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マスター:三咲 都李
シナリオ形態:ショート
難易度:易しい
参加人数:6人
サポート:1人
リプレイ完成日時:2012/11/19


みんなの思い出



オープニング

●中島・好奇心
「センセー!センセー!」
 放課後の廊下を容赦なく走ってくる足音。けたたましいサイレンの如く叫び続ける。
 声だけで誰かは察知できた。
「センセー!」
 バンッと勢いよく走ってきたのは担当クラスの生徒である中島 雪哉(jz0080)である。
「廊下は走るな!大声で叫ぶな!」
「はーい!で、センセー!これ見てください、これ!!」
 まるで話を聞いていないかのように、中島が取り出したのは飲料のラムネである。
「…これがどうかしたのか?」
 先生がそう聞くと、中島はキラキラとした目でラムネ瓶を差し出しながらはっきりと言った。
「文化祭の出店に売ってたんです。なんか面白い形だったので買ってみたんですけど、開け方がさっぱりわかりません! 教えてください」
「…開け方くらい書いてあるからちゃんと読め!」
 先生は中島を怒りつつ、タオルを取り出してその上にラムネの瓶を置いた。
「ここのこれをはずして、これをここにおいてこうやって…押す!」
 なにやら付属していた部品をはずして、瓶を上から押すとからんっと音がしてぶわっとラムネが溢れ出る。
「うわあ!ありがとうございます!…ん?何で『からん』??」
 泡がおさまるのを待って、中島はラムネの瓶を覗き込む。するとそこにはガラスで出来た丸っこい玉が入っていた。
「先生、この玉なんですか?」
 んぐんぐとラムネを飲みながら、中島は質問する。
「ん?ビー玉を知らんのか?」
 最近のラムネは口がプラスチックで出来ており、飲み終わったものを取り出すことは簡単だ。
 コロンと転がり出たビー玉に、中島は「おぉ!」と目を輝かせた。
「昔はこれでよく遊んだりしたもんだが…これがジェネレーションギャップか」
 先生は苦笑いして、少しだけ昔の話を始めた。

●先生・懐古のビー玉遊び
 俺が良くやったのは『数当て』遊びだ。
 友達2人くらいから何人でも遊べる。
 ビー玉を…まぁ適当な数、人数分に分ける。
 で、ビー玉を他の人間に知られないように手で握って場に出す。他のヤツも同じようにする。
 全員が握ったビー玉の数を推測して当たったヤツはそのビー玉を貰う…それだけのゲームだ。

「へぇ。これでそんな遊びできるんだぁ…」
「駆け引きがなかなか面白くてな。手を膨らませて握ってたヤツが実は1つしか持ってなかった…ということもある」
「うわぁ、面白そう!先生、それ文化祭でやりましょう!」
「…え?」
 中島がランランとした目でこちらを見ている。…嫌な予感がする。

「ボク、文化祭回るのも楽しけど、出店側にも回ってみたかたんだぁ!…もしかしたらこれでまた友だち増えるかな?先生、遊び方教えてくださいね。あ、景品とか用意してくれるとボク嬉しいなぁ〜♪」

 よくわからないが…先生は墓穴を掘った気がした。
 かくて再び、中島はポスターを文化祭真っ只中の学園入り口にデカデカと貼り出した。

『求む!ビー玉遊び参加者!
 みんなで遊ぼう、昔なつかしビー玉遊び
 やり方は簡単。好きな数だけビー玉を握って全員の手の中のビー玉の数を当てるだけ!
 予想が近かった人が勝ちの3回勝負だよ
 ボクと遊ぼう!』 


リプレイ本文

●文化祭の一角で
 教室の黒板にはチョークで遊び方の説明が書かれ、黒板の前のテーブルにたくさんのビー玉が箱に入れられて置かれている。
「ビー玉、綺麗で良いよね。俺の姪っ子も大好きだよ。この水色のビー玉とか、綺麗で良いねー」
 鈴木悠司(ja0226)はひとつビー玉を取って、日に当てて見た。キラキラした光がとても綺麗だ。
 千葉 真一(ja0070)はその隣からその箱を覗き込む。
「ビー玉見るのも久しぶりだぜ。…実はこの遊びは初めてなんで、お手柔らかにな」
 そう言ってニッと笑った千葉に鈴木もほんわかと笑った。
「実は僕もなんだよ。ビー玉は勿論知ってるけど、これでゲームが出来るのは知らなかった!」
「1人5個ずつ持ってくださいね。あ、黒板読んでおいてくれると助かります!」
 椅子を並べていた首謀者…もとい、主催者中島 雪哉(jz0080)がそう言った。
「雪哉姉様、お久しぶりなの。愛ちゃんと一緒に楽しむの!」
「わぁ!愛奈ちゃん、来てくれてありがとう!」
 手を振りながら教室に入ってきた周愛奈(ja9363)に中島は嬉しそうに笑った。
「君も来たのか…お手柔らかに頼むよ」
「智美姉様!愛ちゃんこそよろしくなの!」
 礼野 智美(ja3600)は優しく周に微笑むと、黒板の説明書きを見た。
 へー、懐かしい遊びしてるよなぁ…俺はやった事なかったけど。結構難しいかも…でも楽しそうだな。
 そんな軽い気持ちで教室まで足を運んだのは、実は礼野だけではなかった。
 説明書きを見つめる相馬 カズヤ(jb0924)は、『ゲーム』の字だけを見てここに来た。
 カードゲームに夢中の相馬にとってビー玉遊びは未知の領域。
 でもこれもゲームなんだろ?なんか、ゲーマーの血が騒ぐ。
 密かな闘志が見て取れる。
 或瀬院 由真(ja1687)はこそっと教室を覗いた後、そそっと静かに教室に入った。
「あー、なんか懐かしいですね。たまには、こういうシンプルな遊びもいいものです」
 巫女装束の或瀬院はにこにこ、そわそわしている。
「よし。じゃ人数も結構集まったみたいだし、何人かずつに分かれてやるか」
 先生がそう言って人数を数えると8人組を作るのが妥当だと判断した。
「3回勝負か……勘も勝負の内ってとこか」
 千葉が席に着く。続いて相馬もその隣へと席に着く。
「じゃ、皆で楽しく、真剣に行こー!」
 にこにこ笑顔で鈴木が席に着くと、周も「面白そうなゲームなの! 愛ちゃんも挑戦するの!」と元気よく席に着いた。
「お隣、よろしいですか?」
「どうぞ、どうぞ」
「じゃあボクもー!」
 鈴木の隣に或瀬院が座り、中島も着席する。
 礼野はそっと先生に荷物を差し出した。
「? どうした?」
「いえ、噂で景品を先生が買っていると聞いたので…まぁ、本人に悪気はないんでしょうけど…良かったら景品の足しにして下さい」
 ちらりと振り返ると中島はどこ吹く風でみんなと談笑している。
「…すまんな。ありがたくもらっておくよ」
「いえ、お役にたてば光栄です」
 中身はアンパン、カロリーブロック、チョコレートバー…先生は礼野に深く感謝した。

 礼野はビー玉の握り具合を確かめる。ビー玉は意外とかさばるものだ。
「…お手々が小さいから、愛ちゃんにはちょっと不利なの。だから、当てる方で頑張るの!」
 周もビー玉を握りながら、張り切っている。
「やるからには勝ちたいよな!」
 相馬もやる気十分だ。
「これを機会に皆と仲良くできると良いな♪」
 にこにこと笑顔を崩さずにいう鈴木も、それはそれ、これはこれ。と思うのである。
「おし、そんじゃいっちょやりますか!」
 千葉の声をスタートの合図にゲームは始まった。


●第1回戦
「まぁ、最初だから説明も交えてやってみようか」
 先生の言葉にふむふむとみんなが頷いた。
「まずは配ったビー玉を好きなだけ握る。そしてその手を前に出す。この時、中身を教えたり、見えないように注意だな」
 中島は頷きながらおもむろに4つビー玉をつかんでその場に出す。
「…今のは完全悪い例だな。手の内見せてどうする、中島」
「え!? 今のじゃダメなんですか?」
 或瀬院は巫女装束の袂にビー玉を入れ、スッと手を差し出す。なんとも速い動きで判断がしづらい。
「悩んでいても仕方がないですし。ぱっと出しちゃいますねっ」
「うん、あれがいい例」
「なるほど」
 相馬がにやにやとしながら、さっと手を出す。
「さーて、ビー玉はいくつでしょー?」
「…わからない…みんな初めて…なんだよね?」
 中島が困惑顔で尋ねると或瀬院は「はい」と微笑む。
「よし、じゃーボクも!」
 或瀬院の言葉に後押しされたように中島も見えないようにビー玉を掴んで出した。
 千葉は…考えていた。彼はヒーローを目指す男。どんな些細なことも見逃さない、正義のヒーロー。
 この力が、もしかしたら役に立つかもしれない!
 千葉は礼野を観察した。
 礼野はスマートな手つきで悩んだ風もなく、毅然たる面持ちでビー玉を握っている。
 …3個…いや、4個…?
 悩んでいた千葉とその視線に気づいた礼野の目があった。
「どうかしたのか?」
「い、いや。なんでもない」
 笑顔でそう言った千葉に「?」と首をかしげながら、礼野は姿勢を正した。
 千葉は知らなかった。礼野もまた、些細なことを見抜く力を持っているということに…。
「愛ちゃんも〜!これで!」
 ギュッと出された小さな手。果たしてその中にはいくつあるのか?
「じゃあ、俺はこれでいこうかな」
 にこにこと笑顔を崩さない鈴木の手の内は読みにくい。
「よし、これで俺が出せば…すべてが出揃ったわけだな。では、それぞれ予想を発表してもらおうか」
「んー。では、最初は中程を狙わせて頂きますね? 21で」
 或瀬院は微笑みで言う。
「愛ちゃんは20なの。この間『平均』という考え方を習ったの。ばらばらの数でも全部足して人数で割ったら、ちょうど真ん中の数になるはずだと思ったの!」
「へ、平均!? えっと…じゃあボクは22で!」
 年下の周のしっかり勉強している感に焦る中島はなぜか平均値より上を言った。完全に焦っている。
「俺は15で」
 鈴木はやっぱりニコニコと笑っている。
「じゃ〜ボクは14だな。♪〜」
「俺は21にしよう」
 鼻歌交じりにニヤニヤしながら相馬は答え、そのあとに礼野も続いて答えた。
「よし、18で勝負だ!」
「俺で最後だな。…俺も千葉と18で。それではみんな手を開いて数えるぞ」
 一斉に手を開くと…

 千葉0個、鈴木5個、或瀬院3個、礼野2個、周0個、相馬3個、中島1個、先生1個。
 
「合計、15個だな」
「惜しいっ」
 千葉は自分の予想が少なかったことを軽く悔しそうに呟いた。
「1回目の勝負は1位、鈴木のぴったり15。2位は相馬の14。3位は…俺と千葉の18か」
「あれ!? 俺当たっちゃいました!?」
 鈴木は目をぱちくりと驚いた顔で微笑む。この笑顔、なかなかの曲者である。
「これでポイントを付けていくんですね。…こんな感じでよいでしょうか?」
 黒板の隅っこに小さく名前と『正』の字を書いた或瀬院に「あぁ、ありがとう」と先生は礼を言った。
 鈴木3 相馬2 先生1 千葉1
「大体の流れはつかめたか?」
「OKだよ。次は負けない!」
 相馬はにやりと不敵な笑み浮かべる。
「やっぱり握り方が勝負を決めるのか…」
 礼野は再びビー玉の握り具合とその時の手の大きさを眺める。まさか0個が2人もいたとは…。
「先生もなかなか大人げなくって良いね。ま、俺も人の事言えない歳な気もするけどね〜」
 笑顔で鈴木がそういうと先生はにやりと笑った。
「大人だって遊ぶときは遊ぶさ。手を抜いて遊んだって楽しくないだろ?」
 
「じゃー、2回戦始めるなの!」
 周が今度は負けないぞ!という意気込みで、次のゲームの始まりを告げた。


●第2回戦
 2回目はすんなり、みんな場にビー玉を出す。
 手の大きさはそれぞれだが、膨らんでいたりしっかりと握られていたり。
「わかったと思ったらその場で予想を出してくれて構わない」
 先生の声に、或瀬院が楚々とした声で言う。
「今回は、前回の逆と見ました。25くらいではないですか?」
 或瀬院の手は先ほどと変わらないように見える。
 千葉がそんな或瀬院の言葉に大きく頷く。
「俺も1回目の15より大きくなると思う…ってことで25だ!」
 こちらも手が大きく見えるのは…気のせいか?
「あちゃー、みんな多そうだけどこの数でいいかなあ? …11」
 ニヤニヤしながら相馬は自分の手とみんなの手と表情を見比べる。相馬の手もやや大目に握られているように見える。
「う〜…悩むけど…18でお願いします!」
 中島、どうやらみんなの予想の中間の数を取ったようだ。
「まぁ、数字の神様は気紛れだし…俺は15にしようかな」
 にこにこと笑顔の鈴木。その手は大きいのか小さいのか、その笑顔のように読み取れない。
 礼野は何やら考えていたようだったが、所詮41パターン。しかし相手の感情は確率では測れない。
「…19にしよう」
 礼野の手は先ほどと変わらない程度の大きさに見える。
「愛ちゃんは…15なの!」
 にっこり笑顔で屈託なく周は宣言した。
「よし、じゃあ俺は14だ。じゃあ手を開けてくれ」
 最後に先生が予想を出すと、それぞれは手を開いた。

 千葉1個、鈴木5個、或瀬院3個、礼野1個、周1個、相馬0個、中島5個、先生2個。
 
 合計18個。
「あら……また3になっちゃいました」
 或瀬院は自分でもびっくりなのか、少し驚いたような表情をした。
「やるなぁ。思いっきり読みを外されたぜ」
 予想外に数字が少なかったことに、千葉はちょっとだけ顔をしかめた。
 黒板にまた名前と正の字が書き加えられる。
 中島3 礼野2 周1 千葉2 鈴木4 相馬2 先生1
「中島が1位、礼野が2位、鈴木と周が3位…と」
「今回は中島さんが1位か、おめでとう!…あれ、俺また近かったのか」
 鈴木は笑顔で意外そうに驚いた。
「鈴木さん、勘がいいのか? 俺は少なすぎたぜ…次は本気出す!」
「次は最終戦だ。精一杯やるといい」
 気合いを入れる相馬に礼野はこくりと頷く。
「愛ちゃんも頑張る!兄様や姉様に追いつくの!」
「うん、愛奈ちゃんも頑張ろう!ボクも頑張る!」
 周と中島はともに最終戦への思いをぶつける。
 
「それでは、最終戦を開始する!」
 

●第3回戦
 或瀬院は3度目も巫女装束の中でビー玉を握ってぱっと場に出す。適度なふくらみはフェイクか否か?
 鈴木は終始笑顔で、青年らしい大きな手のうちはさっぱりわからない。
 礼野は冷静な顔でスッと拳を突き出す。多く持っているように見えて…実は…?
 相馬もニヤニヤとした笑顔で、子供らしい手は膨らんでいるようにも見えるが…?
 中島は自分の手を何度も見つめながら、手を差し出す。その不安げな表情は何を示すのか?
 千葉はギュッと握った拳を突き出す。ここで、起死回生を狙えるのか!?
 周はぱっちりした瞳で全員をまっすぐに見据えながら、にこっと笑う。その笑顔が眩しくて手の内がわからない。
 先生は大人の余裕の微笑みで、場に手を出した。

「相馬は、余裕ありそうだな。実は少なく持ってるのか?」
「さあ? ボクはそういうの、わかんないからなー。千葉君はなんか…力入ってそうだよね。もしかして…3より下?」
「……(読まれた、だと)……」
 ざわざわと漫画なら背景に描かれそうなほど心落ち着かぬ千葉と相馬の火花飛ぶ駆け引き。
「みんな楽しいんだね。俺も楽しいけど」
 鈴木は笑顔でそれを見守る。
「け、喧嘩? これは喧嘩じゃないですか?」
 1人中島はハラハラしているが、礼野と或瀬院が「大丈夫」と声をかけた。
「ちょっとお互いに探り合ってるだけだ。お前がオロオロすることじゃないよ」
「気になるのはわかりますけど、喧嘩じゃないですから。安心してください」
「そ、そうなんですか…」
 ほっとしたように中島は緊張した表情を緩めた。
「さて、そろそろ予想を言ってくれよ?」
 先生に促され、それぞれ予想を出す。
「俺は、21!平均的にいく!」
「俺も21で。当たるかな〜? 当たらないかな〜?」
「むむむ。ならば、次は25を選びますねっ」
「18」
「愛ちゃんも18なの!」
「ん〜…11だな」
「ボクは…ボクも25で」
「俺は17だな。それじゃ開けるぞ」
 一斉に開いた掌の中のビー玉は…

 千葉2個、鈴木4個、或瀬院3個、礼野3個、周2個、相馬1個、中島5個、先生1個。

 合計21個。
「千葉と鈴木が1位…礼野と周が2位、3位が或瀬院と中島と俺…と」
「よっしゃ、来た!」
 ついに大当たりである!千葉、ガッツポーズ!!
 黒板に結果が書き足される。
 総計:鈴木7 千葉5 中島4 礼野3 周3 相馬2 先生2 或瀬院1

 かくて、1位・鈴木。2位・千葉。3位・中島…だが主催者なので繰り上げで礼野と周が輝いたのであった。


●戦い終わって…
「案外楽しかったぜ!」
 千葉はそういうとにかっと笑った。
「何度もやればある程度読めてきそうだけど、さすがに3回だと難しいな」
「むむ、負けちゃいましたか。ちょっと残念です…でもシンプルイズベストとは良く言ったものですね。楽しかったです!」
 或瀬院はにっこりと笑い、深々と礼をした。
「楽しかったし…ラムネ買おっかな。ビー玉も、ラムネも懐かしいし、遊んでたら欲しくなっちゃた」
 鈴木がそういうと、先生は用意しておいたラムネを取り出した。
「参加賞だ。1人1本ずつ持っていってくれ。あと、入賞者は景品を用意した。礼野からの差し入れも混ざっている」
 先生はそういうとラムネを渡して歩いた。
「おはじきとかビー玉とか、綺麗なものは妹が集めていたけど…そうか、なかなか面白かったのかもな」
 故郷の記憶は男の子たちと野山を駆け巡っていたことが思い出され、縁のないものだと思っていたが…礼野は少しだけ微笑んだ。
「楽しかったの!またいつか遊びたいの!」
「ボクも楽しかったよ!また遊ぼうね!!」
 周と中島はワイワイとおしゃべりしている。
「中島!」
 そう呼ばれて中島が振り返ると、ラムネを持った相馬が立っていた。
「また後で来るから、その時はラムネかけて勝負しようぜ!…女子に負けたままなの、ちょっとかっこわりーからな…」
 照れくさそうに、相馬が勝負を挑む。
「うん!受けてたつよ!」
「約束だからな!」
 相馬はそういうと、廊下を走っていった。
「仲良くなれたみたいでよかったですね。…頭を使ったので、少し疲れちゃいました。どこか、甘いものでも食べにいきませんか?」
 文化祭のパンフレットを広げた或瀬院の言葉に中島は頷く。
「先生!ボク、先輩と甘いもの食べに行ってきまーす!」

「おー…って!お前、ここを俺一人にやらせる気か!? お前が言いだしっぺな……」
 先生の悲しき主張は、風のように消えた中島には届かなかった。


依頼結果

依頼成功度:成功
MVP: −
重体: −
面白かった!:5人

天拳絶闘ゴウライガ・
千葉 真一(ja0070)

大学部4年3組 男 阿修羅
撃退士・
鈴木悠司(ja0226)

大学部9年3組 男 阿修羅
揺るがぬ護壁・
橘 由真(ja1687)

大学部7年148組 女 ディバインナイト
凛刃の戦巫女・
礼野 智美(ja3600)

大学部2年7組 女 阿修羅
ウェンランと一緒(夢)・
周 愛奈(ja9363)

中等部1年6組 女 ダアト
未来につなぐ左手・
相馬 カズヤ(jb0924)

中等部3年5組 男 バハムートテイマー