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マスター:真人
シナリオ形態:ショート
難易度:易しい
参加人数:8人
サポート:2人
リプレイ完成日時:2014/12/11


みんなの思い出



オープニング

●きつね小路商店街の受難
 クリスマスまであと1ケ月となり、町のあちこちで華やかなイルミネーションが輝きだす季節になった。
 それは前世紀の匂いが色濃いきつね小路商店街も例外ではない。
「電飾を点けただけでも見違えるねぇ」
「あとは何か音楽を流せば、もっと賑やかになると思いますよ」
 手を合わせて感激する豆腐屋のおばちゃんに、お花の配達に来た青年がにっこりと微笑んだ。
「悪かったねぇ。お仕事の途中なのに手伝わせちゃって」
 何かお礼を――そう言って付近の店主達が油揚げや野菜をビニール袋に投入し始めた時。

 ぽん。ぽぽん。ぽんぽこぽん。

 絶妙なタイミングで間の抜けた音が鳴り響いた。
「おや。音楽ってこういう感じのでも良いのかい?」
「……コレジャナイです」
「今の時期ならクリスマスソングに決まってるじゃない。孫からシーデーを借りてきてあげるわ」
「しかし下手くそな演奏だな。木魚か?」

 ぽんぽぽ ぽっぽんぽぽん ぽぽぽんぽっぽんぽん!
 ぽんぱぽ ぽっぽんぽぱん ぽぽぽんぱっぽんぽん!

 明るい曲調に変わってもダメな物はダメ。しかも何か微妙にハモっているし。
 しかし、誰がこれを奏でているのだろう? 店主達は首を傾げる。本当に木魚の音であれば、向かいの仏具屋さんがアヤシイが……。
「俺じゃあねぇぞぉ」
 容疑者にされかけた仏具屋さんがちょっと不愉快そうに顔を出し、濡れ衣は瞬時に晴れた。
 騒ぎに気付いた数少ないお客さんも次々と通りに出て、この奇妙な音楽の発生源を探ろうと耳を澄ませる。

 ぽぽぽん ぽぽぽん ぽぽぽん ぱん!
 ぽぽぽん ぽぽぽん ぽぽぽん ぱん!
 ぱぱぱん ぱぱぱん ぱぱぱん ぽん!

 音は次第に増えてくる。
 もしかしてお宮の方じゃないか? と気付いた畳屋さんが様子を見に行って……直後にうひゃあ、と悲鳴を上げた。
「た、タヌキ……タヌキが攻めてきたっ!」
 腰を抜かしたように四つん這いで逃げてきた畳屋さんの向こうから、ぞろぞろとタヌキが現れる。
 しかも、タヌキのくせに二足歩行をして!!
「うちにタヌキを送り込むたぁ……どこのどいつか判らんが、良い度胸してるじゃねぇか」

 ここは『きつね小路商店街』である。
 名前の由来となったお宮の神様に見守られ、祖父母のそのまた祖父母の代から、度重なる大火や戦争を何度も乗り越えてきた。
 近所にショッピングモールが出来ても続けてこれたのは、お狐さまの加護があったから。
 だから今、その御恩を返す時がきたのだ!!
 そう宣言をしたのはお腹がぽっちゃり膨らんだ金物屋のおっちゃんだった。力士のように力強く四股を踏んで迎え撃とうとするが……
「無理ですよ。逃げましょう」
 青年が慌てて腕を掴んで引き止めた。
「心配は要らんぞ、拓ちゃん。ワシはこう見えても…‥」
「だってあれ、天魔ですよ」
「……そうなのか?」
「二足歩行するタヌキが普通だと思いますかっ?!」
 ずいぶんと間が抜けて愛敬のある姿に騙されそうになるが、あれは歴とした天魔である。
「そ、そういえば……」
 青年の一言で我に返ったおっちゃんは素直に避難を開始した。

 ――数分後、久遠ヶ原学園に1本の電話が入り、タヌキは天魔駆除のプロに委ねられる事になった。


リプレイ本文

●疾風のように現れて
 来た。
 来た来た来た。
 ごっつい兄ちゃんから可愛らしい娘っ子までやって来た!!

 商店街で天魔が暴れている――そんな通報を受け駆け付けた撃退士達は、商店街の人々が自分達に向ける期待に満ちた視線を、イタい程に感じ取っていた。
 パシャッ。
 微かな音に振り向けば、そこにはスマホを構えた割烹着おばちゃんの姿があった。隣には十数枚の色紙とサインペンを持ったおっちゃんも立っている。
 きっと彼は文房具屋さん。在庫の補充中、事件が発生して慌てて飛び出したのだ。そうに違いない。
 皆はそう思う事にした。
「おー、たぬきさんがいっぱいだ」
 入り口ゲートから小路を覗き込んだ草薙 タマモ(jb4234)が感嘆の声を上げた。
 人間の姿が消えた商店街で、タヌキ達は衣料品店のマネキンを倒し、お魚が並んだ陳列台をひっくり返す。
「それなりに天魔を見てきたつもりだが……」
 恐怖を植え付けたいのなら、もっとオドロオドロした姿にするだろう。
 しかし目の前で無双を続けるタヌキ達は、まるでどこかの民芸品のようで……創造主の意図を図りかね、金鞍 馬頭鬼(ja2735)は額を抑える。
「うーん……。『きつね小路』と聞いて、対抗意識燃やした……とか?」
 ぽつりと漏れた黄昏ひりょ(jb3452)の推測に、商店街の人々が口々に賛同の声を上げた。
「もう少し可愛らしいタヌキであって欲しかった……」
 深く深く息を吐いた雪之丞(jb9178)に視線が集まった。周囲の不可解な反応を理解できず、雪之丞が眉を顰める。
「意外とユニークだと思うんだけど?」
「これで人に害を及ぼさなければ多くの人から愛されたはずなのに、悲しいですね」
 素直な意見を口にした蒼月 夜刀(jb9630)に、ユウ(jb5639)も同意を示す。
「でもなんだか、私はきつねさんを助けなきゃいけない気がすごくするんだよ」
 それは撃退士としての宿命か、魂に刻まれた名前が示す本能か? タマモは腕組みをして頷いた。
「見た目は愛らしいかもしれんが中身は天魔……」
「商店街の人の生活が懸かってるしね」
 タヌキに化かされてはいけない、と自身に気合をいれた和泉 大和(jb9075)。
 天羽 伊都(jb2199)も静かに黒獅子モードへと光纏を果たす。

 見逃すという選択肢は、存在するはずもなかった。


●侵食するタヌキ
 自分達が戦う所を覗いてはいけません。
 好奇心旺盛な商店街の人々が巻き込まれては大変なので、機を織るツルのような忠告を残し、撃退士達は戦いに赴く。
「ひぃ、ふぅ、みぃ……軽く5倍はいるみたいだね」
 囲まれたら拙い、とひりょ。
 仮に単体としての強さは低くとも、あの数で連携されれば脅威となり得る。まさに『数は暴力』といったところだ。
「孤立しないように気を付けないとね。……特にユウさんは、無茶だけはしないように」
 ひりょの視線は、先の任務で負った傷が治りきらないユウへと向けられた。
「私は遠距離から援護に徹します。皆さんも、くれぐれも気を付けて下さい」
 ユウは申し訳なさそうに頭を下げると、闇の翼を広げた。
 全身の傷が鈍く痛み、思わず唇を噛みしめる。それでも動けない程ではない。大丈夫と自分に言い聞かせ、高く舞い上がった。
 細い路地。軒下にせり出したテントの隙間から、タヌキ達の姿が見え隠れする。
「敵は商店街全域に散らばっています」
 小さいタヌキは情報にあった通り、筆を持ったモノと徳利を抱えたモノの2種類だけ。
 視線を奥の方へと移すと、お宮へ向かう階段の手前に一際大きなタヌキが1体、どっしりと鎮座していた。周囲に数体の小タヌキが、大タヌキを守るように付き従っていた。
 商店街の状況を確認した後、ユウは一度仲間のもとへ戻り、状況を報告した。
「さて、試験明けの肩慣らしにはちょうどいいだろう」
 雪之丞が剣を構えて先陣を切った。
 鬼神一閃――アウルの炎を宿した刃を翻し、直近の小タヌキを薙ぎ払う。
 突然現れた殺戮者に小タヌキ達は慌てふためき、互いに激突しながらも布陣を整え始める。
 (。ゝ゜)(。ゝ゜)(゜ゝ。)
 小首を傾げる剽軽な顔立ちは殺気と縁遠い。しかし、確かに何か得体の知れないオーラ的なものを放っていた。
「さてさて、ちゃちゃっと倒してたぬきうどんでも食べて帰らせてもらうよ!」
 三軒先にうどん屋さんを見つけた伊都が声高らかに宣言をする。
 小タヌキがある種の戦慄を覚えたのはいうまでもない。


●怪獣大戦争
 炎の球が走り、群がるタヌキの海を割ってできた道を、タマモと大和が一気に駆け抜けた。
「おまえが親分っぽいよね。覚悟してもらうから!」
 これだけでかい図体をして『ワシ違うもんね〜』なんて言わせない。断じて。絶対に。
 タマモが大タヌキに指を突きつけて宣戦布告をする。
 その言葉を理解したのかしないのか、大タヌキは相変わらず円らな瞳でタマモを見下ろしていた。護衛らしき小タヌキ達も、不思議そうな顔をするだけで微動だにしない。
「油断させようとしたって駄目なんだからねっ」
『ピーィ』
 タマモ、鳳凰召喚!

 ――実はこの時大和もヒリュウを召喚していたのだが、タヌキ達の視線は派手な鳥さんの方に集中していたため、気付かれた様子はなかった。
 ヒリュウは傍らに転がっていた発泡スチロールを頭に被って風景と同化する。

 召喚された鳳凰は、戦いに参加することなく上空へと舞い上がる。
 その様子を見守っていた大タヌキは、おもむろに編笠を手にすると鳳凰に向かって投げ放った。
『ピー……』
 華麗に避けた鳳凰だったが。
「うごっ」
 編笠はブーメランのようにUターン。直撃のダメージはそのまま召喚主へと伝わり、タマモは後頭部を抑えて蹲った。
(良し、今だ勝之助!)
 タマモ――お前の尊い犠牲は無駄にしない。
 大和の意思を悟ったヒリュウは発泡スチロールの鎧を脱ぎ捨てると、大タヌキの顔面目がけてブレスを吐き出した。


●人間(?)だって負けていない
「このシチュエーション、良いね。仲間っていう感じだよね」
 合わせた背中越しに語る伊都に頷いて、ひりょは氷晶霊符を掲げた。
 生み出されたのは冷たい輝きを放つ氷の刃。
 当初はのんびり構えていた小タヌキ達だったが、一度サックリと腕を切られてからはソレが怖いものだと学習したらしい。ちらりと視線を剥けただけで、背中を向けて逃げる、逃げる、逃げる。
 そうして数匹が集まったところで、ひりょは描いた魔方陣に小タヌキ達を閉じ込め、一気に炸裂させた。
「僕も負けていられないね」
 戦友(とも)の活躍に触発され、伊都も天之尾羽張を構える。対するは筆を手にした1体の小タヌキだ。
「君はどうやら『出来る』ようだね」
 ………(゜ゝ゜)
 円らな瞳は一点の曇りもない鏡。水面のように研ぎ澄まされた隙のない構えは、一廉の剣士を思わせる。
 無我。
 実際に何も考えていないという可能性もあるが、とにかくそいつは只者ではない気配を漂わせていた。
 互いに見つめ合うこと十数秒。己が間合いに小タヌキを捉えた伊都が、神速の早さで踏み込む。
 瞳と瞳、刀と筆が一瞬で交錯し――
 どさりと音がして、袈裟がけに体を断たれた小タヌキが地面に落ちた。
「……手強い相手だった」
 紙一重の勝利を手にした伊都のほっぺには、艶々とした墨で『の』の鏡文字が書き記されていた。

 ぽんぽこ ぽっぽん ぽんぽこぽん。
 ぽんぽこ ぽっぽん ぽんぽこぽん。
 ぽんぽこ ぽっぽん ぽんぽこぽん。
 ぽんぽこ ぽっぽん ぽんぽこぽん。

 激しく打ち鳴らす腹鼓が互いに共鳴し合い、物理的な衝撃波となって撃退士達に襲いかかる。
「耐えられない程ではない……が、塵も積もればヤバイかもな」
 一つひとつのダメージは低い。しかし、間の抜けた腹鼓の音がハモればハモる程、威力が増していくように感じるのは、気のせいだろうか?
 そんな思い込みを振り払うように馬頭鬼は銃を撃ち放つ。
 撃たれて倒れ、怯えて離脱し……取り囲む数が減るごとに、馬頭鬼は戦いのリズムを取り戻していく。
「おっと、タヌキ寝入りは無意味だぜ?」
 隅っこの方で伸びていた小タヌキが1体、匍匐前進で店の中に逃げ込むのを、馬頭鬼は見逃さなかった
 気付かれてもなお死んだふりを続けようとする小タヌキに銃口を向け、容赦なくトドメを刺した。

「ちょっとはこっちの都合も考えろってんだ」
 夜刀の口から、可憐な顔立ちからは想像も突かない乱暴なセリフが吐き出される。
 徳利を持った小タヌキを狙っていた夜刀だったが、自身を囲む群れの中には筆を持ったモノも何体か混じっていた。
 双方が奏でる腹鼓は微妙にリズムがズレていて、それが妙に神経を逆撫でるのだ。
「雪之丞、大丈夫か?」
 スマッシュで小タヌキを薙ぎ払った夜刀が振り向く。
 細い吊り目がキツネを思わせるのか――小タヌキ達の攻撃は、隣り合う雪之丞の方へ集中していた。
 防御力に乏しい雪之丞にとって集中攻撃を受ける事は危険な事だが……。
 回復のタイミングを計るひりょに、雪之丞は自身ではなく夜刀の方を優先するよう告げる。
「え、何で俺……?」
「自覚していないのか。ふらついているぞ?」
 無数の雑魚を相手にする時に必要なのは防御力よりスタミナ。そう言った意味では、夜刀のほうが堕ちる可能性は高かったりする。
「2人とも早くこっちへ。離れすぎていると、いざと言う時に治せない」
 気が付けば小タヌキの波に流され、撃退士達はバラバラになっていた。雪之丞と夜刀は、タヌキ達を牽制しながら仲間と合流を試みる。
 ぽた。
 ぽたぽた。
 その時、2人の頭を目がけ、軒先テントから小タヌキが降ってきた。
 (。ゞ゜)
 夜刀の視界いっぱいに小タヌキの超弩アップが広がった。そして……
「うわ、酒くさっ」
 生温かい息を顔面に吹きかけられ、夜刀は鼻をつまんで小タヌキを放り投げた。
「け……汚らわしい、汚らわしい、汚らわしいっ」
 背中から脳天まで寒気が突き抜けた雪之丞は、我を忘れて刀を振り回しながら、逃げ惑うタヌキを追いかけ始めた。


●悪あがきという名の奥の手
 撃退士達の奮闘で小タヌキ達は次々と数を減らしていく。
「さてさて、そろそろ追い込みをかけないとな。一気に閉店させよう!」
 残るは十数体となり、伊都は仲間達に奮起を促した。

 まずひ。
 このままでは全滅してしまう。
 危機感に駆られた大タヌキは、ついに禁断の秘術に手を出した。
 これまで仲間を支援するためマラカスのように振り続けた算盤を抱え込むと、ギターを弾くように掻き鳴らしたのだ。
『キィ?』
 ヒリュウが興味深げに珠の動きを目で追った。頷く頭が、振り回す尻尾が、次第にそのリズムと同調し――
『キュゥ〜〜〜〜〜、ウッ♪』
 踊り出した。
 それは当然、召喚主である大和も同じで。
 大和が手にする大鎌が小タヌキ1体を弾き飛ばし、タマモの頭を掠めて理髪店のサインポールを両断した。
「ストップ! 長物禁止!」
 危うく首を刎ねられかけたタマモが抗議の声を上げる。
「あの音を聞いて愉快になったと思ったら、自然に体が動き出してな」
 周辺の建物を壊してはマズいので、大和は唯一の魔具をヒヒイロカネへと戻した。
 異変が起きているは大和だけではなかった。ひりょや夜刀も同様に踊っている。その一方で小タヌキ達は何事もなかったようにポンポコ言っていた。
『おそらく……算盤が……原因……かもしれません』
 無線機からユウの声が流れた。
 息が切れているのは、確認のため高度を落とした時に『踊り』の効果を受けてしまったからだ。
 幸い翼の自由までは奪われなかったので、高度を上げて難を逃れる事ができた。
 乱れた息を整えると、ユウはスナイパーライフルを構えた。慎重に照準を定め、大タヌキが持つ算盤を狙い撃つ。
 ――ぱぁん!
 パラパラと小気味よい音が響き、算盤の珠が飛び散った。
 呆気にとられるタヌキを、今度は九尾狐のオーラを背負ったタマモが強襲する。
「私の秘術、受けてみろ!」
 放たれたリング状の煙は、触れたものを石へと変える猛毒の気だ。
 もちろん天魔と言えど例に漏れず……間抜けな面構えのまま、大タヌキは冷たい石へと化した。

「あっ」
「楽になった、か?」
 算盤が弾かれると同時に、撃退士達を乱舞させていた戒めも解けた。
「よくもあれだけ踊らせてくれたよな?」
 爽やかな笑顔の下に隠されたひりょの怒りは、そっくり小タヌキ達へと向けられた。
 小タヌキ達は最後まで抵抗を繰り返したが、親玉が既に落ち、頭数の比も逆転した今、彼らに勝ち目はなかった。
 

●疾風のように去る前に
 ひっくり返った買い物カゴ。
 タヌキの肉球がスタンプされた衣料品。
 あちこちに転がるお野菜と死屍累々のタヌキ達――

 商店街の人々は、目の前に広がる惨状を見ても嘆く事はなかった。
 昔のように建物が無くなった訳じゃない。ほんの少しお休みすれば、また再開できるから。
 まるでちょっと大きな台風が通り過ぎたような雰囲気で、後片付けを始める。
 誰かが言い出したというわけではないけれど、撃退士達も進んで作業を手伝った。
「悪いねぇ。色々させちゃって。お腹が空いたろう?」
 片付けが一段落した時を見計らい、お惣菜屋のおばちゃんがジュースと揚げ物を差し入れしてくれた。
 ちょうどお昼時という事もあり、撃退士達はそれらを有難く頂戴する。
 一個ずつ皆で分けあって、まずは看板商品のメンチカツをぱくり。
 噛みしめたとたん、口の中にじわりと肉汁が広がる。
 それは思った以上に熱く、タマモはハフハフと金魚のように口を開けて息を吸い込んだ。
 数十年間愛され続けているというだけあり、おばちゃんのお惣菜はどれも本当に美味しかった。
「たくさんあるから、好きなだけ食べておくれよ」
 大きな体格の大和が奇妙なトカゲ(注:ヒリュウ)と一緒にコロッケを頬張る姿を、おばちゃんは微笑ましげに眺めていた。
 伊都もうどん屋のおじちゃんを攻略し、公約通りたぬきうどんをゲット。
 気合を入れたおじちゃんは、しっかり全員の分を用意してくれた。



 こうして天魔の野望を阻んだ撃退士達は、商店街の人々の感謝で心もお腹もいっぱい膨らませ、達成感に満ちた表情で帰路に付いた。


依頼結果

依頼成功度:大成功
MVP: −
重体: −
面白かった!:8人

撃退士・
金鞍 馬頭鬼(ja2735)

大学部6年75組 男 アーティスト
黒焔の牙爪・
天羽 伊都(jb2199)

大学部1年128組 男 ルインズブレイド
来し方抱き、行く末見つめ・
黄昏ひりょ(jb3452)

卒業 男 陰陽師
タマモン・
草薙 タマモ(jb4234)

大学部3年6組 女 陰陽師
優しき強さを抱く・
ユウ(jb5639)

大学部5年7組 女 阿修羅
漢だぜ!・
和泉 大和(jb9075)

大学部7年161組 男 バハムートテイマー
秘名は仮面と明月の下で・
雪之丞(jb9178)

大学部4年247組 女 阿修羅
充実した撃退士・
蒼月 夜刀(jb9630)

高等部1年30組 男 ルインズブレイド