.


マスター:楠原 日野
シナリオ形態:イベント
難易度:易しい
参加人数:25人
サポート:1人
リプレイ完成日時:2014/08/04


みんなの思い出



オープニング

 そこは地元でも有名な廃屋である。
 元はそこそこ大きな温泉テーマパークだったが、こんな田舎町では、人が来たのも景気の良い時だけの話。
 すぐに人の足は遠ざかり、その途端、維持費だけでも膨大な金額になるそこは、誕生してから10年とたたず閉鎖された。
 経営者は地元ではそれなりの子金持ちだったが、身の丈に合わなかったそれの負債を苦に、わかりやすい結末を送った。
 それ以降、そこではある事をすると、その経営者の霊と出会うことができる――そんなあやふやで、根も葉もない噂が飛び交っているのだった。
「と言ういわく付き物件が、こちらだよ。
 ちなみに現在、この土地の所有はうちのおじいちゃんだったり」
 夕暮れ時、笑顔でその建物をバックに説明する津崎海を(jz0210)前に、矢代理子(jz0314)はおびえた顔をしていた。
「何でそんな所につれてくるの……!」
「えー? 幽霊とかって見たくない?」
「見たくないよ!」
 普段大人しい理子だが、このときばかりは声を大にしていた。
(修平君も澄音ちゃんも、知ってたんなら教えてくれればいいのに……!)
 学校で誘われた時、中本修平は「行くから付いてこい、でしょ」と半ば諦めたかのように言い、吾亦紅澄音は「絶対いかねー!」と完全な拒絶しか言わなかった。
 誰もここがそんないわくのある所だと教えてくれず、まんまときてしまった普通くらいに幽霊とか嫌いな理子は恨みがましく修平を睨みつけていた。
 その視線に気づいた修平が「どうかした?」と尋ねてきた。
「……幽霊とか出るって話なら、教えてほしかったなって」
「あ、りっちゃん知らなかったのか。知ってたもんだと思ってた」
「知ってたら、こないよぉ」
 腕をつかまれ、激しく揺さぶられる修平。
「いや、僕と同じで天魔がこの世にいたんなら、幽霊の関係もそれらみたいな存在なのかなって興味があって来たのかなと。
 幽霊っぽいのなら、実際いたみたいだしね」
 冷静な修平と半泣きの理子の肩に、海が手を置く。
 その顔は楽しそうの一言である。
「まーここまで来たんだし、覚悟決めないと。
 でもねー、実はこの人数じゃ幽霊は出てきてくれなさそうなんだよね」
「あ、幽霊の出る条件も調べてきたんだ。どんなの?」
 修平の問いに、海は背中のリュックを下ろし、開けて中を見せる――その中にはロケット花火が、みっちりと詰め込まれていた。
「なにこれ」
「なんかね、ロケット花火が好きだったらしくて、これで寄ってくるんだって」
 その話に修平は、海へこれみよがしに自分の眉を触る。
「眉唾って言いたいのはわかるけど、幽霊だってそもそも眉唾だからね。とにかく試してみないと。
 でもね、ただ打ち上げてるんじゃなく、大勢で派手に打ち合わなきゃいけないんだって」
 おかしな言葉に、思わず理子が手で待ったをかける。
「待って。打ち合うって……?」
「そのまんまだよー。こう、手に持って相手にねらいを定め、発射! ってやるの」
 ロケット花火を水平に構える海。修平は大きく頷いた。
「よい子はマネしちゃいけない類の遊び方だね。去年、りっちゃんも見たと思うよ?」
 修平の言葉に、覚えがあるのか理子は首を縦に何度も振る。
 そして修平は少し考えるそぶりを見せてから、すぐに口を開いた。
「大勢って、少なくとも3人は大勢じゃないよね。しかもりっちゃんは行く気なさそうだし――あ、まさか」
「ふっふー。そう、学園の人に来てもらう事にしたんだよー。
 ただロケット花火が足りないから、自分で使う分は途中のコンビニで買ってきてねって言ってあるんだ」
 農家が鴉撃退にロケット花火をよく使うものだから、この地域のどのコンビニにも、ロケット花火の在庫がかなりある。
 足りない予感がすると修平は感じていたが、自分の武器を調達する事から戦いは始まっているのだと、何となく誰かへ向けて思うのであった――



リプレイ本文

※このお話はフィクションです。ロケット花火に限らず、花火は人に向けてはいけません。ダメ、絶対。
 また、撃退士だからできることであって、実際は絶対に真似をしてはいけないことも含まれています。正しい遊び方で楽しく遊びましょう。


「ふむ……」
 お知らせを見て礼野 智美(ja3600)が難しい顔をしていた。
(鴉撃退にロケット花火か……いや、うちの地元だと残骸が散らばるのは困るし、万一火災にでもなったら困るしな)
「……まぁ依頼だし。
 でも現地がどんなところか知らないけれど、幾ら廃墟とはいえ最後にゴミを散らかしたまま帰るのは……」
 むくむくと、使命感のようなものが沸き立ってくる。
 こうなってくると、踵を返し、足早にその場を去っていく智美であった。
 次に足を止めたのは、麻生 遊夜(ja1838)、ディザイア・シーカー(jb5989)、来崎 麻夜(jb0905)、ヒビキ・ユーヤ(jb9420)【深夜荘】の4人。遊夜がまず関心を寄せ、唇に親指を当ててしばらく考えたのち、温泉という部分に指を乗せると口の端を吊り上げ、ニヤリと笑った。
「陣地を守りながら近づく敵を撃退、ってのはどうだ?
 温泉に浸かりながら遊べるし、誰も来なけりゃのんびり出来る……悪くないだろ?」
「温泉に、入りながら、遊べる……良い」
 こくりとヒビキが頷き、ディザイアもなるほどと少し目を大きく開いて、頷いていた。
(面白そうなこと考えるもんだな)
「ふむ、それじゃ早速行動だな。まずはひとっ走りコンビニに行って、花火やらの調達か」
「なら即行動、だね。他の人に取られる前に準備しないと!」
 ディザイアと、クスクス笑う麻耶の言葉がかぶるが、気にする様子もなく麻夜が真っ先にの駆け出すと、ヒビキがチョロチョロと追いかけていく。
 言い出した遊夜は肩をすくめ、顎で自分達も行くかと伝えると歩き出す。
「おや、これは……」
 佐藤 としお(ja2489)も興味を惹かれたようだが、その興味は何か別の所に感じたようであった。そのため、真っ先に取った行動はその場所の検索、噂話などの情報集めだった。
 すると、見えてくる事実。
「なるほど。悔やんでも悔やみきれないでしょうね……」
 南ー無ーと手を合わせ彼もまた使命感を抱き、目を輝かせて駆け出すのだった。
 そんな使命感、気のせいのはずなのだが。
 こうして花火と温泉と廃墟に釣られ、続々と撃退士達は戦場へと赴くのであった――


「へっへー、いっちばーん!」
 バイクで裏道も駆使し、現場に近いコンビニへ誰よりも先に到達した犬乃 さんぽ(ja1272)が、ロケット花火をどっさり買えるだけ買うと、再びバイクにまたがり、現場へと急いだ。
 廃墟へ続く道のりの間、ずっとワクワクしっぱなしである。
(ロケット花火の撃ちあいなんて、普通なかなかできないもん!)
 さんぽが出発した後に、ヒビキと麻夜が競う様にコンビニへ駆けこんでくるなり、目をきらきらさせておやつの棚を目指す。
「ん、おやつ……」
 少し遅れて遊夜とディザイアもコンビニにやってくると、まずロケット花火をちゃんと確保した。
「花火は100〜200本くらいあればいいかね?」
「まぁ、そんなもんだろう」
 ディザイアと、それにヒビキがこくりと頷く。
「花火は、適度な量で」
「そうだねぇ、それくらいあればいいかも? あとはおやつだね!」
 最初からそれが目的かと言わんばかりに、ずっと吟味している2人。遊夜が「へいへい了解了解」と2人の横に買い物カゴを置き、頭を掻きながらドリンクコーナーへ足を向ける。
「程々にしとけよー?」
 金額ピッタリになるよう必死に計算しながらも、どんどんカゴに詰めていく2人の様子に汗を垂らし、ディザイアはコンビニを先に出ると、夏だというのに少しひんやりした夜風に目を細めた。
(北海道の夜は、夏でも涼しいな)
 そして何気なく横を見て、びくりとなった。
「第一回カップルにロケット花火撃ちこむ大会ー! どんどんどん、ぱふ。
 まあ誰であっても、撃たれたら撃ち返すんですけどもね♪」
 外に設置されたゴミ箱の前で、楽しそうにクネクネ動く2本の角――パルプンティ(jb2761)がストローを口に、なにやらごそごそやっていた。
(端へ切り込みを入れて――あれは紙パックで作った羽根か……? 命中精度が高そうだな)
「凶悪ロケット花火の完成ですよーぅ」
 そこではたと、ディザイアと目があった。
 自分の唇を人差し指で押さえ「しーっ」と口止めの様なものをして、魔改造ロケット花火をかき集め、ダッシュで闇に消えていく。
 残されたディザイアの前を麻夜とヒビキが通過し、買い物袋を両手に持たされた遊夜が「どうかしたけぇのぅ」と尋ねるも「なんでもないさ」と、口止めを律儀に守る。
「まあなんだ。早いトコ行って良さそうな場所、確保しないとな」
 4人と入れ違いになる形で、誰かが全力でコンビニへ走っていった。
「殺るからには全力だよ!」
「今、言葉のニュアンスがおかしかった気がするよ?!」
 鼻息荒くして全力で走るファラ・エルフィリア(jb3154)と、その後ろを追いかけるレイ・フェリウス(jb3036)。
「って、レイもかよ!?」
 少し呆れた顔で「あーぁ……ファラ走っちゃってまぁ」なんて言っていたラウール・ペンドルミン(jb3166)も、レイが走り出したのを見て、なぜか自分も走り出していた。
 夜の街を横切る動物に気を取られていた早見 慎吾(jb1186)が、視線を戻してやっと気が付く。
「ああなんかまたファラが走ってる――ってレイ……おまえもかよ……」
 溜め息がもれそうになり、共感してもらおうと横にいたはずのラウールに声をかけようとして、そこでラウールも走っているのに気付いた。
「ラウ……なんで張り合ってんだお前」
 1人残された慎吾――今更走り出すのもなんだか自分らしくない気がして、走り出したかったがぐっと堪え、あえてゆっくりと歩く。
 ただやっぱり。
(くっ……なんだこの、乗り遅れて寂しい感じは!)
 疎外感だけは、ぬぐえないのであった。
「出遅れました!」
「勝負はここからだ!」
 慎吾の横を夏木 夕乃(ja9092)が走って通り過ぎ、雪室 チルル(ja0220)にも抜かされる。
 これほどゆっくり歩いているのは自分だけなのかと、慎吾は少し不安になり後ろを振り返ると、すでにコンビニの袋を手にぶら下げ、アイスを食べながらゆっくりと歩いている雫(ja1894)の姿に胸をなでおろすのであった。
「『ろけっとはなび』が幽霊を呼び出す儀式だなんて、人間界すごいね?!」
 目をキラキラさせるレイに、ラウールは呆れて「どっからそんな噂仕入れてきた?」と聞いてしまう。
「え、違うのかい? おばさま会議で聞いたんだけど」
「え? おばさま会議? どこだよそれ……
 そしておまえはなんで毎回感化されすぎてんだよ……」
 心配になっているラウール。
 そんなやりとりをよそに、ファラはスナイパーの目つきで花火をじっくり吟味していた。
「音が出るロケット花火は音で驚かせる効果がある。でも全部笛だと数が少ない」
 ぶつぶつと呟くファラに冷や汗を垂らしつつ、慎吾は4つ、フルーツ牛乳を買うのであった。



「消火用の水風船だ――必要な者は名乗り出てくれ」
 アルジェ(jb3603)が割れないようにケースに収めた水風船を手に、集まった面々に呼びかけていた。
 それに消火用と書かれたバケツを手にしたゲルダ グリューニング(jb7318)が、うんうんと頷く。
「花火の撃ちあいは面白いけど危険ですね。
『安全は大事よ。私も彼女を押し倒す時は毎回床にマットを敷いたわ』と母も言ってました」
「念のため、頂こうか」
「うむ。念のためだ、火事になってもつまらないからな」
 小さく手を挙げた天風 静流(ja0373)がアルジェから受け取り、廃墟を見上げる――と、廃墟の中からこちらを窺う目とあった、ような気がした。
(もう誰かいても、不思議ではないな)
 バイクやらスーパーカブが脇に止まっているし、来た順から廃墟へと踏み込んでいくのを見て、それ以上は深く考えない。
「これでも昔は火祭りマスターと言われたもんだっちゃ」
 ロケット花火以外の花火が目立つ御供 瞳(jb6018)も、到着するなり廃墟へ乗りこんでいくのであった。
「そろそろ始めても大丈夫かなぁ?」
 海が周囲を見わたし修平が口を開いたところで、修平の後ろから伸びてきた手が頬を引っ張る。
「修平。お前がいながら、なぜ止めん……」
 表情こそ変えていないが、その言葉の節から確かな怒りを感じる江戸川 騎士(jb5439)が修平の後ろに立っていた。
 修平が騎士をなだめようとする横を、レティシア・シャンテヒルト(jb6767)が鼻歌混じりに通り抜け、海の手を両手で包み込むように握りしめて大きく上下に振った。
「私、レティシアと申しますが、このたびのご招待、感謝いたします」
「どういたしましてだよ! でも怪我しないようにね?」
「ええ、それは十二分に気を付けます――では準備も有りますので、失礼いたします」
 ニッコリと笑い一礼すると、廃墟を見上げながら中へと向かう。優雅で柔らかな物腰だが、どことなくふわふわとした足取りをしていた。
 なにより、見上げるその目が生き生きとしている。
(廃虚の侘しさと、人の営みの名残――このギャップが、たまりませんわね)
 それに視界のあまり意識していない範囲にある窓から見える気がする、人影のような気配――その非現実的なモノも、大好きだったりする。
 大体みんなが揃ったかという時にかなり遅れて、あれほど(違った方向に)意気込んでいたとしおが、やっと来た。神主のような格好で、頭にはロケット花火を巻きつけて。
「感じる、感じるぞ……! 貴方達が幸せに成仏出来るよう、手伝わせてくださいっ!」
 叫びながら駆け込んでいくそのさまに、むしろ幽霊より別の意味で怖い人に見えたりするなとか理子は思ってしまった。
「じゃ、りっちゃん。いってくるね!」
「いいか、海。俺の側を離れるんじゃなねぇぞ」
 海が手を振り駆け出そうとするのを、騎士が肩を掴んで引き止めていた。
「えー……」
「きけないのか?
 花火が終わるまで俺様に担がれてるのと、どちらがいいか選択はさせてやる」
 そんなやり取りをしながら、海と騎士は建物へと足を運ぶ。
「僕も――江戸川さんが付いてるなら、僕は個人で動くかな。それじゃりっちゃん、少し待っててね」
 修平を見送り、理子が手を振っていると、それから察した智美が理子に近づいて警戒されない程度の距離で立ち止まり、挨拶をかわす。
「こんばんは。もしかして、ここで終わるまで待ってるのかな?」
「あ、こんばんは。ちょっと中に行くのが怖くて……」
「ふむ……いくら大勢で遊ぶからとはいえ、夜に女の子1人は心細いだろう。君が良ければだが、一緒に居ても構わないかな?」
 智美の申し出に「ありがとうございます」と、頭を下げる理子。
 その姿が、親友と被って見えた。
(やはり雰囲気が似ているな……ますます放っておけない)
「外に残る者も、居るのだな」
 静流が2人に声をかけ事情を聞くと、静流も残ると言い出す。
「ロケット花火とは懐かしいなと思って、来ただけだからな。本来、人に向けるものではないし」
 そして静流は廃墟へと向け、ロケット花火を飛ばす――それが、開始の合図となるのであった。



 黒のタンキニのヒビキが、入り口付近で何やら仕込み、立ち上がるとこくりと頷く。
「ん、良い出来」
「誰か来たらファイヤーだね」
 黒のビキニで温泉に浸かりながら、麻耶がクスクス笑う。
 その他にも遊夜が色々と仕込み、そして3袋ほどを手に温泉へ。
「手元には2〜30本あればよいか」
 数々のトラップを満足げに眺め、水着姿のディザイアは仁王立ちで不敵に笑っていた。
「良いな、出番が待ち遠しいぜ」
 そして侵入者が来るまで、のんびりと過ごす4人であった。


「始まったかしら? 若いっていいわね♪」
 黒のマイクロビキニで、誰よりも先に温泉に浸かっていた雁久良 霧依(jb0827)の耳に、ロケット花火の破裂音が聞こえた。撃ちあいに参加する気は、一切ない。
「なんね、先客がいたんねぇ」
 歩きながら服を脱ぎ散らかしている、桃香 椿(jb6036)。その手にはもちろん米焼酎。
 ぐるっと見回し、それから部屋の隅にしゃがみ込むと何かを設置する。
「さぁって、ゆっくり浸かろうかね」
 最後の砦、下着までも脱ぎ捨て霧依も浸かっている温泉へと足のつま先からゆっくり、じんわりと浸かっていく。
「あぁ、ええ気持ちやぁ」
「そうよね――あ」
 霧依が立ち上がり、手を振る。
「頑張って〜♪」
 手を振るとお湯に濡れ、ほんのり朱色の胸がたゆんと揺れる。
 椿が顔を向けると、たじろいでいるとしおの姿が。その手には椿の脱ぎ捨ててきた服が。
「覗きはあ・か・ん♪」
 誘導されたとしおめがけ、足元にあった小箱からみっちり大量に詰め込まれたロケット花火が一斉に発射された。
「のぉぉぉぉう!」
 ロケット花火クレイモアに悲鳴を上げ、としおが逃げ出す――と、尾行していたのか去っていったとしおと入れ違いにさんぽが入ってくるなり、2人を見て硬直する。
「あら可愛えね。ええよぉ、お姉さんと一緒にはいらへん?」
「ご、ごめんなさーい!」
 何へのごめんなさいなのかはともかく、顔を赤くしたさんぽは全力で逃げ出すのであった。
「ウブやなぁ」
 椿は温泉の縁に、腕と腕の上に顎を乗せて微笑む。
「ん〜入ってるだけってのもアレよね……そうだ♪」
 かけてあった白衣をわざわざ濡らし、霧依は椿に手を振りその場を後にした――


「ふっふっふ……あたいのロケット花火攻撃を受けてみろ!」
 チルルが柱から飛び出し、元は室内噴水に立っていたであろう謎の銅像を乗り越え目標へ向かって突撃しながら、投げやすいように改良されたロケット花火を投げつける。
「オラァ負けねえだっちゃ!」
 剣の如くドラゴン花火を手に、果敢に正面から向かって行く瞳。その身にロケット花火の直撃を受けても、決して怯む事はなく、むしろ存分に浴びに行く。
(村の伝統・火祭りが懐かしいっちゃ。おじぃ、おばぁ見ててくれてるだっちゃ?)
「あたいのロケットが効かない!?」
 愕然とするチルルへ瞳がねずみ花火を投げつけ(ねずみ花火も人に向けて投げたらだめよ?)、それが煙幕となりながら破裂。だがチルルは跳躍し、上から狙いを定める。
「こいつを食らうっちゃ!」
 羽根つきの回転上昇系花火を着火して、チルルを迎え撃つ!
 ――つもりだったが、激しく回転し火花をまき散らすそれは真下へ向って飛び、地面を激しく複雑に這い続けるのだった。予想外の裏切りに涙目の瞳。
 瞳の周囲に次々ロケット花火が撃ちこまれ、退路を断ったところで目の前に着地したチルルが、まとめたロケット花火を瞳の胸の前にかざす。
「あたいの……勝ちだ!」
 勝ち誇り、ライターで導火線に火を付けようとした、その時。
「うっかり滑らせてしまいました!」
 ゲルダに突き飛ばされ、2人はもろとも温泉を利用した噴水の中へと沈んでいくのだった。
 そしてゲルダは何事もなかったように「事故だからしかたがありません」と言い残して、逃げていく。
「あたいのロケット花火が……!」
「オラのも全滅だっちゃ……」
 水を滴らせながら立ち上がった2人は顔を見合わせ――がっちりと固い握手を交わす。
「忍法ニンジャ花火の術!」
 音もなく忍び寄り水面に立っていたさんぽの不意打ちに、2人は痛くはないが雰囲気的に叫び声をあげるのだった。


(さて、楽しみますか)
 何やら強化され重量感のアップしたロケット花火と、丸く纏めた爆竹を装備した雫が壁に背をつけながら移動していた。
 すると背中に視線を感じ振り返るが、誰もいない。
(気のせい……?)
 だが一瞬だけ、ちらりと白いドレスが見えたような気がした――そう思った矢先、クスクスという声と共に、背後からひんやりと冷たい手が雫の頬を撫でる。
 ばっと振り返るが、そこは紛れもなくただの壁。
 誰かがいるはずもない。
 暗闇の中、身を震わせた雫。暗闇の恐怖心を紛らわすためにも淡い光を取り入れる窓へ目を向けるが、その窓に白いドレスの少女が一瞬だけ横切り、闇に消えていく。
「……今のは、何?」
「はっけーん!」
 声と共にロケット花火が飛んでくる。
 すぐ側の扉を開け防いだ雫が、筒にロケット花火を入れ、扉の影から飛びだすと声の主――海の足元へ向けてロケット花火を放つ。
 はるかに高い火力で破裂するロケット花火が、海の足元に仕込まれていた癇癪玉を次々と連鎖的に破裂させる。しかも煙玉も仕込まれていたのか、辺りには煙が充満する。
(とった!)
 勝利を確信し、数本まとめて撃つ雫。
 だがそれは、途中で叩き落されてしまう。
 一瞬の動揺を見せる雫の横に、いつの間にか騎士が立っていた。しかも雫の強化ロケット花火をその手に持っている。
「人から奪ってはいけないとは、聞いてないからな」
 表情はあまり変えないが、少し悔しそうな表情を見せる雫――その目が見開かれた。
 不審に思った騎士が振り返ると、火の付いたロケット花火を持った海の背後、その角から壁を四つん這いで這って歩く、濡れた白衣の女が。両の目をぎょろりと開き、歯をむき出しにした狂相で海の首筋の匂いを嗅いでいる。
 気づいていなかった海も、生暖かい鼻息に硬直していた。
 そこへ不意に、天井から伸びた白い手からロケット花火が撃ち下ろされ、女の鼻を掠める。
「燃えとけよ」
 騎士の冷静にして無慈悲な呟き。
 白衣の女、霧依を中心に色とりどりの炎が撒き散らされ爆発する。その時ちょうど、海の手からロケット花火が飛び、その火花が雫の髪を少しだが、焦がす。
 その瞬間、雫にスイッチが入った。
 騎士の手から花火を奪い返し、ありったけの花火に火を付けずんずんと距離を縮め――海の横を通り過ぎる。
 燃やされた霧依が「酷い目にあったわね♪」と、多少焦げながらも立ち上がるが、その背中にぴたりと雫が花火の先端をくっつける。
「全弾発射……目標を駆逐します」
 その直後、ロケット花火とは思えないほど眩い光を放ち、盛大な爆発音が窓を揺るがす。
 髪を焦がしたのは海なのだが、雫からは霧依が撃ったように見えたか、もしくはいつぞやの事を思いだしたのかもしれなかった――


「えらいめにあったけど、これで全ての疲れが取れる〜♪」
 隅っこの小さな風呂でのんびりしていたとしお。
 その暗がりでアルジェが身を潜めていた。
(知っているか? ロケット花火は水中もいけるんだぞ。アルの5連装花火魚雷を受けてみよ)
 火を付け、導火線が燃え尽きる前に温泉の中へ放り込むと、「ひゃー」という悲鳴が聞こえた。
 表情を引き締めたとしおは服を手に持ち、現場へと急行。運よく、5連装花火から逃れられるのであった。
 舌打ちはしなかったが、アルジェは事前に調べた抜け道を使い、他の戦場へと移動を開始する。

 としおが急行するほんの少し前。ゾンビマスクを装着した夕乃が物陰に隠れ、待機していた。
(さーあ、いらっしゃいだよ。にしし!)
「さぁ、どっからでもかかってくるです!!」
 パルプンティの声と、ひたひたと聞こえる足音――タイミングを計り、ばっと飛び出す。
(思わず真正面から撃ってくるか、びびって引くか、2つに1つ! 花火無駄撃ち作戦でーす!)
 そのどちらにしても、脅かすと同時に横へと回避行動をとっていた。
 だが、予想もしていなかった事故が起きた。
 ロケット花火を構えたパルプンティだったが、そのタイミングで何故かショーツがずり落ち、足に絡まって前に倒れる。その拍子で床にばらまかれるロケット花火と、火の付いたロケット花火数本が、回転しながら空を舞う。
 無差別方向乱射事件――荒れ狂うロケット花火の跳弾に夕乃は「ひゃー」と悲鳴を上げて楽しそうに後退する。
「事件はここか! 霊の仕業だな!」
 服を脇に抱えた恥ずかしい姿のとしおが登場。
 だが不幸にも、火花によって床に散らばった花火が着火し、それらが狙いすましたようにとしおを襲い掛かるのであった。
「これが除霊の試練かぁぁぁぁ!」
 絶叫は破裂音によってかき消されていく。
 起き上がったパルプンティは「弾切れですよーぅ」と、さほど残念そうでもない口ぶり。
 お楽しみのアイスを口に、のんびりと歩き始めるのであった。

「うーん、ハプニングは常に起こるものだね――お、誰か来た」
 気配を殺して歩く誰かに気付き、夕之は再び待ち構える。
「うおーっ!」
 タイミングを計って飛びだすと、まったく無反応のさんぽ。というか、なぜかないはずの胸が、立派にある。
「ニンポー全弾発射☆!」
 真上からの声。ロケット花火雨が降り注ぐ。
「にゃはぁぁぁぁぁぁ!」
 痛くはないが、その壮観な光景に思わず盛り上がって叫んでいた。
 しかも自分の花火にまで火が付き、甲高い音と破裂音が辺りを支配する。
 さんぽの隣に降り立ったさんぽが、さんぽの肩にポンと手を置く。
「ご苦労様、もう1人のボク」
 こくりと頷いたさんぽはやがて闇に溶け、消えていった。
 全弾撃ち尽くしたさんぽは鼻歌を歌いながら、帰っていくのであった。
 残された夕乃もへたりこんでいたが、やがて立ち上がる。
「楽しかったぁ。さ、かーえろ」


 それなりに阿鼻叫喚な廃墟の中と違い、外では静流が一定の間隔でロケット花火を打ち上げ、智恵も理子もそれを見て、普通に楽しんでいた。
 そんな理子の所へ、かなり遅れて亀山 淳紅(ja2261)が姿を見せる。買いそびれたのか、その手に花火はない。
「Happy Birthday お嬢さん。よければ冷えたフルーツなどいかがですか? 大分遅れで悪いけど」
 脇に抱えた保冷バックを見せそれを下ろすと、理子だけでなく、「皆さんで」という理子の言葉で静流と智美もフルーツを頂いていた。
 ぼんやりと建物の騒ぎに聞き入っていた淳紅が、不意に口を開く。
「『センセイ』のこと、よろしゅうなぁ。いや、自分によろしゅうされる謂れは無い言うて怒りそうやけど」
 何か大事な話をしているなと、静流と智美が離れてくれる。
 それに感謝しつつ、淳紅は続けた。
「……自分より100倍ましやろうけど、センセイも結構悩む性質やし、こっからまた辛いこともある思う。
 そん時自分は、横には立てるけど背中は押してあげられへんから――ね」
 困ったように笑う淳紅。
 けれども理子は、そんな淳紅を安心させる為か、力強く頷く。
「内緒の内緒のお話やで?」
 しーっとポーズを作ると、理子も同じポーズをとった直後、硬直した。
 そして廃墟の2階を指さして、首を傾げる淳紅へ伝える
「今、2階の窓から白いドレスの女の人が……」
 見上げる淳紅だが『見えても不思議ではない』のに、見えはしなかった。
「あー……大丈夫や。自分が見えてないんなら、そこには間違いなくおらんから。
 ――さ、ちょっと散歩してくるわ」
 淳紅と入れ替わりに走ってやってくるゲルダに、不安を覚えた理子。しかもバケツも持っていてとてもとても、怪しい。
「転んじゃいました!」
 やはり――と思った矢先、智美が理子の手を引き抱き寄せバケツの水を回避させる。
 ゲルダの方には静流が手を添え、抱きかかえていた。
「大丈夫か」
「は、はい……」
 ぽっとゲルダは頬を赤らめ、モジモジとするのであった。



 神妙な顔で導火線とにらめっこを続けるレイ。
「えぇと、この導火線に火を付けて……短いな導火線?」
「(物理的に)人肌脱がす! 襟首もらったぁ!」
 笛の甲高い音に混じって、多数のロケット花火が飛来してレイに襲い掛かる。
「なんかいっぱい飛んできてるし」
 ちょっと横に避けると「袖口いけぇぇ!」と、ファラが続けてレイを狙う。
 思わぬ方向に飛ぶが、それでも袖口も襟首もそう入るものではない。
「戦いの攻撃に比べれば、ずいぶんあれだよね……」
「ちえー。そこはお約束としてあるべきだと思うのよ、あたし」
 つまらなそうに言いながら、手を休めないファラ。
 一方的に攻め続けるファラを見つつ、すっかり対抗心が冷めたラウールは傍観していた。
「まぁ、閃光花火綺麗だからいいか」
 何か間違いがあるのだが、ラウールは気づいていない。それよりも、すでに温泉に浸かってこっちを楽しげに観戦している、慎吾の方に気付いた。
 さっさと入ろうと脱ぎだす(もちろん慎吾共々水着は着用済み)ラウールの後ろで、レイがかわし損ねてぺちっと直撃を食らう。
「なんだろう……痛くないけどイタイというか……ぐぬぬ」
 花火を床に置き、再度着火を試みる――と見事に付いた。それも導火線の火花で、連鎖的に全部。
 それがこともあろうに、背を向けているラウールに向かって飛んでいった。
「わぁ」
 ちょうど脱いだところで背中に当たり、膝をつくラウール。
「……ご……ごめん?」
「あーあ……なにやってんだよおまえら……」
 呆れる慎吾の目の前で、肩を震わせるラウールが転がっていたロケット花火をむんずとまとめて掴み取る。
「って、それ俺のやつじゃないか!!」
「レイ、てめぇええ!」
「ってうわちょっと待って、わざとじゃなかったから!」
 火を付け鬼の形相で迫ってくるラウールから、レイは逃げ惑う。だしれっとした顔でファラが足をひっかけ転ばせると、レイの上にラウールは馬乗りになる(この時、ファラの目が怪しく輝いていた)。
「くたばっとけぇええ!」
「あーあ、やりかえしやがった…」

「ちっ……透過でかわすとか、ずりぃ」
 ラウールがブツブツ文句を垂れていたが、4人はゆっくりと温泉に浸かっていた。
「まあ落ち着け。そういえばあっちの奥に、もっと大きい浴槽スペースがあるそうだな」
「それは行かざるを得ませんなー!」
 止める間もなく、ざぶざぶと駆け出すファラ。ほっておくわけにはいかないと、3人もそれを追いかける。
「いっちばーん!」
「お出迎えだー! ひゃっほう!」
「お出迎えは、大事」
 クスクス笑う麻夜とヒビキがファラへ向け、発射した。
 完璧に意表を突かれたファラが「にょほぉお!」と悲鳴を上げると、ラウールが駆け寄ってくる。
「いらっしゃいだ、食らっていきな!」
 横からくるディザイアの不意打ちに反応し、ファラの頭を床に叩きつけるように伏せさせラウールも伏せてやり過ごす。むしろ花火を食らうより痛い思いをするファラ。
「ラウ?!」
 レイと慎吾も駆け寄ると、遊夜がケラケラと笑って狙いを定めた。
「歓迎するぜ、盛大にな」
 発射――それはトラップを起動させる引き金となる。
「トラップ発動ー!」
 麻夜の歓声に合わせ、ロケット花火のトラップが発動。第1陣をかわせば第2陣が発動し、そこからはもう止まる事無く第3陣、第4陣とどんどん連鎖的にトラップが発動していく。
 猛攻に負けファラを引きずりながら撤退する4人であった。
「酷い目にあったねぇ」
「あ」
 レイがどうしたのかと慎吾を見ると、がっくりとうなだれていた。
「……フルーツ牛乳、落とした……」

「ドロップゲットだね」
 クスクスと、麻夜がフルーツ牛乳を拾い上げる。
「ん、あとはゆっくりしよう」
 おやつを手に、遊夜へ寄り添いつつ黙々と食べ続けるヒビキ。それを見習ってか、ディザイアも周囲の騒ぎをBGMに、飲むのを再開する。
 のんびりした空気に、遊夜は長く息を吐き出しながら天を見上げた。
「こうして楽園は守られ、幸せに過ごしましたとさ――となればええの」



「こういうの好きなんですか?」
 パルプンティがアイス片手に、誰もいない空間へ向けて話しかけているのを目撃した修平。
 その肩が叩かれ、驚いて振り向くと淳紅がいた。
「なんや、驚いた顔して――ああ」
 淳紅も気づいたのか、頷いていた。ただ修平と違って、パルプンティ以外の姿も見えている。
(会いたい人には会われへんのになぁ)
「ここに! 気配を感じるぞぉぉぉ! どうやったら、成仏してもらえますかぁぁぁ!」
 としおが声を張り上げると、パルプンティがコクコクと頷き、としおと向かい合う。
「身体に花火巻きつけて、空へ飛んでくれたら成仏するそうですよーぅ」
「ははは、それで成仏してもらえるならお安い御用さ!」
 全力で駆け出すとしお――ただ、パルプンティは舌を出して「悪魔の言葉ですけどね」と、呟く。
 それを聞いた修平が瞬時に悟り、止めに行こうと踵を返したところで誰かとぶつかり転んでしまった。幸い、顔は柔らかい何かで守られる。
「――すまない、修平。それほど大きくなくて」
 その声にがばっと起き上がると、アルジェを押し倒すような状況である。
「修ちゃん、大胆やなー」
「修君、サイテーだね」
「修平、もっと暗いトコ行けよ」
 淳紅だけでなく、いつの間にかいた海と騎士からも散々言われる修平であった。




「見ててください、僕の生き様を!」
 身体中に巻きつけたロケット花火に点火し、としおは屋上から空を飛び、それはまるで地上から天へ昇る流れ星の如き姿であった。
 飛べるわけはないが、ずいぶん遠くまで跳び、そろそろ破裂するというタイミングでとしおの耳にはっきりと「ありがとう、おもしろかったよ」と声が聞こえた。
 そして――としおは幽霊と共に破裂して、散った。






 静かになった廃墟を見上げ、智美。
「そろそろ片付けるとしますか」
「そうだな。静かになったし――矢代君もどうだ。掃除して、それから足湯くらいでも一緒しないか」
 だいぶ打ち解けたのと、頼りになる2人が一緒という事もあり、理子は最初の恐怖心などどこ吹く風で、嬉しそうに頷くのだった。
 ――たった今、2階の窓に見えた白いドレスの女性も、気のせいだと自分に言い聞かせて。






(怯える様は実に愉快でしたわ)
 2階の客室で白いドレスを脱ぎ、制服に着替え直すレティシアは満足げな顔をして、その場を去るのであった――


湯煙廃屋ロケット花火抗争  終
※良い子も悪い子もみんな、花火は人に向けたらだめだよ!


依頼結果

依頼成功度:大成功
MVP: −
重体: −
面白かった!:11人

伝説の撃退士・
雪室 チルル(ja0220)

大学部1年4組 女 ルインズブレイド
撃退士・
天風 静流(ja0373)

卒業 女 阿修羅
ヨーヨー美少女(♂)・
犬乃 さんぽ(ja1272)

大学部4年5組 男 鬼道忍軍
夜闇の眷属・
麻生 遊夜(ja1838)

大学部6年5組 男 インフィルトレイター
歴戦の戦姫・
不破 雫(ja1894)

中等部2年1組 女 阿修羅
歌謡い・
亀山 淳紅(ja2261)

卒業 男 ダアト
ラーメン王・
佐藤 としお(ja2489)

卒業 男 インフィルトレイター
凛刃の戦巫女・
礼野 智美(ja3600)

大学部2年7組 女 阿修羅
撃退士・
夏木 夕乃(ja9092)

大学部1年277組 女 ダアト
群馬の旗を蒼天に掲げ・
雁久良 霧依(jb0827)

卒業 女 アストラルヴァンガード
夜闇の眷属・
来崎 麻夜(jb0905)

大学部2年42組 女 ナイトウォーカー
穏やかなる<時>を共に・
早見 慎吾(jb1186)

大学部3年26組 男 アストラルヴァンガード
不思議な撃退士・
パルプンティ(jb2761)

大学部3年275組 女 ナイトウォーカー
闇夜を照らせし清福の黒翼・
レイ・フェリウス(jb3036)

大学部5年206組 男 ナイトウォーカー
おまえだけは絶対許さない・
ファラ・エルフィリア(jb3154)

大学部4年284組 女 陰陽師
俺達の戦いはここからだ!・
ラウール・ペンドルミン(jb3166)

大学部5年70組 男 陰陽師
その愛は確かなもの・
アルジェ(jb3603)

高等部2年1組 女 ルインズブレイド
RockなツンデレDevil・
江戸川 騎士(jb5439)

大学部5年2組 男 ナイトウォーカー
優しき強さを抱く・
ユウ(jb5639)

大学部5年7組 女 阿修羅
護黒連翼・
ディザイア・シーカー(jb5989)

卒業 男 アカシックレコーダー:タイプA
モーレツ大旋風・
御供 瞳(jb6018)

高等部3年25組 女 アカシックレコーダー:タイプA
釣りガール☆椿・
桃香 椿(jb6036)

大学部6年139組 女 アカシックレコーダー:タイプB
刹那を永遠に――・
レティシア・シャンテヒルト(jb6767)

高等部1年14組 女 アストラルヴァンガード
マインスロワー・
ゲルダ グリューニング(jb7318)

中等部3年2組 女 バハムートテイマー
夜闇の眷属・
ヒビキ・ユーヤ(jb9420)

高等部1年30組 女 阿修羅