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マスター:真人
シナリオ形態:イベント
難易度:普通
参加人数:25人
サポート:2人
リプレイ完成日時:2013/04/09


みんなの思い出



オープニング

※このシナリオはエイプリルフール・シナリオです。オープニングは架空のものであり、ゲームの世界観に一切影響を与えません。



 その世界は一面の花畑だった。
 “時”を食らう天魔『バ・クゥ』を追い、蒲葡 源三郎 (jz0158)が迷い込んだ奇妙な『げぇと世界』。
 春に咲く花だけではない。アジサイ、ヒマワリ、ヒガンバナ――四季折々の花が咲き乱れている。
 樹の枝にマシュマロやキャンディがたわわに実り、川に流れるものは澄んだ水ではなく、甘い香りを放つチョコレートや蜂蜜だ。
 周囲には天魔の眷属らしき存在もちらほら見られるが、撃退士である源三郎に攻撃を仕掛けてくるわけでもなく、のんべんだらりと森の恵みを享受していた。
 どこまでも非常識で、どこまでもメルヘンな世界……。
「いかん……。このままでは拙い」
 きっとこれは罠。油断させ、取り込んで、アウル能力者の感情や魂を奪うための、天魔の誘惑に違いない。
 頭を振って誘惑を断ち切った源三郎は、バ・クゥを倒すため、共に『げぇと世界』に迷い込んだはずの撃退士達を捜し始めた。


 風に乗って聞こえて来た声に気付き、源三郎は足音を消して近づいた。
 小高い丘の上に小さな人影がみえた。
 1つは黒いゴシックワンピースを着た女の子。雪のように白い肌が、衣装と対照的。
 もう1つはダメージジーンズを穿いた男の子。可愛らしい団栗眼は、昆虫のような複眼だ。
「なっ君! 馬になりなさい!」
 手にしたハエタタキは鞭のつもりなのか。幼女が高飛車に言い放つ。
「やだ!」
 もちろん幼児は頑なに拒む。
 だって男の子だもん。四つん這いになってお馬さんの真似なんて、プライドが許さない。
 やれ。やらない。押し問答が繰り返される中、幼女はビシバシとハエタタキで幼児の背を叩き始める。
 痛かったけれど、幼児は必死に耐えていた。我慢して。我慢して……。
 そして、ついに幼児はキレた。
「スーちゃんなんか大っ嫌い!」
 手加減無く突き飛ばされた幼女は、ゴロゴロゴロと丘を転がり落ち、源三郎の足に当たってようやく止まった。
「うわああぁん。なっ君がイジめた〜〜〜!」
(……先に手ぇ出してたのはどっちよ。)
 深くため息を吐きつつも、源三郎は足にしがみつく幼女を抱き上げ、よしよし、と宥めてやった。


 両手にガキんちょを引っ提げて、源三郎は共に『げぇと世界』に迷い込んだはずの撃退士達を捜し続ける。
 しかし。
 1人、また1人と合流する撃退士達はなぜか皆お子様ばかりで。
 ようやく出会った大人も、狙いすましたようなバ・クゥの奇襲を受け、目の前で子供の姿に変えられてしまった。
 せめてもの救いは、たとえ子供であっても、彼らが撃退士としての力と、記憶をを無くしていない事か。

「ここどこー?」
「おじちゃん、しっこでそう」

 中身がちょっとお子様っぽくなっているけれど。

「俺があいつを倒すんだ!」
「今度は絶対負けないんだから」

 この使命感がある限り、皆で力を合わせバ・クゥと戦えるはず。
 そう、信じる事にした。


リプレイ本文

●出発地点〜まずは点呼を……
 目の前を水色メガネのトンボが飛んで行った。
 虹色の羽根の蝶々もいた。他にも、お祭りで売っていそうなピンク色のヒヨコとか。
 みんな背中に乗れそうなぐらい大きくて。可愛いけど、ちょっとこあい。
「おねーちゃん、きてなくてよかった。けど……」
 初めての場所で、初めての1人きり。むくむくと湧きあがってくる不安と寂しさに気付き、緋伝 璃狗(ja0014)の瞳に大粒の涙が浮かんだ。
「えっく、ひっく……おにーちゃ、いない……」
 同じように兄とはぐれたレグルス・グラウシード(ja8064)も、堪え切れずに泣き出してしまった。
「う、うぅぅ……ど、どこいったの……?」
 アダム(jb2614)が探し求めるのは頼れる友達、クリフ・ロジャーズ(jb2560)の姿。大きなトンボから逃げてまわっている内に、はぐれてしまったのだ。
「アダム、俺はここにいる。もうへいきだよ。いっしょにいこ」
 泣き声を聞いて駆け付けたクリフは、会えた喜びで抱き着いてきたアダムの頭をなでなでしてやった。
「ふぇえ、どこー? あーちゃん」
 ブカブカの病院パジャマに身を包んだ紅葉 虎葵(ja0059)は、熱に潤んだ瞳で鬼無里 鴉鳥(ja7179)の袖を握りしめた。
 時を奪われても、鬼無里当主として培われた信条を失ったわけでは無い。虎葵に静かな笑みを見せると、鴉鳥の表情は一転、冷徹な目で『こあ』のあるケーキを見据えていた。
「またおにーたんと会えたの、うれしいのー」
 薄紅色の被布を着た雪成 藤花(ja0292)は、羽織袴の星杜 焔(ja5378)と手を繋ぎ、満面の笑みを見せていた。
 幼い頃、初めて会った時そのままの姿に、当時の淡い想いが蘇ってくる。
「とーかちゃん、ほむらくん、みーっけ♪」
 そんな仲良しさんに突撃ハグをかました藤咲千尋(ja8564)。3人で盛大にゴロゴロした後で、千尋は次なるエモノを求めてさ迷い歩く。
「お腹空いた……」
 ぽつりと呟いた雫(ja1894)が熱い視線を向けたヒヨコは、幼女悪魔・スーちゃんのお友達だ。
「おじちゃん、あれ、丸焼きにして」
 いきなりの衝撃発言に、スーちゃんは雫に対し、あからさまな敵意を向けた。
「いや……マズいだろ?」
 視線の火花を散らす2人の幼女に挟まれ、蒲葡 源三郎は針の筵で簀巻きにされる錯覚に陥った。
 唯一残ったオトナのわりに、何だか頼りない雰囲気だが……。
「このお兄さん、強い『におい』がする。たたかったらたのしそう」
 幼いころから心身を磨き続けていた中津 謳華(ja4212)は、いつものように『気』を感じ取り、冷静な判断を下していた。

「さて……全員揃ったし、改めて現状を把握しよう」
 27人のお子様達を前に、源三郎は彼らが為すべき事を説明する。
 ちょっとお話が長くなったこともあり、途中で何人か船をこいでいたが、そこはまたご愛嬌。
「やっぱり『こあ』を破壊しないと拙いですよね」
「と、とにかくやるしかねぇ。……えと、あのいちご、ぜんぶこわせばいいんだな」
 たった今聞いた説明を心の中で反芻した鑑夜 翠月(jb0681)。その横で地領院 恋(ja8071)がビクビクしながら虚勢を張る。
「……分かったの! わるいてんまを倒して、もとに戻るの!」
「うん。がんばってたおそーね!」
 決意を固める楊 玲花(ja0249)の手に、ソフィア・ヴァレッティ(ja1133)が自身の手を重ね合わせる。
「このまんまも困るから頑張るぞ。おじさんふぉろーよろしくなっ」
 困る、と言う割には明るく脳天気な口調で、水杜 岳(ja2713)は源三郎の背中を叩いた。
「てんまの退治……うーん。どうやったらいいのかな?」
 撃退士になったばかりの神崎 咲(jb5028)にとって、戦いは初めての体験だ。
 どうすれば良いの判らない。でも……。
「バ・クゥだかハンバーグだかしんないけどねぇ、そんなのあたしにかかったら、ギッタンギッタンの、あさめしまえだよっ!」
 闘志を燃やす武田 美月(ja4394)を見て、ここにいる皆を見習えば大丈夫だろう、と咲は思った。






 右手をご覧ください。ネコ耳のロリが居ます。お花の簪が良く似合いそうです。
 左手をご覧ください。ショタがいます。天使と悪魔、仲良しさんでお手々を繋ぐ姿が微笑ましい。
 前を見ても、後ろをみても、ロリ、ロリ、ショタの嵐!
 お花? お菓子? 何ソレ美味しいの?
 他のお子様達とは全く違った意味で楽園を愉しんでいた雁久良 霧依(jb0827)は、鏡状になったアメに写った自分の姿を見て、愕然とした。
「って、私も幼女になってるじゃん!?」
 直後に上がった悲鳴は歓喜に満ちていた。
「……おねえちゃん。……霧依、おちっこでそうなの……」
 もじもじする自身の姿に鼻血を噴く霧依。でも、まだ何か萌だえ足りない。
(やっぱりこの格好じゃダメよ!)
 瞳を輝かせた霧依。おもむろにバッグを開けると、こんなこともあろうかと常備していた秘密兵器を取り出した。
 黄色い園児用スモック。帽子。そしておパンツ!!
 アメに全身を写し、霧衣は心行くまで生着替えを堪能する。
「うへ。うへへへへ……」
 誰にも邪魔をされることのない、至福の時。
 出発してからわずか5分――霧依の記憶から、『こあ』という言葉が完全に、消えた。

●1km地点〜お花のカーペット
 遠くにそびえるケーキのお城を目指し、お子様達達は歩き続ける。
 普段の自分達――強くて恰好良いオトナの姿であれば、1時間もせずに到着する距離だろう。
 でも、お子様の足では、果てしなく遠い。
 おまけに『げぇと』の中は誘惑でいっぱい。幼気な心に囁きかけ、束縛してくるのだ。
 渦巻きキャンディーの森で1人。
 カブトムシであぼろを追いかけてまた2人。
 源三郎がようやく迷子を回収して戻ってくれば、大人しく待っていたはずの5人が消えている。
 そんな状態が続いた結果、気が付けば27人いたお子様達はすでに半分に減っていた。
 でも大丈夫。みんなそれぞれ『こあ』を目指して進んでいる。はずなのだから。

 芝生の滑り台をギューンと滑り降りた先は、蝶(であぼろ)が舞い飛ぶお花畑だった。
「だいじょうぶか?」
「うん。へいき。あーちゃんがいるから」
 揺るぐことない信念を胸に、鴉鳥は虎葵の手を引き、ただひたすらに『こあ」を目指す。
 幼くなった虎葵は、あまり体力がない。小さな手はほんのりと赤く、少々熱っぽい。長い間歩き続けたため、息も荒くなっていた。
 ふと、虎葵の歩みが止まったので、鴉鳥は繋いだ手の先を振り返った。視線の先には、色とりどりのカラーシュガーでトッピングされたソフトクリームの大樹。
 それはお腹を冷やしてはダメ、と言われ続けていた憧れの存在だった。
(おいしそう……)
 でも、虎葵は我慢する。
 今はだめ。大好きなあーちゃんを守るために、早くオトナにならなくては。
「いこ、あーちゃん」
(……それでこそ虎葵だ)
 健気な表情で前を向いた虎葵に、鴉鳥は静かに微笑んで頷いた。

「げぇとを何とかしたら、おにーちゃに会えるかな(´;ω;`)」
 大好きなお兄ちゃんの元へ帰るため、レグルスは一所懸命に『こあ』を目指す。
「んしょ、んしょ、んしょ……」
 あっちへフラフラ、こっちへフラフラ。てちてちっと3歩進んだと思えば後ろに5歩下がる。
 前へ進めないのはきっと背に負う杖と盾が重いせい。
 皆に追いつこうと必死になりすぎて、本人は全く気付いていないけれど。
(つえをまえにもてばいいと……おもうんですけどぉ)
 その様子を見守っていたのは月乃宮 恋音(jb1221)。
 アドバイスしてあげたいけど、恋音は極度の恥ずかしがり屋さんなのだ。見ず知らずの、しかも男の子に話しかけるなんて、できっこなかった。

「さがしゃま、こっちでしゅよ」
「きしゃらどのーまてー」
 一面のタンポポ畑に楽しげな声が響く。
「つかまえたぞー」
 背中からぎゅっと抱きしめられた弾みで、華成希沙良(ja7204)はサガ=リーヴァレスト(jb0805)と一緒になって花畑に転がった。
 黄色い花が包み込んだ2人を祝福するように、真っ白な綿毛が一斉に舞い上がる。
「さがしゃま。これ、ぷれぜんとでしゅ」
 しばらく春の匂いの絨毯を堪能した後で、希沙良は編み上げたばかりの花冠を差し出した。
 勇者が頭に戴くような月桂樹ではないけれど、大好きな希沙良が被せてくれたなら、それはサガにとって何にも勝るご褒美だ。
「きしゃらどのにおかえしー」
 サガは希沙良姫に誓いのキスを返す。ただし、手の甲ではなく、ほっぺたに。
「……にゅぅぅぅ……」
 予想外の不意打ちに、希沙良は耳まで真っ赤になって俯いた。

「わ〜、とってもきれいなお花が咲いてますね」
 恋人達の楽しげな声に釣られ、翠月は誘いこまれるように花畑へ足を踏み入れた。
 暖かい日差しと芳しい花の匂いに包まれて、つい時を忘れ眺めてしまう。
「ん〜、なんだか眠くなってきました」
 こてっと横になった翠月は大きく背伸びをすると、猫のように丸くなった。
 ほんのちょっと。ちょっとの間。『こあ』へ向かう前に、陽射しを楽しむだけ。
 そのつもりだったのに、いつの間にかウトウトと。
 宙に浮くような心地よい感覚に、翠月の意識はすっかり夢の世界に入り込んでいた

 大好きな花を前に、沙夜(jb4635)は夢のようなひと時を過ごしていた。
 元の姿に戻るため、一所懸命『こあ』を目指してきたけど……もうどうでも良いと思ってしまうほど、お花畑はきれいだった。
 呼び出したヒリュウの子供は、初めて見る光景を興味深げに眺めていた。間近にあったスミレをぱくりと頬張る姿が可愛くて、沙夜は微笑ましい笑顔でヒリュウを見守った。
 ふと。背中を叩かれて振り向いた沙夜は、大きなアリさんであぼろとバッチリ目が合った。
「きっ、きっ……」
 悲鳴を上げるより先に、アリさんは何処かにいってしまったけれど、沙夜の思考は凍りついたまま。
 沙夜は手元にあったタンポポを摘み取ると、
「気持ち悪い虫は全て滅亡する……滅亡しない……する、しない、する……」
 花びらを1枚1枚抜き取りながら、ちょっと物騒な占いを始めた。
「する、しない、す……」
 残る花びらはあと2枚。ふふふ、と暗い笑みを浮かべた沙夜は、迷うことなく2枚の花びらに指をかけた。
「滅亡決定、です」
 ばんざい。

●3km地点〜お菓子の森
 お花畑を抜けたあたりから、甘い香りが一気に濃くなった。
 体内時計がおやつの時間を告げ、ずっと歩き続けていたお子様達のお腹が大合唱を始めた。
 お子様達はきょろきょろと周囲を見渡して、お目当てのおやつを探し出し、一斉に駆け出していく。
「「わあ〜〜!」」
 藤花と焔が向かった先に有ったのは、入道雲みたいな綿菓子に埋もれる、いろいろなお菓子達。
「とーかちゃん、おかしがいっぱいだよ〜」
「おにーたんのつくってくれたようなケーキもあるよ!」
 よく知っているお菓子もある。初めて見るお菓子もある。そのどれもが美味しそうで、幼い2人は『こあ』のことを忘れ、大喜びで飛び込んだ。
 ひとしきり綿菓子のトランポリンで遊んだ後、2人はいよいよお菓子に手を出した。
「とーかちゃん、にらめっこー!」
 綿菓子の上で見つけた煎餅のマスクを被った焔。その面白可笑しい表情に、藤花はお腹を抱えて転げ回った。

「……勝手にものを採ったり、食べたりするのは行儀が悪いことだって、父様や母様が言っていたの。だから、リンファ、良い子だから我慢するの!」
 美味しそうな月餅の花を前にして、玲花は自分に暗示をかける。
 見えなければ無問題! と目隠しをすると、今度は芒果布丁(マンゴープリン)の匂いが襲いかかってきた。視覚を封じた分、それはより強烈で……。
 ついに誘惑に負け、ふらりと一歩を踏み出した時、玲花を悩ませていた匂いが忽然と消えた。
 恐る恐る目を開けると、そこにはマンゴープリンを美味しそうに頬張る美月とアリシア・ミッシェル(jb1908)の姿があった。
「お腹が減ったら、戦はできないってゆうでしょっ」
 屈託のない笑顔で最後の一欠けらまで綺麗に平らげた美月は、まだ足りないとばかりに、今度は月餅にも手を伸ばした。
「今はつけめんが食べたい気分かなぁ……」
 お菓子だけではお腹がいっぱいにならない――そう呟いたアリシアの言葉を聞いていたかのように、茂みの向こうでこんもりとしたお山が存在を主張し始めた。
 薄茶色の肌、コシがありそうな細長い体格は、茹であがったばかりのラーメン玉に見えなくもない。
「らっきー♪」
 嬉々として駆け寄るも、麺に見えたそれはモンブランだった。……残念!

 お子様達の飽くなき食欲のため、手に届く範囲のお菓子はあっという間に食べ尽くされてしまった。
「もうなくなっちゃった?」
 まだまだ食べ足りない、としょんぼりとする美月。
「上の方にまだいっぱいあったよ」
 枝を足場に高く高く飛んだ岳は、証拠に一抱えのマシュマロを手にして降りてきた。さっそく川に駆け寄り、たっぷりとチョコレートを付けて口に放り込んだ。
「おいしー♪」
「ほんとにあまいねー」
 お裾分けを貰った咲も、とろけるようなマシュマロの舌触りに、満面の笑顔を浮かべる。
 お子様達は皆で協力して木を揺すり、振り落としたお菓子でチョコレートファウンテンを楽しんだ。
 ふと、岳は後ろのほうで自分達を眺めている恋音に気が付いた。
 岳がおいでおいでをすると、恋音は慌てたように隠れてしまった。それでも楽しげな雰囲気が気になるのか、木陰から半分だけ顔を出し、じーっと、見つめている。
「れんねちゃんもどーぞ?」
「あ、あの……」
 前髪で目が隠れているため、恋音がどんな表情をしているかは判らない。でも、全身から漂うオーラは、明らかに怯えの色を表していた。
「……食べちゃダメ、と、いわれていますからぁ……」
「そっかー」
 恋音がふるふると首を振って拒絶したから、岳はそれ以上勧めることはなかった。おいしいのに、と残念そうに呟いて、自分の口の中に放り込んだ。

 点心と洋菓子があるなら、当然和菓子の森だって存在する。
 艶のあるあんこの中に、大きなイチゴが丸々1粒――つまみ食いしたいちご大福があまりにも美味しかったので、璃狗はそれをお姉ちゃんのお土産にすることに決めた。
 摘みとったばかりの新鮮ないちご大福を、潰してしまわないよう大事に大事にポーチの中へしまい込む。
 すると……。
「それをよこしなさい!」
 突然目の前に立ちはだかったスーちゃんの指は、璃狗のポーチ(の中にある大福)を差していた。
「これはおねえちゃんのだから、だめ」
 璃狗がイヤイヤをしても、お付きのなっ君が必死に宥めても、スーちゃんは全く聞こうとしない。
 周囲にイチゴ大福はたくさんあるけれど、スーちゃんが欲しい物は璃狗が大切にしている1つだけ。自分で採るんじゃツマラナイ。
 誰かに貢がせること。それがスーちゃんにとって譲れないポイントらしい。
「悪い子はめーっ、です」
 そこに現れたのは正義の魔砲少女・雫。
 小鳥さんの丸焼きを食べられなかったのは、スーちゃんのせい。
 そう思い込んでいた雫は、足元に落ちていたイチゴ大福を拾い上げ、手袋の代わりにスーちゃんに投げつけた。
「………!!」
 大福をおでこで受け止めたスーちゃんは、口をパクパクとさせて怒りを露わにする。そして、お返しとばかりに大福を3つ拾い上げ、次々と放り投げた。
「のーこん」
 避けるまでもなく明後日のほうに飛んで行った大福に、雫は勝ち誇ったように口元を歪めた。
「うぬぬ、ちんくしゃのくせに〜」
 しばし大福合戦が繰り返された後、2人は互いに爪を立てて組みつき、ついには髪を鷲掴みにしての取っ組み合いが始まった。
 オロオロする璃狗となっ君を尻目に、女の意地とイノチを懸けた争いは、どこまでも果てしなく続いた。

●7キロ地点〜てんまの門
「みんな、あとすこしだよっ」
 道草とお菓子を食べながら旅をした数時間。
 目前に迫ったケーキのお城を指差し、レグルスが歓喜の声を上げた。
 近くまできたことによって、改めてその大きさを実感したお子様達は、緊張した面持ちでお城を見据えた。
「あのイチゴが『こあ』がなんだよね?」
 『こあ』は食べられないかもしれないけど、他のイチゴは食べられるかもしれない。
 ソフィアの一言に、お子様達はごくりと唾を飲み込んだ。
「そうだ。いっこいっこ調べて食べるより、みんなでせーので切って分けて食べたらいいんじゃないかな?」
 ぱちっと指を鳴らした岳の提案に、興味を示さない子は居ても、反対するお子様は誰もいなかった。
「まて」
 お子様達が駆けっこで城を目指そうとした時、木々を揺らす風の中につよい『におい』を嗅ぎとった謳華が皆を引きとめた。
 つよいけれど、何となくきらい。これは、きっと『てんま』の匂いだ、と謳華は思う。
「みつけた」
 殺気(におい)のモトを突き止めた謳華が叫ぶと同時。茂みの中からぞろぞろと『てんま』が次々と現れた。
 その数、とにかくいっぱい。
「こんにちは。『てんま』さん。よろしくおねがいします」
 初めて目にする敵に、咲は深々と頭を下げた。
 しかし『てんま』はアウトロー。礼儀なんかお構いなし。こんな \(°J°)ノ 風に荒ぶったポーズで襲いかかってきた。
「……ふぇ」
 ぽかりと頭に一発食らい、咲はその場に座り込んだ。
「女の子いじめるのは悪い子。おしおきする!」
 すかさず玲花が庇いに入った。その手には忍術書が握られていて、すでにバリバリの戦闘モード。
 他のお子様達も次々と武器を手にして――
 さつりくが、はじまった。

「立ち塞がる者は、倒す」
 左眼に金色の獣性を宿した鴉鳥が走る。
 小さな女の子を相手に、大人げない『てんま』は4匹掛かりで襲いかかってきた。
 冷静に見極めて、鴉鳥は1匹、2匹と避けた。そして3匹目を避けたところで、長い舌に足を絡め取られ、転んでししまった。
「あーちゃんをいじめちゃだめーっ」
 大声で叫ぶと同時。護宝を呼び出した虎葵は、ひれつな『てんま』の攻撃をがっしりと受け止めた。

「ざこはがんばって、おそうじするよ!」
 ここが出番、とばかりに恋はウォーハンマーを振り回す。しかし……。
「あれ? ぶっとば、す……?」
 目の前にいるのは憎むべき敵のはずなのに。何故だろう。あまり戦意が沸いてこないのは。
 ぺたりと座り込んだ恋に、ピンクのユニフォームを着た『てんま』がにじり寄る。
「てゆか……ま、まってくるな! くるなって言ってるだろーっ!」
 恋が纏う紫電が強烈にスパークする。
 目を瞑って振るったハンマーは、運よく『てんま』の1匹に命中した。そして恋は勢い余って独楽のように回転し、目を回してコケる。
「ううぅ。ちくしょうやりやがったな」
 半ば八つ当たり気味なセリフを残し、恋はコアを破壊するため、こそこそと茂みの向こうに姿を消した。

「おん・のーぼー……」
 呪言を唱え、鬼神を身に宿した謳華。強烈な殺意で敵を引き付け、敵を倒す。倒す。倒す。
 謳華にとって、中津荒神流はさいきょーの流派。だから、負けるはずがない。
「このー! さっさと元に戻せって、いってるんだよぉ!」
 突き飛ばしてきた『てんま』に、美月はお返しとばかりに反撃をする。手にするは可愛らしいハート型の穂先をした十字槍。
 ぽかっ。
 ぽかぽかっ。
 やられたらやれた以上にやり返す。そんなマケナイ根性が、美月の一番の武器なのだ。

「……かくれんぼはとくいだもん」
 身に纏った炎で殺気を燃やしつくし、璃狗は抜き足差し足で『てんま』に忍び寄る。
 そして「わるいてんまは、ボクがせーばいしてやる!」
 ぷすっ。
 力いっぱい行使した毒手は狙った背中に届かなかったが、『てんま』は壮絶な悲鳴を上げ、海賊のおもちゃみたいに飛びあがった。
「あのね、ちひろね、でんぐりがえしできるよ!!」
 幼児化の影響でいつも以上に懐っこくなっている千尋。敵である『てんま』にぎゅーっとハグした後で、得意げにそう宣言をした。
 ごろごろごろ……どむっ!
 秘技・でんぐりあたっく。
 回転の勢いがついている分、強烈な踵が『てんま』のおまたにクリティカルヒット。
「あのね、ちひろね、ぶりっじしながらあるけるよ!! ┌(_Д_┌ )┐」
 今度は仰向け状態で『てんま』の下に潜り込む。そして、頭突き!
 あれはイタい。イタすぎる……。
 一部のお子様達を恐怖させながら、千尋の快進撃はまだまだ続く。

 もちろん『てんま』だって、黙ってやられているわけじゃない。
 大勢のお子様達の中から弱そうな子供を見つけ出し、標的に定めていく。
「た、たたいちゃやだよっ……」
 逃げ回っても逃げ回っても、『てんま』はどこまでも追いかけてくる。
 大きな木の根元に追い詰められ、逃げ道を失ったアダムの恐怖心はMAX状態だ。
 にじっ、と踏み出した『てんま』は、直後、クリフの延髄切り1発で撃沈した。
「アダムをたたくヒマがあったら、さっさといえにかえってヘソかんでねてろ」
 可愛らしいお顔に似つかわしくない暴言である。
 お友達の豹変ぶりに、ビックリしすぎてアダムの涙も引っ込んだ。
「くりふくん……?」
「なに?」
 ボクは何もしてない言ってない。
『てんま』を土の中に埋めて証拠を隠滅したクリフは、ほんのり黒い爽やかな笑顔を見せた。

 同じ木の反対側では、1匹の『てんま』が幼女をいぢいめていた。
「や、やめてくださぁい。それいじょう、ちかづけたらだめですぅ」 
 『てんま』は、手の平サイズのマカロンを両手に掲げ持っていた。恋音がどんなに嫌がっても、まるでお構いなし。頬にぐりぐりと押し付け、勝ち誇っている。
「おやめなさい!」 
 今にも気絶しそうな恋音を救ったのはアリシアだった。
「ロリコンは社会的に抹殺すべし!」
 問答無用で『てんま』に犯罪者の烙印を押しつけると、
「もしもし、おまわりさんでしゅか?」
 携帯電話を取り出し、わざと可愛らしい舌足らずな口調で話しかけた。
 どんなに腐っていてもここは『げぇと』世界。電波は届かないに決まっている……はずなのだが。
「おなまえは、アリシアちゃんでしゅ。へんたいなおじちゃんがいるでしゅ。はやくたしゅけてくだしゃい」
 もしかして通じてる? それとも演技――!?
 真相はアリシアにしか判らないが、一連のやり取りは、それなりの効果はあったようだ。
「……ヘンタイさん?」
 騒ぎを聞きつけて駆け付けた翠月は、『てんま』に対して憐みにも似た視線を投げかけた。
 彼がそう思うのも無理はない。
 だってこの『てんま』、ユニフォーム模様が前後逆なんだもん!
「はいれぐだー。へんたいさんがいるー」
 ソフィアは翠月にコソコソと耳打ちをした。もちろんその間も、冷めた視線はずーっと『てんま』を捉えていた。
「あぁいうの、見ちゃだめっておにーちゃがいってた! (/-\)」
 レグルスに到っては完全に危険物扱いである。
 ロリコン、ぼっちの末路、センス無し――向けられる視線が純粋だからこそ、お子様達の言葉は重く鋭く、『てんま』の胸に突き刺さった。
 世間の冷たい視線を一身に受け、頭を抱え悩み悶絶していた『てんま』は、絶望の表情でどこかへ消えていった。

「ここはあたちに任せてみんなは先に進んで欲しいの!」
 そう言って、玲花は目隠しの霧を生み出した。
 一面が真っ白になった隙に、クリフは怯えるアダムをおんぶして、一気に戦線を離脱する。
「あはははァ、腕もどかーん! 腹もどかーん! 頭どかーん! 皆、皆どーかん♪」
 ファイティングポーズで立ち塞がるアヤシイ敵に対し、黒百合(ja0422)は容赦なく術を行使する。
 ひゅるるるるる……                ん。
 地面からにょっきり顔を出した溶けまくったチョコのような手が、数匹の『てんま』を空高くに吹き飛ばした。
 これまで密かにお子様達を偵察していた『てんま』は、大人しそうに見えていた黒百合の豹変ぶりに恐れ戦き、心から恐怖した。
「生■ゴロゴロ、鮮血ぴゅーぴゅー、五■は裂かれて、六■は破裂ゥ、今日も楽しい大虐殺ショ〜♪」
 軽快に歌いながら、黒百合は暴れ続ける。
 逃げ惑う『てんま』達は次々と白いウニに抉られ、赤い泥の海に沈んでいく。
「小っちゃくてもまけないんだよー」
 負けじとばかりに無数の花弁を舞い散らせるソフィア。
 お子様はいつだって全力投球だ。自分を巻き込むスキルまで積極的に用い、次々と敵を屠っていく。

 乗りに乗っているお子様達の活躍で、『てんま』は次々と数を減らしていく。
 そしてついに『やつ』は現れた。
『バークバクバク!』
 戦場に高らかと響く不敵な笑い。
 撃退士達の時を奪い、でっぷりと肥えまくった天魔バ・クゥが。
 しかし、『てんま』との戦いに夢中になっていたお子様達は、バ・クゥの登場に気付かない。
『よくぞここまで辿りついたな、撃た……』
 バ・クゥの名乗りは、最後まで続くことは無かった。
「「「たまや〜〜〜」」
 黒百合とソフィアの声が重なった。
 『てんま』を倒す勢いのまま、闇と光の二重攻撃で打ち上げられたバ・クゥは、空の彼方でキラリと光って消えた。
「楽しかったわぁ」
「もうちょっと遊びたかったね」
 思う存分暴れ回って身も心もリフレッシュ。焦土と化した草原で、黒百合とソフィアは満面の笑みを浮かべた。
「あとはバ・クゥを残すだけだわねぇ」
「ちゃっちゃと倒して、元にもどしてもらうよー」

 たった今吹き飛ばしたのがそのバ・クゥであることを、幼女達が知ることはない。
 他のお子様達も、ずっと『てんま』を相手にしていたため、2人が吹き飛ばしたのが何であるのか、いちいち気にかけてなどいなかった。


●最終地点〜バ・クゥの城
 『てんま』の相手を頼もしい仲間に託し、一足先に城の頂きへ降り立ったお子様達。
 その心を占めるのは、ついにここまで来たという達成感と、目の前にある巨大なイチゴへの食欲だ。
「えへ…おにーちゃにも、いっこ、あげる」
 お持ち帰り用にイチゴに自分の名前を掘り込んだレグルスの横で、岳が次々とイチゴを切り分けていく。
 希沙良とサガは、イチゴはもちろん台座の生クリームまで仲良く食べ尽くす勢いだ。
「ついてるぞー。きしゃらどのー」
「……さがしゃま…にも…ついて…いましゅ……」
 最後には、相手の頬に付いたクリームまでペロリとしてみたり。
「『こあ』はおまえか? かんねんしろー」
 4分割されたイチゴの前で強がりながら、恋は長めに持ったウォーハンマーの先端で恐る恐る小突く。
「そういえば、いちごの『こあ」があるんだよな」
 倒れてきたイチゴの下敷きになった恋を見て、クリフはオトナが言っていた情報を思い出した。
 そして自分達の時を取り戻すため、手近なイチゴに鋭い捻りを加えたミサイルキックをぶちかました。
「ふ、ふえぇぇぇ…く、くりふがいちごにらんぼうするぅ……」
 再び豹変したお友達にアダムが叫ぶ。
「……だって『こあ』でしょ? こわさないとたいへんだよ」
 標的にしたのは普通のイチゴだったけど。
 腰までイチゴにめり込んでしまったクリフは、抜け出すのに一苦労。
「もとにもどったら、おやつにいちごをよういするから。いっしょにこわそう。ね?」
 引っ張り出してもらうため、クリフは懸命にアダムを宥め続ける。
「あれ〜このいちごいいかおりしない……?」
 齧り付こうとしたイチゴに違和感を覚えた焔。くんくん、と鼻を近づけて、じっくりと観察する。
 こんなに美味しそうなのに、何も匂わない。手触りもザラザラで、まるで砂の塊のよう。
「もしかして、このいちごがわるものなの?」
 小首をかしげた藤花は、焔が言わんとしていることを理解し、驚きの声を上げた。

 『こあ』発見。

 その報告は、瞬く間にお子様達の間に広まった。
 『てんま』を倒し終えたお子様達も無事に合流を果たし、『こあ』を取り囲む。そして……。
「「「せぇの!」」」
 23人のお子様撃退士と2人幼児悪魔の力が、一斉に『こあ』へ向けて放たれた。
 パァン!!
 軽快な破裂音を『げぇと』世界に響かせ、『こあ』は粉々に砕け散った。

 『こあ』の欠片である赤い粒子を浴び、お子様達は自分の『時』を取り戻す。
 静かに任務の達成を喜ぶもの、儚い夢の終わりに涙する者、己の言動を思い出し悶絶する者――撃退士達の反応は様々だ。
「結局、バ・クゥはいなかったわねぇ」
「きっとあたし達恐れをなして逃げちゃったのよ」 
 憐れなラスボスは、結局最後まで存在を認識してもらえなかった様子。
「元に戻った、か。だが……」
 謳華は周囲を見渡し、自分達をここへ導いた源三郎の姿を探す
 事が終われば手合わせを願いたかったのだが、迷子を捜しに行ったまま、結局戻ることはなかった。
「おのれ“スーちゃん”……」
 見知らぬ2人の悪魔達も、いつの間にか居なくなっていた。結局勝負が付かなかったこともあり、雫は密かにリベンジを誓った。


 遠足は、家に帰るまで終わらない。
 撃退士達は次第に形を失っていく『げぇと』から脱出するため、それぞれの足で歩き出した。


依頼結果

依頼成功度:成功
MVP: −
重体: −
面白かった!:16人

執念の褌王・
緋伝 璃狗(ja0014)

卒業 男 鬼道忍軍
堅刃の真榊・
紅葉 虎葵(ja0059)

卒業 女 ディバインナイト
『九魔侵攻』参加撃退士・
楊 玲花(ja0249)

大学部6年110組 女 鬼道忍軍
思い繋ぎし紫光の藤姫・
星杜 藤花(ja0292)

卒業 女 アストラルヴァンガード
赫華Noir・
黒百合(ja0422)

高等部3年21組 女 鬼道忍軍
太陽の魔女・
ソフィア・ヴァレッティ(ja1133)

大学部4年230組 女 ダアト
歴戦の戦姫・
不破 雫(ja1894)

中等部2年1組 女 阿修羅
Orz/天の華は星と戯る・
水杜 岳(ja2713)

大学部3年237組 男 ディバインナイト
久遠の黒き火焔天・
中津 謳華(ja4212)

大学部5年135組 男 阿修羅
失敗は何とかの何とか・
武田 美月(ja4394)

大学部4年179組 女 ディバインナイト
思い繋ぎし翠光の焔・
星杜 焔(ja5378)

卒業 男 ディバインナイト
斬天の剣士・
鬼無里 鴉鳥(ja7179)

大学部2年4組 女 ルインズブレイド
薄紅の記憶を胸に・
キサラ=リーヴァレスト(ja7204)

卒業 女 アストラルヴァンガード
『山』守りに徹せし・
レグルス・グラウシード(ja8064)

大学部2年131組 男 アストラルヴァンガード
女子力(物理)・
地領院 恋(ja8071)

卒業 女 アストラルヴァンガード
輝く未来の訪れ願う・
櫟 千尋(ja8564)

大学部4年228組 女 インフィルトレイター
夜を紡ぎし翠闇の魔人・
鑑夜 翠月(jb0681)

大学部3年267組 男 ナイトウォーカー
影に潜みて・
サガ=リーヴァレスト(jb0805)

卒業 男 ナイトウォーカー
群馬の旗を蒼天に掲げ・
雁久良 霧依(jb0827)

卒業 女 アストラルヴァンガード
大祭神乳神様・
月乃宮 恋音(jb1221)

大学部2年2組 女 ダアト
『天魔大戦』参加撃退士・
アリシア・ミッシェル(jb1908)

大学部3年13組 女 阿修羅
天と魔と人を繋ぐ・
クリフ・ロジャーズ(jb2560)

大学部8年6組 男 ナイトウォーカー
くりふ〜くりふ〜・
アダム(jb2614)

大学部3年212組 男 ルインズブレイド
夢幻の案内人・
沙夜(jb4635)

大学部3年102組 女 バハムートテイマー
銀槍の舞闘姫・
セレスティア・メイビス(jb5028)

大学部7年309組 女 ルインズブレイド