「!」

 なんと、いつの間にか中身が全て紅茶にすり替わっていた。

「……」

 飲んでみる。

「(こくり)」

 美味しい。

 でも流石にこのままだと給水所としてアレだよね。
 そこで、熊におつかいを頼む事に。お金とメモを持たせ、麓へ飲み物を調達しに行ってもらう。

「よろしく頼む」
\がお/

 それまで何とか紅茶だけで時間を稼ぐのだ――



 せっせと何かを作るシエル・ウェスト(jb6351)。
 ナイフと釣り糸。持ち手の部分に糸を巻きつけた2本。それを複数セット。

「アクシデントは付き物ですものね」

 なお人為的にあえて起こしに行く模様。
 チーズを巻いたチーズをチーズでフォンデュしてむしゃむしゃしながら、シエルはせっせとナイフを繋げていった――



「自転車はずのーで乗るスポーツだからね!」

 きっとあたいの“どくだんじょー”に違いないわ!と、サドルに跨る雪室 チルル(ja0220)。
 他の選手も続々とスタートラインに集結。

 その中に何故かラッコがいた。

【シズラッコ、ツーリングの大地に立つ!】

 仁王立ちしながら筆談用のフリップボードばばーん!
 キグルミの中身は鳳 静矢(ja3856)。
 アピール度は抜群だ!

 そして可愛らしいラッコの隣には、可憐なアイドルもいた。

「今日は、ちゃりんこアイドルとしてがんばりますっ」

 水無瀬 文歌(jb7507)。
 上空を飛行している空撮り班の空ロペ子へ向け、カメラ目線を送る。キラッ☆
 中継を見ている子供達を意識し、交通安全マナーとか解説しつつ走る予定。

「サイクリングヘルメットも忘れず着用だよ〜」

 そう言ったのは、星杜 焔(ja5378)。

「この山、熊とか出るらしいね〜」

 道端に設置された観光案内図に目を向ける。それによると、落石も多いようだ。
 表示がざっくりとしすぎていて山道の詳細な作りは分からないが……

(とりあえず熊注意地域辺り迄は、前の人を囮に走れる位で頑張ろう〜)

 一方、焔以上にキッチリと装備を整えてきた男が1人。
 ミハイル・エッカート(jb0544)。

「ガチでいく」

 ヘルメットにレースウェア。
 お供のスポーツドリンクも完備したガチスタイルでスタートラインに並ぶ。

「俺、優勝できたらピーマン食べられるような気がする」
『ではゴールにピーマンを用意しておきます』

 スタート脇に設置されたスピーカーからオペ子の声。

「おいばかやめろ」

 ただの言葉の綾だろ!と抗議しながら、しかしストイックな精神のままハンドルを握る。
 その姿勢に、龍崎海(ja0565)も同調。

「他の人とのメダル差があるから攻めないとね」

 アールトアームには興味がある。
 するとその横で、

「てめーら地獄を見せてやるぜ」

 ラファル A ユーティライネン(jb4620)。
 正直、バイクなんか漕ぐよりメカ足から熱核ホバーした方が速いラファルさん。反則にならない範囲で悪さする気満々である。
 ある意味、ミハイルよりもストイック。

 対して、思わず声が出る浪風 悠人(ja3452)。

「これ他者の妨害とか禁止のはずだからね!?」

 久遠ヶ原の不憫属性筆頭眼鏡。
 心からの声。
 巻き込まれる予感しかしない。

「頼むからゴールさせてくれ!」

 心が叫びたがってるんだ!(叫びました

 そんなやりとりの後ろでは、華桜りりか(jb6883)が自転車を労わっていた。

「頑張ってゴールするの…よろしくお願いします、です」

 自転車を撫で撫で。
 だいじに乗る。

 同様に、斉凛(ja6571)も貸し与えられた自転車に対し、

「今日からあなたの名前はママチャリーナ1世ですの」

 自転車は相棒。
 一緒に風になるのですわ。

 すると次の瞬間、何故か凛のロードバイクが変形。なんとママチャリの姿に。
 見た目はママチャリ、中身はロードバイク。

「優勝して紅茶教をもっとアピールですわ」

 このママチャリーナ1世と共に!

「あらあら。あの自転車、どうなってるのかしら」

 その様子を見ていた華宵(jc2265)が、面白そうに微笑む。
 ともあれ、競う事自体にはあまり興味無し。

「自然の中のサイクリングをのんびり楽しもうと思うわ(微笑」

 そんな華宵が乗る自転車は、派手にデコられていた。
 車体に金銀のモールやテープを巻いてきらきらに。オーナメントも飾って美しく。

「クリスマスをちょっと先取りな感じかしら?」

 きっと靴下の中身はメダルだな。



 全員が並び終え、カウントダウン開始……そしてシグナルは青へ!
 が、何故か飛び出そうとしない一同。

\(誰かの後ろについて風除けにしよう)/

 目論見が被ってスタートダッシュがお見合い状態に。

 だがそんな一同を他所に、全力で先頭を取りに行った者が1人だけいた。
 海だ。
 発進と同時に、浮遊盾を活性化。

「これなら両手を自由に扱えるからね」

 何かあっても大丈夫(たぶん

 また、ディザイアも、

「お嬢、こういうのはのんびり行く方が結果を残せるんだ」

 と言う建前の元、エリスとのキャッキャウフフを目論みマイペースにスタート。
 しかし奇しくも海と同じタイミングで発進した事で、そのポジションは自然と先頭組に。

 その瞬間、残りの選手達の目がギュピーン!と光った。
 挙ってディザイアの後方に貼り付きスタート。その中にはレフニーの姿もあり、

「さあ、さっさと漕いで風除けになるのです!」

 後ろから刀でディザイアの後頭部をチクチク。
 彼を追い立ててスピードを上げさせ、その後ろをぴったり追従。先行する海に引き離されないよう仕向ける。

「妨害はしてないのです。むしろ速く走るお手伝いですし?」
「おのれ、どうしてこうなった…!」

 大量の後続車を引きつれ、2番手を走(らされ)るディザイア。
 エリスもぴったりついていく。

「ディザる予感がするわね…」

 ディザる【でぃざる】
 ディザイア・シーカーがひどい目に遭う事。主に久遠ヶ原で、一年を通して見られる。

 悠人もそれを眺めながら、

「なんか似た匂いがするなぁ…」

 でもその役が俺じゃなくて良かった、と呟きながら発進。
 臨戦を使い、気持ちを切り替えつつ身体強化。序盤はギアを重くして、スピードに乗せる事を重視。
 しかし全力では漕がず、他選手の走行ラインを見極めてロスを減らした走りを心がける。

 一方レフニーは、主に軽いギアを選択。ディザイアをチクチクしてスピードアップする時のみ重いギアに切り替えるものの、基本はペースを維持。
 車体を温存しつつ、見通しの悪そうな場所では相棒のヒリュウ(大佐)を召喚。自分よりも少し先を飛んでもらう事で、もし罠や急カーブの類があれば知らせてもらう作戦。

 他の選手達も負けてはいない。

 スタート直後の直線区間は前腿中心に使って漕ぎ、肘を畳んで上体を低くする事で効率的に加速する文歌。

 基本的には体力にものを言わせて漕ぐ向坂 玲治(ja6214)。しかしその服装には無駄が無く、風に靡くような装飾は一切排除。前傾姿勢で風の抵抗を抑えて走る。
 また、車体にも気を遣い、序盤は操作性や加速性の把握を優先して速度を出し過ぎないように。
 ごり押しパワープレイと見せかけて、思いのほか細かい操縦にも気を配っていた。

「スピードは、勝手に出るはずだし…技術で、補わないと…?」

 そう考えたのはSpica=Virgia=Azlight(ja8786)。
 序盤は速度を落とし、軽から重へギアを順次切り替えて先頭に追随。発進時に縮地を使用した事も相まって、スムーズにポジションを確保できた。
 やがて始まる上りに備えてディザイアという風除けで消耗を抑えつつ、峠に入ったらギアを落としてスピードを維持する算段である。

(理想とシては、心臓破りの坂で逃げ集団をブチ抜き…だな)

 心の中でごちる、狗月 暁良(ja8545)。スタートダッシュではアタックは掛けず、メイン集団に混ざって逃げ集団を追走。
 だが最終的には、自分を含め5人未満でトップ集団を形成してラストスパートを争う…という形が望ましい。その為にも、今は脚と車体を温存するのだ。

 陽波 透次(ja0280)も、速度に合わせてギアを調整。遅れすぎないペースで脚を溜めながら走る。
 また、レフニー同様、ヒリュウ(灯火)を召喚。だがレフニーとは違い、透次は灯火に…いや灯火さんに、コースの遥か先へと一気に先行していただく作戦に出た。

「お願いしてもよろしいでしょうか?」
「(……こくり)」

 手下を見るような目で頷き、びゅーんと飛んでいく灯火。コースをショートカットして、高空から俯瞰。案内図だけでは判然としなかった、下り坂の先の様子を窺う。
 並木が邪魔で上からは見えない。高度を下げて並木の下を潜ると、そこに待ち受けていたのは――。

 視覚共有により情報が透次へと伝わる。
 透次はそこを最大の勝負所と見据え、来たるべきその瞬間へ向けてペダルを回した。

 そうしてほぼ全員が序盤は温存する方針を取る中、それとは対照的に、まるで車体への負担など無視するかのように強く走る恋音。
 なにせコースの各所には予備の自機が隠してあるのだ。体力はともかく、自転車を温存する必要など全くない。

 ……道具という物は、ボロ雑巾のように使い捨ててこその、道具なのですよぉ……。

「…………お、おぉぉ…………? …………い、いえ、決してそのような事までは、言っていないのですよぉ…………?(ふるふるふるふる」

 ともあれ、安全優先の範囲内でぐいぐい自転車を漕ぐ恋音。

 一方で、そんな一同の背を眺めながら涼やかにペダルを回す樒 和紗(jb6970)。

「勝負はいつも自分自身と。ですので目標は完走、順位は拘りません」

 運動し易い服、つまりはジャージ、すなわち恒例の芋ジャージ、で参加。
 ギアはよく分からないので、真ん中固定。

 対して、それなりにギアを切り替えながら走る砂原・ジェンティアン・竜胆(jb7192)。
 だが勘違いしてはいけない。彼がギアチェンジを怠らないのは、決して頑張っているからではなく、

「ギアが合ってないと無駄に脚が疲れるよね」

 目標:がんばらない。

「実技試験とかどうでもいいし。そもそも今年も留年する気だしー( ◎3◎)」

 ギアをざっくり調整しながらペダルきこきこ。
 全力とか出さないし、そんなに負荷もかかならない…といいな(


●落石
 峠に入り、落石注意の看板が見えtああっと危ない上から岩が!

 瞬間、浮遊盾でゴィン!と受け止める海。

「落ちている岩を避けるのは面倒」

 言いながら、岩を後ろへ「そぉい!」する。
 そしてその先にはディザイアが!

「俺の(お嬢とのサイクリングの)邪魔はさせん!」

 超反応ディザイア。
 ぴったり後ろについてきているエリスを守るべく、太陽の柱を発動しつつ斧ぶんぶこ。岩を真っ二つにして押し通る。
 そのまま後ろを振り返り、

「無事かお嬢!」
「助かったのですー」

 いつの間にか、真後ろにはレフニーが入り込んでいた。エリスはその後ろ。
 だが抗議する暇はなく、

「おーっと足が滑ったー(棒」

 不意に頭上からの声。
 翼を背にしたシエルが岩壁に張り付いていた(自転車ごと
 ルールにコースアウト云々が書いてないし多少はね?

 ディザイア達目掛けて、目ぼしい岩を片っ端から蹴り落としにいくシエル。

「そこはかとなく手頃な大きさ!」

 大玉ころがしの玉くらいあるソレにローリングソバットどごぉ!(自転車で
 阻霊符のおかげで多い日も安心。

 超反応ディザイア再び。

「俺の邪魔はさせn」
「あぶないディザイアさん!(私達が」

 レフニーが叫んだ。
 ディザイアの背中を刀の峰でかち上げる。岩は高々と打ち上げられたディザイアと空中でぶつかり、明後日の方向へゴロンゴロン。

 レフニー専用装備、ディザイアシールド。
 アールトアームかな?(すっとぼけ

 跳ね返ってきたディザイアを彼の自転車でキャッチしつつ、無事に落石区間を抜けていくレフニーとエリス。
 だが岩はまだまだある。

 スラスターアックスを活性化して振り回す逢見仙也(jc1616)。
 祈念による強化も併せ、スラスターで回転力を増しながら切り払って岩の下を潜る。

「ここで引き離される訳にはいかないんで」

 風除けがいなくなるんで。

 それに続く焔。

「一般人用ロードバイクだから一般人で速い位に抑えて走るよ〜」

 万が一に備えてパリィの構えを取りつつ、速やかに通過。
 対してミハイルも、

「プロレーサーでも最高時速70kmらしいからな」

 ならば耐久値を考えて、ラスト直前までは最高でも時速80km程度に抑えておいた方が良いだろう。となれば現状で最も重要なのは無駄な体力を使わない事。その為にも海やディザイアの後ろに張り付き続ける必要があるのだ。
 路面の僅かな砂や凹凸も見逃さず、新たな岩が迫ってくる前に便乗して通り抜ける。

 直後、次の岩が後続車達に降り注いだ。
 すかさずアウルを解放する玲治。

「アートは爆発だ!」

 落石も爆発だ!
 粉砕。

「あたいの為の“つゆはらい”ってやつね!」

 ごくろー!と一緒に通り抜けるチルル。

 咲村 氷雅(jb0731)もそのチャンスを逃さない。
 この日の為に体力を付けて来た。だからと言って、無駄な消耗はしたくない。
 ギアの耐久値も考えて、シフトチェンジも最低限のみ。

(勝負所は心臓破りの坂以降だな)

 通過。
 続く暁良も、

「まア、普通にヤれば石くらい破壊できるだろ」

 その言葉通り、落ちてきた岩を鬼神一閃で寸断。
 シャーッと走り抜けていく。

 それでも諦めないシエル。

「もっと足を滑らせないと(使命感」

 妨害ではなく事故と言い張る。
 その時だった、

「ある程度先に崩落させちまえばそれ以上は落ちて来ねーだろ」

 言いながら、肩口にガションッとミサイルランチャーをポップアップさせるラファル。

「進行方向じゃないからいいよな?」

 返事を待たずに一斉発射。
 崖上ちゅどーん!
 岩諸共爆破され、シエルはこんがり焼けてどこかへと吹き飛ばされていった。

 大きな塊が無くなった隙にスイーッと走り去るラファル。

 だが彼女が通った後、今度は脆くなった地盤から小ぶりな岩がガラガラと崩れてくるようになってしまった。
 そこへ、自転車が壊れないようセーブして走っていたりりかが差し掛かる。

「んぅ…あぶないの、です」

 自転車を守るべく、鉄扇を構える。
 幸い、岩は小ぶりだ。スパッと切り払って通過。

「無事でよかったの、です」

 ハンドルなでなで。

 それを追うラッコ。
 自転車の負担減を最優先しつつ、制御可能な速度までに抑える事を常に意識。
 完走できなければ上位も狙えないのだ。

 その時、新たに剥がれ始めた分も混ざって、再び大きな岩がガラガラゴロロン。
 いかん、このままでは愛らしいラッコさんがペシャンコに!

 瞬間、ベアクローならぬラッコクローをシャキーン!

『キュゥゥ!』

 ズバァン!
 大岩真っ二つ。
 このラッコつよい。

 後続の文歌も万が一の衝突に備えてアウルの鎧で集中力を高めつつ、左右に分かれた岩の隙間を見極めて可憐に走り抜ける。

「皆さん、道路を走る時は前をよく見て走りましょう(カメラ目線」

 文歌が通った後、地面に横たわってコースを塞ぐ岩の残骸。
 それを紅爪で除去しながら通過する透次。

 そのペースに追従するように、凛も相棒ママチャリーナ1世と共に疾駆。
 シフトやブレーキは最小限。自転車を温存し、ロスの少ないラインを選んでスピードを維持。

 悠人も武器とアウルの鎧で対策を施しながら、引き離されないように先頭集団を追う。

 そしてそんな2人のすぐ傍を走っていたのは華宵。

「考えたんだけど、下を走るから危ないのよね」

 徐にコースからはみ出し、壁走り発動。真横に傾きながら岩肌を走り始めた。
 直後、きらきらにデコられていた車体の飾りが太陽光を反射。下を走る悠人の眼鏡を直撃ピカー!

「ちょ!? 反射角!」

 目があぁぁ!!

※専門家の指導がないまま執筆しています。大変危険なので、リプレイをご覧の皆様は眼鏡越しに太陽を見るのは絶対におやめください。

 更に、崖の凸凹で華宵の自転車がガッタンゴッタン。
 オーナメントがボロボロと落ちて悠人の頭部に直撃ぱりーん!

「よかった眼鏡は割れてない(流血だくだく」

 しかし跳ね返った一部の破片が、後続のスピカの方へ。

「破片とか、邪魔…」

 軌道を読んで迎撃。
 何とか無事?に通過していった。

「やはり山道は危険が満載ですね」

 激戦の跡が見て取れる道路をシャーッと走る和紗。
 そのすぐ前を10フィート棒…もといジェンティアンが先行して漕いでいた。いや、漕がされていた。無言の圧力で背中がチリチリする。

 案の定、落石ゴロンゴロン。
 だがこのくらいならば捌くのは容易い。ジェンティアンは岩を受け流そうと盾を構――

 瞬間、後ろの和紗がコメット発動。

「ちょ、回避させて!?」

 ジェンティアンごと岩をどかーん!

「危ない所でしたね竜胆兄」
「うん。でもそのまま何もしないで見ててくれたら、もっと安全だったよね(焦げ」


●熊?
 先行して逃げる海。
 追いかけ(させられ)るディザイア。だが彼もやられっ放しでは終わらない。

 やがて見えてきたのは熊注意の看板。

「熊…くまーだと!?」

 (白)くまーには容赦しない…!

「日頃の恨み!(風評被害」

 うおおお!と回転を上げ、海に並ぶ。
 くまーが出てきたら、速度の乗ったラリアットをお見舞いしてやるのだ。

 そして彼らの前に飛び出してきた熊…ではなく大次郎!

「…猫じゃねーか!?」
「熊がどっか行っちゃったからなー。オペ子に頼まれたぞー」

 大次郎の頭上でフェルミが言う。

 あかん、でかすぎる。
 咄嗟に翼を出す海。一瞬だけ自転車ごと浮き上がって緊急停止。

 対してディザイアは、

「お嬢と自転車はやらせん!」

 自ら飛び出して囮に。
 巨大音速猫ぱんちびたーん!

「ディザイアがやられた…!」
「今のうちにエスケープなのです!」

 慄くエリスを引いて、大次郎の脚の間を潜り抜けていくレフニー。
 レフニー専用スキル、ディザイアエスケープ。ディザイアはしぬ。

 大次郎が再び肉球を持ち上げる前に、海やすぐ後ろに付けていた仙也とミハイル、玲治も揃って通過していく。

 一方、その便乗列車にギリギリ間に合わなかったのは焔達。緊急停止。
 振り向いた大次郎と目が合う。

 熊が出ると聞いていた焔は、走行中のエネルギー補給に食べようと自作してきたスティックアップルパイをいざとなれば熊にあげて囮にするつもりでいたのだが……

「あれれ〜注意なの熊じゃなくない?」

 猫ならこっちの方が喜ぶかな〜、とポケットから別のおやつをごそごそ。

「とりあえず餌付け用に常備しているいりこをあげよう〜」

 大次郎まっしぐら。
 いりこをむしゃあ。
 ついでにスティックアップルパイもむしゃあ。

「あれれ〜? まあいいか〜」

 むしゃむしゃしている間にシャーッと通過。

「チャンスね!」
「狙い目だ」
「もふもふ…だけど、今は、レースが優先…」
「行くンなら一気にだナ」

 チルル、氷雅、スピカ、暁良も焔に続く。

 そして大次郎のチャージが完了。
 猫ぱんちスタンバイ。

 目が合ったのは透次。

「どうかこれで一つ…」

 マシュマロを差し出す。
 もきゅもきゅ。
 だがマシュマロが小さかったせいか、透次が通り終えると同時に大次郎は再びスタンバイ。

 次の選手は、ラファルだった。
 じーっとラファルを見る巨猫。猫ぱんちうずうず。

 対してラファルは、

「睨み合いなら負けねー」

 顔のパーツをギュルンと換装。ガブフェイスモードで眼光をビカー!と真っ赤にしながら睨み返してやった。
 ビビらせてその隙に通過…の予定だったがしかし大次郎は動じない!

 むしろ対抗心を燃やしてびたーん!の頻度がアップしてしまった。

「図太てー猫だな」

 吹っ飛ばして押し通るか、とラファルは武装を展開しかけるが、

「んぅ…しかたないの、です」

 代わりにりりかが1歩前へ。
 泣く泣く鳳凰を召喚して囮に。びたーん!を促してもらう。

 瞬間、想定通りびたーん!されるりりかの鳳凰。
 鳳凰を通じて衝撃がりりかの体にも伝わるが、自転車は無事。

【今だ!】

 フリップを掲げながら便乗して通り抜けようとするラッコ。
 だが次の瞬間、

 びたたーん!(2連撃

 やる気勢と化していた大次郎がまさかの即びたーん!
 地面にめり込むラッコと自転車。

 だがすぐにむくりと起き上がり、

【ふっ、良いパンチもらっちまったぜ】

 やだワイルド!

 文歌はその横を駆け抜けながら、

「猫信号は、守りましょう! そうしないと潰されます(カメラアピール」
「注意一秒、怪我一生ですの」
「普通、猫と人間が逆だよなぁ…」

 凛と悠人も後に続く。
 が、うっかり凛のタイヤが踏んだ小石がバチッと跳ねて悠人の眉間に直撃びしぃ!

「あら、ごめんあそばせですの」
「気をつけて!? あと5mm下だったら眼鏡のブリッジ折れてたからね!?」

 眼鏡キャラにとって眼鏡は命。
 例え頭蓋骨が折れてもブリッジを折る訳にはいかないのだ。

 そういえば、スタート直後に先頭集団に混じって走っていたはずの恋音の姿が見えない。

 いや、いた。

 大次郎出没騒ぎの裏で、通過チャンスがあったにも関わらず、何故かひっそりと道路脇に停車し続けていた恋音。
 全員が通過し終えた後、フェルミ&大次郎に挨拶。

「……こちらにおいででしたかぁ……」
「おー。なにか用事だったかー?」
「……はい、実は、自転車ごと、大次郎さんに乗せていただこうかと思いましてぇ……」

 いつぞやの自動車教習の時、バスに追いつく程の速度が出ていたので、自転車レースでもぐいぐい上位を狙えるはずなのだ。

「恋音の頼みじゃ断れないなー」

 大次郎もこくり。

「……おぉ……。……ありがとうございますぅ……(ふるふる」

 早速、自転車ごともふもふにライドオン。これなら体力も耐久値も気にせず先行集団を猛追できる。
 隠しておいた予備機は無駄になってしまったが、元々こちらが本命だったので問題なし。

 が、その時、

「ずるいやつはしまう」

 一瞬の風。
 いつの間にか大次郎の前に何 静花(jb4794)が立っていた。

 公正競技進行委員(仮)。ずるいやつは公平にしまう。更正しろ!

※この場合のずるいやつとは、

 1:自転車に(正しく)乗っていない
 2:コースを逸脱し、正規のコースを走っていない
 3:長時間タイヤが地面についていない

 逆風よりも迅く現れその者須く終うべし、これぞ慈悲と友愛なり。

「しまっちゃおう」
「…………お、おぉぉ…………?(ふるふるふるふる」

 恋音を大次郎から引きずり下ろし、岩穴の中へ。
 が、穴の縁に乳が引っ掛かって収まりきらない。

「(怒)」
「……お、おぉぉ……。……その、何と申しますか、すみません……(ふるふる」
「痩せろ(乳」
「……で、出来る事なら、私も痩せさせたいのですよぉ……(ふるふるふるふる」
「エリスなら入る。見習え」

 当然、大次郎も入らない。
 が、大次郎はどう見ても自分の顔より小さい穴の中に一生懸命頭を捻じ込もうとしていた。

 鼻先だけ入った。

「しまっちゃおうしまっちゃおう」

 静花は鼻が埋まっている大次郎の眉間にそっと岩蓋を重ねた。


●給水所
 熊がおつかいから帰ってくるのを待っていたリーゼ。
 だが熊より先に選手達が来てしまった。紅茶しかない。
 仕方が無いのでそのまま紅茶入りの補給ボトルを卓上に並べる。

「もらうのですー!」

 そうとは知らず、給水所のテントに近づいてすれ違い様にボトルを持っていくレフニーやエリス達。
 更にそこへディザイアも追いついてくる。

「生きてましたか」
「お嬢とゴールに立つまで屈しない…屈しないぞ…!」

 透次や暁良もぴったりと追従しながら、行動食やドリンクをキャッチ。

 だが1人だけ、給水所をスルーしたミハイル。
 ラインをテントに寄せると2秒程のロスになる。その差がもったいない。

「ボトルならまだある」

 走りながら持参ドリンクごくごく。
 コンマ数秒単位で無駄を排した走りを徹底。
 ガチである。

 対して、後ろにいた氷雅達はしっかりテントに寄せてボトルゲット。
 一同は揃ってキャップを開け、走りながら中身をぐびっと――

 ぶふぉ!(きらきらきら

 スポーツドリンクだと思った? 残念、紅茶でしたー!(本当にすまない

「水分補給で…カフェインは、つらい…」

 薄っすらと眉根を寄せるスピカ。

「あらそんな事ないですの」

 答えたのは凛。
 誰よりも多くの紅茶ボトルを貰っていた。

「紅茶を飲めば元気100倍ですわ」

 実際に紅茶に含まれているカフェインは微々たる物。飲みすぎなければ充分に水分補給として機能するのだ。

「それ結局、水分補給に向いてないって事だよね!?」

 悠人の叫び。
 でもそれしかないのなら仕方が無い。悠人はリーゼに向けて手を差し出しながらテントに近づき、

 手渡されたのは眼鏡拭き。

「いや俺にも飲み物ちょうだい!? 眼鏡キャラだって喉くらい乾くからね!?」

 この後、改めてボトルを投げ渡してくれました。

 一方、激走していく一同の背を見送る華宵。キキーッと給水所で完全に停車。
 どっこいしょと自転車から降りて、テント内の椅子に座る。

「お茶貰えるかしら?」
「(こくり)」

 のんびりティータイム。
 そこへジェンティアンと和紗も到着。

「…しぬ(屍」

 とさぁと倒れこむジェンティアン。
 和紗も椅子にどっこいしょ。

「どうやら俺達が最後尾のようですね」

 そしてここで熊がおつかいから帰還。
 各種ドリンクを受け取るリーゼを見て、和紗がオーダー。

「カクテルお任せでお願いします」
「(こくり)」

 トニックウォーターにレモンとライムのジュースを合わせ、グレナデンシロップでほんのり甘味を加えて完成。
 スポーツマン。爽やか系のノンアルカクテル。

 心ゆくまで一服。

 さてそろそろ出発するとしよう。

 立ち上がってじーっとジェンティアンを見る和紗。
 無言の圧力。

「……はい」

 ジェンティアンはぐったりしながら、再び10フィート棒となってペダルを漕ぎ始めた。


●心臓破りの坂
 未だ先頭を守り続ける海。
 急勾配に突入するも、生命の芽で回復しながら尚も前を走る。

 だがここで、暁良が一気にトップを狙いに出た。
 理想はこの坂で逃げ集団をブチ抜き、5人未満でのゴール争いへ持ち込む事。

 チルルも負けじと全力全開。
 トップを目指す勢いでペダルに力を籠める。

 そうはさせるかとレフニー。
 勝負の世界は非情。泣く泣くエリスを残して全力全開。リジェネで体力を回復しつつ、車体にアウルの鎧を纏わせてペダルを回す。

「エリスちゃんの分まで走りぬいて見せます!」

 対するディザイアは、翼で揚力を得て負荷を減らす作戦。
 飛んでる訳じゃないからセーフ!
 しかし揚力があっても、とてもツライ。

「これは…お嬢、大丈夫か?」
「な、なんとか…(ぜぇはぁ」

 同様に翼で補正するエリス。

 また、氷雅も翼の揚力を利用し、半分程上った辺りで立ち漕ぎへと変更。速度を出してトップを取りに行く。
 優勝して翼万能説を証明するのだ。

 実際、飛行スキルまじ有能。

 対して、翼を補助ではなく全力で羽ばたかせた者がいた。
 仙也だ。

 心臓破りは翼で飛ぶ。
 衝撃で自転車が壊れぬように離着陸と飛行姿勢にさえ注意すれば、体力を消耗する事なく上り坂をショートカットできる。
 しかも上りで消耗しなかった分、その後の下り坂以降も他選手より圧倒的有利!

「勝ったな」

 しかし次の瞬間、

「ずるいやつはしまう」

 空ロペ子に乗って上昇気流よりも迅く静花が現れた。
 公正競技進行委員(仮)。
 OPの天魔でさえ自転車をちゃんと漕いでいたのに飛ぶとかショートカットとか物質透過とか絶対に許さない。ほんま許さん。
 ずるしちゃう子はしまっちゃおうねー。

 仙也は岩倉へしまわれてしまった。

 その頃、地表では玲治が体力にものを言わせてぐいぐいと坂を上っていた。
 それもただのゴリ押しではなく、立ち漕ぎでペダルに体重をかけて走行。筋力ではなく体重で回す事で、速度と体力のロスを最小限に。

 そして玲治と同じく、坂にペースを持っていかれる事無く走る焔。

「体力が取り得だからね〜。ペースダウンせずに根性で走りぬけたいね〜」

 溜まった疲れは炎の蝶で継続回復。

 無論、ガチ勢筆頭のミハイルも遅れてはいない。
 ヒリュウを召喚してサドルを後ろから押してもらって体力温存。

 だがそんな中、じわじわと着実に順位をあげてくるのは透次だった。
 上ハンで上体を起こして、呼吸し易く。
 同時に、姿勢も小まめに変え、筋肉を使い分けて負荷を分散。
 前半は無理せず遅すぎずの一定ペースで。
 後半は縮地で加速。先頭集団に食らいつく。
 プロレーサーばりの操縦である。

 一方、一応はレギュレーションに従ってペダルを回していたラファルさん。
 だが次の瞬間、

 バギンッ
 ジャララララ!

「あ、やべ。義足が破損してベアリングが大量に坂の下に流れちまったじゃねーか。まあほっとくか」

 わざとじゃねーし。

 後方には、漕ぎ方を変えて心臓破りの坂に挑み始めた文歌の姿。
 脚の負荷を最小限に抑えるべく、座ってダンスする感じで体(主にお尻)を少し左右に揺らしながら進む。

 座りダンシング走法。
 座ったまま体力の消耗を抑えつつダンシング(立ち漕ぎ)に匹敵する速度を得られる、極めて高度なテクニック(たぶん

 だがその時、ラファルが落とした大量のベアリング玉が上からジャラジャラ!

 避けきれずに踏んづける。
 自転車にダメージ。

「あわわ…」

 文歌は創造スキルで補強用のテープを作り出し、走りながらフレームに巻いて応急処置。
 よしまだいける!

 それを追うように、りりかも坂へ突入。
 鳳凰に押してもらいながらベアリングを回避。

 静矢もギアを上りに合わせて着実に。

 貰った眼鏡拭きでぴかぴかになった悠人も、いざ坂へ。
 しかしここは心臓破りの坂。
 とてもツライ。
 眼鏡破れそう。
 でもライトヒールで回復して頑張る。

「いや眼鏡破れそうってなんだよ! っていうか俺、今日眼鏡イジられすぎじゃない!?」

 叫びながらのヒルクライム。

「悠人君は元気ね」

 微笑ましく見守る華宵。
 対して自身は、バイクに乗ったまま翼ですいーっと飛んで上へ。

 それを見逃さない静花。

「ゆるさない(ゆるさない」

 しかし華宵が抵抗。

「漕がなきゃダメとは聞いてないし、抱えたり押したりもいいわよね?(ギア?何それ?」

 自転車の競技だって言ってるじゃないですかやだー!(

 結局しまわれる華宵。
 その一部始終を見ていた和紗は、

「漕いで上るようとはありませんでしたね」

 でもどうやら飛ぶとしまわれてしまうらしい。
 故に自転車を引く事に。

「うん、ペダル漕いで上るより、自転車引いて歩く方が楽だと思う――自分の分だけなら」

 和紗の分もジェンティアンが引くのは確定的に明らか。

「自分で、ともなかったので(輝笑」

 でも自転車に(正しく)乗っていないと、静花がやってくるかもしれない。

 という訳で、漕いでない和紗が乗った自転車を、自分の自転車で漕いで引っ張りあげる事になったジェンティアン。
 これはツライ。

 それでも何とか上りきる。
 が、

「後は頑張って…」

 ハートがブレイク。
 ジェンティアンリタイア _(:q」∠)_


●下り坂
 上り坂で壮絶な順位変動が繰り広げられるより少し前――

 爆破で吹っ飛ばされて誰よりも速く下り坂へと到達していたシエル。

「なんというラッキー」

 全てはチーズの思し召しに違いない。
 早速、準備してきた糸付きナイフをばら撒き始める。コース両脇の木々に投げて刺し、道路に釣り糸をピンと張る。

「誰かひっかると良いなって(ぁ」

 その後、1人で悠々と下りを開始。
 調子に乗って全力疾走。並木のトンネルを潜る。

 しかしその直後、

「なんぞこれ!?」

 グシャア!

 まさかのヘアピン。
 曲がりきれずに木にぶっ刺さる。

 そこへ静花が登場。

「しまう前にしまわれた」

 しまわれる前に自分からしまわれちゃうせっかちな子はしまっちゃおうね。
 静花は大木の枝と化したシエルに岩蓋を被せてから、てくてくと立ち去った。



 トップで上りを終えたのは暁良とチルル。
 だが次の瞬間、目に映ったのは釣り糸トラップ。

「блин!」

 思わずロシア語で悪態を吐きながら身を屈める暁良。
 チルルも何とか回避。
 2人の動きを見て、後続車達も頭を低くして何とかやり過ごす。

 下りに入り、しかしコースの先が見え難いのでゴール直前こそが最後の頑張りドコと見据えて、チルルと付かず離れずの速度で並走する暁良。

 直後にそれを追う透次。
 下ハンに切り替えてサドル後方に尻を置き、後ろ加重で姿勢を安定させつつ加速。
 目線は前方の2人ではなく遠くに見据えて、危険に備える。

 続く玲治。
 同じく後ろ乗りで後輪に体重を掛け、制動力を高めながらの加速。

 海、スピカ、氷雅、そして焔も加速。
 だが坂の後半に、並木が邪魔で先が見通せない箇所がある。いつでも減速できるように用心する焔。

 対して、順位上げを狙うも、脚を安めつつ控えめの加速で下るミハイル。
 スリップ等々、危なくなれば押し戻してもらうつもりでヒリュウを再召喚。
 レフニーも大佐を召喚し直して、前方の偵察を頼む。

 徐々に並木トンネルが近づき……

 不意に、透次が順位を下げた。
 ブレーキを壊さぬよう、上体を起こして空気抵抗による自然減速をフル活用して、ミハイルやレフニーの位置まで自ら下がってくる。

 坂で追い上げ、一気に先頭集団へ躍り出ていた透次が何故ここに来て減速を…?
 違和感を覚える一同。
 その時だった。

「ぎゃう!」

 大佐の警告。
 直後、姿を現す5連ヘアピン。

 スタート直後から透次は知っていたのだ。ここにヘアピンが待ち構えているという事を。
 その為の減速。

 刹那、氷雅が勝負に出た。
 翼を使い、速度を落とさずヘアピンを飛び越えてショートカッtだがしかし静花!

 氷雅はしまわれた。



 その頃、後続組は――

 何だかんだとそれなりの速度で坂を上り詰めたエリス。
 だが上るのに必死な余り、

「や、やった…後は下rぐべっ!?」

 糸で首をピーン!されて落車。
 からの下りをごろんごろんずざー!(とても痛い

「お嬢!」

 エリスばかり見ていて同じく気づかなかったディザイア。
 咄嗟に躱しつつ翼で飛んで、おろしエリスを追いかける。

 そこへ静花出現。

「ちゃんと乗れ」

 しかし滑空しながら抵抗するディザイア。

「やられてばかりだと思うなよ…!(必死」

 砂嵐発動。
 しまおうとしてくる静花の視界を塞ぎ、その隙にエリスを拾う。
 と同時に、眼前には大木が!

 超反応ディザイア3。
 懐から何かを取り出し、木との間に投擲。

 直後、衝突。
 しかしディザイアは無事だった。

「ふぅ、これがなければ危なかった」

 投げたのは豆腐のキグルミ。ふかふか。

 だがエリスは時既に大根おろし。
 エリス、リタイア。

 そして搬送されたエリスについていく為に、ディザイアもリタイア。
 レースがしたいのではない。お嬢と一緒にいたいのだ――



 ヘアピンに突入した先頭集団。
 予知していた透次は、その細かな操舵も相まって最短コースをすいすいと抜けていく。

 海は大次郎の時同様、翼で一瞬だけ浮かんで緊急停止。
 仕切り直してペダルを回し、透次を追う。

 コーナーで膨らみつつも、ヒリュウに押し戻してもらって辛うじて曲がるミハイル。

 だがその隙に、玲治が前へ出た。
 カーブの外側の足に荷重を掛け、タイヤのグリップ力を限界まで引き出す。それでも足りずに横転しかけた瞬間、しかし槍で地面を突いて強引に旋回する。
 体力と技術の見事なまでの合わせ技である。

 また、透次ほどではないにしろ、それなりに視界不良を警戒していた暁良とチルルも何とかヘアピンクリア。

 焔も、冬で身体強化して懸命にライン取り。
 それに一瞬遅れたスピカは、ライン確保を諦めて曲がりきる事だけに集中。

「MTBなら、気にしないけど…っ」

 タイヤのダメージを気にしつつ、ドリフトで無理矢理抜ける。

 対して、敢えて一同に先を譲ったレフニー。
 溜めた行動順で、続けざまに創造スキル発動。

 2つのロープを繋いで1つの長めなロープに変え、片端を大佐に括り付ける。

「お願いするのです!」
「ぎゃう!」

 大佐を中心点に、ブゥン!と振り回してもらいながら曲がる。
 コーナー脱出時に遠心力を加速に利用。先行集団を猛追した。

 それを激走して追うラファル。

「ピュンピュン飛ばすぜ」

 ライジングホイールで加速しつつ、タキオンドライブで一気にヘアピンをショートカットしまくr

「だめだ(しまっちゃおうね」

 静花に抵触。

「うるせーこれでもくらえ」

 戦闘状態に突入。
 爆風吹き荒ぶ5連ヘアピンに、文歌やりりか、ラッコ、悠人も差し掛かる。

 りりかの鳳凰が短く2回鳴いた。
 要減速なカーブの合図。

 落ち着いて速度を調整し、確実に切り抜けていくりりか。
 下りで速度を抑え気味にしていた文歌もクリア。

【下り坂で速度出し過ぎると事故の元!】

 フリップ片手にラッコもクリア。
 このラッコ、余裕である。

 対して、明らかにオーバースピードと思われる勢いで突っ込んだのは凛。
 しかし、

「紅茶の加護がある限り負けませんわ」

 紅茶はガソリン! ガブ飲みしてメイドエンジンどぅるるん、ドリフトずざー!
 ハイオクかな?

 だがそれにより被害を受けたのは悠人だった。
 凛の巻いた土煙で眼鏡がべしゃあ!

 ぷるぷると震える悠人。

「そんなに……そんなに眼鏡をイジりたいかぁ!!」

 光纏オーラずぎゃーん!

 爆走していく凛に続き、悠人はタイヤが火を噴く勢いでペダルを回した――



 レース展開が混迷を極める中、謎の岩倉エリアを脱出してコースに復帰した仙也達。
 岩蓋をどかすと、何故か心臓破りの坂を上りきった位置に出た。

 並木トンネルの中から爆炎が上がり、それが徐々にゴール方向へと移動していくのが見える。
 耐久値を無視して全力で飛ばせば、まだ間に合うかもしれない。

 仙也は自転車に跨り、翼で一気に下る…とまたしまわれるかもしれないので、

「ルールには逆らってないはずだけど」

 逆らってないけど収まってない(おうちゃんと自転車で走れよ(
 仕方なく磁場形成に切り替え、摩擦抵抗を減らして全力滑走。

 時を同じくして、和紗も上りを走破して合流。
 だがそこへ、穴の中からにょきっと大次郎が出現。うっかり和紗の自転車(と、_(:q」∠)_していたジェンティアン)を踏んづけてしまった。

 ドカッ!とダメージエフェクトが出て、前輪が取れる和紗の自転車。

「…………お、おぉぉ…………? …………そ、その、すみません…………(ふるふるふるふる」
「いえ、大丈夫です。まだそこに転がっている _(:q」∠)_ の自転車があるので」

 言いながら乗り換えようとしたその時、

「なんぞ、祭りでもやっとるんかいのう?(ぷるぷる」

 軽トラに乗った通りすがりのおじいちゃんが。
 見ると、荷台には一輪車(農作業用)が積まれているではないか。

 瞬間、和紗の目がきらーん!
 一輪車を奪…借りてライドオン!

「レンタルした自転車です(真顔」

 自転車は時に一輪もだってうぃきが言ってた(

 再スタートする和紗達。
 コメディ補正による脅威の追い上げで、あっという間に先頭集団の背を視界に捉えた――



 それを他所に、1人どっこいしょと自転車から降りる華宵。

 下り坂。
 疲れたので押して下る。

 ヘアピン。
 疲れたので(ry

 あかんこのヒト老人やで。


●ラストスプリント
 スキルも使い、全力でペダルを回す選手達。
 だがここに至るまでの作戦、体力、操縦、それら全ての総合的な差が機体のコンディションにも如実に表れ、じりじりと順位が開いていく。

 トップは透次。
 縮地も使って全身全霊。

 それに数センチの差で並ぶミハイル。

「車体はゴールまで無事ならいい!」

 ゴールと同時に壊すつもりで漕ぎ続ける。

 対して、ここまで先行逃げきりを保っていた海は、そのハイペース故に遂に機体が悲鳴を上げ、思うように速度が伸びない。
 他の選手共々、透次とミハイルに引き離されていく。

 逆に、その後続集団の中から飛び出したのは玲治。
 透次にも劣らぬ細かな操縦に、25人中ダントツの体力を乗せ、台風の如き勢いで2人を追い上げる。

 優勝はこの3人の内の誰か……いや、

 そこへ遥か後方から、謎のエキゾースト音が轟いた。
 全身から紅茶エンジンの熱を放出しながら爆走する凛。

「これが紅茶の力ですの!(どぅるるん!」※注:自転車です。

 更にその後ろから、怨念のような声。

「ゴールさせろおおぉぉぉ!」

 摩擦熱で火の点いたタイヤを回しながら、悠人が猛追。

 追いついて来たのは彼らだけではない。
 自転車に乗った恋音を乗せた大次郎。4WDのパワーでコースの壁を押し退けながら迫ってくる。※注:自転車でs…いやこれは違うな。

 それまで健闘していたレフニーも圧に押され、とうとう後続集団に飲まれて落ちていく。


 ――だが、その時だった。


 ゴールに垣間見えた、黒と白の揺らめき。

 なんとリタイアしたエリスが、レースクイーン姿でチェッカーフラッグを持ってゴール先で待っていた。
 せっかくなのでお願いしてみました。 by オペ子

「オペ子さん、今年一のグッジョブなのです!」

 瞬間、レフニーのペダルが叫んだ。
 空気を震わせるケイデンス。

 エリスちゃんの祝福を受ける為に

 私は今


「限界を超えるのです!!」


\譲るかあああぁぁぁ!!/



 横並びになったロードレーサー達が、一斉にゴールゲートへと突入し――……































 表彰台に立つ3人の姿。

 1位:レフニー
 2位:玲治
 3位:透次

 ラッコもダンスでお祝い。

【皆レースお疲れ様!】



 そしてレースの後は、麓の温泉でゆっくり疲れを癒していこね。
 かぽーん、と湯に浸かるヘヴホラメンバー。

 ジェンティアンが湯船でリーゼに絡み酒(日本酒

「…偶には飲むの付き合えよ、バーテンダー」
「(こくり)」

 お酌トクドクぐびり。



 その頃、夕暮れの表通りでは……

「常に紅茶布教は諦めませんの」

 譲り受けたママチャリーナ1世に乗り、町民に紅茶を配ってまわる凛の姿。

 一方、のんびりと帰路を歩き始めるりりか。
 ふと、

 きこきこ

 ペダルの回る音がして振り返る。
 なんと、レースで使っていた自転車がひとりでに動いて、りりかの後ろをついてきていた。

 ハンドルを左右に揺らし、りりかにすりすり。

「一緒に帰るの…です?(撫で」

 頷くようにカチリとギアが鳴る。

 夕焼けの道を、りりかは自転車と仲良く歩いていった。




依頼結果

依頼成功度:大成功
MVP: 未来へ・陽波 透次(ja0280)
 歴戦勇士・龍崎海(ja0565)
 撃退士・鳳 静矢(ja3856)
 前を向いて、未来へ・Rehni Nam(ja5283)
 崩れずの光翼・向坂 玲治(ja6214)
 Eternal Wing・ミハイル・エッカート(jb0544)
 久遠ヶ原から愛をこめて・シエル・ウェスト(jb6351)
 Cherry Blossom・華桜りりか(jb6883)
 外交官ママドル・水無瀬 文歌(jb7507)
重体: −
面白かった!:19人

伝説の撃退士・
雪室 チルル(ja0220)

大学部1年4組 女 ルインズブレイド
未来へ・
陽波 透次(ja0280)

卒業 男 鬼道忍軍
赫華Noir・
黒百合(ja0422)

高等部3年21組 女 鬼道忍軍
歴戦勇士・
龍崎海(ja0565)

大学部9年1組 男 アストラルヴァンガード
おかん・
浪風 悠人(ja3452)

卒業 男 ルインズブレイド
撃退士・
鳳 静矢(ja3856)

卒業 男 ルインズブレイド
前を向いて、未来へ・
Rehni Nam(ja5283)

卒業 女 アストラルヴァンガード
思い繋ぎし翠光の焔・
星杜 焔(ja5378)

卒業 男 ディバインナイト
崩れずの光翼・
向坂 玲治(ja6214)

卒業 男 ディバインナイト
紅茶神・
斉凛(ja6571)

卒業 女 インフィルトレイター
暁の先へ・
狗月 暁良(ja8545)

卒業 女 阿修羅
さよなら、またいつか・
Spica=Virgia=Azlight(ja8786)

大学部3年5組 女 阿修羅
Eternal Wing・
ミハイル・エッカート(jb0544)

卒業 男 インフィルトレイター
新たなるエリュシオンへ・
咲村 氷雅(jb0731)

卒業 男 ナイトウォーカー
大祭神乳神様・
月乃宮 恋音(jb1221)

大学部2年2組 女 ダアト
ペンギン帽子の・
ラファル A ユーティライネン(jb4620)

卒業 女 鬼道忍軍
遠野先生FC名誉会員・
何 静花(jb4794)

大学部2年314組 女 阿修羅
護黒連翼・
ディザイア・シーカー(jb5989)

卒業 男 アカシックレコーダー:タイプA
久遠ヶ原から愛をこめて・
シエル・ウェスト(jb6351)

卒業 女 ナイトウォーカー
Cherry Blossom・
華桜りりか(jb6883)

卒業 女 陰陽師
光至ル瑞獣・
和紗・S・ルフトハイト(jb6970)

大学部3年4組 女 インフィルトレイター
ついに本気出した・
砂原・ジェンティアン・竜胆(jb7192)

卒業 男 アストラルヴァンガード
外交官ママドル・
水無瀬 文歌(jb7507)

卒業 女 陰陽師
童の一種・
逢見仙也(jc1616)

卒業 男 ディバインナイト
来し方抱き、行く末見つめ・
華宵(jc2265)

大学部2年4組 男 鬼道忍軍