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マスター:クロカミマヤ
シナリオ形態:ショート
難易度:普通
参加人数:8人
サポート:5人
リプレイ完成日時:2013/06/20


みんなの思い出



オープニング

●らぶれたー・ふろむ・うちなー

 現代日本の表舞台における最難関ダンジョンといえば何を思い浮かべるだろう。
 東京駅か新宿駅か、はたまた大阪・梅田か。

 だが沖縄県のとある場所に、それらのラスダンを凌駕する難易度のド級迷路が誕生したらしい。
 数ヶ月前にオープンしたが未だ未踏破。その状況を鑑み、運営側は異例の措置を設けたという。
 曰く――完走者には『すっごい幻のアイテム』が与えられるとのこと。

 そんな噂は遠く離れた久遠ヶ原学園にも届いていた。
「確かに青森の件は大事よね。だけど話題のスポットなのよ。いつ取材に行くの? 今でしょ!」
 中山寧々美(jz0020)が熱い言葉とともに右手をぐいっと差し出す。
 だがやはり新聞同好会の会員達の視線は冷ややかであった。日頃の行いが行いだけにある意味当然かもしれないが。
「そうは言うけど寧々美ちゃん、やっぱ青森のほうが大事でしょ」
 ごもっともな指摘を受け、寧々美は若干しょんぼりした表情を見せる。
「えぇ〜? 難しい話ばっかりしてたら気疲れしちゃうじゃない」
 案の定ご覧のとおりの回答だ。
 決して大声では言えないが――恐らく彼女は東北で蠢くオッサ……紳士達の知略縦横たる振る舞い、水面下での心理戦といった謀計とは無縁なのだろう。
 よし。天の声頑張ってすっごくマイルドに表現しました。
「……お、おう」
 ね? と同意を求められた彼は思った。お前がそう思うんならそうなんだろうよ、お前の中ではな……と。
 仲間達から半ば哀れみに近い視線を向けられていることにも気づかず、寧々美はカメラを手に意気揚々と旅立つ。
 そして、一路沖縄へ――。


●マッピングの必要性について

 大事なことを忘れていたが、彼女は地図が読めない。
 くるくる回転させて首を捻ってようやく行き先を把握しても、何歩か歩いて分岐にあたれば再び地図を回し始める有様だ。
 然らばマッピングなどという技能が備わっているわけ……ないだろう。当然。

 張り切る寧々美を送り出したはいいが、あとになって心配になる同好会の面々。
 毎度まいどの尻拭い、実にご苦労なことである。よくやってられるな君たち、と思わざるをえないけれど。
 そんなこんなで斡旋所にしれっと張り出される一枚の依頼書。
 沖縄行き、半分観光のようなこの依頼が張り出されるまでの経緯はそんなところだった。


 ――急募:沖縄リゾートゾーン内アトラクション・みそかれぇダンジョン挑戦者――

 噂の「みそかれぇダンジョン」内部へ潜り込み、最初の攻略者となれ!
 ダンジョン攻略情報およびクリア後の情報を持ち帰った挑戦者には、別途新聞同好会より褒賞をご用意いたします。

 ☆園内フリーパス、交通費支給
 ☆取材用カメラ貸与可
 ☆我らが同好会長も参戦予定!?(詳細は新聞同好会まで)
 ☆方向感覚に優れた方、自力マッピング可能な方歓迎致します
 ☆お友達との参加もOK!
 ☆応募は斡旋所窓口まで


リプレイ本文

●迷宮へ…

 設計した奴出てこい、ゲームバランス変だろ!
 ――というお客様意見をまるっと無視し運営を続ける無理ゲー。

 そこへ今日、日本が誇るチーt…撃退士が挑む。
 無謀なチャレンジと諦めるか。否。これは大きな試練に立向かう、9人の学生の記録だ。

(♪〜テーマ曲)


●A/入口

「迷路でなく、ダンジョン…」
 はて。ラグナ・グラウシード(ja3538)はエリアの入口で、仁王立ちのまま首を傾げた。
 アトラクションなのに、ダンジョン。迷路ではなく、迷宮。
 誰をターゲットに造られたのかと純粋に疑問を抱いたのだ。

 一方、隣で準備体操に勤しむ若杉 英斗(ja4230)は、ラグナとは全く違う疑問…というか絶望に襲われていた。
「折角、取材する気満々でカメラも借りてきたのに」
 攻略前から意気消沈気味なのには無論、理由があった。
(…水着着用じゃないなんて。せっかく綺麗なお姉さん達と出会えると思ったのに!)
 沖縄リゾートゾーン。その響きが魅惑的じゃない筈ない。健全な男子学生だもの。

「――だが面白い」
 英斗の落胆を感じたか、それとも全く気にしていないが故か。真相は不明ながら、ラグナは腕組みしたまま唇を釣り上げる。
「普通の迷路など私には簡単すぎるからな! ふふん、完全攻略して世の女性を驚かせてやろう!」
 そしてモテたい。
「…そうですね、ここはひとつ俺達の実力を魅せてやりましょう!」
 あわよくば彼女ほしい。
「行くぞ若杉殿、一気に駆け抜けよう!」
 見え見えの欲望? 気のせいだ問題ない。
 録画モードに設定したスマフォをぶら下げ、ラグナは高らかに告ぐ。
 そして男達の熱い戦いが始まる――

 …。

 カチッ。

 ブッシャアアア!

「な、何事だ!? これは…ぐっ…」
「あれ、何だこれ…」

 …?

「「臭…ッ!」」

 成程そうきたか。


●B/序盤

「今、悲鳴が聞こえなかった? 誰か罠に…?」
 疑問を口にする寧々美に、泡沫 合歓(jb6042)もつられて首を傾げ。
「まだ開始から1分…まさかそんなに早くは無いと思いたいのです」
 しかし2人の後ろを行く星杜 焔(ja5378)だけは、声の主を察していた。
(一歩目で引っかかるコントみたいなのはラグナさん得意であるからな…)
 よく見れば、遊びとは思えない格好の焔もまたコント的だ。
 持ち込んで中で着替えたりしている時間的余裕がないのはわかる…わかる、けれど!
 ウェットスーツにヘルメットに安全靴って一体どこからツッこんだらいいんだ。
 方位磁針なども持ち込んで準備は万端、それでいて何故か兎のぬいぐるみを大事そうに抱えている。
 この状況なぜ誰もツッこまない。
「早くクリアしてお昼をたべよう〜入口近くにあったみそカレーがとても気になる…」
「あっ、星杜君も? アレ、名物らしいのよね。あたしもレポート書きたいな!」
「皆さんとご飯…楽しそうですっ」
 えー、確認。残念ながらこちらのコースはボケ飽和ツッコミ不在でお送りします。

「ところで、この透明な板は?」
 前を行く寧々美をぴょこぴょこ追いかけつつ、合歓は焔に問う。
「アクリル板であるよ…描いた地図が消えたりしないよう油性マジックで書くのだ」
 アウトドア経験に由来ずる知恵だそうだ(本人談)。へぇと頷きつつ進む合歓と寧々美。
 他エリアより幾分和やかな雰囲気で進行するのは、やはり初級エリア故か。

 …と、思いきや。

「でも難しいって脅されてた分、こんなに平和だと拍子抜けしちゃうよ」

 この場にツッコミがいたなら、あかんそれフラグやと彼女を止められたかもしれないが。

「あら? あんな所に飲み物が置いてある! 途中に休憩所があるなんて親切ね」

 一番乗り、とイスに腰を下ろし、設置の給水器から紙コップへ水を注ぐ寧々美。
 礼を言いつつ差し出されたコップを受け取ると、合歓は中の液体を見つめた。
 透明である。匂いも感じない。普段なら疑いもなく口に運んでいただろう。
 ――だが、第六感が告げていた。これは駄目だ。口をつけてはいけない!
「せ、先輩!」
 慌てて制止するが――、一瞬の空白の後、寧々美は豪快に倒れ伏した。
「遅かったようだねえ…むちゃしやがって…」
「こ、これが人間世界の『アトラクション』なのですね、勉強になります」

 誰か、間違った知識だって教えてあげてください。


●C/攻略中

「あれっ、この壁すり抜けられるんだな」
 アウルの光がぼんやりと照らす、仄暗い迷路の中。
 紺色のペンキで塗られた壁から顔だけをひょこっと出して、蒸姫 ギア(jb4049)は驚きの表情。
 それはつまり、ゲーム性を重視しなければ容易にクリアが可能ということ。
 これだけの難易度を持ちながら、その辺りの管理は行き届いていない。何だか不思議だ。
「難易度が高くて忘れがちだが、もともとは撃退士どころか一般向けに設計されたそうだしね」
 アニエス・ブランネージュ(ja8264)は苦笑し、入口で配布されたパンフレットを流し見ながら呟いた。
 そう。ここは腐っても民営の遊園地。
 たかが阻霊符。されど阻霊符。天魔の脅威とは縁遠いここ沖縄においては、本来、無用の長物ゆえ。
 物質透過に対するバグは、…仕様といった所だろう。
「堕天使やはぐれ悪魔を考慮に入れてないって事ですか?」
 そんな疑問を口に上らせる雪成 藤花(ja0292)は、傾げた己の首に手を添える。
 何かと思えば、フードと背中の隙間に園内販売のぬいぐるみが挟まっていた。
 自分で背負ったというより誰かに乗せられたような雰囲気。それはもしかして…否、皆まで言うまい。爆発しろ。
「…人の創作物に興味を抱き、あまつさえ楽しむ為に訪れるような変わり者の天魔なんて、多くはないだろうし」
「そうですね。それに、そんな方が率先してチートなんて…?」
「うん、せっかく人界の遊園地だし…って、違う! 勘違いするなよっ、ギアは別に、こんな子供騙しに興味なんて無いんだからなっ!」
 わたわた、と聞いてもいないのに弁明するギア。――そういう事にしておきましょうか。
 彼へ笑みを向けつつ、アニエスと藤花は歩き始めた。

 さて、罠の探知といえば。
 藤花が取り出したのは、傘。確かに梅雨のこの時期、持参していてもおかしくない。
 何に用いるかといえば――当然、トラップ探知だ。
 つんつんと周囲の床を軽く叩きながら、恐る恐る歩みを進めていく藤花。
「これで遠距離から作動させられると良いのですが…」
「成程ね。じゃあ、ボクは機械の作動音なんかに気をつけてみようかな」
 続くアニエスは耳をそばだてて、傘の先が奏でる音色を聞き分けようと努める。
 だが、そんな2人の様子を見守っていたギアが突然ふふふと笑い出す。
「甘いね、それでは命取り…人界に来る前、数々の迷宮に挑んだギアの経験が告げてるよ」
 はて何ぞやと問えば。曰く、傘程度の長さでは万一罠が発動した際に回避が遅れると。
「ギアはこの11フィート棒でダンジョンを制するからっ!」

 てってれー。

 取り出したるは釣竿にも似た細長い棒。長さはゆうに3mを超える。
 …うん、道幅の横幅ギリギリだね! あと両手塞がってるね!
「ま、マッピングは任せる…ね…」
 大人しく置いていった方が後々楽だと思うのだぜ。


●B/中盤

 目を回した寧々美を抱え、焔はゴールを目指していた。
 そう、彼は今向かっているのだ。翼を広げ仲間が待つ明日という名の終着駅へ…(J-POP風)
 設置型の罠など踏まなければどうということは無い。いやほんと割とマジで。

 置いていかれまいと追従する合歓。
 初っ端に気絶者が出たことで気を引き締めるも、途中でまた緊張の糸が切れてしまったか。
 時折タライの清々しい音が聞こえたりも。がいーん。ばいーん。ひゃううう…ってなもんで。
「大丈夫〜?」
 おデコを押さえて涙目悶絶する合歓を気遣い、歩みを止める焔。
 けれどこの堕天使、全くめげる気配がない。素晴らしいポジティブ!
「ちょっとイタかったのです…、だけどこれも『アトラクションの醍醐味』なんですよねっ」
「そうだね〜大人数でわいわい攻略するのも楽しかったかもしれぬな…」
 入口で分れた友人達に想いを馳せ。
 次は、皆で遊びに来たいなと――改めて。

「…あっ、また休憩スペースですね」
 指差し、笑顔を浮かべる合歓。
 丁寧にセッティングされた卓の上には、何故か置かれたカレー皿と寸胴鍋。
「わ…おいしそうな匂いです!」
「これが噂のみそかれー、か」
 時計を確認する。時間には余裕がありそうだ。
 寧々美が気づくまで少し休憩しようかと、焔は鍋の前に立つ。


●A/宇宙人現る

 エリアの中腹、一気に駆け抜けようとする並木坂・マオ(ja0317)がいた。
 脚に光を纏わせ文字通りの全力で駆抜け――られればよかった、が。

 いつから罠=設置場所で発動だと錯覚していた?

 カチッという音。疾風のように駆け抜ける。けれど。
 前方から吹き出すガス! こ、これは笑気ガスだァーッ!

「ほにゃあ!?」

 ――暗転。
 嗚呼、無茶しやがって…。

 一方その少し後方で、ラグナと英斗はガス放出の音を聞いていた。
「先に行った女性だろうか。助太刀に向かいたい処だが…」
「時間に余裕があれば良かったけど…この先どれだけ続いているか分からないからな」
 共に挑戦をする他エリアの仲間の為にも、今はゴールするのが先だ。
 それに腐ってもアトラクション、何かあったら係員が対応してくれる。入口でも言ってた。
「このまま駆け抜けよう」
「はい! いくぜ、ディバイン・ダッシュ!」
 流石だぜディバイン! 堅いぜディバイン!
 ネズミ捕りも落下するタライも、ものともせずに爆進する2人。

 でろりっち!
 熱湯!
 催涙ガス!
 氷水!

 …ヘリウム!

「ヘクシュ!」
「ラグナさん、大丈夫ですか?(宇宙人風)」
「ああ、少し体が冷えたようだ(宇宙人風)」

 …先を急ぎましょう。


●C/出口だ!

「まさか罠の先に正しい道があるとはね。疑って正解だったよ」
 分かれ道を振り返り、苦笑するアニエス。
 トラップ過多とはよく言ったもので、本当に一歩進む度何かが起こっていた。
 ただ、それらが進行に支障をきたすほど深刻なものかと問われれば、そうではなく。
「ガスが出た時はどうなるかと思いましたけど、何ともなくてよかったです」
 このガス実は煙幕、臭気、催涙、笑気、ヘリウム、そして炭酸ガスの6種存在していた。
「バケツが落ちてきたときも…結局ただの水だったしね」
「はい。傘を持ってきてよかったです」
 中身はこちらも6種類、水、氷水、熱湯、香水、レモン汁、白いでろりっち…で、でろりっち…グスン…。
 全エリアにその全てがくまなく配置されている(予定だった)のだが――嗚呼。これも神の祝福、か!(※お察し下さい)
「あの冷たい蒸気の正体、ここを出たら調べなきゃ。やっぱり蒸気の可能性は無限大だなっ」
 恐らく炭酸ガスのことだと思われます。

「――おや? あれは休憩所…だろうか?」
「本当だ」
「もしかして、ゴールが近いのでしょうか」
 ボス戦の前にセーブ&回復ポイントというのは確かにゲームの常套だ。
「少し調べてみましょう」
(…べ、別に食べたがってなんか!)
 カレーの匂いに少しだけ後ろ髪ひかれつつ探索再開。大丈夫、攻略後にきっと食事の時間は取れる。

「あ」
 周辺の壁等を調査する中、アニエスが突然呟いた。
「何か、声が聞こえる。――こっちだ」
 別ルートとの合流地点が近いかもしれない。頷きあい、声のする方向へと足を向ける。
 少し進めば、その声は藤花やギアにも聞き取れた。
「これ…ラグナ先輩の声?」
「あ」
 ボタンの所在に気づいたのは、ふよふよ飛び回っていたギア。
 一瞬、これも罠ではないかと不安が過る。けれど。
「どんな試練も、ギアは蒸気の力で解決できるって証明してみせる!」

 ポチッとにゃ。

 …。

 どこかで扉が開く音がした。
 更にはっきりと聞き取れるようになった声を追いかける。

「出口だっ!」

 光射す其処を駆け抜ける。
 次の瞬間。
 そこにはキャピキャピしながらカメラを見る男が2人。
 どうやら記念撮影に勤しんでいたらしい。ドヤ顔ダブルピースで。

「この角度が写真写りがいいんですよね」
「私はこの角度だな…ふっ…水も滴るいい男とはこのことか」
「心なしか2割増ぐらいに見える気がします!」
「若杉殿もそう思うか! ははは、これで私達も春――」

 目、合うよね。
 気まずい空気、流れるよね。

 誰かこの変な空気どうにかしてくれ。


●Z/黒子は僕です

 その2分後に合歓と焔が姿を現し、微妙な空気を華麗にぶち壊す。

 ギリギリとはいえ時間内だ。人数も揃っている。ここからが、本番。
(俺達はついに辿りついたんだ、桃源郷ってやつに)
 或いはニライカナイ。沖縄だし。そうだ沖縄だったここ。皆さん覚えてました?

「ここが、秘匿されしZエリ…あああああぁっ!?」

 突入した撃退士一行の目に飛び込んできたのは――今まさに宝箱を外へ運び出そうとする、謎の黒子軍団!
「こらー! それはギアのなんだからなっ!」
 目の前で奪われてなるものか。ここまで苦難を乗り越えてきたのだ。眼前の敵に容赦などしない!

 藤花がアウルの光を操り黒子達の目晦ましを狙う。
「キングは撃退士だと案内の方にきいたよ〜」
「ならば手加減無用だな」
「行くぞ、邪魔する奴らは叩きのめしてやる!」
 光纏。V兵器登場。黒子涙目、しかし時すでに遅し。

 \ヒャッハー狩りの時間だぁ/\うわぁあぁぁぁ/

 その後、キング黒子はあえなく捕獲され、ダンジョン外へ引きずり出された。
 数名の男女に囲まれ【 検 閲 】。
 命からがら脱出し、泣きながら逃走していく黒子の姿は多くの人に目撃されたそうだ。
 頭巾がソフトクリーム&カレーまみれだったとか、目潰し食らって前後不覚だったとか、瘤だらけだったとか。
 暫く情報が錯綜したが――とにかく大惨事だったことだけは確かだ。


●お疲れ様でした

 動いた後は、甘い物。
 アイスや飲物で休憩しつつ暫し歓談の時間。

「食べ物も取材していこう〜ゴーヤー味おいしそうだよ〜」
「…!?」
「わ、わたしマンゴー味でっ」

「…よし、これで地図完成だ!」
「Zエリアの地図は作れなかったけど、前半は完璧ですね」
「これでいいんです、先輩方。…攻略情報とは言いますが、本当に全部分かってしまったら楽しさ半減なのです」
 合歓は思う。この情報を見た人たちが、行ってみたいと思えるような――そんな記事を、掲載して欲しいと。
「そうだな…それでも知りたいというレディは、私自ら引率・案内してやろう!」
(…女性限定なんですね、ラグナさん)

「取材できました?」
 アタシは途中までしか行けなかったけど、と苦笑いを浮かべるマオ。
「うん! マオちゃんもお疲れ様」
「…すっごいアイテムって何だったんですか?」
 興味津々な様子で訊ねるマオへ、寧々美は曇りのない笑顔で答えた。
「写真よ」
「…え?」
「アトラクション内の好きな場所で、記念写真を撮影してもらえるんだって」

 一緒に踏破した仲間との、代え難い想い出。
 それが一番の宝だというのが、宝箱の中に納められたメッセージ。

「それでは皆様、副賞の写真撮影を致します」

 係員の指示で皆が立ち上がる。

 それぞれの想い出を、しっかりと形に残す為。


依頼結果

依頼成功度:成功
MVP: 夢の案内人・泡沫 合歓(jb6042)
重体: −
面白かった!:6人

思い繋ぎし紫光の藤姫・
星杜 藤花(ja0292)

卒業 女 アストラルヴァンガード
魔に諍う者・
並木坂・マオ(ja0317)

大学部1年286組 女 ナイトウォーカー
KILL ALL RIAJU・
ラグナ・グラウシード(ja3538)

大学部5年54組 男 ディバインナイト
ブレイブハート・
若杉 英斗(ja4230)

大学部4年4組 男 ディバインナイト
思い繋ぎし翠光の焔・
星杜 焔(ja5378)

卒業 男 ディバインナイト
冷静なる識・
アニエス・ブランネージュ(ja8264)

大学部9年317組 女 インフィルトレイター
ツンデレ刑事・
蒸姫 ギア(jb4049)

大学部2年152組 男 陰陽師
夢の案内人・
泡沫 合歓(jb6042)

大学部1年282組 女 アカシックレコーダー:タイプB