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マスター:クロカミマヤ
シナリオ形態:イベント
難易度:普通
参加人数:25人
サポート:2人
リプレイ完成日時:2012/07/26


みんなの思い出



オープニング

●くらケット開催のお知らせ

 夏である。地方においても東京のアレ同様のイベントが次々と開催される。
 多くのオタク系久遠ヶ原学園生にとって最も身近な地方即売会、それがくらケットだ。
 学園内にいくつか存在する体育館のうち、ひとつを貸し切って開催される、学生運営のイベント。

 漫画、小説、評論同人誌はもちろん、音声・動画・ゲームにコスプレ。
 久遠ヶ原に住むオタク達の社交場として、実は軍学校時代から密かに運営され続けてきた。

 開催時期はおおむね毎年、8月最後の日曜日。
 7月ともなれば、多くの印刷物やCDの入稿締切時期となる。

 ここにいる一人の女生徒もまた、締切に追われ、エナジードリンクをかっ喰らう毎日が続いている。

「ふふ……エンドレス作業……ずっと私のターン!」

 壊れた。


●壁サークルの憂鬱

 真壁 定子(まかべ さだこ)――ペンネーム『越前 海月』。

 彼女が運営する『きくらげ倶楽部』は、同人ゲーム制作サークルだ。
 つまり一般の流通に乗らない、自主制作のパソコンゲームを仲間達と共に作って販売している。
 千部単位でROMをプレスし、ダウンロード販売もそこそこ。
 売れ線が性描写中心の作品へ傾く中で、全年齢サークルとしては中々うまく行っている。

 サークルの代表作は、撃退士達の日常と非日常を描いたセカイ系作品「無尽光が尽きるまで」。
 あくまで一般オタク向け全年齢作品なのだが、ある層のファンが非常に多い曰く付きの作品でもある。

 ある層。はて、それが何かと問われれば?

「そうだ……景気づけにファンレター読むか……私のやる気スイッチ仕事しろおおおお」

 切実な叫びと共に、定子が取り出したるは電子メールで届いたファンレター。
 迷子になったやる気を取り戻すため、多くの創作家にとっての活力であるそれを読み返す作業に入ったようだ。

『スオウルートのラストが激萌えでした、スオウまじスオウ』
『シオン君がアサギ様についていく宣言したあのシーンがプロポーズすぎて鼻血出ました』

 熱すぎるファンレターの数々。悪い気はしないな、と鼻の頭を掻く定子。
 自画自賛ではあるが、前作は非常にできが良かった。
 今回のくらケで頒布する予定の『副読本』、要するにファンブックも、それなりに数字が期待できる。
 創作活動に収入は求めていないが、数字が伴ってくるとやはりやりがいもあるのだ。

 ――尚、このゲームの登場人物は全て男性である。


●アシと売り子を募集中

「裏切られた」

 目の下にくまを作った定子が、大学部の講堂でむせび泣いている。
 隣に立つ彼女の親友だけが、出来るだけ手伝うから、と慰めていた。

 くらケ向けの〆切は次の週末に迫っている。
 しかし彼女の同人仲間、薄情なことに関西へ遠征に行ってしまったのだ。
 なんでも、同じ日程で旬ジャンルのオンリーイベントなるものが開催されるらしく。

 友情より刹那の萌えを優先するなど腐女子の風上にも置けない奴ら!
 そう憤るのも致し方なし、されどオンリーイベントの魔力に屈した反逆者達に追い縋っている場合ではない。
(いつもぎりぎり進行すぎて愛想をつかされた? 聞こえないなぁ)

 背に腹はかえられぬ。私には待っているファンがいるのだ!(By越前海月)
 とにかく、猫の手でも、借りなければ……。
 彼女は意を決し、手当たりしだいの知り合いにメールを送信しはじめるのだった。

『臨時アルバイト募集』
 時給800久遠/別途交通費・食事支給。履歴書不要。詳細はお問い合わせ下さい


リプレイ本文


 初めに動き始めたのは衣装関係。原稿はある程度進まなければ手伝う事もないので当然か。
 しかし既に波乱の予感……おいそこ、始まる前から分かってたは禁句だ。

 高等部の被服室に、頭を抱え小さく蹲る君田 夢野(ja0561)がいた。
 髪と同じ位赤くなった顔を隠したいのだろう。……って、いや待て何があった。
「サークル入場に釣られた俺がバカだった」
 後悔先に立たず。だが無理もない、少し早く入場出来るサークル入場チケットは貴重品だ。
 イニシアチブ値が3くらい増えるイメージ。強い。

 小学生から大きなお友達まで大人気のSFロボアニメ・キャッチザ何とか。
 元々久遠ヶ原でも人気の作品だが、放映が最終クールに入った事も影響し今回サークル数が多い。
 同時に人気のものは狙っている人間も多く。サークル入場券は言わば、欲しい物を確実に手に入れる為の魔法の整理券。
 然らばやむを得ぬ。魔法には相応の対価が必要。そう、夢野はくらケの犠牲になったのだ……(棒)

 はてさて傷心の夢野と対照的に、目を輝かせる神埼 律(ja8118)と権現堂 桜弥(ja4461)の姿もある。
「すごいの……。紅葉サマと、身長も胸囲も足のサイズも同じなの」
「ん、身長はともかく胸囲なんて出てきたかしら?」
「公式サイトの隠し頁にあるの……紅葉サマ着やせタイプなの……」
 らしくなく拳を握る律は、紅葉というキャラの熱心なファンらしい。
「あぁ、衿からチラ見えする程よい筋肉の胸板ね」
「流石『サヤ』、分かってるの」
「サイズが同じなら大胆に見せても平気ね。なら、御本家のチラリ具合をきっちり踏襲するわよ!」
「当然なの。再現度の高さに、ファンも釘付けなの……」
 繰り広げられる不穏な会話。――不穏である。実に。
(いやイラスト見たけど、肌蹴すぎだろアレ!)
 これだから女向けは! 心の中で叫ぶ夢野だったが、後悔(略)。
(大体この採寸自体、脱がなくたってTシャツで構わな……っ)
 しかし、盛り上がる女子達にツッコむ元気はない。多過ぎる。ツッコミどころしかない。一つツッコんだら負けだ。
「さて。後は股下ね……GO!」
「了解なの」
 メジャーを手に指示する桜弥、真顔のまま迫り来る律。何だか悪の女王と配下のようだが、大丈夫か?
「大丈夫。私は『ナニを見ても』気にしないわ!」
「気にしなくても漫画で見慣れてるの」
 おい待て何をだ。
「ちょ、どこ測……やめろ俺には心に決めたひt……うわぁぁぁ!」

 ――ていうか冷静に考えたら、そもそも着流しで袴無いんだから股下採寸しなくて良くね?

「さて、早速反物と篠笛を買いに行きましょ!」
「……もう婿に行けない」
 ようやく解放され涙目で呟く夢野に、追打ちをかけるように律が一言。
「大丈夫なの……紅葉サマは嫁担当なの」
 フォローに見せかけたトドメ入りました。

「はぅ……焔ちゃん意外とかたはばひろいねぇ、絵になる良い攻め体型だねぇ」
 エルレーン・バルハザード(ja0889)の第一声は褒め言葉なのだろうか。残念ながら星杜 焔(ja5378)には判断がつかなかった。
 そもそも肌を露出するのが苦手な焔には苦行以外の何物でもないが。それ以上にエルレーン怖い。
「すてきな衣装つくってあげるね! どえす攻っぽい衣装、がんばるね!」
 友達だと思ってたのに、すいません何言ってるかちょっとよく分からないです。あと触りすぎです。腐女子怖い。
 だが心境とは裏腹に、表情は笑顔固定である。たとえ薄ら涙目で、ぷるぷる震えていようが。

「やだっ……ゆーま、意外に大きい……のね」
「割と平均サイズなんやけど……って! そんな近くで見んといて!」
「だって、男の人の……見る事ってあんまり無いし」
「そ、そやな? ……いや待って、超恥ずかしなってきてんけど」
 あ、肩幅の話です。
 妙に恥じらう小野友真(ja6901)と藤咲千尋(ja8564)のせいで何かイケナイ感じになった。(責任転嫁)
「ゆーまったらいつの間にか男の人になってたのね! いいのよいいのよ、お母さん嬉しいわー!!」
「千尋ちゃん……俺ら同い年やんな……?」
 だが聞いちゃいねぇ。いつもの事ではあるけれど、一度火のついた千尋を止める事は難しい。
「次は胸囲測るよ! ほらゆーまホールドアップ! 覚悟、そのサイズもらったー!!」
 メジャーを手に、満面の笑みで迫り来る千尋。これには友真もタジタジである。
「ひっ……!?」
「あ、冷たかった? ゴメンねゆーま、でもどんどん測るよー次は腰! えっと」
 千尋に他意はないのである。ただ、年頃の男子に対する理解が及んでいないだけで。
 腰回りにメジャーを当て真剣に測る。顔を近づけて目盛りを読む。近ぇ。
「千尋ちゃん! そこは俺よう測れるし……っ」
 涙目しかたないね。婿に行けなくなる前に神様助けてあげて下さい。
 だがどれだけ祈ろうと、この世に女神などいない。腐女神ならいる。どこに。教室の隅に。腐女神もとい因幡 良子(ja8039)と嵯峨野 楓(ja8257)が。
 2人して、ロッカーに隠れ覗いているのだ。採寸風景を。この暑いのに。つーか狭くないか。
(神埼ちゃん分かってるな、そして権現堂さん強い! 私もあの位度胸があればっ)
 あれば何だと言うのだ良子よ。覗かず堂々と剥きに行くのか? そもそも別に立ち入り禁止じゃない件。
 しかしそんなの関係ない、覗くことに意義があるのだ。っておい。
(バルハザードちゃん、藤咲ちゃん! 君達なら行ける……更なる高みへ!)
 上り詰めてどうする等というツッコミは置いといて。とりま男子が部屋を出るまでそこから動かないで下さい。多分何人か泣く。



「ほら、採寸まだなのはあと誰? さっさと脱ぎなさーい」
 青木 凛子(ja5657)の採寸はとにかく速かった。
 理由を問うても詳しい所は濁されるが……とにかく抱きつけばほぼ正確にサイズが分かる。
「俺もまだだっつってンだろ。何度言わせる」
 机に腰掛けたリュカ・アンティゼリ(ja6460)が退屈そうに言うが、凛子は歯牙にもかけずバッサリ切り捨てた。
「だから、測らなくても知ってるわよ」
「痩せた」
「嘘、あたしの目をナメないで。あと脱がないで」
「いや寧ろ尊敬してるぜ女王様? 伊達に男食ってねェなと」
「ちょっと、あたしの好感度下がるようなこと言わないでよ!」
「この位で影響するほど清純キャラじゃねェだろ。いっそお前の男遍歴暴露してやろうか――」
 ゴスっと鈍い音がする。凛子の鉄拳が、綺麗に鳩尾に決まったようだ。
「……ってェ、ちったァ手加減しろよ」
 程よく筋肉のついた腹部を摩りながら呻くリュカ。音が音だけに、月居 愁也(ja6837)も案じて声を掛ける……が。
「リュカ、大丈夫……ってお前なんで全部脱ごうとしてんだよ! 上だけだっつーの、下はいいんだよ下は!」
 ピコハンでツッコまざるをえなかった。
「おい……」
 恨めしげに睨むリュカ。やべぇとばかりに愁也は目をそらし、凛子の方へ。
「凛子さん、俺まだ採寸終わってない!」
「あら愁也ちゃん大胆。いいわよ、ハイ。ぎゅー」
 凛子は微笑を浮かべ、シャツを脱いだ愁也を正面から抱きしめた。
 腕を伸ばした姿勢のまま――大人しくしていようと思った矢先に、違和感が愁也を襲う。
「ぎゅ……って凛子さん、ちょっと」
 腰骨から脚へ掌を這わせる凛子。唇の端を釣り上げるオカン、流石マジ最強。
「あら、動かないで。腰のラインも重要なんだから」
「いやいやいや、そこ尻だから!」
「いいじゃない減るものでもない。何、触られたくない理由でもあるの?」
 呆れ口調で手を離す凛子。しかし愁也は何故か口を噤み。リュカが低く笑った。
「マニア向けの下着履いてるからだろ」
「!? ち、」
「違うってンなら、脱いで証明しろ」
 ――なに?
 謎の超展開に、周囲で作業をしていた学生達も一斉に振り返る。
 男の冷たい眼差し、女の熱い眼差し。これは事実だろうと違おうと、どちらにせよ居た堪れない状況。
(ど、どうする俺……!)
 脱ぐか、脱ぐしかないのか。否しかし。露出かマニアックか。否、しかし。
「あまり愁也をからかわないで下さい」
 最高のタイミングで保護者――もとい、夜来野 遥久(ja6843)が登場する。
「遥久!」
 助かった、とばかりに表情を明るくする愁也……だが。
「煽ると本当に脱ぎかねない」
「いや脱がねーから、絶対脱がねーから!」
 踏まれたり蹴られたり。
「……今日は採寸と聞きましたが、私はどうすれば」
「おい無視すんな遥久」
「愁也、脱げ」
「……リュカはちょっと黙ろうか」
 からの、絶望ポーズ。

 周囲を見回す遥久の姿に気づき、百々 清世(ja3082)が手を振る。
「はるひーおっつー、採寸なら凛子に測ってもらえば一瞬で終わる系〜」
 既に採寸を終えた彼は、買出し出発までの空き時間をダベりに費やしていたようだ。
 しかも原作ファンの女子と。お蔭で既に『シオン』の口調を完璧に再現――え? 元々こんな喋り方?
「なるほど、有難うございます」
 くるりと凛子の方へ向き直る遥久。しかし冷静な様子の彼に対し、オカンの胸中は複雑で。
(もう清世ってば何してくれてんのよ馬鹿やだ、超……グッジョブ!)
 イケメンを採寸ってだけで相当の役得だというのに、好みを具現化したような目の前の男に、抱きつける……?
 しかも上半身裸。やっべぇハグする前から心の鼻血が止まらない。
「あの〜その、これは仕事で……その」
「はい。お願いします、凛子さん」
「……ま、まままかせなさい!」
 凛子さん、顔真っ赤です。

「彼らはじろじろ女子に裸を見られて、気にならないのだろうか」
 壬生 薫(ja7712)に採寸を頼んだ天上院 理人(ja3053)は、賑やかに作業する周囲を眺め呟いた。
 見られて困る訳ではないが、必要以上に見せる意味など無い。
 薫も同じ考えだ。自分でやり辛い胸囲や肩幅だけ測ってもらえば、腰などは自分で測れるはず……と疑問を胸に。
 採寸が終わってもダラダラ駄弁る人間に至っては、尚更に理解できず。
「早く終わらせましょう」
 薫の言葉に、理人も頷く。早く済ませて買出しの手伝いに行く約束だ。

 程なく、材料費を受け取りに行っていた栗原 ひなこ(ja3001)が被服室へ戻ってきた。
「皆さん暑い中お疲れ様ー、真壁先輩にアイス買ってもらったよ! これ食べて買出し行こっ!」
「アイスっ! やっぱり海月さんは良い人なのです」
 くらげ大好きっ子・海原 満月(ja1372)は、何やら勝手に納得した様子で氷菓子を手に取る。
「ソーダフロートって、海に浮いたクラゲみたいなのです」
 かき氷のカップを見つめ、ご満悦の表情。
 色めき立つ一同。ひなこの周りへ人が集まる中、理人だけがそそくさと教室の隅っこへ。
「……あれっ、理人くんは?」
 一通り配り終え、ひなこは辺りを見回す。
「い、今行く。先に女性に配ってくれ」
「もう配り終わったよー」
「こっちを見るな、ひな……っ!」
 たかが上半身で、女子か! 等と言ってやるな。中学生男子の心は繊細なのだ。
「え、わっ!? ご、ごめんね理人くん〜!」
 動揺で顔を真っ赤にする理人であった。何だこれ、まさかの逆ラッキースケベ。

 ざわめく室内。喧騒に眉をひそめ、頻りに眼鏡を触る薫がいた。
「ん?」
 その背後で徐にピロリンと電子音。異変に気づいた薫は眉をひそめ教室の隅へ歩み寄る。
 あーあ、誰だよ写メった奴。楓だろ。知ってる。
「まさか、ずっと其処に……?」
『絵の参考になるかと思って……』
 ウェヒヒヒヒ、と笑う楓。しかし薫には到底理解できず。眼鏡を押さえたまま低い声で唸る。
「……あなた達は!」 
 やばいぞ逃げr――あ、逃げ道ないじゃん。お疲れ様です。


●惨

 一方その頃、定子の部屋には作業を一時中断して背伸びする女達の姿があった。
 腹が減っては戦ができぬ。ごはん休憩を挟もうといった所存。
「できたよー!」
 ルーネ(ja3012)と子猫巻 璃琥(ja6500)が、出来立てサンドを運んでくる。
「これはベーコンレタスサンド、こっちは貰ったレシピ参考にしてみたよ」
 炙った香ばしい厚切りベーコン。もう一方はマッシュポテトとピクルスがメインの夏仕様。焔から預かったレシピを再現したようだ。
「修羅場だからって野菜とらないと体壊します。両方召し上がって下さいね」
「あ、あと空いたお皿は重ねてねー」
 片付けまでが仕事。そう考えるルーネはやはり、抜かりない。
「了解でーす」
「……しかしBLサンドとは。ルーネ先生わかってらっしゃる」

 パンくずを払い一息ついて。定子が気合を入れ直す。
「ご馳走様!」
「はい、お粗末様でした〜」
「じゃあ再開だ、引き続きさっきの作業を進めて下さい」
 定子の言葉を合図に、全員が自分の作業へ戻る。
「子猫巻さん色塗りに戻っていいよー。片付け私がやっとくね」
「え、でもお皿多いし……」
 心配そうに言う璃琥へ、ルーネは笑って答える。
「大丈夫。推敲とチェックは順調だし、絵を描ける人はそっちに回って欲しいな」
「……ん、分かりました。それじゃお願いしますっ」
「まかせろっ!」

 席へ戻った璃琥に、今度は六道 鈴音(ja4192)が声を掛け。
「子猫巻さん、聞いてもいいですか」
「はい、私に分かる事なら……」
「範囲を塗りつぶすのってどれでしたっけ?」
 美術の成績は良かった鈴音だが、デジタル処理――というかマンガ寄りの絵は、割と未知の領域で。
 今回は予めエルレーンに色々教わってきたのだが、一気に全部を覚えるには、ソフトの機能が多すぎた。
 質問には璃琥もすぐに答える。引き受けた以上はきっちりやるのが、彼女のポリシーだ。
「あぁ、範囲選択は……って、ええええ!?」
 教えようとして画面を覗き込んだ璃琥が、叫ぶ。
 残念だが当然だ。なにせ鈴音の前の画面には、シャツのボタンが全開になったキャラの姿が……!
 おかしいな、元絵ではボタン上2つ以外留まってた筈なんだけど。
「エルレーンさんから教わった事を私なりに総括したんです、つまり肌色と絡みが多ければ皆さん喜ぶんですよね?」
「間違ってはいませんけど! けど!」
「なので、ココはもう少しサービスした方がいいかなーと」
 鈴音……恐ろしい子!
 俄然色めき立つ部屋の空気。耐えられないとばかりに頭を抱える璃琥。
(ああもう、これだからオープン腐女子はっ! けしからんもっとやれ!)
 と思ったら、本音えげつなかった。ああくそ、この部屋腐ってやがる!(※当然です)
「ほら、小中学生のファンもいるし、ね?」
 フォローに入るのは腕まくりをした楓。清く正しく美しく、モラル意識高い腐女子を目指したい。腐っても女子だから。腐ってるけど。
「うぅーわかりました。ちゃんと指示通りやりますよぉ……。
 あ、でもココは赤に変えていいよね? 赤のほうが3倍カッコイイよ! まかせろー!」
「やめてー!」
 助けてエルえもーん!

「そーいえば定子さん、ペーパーいるー?」
 思い出したように楓。乃ちサークル情報満載のチラシだが。
「あ! 忘れてた、余裕あればお願いします。引出しに前回のが入ってるから参考にっ」
「おっけー」
 引出しから目当てのモノを引っ張り出すと、楓はそれを見本に早速制作を始める。
(ふっ、マイナーなら布教すればいいだけ! 逆王道上等! 拡がれスオウ受の輪っ)
 瞬く間に量産されていく妙に艶っぽい男の絵。描き慣れている。明らかに!

 腐女子の品格とは何だったのか。

「こっちのチェック終わったよー」
「ありがとルーネちゃん! じゃ、次こっちお願いっ」
「はーい」
 印刷した原稿を回し読みしつつ、適宜赤を入れていくだけの簡単なお仕事です……が。
(どうしよ、公式が聖書すぎてニヨニヨが止まらない)
 いかん集中しろ、と己に言い聞かせてはみるものの。集中力<妄想力な現実。
 心中穏やかでないのは勿論ルーネだけでなく。妙にテンションが高い桐村 灯子(ja8321)に至っては、心の声が口から漏れ始め。
「これは……ほう、ふふふ……、つまり嫉妬ね」
 確認しながら熟読してしまったのか、熟読しながら確認しているのか。
「嫉妬だよね」
 そして突然食いつくルーネ。
「嫉妬のあまりスオウたん殴るツンデレ攻めアサギ様だと……!?」
 聞いてたんですね楓さん。ていうか誰もそこまで言ってないが大丈夫か。
「あれ、私いつの間に分裂したの……」
 仲間達の食いつき具合に、灯子が口元を覆う。うそ……魂の姉妹、多すぎ?
「って、あ。ここ間違ってるわ。静止しちゃダメでしょ、制止してよ」
 おっと目ざとい!
 ……まあ、仕事が正確ならば大目に見てやらんこともない(ツンデレ)。
 しかし揃いも揃って異様なテンションである。キャラ崩壊。シリアス不敗神話崩れり。最早腐敗神話。誰うま。
「うーん、そろそろこれの出番かな。爆裂元気エリュシオンZ!」
 ででーん。良子が取り出したのは、学園島で大人気のアレ!
 もう投入するのか! 栄養ドリンクきた! これで勝つる! ……キャラ崩壊してるのアシだけじゃない説。

(作る側に関わることで、キャラの新たな側面を発見したい……そう思っていた時期が、私にもありました)
 翼授かって更に加速するカオスを眺めながら、良子は思う。
(――ぶっちゃけ、作る側も大差ないものなのね)
 皆と一緒にバカ騒ぎ中の人気同人作家・越前海月を眺め、美しい幻想に別れを告げるのであった。



 衣装の制作も、概ね順調に。

 洋服はエルレーンと凛子、そしてメフィス・エナ(ja7041)が中心となって制作を。
「久々の衣装作り、腕が鳴るわね〜♪」
「ふたりとも、とぉっても上手なの。完成がたのしみだねぇ!」
 何だかんだ怒涛の勢いで進む工程。資料とサイズを元にメフィスが既存の型紙から近い物を探し、絵に近づける作業はエルレーンと手分けして進行。
「あ、コレの襟を変えたらいけそうじゃない?」
「はぅ。襟はこの型紙を、こう……曲線に書き直せば、OKだねぇ」
「よし、じゃあそれで! 私はこれ裁断しちゃうから、型紙の修正お願いね」
 手先が器用なメフィスにかかれば、裁断はすぐ終わる。ざっと仮縫いをしたら今度は凛子へ渡し。
「ふっ……伊達にお遊戯会の衣装縫いまくってないわよっ!」
 猛烈な勢いで布と戦うその姿は、正にミシンの鬼。

 着物やそれに近い民族衣装の類は、和服が得意な律と雪成 藤花(ja0292)を中心に。
「紅葉サマの衣装、完成したの……他に和服キャラで終わってないのがあったら回してほしいの」
「わ、助かります先輩っ」
「権現堂さんのホットラインが良い仕事したの」
「ほっとらいん?」
「……独自情報網なの」
 つまるところ、腐女子同士の横のつながりだ。友達がどこに良い素材があるとか、そんな情報には事欠かない。
 こだわりの生地だって、ご覧の通りである。お見せできないのが残念だが。
「それにしても、久遠ヶ原にも『ザワワヤ』があったんですね。知りませんでした」
「お店は広くないけど……早めに頼めば取り寄せておいてくれるの」
 他にも同様の素材を扱う店はあるけれど、やっぱりハンドメイド資材の専門店『ザワワヤ』は品揃えが違う。
「小間物や無難なアイテムは、商店街で安いものを探して手を加えればいいですしね」
 百円ショップやアパレル量販店。沢山の候補を前に、あれでもないこれでもないと悩むのも、手作りの醍醐味のひとつだ。
(……結構進みましたね。袴はあと刺繍だけかな?)
 大切に抱きかかえた作りかけの衣装を眺め、藤花は小さく笑う。
(大きい……。うん、先輩が着たら、きっとすごく格好いいです)



 〆切という名の戦場を乗り越えて――。
 迎えたくらケット本番。熱気に包まれた会場に、バーゲンより殺伐と列を成す女達。
 そんな光景を脇目に見つつ、一行は入口近くの休憩所で衣装の最終確認中。
「大丈夫かな……」
 ファンは受け入れてくれるだろうか。少しの不安と、自信。両方を胸に抱いたまま。
「皆さん似あってますよ、衣装も喜んでると思います」
 ふわっと微笑む藤花に見送られ、売り子達は会場へ足を向けた。
「いってらっしゃい先輩、終わったあとのお食事会はわたしもご一緒しますね」
 いつもの笑みで藤花に手を振る彼は、衣装のせいか、なんだか別の人のようにも見えて。
 裾を翻し立ち去る姿に見とれ――ああ、いけない。まだ片付けが残っている。
「一旦帰りましょう、エナ先輩、ここで寝たらダメですよ」
「ん、そうね」
 瞼同士がくっつきかけたメフィスにも声をかけ、藤花は作業場の片付けに向かう。
(ところで、同人誌即売会? って、どんなものなんでしょうか。文豪達の集い……?)
 トウカ天然カワイイ。

 ――サークル入場券には限りがある。朝4時まで雑務をこなした定子は当然の重役出勤。
 そんな訳で、会場直後の混沌を任された6人が先に入場。
 まずは『紅葉』に扮する夢野。赤い着流しに銀鼠の帯、脇差し代わりに篠笛を携え、前髪を少しだけ後ろへ流している。
 肌蹴た胸元に違和感を訴えていた彼だが、なんだかんだで一度着てしまえば満更でもない様子。
 芳水 紫(ja0465)は『ザクロ』という男の娘キャラになりきり、見事な紅のロングウィッグを靡かせる。
 瞳にはカラコン。これらを使い慣れている彼女――じゃなかった彼は、奇妙な程に違和感なく世界に溶け込んでいた。
「ボクは楽しければ其れで幸せだよ?」
 小悪魔キャラの再現も完璧、原作通りだ(多分)。印象的な紅色は『スオウ』と並ぶとまるで兄妹のようにも見える。
「だからスオウお兄ちゃん、ボクと遊んでよっ」
 と、事前勉強した作中台詞も駆使しつつ、全力で焔に絡む。
 絡まれ側の焔もまた、コスチューム着用でスイッチが入ったか、三割増にこやかに対応し。
「折角のイベントだもん、楽しまなくっちゃ損だよね!」
「そうだね〜」

 そんな2人の様子に、困惑の眼差しを向ける理人の姿もある。
「開場前からなりきる必要は無いだろう……特に星杜、君と僕は午後も店番だぞ?」
「全くですね。何ならお2人に全部お任せしたい位だ」
 と言って憚らない薫に、お金の管理を任されたエルレーンが一言。
「大丈夫、私がちゃぁんとスケッチしながらお金数えておくよっ」
「いえ遠慮してません。寧ろ会計に専念したいくらいです、そちらの方が性に合っていますので」
 バッサリ切り捨てる薫。しかし、その余裕も一瞬にして瓦解する。
「会計だけなんー? 一緒に女の子と話そーぜー?」
「!?」
 背後からひょこっと顔を出した清世に、振向き驚愕した薫は慌て飛びのく。
「あれ〜清世さんチケット少ないなら重役出勤するって言ってなかったっけ……」
「おーほむほむ! そのつもりだったんだけど、昨日女友達に話したら入場券くれてさー」
 恐るべし清世。否むしろ、恐るべし隠れ腐ギャルと言うべきか。
「ま、その娘にアドバイス聞いてきたし今日は大船に乗ったつもりでー!」
 ……なんか、寧ろ不安。(腐女子怖い的な意味で)



 開場と同時になだれ込む人々。流石は人気サークル、1番に訪れる客も少なくない。
「ブログ記事本当だったんだ〜、レイヤーさん完成度高すぎ」
「1人がクオリティ高いのは結構あるけど、合わせ全員はハンパない」
 漏れ聞こえる乙女達の声に、一先ず成功だねと胸を撫で下ろす。

「紅葉サマ握手して下さい!」
 何やら演技がかったサクラがいる……と思ったら、コス姿の桜弥。通りがかりを装いファンアピール開始。
「越前海月さんの作品は最高よね。私もファンよ。特に紅葉サマの!」
 遠い目をした夢野と超握手。
「あ、あれ歌い手のサヤ?」
「マジだ」
「一緒にいるの誰?」
「きくらげ倶楽部のゲームのキャラー」
 中々の話題性。出だしは順調。

 ――問題はそこからだった。

「わざわざ小銭を持ってきたのか。律儀な事だ、褒めてやろう」
 小銭を受け取り新刊を渡すと、客の少女がおずおずと申し出る。
「く、海月様が呟きでカメコ登録すれば撮影OKと……写真お願いしても宜しいでありますか」
 気恥しさはあれど。これも仕事の一環と、頷けば明るくなる少女の顔。
 だが次の瞬間、その笑顔と引き換えに、理人の顔から余裕が消える。
「恐れ入りますっ、呵らばスオウ様と肩を組んで頂きたく!」
 ……んっ?
 浮かぶハテナ。だが聞いちゃいねぇ。
「僭越ながら私アサギ様の下僕でして、嫌々スオウ様に肩を借りるあの場面が胸熱で! 是非とも3次元で再現!」
 日本語でおk。てか何だ下僕って。
「……君達の考えは理解に苦しむ、する気もないが」
 思わず本音がポロリ。だが腐ィルターは強い。あばたもえくぼ。
「アサギ様の役作り完璧すぎワロス、と」
「え、いや」
 これには流石の理人も困惑気味で。一般客に混ざり会場へ入っていたひなこは、慌てる彼を見て笑い。
(ん〜熱中症対策にと思ってスポドリ持ってきたけど……あ、そうだ写真撮っちゃえ)
「ひ、ひな!? 何撮っ……」
「アサギ様マジクール!」
「ほらほら良いから! お客さん達がお呼びだよっ」
 悪戯っぽい笑みを浮かべ、シャッターを切り続けるひなこ。
「お前の悪態は全部照れ隠しだしな〜? アサギ」
「なっ……」
 にやり笑いの焔さんマジドS。気圧されてびくつく理人の姿に、客のボルテージは最高潮へ。

 無茶ぶり可と判断されたか。続く客達は次々無茶な要求をし始め。
「ザクロ君、スミレさん困らせてー!」
「……とお客様がご所望なので、全力で行きますね」
 意地悪げに微笑する小悪魔・紫。動揺する薫へ上目遣いでじりじりと。艷やかな唇が、迫る。
「女性が唇を安売りしないで下さい」
「大丈夫、ボク男だから」
 ――尚悪い。心の中で叫ぶ薫、掌で唇をガードするが。
「薫ちゃん隙ありー」
 と、背後に迫る清世にまでは思慮至らず。抱きつき耳かぷり。
「やばい私の目腐った」
「ちょwwシオンwww」
「メディーック!」
 どよめき。おかしい困ってるの薫だけだ。
「そういう事は他の方にして下さい……!」
 崩落。



 午前メンバーと入れ替わる形で、昼過ぎに残りの人員が到着した。愁也と遥久、友真、リュカ。そして満月。
「海月さんから差入れなのです」
 満月に紙袋を渡され、何だろうと覗き込む焔と清世。
「……悪意を感じるね〜」
「海原ちゃん悪戯少年セキチクだしなー、真壁ちゃんの手の込んだ演出だと思うしかねーわ」
 ソーセージ、バナナ、太巻きに稲荷鮨。小学生に運ばせるなと言いたいが、満月曰く
「ボクは小学生なので理解できてない事になってるです。なので大丈夫なのです」
 大丈夫だ、問題しかない。

 惨事ゲンから目を逸せど、背後もまた惨事。
「いやぁぁあキンレン君可愛い!」
「ギンシュ萌え!」
 黄色い悲鳴に笑顔で手を振る友真と愁也。お揃い色違いの衣装で登場だ。
「2ショット撮らせて下さい!」
「ん〜どうしようかなー、新刊買ってくれたら考えるっ」
「いいけど、兄弟撮って楽しいかぁ? どうせならシロガネとのツーショ撮ってー俺も財布に入れるからっ」
 腐女子達の悲鳴。公式が病気だよ、とばかりに泣き出すファンまで現れる始末。
「あざとい! でも好き!」
 乙女心は複雑だ。
「愁……ギンシュ、ここにいたのか」
 そこへ追討ちをかけるようにシロガネ登場。長袖の騎士服に長髪ウィッグ。明らかに暑そうだが、涼しい顔の遥久。プロだ。
「俺も探してたー! 一緒にメシ食おうぜっ」
 公然と駆け寄り抱きつく愁也もといギンシュ。違和感なさすぎて間違……げふん。
「あぁ。あと20冊売れれば手が空くんだが」
「多いなー。折角あーんしてやろうと思ったのに」
「あーん……」
「あ、口移し希望?」
「……少し黙れ」
 そんな餌に訓練された腐女子が釣られ……クマー。怒涛の勢いで売れる新刊。ほくそ笑む小悪魔(笑)愁也。

「ロッソ、遅い!」
 イチャ……仲の良い幼馴染2人を羨……疎ましげに見ていたキンレンは、些か苛立った様子で彼を出迎える。
 西欧マフィア風のスーツを身に纏い『ロッソ』が姿を現した。
「煙草ぐらいゆっくり吸わせろ」
「そや……だけどね、シロガネがまた兄さんを」
「――余程痛い目に遭いたいンだな。いいぜ、あの澄ました顔……歪ませてやろう」
「ん、兄さんは貴方の駒だもんね」
「当然。今更言わせンな」
「でもロッソ、兄さんを危険に晒さないでね? もし兄さんが死んだら、俺アンタのこと殺しちゃうよ」
 殺伐とした台詞を吐きながら、友真はリュカの肩に右手を伸ばす。
「ハッ、お前もとんだ悪魔だな……嫌いじゃねェよ」
 ――尚、ここまでほぼ原作スピンオフの再現です。
 騒いでいた女子達も、流石に口を噤み彼らの演技(?)に見入っている。今更だがどんな原作だコレ。

「お客さんの反応中々やな。も少し煽っとく? 満月ちゃんが言うてた『喉仏のゴミを取るポーズ』とか」
 等と、小声で冗談。それは休憩の際に教わった『キスに見える絵面』、つまり顎クイ。
 だが――リュカの辞書に冗談という言葉は存在せず。不意に近づき、顎を上向け。リュカは無言で、友真の喉元に舌を這わせた。べろり。
「 」
 声にならない悲鳴をあげる友真、そして女子達。
「ゴミ取れただろ」
 したり顔で宣うリュカは、やはり一枚も二枚も上手か。更によろめいた友真、勢い余り列の女性へ激突。
「わ、すんませ……ひぎゃぁぁぁー!?」
 正しく追討ちの如く、友真の視界に飛び込んできた桃色触手。女性が手にしていた触手本の表紙。
 なんでこうピンポイントに……って。それは友真が幸運の女神に哀されている証拠、か。

 ちなみに、
「遥久……俺らもやるべk」
「真似しなくていい」
 速攻却下されていた件。




「うふふ、最高だったのぉ!」
「本当だよ〜あの時の理人くんったら!」
 姦しく笑い合う。無意識ながら、理人と焔、友真に追討ちをかけるが如く。

「あ、写真できたよ!」
 ルーネの一言に男性陣が身構える中、愁也や遥久、清世にリュカは驚く程に通常運転だったとか。

 夕刻から始まる打上げは夜まで続き――苦労を共にした仲間達の絆は、更に深まる。


依頼結果

依頼成功度:成功
MVP: −
重体: −
面白かった!:20人

思い繋ぎし紫光の藤姫・
星杜 藤花(ja0292)

卒業 女 アストラルヴァンガード
こう見えて悪ノリ好き・
芳水 紫(ja0465)

卒業 男 ダアト
Blue Sphere Ballad・
君田 夢野(ja0561)

卒業 男 ルインズブレイド
┌(┌ ^o^)┐<背徳王・
エルレーン・バルハザード(ja0889)

大学部5年242組 女 鬼道忍軍
海鮮パティシエ・
海原 満月(ja1372)

中等部3年1組 女 アストラルヴァンガード
懐かしい未来の夢を見た・
栗原 ひなこ(ja3001)

大学部5年255組 女 アストラルヴァンガード
誠士郎の花嫁・
青戸ルーネ(ja3012)

大学部4年21組 女 ルインズブレイド
撃退士・
天上院 理人(ja3053)

卒業 男 ディバインナイト
オシャレでスマート・
百々 清世(ja3082)

大学部8年97組 男 インフィルトレイター
闇の戦慄(自称)・
六道 鈴音(ja4192)

大学部5年7組 女 ダアト
噂の『サヤ』・
権現堂 桜弥(ja4461)

大学部9年244組 女 アストラルヴァンガード
思い繋ぎし翠光の焔・
星杜 焔(ja5378)

卒業 男 ディバインナイト
撃退士・
青木 凛子(ja5657)

大学部5年290組 女 インフィルトレイター
撃退士・
リュカ・アンティゼリ(ja6460)

大学部7年75組 男 阿修羅
泡沫なる夢いつかの約束・
子猫巻 璃琥(ja6500)

大学部4年135組 女 ダアト
輝く未来を月夜は渡る・
月居 愁也(ja6837)

卒業 男 阿修羅
蒼閃霆公の魂を継ぎし者・
夜来野 遥久(ja6843)

卒業 男 アストラルヴァンガード
真愛しきすべてをこの手に・
小野友真(ja6901)

卒業 男 インフィルトレイター
押すなよ?絶対押すなよ?・
メフィス・ロットハール(ja7041)

大学部7年107組 女 ルインズブレイド
SHACHIKU・
壬生 薫(ja7712)

大学部8年76組 男 ルインズブレイド
┌(┌ ^o^)┐・
因幡 良子(ja8039)

大学部6年300組 女 アストラルヴァンガード
京想う、紅葉舞う・
神埼 律(ja8118)

大学部4年284組 女 鬼道忍軍
怠惰なるデート・
嵯峨野 楓(ja8257)

大学部6年261組 女 陰陽師
余暇満喫中・
柊 灯子(ja8321)

大学部2年104組 女 鬼道忍軍
輝く未来の訪れ願う・
櫟 千尋(ja8564)

大学部4年228組 女 インフィルトレイター