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マスター:九三壱八
シナリオ形態:イベント
難易度:普通
参加人数:25人
サポート:1人
リプレイ完成日時:2014/05/06


みんなの思い出



オープニング

 城山の頂上に、その一角はあった。
 平地にならされた広場。多角形のような周辺は柵と桜に囲まれ、穏やかな春の風に薄紅の花弁を揺らせている。はらり、はらりと零れるのは、盛りの時期を過ぎたからか。
 けれどだからこそ、風の度に花吹雪が空を舞う。
 標高、約六十一・七メートル。
 徳島城公園、城山、本丸跡。
 すでに城はなく、ただ石垣と石段だけが当時を偲ばせるかのようなその広場は、そこに至るまでにある急な石段のせいか、それとも地上にも立派な桜並木があるせいか、花盛りの頃ですら、見事な花をゆったりと堪能できるスポットだった。

 そう、つい昨日までは。

「おでんー。おでんはいかがかなー?」
「焼き鳥焼きたてだよー!」

 城山の上にあるはずの無い賑やかな屋台。鼻腔をくすぐる香しい匂い。
 焼けたソースの匂いは、たこ焼きか、みたらし団子か、焼き鳥か。風が吹くたびそれぞれの匂いが漂ってきて、口の中にじんわりと涎が溢れてくる。
 むき出しの固い土壌はそのままに、あちらこちらの桜の下には緋毛氈。蓙やブルーシートの代わりに木の板を並べ、そこに畳を敷き、さらにその上に場に合うよう毛氈が敷かれた形だ。
 お花見特有の甘味を扱う茶屋もちんまりと作られ、こちらも緋毛氈を敷いて雰囲気を出している。
 広場の東側には特設のステージ。簡素ながら、カラオケ等もできるよう設営されている。
 常にはない光景。けれど今日だけは特別。

「三色団子〜。みたらし団子もあるよ〜」
「たこ焼きはいらんかね〜?」
「お酒は二十歳になってからだよー」
「清掃の疲れを癒していきなァ」

 酔客の増える連日の花見。心無い人達の心無い振る舞いで、掃除の手も追いつかなかった。依頼に来てくれた人達に、散りゆく最後の桜をせめて楽しんでもらえればと、音頭をとったのはいつもの地主・阿波座権左右衛門だ。
 会場設営も別の学生達に別口で知人が頼んだ、というのは秘密だが。
「辛いこともあった。しんどい事もあったやろう。けんどまぁ、今日ぐらいはのんびりと、な」
 コップを片手に阿波座は笑う。
 時刻は正午をほんの少し過ぎた所。
「飲んで食べて、花見して、英気を養ってくれや」
 笑顔の出資者に、一同は揃ってグラスを掲げる。



「乾杯!」



 春の宴が始まった。






リプレイ本文



 青い空の下、撃退士達は清掃に励む。
「ここはこれぐらい、かな」
 ぐい、と腕で汗を拭うのは清純 ひかる(jb8844)。天空領域で木の枝に引っかかったゴミすら拾う彼の清掃範囲には塵一つ落ちていない。恐ろしいほどの全力。手を抜くことは一切無い。
「満開の桜は、この時期しか楽しめない美しさだからね」
 風と共に舞い降りる桜の花に祝福されながら、ひかるは優しく微笑む。
「宴になる……てことは、ゴミ箱は増やしておいたほうがいいね」
 丁寧に掃除をこなし、龍崎海(ja0565)は即席のゴミ箱を設置する。終わった後に清掃するのも自分達。それを思えば実に合理的だ。
 砂利道を挟んだ反対側の広場でゴミを集めているのはナナシ(jb3008)だ。
(せっかくの綺麗な桜の風景なのに、ゴミで汚されたら勿体ない)
 自分の体の半分より大きなゴミ袋を手にせっせと集めては収集場所に持って行く。その向こうで静かに清掃をしているのは日下部 千夜(ja7997)。丁寧な清掃ながら、ふと気づきそちらを見ても、桜の影に紛れて見失う程ひっそりとしている。
 逆に凄まじく(色んな意味で)華々しい男が一人。
『イヤー!桜の季節デスネー、ゴミも多いですねー、今日もエプロン掃除の気分イエイ!』

\カッ!/

 謎の効果光と共にフリフリエプロンを身につけた超絶イケメンが現れた。その正体はMarked One(jb2910)。さっきまで仮面被った全身タイツだった男である。とてもじゃないがイコールで結び付けられない。箒を持って掃除していく姿に、道行く一般人が思わず振り返るほどだ。
 が。
「やはり、箒では効率が悪いですネーここはワタシの魔術尻魔旋(しりません)でゴミ収集でーす」
 次の瞬間、尻に仕込んだ護符を使い竜巻を起こしてゴミを集めだした!
「これで手早ク解ケツ!」
 どう見ても放屁トルネード。しかし神様がそんなトルネードを見逃すはずもなく!
「イヤーこれで楽チ…んっ?」

\すぽーん!/

 なんと自らトルネードに巻き込まれ!
「ア〜レ〜……」
 声と共に、彼は空へと旅立った。
 合唱。





 陽光暖かく、風穏やか。いかにもな花見日和に、星杜 藤花(ja0292)は柔らかく目を細めた。
「お花がきれいだねえ」
「ええ。綺麗ですね」
 隣に立つ星杜 焔(ja5378)の声に笑みを零す。
そんな二人が歩み去った桜並木の前、若杉 英斗(ja4230)は周囲を見渡していた。
(…なんだろう、この既視感。きっと気のせいだよね!)
 キリッと顔を上げ、英斗は花見弁当片手にイメトレに入る。そう、声かけとか!

「きれいですね、鎹先生」
 そうだな、若杉君。あの辺の桜なんて見事だ(イメージボイス)
「違いますよ。僕は先生がキレイだと言ってるんです」

(…無理)
 英斗は0.5秒でイメトレを切り上げた。
 そんな英斗の斜め後ろ、花園に何かを触発された人が一人。
「――フッ、今日こそは持って来たぜ?愛用のデジカメを…ッ!」
 シャキーンッ!と自慢のデジカメを掲げるのは小田切ルビィ(ja0841)。構図を工夫しながら桜や花見を楽しむ皆の様子を撮影しつつ、屋台の味もしっかりと調査する。
「桜餅はあるのに…道明寺は無い、だと…!?実はマイナーな一品だったのか…」
 ふらりと立ち寄った茶屋にて、道明寺が無い事に驚愕――したのは一瞬だった。
「桜餅、が道明寺…?」
 出された品に新発見。
「調べてみると面白そうだな」
 身近な食にも未知の世界があるのだった。


「これが花見……か」
 初めての日本の花見初体験、という事で日本酒と三色団子を購入し、ファウスト(jb8866)は緋毛氈に腰かける。その近くには大きな枝垂れ桜。
(悪くない……)
 ゆったりとした時間を感じさせる空気に、ファウストは口元を僅かに綻ばせた。
「三色団子にみたらし団子……この季節は団子が旨いな」
 花見弁当だけでは食べ足りず、茶屋で舌鼓を打つのは月詠 神削(ja5265)。少年の胃袋に対し弁当一個は小さすぎた。ほとんど飲むように団子を平らげていく姿はある意味圧巻だ。


「おーう、良い天気だぁな」
 桜の道を歩み、桜花の天蓋を見上げるコルアト・アルケーツ(jb5851)の眼差しは優しい。
(今も昔も、四季を楽しむ心を忘れねぇってのぁ、最高だ。昔の嫁さんも、空の上で笑ってりゃぁいいがなぁ…)
 降り注ぐ日差しは優しく、花々はふわふわと笑うばかり。コルアトはほろりと苦笑を零した。
「ま、とりあえずは腹ごしらえといこうかね」
 満開の花の隙間から、祝福するように光がきらきらと瞬いている。
 その光を浴び、インレ(jb3056)は目を細めた。
(良い天気だ。……それに盛りが過ぎた桜もまた悪くないのう)
 花弁を透かして届く光は淡く、はらはらと舞い降りる様は光の欠片が降りる様。
(最近は忙しかったからな。のんびりさせて貰おう)
 花が舞う。
 重なり合った影の中、踊る桃色は色濃く、この地に流れる鮮血にも見える。
 そんな中、求めた団子を口に含み、マルドナ ナイド(jb7854)は目を細めた。
 舌に甘やかな味が広がる。人間の食べ物。そう、これは家畜の、餌。
 人間を家畜とする冥魔の性質は、人の子の苦しみを自らも受け屠殺してきた罪の浄化を願いはぐれた今も変わらない。口に含み咀嚼する物は家畜達の餌。それを飲み込む。
(嗚呼)
 淫蕩な笑みが口元に浮かびかけるのを手で押さえ誤魔化す。
 堕ちていく。堕ちていく。
 落ちた先にもきっと闇しか無い。そう思うと細めた瞳に愉悦の色が滲むのだった。


「花見弁当頂いていこうか」
 片付けを済ませ、歩く穂原多門(ja0895)は隣を見下ろした。艶やかな黒髪が動いて、巫 桜華(jb1163)がパッと振り仰ぐ。
「春ノお弁当。楽しみでス!」
 桜華はにこりと微笑んだ。
「お仕事の後ノお花見は、また格別デスね♪」
 優しい空気が生まれる傍ら、どよんちょとした顔の青年も。
(どうして俺がタダ働きなんか……)
 胡乱な目で空を見上げ、百目鬼 揺籠(jb8361)は満開の桜が揺れる姿に嘆息をつく。
(まぁ桜、綺麗だから善いですか)
 そんな揺籠の後ろ、桜並木をちょこちょこと歩くのは白磁 光奈(jb9496)だ。
(桜、とても綺麗、ね?上も下も桜色。妖精が舞い踊って、祝福しているみたい…)
 視線を前へ向ければ揺籠の姿。くす、と小さく笑みを零す。
(目のあに様も嬉しそうで、私も嬉しい、わ)
 てて、と歩み寄ると、声をかける前に振り返られた。
「お疲れさまです。大変じゃありませんでした?」
「目のあに様こそ、お疲れ様、ね?」
 くす、と笑い「私は、全然平気、よ?」と悪戯な色を目に浮かべる。
 そんな二人の後ろを通り過ぎ、強羅 龍仁(ja8161)はしみじみと周囲を見渡した。
(真逆ここでこうして花見を出来るとはな…)
 満開の桜を見つめ感慨に耽る。かつて大天使と戦った。ここはその激戦の地だ。高級花見弁当を持つ手に力がこもる。
(いかんな。まずは弁当だ)
 地域の特色を如何に生かしているか、家で作れるか(ここ重要)。一つ一つ丁寧に食し、研究する為そっと賑やかな場所から静かな場所へと歩いていく。
 通り過ぎた屋台の前から離れるのは石田 神楽(ja4485)だ。
(この時期は桜の花が映えますね。平和は良いものです)
 向こうから歩いてくるのは宇田川 千鶴(ja1613)。右手にたこ焼き、左手にビールと日本酒。
「焼きたてもらった」
「いい匂いですね。あぁ、持ちますよ」
 神楽達が向かうのは緋毛氈で寛ぐ鎹 雅(jz0140)所だ。
「お疲れ様です、先生」
「先生、お疲れ様です」
「おお。二人ともいらっしゃい!」
 千鶴と神楽の声に雅は顔を輝かせた。いそいそと場所を空けて招く。
「お疲れ様。皆のおかげで綺麗になったよ」
「先生も日頃の疲れ取って下さいね」
「ふふ。ありがとう」
 互いに注ぎ合い、お茶と日本酒で乾杯する。
「出店のたこ焼きの割に結構美味しい」
「たこ焼きって屋台によって味の差が大きいですよね」
「な」
 頷き、二個目を冷まそうとふーふーしている雅を見て、ふと神楽は思い出した。
「以前先生が無茶した時、私お説教しましたっけ?」
「ほぐ!?」
 危うくたこ焼きを吹き出しかけた。
「鎹先生はいないかな?」
 人づてに話を聞き、英斗が顔を覗かせたのはその時だ。
「先生!?」
「た、たこ焼き(とぽんぽこ)に逆襲された」
 心の声を察知してるのか神楽がにこにこ。
 休んでいき、と言われ英斗も加わって四人でしばし花見に興じる。
「この様子では、桜も見納めだなぁ」
「ですね」
 風に優しい匂いが混じるのに、英斗はキリッと表情を引き締めた。
「桜は、散るからこそ美しい!」
「お?」
 皆が思わず英斗を見やる。向かう先は、カラオケステージ!
「5番、『僕の隣りにエア彼女』」
 自作!

♪僕の隣りで〜 微笑む君〜
♪その笑顔で〜 僕の心は癒される〜
♪でも〜
♪宙を漂う〜 僕の手が〜
♪君に触れる〜 ことはない〜
♪それでも君は〜 そこにいる〜
♪たしかに〜 僕の〜 そばにいる〜
♪僕はそれで〜 幸せなのさ〜

 時代よっ!俺に微笑みかけろっ!!

「うわぁ〜ん!」
「若杉君どうした!?」
 泣きながら走り去る英斗に「ちょっと行ってくるな!」と雅がたこ焼き抱えて追いかける。見送り、ふと千鶴は隣を見た。
「あのたこ焼き、神楽さんのやね」
 にこにこ。





「美味しそうな匂いもちらほら…ご飯いただきましょうか」
 藤花の声に焔は頷いた。その目線は先程から屋台に注がれっぱなしだ。
「屋台の方もお手伝いできるとよかったなあ〜」
 その様子に微笑み、藤花は沢山の屋台に真剣に悩む。
「こんなに一杯はいただけませんね。どれにしましょうか…」
「おでん〜おでん〜」
 わくわくとした声が隣から。
(高級花見弁当も食べてみたいな〜)
 あんまりにも嬉しげに選んでいるものだから、藤花もわくわくしてくる。それでもこれだけは言わなくてはならない。
「焔さんも食べ過ぎはいけませんよ?」


「私は日本酒呑みたいが…桜華は何を飲むかな?」
 桜の苑を見渡せる位置を確保し、多門は桜華に問う。桜華はふわっと微笑んだ。
「ウチは未成年ですシ、お茶で乾杯させていただきマスね」
「そうか」
「早く多門サンと一緒にお酒飲めるようニなりたいでス!」 
 にこ、と微笑まれ、そうか、と咳混じりに呟く。
「ドウかしまシたカ?」
「いや、」
 僅かに跳ねた心音を隠すように咳で整える。思ったことを言葉にするのはとても難しい。言わねば、という気持ちが持ち上がる反面、いつどうやって、と反問する己が居る。
「『乾杯』でスね♪」
 無邪気に杯を掲げるのに合わせ、そっと小さく乾杯する。その時、コップの上に花弁が舞い降りた。
「…あ、桜が…」
 ふわ、とほころぶようにして微笑う。
「こういうのを、オツ、だというのでスよネv」
 唇に当たった花弁がコクンと喉を通っていく。その不思議な感覚に笑みを零し、弁当へ箸をすすませる桜華に、多門もまた眼差しを和らげた。
 料理を楽しむ桜華も、散るゆく桜の風情も、どちらも目に眩しく映った。ついつい酒が進むのを感じながら、多門はふとぽつりと呟いた。
「ああ……なんだ、その、この桜は素晴らしく綺麗だが……」
 もしかすると、少し飲み過ぎたかもしれない。
「その華の名前を戴く桜華はそれ以上に…そのなんだ……奇麗だなと思う…」
 ぼそりと呟く顔は、酔いを理由にしても目元が赤らんでいて。
 桜華は取り落とした箸をそのままに、耳まで朱に染め心からの喜びを込め多門をぎゅっと抱きしめた。


 穏やかな時の中、緋毛氈の上に座りひかるはゆったりとした時間を楽しんでいた。
 その体の上にはらはらと桜の花弁が舞い降りる。どこかその様は、なごり雪のようにも見える。
「桜吹雪って、本当に何度見ても綺麗だよな。時期が短いのが残念だけど」
 永遠には存在しない美。
 それは、まさに一瞬の綺羅にも似た美しさ。
 噛み締めるようにその光景を見つめ、ひかるは微笑った。
「それもあるから余計に綺麗なのかな?」
 そんな茶屋近く、舞い降りる花弁を掌で受け、神月 熾弦(ja0358)は表情を綻ばせた。
「あれこれと大きな戦いもあるのでこんな花見の機会、とれるか心配していましたが……ご一緒出来て良かったです」
 隣を歩むファティナ・V・アイゼンブルク(ja0454)が頷く。
「立て続けに大きな事件がありましたからね…こういう機会も何時得られるか分かりませんし、ゆっくり楽しみましょう」
 その笑顔を見つめ、熾弦は心配げな顔になる。
「ほら、ファティナさん、あちらに座れる所がありますから」
「え? ええ」
「リゼラとの戦いで大きい怪我をしたんですから無理をしないで。欲しいものは言っていただければ買ってきますし、あまり動かれては……」
「え? あ、け、怪我はもう治ってますし見ての通り元気ですから大丈夫ですよ」
 真剣な熾弦の声にファティナは動きを抑えるように軽く両手をあげる。熾弦とてもう治っていることは理解している。けれど、不安なのだ。
「…でも心配をお掛けしたのは事実ですしね…お言葉に甘えてさせて頂いて何かお願いさせて頂きましょうか…」
 その気持ちを察し、ファティナは柔らかく微笑んだ。
「みたらしお団子あるようですし!」
「みたらし団子ですね!」
 見つけたノボリに声をあげると、熾弦が笑顔で取りに向かう。申し訳ないような面はゆいような。
「そんなに心配しなくても、大丈夫ですよ」
 ファティナの声に、熾弦は僅かに目を伏せた。
「なんだか、少し目を離したり離れたりするとまた無茶をされそうで落ち着きません」
「あはは…否定出来ないのが何とも…ご心配ばかりお掛けしてすみまs…へっ!?」
 肩を抱き寄せ、胸に抱えるように抱きしめられてファティナの鼓動が跳ね上がった。
「あ、し、熾弦さん…ここ人目もありますし…」
 声に応えは無い。駆け足な鼓動が聞こえないか心配になる。けれどそれ以上に嬉しくて。
「……」
 寄り添う二人を花弁を透かした光が優しく抱きしめていた。


 旅館で暮らす仲間達に土産を。
 そう思い、市ならぬ売店に立ち寄った揺籠と光奈は、並ぶ品をややも真剣な表情で見下ろしていた。
「さて。何が喜ばれますか」
「小さい子には、食べやすい、甘いお菓子が、いいかもしれない、わ」
「んー……じゃあこれ、でしょうか」
 揺籠は桜餅を示す。人数分を頼む傍ら、目を煌めかせて周囲を見つめる光奈をちらと見下ろした。
「白磁サンも。好きなのをどうぞ」 
 思わず目を丸くした光奈の前、揺籠は財布出しながら売店を指さす。
「私…?でも、いい、の?」
「善いですよ、頑張ったご褒美です」
 頷き、自分のみたらし団子と日本酒をひょいひょいと摘まみ上げる。
 さぁ、と促すように見下ろされ、光奈ははにかむようにして微笑んだ。
「あに様が良いって言うなら、少しだけ…みたらし団子が、いい」




 食べ終えた花見弁当をゴミ箱に入れ、日下部は静かに桜を仰ぎ見る。さわさわと揺れる花弁を見つめ、僅かに目を細めるもその表情は変わらず『無』のままだ。
 桜を楽しんでいないわけではない。だが、無表情は依然として動かない。
 ふと、その目が屋台のたこ焼き屋に向けられた。
 表情は変わらない。
 けれどその身の雰囲気が僅かに変わる。
 たこ焼きは大切だった人との思い出の食べ物だ。
 離れた原因は自分にある。胸を締め付けるのは切なさだ。
「……一つ、いただけますでしょうか」
「まいどありィ!」
 笑顔で渡されたたこ焼きは暖かかった。独特のソースの匂いが鼻腔をくすぐる。
 思いだす。同時に感じるのは自分の不甲斐なさや不誠実さ。
 蓋を開ければ花鰹がふわふわと踊っている。
 依然として変わらない無表情のまま、暖かなそれを口に含む。
 じゅわ、と染みる熱と旨み。舌に感じるソース。飲み下し、唇についたソースを拭う。
「……美味しいですね」
 表情は動かない。
 ただ、その気配はどこか悲しげだった。


 天と地を桜が埋め尽くす。
 大きな桜の幹に腰掛け、ナナシは三色団子をぱくりと食べていた。非常に軽く、天魔の翼で飛翔も出来る者達だからこそ可能な腰掛けだ。
「立派な桜ね」
 枝を優しく撫で、ナナシは息を吸い込む。柔らかな匂いがした。上下左右。どこを見ても桜に囲まれている。光を淡く透す花弁は、陽光で一枚一枚が白い輝きに包まれているかのよう。風に吹かれる度、はらりはらりとその花弁を散らす。
「もう、桜の季節も終りね……散る花びらは綺麗だけれど。少し寂しい気分にもなるわ」
 はらり、と落ちてきた花弁。受け止め、ナナシは穏やかに目を細めた。
「……押し花にしようかな」


 ヒリュウを頭に乗せ、ふらりふらりと水枷ユウ(ja0591)は食べ歩く。 
「おでん、は、はんぺんと、がんも」
 次はたこ焼き。マヨ無し限定。次は焼き鳥、腿・皮・ねぎまの塩焼きは外せない。その次は焼きそばだ。
 まず一口、
「‥‥あつい」
 ふーふーしてもぐもぐ。残りは上でじっと待ってるヒリュウにあげ、一人と一匹は屋台を満喫する。何か白い海産物の成れの果てがあった気がするけどきっと気のせい(記憶削除)。
 ここまでは平和だった。
「‥‥ん、おなかいっぱいだし飲み物でも――」
 そう呟き、向かった先で悲劇は起きた。
「え。バナナオレない?」
 瞬間、ピキンと空気が凍った。
「どうしてバナナオレ置いてないの?お茶もスポーツドリンクも炭酸もあるのにバナナオレはないの? 普通、最優先に準備するはずだよね?そうだよね?じゃあどうしてバナナオレだけないの?」
 声に比例して空気がどんどん冷えてくる。あれもしかして雪女、と思ったところで横からバナナオレが出てきた。
「ほい」
 雅のバナナオレにユウが見事に釣られる。ちぅー、と早速飲み干し、ユウはキリッとした顔で告げた。
「もう。わたしは手持ちもあるから良いけど、次はちゃんと用意しとかないと、めっ、だよ」
 どうやら暴風雪は免れたようだ。





(綺麗な花弁を拾って貼り絵にして子供に見せたいな)
 家で留守番をしているあの子は、今どうしているだろう。
(ああ、ここに筆があればもっと良かったのに)
 デジカメで風景を収めつつ、藤花は溜息を零すように心の中で呟いた。目で捉えた光景と心の中に生まれた景象。その全てをそっと筆で画に起こすのだ。思いと共に瞬きを閉じ込めるように。
「藤花ちゃん」
「え?」
 見上げれば、焔が微笑んで桜の花弁を摘んでいる。
「ありがとうございます」
 微笑って礼を言い、目の前にはらり舞い降りた花弁に目を細める。
 散る桜。綺麗だと思う。
 芽吹き、育ち、花開き、散る。それが定め。
(…悲しいけれど)
 ふと花開くように微笑んだ人を思い出す。冬の剣山。わずかに目頭が熱くなる。
 そんな藤花の髪を軽く撫で、焔もまた桜を見上げる。ふと思い立ち、藤花をそっと見下ろした。
(今度桜っぽい感じの髪飾り作ってみよう…)
 一人遊びばかりの人生で磨かれた技術。優しい彼女には桜の意匠はきっと似合うだろう。
(喜んでもらえるかな〜)
 ほんの少しでも優しい暖かいものを分かち合えるように。
 寄り添う二人の上に花弁がそっと降り注いでいた。


 茶屋で鉢合わせたのは偶然か必然か。
『おや…』
 年を取るとこうやってのんびり出来るのが一番だ、と茶屋で日向ぼっこするインレに気づき、マルドナはふらりとそちらに足を向けた。
 とある依頼を思い出す。在れこそ正に自身を蝋とし燃やし尽くす焔。

 ならば舞う欠片は火花だったのか。

 身体に熱がこもる。同じ苦行者である彼から目を離せない。
 雲を踏むような足取りのマルドナに、気づきインレは顔を上げた。
『良い天気ですわね。黒兎の君』
 マルドナはうっそりと笑む。
 一度瞬きし、インレは記憶を引き上げた。
(……ああ、そういえば前に依頼で一緒になったな)
『隣、よろしくて…?』
 すでに横に座っているマルドナの声に、インレは内心首を傾げながら頷く。
「マルドナ、だったか。別に加わるのは構わんが」
「お。見知らぬ嬢ちゃんがいるかと思いきや、兎の爺さんの知り合いか」
 そこに空腹を満たしにコルアトがやって来た。
 その茶屋近くの桜の上、立派な幹を見上げればたおやかな足が。
「はてさて、この国はこの花木に思い入れがあるのう」
 足の持ち主、テス=エイキャトルス(jb4109)は悠然と抹茶を味わいながら、花を愛でる人々を見やる。花はただそこに咲いているだけ。それだけなのに、そこに意味を見いだす人々の何と感受性の強いことか。
「…む?」
 ふと、その瞳が顔見知りを見つけて細まった。
「何じゃコルアトと、兎か。団子でも食いに来たのか?ん……?」
 意図せず集った一同の中、マルドナはインレを見つめるばかり。
「おぬし、いやに兎を見ておるのう」
『ええ』
 声をかけられ、笑むマルドナの声は熱っぽい。
「爺さんよ、何処でひっかけてきた?」
「ひっかけた記憶などはまるで無いが」
 男二人が真顔で声を潜める中、テスはマルドナの話しに不思議な者を見るように目を細めて言う。
「ふうむ、兎にそこまで執着しておるか…まあ良いが、アレの行く道はつらいぞ」
『ええ。で、あればこそ』
 マルドナの笑みは変わらない。向けられ、インレはジワと何かが背筋に滲むのを感じた。
(何だ、やけに熱っぽいっつーか悪寒が走る視線だのう)

 ──よし、押し付けよう

「此奴はコルアトっつー爺で、こっちは犬っころだ。良い奴かは知らんが退屈ではない奴らだよ……つーことでわしはちょっと手洗いに」
 紹介と共に場を後にするインレの前にテスが樹の上から降り立つ。相手とすれ違いがてら、口角をつり上げるようにして笑った。
「…まったく、人を引き付けるのは相変わらずね。『千の敵を殺す者』」
 その笑みは邪悪でありながら寂しげ。心に引っ掻き傷を付けるかのような笑みはまさに悪魔の如く。横目で冷ややかに視線を返し、そのまま散歩に出ようとするインレの首根っこをコルアトが掴んだ。
「って待て爺さん。お前さん、何処に行くつもりだ」
「手洗いと言っただろう」
「まさか消えちまったりしねぇだろうな? ファンを喜ばせての“ヒーロー”だろ?」
 にたり、と笑まれてインレの目がどどめ色。
 紹介されたマルドナは、退屈しないというインレの説明に二人をじぃと見つめ特徴を確認する。
(あぁ、【仲間】ということでしょうか)
『マルドナといいます、いいお友達になれますわ。ええきっと』
 くすりと笑み挨拶する声に、コルアトの腰が一瞬引けかけた。
「残念だがぁ、俺ぁ自分を痛めつける趣味は持ち合わせてねぇんでな。だがまあ、唯一の大切が守れる為なら腕の一本引き千切ってやっても良い。それぐれぇの覚悟はあるさ」
 マルドナの笑みが深まる。
『ええ。勿論』
「あぁ、いや。おい爺さん!」
 視線が移ったのをこれ幸いと立ち去るインレにコルアトが声をあげる。
 春は邂逅の季節。
 賑やかな四人の姿を桜達が見ていた。





 春風が吹く。
 暖かな陽光と頬を撫でるような風に、うつらうつらと多門の頭が揺れた。
 その様子に微笑み、桜華は多門を膝枕に誘う。さすがに照れていた多門も、睡魔と膝枕に魅力に勝てず、いつしか膝の上で微睡んでいた。
 淡い意識の中で、歌が聞こえる。桜華だ。
 時刻の言葉なのだろうと分かった。穏やかで優しい…子守唄。
(…こうしてずっときれいな華の下で二人で過ごしていけるといいな……)
 意識が落ちる間際に、そんなことを思う。
 耳元で、優しい声がした気がした。
『大好き、でス』
『ずっと傍にいさせて下サイ、ね』


 優しい陽の光が降り注ぐ中、のんびりと歩く傍ら、揺籠は楽しげに歩む光奈の姿に目元を和らげた。
 空は高く、されど桜の天蓋は手を伸ばせば触れるほどに近く。
 楽しげな光奈の姿に、いつのまにか自分も楽しいという気持ちが生まれ始め。
「凄く楽しい。一緒だともっと楽しいわ、ね?」
 心情を読まれたような気がして息を呑む。
「そうですね」
 頷き、目を逸らした先に淡い桜。
 ああ、皆もここにいれば、と。 
 何気なく思う。この時を、この光景を、今を生きる皆で味わえれば、どれほどに心躍ったろうか。
「ああ……」
 ふと思い出し、手拭を差し出して揺籠はみたらしを示す。
「皆には内緒ですよ」
 こそりと一言。微笑いながら、光奈はそっと後ろを向き、懐に忍ばせておいた品を取り出した。
「目のあに様」
「?」
 ひょいと片眉を上げる揺籠に、掌に載せた細い髪紐に五円玉を結び付けた品を見せ、手渡す。
「あに様に」
 揺籠は掌に落とされた飾りを見下ろす。少し視線を外し、戻し、やっぱり外して、頬を掻きながらくしゃりと微笑った。
「ありがとうございます」


 淡い薄紅の花弁。光の中で真白のような。
(……綺麗だな)
 龍仁はふと忘れえぬ唯一人の顔を思い出す。桜は彼女が一番好きな花だった。賑やかな楽しさは嫌いじゃない。だが、喪った相手への思いが深すぎて、皆と賑やかに楽しむ気にはなれない。
(世界は変わらないな。もう何年も経つのに)
 桜の美しさも。
 世界の美しさも。
 胸を締め付けられる思いを表情に出さず、龍仁はただ心の中で思う。在りし日の誰かの声に応えるように。
(ああ。綺麗だな)





 千鶴と神楽は公園内を歩いていた。
「そういえば、ここでゴライアスと戦ったんよな」
「そういえばそうですね…」
 四国に現れた騎士団達。このまま何もないということは無いだろう。
「ゴライアスさん、次は撃ち抜きます」
「対抗考えて来そうなよな。……あの頃からそんな時間が経った気がせんのに、色々あったね…」
 呟き、千鶴は視線を下げる。
「足りんかった自分。届かんかった自分。未だみっともなく此処に立っている私に自分で嗤うしかないけれど……」
 ふと、常に携帯している羽根をぼんやりと見る千鶴に、神楽は何も言わずに頭を撫でる。
「足りた自分、届いた自分。それが存在したとして、今の結果が変わったとは限りません」
「……」
「自分というのは、今ここに居る千鶴さんしか居ないのですから」
 神楽の声に羽根を見つめたまま小さく瞬きする。風で羽根が揺れる。指をそっと撫でるように。
「うん」
 頷く千鶴に、神楽はもう一度頭を撫で、花で隠された空を見上げた。
「さて、また来年もお花見が出来るように頑張りましょう」
「……やね」
 そっと声を落とし、千鶴もまた空を見上げた。
 花々の間から光が降りてくる。
 優しく微笑むように。
「あんなに寒かったのに、結局春は来るんやね」





 人が周囲に増えれば賑やかになるのは世の常。
 もう少し静かで落ち着けそうな場所を探そうと歩き、会場の中心から少し外れた桜の木の下に落ち着き読書を開始したのは、今から少し前のことだ。
「……?」
「にぁ」
 ふと膝に載せた野良猫が上体を起こす。
 それより少し早く物音に気づき顔を向けたファウストは、地上にいつもの光景が広がっているのを見た。
(花見という行事が騒がしいのか、久遠ヶ原が絡むから騒がしくなるのか……)
 軽く頭を振り、慣れぬ日本酒で珍しく酔った頭で「一応加勢すべきか」と立ち上がる。
 無造作に閉じた本に、散り行く桜の花びらが挟まったのを知るのは、もう少し後の事。
 別れを告げた野良猫が、去るファウストを見送っていた。


 時は少し遡る。
 大きな鶏肉に舌鼓を打っていた海の耳に喧騒が聞こえた。
「戦闘音…!?」
 咄嗟に反応するのは撃退士としての性だ。
「天魔が出ました。警戒を」
 見かけた阿波座に声をかけ、石段を駆け下りる。前を見やれば雅と英斗。食べ終わったたこ焼きパックをゴミ袋に入れながら駆けている。
「一般人の避難は」
「行っている。今、討伐部隊が飛んだらしい」
 海の声に雅は応える。なら、自分達は避難誘導と警備。
 だがシリアスなのはここまでだ。
「……ん?」
 丁度三色団子を全滅させた神削も物音に気づき、地上を見下ろした。

 何 か 居 る。

「黄色で丸い……何だ、あの団子がサーバント化したような奴は!?」
 ハッ!
「まさか……俺が団子を貪り食った呪い!? 仲間の復讐の為に現れたのか!?」
 いいえ(天の声)。
「既に戦ってる連中も居るな……。くっ、俺も戦線に加わらないと――」
 きりーつ。
「おまちどう!みたらしだよ!」
 ちゃくせーき。
「…………。……食べ物残すのは、いけないよな」
 男一匹月詠神削。食べ物大事に精神がサーバントとシリアスより勝った。


「決着がついたみたいね」
 下で起きた戦闘を眺め終え、ナナシは手を拭った濡れティッシュをゴミ入れに入れる。最後までゴミはきちんと片付けて……と思った目が何か得体の知れないものを映した。

『見ないでぇ!見ないでぇ!』

 桜の木に引っかかった、ボロボロになったフリフリエプロンを着たゾンビ(マーク)である。

「……」

 視線の先でゾンビがくねくねしている。思わず立ち尽くすナナシの後ろから現れたのはひかるだ。
「大変だ!助けなきゃ!」
 嗚呼!助けるって選択肢がありましたね!
 ある種の衝撃に頭からすっぽ抜けていた。エプロンが無残にボロボロになり色々とチラリズムなゾンビにひかるはキラリと光る笑顔。ある意味大物だ。
「大丈夫?」
『助かりマシたアリガトウでーす!』 
「それにしても……どうしてこんな所に」
 付近の桜に一切被害がないのを確認し、ナナシはやや唖然とした声をだす。
 ひかりは二人を見やり、にこっと微笑んだ。
「良かったら、一緒にどう?一人じゃ少し味気なくて」





 現れたサーバントも無事討伐された。
 飲み物を差し入れし、怪我人に治癒を行う海と雅の姿がそこにある。
 桜餅を食べながら頭上の桜を眺め、ルビィは呟いた。
「元々桜ってのは、縁起の良い花じゃないんだよなあ。花弁の多すぎる樹木は、良いも悪いも集めちまう」
 人間・悪魔・天使が一つ所に集う久遠ヶ原は桜に似ていると、ふと思う。
 多過ぎると碌な事にならない。それはある意味世の道理。
「――けどよ?ソコが面白いんじゃねーか」



 雑多な物が寄り集まるからこそ、桜も人生も美しいのだから。




依頼結果

依頼成功度:普通
MVP: −
重体: −
面白かった!:15人

思い繋ぎし紫光の藤姫・
星杜 藤花(ja0292)

卒業 女 アストラルヴァンガード
撃退士・
神月 熾弦(ja0358)

大学部4年134組 女 アストラルヴァンガード
Silver fairy・
ファティナ・V・アイゼンブルク(ja0454)

卒業 女 ダアト
歴戦勇士・
龍崎海(ja0565)

大学部9年1組 男 アストラルヴァンガード
ちょっと太陽倒してくる・
水枷ユウ(ja0591)

大学部5年4組 女 ダアト
戦場ジャーナリスト・
小田切ルビィ(ja0841)

卒業 男 ルインズブレイド
函館の思い出ひとつ・
穂原多門(ja0895)

大学部6年234組 男 ディバインナイト
黄金の愛娘・
宇田川 千鶴(ja1613)

卒業 女 鬼道忍軍
ブレイブハート・
若杉 英斗(ja4230)

大学部4年4組 男 ディバインナイト
黒の微笑・
石田 神楽(ja4485)

卒業 男 インフィルトレイター
釣りキチ・
月詠 神削(ja5265)

大学部4年55組 男 ルインズブレイド
思い繋ぎし翠光の焔・
星杜 焔(ja5378)

卒業 男 ディバインナイト
God Father・
日下部 千夜(ja7997)

卒業 男 インフィルトレイター
撃退士・
強羅 龍仁(ja8161)

大学部7年141組 男 アストラルヴァンガード
祈りの胡蝶蘭・
巫 桜華(jb1163)

大学部3年264組 女 バハムートテイマー
撃退士・
Marked One(jb2910)

大学部6年154組 男 インフィルトレイター
誓いを胸に・
ナナシ(jb3008)

卒業 女 鬼道忍軍
断魂に潰えぬ心・
インレ(jb3056)

大学部1年6組 男 阿修羅
熱願冷諦の狼・
テス=エイキャトルス(jb4109)

大学部2年199組 女 ナイトウォーカー
『魂刃』百鬼夜行・
コルアト・アルケーツ(jb5851)

大学部5年82組 男 陰陽師
撃退士・
マルドナ ナイド(jb7854)

大学部6年288組 女 ナイトウォーカー
鳥目百瞳の妖・
百目鬼 揺籠(jb8361)

卒業 男 阿修羅
撃退士・
清純 ひかる(jb8844)

大学部3年156組 男 ディバインナイト
託されし時の守護者・
ファウスト(jb8866)

大学部5年4組 男 ダアト
『魂刃』百鬼夜行・
白磁 光奈(jb9496)

大学部1年159組 女 インフィルトレイター