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マスター:楠原 日野
シナリオ形態:イベント
難易度:易しい
形態:
参加人数:25人
サポート:2人
リプレイ完成日時:2014/02/23


みんなの思い出



オープニング

●しいクラブ部室
 今日もコタツで突っ伏している黒松理恵。そのうなじにはアメショもどきのすずが、びろーんと伸びて寝ていた。
 ここ最近というか、数ヶ月単位で想い人・中本光平に会えていないので、やや腐っていた。
 誰かが戸を開けた。きっと友人だろうと思って、顔も向けずに愚痴を漏らす。
「依頼依頼って、ずいぶんと熱心すぎると思うんだけどなー……」
「熱心ってわけじゃないんだけどな」
 がばっと起きあがると、うなじにいたすずはなす術なく、転がり落ちていく。
 そして戸口に視線を向けると、久しぶりに見る顔――やつれてはいないが、どことなく憔悴しているようにも見える。
 だがそんな細かいことはどうでもいいと、顔をほころばせた。
「おっかえり! コー平!」
「おー……」
 理恵のテンションとは裏腹に、やはりどことなく覇気がない。コタツの上で再び伸びて寝ているすずの腹をなでながら、光平は切り出した。
「なあ、黒松。次の土日って暇か?」
「暇? すず達の面倒見るくらいだけど、それ以外特に用事はないよ」
「じゃあ悪いけど、何人か誘って一緒に俺の地元の温泉付き民宿のモニターに参加してくれないか?」
 先ほどまでのゾンビぶりが嘘のように、目を輝かせる。
「地元の津崎さんってとこが、温泉の拡大と、ついでに敷地内で民宿もやるみたいでな。それのモニター参加者を探してくれないかとか、頼まれたんだよ」
「なるほどなるほど、了解! まっかせて!」
(すず達の面倒は、行かない友人達に任せておこっと!)


●教室にて絶叫
「温泉? 女の子も行くのか、それ」
「行くよ。今んとこ黒松とかが決定してる」
 教室でも同じような誘いを、悪友・杉田亮に話していた。
 そして女の子が行くと聞けば、すぐに二つ返事で行くと答える。そういう男だった。
「ところで、そこの露天風呂って間仕切り、もろい?」
「あー……昔のやつそのまんまなら、たまに倒しちゃう人がいるくらいにはちょっともろいけど――なに考えてるんだ?」
「なにって、うっかり仕切を倒しちゃってキャー! な展開をだな」
 光平の冷たい視線が亮に降り注ぐ。
 その視線が痛いのか、半泣きで机をバンバン叩く。
「いいじゃんか! 男に生まれたからには、俺だってラキスケしたい!」
 教室にいた生徒が何事かと亮に注目し、男子の中には拍手をする者もいた。むろん、冷たい視線を投げかける女子もいる。
「お前だって見てみたいなって思う人の1人や2人、いるだろ!?」
 問われ、ある年上の女性を思い浮かべたが、頭を振った。
「とりあえず友人として、聞かなかったことにしてやる。だから俺は協力しないし、巻き込むなよ」
「合点承知!我が妹にも指令をくだそう!」
 やんやと騒いでいる亮に冷たい視線を投げかけていた女子の1人、若林雅が携帯を取り出す。
(理恵には黙っておこう。コー平に見られちゃって関係を深めるんだ、とか言い出しそうだからな――とにかく、そんなことはさせないという同志を募るとするか……)


●その地元
 津崎海が座っている矢代理子の前で、嬉々として話していた。
「という事で完成したから、学生さんモニター募集なんだって! ちゃんとバイト代も出るとか」
「へぇ、完成したんだね。ずいぶん広くなったの?」
「そりゃあもう。なんだか男湯20人、女湯20人、男の娘湯20人は一度に入れるらしいよ!」
 最後のオトコノコに首を傾げる理子だが、すぐ横で聞いていた中本修平は撃退士に結構いるよななどと思っていた。
「というわけで、りっちゃん。来なさい」
 こくりと力強く頷く海に、理子は笑顔でうんと答える。
 そこで修平のメールに連絡が来た。
「珍しい、兄ちゃんからだ――うーん……」
 亮の絶叫についての説明に、唸ってしまう。だが今から楽しみにしている2人に、止めておけとは言いづらい。
 同じくして吾亦紅澄音の携帯にも連絡が入ったのか、澄音は読むなり何かの命を受け取ったかのように敬礼していた。
 もうこの時点で、修平は色々言うのを止める事にした。
「とりあえず2人とも、気をつけてね。僕は行くけど関与しないスタイルだから」
 言ってる意味が解らないと、2人して顔を見合わせ首をひねる。
 説明しようかとも思ったが――やめた。犠牲になってほしいわけでもないが、こういう事を教えるのもなんか嫌だったのだ。
(誰かがどうにかしてくれる、そこに期待しよう――ああ、先生も呼んでおこう。多分動いてはくれるだろう……)
 そんな事を考えつつ、修平はなぜかぶるりと身を震わせるのであった――


リプレイ本文

 朝早くから逐一とっていたメモからせっせと報告書を作成している、マリエ・サイノス(jb8491)。
 人から聞いた話とインタビューも添えていた。
 撃退士REの証言。
『入った瞬間から奇妙な空気は感じていましたね…いつも身近に似た気配がいるから、てっきりそれだとばかり思ってましたが……共振って怖いですね』
 撃退士RAの証言。
『ええ……参加者を見た時からこうなる予感はしていました 。確定調和――というやつですかね……』
 撃退士ERの証言
『あれは何かのイベントではなかったのかね……事故? 私には確約された未来のように見えたが……な』
 撃退士EMの証言
『僕は温泉に浸かりに来ただけだったんだ……なのになんであんなことになったのか……』
 撃退士Jの証言
『その姿を見た時、身体は考えるよりも早く動き出していた――』
 撃退士Fの証言。
『……おやっさん……出来心だったんです――だって男の娘の入浴シーンなんてなかなか見れn(ry』
 撃退士RIの証言。
『ヒリュウって可愛いし、便利だよねぇ? いろんな意味で』
 書いているうちに「なるほど、なるべくしてなったのですわね」と納得して、昨夜の事を思いだす――


 ラキスケを叫ぶ亮を尻目に、郷田 英雄(ja0378)は肩をすくめる。
「わかってないな。覗きはばれないようにするからこそ、価値があるんだ。なァ?」
 同意を求められた藤村 将(jb5690)がイヤホンを外し、「ああん?」と怪訝な顔をする。
「いやなんでも――将よゥ、今度の休みん時、温泉行かねーか」
「男2人で温泉って、やっぱソッチなわけ? 勘弁してくれよ」
 げんなりとした表情で、額に手を当てた将。
 その手を不意に掌で押し込まれ、首が後ろへガクンと曲がった。不意打ちに首を押さえ、呻く。
「馬鹿言うな。今モニター募集の仕事があったから、誘っただけだ」
「ならそう言ってくれよ……」
 椅子の上でうなだれ、首を押さえていた。だから気付かなかった。
 英雄の口元に、邪な笑みが浮かんでいた事に――

 ラグナ・グラウシード(ja3538)が鼻息を荒くして、憤る。
「なんと……不埒ものは見過ごせぬな、なあ若杉殿!」
「うむ。その通りだ、ラグナさん!」
 若杉 英斗(ja4230)とがっちり腕を交差し、非モテ騎士の出番だった。

「おー、津崎さんトコの温泉か。連戦で疲れも溜まっているし、ここらで一丁心身を休めるか」
「よく行くところやのにな」
 亀山 淳紅(ja2261)の言葉に、君田 夢野(ja0561)が苦笑して頷く。
「一緒に行かへん?」
 隣にいたRehni Nam(ja5283)へ笑いかけると、こっくりと頷く。
「温泉か……最近戦闘ばかりだし、命の洗濯だ」
 そしてちろりと、淳紅の顔を盗み見る。
(一緒には入れないけれど、ジュンちゃんとこの旅行を楽しめれば良いな)

「良い依頼が取れたぜ♪」
 鼻歌混じりに部屋へ荷物を置く、上機嫌な雪ノ下・正太郎(ja0343)。
(今日はしっかり売り込んでいかないとな……!)
「ま、その前に風呂だ温泉だ! 行くぜ、みんな!」
 脱衣所の入り口前で、色々な人が待ち合わせや何だとたむろっている。
 そんな中、若林雅が女湯の前でRehniの腕をつかんでいた。
「こちらは女湯ですが」
 それは分かっているという顔のRehniはキョトンとし、ふと思い立ってから頬をポリポリと。
「僕、男装女子なんだけれど……」
「……そうなのか? どうにも久遠ヶ原は、男性か女性かわからないのばかりでな」
「それはよくわかるね」
 苦笑するRehniに淳紅もうんうんと頷いていると、廊下の向こうから東城 夜刀彦(ja6047)が駆け寄ってきた。
「淳ちゃんだー。こんばんはー」
「ヤトくんか。先入っとんで」
 誤解の解けたRehniと淳紅の2人がそれぞれの暖簾をくぐり、そしてふいっと夜刀彦が男湯に入ろうとしたところで、レイ・フェリウス(jb3036)がその肩を掴む。
「東城さん。すまないがそちらを利用してくれないか?」
「え? 俺、男の娘風呂? 男風呂で……」
 ファラ・エルフィリア(jb3154)が目を輝かせ、鼻息を荒くしてなにやら「男の娘! 裸体!」と隠しきれない本心を口にし、凄まじいテンションである。
「お願いします……!」
「そうしとけ、ヤト」
 ラウール・ペンドルミン(jb3166)が援護に「あ、はい」と素直に夜刀彦は男の娘湯へと入っていった。
 温泉にさえ入れるなら、ワリとどうでもいいようである。
 ほっとしたレイ達の前を悠々と横切り、女湯の暖簾に手をかけるエルミナ・ヴィオーネ(jb6174)が振り返り、エミリオ・ヴィオーネ(jb6195)に手を振った。
「それではな、エミリオ」
「ああ」
 手を振り返し、ごく自然に夜刀彦の後を追って男の娘湯へと入っていく。どうやら同属性らしい。
 知った顔がいた事に何となく安堵したエミリオ――だがすぐに悪寒が。
 ――女湯から1匹のヒリュウが出てくると、男湯の暖簾をくぐるのであった。

「やあ、修平君。来ていたんだな」
「あ、こんばんは君田さん」
 男湯の脱衣場では夢野が中本修平(jz0217)に声をかけ、いつもとは違った、ごく平凡な世間話をしながら浴場へと向かった。
 ヒヨコのおもちゃ片手に駆け出す森田良助(ja9460)がいて、「温泉は良きものじゃな」と腰にタオルも巻かず堂々としているハッド(jb3000)、特に目立たぬ米田 一機(jb7387)にごく普通に温泉を満喫する気の清純 ひかる(jb8844)と、一見すると平和そうな脱衣所。
 だがここに1匹のヒリュウが入ってきた途端、妙な空気が流れる。
「どうしたんです、ラウ」
 上を脱いだところでレイが、阻霊符を発動させているラウに首を傾げた。
「まぁなんだ……湯の下から覗かれるとかゾッとしないから念の為にな」
 その直後、ぞわっと背中の産毛が逆立つ。
 振り返るが、怪しい影はない。ただヒリュウが飛んでいるのと、微笑みっぱなしの産砂 女々子(ja3059)が壁際にいるだけだ。
「というかすでに覗かれてる気がするんだが、なんでだ…?」
「……妙な空気は感じますね」
 レイとヒリュウの視線がばっちり合うと、ヒリュウはさっさと出て行ってしまう。
 そして誰もいなくなった脱衣場に、ひょっこりと顔を出す少女の姿が。水城 秋桜(ja7979)である。
「乙女を極めるには、コレじゃねっ!」
 侵入した彼女は小声で呟くと『彼』へと変化した。
「きっと温泉では好みの女の子トークが飛び交うはず……それを聞けばうちも乙女になれる!」
 少なくとも、男湯へ侵入する女の子が好みという人間は稀だとは思われる。
 男へと成り済ました秋桜は服をしっかり籠に入れて、棚に置いた。半分ほどはみ出しているが。
 そして魔窟へと向かうのであった――

 男の娘湯へとやってきたヒリュウはじっと夜刀彦とエミリオを見続ける。
「おんせー……あれなんか寒気する」
「奇遇だな。僕もだ」
 2人して身震いしながらも、ヒリュウを残して浴場へと向かった。

「ヒリュウって便利だよね。視覚共有とかできるし」
 ふんすと鼻息を荒くするリーア・ヴァトレン(jb0783)が同意を求めたが、すでに狼の目をしたファラの耳には届いていなかった。
 波乱の予感しかしないような気配だが、そんなものとは無縁そうな者もちゃんといた。
 その1人が、温泉のマナー本を再度確認しているマリエである。
「温泉とか初めてなので、楽しみですわ」
 本を閉じ、ウキウキと浴場へと向かって行った。
 他で言えば春名 璃世(ja8279)と御崎 緋音(ja2643)も、ごく普通に温泉を楽しみにしている様子である。なによりも、2人で一緒にというのが嬉しいらしい。
「今日はゆっくりしようね」
「そうだね、璃世」
 そんな2人の前を横切って先に浴場へと入っていった、津崎海(jz0210)と矢代理子であった。
 そしてブツブツと独り言を呟きながら脱衣所へとやってくるアンジェラ・アップルトン(ja9940)。
「温泉饅頭、美味しかったですわ。やはり和菓子は良いものですわね……今度MAPLEで餡子を使った和風パフェを出してみましょう」
 温泉のモニターのはずが、気づけば自分達の喫茶店の事を考えている。そこは仕方ないのかもしれなかった。

 入口で「お、男の裸っ!?」と、華奢な男がしばしの間立ち往生し、そそくさと端っこの方に行っては両手で顔を覆ってしゃがみこんでいた。
 そしてすでに首謀者が動き始めている。
 マナーもへったくれもない杉田亮が1人で間仕切りを倒そうと、もだもだっとしていた。拍手は貰えたのに、誰1人として表立って協力する者がおらず、孤軍奮闘中である。
 ヒヨコを浮かべて楽しんでいた良助が、湯船から立ち上がり腰にタオルを巻いて詰め寄った。
「ダメですよ! そんなあからさまな偶然を装った覗きなんて!」
 しかし。
 誰が置いたのか石鹸を踏んだ良助は勢いよく転がると、細竹で編んだ間仕切りを突き破って女湯へ転がり込んでいった。
 そして顔が柔らかな物にぶつかって、やっと静止。
「あいたたた……」
 顔を離し、擦りむいた額に手を添えた時、はたとすぐ目の前の黒松理恵(jz0209)に気が付いた。
 湯船の淵でしゃがみタオルを胸の前から垂れ下げているのだが、今、良助の顔の前はちょうどその胸の位置である。
 つまりはそういうことだ。
 虚をつかれた理恵も最初は目を丸くしていたが、次第に状況を把握すると拳を握りしめ、全身を震わせる。
「あ、いや、あの僕はですね、その、覗きを止めようと、本当にその――」
「逝ってこい!」
 良助の頬が歪み、頭蓋が割れんばかりの拳で一直線に空を飛ぶ。
 そしてぐっと、武器を取り出しているアンジェラに指を立てる。
「星空の中で夢を見ているがいい!」
 星屑の輝きが溢れだす両刃の剣から流星が駆け出し、良助をさらなる高みへと押し上げていった。
「うわぁぁぁあん!!」
 高々と舞い上がった良助は頭から、薄氷の張っている川へ突き刺さる。
 腰タオルが重力に負け、ペロンと下がるのだが幸いというべきか、湯船からは尻が見えるだけでギリギリセーフ。
「これが露天の温泉というものですか。綺麗な空を眺めつつというのもいいですわね」
 マリエの呟きには、温泉が初めてでなくともRehniや緋音、璃世などが頷いていた。
 エルミナが間仕切り相手に、不思議そうな顔をする。
「仕切りか……無粋なものだな」
 間仕切りに手を添えていると背後から得体の知れない気配を感じ取り、嵐が来るなと直感した――が、今はどうでもいい事であると湯船へ身を沈めるのであった。
 一見平和を取り戻したように見える女湯だが、狼が良助の開けた穴に興味津々というか、飛びこむ勢いでダイブ――が、寸前のところで大きな岩が置かれる。
 しこたま鼻を打ち付けたファラが「なぜぇっ」と怨嗟の声を吐き出す。
「お前の行動なんてわかってんだよ! ったく……」
 悪態をついた瞬間、背筋にぞわっとした感触。油断なく周囲を見回すのだが、特に怪しい気配はしない。
 ただ上空にヒリュウが飛んでいるのと、男湯を見渡せるように川を背にして、湯船の淵に腰掛けている女々子が目に付いた位である。
(まさか敵は他にもいるというのか……?)
「今日は温泉旅行のはずだよな」
「そうだね」
 げいじゅつをめでるこころをわきたたせる、なんて呪文が女湯から聞こえてくる。
 頭を振るラウール。
「ああ、分かっている」
 間仕切りの上に、にゅっと手が出たと思うとファラが顔を覗かせ、一気に乗り越えようとしてきた。
「透過して通り抜けてくると思ったかー! 阻霊符で対応される事は織り込み済みだ!」
「メンバー見た時から未来は占うまでもねぇんだよ!」
 ラウールの手から放たれた無数の妖蝶がファラへ纏わりつき、虚をつかれたファラは手を滑らせ大きな水飛沫をあげる。
 その水飛沫の音に、よそ見していたレイはハッとして顔を向けたのだが、何の変化もない事に不思議そうな顔をする。
「……生きてりゃ……いいことあるさ」
 菩薩顔で肩にポンと手を置いた次の瞬間、ラウールの目つきが鋭くなり、間仕切りへと向けられた。
「すでに正気を無くしたあたしに、もーろーなんて効くか―!」
 躊躇する事無く乗り越えると、今度はしっかり男湯へと足をつける。
「ここで会ったが六分目……にーちゃ達を倒して男の娘を愛でに行く!」
「上等じゃねーか!」
 ラウールの髪が伸びてファラを襲う!
 しかしその幻影を見破ったファラは3倍の回避力(当社比)でかわすと、お返しと言わんばかりに同じく髪芝居でラウールを束縛してみせた。 そして動けなくなったラウールの横を、走り抜ける。
「見たか、にーちゃ! 欲に目がくらんだあたしはさいきょーなの――だぁ……」
 突如ファラの身体に冷気が纏わりつくと凍りつき、地べたへと頭からスライディング。
 横たわり、怪しげな笑い声をもらしながら深い眠りについていた。
「多分死なないよね」
 不安げなレイの手には、うっすらと冷気が漂っていた。
 束縛が解け、起き上がったラウールは無言のままファラを担ぎ上げると――崖下へ放り投げる。
 眠ったまま良助の横に落ちたファラ。薄氷を割り、冷たい川の中へと落ちる。そのついでに良助の周辺の氷も割れ、2人は冷たいどころか凍てつく川の激流に飲み込まれ、流されていくのであった。
「死なないはずだけどさ……」
「あんくらいでいいんだよ」
 災厄は去ったと、安堵の表情を浮かべたラウールが湯船へと身を沈める。
 ハッドが間仕切りにぶらさがりもだもだしている亮に気付いて、声をかけた。
「何をしておるのじゃ?」
「ラキスケを、狙っているのさ!」
 熱く語る亮だが、ハッドは何を言ってるのかわからないという顔で首をかくんと曲げる。
「ラキスケとはなんじゃ?」
「それは――」
「そこまでだ、怪しい奴め! 逃がさんぞ!」
 湯船をかき分けるラグナがわざわざ翼を広げ、意味もなく飛翔する。
 飛翔した彼の眼下に広がる、禁断の桃源郷。気付いていないのか、誰も騒ぎ立てない。
 だが残念(?)な事にほとんどが湯船に浸かっており、その肩しか見えていない――が、さすが非モテ騎士。肩だけでも、鼻の奥からツンと来るものがあった。
 そんな彼に気付いたのか「ラグナ様……!」と、やや熱のこもった目をしたアンジェラが思わず立ち上がっていた。
(立派になったな……!)
 昔はそうでもなかったが、今は前タオルで隠されていてもわかるほど見るも見事なボディラインに目頭が――いや、鼻の奥が熱くなったラグナ。
 鼻の下をぐっと手の甲で拭うと、紅く染まる。
 血を出したラグナを心配したアンジェラが一歩前に出ると、タオルがはらり。その瞬間、噴水の如く鼻から血を吹き出したラグナが空中でのけ反り、湯船の中へと落ちていった。
 ラグナが飛翔した時から、英斗は眼鏡のブリッジに指を添え、亮を嘲笑っていた。
「ふっ…ラキスケなどと…愚かな。
 見えないからこそ、見たい。見えてしまったら、そこでロマンは終わりなのだよ」
 きらりと曇った眼鏡が光った。むしろ本人の目がすでに曇っているかもしれないが、そこはわからない。
「見たい。でも見ちゃダメ――そんな矛盾を解決する方法を、俺はすでに編み出している」
 英斗の後ろで空から落ちてきたラグナが、派手な水飛沫をあげる。
 それでも構わず、ばっと両腕を広げた。
「そう! この俺の究極の妄想力で、おんなのこの●●な姿を具現化させるのだ! これならば、見たけど見てない!」
 きりっと男らしい表情の英斗だが、やはり曇っているのは眼鏡だけではなさそうだ。
「たとえばだ……秋桜さんとか!」
 具体的な名前をあげると、隅っこで顔を覆っていた見知らぬ男性が「うち……?」とちろっとだけ英斗を見たが、すぐに顔を赤くして顔を覆い直す。
「春名さん! あられもない!! そんな姿が――」
 こめかみに手を添え目を閉じた英斗――カッ! と目を見開いた。
「見える……俺には! 見える!!」
 その瞬間、盛大に鼻血を吹きだし後ろへとのけ反る。水飛沫をあげ、湯船に浮かんだ英斗はのろのろと求めるように手を掲げる。
「ラグナさん……輸血……輸血の準備を……」
 こつんと頭に誰かの頭が当たり、掲げた手は力なく湯船へと。
 こうして非モテ騎士団は2人そろって、鼻血を出したまま湯船を漂うのであった。
 2人の鼻血で真紅に染まりそうな勢いだが、そこはさすがかけ流しの湯。どんどんどんどん、血が流されていく。
「ふむ。ようわからんが、ラキスケとは命懸けのようじゃのう」
「何か色々騒いでるな――お、亀山さん」
「ゆめ――」
 夢野へと手をあげたその一瞬、視界の隅に目を爛々と輝かせている女々子を捉え、即座に逃げ出す。
 狙いを淳紅に定め、過充電された女々子が淳紅を追いかける。
「このままやと、あかん……!」
 腰にタオルを巻き、何を思ったか女湯ではなく、男の娘湯との間仕切りへダアトの意地をかけた蹴りを入れた――その刹那、爆風に包まれる淳紅。
 蹴りと爆圧に負けた間仕切りは派手に倒れ、何事と目を見開いた女の子――ではなく、男の娘・夜刀彦が、口をあんぐりと開けていた。
 この騒ぎに乗じて亮がもはやラキスケを諦め、ただの覗きを敢行する。が、ばっちりとエルミナと目があい、その次の瞬間、伸びる髪の幻惑に束縛され、氷の鞭で叩かれた。
「覗いていいのは、覗かれていい者だけだ」
 粛々と制裁が行われている間にも、女々子の暴走が加速する。
「なんなんだいったい……騒がしい」
 エミリオが問答無用で女々子を髪芝居で縛り上げようとするが、ケダモノの行進はそれでは止まらない。
「どうしたの、ジュンちゃ――って、メメコさん何事ーっ!? めめめめめこさん、おちついて?」
 めが多い。
「何か、目の色が違ってるよ? 身体冷えちゃいますから、ゆっくり湯船に浸かりましょうよ」
 このままでは危ないと、下がりながら湯船から出る夜刀彦。裸だとなんだかヤバい気配を感じ取り、水滴をあたかも服のように見せかける。
 一方、平和な女湯ではRehniが徐々にその輝きを増やしていく、星空を見上げていた。
(ジュンちゃんも同じ星を見ているのかな……)
 そんなジュンちゃん、逃げながらも夜刀彦を追いかける。差し出す気配がプンプン漂っていた。
 そんな2人に舌を出して唇を湿らせた女々子が手をワキワキさせ、どんどん詰め寄ってくる。
「気温なんて関係ないわァ! 一緒に熱く燃えあがりましょォォォ!!」
「あかんわ!」
 華麗なステップで距離を取った淳紅が手を伸ばすと、女々子の足元から無数の死霊の手が溢れ出てくるが、掴まれようが問答無用で止まらない。
 女々子が止まらないと判断し夜刀彦へと手を伸ばすと、死霊の手が夜刀彦に絡みつく。半泣き男の娘が死霊の手に束縛され、衣装が崩れ去っていく姿は妙にエロス。
「ジュンちゃぁぁぁん!?」
 正面から手を下に構えた女々子(狙いはケツだ!)ががっぷりと、捕らわれのハムスターを抱きすくめ――たと思ったが、スクールジャケットに変化していた。
「逃がさないわよぅぅぅぅ!」
 スクールジャケットを噛みちぎり女々子は後ろを振り返り、怪しげな笑みを浮かべながら濡れた手拭いを振るう。
 またもスクールジャケットが犠牲となったが、夜刀彦は慌てる。
「2つしかない……!」
 しかも目がくらくらとして、世界が不思議な景色に包まれていた。最大のピンチ。
 だが女々子は方向を変え、狙いが夜刀彦だと油断していた淳紅が襲われた。
 しかしそこはさすが熟練撃退士。瞬間移動で女々子の背後を取ると、再び魔力を最大まで込めた蹴りを放とうとする。
 燃えあがっていてもクレバーな女々子は頭の手ぬぐいから石鹸を取出し後ろへ滑らせると、全力で踏み込んだ淳紅が華麗に宙を舞い、湯船の淵に脇腹を打ち付け(だいぶ痛い)沈んでいった――が、すぐに立ち上がった淳紅の顔の前で、女々子は腰を横に振るった。
 べチンと、妙に硬いモノで頬を叩かれる。
「今、何ではたいたん!?」
「何はナニよぅ」
 かつてない衝撃と心の傷を負った淳紅が、泣きながら脱衣場へと駆け出したのであった。
 獲物を1人逃してしまった女々子は再び夜刀彦に目をつけ、襲い掛かろうとした。
 その身体に冷気が纏わりつき、凍りつかせると深い眠りへと誘うが暑苦しい情熱で眠気を吹き飛ばす。手をかざしていたレイが驚愕していたが、足が止まったその隙を夜刀彦も見逃さなかった。
 広げた手で地面を叩くと畳がせり上がり、女々子を弾き飛ばした。
「ロマンの前に寛ぎを求めたらどうだ……」
 いい加減うんざりとした顔のエミリオが飛んできた女々子の背中を雷で構成された剣で斬り捨てると、バチバチと帯電して湯船へと落ちていく。
「やった……!」
「止まるわけ、無いじゃない! この情熱!!」
 高々と水柱を巻き上げ女々子だが雄叫びをあげる。帯電をも吹き飛ばし、全く効いていない様子を見せる。
「死活ぅぅぅぅ!?」
 もはや打つ手なしと思ったその時、女々子の足に何かが当たる。
 それは鼻血がヤバい勢いのラグナと英斗。
 それを見た女々子は「あらあら、のぼせちゃったのね」と2人を担ぎ上げると、戦利品を部屋に連れ込むのだろう。南無。
 やっと静かになった男の娘湯――のぼせてしまいそうなのでレイや夜刀彦は湯船を後にした。
 ラウールはというと、ヒリュウの飼い主が誰なのかやっと思い当ったらしく、魔法書片手に追い回していた――が、女湯へ逃げ込まれてしまってはもう手の出しようがないと諦め、こちらも撤収を始めた。
 一足お先に女湯から出てきたリーアがヒリュウを肩に乗せ腰に手を当て、フルーツ牛乳を一気飲みし「く〜っこの一杯のために生きてるぅー!」と色々堪能してご満悦のようであった。その横で正太郎も、同じポーズでコーヒー牛乳を。
 腰に手を当てるのは、世界共通らしかった。

 修平が先にあがってしまい夢野がうとうとし始めた頃、英雄がいよいよ動き出した。
「受動的なラキスケなど、愚の骨頂。数多の銭湯を出禁となった俺に死角など、ない。ついてこい」
「隙有り! 俺に背中を向けるなんて愚の骨頂だぜー!」
 間仕切りに張り付いていた英雄を、軽い気持ちで将は蹴り飛ばす。ミシミシと音を立てる間仕切り――英雄ごとゆっくり倒れていく。
「……やっべー」
 連なった間仕切りは英雄の部分を中心に、次々と連鎖して倒れていった。倒れた英雄へ手を伸ばそうと女湯側に足を踏み入れた時、倒れ行く間仕切りの下に璃世が。
 気付いた時には庇おうと身体は動き、思い余って押し倒す形になってしまった。
「大丈夫か?」
「将くん、郷田先輩とはしゃいでて柵を壊しちゃったの? あ……怪我してるよ。痛くない?」
 こんな状況でも璃世はのほほんと、将の頬に触れ心配する。冷静に今の状況を把握してきた将が、璃世を真っ直ぐに見る事が出来ず目が泳ぐ。
「違う、そうじゃない。春名さんをマウントにして、関節技を極めるわけないじゃないか」
 頬に触れたまま、微笑んだ。
「守ってくれたんだよね、ありがと……っ!」
 そこで璃世の目が将の逞しい筋肉が目に入り、もともとのぼせ気味だった璃世はさらに真っ赤になって目を逸らした。
「わかってもらえると思ってたが、わかってもらえて良かった」
 苦しい弁明を理解してもらい「ははは」と笑ったところで、璃世が気絶してしまった。
 その様子をタオルを身体に巻いた緋音が目撃し、一瞬にして怒りは頂点へ。手近なものを引き寄せる。
「え?」
 なんだなんだと様子を覗こうとした一機が腕を抱き寄せられ、その腕に柔らかな感触を感じた――と思った時には投げ飛ばされていた。
「璃世から離れなさーいっ!」
 投げ飛ばされた一機を、とっさに将は逞しい胸元で受け止める。顔から突っ込む所だった一機は手を前に出していたため、硬く逞しい感触がその手に伝わってきた。
「おい、大丈夫か」
 手の感触に驚嘆してしまった一機に声をかけると、力なく頷き、投げ飛ばした張本人へ振り返った。
 すると投げ飛ばした際にタオルが落ちてしまった緋音の姿が、目に飛び込んでくる。
「ご、ごめ――」
 謝罪の言葉は突如起こった悲鳴(しかも英語)によりかき消され、「見るなぁー!」とあらぬ方向から跳んできたアンジェラによって頭を踏まれ、湯船へと沈められていた。
 立ち上がろうとしたところを、さらにエルミナに踏みつけられる。
「1枚ずつ剥かれたいのは誰かね……?」
 一機が犠牲になっている間に、将は気絶した璃世を湯船の淵に寝かせ、ちゃっかりと逃げ出していた。
 緋音が抱き起こし「璃世、大丈夫?」と声をかけたところで目を覚ます。
「私、こんな所で寝ちゃってた……? 心配かけてゴメンねって緋音、裸……!」
 指摘されて気付いた緋音は「きゃあっ!?」と璃世に抱きつき、隠そうとする。抱きつく癖があるのかもしれない。
「大丈夫、ぎゅってしてれば見えないよ」
 力強く抱き返し、ポンポンとその背中を優しく叩く璃世であった。
「何だ、ずいぶん視界が開けて――」
 まどろみから目を覚ました夢野が状況を把握しきれずに見回していると、見知った顔を発見してしまった。眼鏡こそないが、まぎれもなく理子。
 向こうも状況が把握できていないのか、隠す事も忘れ呆然と立っていた。
 互いにしばし呆けていたのだが、先に気付いた理子がゆっくりと湯船へと身を沈め、口まで浸かりプクプクとあぶくをあげ真っ赤な顔で夢野を見上げていた。
 遅れて我に返った夢野――速やかにスタイリッシュ土下座へと移行し「ごめんなさい不可抗力だったんです見捨てないで下さいマジごめんなさい」と繰り返していた。
 平静を装ったひかるも耳まで真っ赤になりながら逃げ出す阿鼻叫喚の中、よくわかっていないハッドは王らしく仁王立ちのままであった。
「よ〜わからんが、温泉は楽しむし、敷居が倒れたとしても堂々としておるのじゃな。なっ」
 そ知らぬふりをして「壁がなくなりゃ覗くもないな」と女湯を後にしようとした元凶に、同意を求める。
「いや。恥ずかしがる方が普通だ」
「何? こうゆ〜ときは恥じらうものなのか? 日本の文化とはかくも奥ゆかしいものよの〜」
 というわけでと「恥じらうのじゃな、うむ」なんて言いながらも、何も変わらない。理解していないのだなと、英雄は男の娘湯へと向かって行った――が、誰もいないので脱衣場に引き返すと、誰のかわからない服籠がひっくり返っていて、衣服がそこらへんに投げ出されていた。
「あん? 男の娘がつけてるヤツかァ」
 PAD入りのブラを拾い上げるその姿に、桶を顔面に受けてよろけていた秋桜が驚愕していた。
(うちのが、何故!?)
 冷え切った身体で、英雄が興味を失うまでさらに寒さと戦う羽目になってしまった。やはり温泉は彼女にとって、鬼門らしかった――


 Rehniがコーヒ牛乳片手に、団扇で扇ぎながらのぼせた淳紅へ膝を貸す。
「ごめ゛ん゛……」
 冷やしたタオルを頭に乗せ謝る淳紅だが、送られてくる風の香りにへにゃっと笑う。
「あはは。髪、同じ香りやなぁ」
 するとニコリと笑い「うん、同じ香りだね」と、淳紅のまだ湿った頭を撫でるのであった。
「米田くん、折角だから一勝負しないかな?」
 爽やかな微笑みで卓球に誘うひかる。なにやら色々なものを引きずっている感のある一機は気分転換にいいかと、その勝負を引き受け――はや10分。
 色々満足な顔をした正太郎が
 何かから逃げのび、全裸で廊下を疾走するラグナと英斗(でも大事な部分には枕)が足を止めるほどに、2人の戦いは白熱していた。
 どこまでも続くラリーに痺れを切らした一機が「もう6球増やしていい?」と、大人げなく光纏まで発動させて同意を得る前に玉を追加していた。
 7個の玉がほとんど同時に飛び交う卓球台――しかし、どこへ打ってもその場から全く動いていないひかるのラケットへとその玉全てが集まっていく。
「言ったはず、ここはもう僕の領域だ」
「清純領域!? なら、これは!」
 身体をぐるぐると大きく何度も回転させる一機に、ラグナは思わず「いかーん、それは私のリア充粉砕拳より危険だ!」と叫んでいた。
「この俺の名をいってみろぉ! 超ウルトラグレートなショット!」
 喰らった人間が観客席上段まで吹き飛びそうな威力の玉が、繰り出される。
「これで止めだよ、秘天球絶対領域!」
 ひかるの周囲から風が吹き荒れ、浴衣がなびく。脚がチラ見えして、妙に艶めかしい。
 同時に飛んできた7個の玉は球威が急速に衰え、全力で打ち返す! と思わせておいて、ちょんとネットの上に返す。
「向こうに入れ!」
 ひかるの一喝で、その全てが無情にも一機のコートへと。
 両手を卓球台に叩きつけ、がっくりと肩を落して「なーぜーだー!」と、悔しそうに叫ぶのであった。
 通りがかったマリエがその声に驚き、きょとんとする。一機の声だけでなく、女の子に土下座を繰り返している夢野が視界の隅に捉え、ますます不思議がる。
 間仕切りが倒れる前に引き上げたため、なおさら土下座の意味が解らない。
「何かありましたの?」
「……さてね?」
 ひかるが肩をすくめ、とぼけてみせる。
 土下座を繰り返す夢野に、しゃがんだ理子が「もういいですよぅ」と許した直後、指を一本立てた。
「許す代わりに、1つお願いがあります」
「なんでしょうか」
 センセイなのに、ずいぶん卑屈になってしまっている。もったいぶってというより、なかなか言い出せない理子が意を決する。
「メール、もっとたくさん出してもいいですか?」


「いやぁ、営業成功!」
 廊下から響く正太郎の声で我に返ったマリエ。
 報告書を完成させて提出すると、荷物をまとめて民宿を後にした。
「次回がありましたら、もっと楽しみたいですわね」




俺だってラキスケしたい!  終


依頼結果

依頼成功度:大成功
MVP: −
重体: セーレの王子様・森田良助(ja9460)
   <氷点下の中、川に叩き込まれ>という理由により『重体』となる
 おまえだけは絶対許さない・ファラ・エルフィリア(jb3154)
   <氷点下の中、川に流されて>という理由により『重体』となる
面白かった!:16人

蒼き覇者リュウセイガー・
雪ノ下・正太郎(ja0343)

大学部2年1組 男 阿修羅
死神を愛した男・
郷田 英雄(ja0378)

大学部8年131組 男 阿修羅
Blue Sphere Ballad・
君田 夢野(ja0561)

卒業 男 ルインズブレイド
歌謡い・
亀山 淳紅(ja2261)

卒業 男 ダアト
心に千の輝きを・
御崎 緋音(ja2643)

大学部4年320組 女 ルインズブレイド
『魂刃』百鬼夜行・
産砂 女々子(ja3059)

大学部6年1組 男 阿修羅
KILL ALL RIAJU・
ラグナ・グラウシード(ja3538)

大学部5年54組 男 ディバインナイト
ブレイブハート・
若杉 英斗(ja4230)

大学部4年4組 男 ディバインナイト
前を向いて、未来へ・
Rehni Nam(ja5283)

卒業 女 アストラルヴァンガード
災禍祓いし常闇の明星・
東城 夜刀彦(ja6047)

大学部4年73組 男 鬼道忍軍
トラップは踏み抜くもの・
水城 秋桜(ja7979)

大学部7年186組 女 鬼道忍軍
祈りの心盾・
春名 璃世(ja8279)

大学部5年289組 女 ディバインナイト
セーレの王子様・
森田良助(ja9460)

大学部4年2組 男 インフィルトレイター
華麗に参上!・
アンジェラ・アップルトン(ja9940)

卒業 女 ルインズブレイド
道指し示し夙志の召喚士・
リーア・ヴァトレン(jb0783)

小等部6年3組 女 バハムートテイマー
我が輩は王である・
ハッド(jb3000)

大学部3年23組 男 ナイトウォーカー
闇夜を照らせし清福の黒翼・
レイ・フェリウス(jb3036)

大学部5年206組 男 ナイトウォーカー
おまえだけは絶対許さない・
ファラ・エルフィリア(jb3154)

大学部4年284組 女 陰陽師
俺達の戦いはここからだ!・
ラウール・ペンドルミン(jb3166)

大学部5年70組 男 陰陽師
火中の爆竹・
藤村 将(jb5690)

大学部3年213組 男 阿修羅
遥かな高みを目指す者・
エルミナ・ヴィオーネ(jb6174)

大学部3年293組 女 アカシックレコーダー:タイプA
心に千の輝きを・
エミリオ・ヴィオーネ(jb6195)

大学部3年106組 男 アカシックレコーダー:タイプB
あなたへの絆・
米田 一機(jb7387)

大学部3年5組 男 アストラルヴァンガード
撃退士・
マリエ・サイノス(jb8491)

大学部6年119組 女 ルインズブレイド
撃退士・
清純 ひかる(jb8844)

大学部3年156組 男 ディバインナイト