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マスター:マメ柴ヤマト
シナリオ形態:イベント
難易度:易しい
参加人数:25人
サポート:3人
リプレイ完成日時:2012/07/17


みんなの思い出



オープニング


 棒術稽古のために格技場へ訪れた高峰真奈 (jz0051) は、遠野の姿がまだ見えなかったので携帯電話で何やら検索しながら関東地方の地図を眺めていた。
「う〜ん、土地勘ないからさっぱりだなぁ」
 頭を掻きながらぼやいた。
 あれこれ悩みながら地図と携帯電話を交互に見ていると、格技場の扉が開いて遠野冴草 (jz0030) が入ってくる。
「外にあるバイクはお前のか?」
 遠野は、高峰の横に置いてあるヘルメットを見てたずねた。
「そーですよ」
 携帯電話のディスプレイに視線を落としたままで答える。
「そうか。で、今は何をやっている?」
「ツーリング行こうかなと思って地図を見てるんですが、土地勘が無くてコースを決められないんです」
「ツーリングねぇ……」
 そう呟きながら、ぼんやりと高峰を眺めた。
「ふむ……」
 遠野の頭の中に、京都でのミッションで涙目になりながらも、必死に頑張る高峰の姿がよみがえる。
「よし、ツーリング行くか!」
「……は?」
「コースは俺に任せておけ」
「いやいやいや……」
「なぁに、遠慮するな。京都で頑張ったご褒美だと思え」
 そう言って豪快に笑う。
「いや、別に頼んでないし……」
 なんとか断ろうとするが、ふと疑問がわいてきた。
「先生、バイクあるの?」
「あるぜ。ジェームスのガレージに預かってもらってるけどな。見に行くか?」
「行きます!」
 こうして高峰は、遠野のペースに流されることが今回も決定付けられる。


 棒術稽古を早めに切り上げた高峰と遠野は、パティストリー【スウィートショコラ】の店舗奥にあるガレージへと来ていた。
「でっかいガレージ……」
 高峰が予想していたガレージは物置と車庫の中間くらいのものだったのだが、目の前にそびえているガレージは、トラックでも入れてあるのではないかというくらいの大きさだ。
 ジェームスは操作盤の鍵を差し込んで、開閉ボタンを押した。
 ゆっくりと巻き上がっていくシャッター。徐々にガレージの内部があらわれてくる。
 ガレージの中には、ミリタリーな感じの車両が並べられていた。
「……これ、装甲車ですか?」
「ただのアメリカ製ジープだ」
 ジェームスが野太い声で答える。
「その隣にあるトラックは、明らかに軍用ですよね!?」
「ドイツ製の2tトラックだ。素材を現地まで買出しに行くことがあるのでな。60度くらいの傾斜なら余裕で登るぞ?」
「積荷が落ちちゃうから! っていうか、普通に走ってればそんな崖みたいな坂、登る機会なんて無いでしょっ!」
 力の限りツッコミを入れる高峰。
「おい、高峰。そんなもん見に来たんじゃないだろ」
 遠野はそう言いながら、ガレージの片隅に停めてある2台のバイクのそばへと歩いていった。
「おお、そうでした」
 高峰も遠野のあとにつづく。
 ガレージの片隅にあったのは、サイドカー付きの――
「軍用バイクですよね……これ。しかも、第二次世界大戦の頃の」
 大好きなバイクを見たはずなのに、何故か虚脱感に襲われた。
「流石に詳しいな。ドイツ製の軍用バイクだ」
「映画で似たようなのを見たことがあるだけですよっ!」
「有名な高級車メーカーが作ってるんだぜ」
 言われてみると、タンク側面やタンクキャップに見たことがある有名メーカーのエンブレムが貼ってある。
 車両に跨った遠野は、ドレンコックをオンにして、キャブレターに付いているポンプボタンを押すと、キックレバーを力いっぱい踏み込んだ。
 臓腑に響く重量感のあるサウンドがガレージを満たす。
「うわっ、良い音!」
「良いだろ」
 遠野は高峰の言葉に、二カッと歯を見せ笑みをかえした。
「ツーリングでは俺が先頭を走って、ジェームスにケツ持ちしてもらう」
「は? 店長も来るの!?」
「場所はこれから考えるが、どっかの温泉に1泊して帰ってくる感じな」
「人の話を聞け!」
「宿泊費は俺とジェームスが奢るつもりだから、そんなに人数は集められないけど、こんな感じで問題ないか?」
「問題ありませんっ!」
 結局、『奢り』という言葉につられて快諾する高峰だった。


「ねぇ、先生」
 高峰は翌日、ふと疑問に思ったことをたずねた。
「もともと、仲間内で行こうと思ってたから、あまり気にしてなかったんだけど、今回のツーリングって斡旋所を通すんですよね?」
「それがどうかしたか?」
「いや、ほら。バイク持ってない人が参加したらどうするのかなって……」
「ああ、そんな事か」
 遠野は高峰の疑問を豪快に笑い飛ばす。
「免許があってバイクが無いやつは、学園所有の原付を貸し出す。免許もないやつは、俺やジェームスのバイクは3人乗りだ。ケツと側車に一人ずつ乗せられる。それ以外でもタンデム出来るやつは居るだろ」
「それでもあぶれちゃった人は?」
「チャリ」
「……は?」
 予想の遥か斜め上をいく返答に、思わず目が点になる。
「心配いらん。高速道路は使わないから」
「すいません、安心要素が見当たりません」
「巡行速度を4〜50キロにおさえて走るから、お前ら撃退士ならチャリでも十分追随が可能だろ? 休憩も多めに入れてやる」
「…………」
「つーことで、これが案内な。斡旋所で貼り出してもらってこい」
 そう言うと、遠野はツーリングの日取りとコース、細かな内容が書かれた依頼書を高峰に押しつけた。
「こんな苦行みたいなツーリング、誰が参加するんだろう……」
 渡された依頼書に書かれた内容をぼんやり眺め、高峰は深いため息をつくのだった。


リプレイ本文


 学園生たちを乗せたフェリーは、千葉港へ入港しようとしていた。
「絶好の旅行日和だねー! 最高ー!」
 井沢 美雁(ja1243)はデッキで潮風に当たりながら、大きく背伸びをしてみせる。
「今日はよろしくね、たちがみくん!」
 そして、ツーリングのパートナーとなる断神 朔樂(ja5116)に笑顔を見せた。
「ま、任せとけでござる」
 ツーリングも女性とのタンデムも初体験の断神は、やや緊張した面持ちで答える。
『まもなく千葉港へと入港いたします。ご乗船、ありがとうございました。お忘れ物のないよう――』
 アナウンスが流れ、それを合図に客室やデッキでくつろいでいた生徒たちが、それぞれの愛機のもとへと向かた。
「長かった・・・今まで本当に長かった・・・ 」
 大城・博志(ja0179)は、愛機を前にして感涙をながす。
「ようやく返済の目処が立ち新たなローンが組めるようになった・・・ 」
 彼が以前に乗っていた愛機は、事故やら天災やらでみなスクラップになっていて、手元に残ったローンだけを細々と払い続けていた。
「故に魅せ様! 駆けよう! 我がNEWマシン!!」
 だが、その返済の目処がたち、新たな機体を購入する余裕ができたのだ。
 大城の愛車は日本が誇る名機。優等生と謳われる機体のハーフカウルタイプ。
 ピカピカに磨かれた排気量1300ccのグラマラスなボディーを撫でながら、愛車に呼びかけテンションを向上させた。
「さてさて、久々に頼むぜよ」
 麻生 遊夜(ja1838)は久々の遠乗りに胸を躍らせ、ドラッガータイプの黒いアメリカンバイクのグリップを握る。
「先生らは軍用バイクか、皆も錚錚たる顔触れであるな」
 MTB軍団へ視線を流し、ニヤリと笑みをこぼした。
「先輩、よろしくね」
 ヘルメットを胸に抱いた荻乃 杏(ja8936)が近づいてくる。
 ヘルメットを被るため、普段のツインテールを襟首での1本結びに変えてあった。
「今回はよろしゅうに〜」
 麻生はヘルメットを被り、愛機のエンジンを起動させると、萩乃をタンデムシートへといざなう。
「いいか。カーブのときは、俺が倒れるのと同じほうへ体を倒すんだ」
 桐生 直哉(ja3043)は、澤口 凪(ja3398)にタンデム時の注意事項を説明していた。
「はい、分かりました」
「それから、振り落とされないように、ここをしっかり握っているんだ」
「はい」
 二人の顔がほのかに赤く見えるのは、フェリー内の照明のせいだろうか。
 生徒たちが次々と機体の起動を始めた。
 遠野やジェームスも、それに合わせる。
 くすみのあるカーキイエローの機体がばたばたと独特のサウンドを奏ではじめた。
「先生、今日はよろしくお願いしますなのです」
 ヘルメットを手にした御手洗 紘人(ja2549)は、胸をどきどきさせながら遠野に近づく。
「おう、本当にケツで良いのか? 船のほうが楽だぞ」
「後ろが良いんです! 先生の背中を見なが……って、な、何でもありませんっ!」
 遠野に自分の父親を重ねている御手洗は、思わず心の中の本音をこぼしかけ、慌てて言いつくろった。
「今日はよろしくお願いだよ、ベスちゃんー!」
 イタリアを代表するスクーターを優しく撫で、ルーナ(ja7989)は愛車につけた名前を語りかける。
 航空技術を取り入れられているというそれは、スクーターという枠を超えた一つのカテゴリーだ。 
 やがてフェリーが港へ到着し、ランプウェイがゆっくりとおろされ、艙内に外の光が差し込んできた。
「天気良好、気温はやや高し。絶好のサイクリング日和ですね」
 鈴代 征治(ja1305)は手で日よけをして空を眺め、リュックにつめた携帯品のチェックをした。
 ツーリング企画だが、あえてMTBを選んだ鈴代は、自他共に認める自転車好きだ。
 久しぶりのロングサイクリングが楽しみで仕方なかった。
「まずは都心を抜けた先にあるコンビニまでいくぞ。都心は自転車の方が早いはずだ。道に迷うなよ。事前に渡したルートを記した地図をよく確認しろよ」
 遠野が呼びかける。
「また一緒にこれて嬉しいな……そのバイク格好いいね、スーツもよく似合ってるし」
 犬乃 さんぽ(ja1272)は愛車の黒い機体を高峰の銀に輝く愛車に横付けし、犬の足跡がペイントされたヘルメット越しに笑顔をみせた。
「ありがとう。さんぽ君も良く似合ってるよ。なんていうか、さんぽ君らしいバイクだね」
 高峰はカウルに刻まれた『SHINOBI』という文字を見て笑顔をかえす。
 車列は遠野を先頭に、順次出発をはじめた。
 雀原 麦子(ja1553)もそれに合わせてエンジンを始動させる。
 怪物の異名を持つ彼女のバイクは、イタリアを代表する機体だ。
 随所に荒馬を乗りこなすためのカスタマイズされており、バイクに対する彼女の熱意と愛情がみられる。
 Vツインエンジン特有のドコドコとした振動を両手に感じながら、ギアを繋いでアクセルをゆっくり回す。
 社外品のマフラーから豪快な音を奏でながら、雀原はゆっくりと走りだした。
「なるほど、中々に興味深いですね」
 ジェームスのバイクの側車に乗って、グラン(ja1111)はビデオカメラを準備しながらつぶやく。
 色々と思うところがあった彼だったが、彼なりの妥協点を見出し、旅の思い出をビデオ撮影しながら人間観察をすることにした。
「まぁ、こういうのもたまには良いでしょう」
 ゆっくりと走り出した側車の中で、カメラを構えて撮影を開始した。
「さて、何事も楽しみますか」
 マキナ(ja7016)はサングラスをかけ、清々しい笑顔を見せながらMTBのペダルに足をかける。
「ふふり。お山で遊んでるうちに鍛えられた脚力と持久力、魅せてやる」
 マキナの後に続いて、ルーネ(ja3012)はゆっくりとペダルをこぎ始めた。
「サイクリングがんばるぞー」
 木ノ宮 幸穂(ja4004)は気合をいれる。
 ツーリングとサイクリングを素で勘違いし、迷うことなくMTBでの参加だ。
 他の参加者のほとんどがバイクなことをあまり気にもとめていないのは、彼女の性格からか、それとも他にも自転車参加者がいるからか。
 周りが都心へ向かって北上を開始したのに、木ノ宮は何故かぜんぜん違う方向へと走り出した。
「そっち、違うよ……」
 猫谷 海生(ja9149)は、ひとりで明後日の方向へと進もうとする木ノ宮に近づく。
「あれ?」
 車列から離脱しかけていることに気付き、間の抜けた声を出す木ノ宮。
「あははー、ホントだ。ミィちゃん、ありがとう!」
「……こんな人いるんだ……」
 猫谷は笑って誤魔化す木ノ宮の姿を見送りながら、ぼそりと小さくつぶやいたあと、彼女を追うようにMTBを走らせた。
 遠野やジェームスの軍用バイクのほかに、フラットブラックの軍用バイクが1台いた。
 そのバイクのエンジンを必死に始動させようとしているのは神喰 朔桜(ja2099)。
 今日のためにドイツで暮らす祖母に送ってもらったらしい。
 彼女の機体も遠野らの機体と同じく、ドイツを代表する軍用バイクだ。
 歴史は彼女の機体のほうが古く、その技術は遠野らのバイクにも応用されているほどの名機だ。
「エンジンが掛からんのか」
 ジェームスが近づき声をかける。
「年代物ですし、ずっとお婆ちゃんの家で眠ってた子ですからね」
 神喰は額に汗を滲ませながら、キックペダルを何度も踏み込んだ。
 何度目かのキックでやっとエンジンに火がつく。
「アクセルをゆっくり回して、アイドリングを安定させろ」
 神喰はジェームスに言われたとおりにアクセルを回した。
 エンジンはバタバタという独特のサウンドを奏ではじめる。
「アドバイス、ありがとうございます」
「こいつらはクセが強いからな。困ったらいつでも来るといい」
 結局、神喰とジェームスが最後尾となって下船することになった。


 都心部の走行は、バイク組みよりMTBの5人の方が早かった。
 交差点にはバイク用の停車位置があるのだが、遠野やジェームスのバイクだと車の間をすり抜けられなかったため、普通車といっしょに信号待ちをすることになる。
 当然、15台以上のバイク軍団なので信号待ちごとに車列が分断されることになってしまった。
「この機会だからさ、お前に言っておきたいことが、あって……」
 日ごろから仲良くしている新聞配達のおばちゃんに借りた、新聞配達仕様の原付に跨った梅ヶ枝 寿(ja2303)は、信号待ちを利用して隣に停車しているリュカ・アンティゼリ(ja6460)に話しかける。
 リュカの機体はレースイメージが強いイタリアメーカーが生み出した、攻撃的フォルムをしたパフォーマンスクルーザータイプの機体だ。
「おー俺に惚れたか」
「知ってるか、リュカ。新聞配達仕様のこいつは、普通のやつとライトの位置が違うんだぜ」
 ドヤ顔でうんちくを語る梅ヶ枝。
「暑ィな」
 特に相槌を打つわけでもなく、リュカは信号が変わったの確認して走り出した。
「……って聞けし!」
 梅ヶ枝はさらりと無視され、待てこのやろうと叫びながらあとを追った。
「トライクは渋滞が楽ですねー」
 金鞍 馬頭鬼(ja2735)は渋滞の前方を眺めた。
 大人数でのツーリングは、今回がはじめてだ。
「やっぱり、都心は自転車の方が早そうだ。それにしても、自転車と一緒なんて……」
 さすが遠野先生だと思いながら、アクセルを握り続けた。
「やっぱりバイクはいいな」
 風とエンジンからの排熱をじかに感じ、霧崎 悠(ja9200)は心の底からそう思った。
 走行中の爽快感も、信号待ちで感じるエンジンの熱気も、ハンドルを握ったときに感じる微かなオイル臭も、全てバイクの醍醐味といえる。
「わはー♪ 皆で少し遠いお散歩なんだなー♪」
 笑顔でスクーターに立ち乗りしているのは鈴蘭(ja5235)だ。
 身長の問題で遠野が用意していた原付に乗るのが厳しく、特別にスクーターを用意した。
 だが、それでも鈴蘭のような子供がバイクに乗って公道を走るという姿は珍しく、しかも立ち乗りになっていることも相まって、一般ドライバーの視線が彼女に集まっていた。

 都心部を抜けると街並みはまだまだ都会だが、交通量も少なくなり走りやすくなった。
「誰かと走るというのは、とても気持ち良いものですね」
 誰かとツーリングをするというのが初めての藤宮 睦月(ja0035)は、最初こそ緊張していたが、都心を抜けるころにはその緊張もほぐれ、いつもどおり全身に受ける風の心地よさに浸っていた。
 父に譲ってもらったという彼女の機体は、年式こそ古いがデザインは全く古さを感じさせないシングルスポーツバイクだ。
 シンプルで変なレトロさもなく、藤宮が一目惚れしたというのもうなづける。
 単気筒の荒いサウンドを轟かせ、全身に風を浴びながら走り続けた。
「あそこが最初の中継ポイントみたいですね」
 車列の中央くらいを走っていたレイラ(ja0365)は、前の車両が次々とコンビニの駐車場へ入っていくのが見えたのでアクセルを緩める。
 まるでアメリカという国を体言しているようなレイラの機体は、豪快なサウンドを奏でながらゆっくりとコンビニの駐車場へと侵入していった。
 最初の中継地点は、自転車組みが最初に到着していたようだ。
 マキナは肩で息をしながら、スポーツドリンクを一気飲みしていた。
「大丈夫ですか?」
 そんなマキナに鈴代が話しかけた。
「ペ、ペース配分を間違えたみたいで……」
「ロングサイクリングのコツは、なるだけ一定のペースで走ることです。マラソンみたいなもんですね。ちょっと失礼……」
 車輪止めに腰掛けているマキナの前にかがみ、彼の足をマッサージしはじめる。
「あとドリンクもあまり一気に飲まないほうが良いですよ。かえってバテます」
「あぁっ、気持ち良い! なるほど……、さすが自転車の伝道師ですね」
 マキナは鈴代の言葉に心底感心した。そして、それ以上にマッサージが気持ちよかった。
「良かったら、僕のペースで一緒に走りませんか?」
「はい、喜んで」
 二人は固い握手を交わす。
 二人の熱い友情は、さらに深まることであろう。
 猫谷もまた、そうとうバテていた。
 息を切らせ、「いのちのみず……」と呟きながら、コンビニで購入した『イチゴミルク』のパックにストローを挿す。
 そして、それを一気にあおった彼女は、先ほどの疲労がまるで嘘のような復活を果たした。
「かなりキツそうだけど、大丈夫?」
 しゃべれないほどぐったりしている木ノ宮に気が付いたルーネは、飲みかけのスポーツドリンクを差し出しながら訊いた。
「きついけど楽しいよー。風が気持ち良いしね」
 へらりと笑みを返し、差し出されたスポーツドリンクを一口飲む。
「ありがとう。残りがんばろうねー……」
 木ノ宮の言葉は、語尾がだんだんと消え入ってしまった。
「かーっ! 疲れたときのポックリスエットは最高だぜ!」
 梅ヶ枝はスポーツドリンクを呷って叫ぶ。
「よくそんなものが飲めるな」
 そんな梅ヶ枝に冷たい視線を送るリュカは、別メーカーのスポーツドリンクを飲んでいた。
「あ? 日本人といったら、やっぱりコレだろう!」
「ふん、『汗』を冠するドリンクなど飲めるか」
「それこそポックリの類似品じゃねーか!」
「アクアリウムこそ最高に決まっている」
 二人の議論はとどまる事がなさそうだ。
 駐車場では、雀原が愛車の微調整をしていた。
「この子、凄くカッコいいですね」
 その機体に興味を引かれた高峰が話しかけてくる。
「でしょー♪ でも、小まめに手をかけてあげないと、すぐ機嫌を損ねちゃうのよね」
 笑顔で答える雀原は、でもそこが良いのよねと続ける。
「真奈ちゃんのも可愛いじゃない。ロケットカウルがオシャレね」
「はい、もうひと目で気に入っちゃって」
「ふふ、残りの行程も楽しもうね」
 雀原は愛車を褒められ喜ぶ高峰に笑顔をかえした。
「そろそろ出発するぞ」
 生徒たちの疲労が緩和されたのを見て、遠野が号令をかける。
 皆、それぞれの相棒に跨り、コンビニをあとにした。


 都心を抜けたあと、一行は埼玉県入間市を目指し、そこから国道299号線にのって目的地を目指した。
 ここまで来ると街並みも落ち着き、次第に緑の多い景色へと変わっていった。
 山間を縫うようなワインディングロードが続いている。
「競争…とかは流石に無理かー。ですよねー」
 神喰は苦笑した。
 遠野やジェームスの愛車がそうであるように、この機体も最高速度が100キロを満たない。
 右と左の旋回半径もまるで違うので、レースには向かないだろう。
 だが彼女は、まるで長年乗っていたかのように機体の性能を引き出しながら走っていた。
(遠野先生の背中って大きいのです……。父様くらいなのでしょうか……)
 御手洗は遠野の背中にしがみつきながら、そんなことを考えていた。
(そういえば……雪山の時に抱っこされた時も父様みたいだったのです……)
 遠野のたくましい背中に顔をあてると、彼の心音が聞こえてきて心地良い。
「御手洗、大丈夫か? ケツとか痛くねぇか?」
「あの……父様……はっ!」
 不意に声をかけられた御手洗は、思わず遠野を父と呼んでしまい、慌てた拍子に手を離してしまった。
 反動で上体が仰け反り、そのまま後方へと流される。
「お父……っ!」
 遠野との思い出が走馬灯のように頭をよぎった瞬間、御手洗は野太い腕に首根っこをつかまれ子猫のようなポーズをとっていた。
「ケツで寝るのは危ないから、そっちに乗っとけ」
 遠野はそのまま御手洗を側車に降ろす。
 どうやら御手洗の言葉は聞こえていなかったようだった。
「風が気持ちいい」
 レイラは初夏の風を切り裂き、山の澄んだ空気を浴びて走る。
 ツーリングのペースは遅く、馬力を持て余しながらではあったが、その代わりに景色を堪能する余裕があった。
 たまにすれ違うライダーたちと手で挨拶を交しあう恒例行事を行えば、自然にテンションもあがってくる。
「こういうのも良いものですね」
 今は撃退士であることを忘れ、暫しの休息を楽む事にした。
 大城は一定のペースを保ちながら、ルート上にあるカーブの位置など頭に入れながら走っている。
「慣らし運転には丁度いいな」
 新車ということもあり、あまりエンジンの回転数もそれほど上げられないのだが、このスピードで走っているかぎりはその心配もなさそうだ。
 桐生は後ろの澤口がしっかりタンデムベルトを掴んでいるかなど、時々後ろを気にかけた。
 ミラー越しに見える彼女の表情には、緊張の色がみえる。
「怖いか?」
「ちょっとだけ……」
「凪が嫌じゃなければ、俺の背中にしがみ付いても良いんだぞ」
 桐生の言葉は、澤口を赤面させた。
 桐生自身も少し照れているのだが、バックミラー越しでは、お互いがそのことに気付くことはなかったが。
 少しの間のあと、澤口は桐生の体にそっと手をまわした。
「きーもちいい!」
 井沢は断神の後ろで大はしゃぎだ。
「風を感じていたいのだー」
 風を浴びるために少し仰け反ったり、井沢なりの楽しみ方をしていた。
「あ、危ないからしっかりと掴まるでござるよ」
「はーい♪」
 断神に注意され、彼の背中に抱きつく井沢。
「こ、これは……っ!」
「たちがみくん、どうかした?」
「な、何でもないでご〜ざ〜」
 背中にあたるプニッとした2つの感触に意識をとられ、断神は運転に集中できなくなった。
「ぶろろろーぶろろろーぶろろろーなんだよー」
 ルーナは上機嫌でエンジン音の口真似をしている。
 しかし、速度は遅めでのんびりとした走行だった。
「ワイルドだろー」
 上り坂で必死に自転車をこいでいる鈴代とマキナの横を通過する際、彼らに近づき気分上々で言い去る。
 風を受けてワンピースがヒラヒラしているが気にしない。彼女が通り抜けるとき、ワイルドな何かを見てしまった二人が顔を赤くしていた事も気に留めない。
 ルーナはハイテンションのまま走り続けた。
「せっかくの峠だが、のんびり走るのも悪くないな」
 いつもなら長年愛用している愛車の性能を限界まで引き出し、攻めの姿勢で峠に臨む霧崎だったが、今日は夏の風をおだやかに浴びて景色を堪能している。
 自らが風になったような爽快感ではなく、まるで風の一部になったような心地よさに浸りながらアクセルを握りつづけた。
 萩乃は、流れる景色と体に当たる風が予想以上の心地よく、無言で感じ入っていた。
「ん、急に黙ってどしたね?」
 麻生は、後ろの萩乃の様子が気になって声をかける。
「……別に。でも、ま。自分のバイク持ってみてもいっかなって」
「ほぅ、それは何よりであるな」
 麻生は萩乃の言葉に満足気な笑みをこぼした。
「どうだ、楽しんでいるか?」
 それまで無言でアクセルを握っていたジェームスは、側車でビデオ撮影をしているグランへ不意に声をかける。
「ええ、それなりに。皆の高揚感を観察できるのは、実に興味深いです」
 グランはビデオのファインダーを覗いたままで答えた。
「京都では色々あったようだな。サエから話は聞いているが、色々と思うところもあるだろう。だが、優秀な兵士は羽を伸ばせるときには存分に伸ばすものだ。それが明日を戦う気力にもなる。オンとオフの切り替えをはっきりつけるのも重要な仕事のうちだ」
「何故、私にそのような話を?」
 思わずジェームスを見返す。
「何となくだ」
 そして、ジェームスは再び無言になった。
 やがて車列は長いトンネルを抜け、そこから更に数キロ走ったところにある道の駅へと辿り着いた。
 電車の駅が併設された道の駅で、バイク用駐車場が歩道内にあるという珍しい構造をしている。
 ツーリングライダー定番の休憩地らしく、先客も多くみられた。
「なんとか、はぐれずに付いてこれた……」
 ルーネはMTBを駐輪所に停め、安堵の息を漏らす。
 いくら撃退士といっても、さすがに後半の峠道はきつかった。
 道の駅には農産物直売所がある。
 時刻は既に昼を過ぎていた。
「お腹すいたし、何か食べてこよう」
 あちこちに立てられた『採れたてプラム』ののぼりに食欲をそそられ、直売所へと向かった。
「あっつぅ」
 雀原は雀のペイントがペイントされたフルフェイスを脱ぎ、ライダージャケットのファスナーを全開させる。
 自販機でキンと冷えたジュースを購入し、それを喉に流し込んだ。
「髭があれば、もっと魅力的になるんだけどなぁ」
 そして、遠野の姿を目で追いながらそんな事を考えていた。
「そのバイク、凄いですね!」
 神喰が駐車場にバイクを停めると、不意に声をかけられる。
 見ると目をきらきらさせた高峰が立っていた。
「祖母のガレージに眠っていた子だよ。骨董品に近いけどね」
 苦笑いで答えるが、愛車を褒められるのは嬉しいものだ。
「先生たち以外にも軍バイの人がいるとは思いませんでした。なんていうか、車体から生きた歴史みたいなのがにじみ出てて、私、馬鹿だから上手くいえないけど、とにかくカッコいい!」
「そう言われると、ちょっと照れる」
「俺も気になってたぞ。そのバイク」
 神喰が顔を赤くしていると、豪快な笑顔を浮かべながら遠野も混じってきた。
 3人は、そのまま出発までの時間をバイク談議に費やした。
 その様子を少し寂しそうに見つめる犬乃の姿。
「旅館に着いたら勇気を出すんだっ!」
 高峰が浮かれているせいで、なかなか二人きりになるチャンスが作れず、最後の望みを宿泊先に託すのだった。
「もぐもぐ……むー、やっぱり外で食べる御飯は美味しいのだー♪」
 鈴蘭はカエデ樹液が練りこまれたサイコロパンに舌鼓をうつ。
 道の駅の売店施設に入っているパン工房オリジナルの商品だ。
 そのすぐ近くでは、大城が一般ライダーと世間話をしていた。
 会話の内容は、今日走ったコース上の注意箇所などの聞き取りだ。
「ありがとう、参考になった」
 大城は周りが出発準備をし始めたので、礼を告げて話を切り上げた。 


 道の駅を出発した一行は、秩父市を通過し、本日の宿がある目的地へ向かった。
 街のあちこちにウェルカムライダーの青いタペストリーがかけられた店がある。
 世界の名車、旧車を集めたバイク博物館もあるらしい。
 車列はそのまま市街地を抜け、宿泊先である温泉旅館へたどり着いた。
「皆、ごくろう! あとは自由時間だ。羽目は外しすぎるなよ?」
 そう言って、遠野は部屋の鍵を用意した。
 遠野が生徒のために用意した部屋は6部屋。男女とも3部屋ずつのようだ。
 部屋割りは澤口の提案によってあみだくじで決められた。
 藤宮は祖母譲りの浴衣に着替える。
 古風な藍染の浴衣は、彼女の長い黒髪にとても合っていた。
 着替え終えた藤宮は、温泉へと向かう。
 既に先客がいるらしく、複数の脱衣籠に衣服が入っていた。
 湯船では雀原がビールを煽っている。
 温泉は檜風呂と岩風呂があり、それぞれ露天風呂も備えていた。
「長距離を走ったあとの温泉は、気持ちいいですね」
 レイラは湯に浸かって、今日1日の疲れをとる。
「真奈さんには、好きな人とかいないんですか?」
「ほぇあ!?」
 隣でくつろぐ高峰にストレートな恋ばなをふり、素っ頓狂な声を上げさせた。
「す、好きな人ですか!?」
 笑顔で首肯するレイラ。
「き、気になる程度の人なら居るけど、今まで恋愛したことないし、私はそんなにモテな……わきゃああ!!」
 こっそり忍び寄ってきた井沢に後ろから胸を鷲づかみにされ、高峰の言葉がさえぎられた。
「どうしたら、こんなに育つんだー! っていうか、あたしも混ぜてよ!」
「では、二人で真奈さんへの尋問タイムと行きましょうか」
「ちょ、ちょっとーっ!?」
 女子風呂では、恋ばなという名の尋問が始められた。
 その様子は、男子風呂にも聞こえていた。
「あっちは賑やかですね」
 金鞍が誰にともなくつぶやく。
「この状況を活かせないものか……っ」
 大城は考えていた。
 女性参加者は皆、うら若き乙女ばかり。
 旅行で開放的になった彼女らとお近づきになるチャンスかもしれない。
 あわよくば、30年間熟成しつづけたチェリーワインを出荷できるのではないか。
 悶々と考え続けたが、30年という熟成期間は伊達じゃなく、具体的なプランも思いつかないし実行に移す甲斐性もない。
 彼のワインは、もうしばらく熟成を続けることになりそうだ。
「はぁ〜、気持ちいいです」
「おう、御手洗。隣良いか?」
 御手洗が湯船でまったりしていると、遠野が入浴してきた。
「おと……先生! は、はい!」
 思いがけないサプライズに少し興奮気味の御手洗。
 誤解が無いように付け加えておくが、彼にそっちの気はない。
「俺のバイクは軍用だから乗りにくかったろう?」
「そんな事ありませんでしたよ」
 他のメンバーはどんどん温泉を出て行くなか、御手洗は遠野と一緒にいたかったので湯船に浸かりつづけた。
「せ、先生……はにゃあぁ……」
「おい、御手洗!」
 そして、湯あたりを起こし、遠野に抱きかかえられて運び出されることになるのだった。
 
「いてぇな、おい」
「詰めが甘いのでござるよ」
 断神とマキナは、人気がない空き地で手合わせをしていた。
 二人とも譲らぬ一進一退の攻防だ。
「おらぁ、まだまだいくぜ」
 マキナが再び攻勢に出ようとしたとき、不意の乱入者によって手合わせが中断された。
「威勢が良いな」
 ゴーレムのような彫の深い瞳がギラリと光る。
「ジェームス殿!?」
 一瞬、天魔かと思って斬りかかろうと思ったのは秘密である。
「そんなに元気を持て余してるなら、俺が特訓してやるからついてこい」
『ひぃ〜〜!!』
 まるで常人とは思えない腕力で二人の腕をつかみ、そのままどこかへ連れ去ってしまった。
「ミィちゃん、ここにいたの?」
 星が見える小高い丘で、木ノ宮は猫谷を偶然みつけて声をかけた。
「星をみようと思って……」
「へぇー……私は……実は迷子」
「まいご……?」
 きょとんとした瞳で木ノ宮を見つめる。
「ふーん……イチゴミルク……どぞー」
 猫谷は飲みかけのイチゴミルクを木ノ宮に渡し、再び星を見つめた。
「星が綺麗だねぇ」
 渡されたイチゴミルクを一口飲み、木ノ宮も一緒に星を鑑賞する。
「京都の戦いはお疲れ様」
 犬乃は、温泉から出た直後の真奈を連れ出すことに成功していた。
「真奈ちゃんが無事でほんと良かった……」
 濡れ髪で浴衣を着ている高峰は少し色っぽく、犬乃は直視できないでいる。
「私こそ、さんぽ君が無事で本当に良かったと思ってるよ」
「そっ、そうだ、真奈ちゃんはどうしてあのバイクにしたの?」
 犬乃は高峰に微笑み返され、恥ずかしくなって話題を変えた。
「あのカウルが気に入ってかなー。さんぽ君は、どうしてあれを選んだの?」
「ボクのは、シノビって聞いて」
 その時、目の前で花火が上がった。
「ねぇ、花火やってるよ!」
 高峰は、笑顔で犬乃の手をとり、早く行こうよと促す。
「うん、行こう」
 犬乃は高峰の天真爛漫な笑顔に満面の笑みでこたえ、彼女に手をひかれて駆けていった。

「迷惑かけんのは禁止だかんねっ!?」
 口調こそきつい萩乃だが、その表情はとても楽しげだ。
「これぞ日本の夏だな」
 霧崎はタバコの火を使って打ち上げ花火の導火線に点火した。
「おー、綺麗綺麗」
 雀原が手にしているのは、花火ではなくビールだ。
 やがて、打ち上げ花火もなくなり、線香花火大会へと変化していった。
「地味じゃねェ?」
「この地味さこそが日本情緒の真髄なワケよ」
 リュカの言葉に梅ヶ枝が反論をする。
「こう見えて、線香花火の腕前なら中々のものなのですよ」
「ふぬぬぬぬ……! 負けてなるものか……!」
 井沢は、藤宮に対抗意識を燃やした。
「手が届く範囲の世界くらいは、守りたいもんだねぇ」
 麻生は花火の風景を撮影しながら、ふとそんな事を考える。
 澤口は花火を眺める桐生の横顔を見つめていた。
「どうかしたか?」
「学園に来る前は誰かを乗せてたんですか?」
 彼の後ろに乗っているとき、ふと浮かんだ疑問をたずねる。
「仲の良かったダチと昔付き合ってた子となら。でも二人とも行方不明になって、もう出来なくなったけどな……」
「ごめんなさい……っ」
 遠くを見つめる桐生の表情に、触れてはいけない部分に触れてしまった気がして慌てて謝った。
「また二人乗りでツーリング出来ると思ってなかったから嬉しかったよ。ありがとな」
「いえ、私こそありがとうございます……」
 また、二人で走りたい。二人とも同じことを思ったが、それを口にすることは無かった。
「今日はいっぱい撮影したなー」
 ルーナは、鼻歌混じりでデジカメのデータを確認する。
「なんか写ってる! こわいよー! こわいよー!」
 旅館に着いてから撮った1枚に、二足歩行する馬の姿が映っていた。
「何これー! おトイレいけないよー、びぇーん!」
 彼女の夜は長そうだ。

 その後、旅館で用意されたいろり懐石の猪鍋に舌鼓を打ち、それぞれの部屋で就寝することになった。
 押し入れの戸に『開けるな危険』の張り紙がされた部屋もある。
 中からは地響きのようなイビキが聞こえてきた。
「わはー♪ お外で眠るのもたまには良いのだよ。昔みたいで懐かしいのだー♪」
 鈴蘭は星が綺麗に見える寝場所を確保していた。
 満天の星空を眺め、昔のことを思い出しながら眠りについた。
 翌日、MTB組みは、全員が激しい筋肉痛に見舞われた。
 特に断神とマキナの筋肉痛が酷かった。
 帰りも事故なく、全員が無事に学園まで帰った。

「こないだの。欲しい人いたら皆に回してやって」
 後日、萩乃は高峰にツーリングで撮った写真を渡した。
 そこには、皆の楽しそうな様子が写っている。
「うん、任せておいて」
「あ、それから……」
 萩乃は何かを思い出したようにカバンをあさる。
「こっちは真奈の分。……二人の思い出にどーぞ」
 そこには、二人で仲良く花火をしている高峰と犬乃の姿が写っていた。


依頼結果

依頼成功度:普通
MVP: −
重体: −
面白かった!:14人

撃退士・
藤宮 睦月(ja0035)

大学部2年198組 女 インフィルトレイター
たぎるエロス・
大城・博志(ja0179)

大学部2年112組 男 ダアト
202号室のお嬢様・
レイラ(ja0365)

大学部5年135組 女 阿修羅
天つ彩風『探風』・
グラン(ja1111)

大学部7年175組 男 ダアト
蒼き薔薇の騎士・
井沢 美雁(ja1243)

大学部6年182組 女 ディバインナイト
ヨーヨー美少女(♂)・
犬乃 さんぽ(ja1272)

大学部4年5組 男 鬼道忍軍
最強の『普通』・
鈴代 征治(ja1305)

大学部4年5組 男 ルインズブレイド
夜のへべれけお姉さん・
雀原 麦子(ja1553)

大学部3年80組 女 阿修羅
夜闇の眷属・
麻生 遊夜(ja1838)

大学部6年5組 男 インフィルトレイター
愛すべからざる光・
神喰 朔桜(ja2099)

卒業 女 ダアト
哀の戦士・
梅ヶ枝 寿(ja2303)

卒業 男 阿修羅
雄っぱいマイスター・
御手洗 紘人(ja2549)

大学部3年109組 男 ダアト
撃退士・
金鞍 馬頭鬼(ja2735)

大学部6年75組 男 アーティスト
誠士郎の花嫁・
青戸ルーネ(ja3012)

大学部4年21組 女 ルインズブレイド
未来へ願う・
桐生 直哉(ja3043)

卒業 男 阿修羅
君のために・
桐生 凪(ja3398)

卒業 女 インフィルトレイター
撃退士・
木ノ宮 幸穂(ja4004)

大学部4年45組 女 インフィルトレイター
銀炎の奇術師・
断神 朔樂(ja5116)

大学部8年212組 男 阿修羅
其れは楽しき日々・
鈴蘭(ja5235)

中等部1年2組 女 アカシックレコーダー:タイプA
撃退士・
リュカ・アンティゼリ(ja6460)

大学部7年75組 男 阿修羅
BlueFire・
マキナ(ja7016)

卒業 男 阿修羅
ただ1人の傍観者・
ルーナ(ja7989)

大学部7年264組 女 ルインズブレイド
場を翻弄するもの・
荻乃 杏(ja8936)

大学部4年121組 女 鬼道忍軍
撃退士・
猫谷 海生(ja9149)

大学部4年68組 女 ダアト
撃退士・
霧崎 悠(ja9200)

大学部9年16組 女 阿修羅