白の迎撃に当たっていた国連軍。そこへギメ=ルサー=ダイ(
jb2663)が到着。
「ふはははは! 余興とばかり思っておったが、中々の褌ではないか……!」
フロント・リラックスポーズでムキ!
「狙うは剛の者よ。我が筋肉と褌を交えるならばそれしかあるまい」
未だFUNDOSHIは使わず、のしのしと歩み出て国連軍を下がらせる。
「では、参る――主らは回りと相対して来るがよい……なに、別に倒してしまっても、構わんのだろう?」
サイドチェストでムキキ!
「我は無敵なり。我が筋肉に敵うものなし。我が一撃は無敵なり……!」
最も褌力が濃い地点へ単身駆けるギメ=ルサー。金を発見。
だが金の速度は光にも匹敵し――
「よもや貴様……ガッ!?」
ギメ=ルサーの意識はそこでプツリと途切れた。
●
「これが、パワードスーツ……?」
FUNDOSHIを手にする華子=マーヴェリック(
jc0898)。
着たくない、いえ穿きたくない。
「でも、このままでは私達の力を持ってしても対抗できないのよね?」
…でもやっぱりいや!
華子はFUNDOSHIを畳んでポケットに押し込んだ。
「拙者が惨状仕ったからには勝利は約束されてるのデース☆」
ニカッ☆と告げたのはマイケル=アンジェルズ(
jb2200)。パワードスーツではない褌姿で、逞しく引き締まった尻を晒して戦場IN。
これぞジャパニーズ伝統スタイル。
「鍛え上げたマッスル☆ボディーのミセドコロデース☆」
そこへ、白の群れが迫ってくる。
「どちらが神の☆FUNDOSHI☆か勝負デース☆」
褌で覆われたマイケルの股間に翼を広げた鶴が具現化。バサァと羽ばたいて飛翔し、機動力とF兵器のPOWERで白共をHAHAHA☆と駆逐して回る。
ひでぇ絵面だな。
「ドロワーズは褌に負けませんわ」
一方で、華子同様に褌を拒む斉凛(
ja6571)。純白メイド服の下は、拘りのドロワーズ。
「褌など滅ぼしてさしあげますわ」
狙撃しつつ敵の群れへ突貫して、ナイトアンセム発動。
混乱する白共に容赦の無い零距離射撃をぶち込んでボロ布へと変えていく。
また、東風谷映姫(
jb4067)は凛とは別の群れを前にして孤独に呟く。
「褌ってのはこう…救われてなきゃダメなんだ…」
着物を脱ぎ捨てたその下は、さらしとFUNDOSHIのみ。
彼女の全身から褌力が爆発的に噴き上がる。
「(着物を脱いだから)体が軽い、こんな気持ちで戦うなんて初めて…」
もう何も恐くない。
カツラも吹っ飛んでいった気がするが構わずFUNDOSHIから(?)火炎瓶を取り出して、ヒャッハー!と投げ散らかす。
「太陽に代わってOSIOKIよ♪」
その光景に、マイケルのやる気が↑↑↑。
「黒髪美少女(カツラだったけど)は世界の宝デース☆」
でもレディーがそんな姿ではノンノンノン☆ ドレスをプレゼントデース☆
マイケルは褌から(??)ドレスを取り出し、映姫の元へと飛んでいく。
「ティームメンヴァーとの共同作業なのデース☆」
が、ドレスを着せようと近づいたその時、無差別に投げられた火炎瓶がマイケルにHIT。
鶴に着火。
「Oh, shit!」
彼はごろごろ地面を転げ回った。
(古今東西、大群を制するにはそれを指揮する個体を抑えるのが定石のはずよ)
仲間達が奮起する中、華子は冷静に戦場の分析に務めていた。
全ての褌は同一なのか? 何か違いは?
違いがあった場合、個々の特徴は? 連携の有無は?
得られた答えを逐一仲間達へと伝えていく。
重要なのは、情報と結束。
そして狙うべくは、この大群を指揮する上位種。
「どこかにきっと居るはずなの……」
そんな時、華子はふと思う。
褌は、何故この地に現れたのか。
もしかしたら対話が可能かもしれない。
「そうすればお互い犠牲を払わずに共存共栄が出来るかもしれないわ!」
その時、戦場の空気が変わった。
銀共を引き連れて姿を現す金。
肌を刺す、圧倒的な力の差。
それまで生身で凌いでいた砂原・ジェンティアン・竜胆(
jb7192)も、覚悟を決めてFUNDOSHIを手にする。
「…とりあえず身につければ良いんだよね? ならこうやって――」
バンダナ風に頭に巻くも、効果出ず。
「あ、腰じゃないとダメなの、そうなの…」
ていうか頭に褌巻いた男子もどうかと思う。
とりあえず既に現地だから生着替えするしかないな!
彼は物陰へ行きつつ、ちらりと振り返り、
「こっち見ないでね!」
と言うまでもなく、誰も見向きすらしていなかった。褌共すら。
「…もうちょっと見てくれても良いのよ?」
べ、別に寂しいとかそういうんじゃないんだからね!
一方、マイケルも変身TIME。
普通の褌を脱ぎ捨てすっぽんぽん。視覚化した黄金の褌力が絶妙な角度で画面を隠す!
FUNDOSHIをシメ、スターダスト・ファントムF〜褌〜惨状!
「ゴールドがヤツラのリーダーデスネー? ゴールドは拙者のカラーでもあるデース☆ 拙者の黄金色に輝く褌力を見るデース☆」
黄金の光を纏いタウント発動。
亜音速で追いかけてくる銀共を引き連れるように、戦場を走り回る。
金?と銀の人智を超えた鬼ごっこ。
「今日から拙者がリーダーデース☆」
銀共の先頭をHAHAHA☆と走r――とさぁ。
唐突に倒れて動かなくなるマイケル。
笑顔で固まったまま、白目を剥いてピクピク。
体が悲鳴を上げているのにも気づかずFUNDOSHIで全力疾走し続けた末路。
アホは風邪を引かないのではない。風邪を引いた事に気づかないのである。
迫ってくる銀共。
だがそこへ颯爽と現れる、華麗な仲間が1人――
「褌は己の心の如くまっさらな白であるべき。金や銀の褌などありえません」
マシュー・ゴールドマン(
jb5294)。
優雅な姿勢で、無数の褌共の前に立ちはだかる。
「しかし、銀の武器はF兵器とよく似ていますねぇ。誰が作ったんでしょうかねぇ……ああ、失礼。細かいことが気になってしまうのが私の悪いク・セ☆(ウインクばちーん)」
瞬間、マイケル諸共タコ殴りにされた。
などとアホな事をやっている間に金に統率された褌共が、意地を張って未だ生身のままな凛を襲う。
大ピンチ。
その時――
「右に避けろ。別に左でも構わぬが」
ヒュン ドスッ!
誰かの声がして、銀の眉間に投擲された杖が刺さる。
現れたのはギメ=ルサー=ダイ。
え、冒頭で死んだはずだって? そっくりさんだったんじゃないですかね(すっとぼけ
徐に詠唱を始めるギメ=ルサー。
――――――――身体は筋肉で出来ている。
血潮は汗で、心は笑顔。
幾度の舞台を越えて不敗。
ただの一度も泣かず、
ただの一度も理解されない。
彼の者は常に独り 筋肉の丘でポージングに酔う。
故に、生涯に意味は無く。
その体は、きっと筋肉で出来ていた。
「Unlimited Muscle Works.」
FUNDOSHI装着、モストマスキュラー。
刹那、辺り一帯に灼熱の褌力が走りぬけた。
それは自らの体を鍛えすぎ、羽根を失った漢の夢。
輝く舞台で人を魅了し、人を救う。
あまりに不遜な夢は、誰にも理解されることなく最期の時を迎えた。
最期のポージングは、モストマスキュラーであったと言う。
1人の天使が夢描いた筋肉の楽園が、世界を塗り潰す。(※現在、意思疎通によるイメージ映像でお送りしております)
金の前に立ち、サイドトライセップス。
「ゆくぞ褌王。布の貯蔵は充b――」
金の先制、天地乖離パンチドゴォ!
瞬 殺 。
天使ギメ=ルサー=ダイ、プロテインを抱いて溺死。
筋肉がやられたので、凛のピンチ変わらず。
観念した凛は、
「あ、貴方達のために穿くわけじゃないんですからね!」
翼で飛んでメイド服の裾をひらめかせ、悔しそうに恥じらいながらFUNDOSHI装着。溢れ出た褌力が光り輝き、魔法少女のように変身メイクアップ。
なんと6歳児の頃の姿――リーン――に。
左手にうさぬいを握り締めた金髪碧眼のツインテール幼女が、褌とキャミソール1枚で降臨。色々ギリギリ。
「ふ、ふぇ…ん! い、いじめるの、やーなの…!」
瞬間、泣き声が衝撃波となって、ビルごと白共を吹き飛ばした。
駄々をこねるように振り回したうさぬいから褌ビームを撒き散らし、右手から繰り出される猫球パンチが銀共を釘のように地面に叩き込む。
あかん、街が更地になる。
キュピィィンというSEと共に、幼女の気配を察知した映姫。
「これは…リーンちゃんが危ない! 私が助け…ぐへへへ助けないと!」
リーンの元へと駆けつけるその手には、カメラ。
あかん、倫理的に危ない。
「かわええなぁ…私のものにしたいなぁ…」
邪な気持ち150%でリーンの無差別攻撃を躱しながら、膝が歪な音を立て始めたのにも構わず残像と共にシャッター連打。
「ハァハァ…褌姿のリーンちゃん可愛すぎる…♪」
鼻血だぱぁ。
直後、映姫の膝がおかしな方向にメキョリ。動きが止まり、リーンのビームが両目を貫通。
「グハッァ…前が見えねえ…だがまだだ…やらせはせん! やらせはせんぞーー!!」
リーンの猫球パンチぼこぉ!
地面に首まで埋められる。
「幼女の責め…ご褒美です…」
映姫永眠。
悪は滅び幼女という宝は守られた、だが幼女がいる限り変態は滅びない。
明日、君の背後に変態はいるだろう…。
〜fin〜
いやまだ終わってねえし。
寝ぼけるな、と映姫の頭を囲んで蹴り回す褌共。
それを助けたのはリーン。
「悪い子は…めっ!なの」
白と銀をちぎっては投げ、ちぎっては投げ。そして勢いのまま一気に金の前に到ちゃk――とさぁ。
エネルギー切れ。
「ねむねむなの…おやすみなの…」
すやぁ。
幼女だからね仕方ないね。
その頃、袋叩きにされ続けていたマシュー。
「褌共…これ以上好きにさせるわけにはいきません!」
立ち上がり、FUNDOSHIを装着してビシリと右手を突き出す。
握り締めた拳を解き放ち、両腕を大きく振り回しながら、
「…変ッ…身…!」
――そのとき、ふしぎなことがおこった。
倒れていった仲間達のF兵器が彼の身体を覆い、オーバーロード。彼を力ある姿へと変貌させる。
クロスした両腕を高々と開き、建物の上へジャンプ。
着地と同時に褌共を振り返り、
「仮面ブレイカー…ブラァック!!」
漆黒の戦士、爆誕。
「皮肉なものですねぇ…私が黒い褌を纏うことになろうとは。ですが、不思議と悪い気分ではないのですよ。さあ、終幕といたしましょう!」
金を見下ろしながら言い放つ。
「ブレイカァァァ!」
高々と飛び上がり、
「キィィィッk――」
ヒュッ ドゴォ!
寸前、ジャンプ中のマシューを光速で殴り落とす金。
変身ヒーローの決め技を最後まで待たない。まさにチート。
次々と倒れていく撃退士達。
もはやこれまでかと思われたその時、
「遅れて申し訳ありません」
ビルの屋上に、樒 和紗(
jb6970)とリーゼが立っていた。
さらしにFUNDOSHI、祭法被を羽織って足袋に草履を履き、捻り鉢巻な格好に神輿を担いだ姿で。
「遅いと思ったら何を…って、Σヤバイ! そのアングルはヤバイから!?」
仰ぎ見たジェンティアンが「いやあぁぁ!?」と叫ぶ。
法被でギリ見えない安心設計。但しチラ尻はあるかも!
ビル壁面を垂直に駆け下りてくる和紗とリーゼと神輿。
「わっしょい!(キリッ」
「わ、わっしょい……(ごふっ」
おや? リーゼが既に死にそうだが?
もしかして:キャライメージが耐えられない
見かねたジェンティアンがそっと白短パンを差し出す。
「2人共嫁(←)入り前なんだから、これ着なさい…」
祭法被なら白短パンも正装でしょ、と。
(…何か拙かったのでしょうか)
和紗は首を傾げながら、FUNDOSHIの上から短パンごそごそ。
同じくリーゼも短パン着用。途端、
「負ける気がしないな」
急に元気。
その時、数体の銀が飛び掛ってきた。
だがFUNDOSHIでブーストした3人の前では、もはや脅威に非ず。
ジェンティアンがコメットを撒き散らし、動きが鈍ったところを和紗とリーゼが神輿で殴打。
「武器(神輿)の扱いならば、人類に1日の長があります」
「いや、神輿で戦う長はないと思う…」
はとこのツッコミなど何処吹く風か、2人は褌共を神輿で轢き逃げ。
「「わっしょい!(キリッ」」
だが褌共も、金の指揮を受けてすぐに陣形を立て直してくる。
やはり、褌共には意志がある。
それを確信した華子は、胸の前で手を組んで呟いた。
「思いはきっと届く……」
過去に褌共との戦いで最愛の人を失い、その最愛の人が願っていた『全ての種族との共存共栄』という夢を胸に。
意を決して突撃華子。
一直線に金へと向かう彼女の前に、無数の白や銀が立ちはだかるが――
「邪魔はさせないよ?」
ジェンティアン達が、華子の進む道をこじ開ける。
不意に、積み上がった褌共の骸の陰から銀が飛び出してきた。
咄嗟にドロップティアーズでシールド防御する和紗。間髪容れず、ジェンティアンがF札で迎撃。しかし――
「リーゼを組敷いた褌はその手を彼の褌に伸ばすがそれを弾く魔法弾と駆け寄る竜胆『僕の物に手を出すな』そっと助け起こし見つめ合う2人やがて顔が近づk(ry」
おや? 和紗の様子が。
\ホモォ……/
新世界の呟きを発する落涙剣。
いかん、取り込まれる。
「Σやめて!?」
ジェンティアンが剣ぺしぃ。
我に返る和紗。
「俺は何を?」
「汚された…(涙」
「……(ごふっ」
蹲って膝を抱えるジェンティアンと、吐血するリーゼ。
戦闘継続不能。
一方、金の元へと辿り着いた華子。
だがその力量差に為す術もなく膝を折る。
やはり使うしかないのか。
身を切るような思いで、FUNDOSHIを装着華子。
刹那、噴き上がった彼女の褌力が金の意識と共鳴現象を引き起こした(ような気がした)。
そして、彼女は気づく。
「まさか…あの人なの!?」
金の正体。それは、死んだハズの彼が軍に改造された姿。
金を抱きしめながら涙する華子。
いや気のせいじゃないですかね? 金、めっちゃ嫌がってますけど。
ジタバタ暴れる金をメキィと締め上げ…もとい抱きしめる華子の涙が、荒れた大地に落ちる。
瞬間、褌力が世界を包んだ。
亜光速で圏外へと飛び出していく華子と金。
眩い光が晴れた後、空には巨大なハートマークの刻まれた月が浮かんでいた。
「これからですよ。褌が全滅したわけではない」
月を見上げながら呟いたのは、マシュー。
生きていたのかブラック。
「そう、私達の戦いはこれからです!」
生き残った戦士達に、どうか一時の休息があらん事を――……
●円卓
「1人で複数のFUNDOSHIを装着したらどうなるか興味があったが……」
「ともあれ、褌共もパワードスーツも改良の余地多々ですな」
その時、轟音と共に部屋の壁に穴が開く。現れたのは、なんと褌共を引き連れた黄金マイケル。
笑顔で白目を剥いたまま。
「ヒトのライフを弄ぶ悪投は成敗DEATH☆」
突き抜けたアホは、自分が死んだ事にも気づかない!
「衛兵はどうした!? おい衛――」
――その日、数名の連合軍幹部が消えた事を、人々はまだ知らない。