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マスター:舞双和子
シナリオ形態:ショート
難易度:易しい
参加人数:12人
サポート:2人
リプレイ完成日時:2014/01/04


みんなの思い出



オープニング

●食堂の主
「ふっふっふ、今月もとうとうこの日がやってきたか……」
 久遠ヶ原学園、その食堂にて。静かだが不穏な声が響いた。
 横幅のある体。お世辞にも美人とは言い辛いが、どこか愛嬌のある顔つきの中年女性――学生食堂の主たる食堂のおばちゃんは、ある物を見て不敵に笑っていた。
 毎日置いてあるお持ち帰り弁当の横に陳列されているその商品の名は、『DXミックスサンド』。
 キャビア、トリュフ、フォアグラの世界三大珍味。国産の有名和牛。新鮮なブランド野菜。
 人によっては一生食べる機会がないかもしれない、あらゆる高級食材を贅沢に使った超高級サンドイッチである。
 これだけの食材を使っておきながら、その値段はなんと五百久遠! 破格! 破格の安さ!
 おばちゃんの伝手を辿り、格安で食材を仕入れた結果である!
 しかし、いくらおばちゃんの人脈を使えど、そう簡単にこれだけの食材を手に入れることはできない……。
 仕入れる回数は月に一度が限度。そしてその量は、サンドイッチにしてたった十個分。
 先着十名が手に入れることができる、月に一度の限定メニュー!
 それが――『DXミックスサンド』!
「今日は一体誰がこの幸福を掴むことができるのかねぇ……」
「佐藤さ〜ん、いつまでも遊んでないで手伝ってくださいよ〜」
「ああ、はいはい。今行くよ。あとここではおばちゃんって呼ぶようにね!」
「分かりましたよ、おばちゃん。でも、毎回これが出るたびに生徒が鬼気迫って、もう少しなんとかならないんですか? 生徒の血走った目が怖いんですけど」
「ふぅん、そうかい。それなら今回はちょっと趣向を変えてみようか。そうだね、こんな感じで――よしできた!」
 おばちゃんはサラサラっと紙に書くと、それを『DXミックスサンド』の場所に置いた。
 そこにはこう書かれていた。

 ――これを買いたい者は次の問いに答えよ。
『今日も美しいア・タ・シ! なんて言って褒める?』

「うわっ!? ムズッ!」
「どういう意味だいそりゃ」
 職員はこれから来る学生にひどく同情した。


●水面下の駆け引き
 食堂から最も近い教室。この教室では、いつものように授業が行われていた。
 一見、なんの変哲もない授業風景に見える。しかし、その教室内の空気は張りつめていた。一体なぜだろうか……?
(……ハッ、なんてな。理由は考えなくても分かる)
 原因に心当たりのある生徒は、とぼけた自分を心の中でせせら笑った。
 自分以外に狙っている奴が居るということだろう――――例のアレを。
(学園の教室でここが最も食堂から近い。つまり、ここに居る連中こそが最大のライバル……だが、特にこういう勝負で名を馳せているアイツらには要注意だ……)
(距離はおおよそ百メートル。私達が全力で走れば数秒と掛からず辿り着く距離……だけど……)
(そんな事は此処に居る全員が分かっている……そうやすやすと先を行かせてもらえるとは思えない……)
(妨害は必至、でしょうね……)
(いかにしてコイツラを出し抜くか。そこで勝負が決まる……)
(あ、なんか今すっごくラーメンが食べたい……)
(ハッ、他の奴らがどんな手を使おうが構わないわ。それ以上にえげつない手を使ってでも潰して見せる……! そう、DXサンドを手にするのは――)

『俺(私)だ!』

 生徒達の思いが錯綜する中、

 授業終了の、そして戦いを告げる鐘の音が今、鳴った――!





リプレイ本文

●スタート前
「……アレアレ?」
 ミーノ・T・ロース(jb6191)は、自分のカバンを見て首を傾げた。どうやら弁当を忘れたようだ。
 忘れてしまっては購買に行くしかないのだが、今日はあのDXサンドの日だ。
 ミーノはそれを求める生徒達の波を想像し、憂鬱になった。

「どうしたもんですかねぇ……」
 悩み過ぎていたせいで体調不良と勘違いされたミーノは、保健室のベッドで寝ていた。
「あれ、これラッキーじゃないですか?」
 今のうちにと、ミーノは教室に戻るフリをして食堂に向かう。
 僅かな罪悪感を抱きながら食堂を覗き――あの質問が目に入る。
「おばちゃあん!」
「おわ!? なんだい?」
「こんな質問しなくても、誰が見たっていつも元気でカワイイ食堂のおばさんじゃないですか! もっと自信持ってくださいぃ!!」
「お、おお? そうかい? 分かったよ」
「分かってくれたならいいんです。じゃあ、私行きますね?」
 ルンルンと外に出ていくミーノを見ながら、おばちゃんは呟いた。
「あれ、もしかしたらあたしゃ同情されたのかい?」
 教室の前まで来てようやく、ミーノは弁当を買い忘れた事に気付き、項垂れた。

●死走、開始
 チャイムが鳴った瞬間、雪村は動き出した。
「おやおや、廊下で走ってはいけませんよ……?」
 扉に最も近い席の二上 春彦(ja1805)が、雪村に向かって腕を振る。視認することも困難な金属製の糸が、雪村を襲った。
「はっ、それを俺が予測しなかったとでぶぉふ!?」
 糸を躱した雪村だったが、その先で油で足を滑らせ頭から地面に激突した。
「ひっかかったのです♪」
 事前に仕掛けていた罠に引っ掛かり、江沢 怕遊(jb6968)が会心の笑みを浮かべる。
 罠の存在が知れたという点で、雪村の犠牲が教室に居た生徒の迷いを吹っ切った。皆が我先にと入り口の油と気絶した雪村を飛び越える。
 残ったのはのんびりと向かうと決めていた者達と、ポカンとしながらそれを見るリシオ・J・イヴォール(jb7327)だった。
「……ハッ! 先生、お疲れ様でス」
「はい、お疲れ様。行っていいですよ」
「どれ、それでは私も向かおうとしよう」
 リシオの死角の席で、のっそりと下妻笹緒(ja0544)が立ち上がる。
 リシオは目を点にして叫んだ。
「なんかパンダが動いてルーーーー!?」
「はっはっは。面白い御嬢さんだ。パンダは動くものだろう?」
「エ? ……あ、はい、そうでス」
「ふむ。早く食堂に行かなくていいのかね?」
「ああ、そうでしタ!」
 リシオは駆けだそうとして思いとどまり……急ぎ足で歩き出した。
 ――そして入り口で滑った。
「ぬワー! ナンダこレー!」
「実に興味深い……」
 何故あれに引っ掛かれるのだろうと、笹緒は本気で疑問に思った。


●廊下のぶつかり合い

 集団は空を飛ぶ者と、地を走る者の二つに分かれていた。しかし、その差は意外と小さい。
 翼を持つ者達は皆、様子見に集中し先頭を行こうとしないからだ。そのため、五郎の仕掛けた罠を避けながら地を走る生徒達も、なんとかくらいついて行ける状況だった。
 しかし、他にもある理由がある。
「くそっ、なぜ罠の位置を!」
「私のアロマオイルまで……!」
「情報収集は基本でしょ!」
 五郎が事前に仕込んだ数々のロープトラップやとりもち、そして緋流 美咲(jb8394)が撒いたアロマオイルを、第二集団の先頭を走るクラウス レッドテール(jb5258)は不思議と避けていた。
 クラウスは授業前に情報収集をし、その過程で二人がうろついていた場所を把握していたのだ。その為、致命的な遅れをとる事がなく、それを後続の生徒達も倣う。それ故、集団全体で罠の効果が薄まっていた。
 この状況に、飛行集団に居た片霧 澄香(jb4494)は悪戯っぽく笑う。
「善意で警告するけど、足元要注意よ!」
 澄香は油を塗布したビー玉をばらまいた。「ゲッ!?」と、後続の集団の顔が歪む。
「大人げ無いと思うかしら? でも悪魔だから仕方ないわね」
「舐めないでください!」
 美咲の声が響いた。
 後続集団は一つの意志を持ったかのように、ビー玉を躱す。この結果に澄香は小さく目を瞠った。
「まだなのです♪」
 しかし、妨害はそこで終わらなかった。
 後続の生徒達の足元には砂利が撒かれていた。怕遊が仕掛けた物だ。
 怕遊は磁力を操り、砂利を手元に引き寄せて後続の足を払うとする。しかし、生徒達が砂利を踏んだ瞬間、それは動きを止めた。他者の干渉により、怕遊の支配から逃れたのだ。
「ふわぁ!? しまったのです!」
「そう簡単に引っ掛からないよ俺は!」
「諦めません! ルカさんの為にも!」
「良い『熱』だわ……!」
 後続の集団から感じる信念、執念とも呼ぶべきものに、澄香の口元に笑みが浮かぶ。
 先頭は現在、ジェイク・コールドウェル(jb8371)が。それを追いかけるように、春彦が飛んでいる。
 その先の天井には、四隅を画鋲で止められているビニール袋があった。
 怕遊はその画鋲を引き寄せる。すると、袋から大量の唐辛子パウダーがばらまかれた。
「あはー、怖い怖いー」
 天井を注意していたジェイクは、難なくその罠を避ける。その後ろの春彦も続いた。
 先頭グループの順位は変わらず、じりじりと後続との距離が開く。
「行かせるか! DXサンドは俺の物だ!」
「やめるんだ!」
 五郎は懐から投げ縄を取り出し、前方の集団を狙う。そんな五郎を、横から組み伏せるものがいた。隣を走っていたキスカ・F(jb7918)だ。
「お前、どういうつもりだ!?」
「どうもこうもあるか! DXサンドだかなんだかよく分からないけど、そんな物の為に君はこんな酷い事をしたのか!」
「はぁ? お前、何も知らずに走って……」
「人を騙して、謀って、陥れて。そんなに楽しいか、満足か! 僕は、君のような人間は許せない。 人と人は、助け合うために、愛し合うために生まれるんだ。それを分かれッ!」
「お、お前、何を言ってへぶぁッ!?」
 五郎はキスカに殴られ意識を飛ばされた。
 止めなくては。義務感と怒りがキスカに速さを与え、彼は第二集団の前に回り込む。
「もうやめるんだ。何故、生徒同士で争わなきゃならない。こんなことは、嫉妬と哀しみを連鎖させるだけだって……何で分からな「ふぉおおおおお!」げふぁあ!」
 切実に訴えるキスカだが、反町の巨体に曳かれ問答無用に弾き飛ばされる。彼の崇高な精神は、美食に飢えた生徒達には届かなかった。
「ふぉおおおおおお!」
「行かせませんよ!」
 美咲は反町の前に立ちはだかる。
 美咲の目的は自分がDXサンドを手に入れることではない。友人であり、恩人でもあるルカーナ・キルヴィス(jb8420)が手に入れる為にサポートをすることだ。
 前方の飛行集団には追いつけない。ならば一人でも多く、危険な者を排除する。
「ふぉおおおおおお!」
 女である自分なら曳かれないかも――その美咲の考えは甘いと言わざるをえなかった。
 反町は速度を緩めず突っ込んだ。美咲は短い苦悶の声を上げ、衝撃に視界がぶれる。
 しかし、ここで負ける訳にはいかなかった。
「ルカさんの為にもっ、行かせる訳にはっ、いかないんですよぉおおお!」
「ふぉおおおおおごぶっ!?」
 美咲は反町の腰に手を回し、その勢いを利用して裏投げを打つ。反町は顔面から地面に激突し、意識を失った。
 とはいえ、美咲も無傷では済まなった。反町に与えられた衝撃により、体が言う事を聞かない。
「うぇっ!? みさみさ、どうしたの!?」
 力なく廊下に横たわった美咲の横に、急にルカの姿が現れた。
 今日が何の日かは知らないが、不穏な空気を感じたルカは、気配と姿を消しランランと鼻歌混じりで食堂に向かっていたのだ。ちなみに、ルカは美咲の目的を全く知らなかった。
「ルカさん……私のことはいいから……早く行ってください……でないと、私のやったことが無駄になってしまいます……」
「……そ、そうなの? じゃあ、よく分からないけど行くね? 本当に大丈夫?」
「ええ、行ってください……あ、そこにアロマオイルが撒いてあるのでお気をつけて」
「う、うん。分かったよ」
 ルカは心配そうな顔をしながらも、再び食堂を目指す。
 その背を見届け、美咲は満足そうな表情を浮かべ、気絶した。


「ネバネバダー! ちょっ、床が滑ッ――! ゲホッ、辛ッ!? うワー! タスケテー!」
「ふむ。一体いつになれば食堂に着くのだろうな」


 ●ゴール前のデットヒート

 戦いは佳境に入っていた。
 トップを飛んでいるのは、変わらずジェイクだ。
「わはー、一番は自分ですかー」
「させませんよ!」
 春彦はジェイクの前に、チェーンで繋がったヒヒイロカネを投げる。チェーン越しに春彦のアウルが伝わり、シールドが顕現した。
 ジェイクは視界が塞がり「へぶっ!?」と声を上げながら墜落する。
「よし、これで――」
「甘いのです♪」
 怕遊が手をかざす。すると、手元にボルトが引き寄せられた。
 その直後、春彦の頭上に鉄板が落ちる。ゴンッ! と痛そうな音が響き、春彦は体勢を崩した。その春彦を踏み「ぐはっ!?」つけ、怕遊は食堂に飛び込む。
 真っ先におばちゃんの元へ目指し、ニッコリと笑って怕遊は言う。
「いつもごはんありがとうなのですよ♪ おばちゃんはぼくたちのお母さんみたいでしっかりと貫禄があるのです♪ これからもおいしいごはんよろしくなのです♪」
「……ま、いっか。分かってなさそうだし、一番のご褒美ってことで。ほら、これだろ? 持ってきな」
「おー、やったのです♪」
 ――怕遊はDXサンドを手に入れた!
「おー、美味しいのです♪」


 続いて入ってきた澄香は怪訝な顔を作り、質問を眺めてから得心がいったように頷いた。
 そして、おばちゃんの手を掴むと、満面の笑みを浮かべ、
「天魔の私にも優しくしてくださいますし、 このDXミックスサンドも、皆に喜んでもらいたいって言う心がすごくこもってて、 凄くおいしそう……本当にいつもありがとうございますっ!」
「……う〜ん、質問の意図とは違うけど、あたしとアンタの仲だしね。ほら、持ってきな」
「ありがとうございます!」
 ――澄香はDXサンドを手に入れた。
 
「これが勝利の味ね……一段と美味しいわ」


 クラウスはラストスパートをかけ、高速でジェイクと春彦を抜き去り食堂に飛び込んだ。
 そして質問を目にし、小さく目を瞬かせたあと、ニッとやんちゃそうな笑顔を見せる。
「DXサンドを買う買わない抜きでも、おばちゃんはこの食堂で一番だよ♪」
「あっはっは! 微妙に明言してないあたりが上手い! 気に入った、持ってけ!」
「ありがと!」
 ――クラウスはDXサンドを手に入れた!

「――旨っ!」


 ジェイクと春彦は、フラフラとなりながら食堂に入ってきた。お互い、受けたダメージはそれなりに大きいらしい。
 ジェイクは質問を見ると、迷わず答えた。
「あはーおばちゃんは物売ってる時が一番輝いてるのですよー」
「あたしゃ食堂のおばちゃんだからね。そいつは嬉しい言葉だ。持ってきな」
「あはー、どもですー」
 ――ジェイクはDXサンドを手に入れた!
 
 続く春彦も、さして悩む姿は見せなかった。
 じっとおばちゃんの顔を見て、答える。
「美醜の定義は人それぞれですが……僕はあなたのその、食に対する姿勢はとても美しいものだと思いますよ」
「……ふん? 真面目に言ってるようだね。なら良し、持ってきな!」
 ――春彦はDXサンドを手に入れた!

「顔は大丈夫ですか?」
「あはー、イベントですしそんなに気にしてませんよー。それに、こんなに美味しい物を食べれれば痛みなんて忘れちゃいますしー」
「ふっ、それもそうですね」


 
 ルカが食堂に着いた頃には、既に多くの生徒がDXサンドを求め波を作っていた。
 怒りと嘆きの声が響く食堂に驚きながらも、ルカは人ごみの中を這いくぐっておばちゃんの元に辿り着く。
「おばちゃん、とびっきりおいしーパンがほしーの♪」
「おや、美味しいパンならいっぱいあるけど、なんでもいいのかい? アンタもアレを狙ってきたんじゃないのかい?」
「おばちゃんが選んでくれたパンなら、ルカなんでもおいしーと思う♪」
 にぱっ、と聞こえるような純粋な笑みに、おばちゃんは数秒程天井を見上げ、パンを渡した。
「じゃあこれをあげよう。持っていきな」
「わーい、ありがとう♪」
 それは最後のDXサンドだった。
――ルカはDXサンドを手に入れた!

「おばちゃん、質問はよかったんですか?」
「可愛いは正義……あたしゃ今、その言葉を心から思い知った」
「何言ってるんだか……」

「美味しい〜!」



 幾つもの罠に引っ掛かり、ボロボロになりながら、リシオは笹緒と共に食堂に入った。
「おばちゃん、DXサンドはありますカ!?」
「悪いねぇ、さっき売切れちゃったんだよ」
「う〜……それじゃあ、焼きそばパンと牛乳ヲ」
「あいよ」
 ――リシオは焼きそばパンと牛乳を手に入れた!
 ――リシオはしょんぼりとしながら教室に戻った!

「トホホ……なのです……」


「で、アンタはどうする?」
 おばちゃんは胡乱げな瞳を笹緒に向ける。
 笹緒は不敵に笑った。
「私の目的はDXサンドを食すことではない。その至高のパンに、否、おばちゃんに勝負を挑むことだ。私のパン――『パンダパン』でな」
 笹緒はパンダの形をしたクリームパンを、さりげなく商品に混ぜた。どこかすっとぼけた顔をしたパンに、DXサンド競争の負け犬達の心が和らぐ。パンダパンは、笹緒の狙いどおり癒しを与えていた。
 チラッと質問を見て、笹緒は小さく微笑む。
「面白い質問だ。しかし、美しいか、否か。 それはもう決まっている。授業が終わって食事を摂る、この時間こそが黄金。貴女も、生徒たちも、そして何よりここに並んだパンが、美しい。全てが、美しいのだ」
「何言ってんだいあんた?」
 ――笹緒はおばちゃんに呆れられた!

「究極のパンは『パンダパ――」



●傍観者達

「おー、やってますね」
 玉置 雪子(jb8344)は人ごみを楽しそうに眺める。
 あそこに混ざる気はない。離れた所から見てその様子を見ている方がよっぽど面白いからだ。
 雪子は席を取り、手作り弁当を広げる。……玉子焼き失敗してて焦げ臭すぎワロタ。
苦い玉子焼きを口にしても、フヒヒと笑いながら、雪子は片手でスレを立てる。

『サンドイッチ争奪戦を見物してるけど何か質問ある?』
・まだ残ってんの?
・よくやるよな参加するやつ
・死人出た?
・面白い奴いる?

 雪子は最後の質問に悩んだあと、視界に映った一際目立つ人物の事を書き込む。

『なんかパンダがパンダのパンを売り込んでる』
・パンダwww
・パンダwww
・パンダ ま た お ま え か
・歪みないパンダwww
・あのパンダ何やってんだwww
・パンダって何?
・久遠ヶ原のパンダと言えばアイツしかいないwww

「フヒヒ!」
 爆発的に増えたレスに、雪子は嬉々としながらスレに集中し始めた。





依頼結果

依頼成功度:普通
MVP: −
重体: −
面白かった!:13人

パンダヶ原学園長・
下妻笹緒(ja0544)

卒業 男 ダアト
飽くなき食の探求者・
二上 春彦(ja1805)

大学部7年22組 男 ディバインナイト
演技派小悪魔・
片霧 澄香(jb4494)

高等部3年14組 女 ルインズブレイド
青の悪意を阻みし者・
クラウス レッドテール(jb5258)

大学部4年143組 男 インフィルトレイター
撃退士・
ミーノ・T・ロース(jb6191)

大学部3年261組 女 アカシックレコーダー:タイプA
女の子じゃないよ!・
江沢 怕遊(jb6968)

大学部4年282組 男 アカシックレコーダー:タイプB
大切な家族へ・
リシオ・J・イヴォール(jb7327)

高等部3年13組 女 ルインズブレイド
戦わないで済むのなら・
キスカ・F(jb7918)

大学部4年227組 男 インフィルトレイター
氷結系の意地・
玉置 雪子(jb8344)

中等部1年2組 女 アカシックレコーダー:タイプB
撃退士・
ジェイク・コールドウェル(jb8371)

大学部2年5組 男 アカシックレコーダー:タイプA
誠心誠意・
緋流 美咲(jb8394)

大学部2年68組 女 ルインズブレイド
はりきりシェフ・
ルカーナ・キルヴィス(jb8420)

大学部3年323組 女 ナイトウォーカー