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マスター:京乃ゆらさ
シナリオ形態:イベント
難易度:易しい
参加人数:25人
サポート:2人
リプレイ完成日時:2013/09/14


みんなの思い出



オープニング

 8月末。試験勉強も何のその、茹だるような酷暑に早々と降参し、図書館で独り心行くまで怠惰を貪っている大学生――はぐれ悪魔がいた。
 日野源三。透き通る金髪と深い紅の瞳は絵画のようで、パッと見だけなら容姿端麗な部類に入るだろう。それなら何故独りでいるのかと言うと
「あー。喉かわいたわー。おいしーもん食いたいわー。んーでもうごくのもめんどいわー」
 ひたすら中身が残念だった。
 机に突っ伏したままお腹をさすり、気だるげに時計を見る源三。1450時。もうオヤツの時間である。
 源三は食堂に行って何かを食べ、そのままあっちでだらだらしようかと席を立つ。図書館の扉を開け、外に出ると、途端にむわっと空気が押し寄せてきた。溜息をついて扉を閉め、死人のような足取りで食堂へ向かう。
「あー……」
 思い出すのは遠足――もとい課外授業で行った北海道の事。
 春と初夏が同時に来たような天気。青空の下で咲き乱れる花々。その中で食べる弁当には新鮮な海産物の数々が詰め込まれており、まるで宝石のように見えたものだった。課外授業に同行してくれる人を集めるのは大変だったが、今ではそれもまた良い思い出だ。
 とそこまで思い出し、源三は雷に打たれたように立ち止まった。
「……、そう、か。何で俺こんな事に気付かんかったん……」
 自分は今の今まで何をしていたのだろう。簡単な話ではないか。
 暑くて暑くてたまらないなら、暑くない所へ行けばいいじゃない!
「は、ははは……もしかして俺天才なんやないか……?」
 そうと決まればグズグズしていられない。また先生にお願いして北海道に行けるようにしなくては!
『人間界に来たばかりだから様々な所を見て勉強したい』
 この台詞にうちの教授が弱い事は前回の直談判で把握済みである。
 途端にやる気が漲ってきて、思わず黒翼を羽ばたかせてしまう。迷惑そうに避けた学生に謝罪すると、源三は時を惜しむように教務課へ駆け出した。

 そうしてその遠足――もとい課外授業の参加者募集の紙が張り出されたのは、僅か30分後の事だった。

 ◆◆

 北海道、道東。屈斜路湖畔。
 頭上には突き抜けるような青空。前には透き通るコバルトブルーの湖。後ろには豊かな緑。日野源三をはじめとした久遠ヶ原の学生一行は大自然の空気を存分に吸い込んで、改めて思った。
 試験? なにそれおいしいの?
「じゃあとりあえず……」
 源三がパンと手を叩き、深呼吸して大音声でのたまった。
「解・散ッ! 各自自由行動で!! ちなみに俺はひたすら食べる役やから! キャンプの張り方教えて〜言われても俺は知らんよ!?」
 とんでもない大学生である。
 ともあれ学生達は湖畔に荷を下ろすと、最低限の野営準備をして各自大自然を満喫し始める。せっかく試験を忘れて遊び、もとい課外授業に来たのだ。存分に楽しまなければ損ではないか。
 屈斜路湖では数艇のヨットが自由気ままに水の上を走っており、また湖から流れる釧路川ではカヌー等もやっているらしい。それらヨット等で楽しむのもいいし、逆に裸一貫、湖に飛び込んでみるのも一興かもしれない。
 一方で陸に目を向けると雄大な森が待っており、木漏れ日の中で昼寝するだけでも気持ち良さそうだ。そして、夜には満天の星空の下でバーベキュー。最高だ。これで試験さえなければ……い、いや試験なんてない、試験なんてなかったんだ!
 何かを思い出しかけた男子高校生がぶんぶんと首を振り、目の前の現実逃避……ではなくて現実に集中する。
「山菜とかあるのかな、ここ」
「わかんね。探してみるか!」
 学生達は、何かから逃げ出――もとい解放されたように、散開していった。


リプレイ本文

 学生達が騒ぎながら湖へ森へ散っていく。ディザイア・シーカー(jb5989)はそんな彼らを見やり、苦笑した。
「ったく元気な連中だよな」
「と言いながらお父さんみたいな表情してますよ」
「んぁ? ま、実際あっちに交ざるような年でもないしなぁ。あんた」
「黒須です」
 人畜無害そうな笑顔で黒須 洸太(ja2475)が先読みして名乗る。ディザイアが肩を竦めた。
「黒須も行ってくればどうだ。俺もやる事やったら、そうだな、釣りでもしてくるが」
「ボクはまぁ、いいです。『そんな年でもないですから』」
 食えない学生である。ディザイアは洸太と協力して皆の野営準備を整えると、腰を押えて立ち上がった。と、森から誰かが来る音が聞こえた。見るとElsa・Dixfeuille(jb1765)が手に何かを持ち洸太に何やら話しかけている。
 ディザイアは嘆息して背を向け、足早に湖へ下りていった。
「後はごゆっくり」

●山のお楽しみ――1320時
「ん〜、良い眺め!」
 巫 聖羅(ja3916)は全力でノビをし、どこか悩ましげな声を漏らす。眼下には日光を乱反射して煌く湖があり、後ろからは風に靡く木々の音色。頭上を遮る物はなく、青一色の空は惜しみなく出迎えてくれている。
「よし、お弁当にしよっか! さ、遠慮しないで♪」
「おぉ、嬉しいけど何か企んどるんやないやろな……? はっ、まさか俺の翼を毟り取る!?」
「する訳なかろ。ただの『ぴくにっく』じゃ。偶には孫娘と共にのう」
 聖羅――の弁当にほいほい着いてきた日野源三が勝手に疑心暗鬼になったところ、ぽかんと煙管で叩く小田切 翠蓮(jb2728)。源三は聖羅の広げたシートに座りバンバンと催促した。
「じゃあはよ!」
「なぁに、その態度?」
「オネガイシマスオジョーサマ」
 ドゲザする源三である。
 聖羅と翠蓮が各々の弁当を次々並べていく。色取り取りで可愛らしい聖羅のそれと、寿司や煮物を中心とした御膳を思わせる翠蓮のそれ。源三の腹が唸り声を上げた。
「いただきます!」
 まず掻き込むのは米だ。と言ってもただの米ではない。新妻の必須料理まぜご飯!
「んぐっ、んふはむんぐ!」
 翠蓮が唖然としつつ聖羅の春巻きに手を伸ばし、ゆっくり噛む。外のカリカリと中のサクサクが心地良い。咀嚼。アスパラとチーズの香りが鼻に抜けた。
 美味い。翠蓮が頷き、聖羅を見る。
「なかなかのものよ」
「当然よね♪」
「が、この程度では儂の圧勝じゃのう」
「なぁっ!? ふ、ふふん、いいじゃない、後で爺のくせに泣いても知らないわよ?」
 聖羅がガッと翠蓮の寿司を掴むや、一気に口に放り込む!
 瞬間、爽やかな風味が抜けた。優しい酸味。梅だ。そして後にやって来る、塩と酢で〆られたコハダの甘い旨み。どれだけ下処理に時間を費やしたのか。聖羅が恨めしげな視線を翠蓮に送った。
「……ま、まだまだよね」「うむ、若干〆すぎた」
 ぐぬぬ。聖羅が歯軋りしかけた時。近くの茂みが、動いた。

 ファティナ・V・アイゼンブルク(ja0454)は1人木々の合間を散策していた。
 木漏れ日が眩しく、それが地味に鬱陶しい。木々のざわめきと鳥の鳴き声は早く出て行けと言っているよう。ファティナは目を瞑り深呼吸する――と、体の奥がじくじくと疼痛を訴えた。眉を顰めて呼吸を止めた時、不意に猛将の姿が脳裏に蘇った。
 ――倒した敵と。失ったもの、か。
 古都を巡る戦いは痛み分けのようなものだった。でも、人は誰しも痛みを感じるけれど、相手はそうじゃないかもしれない。それは痛みを分けたと言えるのか。
 自分は手の届く範囲の人しか知らなくて、その人達は無事だった。でも、手の届く範囲にいた人を喪った人もいた筈で。痛みは、こっちの方が沢山背負い込んだ。
 それがどうしようもなく、悔しい。
 また深呼吸する。胸が痛い。きっとこれは皆が感じている痛み。そう考えると、少しだけ痛みが和らいだ。
「……うん」
 両方の頬をパンと叩いてみる。痛、くない。天を仰ぐ。木漏れ日が眩しく、でも何故か鬱陶しさは消えていた。木々のざわめきと鳥の鳴き声はただそこにあるだけ。
 京都を解放する。喪った人を弔う。これは、自分自身との絶対の約束。
「うん」
 ファティナが拳を握った時、ふと緑の間に見知った人が見えた気がした。
 ――雅さんと仁人さん? あ、あ〜、へぇ〜?
 ファティナが後で冷やかしてあげないと、なんて思っていた、ら。

 茂みからほぼ同時に現れたのは、2人の男女だった。
「「え?」」
「んむ? 何じゃ、儂の弁当に釣られてきたのかの」
 男女――ファティナと鑑夜 翠月(jb0681)は機械の如く顔を見合わせ状況を推察する。日野源三を含めた3人。弁当。考えるまでもなくピクニックだ。
 誘われるままシートに座る2人。翠月が玉子焼きを食べる。口の中に広がる甘い香りはすごく家庭的で、今の翠月には苦かった。
 ファティナがハンカチで口元を拭くフリをしてさり気なく涙を拭ってやる。
 京都。戦域は別だったが、同じ痛みを直接味わった者として通じるものがあった。
「美味しい、です」
「そ。良かった」
 翠月は大げさに頷き、一口一口噛み締める。
「ほむ、折角だから私もお弁当を荒らしちゃいますか!」
 ファティナが殊更明るく、言った。

●山の恵み――1430時
「北の! きのこ!」
 お料理バンザイ! 的なノリで両手を突き上げるのは橘 樹(jb3833)。図鑑片手に茂みに分け入る姿は歴戦の山師のようだ。
 匂いで茸を察知し木の根元へダイブする樹。早速第一茸を発見!
 落葉茸。ぷっくりした傘が可愛い。貴重ではないが普通に美味しい。幸先良し。樹がいそいそと荷に入れ、さらに歩く。と、偶然人影が見えた。
「こんにちはだの!」
 山のマナーである。
「……、こんにちは」「おう。そっちも茸狩りか?」
 桐原 雅(ja1822)と久遠 仁刀(ja2464)だった。樹が頬を緩めて首肯する。
「北海道は茸王国だの。しかも丁度シーズン! 今山に入らない人はモグリだの!」
「そ、そか」
 何のモグリなんだろう。秘かに思う雅である。
「茸、詳しいんだな」
「久遠ヶ原で茸と言えばわしだの」
「凄いな! 俺らは図鑑見てもさっぱりだ」
 仁刀が純粋に感嘆すると、樹は仁刀へ詰め寄るや図鑑を差し出した。
「これ! 貸すであるよ!」
 目を輝かせる樹。仁刀が礼を言うと、樹は朗らかに笑い去っていく。雅達はそれを見送り山菜採りを再開した。
 ――それが、樹を目撃した最後の瞬間であった。

「変な人だったね」
「まぁ否定はできんが。でも良い人だった」
 仁刀が図鑑をまじまじ見ているところに雅も体を寄せて一緒に読む。
「わ。解りやすっ……!? い……」
 雅がふと仁刀の方を見、思わず硬直しかけた。
 近い。思ったより近かった。燃えそうな瞳や固く引き結ばれた唇が、気付けば息のかかりそうな距離にある。
「ん? どうした」
「ぁ、な、何でもないよ? 別に? バーベキューならやっぱりお肉だよね。北海道、なら熊かな」
「え?」
「北海道のお肉と言えば熊だよね。腕が鳴るよ。早く本命にいこうよ」
「え?」
「?」
 きょとんと小首を傾げると、仁刀は堪えきれず吹き出した。雅がぽかんとしていると仁刀が息も切れ切れ言ってくる。
「いや肉は流石に買ってるだろ!」
「……あ」
「何だよ体力でも有り余ってるのか? 運動なら帰ってたっぷり付き合ってやるから熊は勘弁してくれ」
 笑いすぎて涙まで流す仁刀。顔が赤くなるのが自分で解り、思わず俯いた。
 失敗した失敗した失敗した! ……はずかしい。
 何かもう色々あって逆に仁刀にヤツ当りしたくなってきた。雅がじとーっと下から睨み上げ――たら、ふわっと彼の手が覆い被さってきた。
 なでり。なでり。
 髪を撫でられる感触。むず痒くて思わず身を捩らせると、仁刀は手を引っ込め歩き始めた。
 ――もっと、してもよかったのに。
 なんて口が裂けても言えない。雅は嘆息すると、仁刀について行く。

 聖羅達の弁当を堪能した翠月は、また山に入っていた。
 故郷の山々とは違うけれど、それでも空気は近いものがある。それだけで心が安らいだ。
 自分の代りに、人が死んだ。その事実が鎖のように絡み付く。
 ただ自然に囲まれていられればどれだけいいだろう。でもアウルを発現してしまった今、無知のままではいられない。いっそ。
「いっそ、こんなものなければよかった」
 口に出して言うと、どうしようもなく心が軋んだ。
 違う。なかったらいいなんて、嘘だ。
「僕は」
 ざぁっと、木々が鳴いた。翠月に何かを伝えるように。
 翠月は木々を見上げ、深呼吸する。また木々の声。
「……」
 また、明日から頑張る。頑張って先に進む。京都を解放するよ。だから……。
 ざぁ。木々が全てを浚っていく。
 翠月の頬を、熱いものが一筋流れた。

●(みず)うーみー!――1400時
「ど、どう、かなっ。ちょっと恥ずかしかったけど、せっかくだし……着てみ、まし、た」
 浜辺におずおず現れたのは水着――というか布を体に巻いただけのようなものを着た猫野・宮子(ja0024)だった。顔を真っ赤にして胸やら何やらを腕で隠す宮子。見る人が見ればすぐさまお持ち帰りだが、彼――AL(jb4583)は
「なんと大胆な姿で御座いますね。素敵で御座いますよ」
「……ぁ、うん、ありがと」
 しれっといつもの口調で褒めるだけである。
「前々から拝見したいと思っておりましたので、今日は記念になりますね」
「遊ぼっか! ずっと暑かったし、ね?」
「はい。魔法少女の水着回とはどんなものか、しっかと勉強させていただきます」
 2人は湖に駆け出すや、盛大に飛び込んだ。
「ふぁ〜っ」
「少々ひんやりとした水が丁度良いです」
 ふと宮子が立ち泳ぎになると、水着の中から取り出した水鉄砲でAL目掛けて撃つ!
「っ!?」「1アウトだよっ」
 水鉄砲でさらに攻撃する宮子。ALが「それならボクはこうですっ」なんて水を大量に掬い上げた。波に呑まれた宮子が何とか浮上し、笑う。
「いくよっ」「どこからでも」
 水遊びする2人。その時。
「そこの2人、手伝って……!」
 2人が何気なく目を向けた先には、巨大ニジマスの姿があった。

 水中から出てきたのは稲葉 奈津(jb5860)だった。奈津は大きく息を吐き、ニジマスを浜辺へぶん投げる。
「よし。ありがと」
「え、えっと」
 サバサバ礼を言う奈津。宮子がびくびく訊く。
「ど、どうして魚を……素潜りで……」
「ん? 今年海行けなかったしね。気付いたら潜っちゃってたっていうか?」
「そ、そうですか」
 思わず丁寧語の宮子である。じり。僅かに後退した。それを見た奈津は逆に猫のように目を輝かせた。
「そうだ。教えてあげるよ素潜り」
「い、いえ大丈夫です」
「え? じゃあ疑似餌として手伝ってくれるの?」
「ふぇえ!?」
 意味が解らないが意味の通じる相手でもなさそうだ。奈津が踏み込む――刹那、脱兎の如く逃げ出した!
「ひ、ひいぃぃいぃいいんっ……だ、だれかぁ〜っ!?」
 かくして3人は日が暮れるまで命賭け(?)の浜辺遊びに興じていたとか何とか。

●クッシー、それは最後のフロンティア――1430時
 木の軋む音と水を掻く音だけが支配する空間。ピー、と鏑木鉄丸(jb4187)の合図が鳴り、紫 北斗(jb2918)が急停止させた。
「まず練習もかねてこの辺で探索しましょう!」
「探索は2人に任せるどす。その代りカヌーは任されたがや」
 ドンと艇内で仁王立ちの北斗である。遠く陸の方からみくず(jb2654)が「お兄ちゃん頑張ってー!」なんて全力応援していたりする。菊開 すみれ(ja6392)が口元を押え、くすと微笑した。
「すみれさんは左舷で。俺は右舷の方やります」
 すみれと鉄丸が鋭敏聴覚を発動し――!?
「ふえええぇえっ!?」
 直後、すみれの悲鳴と共にカヌーが盛大に傾く!
「ぬあぁ!?」「ちょまオール、北斗さんオール!」「了解!」
 左右に揺れるカヌー。北斗と鉄丸が重心移動で何とか乗り切ると、揺れが収まるまでたっぷり待って嘆息した。
 すみれが白いワンピ裾を押え、尻餅ついたまま「ご、ごめんなさい」と頭を下げた。
「構わぬであるが、何があったんでっしゃろ」
「そ、それは」
 ――言えない。
『愛してるよ』
『私も……あぁん』
『いいだろ?』
『きて……んんっ』
 そんなカップルの会話が聞こえたなんて言えない!
 かぁ、と頬を染めてすみれが口篭った。

 一方陸のみくず。
 得意満面取り出したるは釣り道具一式。扱い方は漫画で完璧にマスターしている。
 セットするのはルアーのバズベイト。糸の具合を確かめ、頷いた。竿を構え、糸に指をかける。そして全力で振り抜く!
「ぅいだっ!?」
 痛い痛い背中が痛い!?
 慌てて見るとルアーが服に引っ掛かり背中の皮膚まで刺さっている。抜く。抜けない。意味不明だ。みくずが混乱してさらに引っ張り――
「あーあー、落ち着け」
「うー……だれです?」
「いいから静かにしてな」
 男はみくずの背に食い込んだ針の返しを折り、スッと引き抜いた。みくずは腰が抜けたように座り、涙目で礼を言う。
 男――ディザイアは自分も釣り道具を取り出すと、慣れた動きでさっと餌を付け軽く竿を振る。
「教えてやるよ。で、何を釣りたいんだ」
 ディザイアに訊かれ、みくずは勢いよく答えた。
「クッシー!」

「ふふ」
 その様子を、木陰から秘かに観察する影があった。九鬼 紫乃(jb6923)だ。
 ――お茶目なのね。悪魔……なのに。それに天使の方も紳士的。
 ここにいる天魔は名簿で既に把握している。紫乃はその名を1人ずつ思い浮かべ、次は誰を観察しようか思案した。

●戦争と平和――1500時
 クッシーを巡る謎の戦いが繰り広げられる中、ソフィア・ヴァレッティ(ja1133)と樒 和紗(jb6970)は長閑にヨットを楽しんでいた。
『そう、きちんと風を受け止める!』
「えっとセールの角度を調節……」
 ソフィアが舵を微調整、ロープを持ったまま一気に左舷から右舷へ移動する。そしてロープを引くと、艇の外へ飛び出す勢いで体重をかけた。帆が風を掴みぶわっと広がる。艇の速度がぐっと上がった。
「んっ!」
『そう! それがタッキング。ヨットは斜めに風を利用するんだ』
「わ、ぁ……」
 まるで自分自身が水上を滑っているような疾走感。目の前には流れる水面があり、先にはだだっ広い湖。広大な波の上を何物にも邪魔されずに走る。えも言われぬ開放感がソフィアの全身を震わせた。
 一方和紗は
『考えすぎてるのかな。風を逃しちゃってるんだ。今は弱風だから逃したら厳しい』
「む、難しい……」
 生真面目さが祟ったのか、なかなかタックを換えられない。横風を掴んで走行はできる。が、風上や風下へ向かう時の斜め走行ができない。風を逃して失速するのだ。
 ソフィア艇が風上からやって来る。
「適当でいいんだって適当で。あれだよ。『考えるな、感じろ』」
「な、成程」
 トンデモ助言を真に受ける和紗である。

 カヌー組。艇の位置を変え、鉄丸とすみれが再び両舷に座る。そして鉄丸が鋭敏聴覚を繰り返す一方、すみれは今度は視覚を拡大した。
「どうでっしゃろ」
「聴こえないな……」
 鉄丸が首を振る。北斗が「クッシー……美味いんどすかなぁ」などと難しい顔をしたまま仁王立ちで呟く。と、不意に艇前方、水中で黒い影が蠢いた気がした。
 鉄丸がシッと静止してそっと前方へ移動する。見えないが妙に大きい。艇から乗り出し慎重に正体を確かめ――んとした、瞬間。
「っふにゃあああぁあああぁぁあぁあ!!?」
「ぬおあぁあまたかぁ!?」「ちょま今動くと艇のバラ……うおぁあああぁ今度は無理ィイイイイ!?」
 ざばぁーん!
 立て直す間もなく一瞬にして艇は引っ繰り返っていた。水中に放り出される3人。必死にもがく鉄丸。が、すみれがしがみ付いてくる。背に感じる2つの柔らかい感触。ぞわっと悪寒が走った。
 ――ごめんなさい!?
 何故か咄嗟に謝ってしまい、水を大量に飲んだ。沈む。拙い。そこに北斗が水上から突っ込んだ。
「がぶだぎじ、ぎぐざぎじ、びばだずげぢぶぐぞ!」
 北斗が見たのはすみれに抱きつかれた鉄丸。羨ましさに血の涙を流しつつ北斗が2人を引き上げる。が、何とした事か指から鉄丸が滑り落ちた。北斗がひとまずすみれを水面まで引き上げた時、黒翼の男が来るのが見えた。
「大丈夫か!?」「彼女を頼む。俺はもう1人を!」
 北斗が再び潜る!

 みくずは釣竿を引き上げる事も忘れ、呆然とカヌーの様子を窺っていた。
 ――お兄ちゃんは無事みたいだけど。
 鉄丸の姿が見えない。どうしよう。みくずが思案したその時、突如釣竿が強烈にしなった。大きい。みくずは咄嗟に竿を守る為、左右へ往なしリールを巻いていく。こんな事してる場合じゃないのに。逸る気持ちでみくずが引き上げると、それは――
「……」
「……」
 人だった。というか
「鉄丸くん!? 鉄丸くんが釣れたー!! 何で!?」
「うっぷ……」
「お、お兄ちゃーん! お兄ちゃぁあん!!」
 岸に打ち揚げられた魚の如くなすがままの鉄丸。何故彼が短時間で岸辺に辿り着いたのか。それは永遠の謎であった。

 同時刻。
 和紗ががむしゃらに風に向かう!
「風を、掴む!」
『待て、ヒールが大きい!』
 とにかく帆を張る事を考えるあまり、和紗は体を乗り出しすぎていた。指導の言葉を理解した時には既に遅い。艇内へ波が入り込む。
 咄嗟に体を起して舵操作、逆舷へ移って帆を張り直す。が、艇のバランスは戻らない。和紗が体重をかけるより先に、艇は一気に水面へ倒れ込む!
「んぐっ!?」
『絶対ロープを放すな!』「和紗さん!」
 和紗が水面に顔を出し無事の合図を送る。
 ――これがチンですか……でも。
 でも、転覆直前、確かにタッキングできた。勿論転覆しては意味がないが。
 ――面白い。
 和紗は快い水の冷たさを味わいつつ、ソフィアの投げた浮輪を掴んだ。

 クラウス レッドテール(jb5258)は小型艇を借り、各所を回っていく。
 そこかしこで騒ぐ久遠ヶ原学生達は生き生きとして、見ているだけで楽しくなってくる。クラウスはみくずと鉄丸を回収すると、北斗達の方へ艇を走らせた。
「大丈夫かー。ちょっとこっちで休んだらどうだ」
 すみれ、北斗、ディザイアも回収。さらにヨット組の近くまで向かい、和紗の無事を確かめる。
「ま、これもいい記念だよ。あんたも良い顔してるぜ」
「転覆はしましたが、少し上達できた実感はありますから」
「青春だねぇ」
 クラウスがそんな和紗をぱしゃりと撮る。
 一方で艇の甲板。正気に戻ったすみれは、ただただ鉄丸達に頭を下げていた。
「ごめんなさい……」
「あー、いいよ。皆無事だったしね」
「でも何で転覆したのかな?」
「そ、それは」
 みくずの疑問にやはり口篭るすみれ。
 ――言えない……抱き合ってたカップルが……き、き、キスしてたのを目撃したなんて!
 べろちゅーだった。何かもう、別世界すぎて訳が解らない。思い出しただけで動悸が激しくなるすみれだった。

●クッシーを巡る冒険――1600時
 そのボートには微妙な空気が漂っていた。
 雪室 チルル(ja0220)、犬乃 さんぽ(ja1272)、月詠 神削(ja5265)。目的を同じくする3人が互いを牽制しているのだ。
「クッシーなんてあたいにかかれば楽勝ね!」「ボクが最初に見つけちゃうよ♪」
「「ぐぬぬ……」」
 まとまりなさすぎる3人である。チルルが服を脱ぐや、水着となって水中へ飛び込む!
「お先に!」「あ、ずるい!」
 素潜りしていくチルル。逆にさんぽは水上を歩き始めた。
「クッシー♪ 出ておいでー、怖くないよ、友達だよ♪」
 そんな2人を尻目に、神削はのんびり釣糸を垂らす。餌はイカ。事前に情報を仕入れてきた本格派だ。
 ――ま、可能性は薄いだろうけどな。
 話のネタくらいにはなる。熱血する2人と対照的にぼんやり過ごす神削。さんぽが中島を一回りしてきた時、不意に竿がしなった。
「!?」「なになにまさかクッシー!?」
「判らん」
「手伝うよ!」
 艇に上がって神削を支えるさんぽ。異変に気付いたか、チルルもやってくる。
「どうし……ってわぁ! ままままさか!?」
「雪室ちゃんも手伝って!」
「よ、よーし!」
 チルルも加わり3vs1。それでも敵は水中で頑張る。神削が右に左に竿を動かし敵を疲労させる。両側から神削を支えるチルルとさんぽ。じりじり間合いを測るように糸を巻いていく。
「焦、るな……」
「ボートが引っ張られてるよ!」
 歯を食い縛って格闘する神削。漸く敵の動きが鈍ってきた。リールを巻く。艇が傾く。巻く。傾く。さんぽが逆側に体を乗り出しボートを維持する。巻く!
「いける……!」「きたぁ!?」
 最後の足掻きを押えつけ神削が一気に釣り上げる!
 ――そして、姿を現したのは。
「さかな?」「湖の主?」
 おそらくニジマスだ。かなりデカイ。が、少なくともクッシーではない。
 3人が顔を見合せ、笑う。何故か妙に楽しくなってきた。チルルが再び水へ飛び込み
「ふふーん、勝負はまだこれからね!」
「よーし、負けないよ♪」
 3人は奇妙な連帯感を抱きつつ幻を追い続ける。

●お1人様の苦悩――1630時
 エルレーン・バルハザード(ja0889)は1人カヌーに乗り込み、インストラクター2人の指導を受けていた。
「カヌーは腰で漕ぐ」「そう、こうやって。こう! こう!」
 腰を捻ってパドルで掻き、体を引き付け逆を掻く。熱の入った男2人の指導をエルレーンはじっと『観』続ける。
 ――げへへ……水上でぶつかり合うおとことおとこ。
 次第に互いの愛情が募り、2人は惹かれ合っていく。指導で火照った躯を持て余した2人はどちらからともなく……。
「そう! 飲み込み早いよ!」
 飲み込む!?
「艇と一体になって!」
 一体となる!?
 エルレーンの妄想が最高潮へ達した時。
「ここまでくればもう充分だ。後は自分のペースで楽しんでほしい!」
 男2人はそう言うや、陸へ帰っていった。
「えっ」
 我に返るエルレーン。気付けばカヌーを漕げている。それはそれで凄い気がするが、大事なのは男2人である。が、彼らはもう戻ってこない。
 ――しかたがない。こうなったらおじゃましにいきましょうね。カップルを。
 悪魔の如き思考を巡らせていると、途中で何やら水面を漂う物を見つけた。拾う。ベレー帽だった。
「あ……すみません。それ、俺のです」
 見上げると、小型艇に乗った女――和紗が頭を下げている。艇には他に何人も乗っており、いかにも楽しげだった。
 無言で帽子を渡す。何故か、ちょっとだけ悲しくなった。

●そして彼は今――1630時
 どことも知れぬ、森の中。
 流浪の茸狂いは茸でいっぱいになった荷を背負い、ほくほく顔ではたと気付いた。
「……あ、や?」
 …………、どこだろう、ここ。
「……う」
 うああああああああああああああああああああああああああああああ!?

●ここはよいとこ――1800時
 宮子とALはコタンの湯に浸かり、ただただ山際へ沈みゆく太陽を眺めていた。
 間近にある湖が夕日を反射して鏡のように輝く。刻一刻と細くなっていく茜色の光が幻想的だ。
「約束が果たせてよかったね♪ どうかな、温泉」
 露天風呂の中でノビをする宮子。体に巻いたタオルの裾が翻りそうになり、慌てて手で押えた。
「これが……オンセンで御座いますか。とても……愛おしい時間……」
「うん」
「宮子様がオンセンに目がないのも解る……気が致します」
「そっか。気に入りそうかな?」
「……はい」
 己の気持ちを確認するように瞑目し、噛み締めるように答えるAL。宮子はそれを聞き、安心したように微笑した。

●源三の涙――1900時
 犬の遠吠えの如き音が山から響いてくる中、一行は和やかにBBQを開始する。
 源三悲願のBBQだ。手伝ってくれる学生も多く、野営地は瞬く間に肉の焼ける美味しそうな匂いでいっぱいになった。
「さぁ! どんどん切ってくからさっさと焼いて!」
 威勢よく聖羅が野菜やら肉やら次々送り出していき、翠蓮がバケツリレーの如く隣に渡す。ソフィアやら翠月やら和紗も提供する側へ回り、5ヶ所用意した網は全て大盛況だ。
「これは私も腕の見せ所ねっ」
 チャキ、とすみれが懐から取り出すのはブートジョロキア。裂帛の気合と共に肉へ振りか――
「ぬぉあぁ!? やめるどす!!?」
「お兄ちゃんどいてお肉に振りかけられないっ」
 何やら錯乱するすみれを止める北斗である。
 源三は楽しげな皆の笑顔を眺め、肉と野菜と米を口いっぱいに頬張り言った。
「おええっえ、おんおおえええおおえおえ……」
「『食事って、本当に良いものですね』? もちろん!」
 みくず驚異の翻訳能力である。食に対する貪欲な姿勢という共通点が彼らを結びつけたに違いない。

「んふー。見ましたよん、雅さん仁刀さーん。昼間はお楽しみでしたね♪」
 ファティナがここぞとばかり冷やかすと、丁度肉を口に入れたところだった仁刀は思わず噴出しかけた。
「な、何を見たと」
「えぇ〜、それを私に言わせるんです?」
「……何もしてないよ? 本当だよ? 山菜採っただけだよ?」
「とか言って赤くなってますよ、雅さん可愛い♪」
「なななってないよっ」
 動揺を隠し切れない雅である。仁刀が山菜で思い出し、そういえばと話を変える。
「昼間さ、俺が山菜採ろうとしてたら雅がいきなりく」「何でもない!」「んぐぁ!?」
「くんぐぁ?」
 雅が仁刀の口に無理矢理肉を突っ込んだ。
「何でもないよ」
「そうですか♪」
 仁刀の惨状をスルーでファティナは仲睦まじい2人を見守る。

 九鬼紫乃は秘かに源三に接近すると、隠し持っていた缶ビール片手に話しかけた。
「こういう時はコレを飲むのよ。特別に貴方にあげる」
「んぁ? マジでか。ありがとう!」
 満面の笑みで缶を受け取り、開けると、勢いよく飲む源三。紫乃はさり気なく人混みに紛れ、遠目に源三を観察する。
 源三は平然と飲み終え、食事を再開した。
 ――1本じゃ酔わないかしら。
 紫乃がさらに酒を飲ませんとした時、不意に源三の体が傾いた。
 どてーん。周りがざわつく。紫乃が目を細めて集中する。
「おえおにく〜もっれろーい!」
「『俺の肉持ってこーい!』」
 すかさず通訳するみくず。紫乃が目を丸くした。
「あらあら。大変ねえ」
 酒にこんなに弱いとは。これは源三だけの体質なのだろうか。紫乃は秘かに場を離れる。
 天魔とは、自分にとって何なのか。
 それを判断するには、もっと彼らの事を知らねばならない。

●居場所――2130時
 宴は飽きる事なく続く。元気すぎる彼らを遠目に眺め、黒須洸太は目を細めた。
「貴方は食べないんですか」
 適度に摘んできたエルザが声をかける。手には水が2つ。エルザが手渡すと、洸太が礼を言った。
「匂いだけでお腹いっぱいだね」
 はは、と笑う洸太だが、エルザの視線は彼の腕に注がれていた。サッとソレを隠す。が、遅かった。
 洸太の袖を無理矢理めくり上げ、エルザは眉を歪める。
「……まだあんな無茶しているのね」
「仕方ないよ。こういう仕事なんだもの」
 腕の――傷は、焼け爛れたようになっている。改めて観察すると、シャツの隙間から覗く洸太の胸元や首筋にも傷跡がある。
 BBQの火が仄かに洸太の肌を照らす。袖から手を放し、エルザが息を1つ吐いた。
「そんな話じゃないわ」
「別にいいよ、傷くらい」
「戦い方に気をつければ傷は格段に減るのよ」
「ボクの傷が減る分、皆の傷が増えるよね」
「そんな事ない」
「それに言う程自分が生きてなければいけない理由もないしさ」
 ヘラヘラ笑う洸太。カッと、抑え切れない何かがエルザの中で爆発した。
「あっ、あなっ……貴方だけの問題じゃないでしょう!?」
「ボクの命なのに?」
 ぱぁん。
 気付けば、エルザは平手を打っていた。打たれるがままに洸太はじっとエルザの手を見る。
「友達や家族の気持ちも考えなさい……!!」
 洸太は薄く笑い――あるいは顔を歪め、エルザから視線を逸らした。
「友達が死ぬより自分が死んだ方がいい。家族なんてもう……いないしね」
「ぇ……ぁ、ご、ごめ……なさ……」
「別に。何なら次は左の頬を差し出そうか」
 あくまで軽口を続ける洸太の姿は歪すぎて逆に痛々しい。少なくとも、エルザにはそうとしか思えない。
「……本当にごめんなさい……」
「だからいいって」
 洸太が笑う。その笑顔は、この青年から何かを奪っているように見えた。
「……、やっぱり何か取ってくるわね」
「じゃあ野菜で」
 エルザは逃げるようにBBQの輪に入った。

 稲葉奈津は腹を押え、ふわぁ〜と大きく息を吐いた。
「はぁ〜、食べ過ぎた……」
 もう限界といった感じで草の上に座ると、奈津は流れのままに横になった。ぐっと筋を伸ばす。気持ちよすぎる。そして見上げれば広がるのは満天の星空。
「わぁ……超キレー……」
 キラキラ瞬くそれら全てが自分のものになったかのよう。奈津は腕を伸ばし、その1つを掴もうとしてみる。
「あ、あは」
 あまりに少女漫画すぎて自分で恥ずかしくなった。……けど。
「……また来たいな。今度は……とくべつな……ひとと……」
 目を瞑り、快い自然に身を任せる。

●寄り添う者――2230時
 橘樹は独り山の頂上にいた。
 どこをどう歩いたのかも解らない。ただ謎の衝動に突き動かされ、気付けばここにいたのである。
 木々も疎らで、周囲を見晴るかせば湖と、その傍の灯りが見える。キャンプファイヤーの火だろう。その灯りは冷え切っていた樹の心に沁みた。こんなに離れているのに、温かくなった。
「綺麗だの……」
 星空と山の稜線が溶け合い、山も空もなくただ広がる大いなる世界。そこに確かに存在する温かな人の光。何物にも代え難い感動が心を満たす。
 無性に、学友に会いたくなった。
「よし。今度は迷わぬのであるよ」
 だって、あの光が自分を導いてくれるから。

 課外授業の夜は更けていく。学生達を一時の幻想に包みながら……。


依頼結果

依頼成功度:大成功
MVP: −
重体: −
面白かった!:18人

無念の褌大名・
猫野・宮子(ja0024)

大学部2年5組 女 鬼道忍軍
伝説の撃退士・
雪室 チルル(ja0220)

大学部1年4組 女 ルインズブレイド
Silver fairy・
ファティナ・V・アイゼンブルク(ja0454)

卒業 女 ダアト
┌(┌ ^o^)┐<背徳王・
エルレーン・バルハザード(ja0889)

大学部5年242組 女 鬼道忍軍
太陽の魔女・
ソフィア・ヴァレッティ(ja1133)

大学部4年230組 女 ダアト
ヨーヨー美少女(♂)・
犬乃 さんぽ(ja1272)

大学部4年5組 男 鬼道忍軍
戦場を駆けし光翼の戦乙女・
桐原 雅(ja1822)

大学部3年286組 女 阿修羅
撃退士・
久遠 仁刀(ja2464)

卒業 男 ルインズブレイド
踏み外した境界・
黒須 洸太(ja2475)

大学部8年171組 男 ディバインナイト
新たなる平和な世界で・
巫 聖羅(ja3916)

大学部4年6組 女 ダアト
釣りキチ・
月詠 神削(ja5265)

大学部4年55組 男 ルインズブレイド
リリカルヴァイオレット・
菊開 すみれ(ja6392)

大学部4年237組 女 インフィルトレイター
夜を紡ぎし翠闇の魔人・
鑑夜 翠月(jb0681)

大学部3年267組 男 ナイトウォーカー
踏み外せぬ境界・
Elsa・Dixfeuille(jb1765)

大学部7年203組 女 インフィルトレイター
サバイバル大食い優勝者・
みくず(jb2654)

大学部3年250組 女 陰陽師
来し方抱き、行く末見つめ・
小田切 翠蓮(jb2728)

大学部6年4組 男 陰陽師
己の信ずる道貫き通す・
紫 北斗(jb2918)

卒業 男 ナイトウォーカー
きのこ憑き・
橘 樹(jb3833)

卒業 男 陰陽師
\アッー!/・
鏑木鉄丸(jb4187)

大学部3年211組 男 インフィルトレイター
正義の魔法少女!?・
AL(jb4583)

大学部1年6組 男 ダアト
青の悪意を阻みし者・
クラウス レッドテール(jb5258)

大学部4年143組 男 インフィルトレイター
力の在処、心の在処・
稲葉 奈津(jb5860)

卒業 女 ルインズブレイド
護黒連翼・
ディザイア・シーカー(jb5989)

卒業 男 アカシックレコーダー:タイプA
撃退士・
九鬼 紫乃(jb6923)

大学部6年39組 女 陰陽師
光至ル瑞獣・
和紗・S・ルフトハイト(jb6970)

大学部3年4組 女 インフィルトレイター