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マスター:マメ柴ヤマト
シナリオ形態:イベント
難易度:易しい
参加人数:25人
サポート:2人
リプレイ完成日時:2013/08/23


みんなの思い出



オープニング


「ここが久遠ヶ原……」
 フェリーを降りたキーヨは、目深までかぶったフード越しにあたりを見まわした。
 第一印象は、普通の都市とあまり変わらないように思える。
 普通に商店街があり、カフェなども立ち並んでいる。
 バスや車は少ないようにも思えるが、小規模な地方都市と考えればこんなものだろう。
 街並みを眺め、自分がここへ来るに至った経緯を思い返してみた。

「キーヨ。久遠ヶ原へ行ってこい」
 ヴァナルガンドがそう言ったのは、数日前のことだ。
「はい。……え?」
 いつものように恭しく頭を垂れてから、自分の耳を疑って思わず聞き返した。
「お前は、まだヴァニタスとして人間に面が割れてない。それどころか、一部の人間には同じ撃退士だと思われている」
「はい……」
 返事をしながら、このあいだ成り行きで助けてしまった撃退士の少女の顔が頭をよぎる。
 たしか、高峰真奈とかいったか。
「あの……僕は何をしに行けば良いのでしょうか?」
「人間に寝返ったやつらの様子を見てくれば良い」
 前回、はぐれ悪魔をみてあからさまに不快感を露にしていたヴァナルガンドの様子を思い出した。
「それだけ……ですか?」
「ああ、とりあえずはそれだけで良い」

 少しため息をつくキーヨ。
 気が重い。
 久遠ヶ原島へ来たは良いが、あまりにも当てが無さすぎる。
「とりあえず……散策してみようか」
 ここで立ち尽くしていても始まらないので、キーヨは島内をすこし歩き回ってみることにした。
 島内にあるショップで働いている人たちは、どうやら一般人のようにみえる。
 あちこちに久遠ヶ原学園の制服を着用した生徒が居なければ、ここが撃退士たちの本拠地であるということを忘れそうになるほど、ここは平穏だった。
「少し……拍子抜けだな」
 学園の制服姿の撃退士に混じって、ちらほらと目に付くのが浴衣を着ている人間たち。
 今日は何かのお祭りなのだろうか。
 行き交う人の中には、明らかに天使や悪魔だと思われる者たちの姿も見うけられる。
「意外と馴染んでいるんだな」
 行動にぎこちなさが残る天魔も居るようだが、かなり撃退士たちの中に溶け込めているようだ。
 あえて人の流れに反って歩いていると、突然聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「あああぁぁあ!!」
「!?」
 声の方に視線を向けると、そこに居たのは浴衣姿の高峰。
 逃げるかシラをきるか迷っているうちに高峰が駆け寄ってきて、目深までかぶったフードを覗き込んできた。
「やっぱりタク君だ!」
「や、やぁ……」
 この娘の前だと、どうにも調子が狂う。
「いつ久遠ヶ原に来たの?」
「ちょ、ちょっと前かな……」
 とりあえず返事はぼかす。
「今は何をしていたの?」
「まだ島に不慣れだから、ちょっと散策してみようと思って……」
「ふぅ〜ん」
 頭の上から足の先まで、まるで嘗め回すように見る高峰。
 もしかしたらバレたのではないかと、キーヨの額から冷や汗が流れた。
「……メイド服とか似合いそう」
「……は?」
「うぅん、なんでも無いよ。あはは……」
 そんな事は無かったようだ。
「ねぇ、そんな事よりもタク君はお祭り行かないの?」
「いや、僕は特に知り合いが居るわけでもないし……」
「なら、一緒に行こうよ」
 真奈はキーヨの腕に手をまわし、半ば強引に誘う。
「あ、ちょっと……」
「良いから良いから!」
 あまり良くは無いのだが、済し崩すようなかたちで盆祭り会場へと連れて行かれることになった。
「木を隠すなら森……か」
「え? 何か言った?」
「いや、何でもないよ」
 案外、人ごみに紛れたほうが色々と都合が良いのかもしれない。
 こうなれば、もう腹をくくることにしたキーヨだった。


リプレイ本文


 道路沿いを男物の浴衣をセクシーに着崩した美少女――ではなく犬乃 さんぽ(ja1272)が、長い金髪を振り乱しながらお祭り会場とは逆の方角に向かって走っている。
 右肩をあらわにし、胸元はサラシで隠した姿は、すれ違う男性たちを思わず振り返らせていた。
 彼が向かっているのは高峰が暮らす女子寮。
 ――今日こそ真奈ちゃんにボクの想いを……。
 高峰を夏祭りに誘い、精一杯の勇気を振り絞って今まで募らせてきた彼女への想いを打ち明けようと決意したのだ。
 そこで犬乃は目撃してしまう。
 自分が知らない他の男の子と一緒に歩いている高峰の姿を。
 フードのせいで相手の表情は読み取れないが、浴衣姿の高峰はその男の子と何やら親しげに会話しながら歩いているように見えた。
「そ……そんなぁ……」
 脳天に隕石でも落ちてきたような衝撃を受けた犬乃は、思わずその場でがっくりと膝をついてうな垂れる。
 状況から推測するに、高峰は元々あの男の子と約束していたのだろう。
 すっかりと意気消沈してしまった犬乃は寮に戻ろうかとも思ったが、傷心を少しでも紛らせる目的でとぼとぼとお祭り会場へ向かうことにした。

 お祭り会場は、多くの撃退士たちで賑わっていた。
 祭りを楽しんでいるのは人間ばかりではない。人類側に寝返って撃退士となった天使や悪魔の姿も多く見られる。
「へェェ……面白ェ服だなこりゃ」
 ラウール・ペンドルミン(jb3166)は、初めて着る『浴衣』という衣装に興味津々だ。
「けどあれだな、こう、足元スカスカすんだな?」
 いつも着ているものと違って、どうにも足元が落ち着かない。
 そこへ浴衣姿のツェツィーリア・エデルトルート(ja7717)が現れた。
「あらぁ……いい感じねぇ」
 それがラウールの浴衣姿のことなのか、祭りの風情のことなのか、ツェツィーリアは柔らかい笑みを浮かべている。
「おー。すげェ。いつもとはまた違うじゃねェか。青が映えるよな」
 現れた待ち人の姿に、感嘆の声を上げるラウール。
「ありがとう」
 不器用な誉め言葉だが、ラウールが本心から言っていることを感じ取り、ツェツィーリアは素直に微笑みをかえした。
 そこへ偶然通りかかった老紳士ヘルマン・S・ウォルター(jb5517)。
「おお……なんとも楽しげでございますな」
「うぉ!? じーさんこっち来てたのかよ!?」
 突然現れた顔見知りに動揺するラウール。
「ふふ。少々興味を惹かれましたのでね。ラウールも元気そうですな」
 微笑むヘルマンは、まるで孫を見ているような眼差しをラウールに向けた。
 対してラウールは、はぐれになる前の悪行三昧を目の前の女性にバラされないかと戦々恐々だ。
「こんばんは、ですわ♪」
「そんな事より――」
 ヘルマンの手がスッと動き、
「身嗜みは常に整えられるよう知識を所得なさいませ。あって無駄にはなりませぬぞ」
 ラウールの着こなしに手を加える。
 ピシッとした着こなしの中に、ちょっとした着崩しの遊び心を加えたラウールの風体に合ったスタイルへと変わる。
「慣れていらっしゃるのね」
「年の功でございます」
 そう言いながらツェツィーリアの浴衣もさり気なくなおす。
「大変お美しゅうございますぞ」
 目を細めるヘルマンの眼差しは、やはり孫をみるそれだった。

『お祭りテラ楽しみなう( ´∀`)』
 歩きながらスマートフォンで呟きを書き込んだルーガ・スレイアー(jb2600)。
 見た目はどこからどう見ても悪魔だが、巧みにスマートフォンを使いこなしているあたり、行動はかなり人間じみてきている。
 人間界のお祭りというのがどのようなものか知らないが、周りの人間たちの浮かれようをみればすこぶる楽しいことなのだろうということが窺い知れる。
 ルーガは胸を躍らせながら自身のスマートフォンに流れてくるフォロワたちからのリツイートに反応をかえした。
 グラルス・ガリアクルーズ(ja0505)もまた、同じように胸を高鳴らせている。
 イギリスで生まれ育ったグラルス。
 異国の地の風習に触れるのがとても楽しい。
 縁日で買ったわたあめを左手に、右手でコルクの弾が詰まった射的用ライフルを構えている。
「この時期にこういうお祭りとかがあるから、こっちはイギリスより楽しめるんだよね」
 台詞といっしょに撃ったコルク弾はヤギの人形に当たった。
 だが、人形はぐらりと一瞬揺らいだだけで、景品棚に鎮座しつづけている。
 ただ当てるだけではなく、弾の当たる位置や角度も計算しなければならないとは、なんとも奥の深いゲームなのかと感心するグラルスだった。

「っしゃ、縁日回り、楽しむぜー!」
 気合い満点の虎落 九朗(jb0008)。
 焼きそば、おでん、チキンステーキと縁日をはしごし始める。
 縁日で買ったメニューを豪快に食し、次々と胃袋へ流し込んだ虎落が次に目をつけたのは、盆踊り会場だった。
「やっぱ、盆踊りにきたからには踊らにゃ損々、ってな」
 虎落は祭囃子に誘われるように、踊りの輪の中に入っていった。
 その輪の中にゴンザレス 斉藤(jb5017)はいた。
「これが盆踊りか……実に興味深いな」
 最初は輪の外から踊り方を観察していたゴンザレス。踊りの流れをだいたい把握するとすぐに輪の中へと混ざった。
 だが、実際に踊ってみるとこれが中々難しい。
「『踊』という字には足が入っている。故に足運びが大事だな、中々に面白い」
 自分の中でそう解釈したゴンザレスは、とにかく足運びに気をつけて踊った。
 故に上半身の動きが厳かになっている。
 結果、どういうわけか何故かロボットダンスのようなカクカクとした歪な踊りになってしまった。
 だが、それはそれで周囲の注目と歓声を浴びる結果となったことを付け加えておこう。

 祭りの賑やかさに誘われて、水無月 ヒロ(jb5185)がお祭り会場を散歩している。
 そこでとぼとぼと俯いて歩く犬乃を発見した。
「う? さんぽセンパイ、どうしたんですか?」
「あ、水無月くん……」
 犬乃は半分泣きそうな顔で事情を説明する。
「わかりました。ボクに任せてください!」
 事情を聞いた水無月は、自分の胸をドンと叩いて力強く言った。
「その男の子を男の娘に仕立て上げれば良いんですね!」
「え……!? 違っ」
 わたわたと慌てる犬乃。
 だが、水無月は犬乃の言葉をみなまで聞かずに走り去ってしまった。

「わーいわーい、きんぎょ? すくえないぞーなまいきだぞー」
 はしゃぐルーガの横で、真剣な眼差しをしている男がいる。
「杏子、見てろよ。次こそは絶対に取ってやるからな!」
 祐里・イェーガー(ja0120)はそっとポイを水につけ、本日10度目の掬い上げを敢行した。
 ポイは金魚をしっかりとらえるが、水面へ浮上する直前で破れてしまう。
「あー、くそっ! もう1回! 次こそは……っ!」
「もう良いって……兄貴、ちょっと持ってて」
 杏子 イェーガー(ja0736)は、ラムネと食べかけのチョコバナナを祐里に渡すと、縁日のオヤジにお金を払って新しいポイを受けとる。
「こういうのはな、コツが要るんだよ」
 杏子の目は真剣そのもの。まずポイを斜めにそっと一気に水に漬けた。
「杏子、そのデカいの!」
「甘ぇな、兄貴は。それは罠なんだぜ?」
 杏子は決して金魚を追いかけることはなく、水槽の縁に近い比較的金魚が多く泳いでいる場所でひたすら獲物を待ち構えた。
 そして、獲物がポイ上までやってきても焦ることはなく、金魚の頭から捉える。
「引き上げるときにもコツがあるのさ」
 水に入れたときと同様、ポイを斜めに少しずつ引き上げる杏子。
 水面まで引き上げたところですかさず金魚をお椀に入れた。
「どうだ」
 杏子は、まだ破れていないポイを自慢げに見せる。
 己の不甲斐なさに落胆する兄の額にある傷が気になった。
「兄貴、その顔のやけどの跡消えねぇよな……」
「高位の天使に喰らった電撃だ。そう簡単に癒えないさ」
 祐里は情けない顔で苦笑いを浮かべ、ラムネを口にしながらバツが悪そうに周囲に視線を漂わせる。
 周囲には、祭りを楽しんでいる堕天使やはぐれ悪魔たちの姿がちらほら見受けられた。
「天使とも悪魔ともわかり合えるとか、理想でしかないとは解っていてもなしえたい……。杏子には迷惑なだけだよな」
「杏子は、そんな青臭いところ嫌いじゃ無いよ」
 ふっと小さく笑ったあと、杏子は兄をキッと睨みつける。
「でも犬死になんか許さないから」
 祭りのせいか、いつもは喧嘩ばかりしている兄がとても愛しく感じられた。
 この義兄を決して失いたくないという感情が、杏子の語気を強くする。
 わかってるよと杏子の頭を撫でる祐里。
 ほんの少しだけ、兄妹の絆を深められた気がした夏の夕暮れ時だった。

「姉様はやく!」
 礼野 静(ja0418)の手を引いてはしゃいでいるのは、妹の礼野 真夢紀(jb1438)だった。
 浴衣を姉に着付けてもらい、髪型も浴衣に合わせてポニーテールに結ってもらっている。
「ほら、あんまりはしゃぐと転んじゃうから……」
 下駄をからころ鳴らして、必死についていく静。
 嬉しそうな妹の姿を見るとつい顔がほころんでしまう。
 半ば強引に連れ出されたかたちではあるが、きっと身体が弱い自分のことを気遣ってのことなのだろう。そう思うと胸が温かい気持ちで満たされてくる。
 幸い、今日は体調も良い。
 陽が傾いたおかげで気温も過ごしやすいものになっていた。
「姉様、屋台めぐりしよ! あと花火も楽しみ!」
 真夢紀は笑顔を浮かべて振りかえり、さり気なく姉の様子を確認する。
 静の顔色は良く、表情も柔らかい。
 最近、元気がなかったので少し心配だったが、どうやら祭りに連れ出して正解だったようだ。
「姉様、見て!」
 軒を連ねる縁日の中にわたあめ屋を見つけ、指差し叫ぶ真夢紀。
 静はそんな風にはしゃぐ妹の姿を眺め、昔は姉妹3人でお祭りに行ったよなぁと幼少の頃を思いだして懐かしんだ。

「ふふ、ヒアウィーゴーね!」
 双子の姉、長良 香鈴(jb6873)が言う。
「さあカオちゃん、レッツパーリィよ」
 双子の妹、長良 陽鈴(jb6874)が答える。
 ふたりはルックスからスタイルまで全く同じな一卵性双生児。見分け方は髪の色。
 ピンクがかったメルティチェリーに染めている方が姉の香鈴で、淡いマロンブラウンに染めている方が妹の陽鈴だ。
「浴衣姿のカオちゃん、素敵」
 香鈴の浴衣は、天然藍染の生地に水仙の花が刺繍してある。
 着付けたのは陽鈴だ。
 着崩れを防ぐため、腰のくびれには補正用のタオルを巻いておいた。
「勿論。ヒカちゃんの見立てだもの。ヒカちゃんも素敵だわ」
 微笑を返し、香鈴も陽鈴の浴衣を誉める。
 白地に赤紫の菖蒲の刺繍が映える。
「さあ、さっそくあれからやるわ」
 香鈴が指差す先にあるのは、ヨーヨー釣り屋。
「よよー? なんだかわからんが、これ、ちぎれたんだがー」
 先客のルーガは、釣り上げる前に紙縒りをダメにしている。 
 香鈴はこの手の出し物が得意だった。
 たちまちに3つ釣り上げ、4つ目にチャレンジしようとしたところで紙縒りがちぎれてしまった。
「カオちゃん、凄いわ」
「これくらい軽いわ。はい、これはヒカちゃんの分よ」
 ヨーヨーのひとつを陽鈴へ渡し、ひとつは自分の分。もうひとつをどうしようかと辺りを見回したとき、カップルらしき二人組みが目に入った。
 浴衣姿の少女と小柄な少年。少年の方は、目深までかぶったフードが印象的だ。
 香鈴は少年のもとへと歩み寄り、ヨーヨーを差しだした。
「?」
「お祭りの思い出にどうぞ?」
 きょとんとしている少年に微笑みかける。
「タクくん、せっかくだから貰っちゃいなよ」
「え、でも……」
「じゃあ、お祭り楽しんでね。お二人さん」
 キーヨが戸惑っている間に香鈴は立ち去った。
 ――おや、この暑いのに、フード?
 その様子を偶然見ていたのは、ヨーヨー掬い屋の向かいで大道芸を披露していたエイルズレトラ マステリオ(ja2224)だった。
「そこのお兄さん方、良かったら手品を見ていきませんか?」
「ねね、手品だんって、タクくん行こ」
 少女に手をひかれ、エイルズレトラのもとへキーヨがやってくる。
 薄暗くてよく見えないが、フードの天辺がこんもり膨らんでいるように見えるのは気のせいか。
 フードの膨らみは少し気になったが、わざわざ隠すようにかぶっているのだから何か理由があるのだろう。
 野暮なことは考えるのをやめ、エイルズレトラは懐からトランプを取り出し、さっとシャッフルしてからキーヨに差しだした。
「1枚抜いてよ」
 言われるままにカードを抜くキーヨ。
「カードに名前を書いて」
 エイルズレトラは少年にペンを渡す。
 ペンのキャップを取ったキーヨの動きがしばし止まり、数秒の間のあとカードとペンを少女に渡した。
「高峰さんが書いてよ」
「え、私が?」
「うん。その方が思い出になるでしょ?」
 そんな事を言われると、高峰も悪い気がしない。
 カードに名前を書いてキーヨに返した。
「さ、この中に入れて」
 エイルズレトラはカードの束を差出、サイン入りのカードをその中に差し入れるよう促す。
 手品自体は単純なもので、サイン入りのカードが束の上にきたり、別なところから現れたりするというものだったが、キーヨは感心した様子でそれを眺めていた。

「ふむ〜、夏祭りとはおもしろきものよの〜」
 ハッド(jb3000)は興味深げに縁日などを覗いてまわる。
 何だか良く分からないが、人間たちは食べて踊って遊んでいる。
 これほどまで皆が楽しげに騒いでいるのだ、きっと由緒正しき行事に違いない。
 なれば、ここはひとつ、王の名にかけて楽しまなければなるまいて。
 意気揚々と歩くハッドの目に興味津々な表情で手品を見ている少年の姿が映った。
 その傍らには浴衣姿の少女。きっとお祭り熟練者に違いない。
「ふむ、あの者らに聞こうぞ!」
 根拠の自信を胸に携え、ふたりへつかつかと歩み寄る。
「そこなニンゲンたちよ」
 ふたりが同時に振り返った。
「我輩はバアル・ハッドゥ・イル・バルカ3世。王である!」
「……はぁ」
 気の無い返事を返す高峰。
 いきなり王だと言われても、どう反応したらいいのか分からない。
「我輩が名乗ったのぢゃ。お前たちも名乗らぬか!」
「え、あ、はい。高峰真奈です」
「……僕はタク」
 キーヨの瞳には警戒の色がともる。
「そう構えるでない。ところでお前たちに問う。この楽しげな催し、ボンカーニバルとは何じゃ?」
 ハッドは期待を込めた瞳で高峰とキーヨを見つめた。
「えぇっと……亡くなった人の魂をこの世に迎えるためのお祭り……だっけ?」
「え? 知らないよ、僕……」
 高峰のすがるような視線を受け流すキーヨ。
「むぅ、お前たちそれでもお祭り熟練者か」
「いや、多分違うと……」
「それは私から説明いたしましょう」
 困った顔を浮かべている高峰を見かねて、老紳士へルマンがやってきた。
 ヘルマンは、丁寧に分かりやすく盆踊りの起源について説明をした。
「つーかじーさんなんで色々知ってんだ? 人界来たの最近じゃなかったのかよ」
「年の功でございますよ」
 感心した様子のラウールを見て、ふふっと笑って目を細める。
「人の世界のまつり
 霊を供養する踊り
 遠い国のウランバナからきた行事」
 いつから居たのか、アリア(jb6000)がうわ言のように呟く。
「うら……なに?」
 きょとんとした表情を返す高峰をスルーし、アリアは続ける。
「人の歴史の繋がり
 人と祖先との繋がり
 人と人との繋がり」
 そんなアリアの事を、ツェツィーリアは感心したような表情でアリアを見つめた。
「とてもいとおしいもの
 私が
 私たちが守るべき大切なもの」
 一瞬、アリアが慈愛に満ちた暖かい微笑みを浮かべたような気がした。
 アリアはそのまま何も言わずに立ち去っていく。
「見ているだけなのはつまらないわね。踊りましょう?」
 ツェツィーリアは、ヘルマンとラウールの腕を引いて踊りの輪に引き込んでいく。
 そこへ、底抜けの明るい声が聞こえてきた。
「真奈センパーーイ!」
 駆け寄ってきたのは水無月だ。
「ヒロくん、どうしたの?」
「真奈センパイが男の娘を作りたがってると聞いて!」
 水無月の手には女子用のスクール水着。
 周囲からの視線は、全てがキーヨに集まる。
「……え? えぇ!?」
 良く分からないが、キーヨは己の身に危機が迫っていることだけは感じ取った。
「お祭りで真奈センパイが小柄な男の子と絡んでると聞きました。つまりその子です」
 びしっと指差す水無月。
「これは男の娘を作りたがってる以外に考えられるでしょうか。いや、考えられない」
 かぶりを振る。
「ここは真奈センパイの腐的な……いや、素敵な夢を叶えてあげるべきでしょう!」
 力強く言い放ち、水無月は女子用スクール水着を高らかに掲げた。
「だ、だからって何でそれをチョイス!?」
 慌てるキーヨ。
「最近はこれが流行りなんだよ」
 言い切る水無月。
「ヒロくん……や、やれなさい!」
 本音と建前が入り混じる高峰。
「さあ、その暑苦しいパーカーを脱ぎ捨てて!」
 水無月がパーカーの裾をぐいと引っ張った拍子に、目深までかぶったフードがはらりと脱げた。
 フードの下から現れたのは、ピンと立った犬科動物の白い耳。
「ちょっ、タクくん、やだ可愛いっっ!」
 高峰は黄色い声をあげた。
 キーヨのハーフパンツにも手を伸ばす水無月。
 少しだけズボンが下がり、中に隠していた尻尾もあらわになってしまった。
「ほ、ほんとにやめて!」
 キーヨは涙目。
 次々現れるキーヨの萌えポイントに高峰の鼻血は止まらない。
「想像以上の素材ですね。真奈センパイ、ここで着替えさせるのもアレなんで、彼をちょっと借りますよ?」
「ちょ、やめ、助……た、高峰さーーん!」
 キーヨをずるずる引きずっていく水無月に対し、高峰はサムズアップで答えていた。

 串に刺さったイカの姿焼きを頬張りながら歩く影野 恭弥(ja0018)。
 彼の目の前を、スクール水着を手にした少年が獣耳尻尾付きの少年を引きずっていく。
 だが、特に興味も沸かなかったし、助ける義理もないのでスルーすることにした。
 まあ、これだけ人が集まれば、そんな事もあるだろう。
 空はすっかり暗くなり、祭囃子と屋台からの光や提灯の光が祭りの雰囲気をより一層かきたてている。
 少し早いがそろそろ花火見物の場所取りでもしようか。
 そんな事を考えながらのんびりと歩く影野。
 その横を濃紺無地の浴衣姿の逢阪 子星(jb0808)と矢絣の刺繍が入った浴衣姿の夕虹かつぎ(jb6785)がすれ違った。
「しーちゃんとお祭り、嬉しいなっ」
 夕虹は嬉しそうな顔で逢坂の後をついていく。
「ねぇ、しーちゃん。あれ」
 わたあめ屋を指差し夕虹。
「わたあめが食べたいの? 相変わらず子供の味覚だね」
 やれやれという表情を見せる逢坂。わたあめをひとつ購入して夕虹に渡した。
 ふたりは幼馴染でいとこ同士なのだが、もうひとりの姉と逢坂が撃退士に目覚めて久遠ヶ原学園に入学してしまったため、2年ほど離ればなれで暮らしていた。
 既に両親はなく、それゆえ夕虹にとってふたりはかけがえの無い存在なのだ。
 最近になって夕虹も撃退士として目覚めて学園に来ることとなった。
 今まで離れていたことも相まって、今という時間がとても嬉しく、そして楽しいのだ。
「……何をニヤニヤしているの?」
「えへへ、内緒♪」
 逢坂に対しては淡い恋心を抱いているのだが、夕虹にとっては今という時間を一緒に過ごせるということだけで十分だった。

「ア、アムルっ。此の格好は恥ずかしいのじゃぁ」
 浴衣の裾を必死におろし、ほぼ丸出しになっているお尻を隠そうとするハルシオン(jb2740)。
 アムル・アムリタ・アールマティ(jb2503)に着付けをしてもらった結果、浴衣の裾は腰まで捲られ、下着代わりに用意された褌が丸見えになっている。
 着付けたアムルも似たような格好だ。
「えへへぇ、ハルちゃん似合ってるよぉ、可愛い〜☆」
 ハルシオンの腕に擦りつき、意図的に身体を押し付けるアムル。
「ほら、見てハルちゃん。みんな楽しそうに踊ってるよぉ〜」
 アムルは太鼓やぐらを中心に踊る人々の輪を指し、豊満な胸でハルシオンを押し込むように輪の中へと誘う。
 踊りの輪は二重になっていて、内側と外側で回る方向が違っているようだ。
「それじゃぁ〜れっつ・盆踊りぃ〜☆」
 周りに合わせて見よう見真似で踊るアムル。
 汗を吸った浴衣の襟元から、今にも豊満な胸が飛び出してきそうだ。
 はじめは恥ずかしがって動きがぎこちなかったハルシオンだが、だんだん周囲の雰囲気に飲まれてテンションが上がっていく。
「ほれ、如何したのじゃアムル! 踊りはもっと、魂を込めるのじゃ♪」
「あぁん、ハルちゃん激しい〜☆」
 結局、そのまま30分ほどノンストップで踊り続けたアムルとハルシオン。
 疲れ果てて踊りの輪から抜けた。
「疲れたのかのう、少し休んで――ぬぁっ!?」
 突然アムルに抱きつかれ、素っ頓狂な声を上げる。
「えへ、なんか興奮しちゃって♪」
「ア、アムル? おぬし、落ち着くのじゃ!?」
「ハルちゃん、お持ち帰り決定〜☆」
「ま、待て、待つのじゃアムルぅううう!!」
 ひょいとハルシオンを抱きかかえたアムル。光の翼で飛翔すると、そのまま自宅方向へと飛び去ってしまった。

「やっぱり居ないか……」
 ヒロッタ・カーストン(jb6175)はつぶやいた。
 彼は火と探しのためにここへ来た。
 人が多く集まる場所なら、もしかしたら出会えるのではないかと思って。
「しかし……」
 周囲の熱気は凄まじい。
 祭りとは、これほどまで感情を高揚させるものなのか。
 もともと祭りを楽しむ目的で来たわけではないのだが、自然とヒロッタのテンションも上がってきた。
 次第に人探しがどうでもよくなっていく。
「ちょっと、俺にも叩かせてよ」
 やぐらに上ってバチを要求。
 テンションMAXで口調も馴れ馴れしい。
 既に当初の目的は綺麗サッパリ忘れ去っていた。
 太鼓のリズムは感覚的に覚えた。
 バチを手にして太鼓を叩く。
 テンションは更に急上昇。
「イェーーイッ!!」
 祭りの賑わいも最高潮に達していた。

「何もかつぎまで久遠ヶ原に来ることなかったんだ」
 逢坂は、おもむろにそんな事を口にした。
 彼が久遠ヶ原に来たのは、誰でもない夕虹を守る強さが欲しかったからだ。
 だが、そんな事は面と向かって言えない彼は、つい何かにつけて帰れ帰れと言ってしまう。
 夕虹にとっては、それが面白くない。
「だって、しーちゃんとお姉ちゃんにだけ危ないことさせられないよ!」
 お互い素直になれば全て丸く収まりそうなのだが、それが出来ればとっくにしているだろう。
「私だけ仲間外れなんて嫌……」
 夕虹の両親は天魔に奪われ、彼女に残された大切な人たちは自分を残して天魔と戦っている。それが心配でならないのだ。
 夕虹の目に涙が浮かんできた。
「ま、まあ……今日くらいは遊んでもいいけど」
 逢坂はさり気なく夕虹の手を強く握りなおす。
 そんなとき、夜空に大輪の花が咲いた。
「あ、花火! もっとよく見えるところに行こうよ!」
 夕虹の顔に笑顔が戻り、逢坂は少しホッとする。
 そして、夕虹に誘われるまま、花火が良く見える場所を探し始めた。

「たーまやー」
 夜空に咲いた大輪の花を見上げ、虎落はいった。
 手には縁日で手に入れた景品や食べ物の数々。
 リンゴ飴に使用している林檎が姫林檎なのは、彼なりのこだわりだ。
「花火を見物できる場所でも探すかーっ!」
 虎落は花火を大迫力で見るため、打ち上げ場所からなるべく近い見物ポイントを探すことにした。
 ほとんどが虎落と同じ考えなのか、人の流れも彼と同じ方向へと流れ始める。
 そんな様子に何気ない視線を送っているのは氷雨 玲亜(ja7293)。
 虎落ほどの量ではないが、手には縁日で買った食べもの。
 静かに花火を眺めていたい彼女は、事前に人が少なそうな観賞ポイントに目星をつけている。
 氷雨はゆっくり落ち着いて花火を見るために、人の流れとは逆方向へと歩きはじめた。

 とぼとぼと俯いて歩く犬乃。
 祭りが盛況であるほど、犬乃の心は虚しさで満たされていく。
 花火があがるごとに、彼の心にどんよりと重苦しいものがのしかかっていくようだ。
 本当なら彼の横には高峰がいる予定だった。
「うぅ……真奈ちゃん……」
 零れ落ちそうな涙を必死にこらえる。
 そんな犬乃の視界に高峰の姿が飛び込んできた。
 あの少年の姿はない。
 この場から逃げ出したい気持ちと、今しかないという気持ちが錯綜する。
 そして、かぶりを振って複雑に入り混じった感情を履き捨て、勇気を出して高峰に声をかけた。
「真奈ちゃん!」
「あ、さんぽ君」
 花火の光で高峰の横顔が浮かび上がる。
「さ、さっきの連れの子は?」
「ああ、ヒロくんが連れ去っちゃったきり」
 苦笑いを浮かべる高峰。
「あの、ひとりなら一緒に花火見ようよ!」
 犬乃は緊張のあまり、声が上ずってしまう。
「うん、良いよ」
 高峰は、そんな犬乃に満面の笑みを返した。

「良い場所を確保できたわ」
 氷雨は縁日で買った食べ物を傍らに並べ、花火観賞を楽しむ。
 大勢で楽しむのも一興だが、ひとりで静かに楽しむ花火も良いものだ。
 花火がひとつ咲くごとに、心の疲れが弾けきえていくようだ。
 そこへふらりとやってきたのは影野だ。
 氷雨から少しはなれた場所に腰を下ろし、焼き鳥を頬張りながら花火観賞をする。
 影野がちらりと視線をよこしたので、氷雨は微かに会釈をかえした。
 その後、ふたりは何か会話を交わすわけでもなく、ただ静かに花火を観賞し続けた。

 祭りが終わり、帰りの人ごみの中に祐里はいた。
 彼の背中では、杏子が寝息を立てている。
 その手には戦利品の金魚がしっかり握られていた。
 気丈にふるまってはいるが、やはり慣れない身体で無理をしているのだろう。
 杏子は花火を見ている間に眠ってしまっていた。
「俺、絶対にお前を守れるくらいに頼れる兄貴になるからな……」
 背中全体で杏子のぬくもりを感じながら、祐里はそう決意を固めた。

「あの子、結局戻ってこなかったね」
 口調とは裏腹に、犬乃は心底ホッとしていた。
 彼が戻ってきたら、多分また逃げ出していたような気がしたからだ。
「無事だと良いんだけど、色々と……」
 高峰は苦笑を返すが、緊張がピークに達している今の犬乃に彼女の言葉は聞こえていない。
 高峰が暮らす寮へ向かう途中にちょっとした公園があり、そこを通ると近道になる。
 ふたりは今、その公園にいた。
「ま、真奈ちゃん!」
 大きく息を吸い込み、犬乃は力いっぱい高峰を呼び止める。
「は、はい!」
「ボク、絶対に幸せにするから、ボクとお付き合いしてください!」
 一世一代の大勝負に出る犬乃。
 しばしの間のあと、高峰はふっと笑みを見せたと思うと急に犬乃を睨みつけた。
「はわわわ」
「遅い!」
「……え?」
「遅いって言ったの。いつまで待たせる気だったのさ。私、ずーっとその言葉を待ってたんだからねっ!」
「え、え?」
 犬乃の脳は、状況を飲み込めないでいる。
「つ、つまり……それって、えぇっと……」
 犬乃の腕に腕を絡める高峰。
「つまり、私で良ければお願いしますって事!」
 高峰の顔には笑みが戻っていた。
「ま、真奈ちゃん!」
 それまで犬乃の心に重くのしかかっていた不安は払いのけられ、犬乃の顔にも覇気がもどる。
「さんぽ君、ん」
 目を瞑り、顎を突き出す犬乃。
「え……?」
「ん!」
 高峰はいまいち飲み込めていない犬乃に向かって、唇を強調させて催促する。
「う、うん」
 状況を理解した犬乃は生唾を飲み込んだあと、目を閉じて高峰の唇に己の唇を重ね合わせた。


「…………」
「…………」
 ヴァナルガンドとキーヨの間に流れる空気は重たい。
 あの後、キーヨは何とか離脱に成功した。
 あの場で暴れるわけもいかず、はぐれ悪魔のふりをしてヴァニタスの力を使うことなく。
「……で? どうだった?」
「はい……はぐれ悪魔や堕天使たちは、人間たちの中に溶け込み、楽しそうに暮らしておりました」
「……そうか」
「…………」
 再び重たい空気がふたりを包む。
 いや、良く見るとヴァナルガンドの肩が震えている。
「あの……」
「何だ?」
「触れてくれないんですか!? この格好にっっ!!」
 思わず半泣きになるキーヨ。
 彼は女子用スクール水着を着せられていた。
「まあ、その、何だ。大変だったようだな」
「……マスター、笑ってますよね」
「いや、笑って……プッ……ねぇ……よ」
 ヴァナルガンドの声がだんだん震えだす。
 キーヨのことは、決して直視しようとしない。
「まあ、あれだ。また、新しい服を与えてやるよ」
「マスター……」
 キーヨを直視できないヴァナルガンドは、明後日のほうを向きながらキーヨの頭を撫でてやった。
 それがちょっとだけ悲しいキーヨだった。


依頼結果

依頼成功度:普通
MVP: −
重体: −
面白かった!:7人

God of Snipe・
影野 恭弥(ja0018)

卒業 男 インフィルトレイター
佳耶の恩人・
祐里・イェーガー(ja0120)

大学部4年211組 男 ルインズブレイド
祈りの胡蝶蘭・
礼野 静(ja0418)

大学部4年6組 女 アストラルヴァンガード
雷よりも速い風・
グラルス・ガリアクルーズ(ja0505)

大学部5年101組 男 ダアト
V兵器探究者・
杏子 イェーガー(ja0736)

大学部1年186組 女 ダアト
ヨーヨー美少女(♂)・
犬乃 さんぽ(ja1272)

大学部4年5組 男 鬼道忍軍
奇術士・
エイルズレトラ マステリオ(ja2224)

卒業 男 鬼道忍軍
新世界への扉・
氷雨 玲亜(ja7293)

大学部4年5組 女 ダアト
新世界への扉・
ツェツィーリア・エデルトルート(ja7717)

大学部7年149組 女 ダアト
撃退士・
虎落 九朗(jb0008)

卒業 男 アストラルヴァンガード
期待の撃退士・
逢阪 子星(jb0808)

大学部2年321組 男 陰陽師
芽衣のお友達・
礼野 真夢紀(jb1438)

高等部3年1組 女 陰陽師
好色天使・
アムル・アムリタ・アールマティ(jb2503)

大学部2年6組 女 陰陽師
駆逐されそう。なう・
ルーガ・スレイアー(jb2600)

大学部6年174組 女 ルインズブレイド
快楽至上主義・
ハルシオン(jb2740)

高等部1年1組 女 ナイトウォーカー
我が輩は王である・
ハッド(jb3000)

大学部3年23組 男 ナイトウォーカー
俺達の戦いはここからだ!・
ラウール・ペンドルミン(jb3166)

大学部5年70組 男 陰陽師
ガラスの錬装・
ゴンザレス 斉藤(jb5017)

大学部5年154組 男 ディバインナイト
優しき心を胸に、その先へ・
水無月 ヒロ(jb5185)

大学部3年117組 男 ルインズブレイド
永遠を貴方に・
ヘルマン・S・ウォルター(jb5517)

大学部8年29組 男 ルインズブレイド
撃退士・
アリア(jb6000)

大学部1年234組 女 バハムートテイマー
限界を超えて立ち上がる者・
戒 龍雲(jb6175)

卒業 男 阿修羅
【流星】星を掴むもの・
夕虹かつぎ(jb6785)

大学部2年261組 女 バハムートテイマー
遥かな高みを目指す者・
長良 香鈴(jb6873)

大学部7年308組 女 ディバインナイト
遥かな高みを目指す者・
長良 陽鈴(jb6874)

大学部7年257組 女 阿修羅