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マスター:九三壱八
シナリオ形態:イベント
難易度:易しい
参加人数:25人
サポート:3人
リプレイ完成日時:2012/11/08


みんなの思い出



オープニング


 ぽんぽんと上空で音がする。
 空は雲ひとつない見事な秋晴れ。
 風は涼しく、太陽は暖かく、道行く人々の顔は明るい。
 依頼から帰ってきたばかりなのだろう。包帯を巻いた若者が、それでも嬉しげな顔で学園へと向かう。
 すれ違う人々の顔にあるのは楽しげな笑み。
 見つめる先にある、街人の誇りでもある久遠ヶ原学園の学び舎。

 文化祭が、始まった。





「さて、文化祭が始まったわけなんだが、依頼である」
 祭りの最中でも依頼かよー。
 そんな声が教室のあちこちから放たれる。
「私が声をかけた時点で決定事項だと思うのだよ。とはいえ、今回の依頼はズバリ、文化祭のイベントを手伝ってもらう、または盛り上げてもらう、といったことなのだがな」
 少女、もとい外見年齢詐欺教師・鎹 雅(jz0140)の声に、「はい」と生徒の一人が手を挙げた。
「先生。それはつまり、文化祭を楽しめ、ということですか?」
「そうとってもらってかまわない」
 こくりと頷き、雅は黒板に大きな用紙を貼り付けた。
 そこにはなにやら材料と調理内容が書かれている。
「とはいえ、依頼であるからには、依頼主の要望に答えてもらうことになる。……さて、今回の依頼についてなのだが、今回は、というか、今回も、我等の食料庫、もとい、協力者である阿波座殿関連である」
 何度か顔を合わせている面々は「分かってる」と言いたげな顔になり、初めての面々は首を傾げた。
「阿波座、というのは四国の大地主でな。山やら畑やら田んぼやら色々持ってることもあって、いつも美味しい食べ物を学園に届けてくれる男なのだよ。このまえは皆で新築のペンションに招いてもらったりもした。……で、今回は、文化祭で使う食料を大量に提供してくれたのだ。ちなみに代金無料で」
 代金無料。この一大消費イベントで。
「その食べ物を出店で使うわけなんだが、いくらなんでも全部無料で貰ってしまうというのはしのびない。ゆえに、阿波座ブランドをつかった出店を手伝いつつ、協賛相手として、出店で阿波座ブランドの食べ物をPRしてもらいたいのだ」
 別にそれはおおっぴらなものでなくてもいい。
 例えば客の呼び込みに、それっぽい謳い文句のようなものを入れてみるとか。
 協賛相手の名前を大きく記載してみるとか。
「いろいろと方法はあると思う。例えばだが、自分たちが文化祭で何か出し物や出店をするとき、皆はどんな風にしてPRしたりするだろうか? やる内容としては、それと同じだ。あと、協賛者:阿波座を全面に打ち出したイベントとして【大食い大会】を開催する。これに参加して場を盛り上げてくれるのでも嬉しいかな」
 出店のデフォルメや、販売員のコスチュームは生徒の希望にあわせて支給されるという。
 被り物からハロウィンコスチュームまで。わりと様々揃っている。
「阿波座は皆に楽しんでもらえたらそれでいい、と言っていたがな。いつも貰いっぱなしというのも気が引けるし、まぁ、ちょっとした恩返しもかねたいのだが……手伝って貰えるだろうか?」
「先生。これ、報酬、阿波座さんから出てるんです?」
 ふと不思議に思って尋ねた生徒に、雅はスーッと視線をそらせた。
 何故かもじもじと指をこねる。
「いやまぁ、今回はだな。実は阿波座には黙っていてだな。依頼の報酬は私の財布から出すので……その……なんだ……あまり多くは出せなくて申し訳ないのだが……」
 それって依頼主は……
 ……
 ……いや、つっこまないでおこう。
 生徒達の生暖かい眼差しを受けつつ、外見だけは学生に見える少女は「こほん」と咳払いをした。
「さて、依頼を受けてくれる者がいれば、手伝いに入ってくれる場所を申し出てほしい。あ! 売り子で衣装希望のものはちゃんと申請しておくれ。でないと手渡せないから。まぁ、普通に貸衣装である類のは支給されるので、着ぐるみでも猫又コスチュームでもメイド服でも言ってくれれば用意する。あと、それぞれ支給できる備品は三千久遠までだからなー」
 声をあげる少女にくすくす笑いつつ、生徒達は黒板に貼られた表に自分の名前を書き込んでいった。




リプレイ本文



 飲食業界は熾烈を極める。
 各出店が全力をもって鎬を削るその戦場に、少年少女(一部年長)の姿は在った。
「魔法少女マジカル♪みゃーこ、参上にゃ♪これから寒い季節、暖かいおでんでぽっかぽかになるにゃ〜♪」
 魔法少女見☆参! なんとも愛くるしい魔法少女コスでおでん屋の呼び込みをかける猫野・宮子(ja0024)に、小さな子供と一緒に大きな子供()も振り返る。
「君たち暖かいおでんはどうかにゃ?美味しい卵や大根が入ってるにゃよ♪」
「大根お願いします!」
「ありがとうにゃ〜♪」
 次々に入る注文に、宮子がにこっと笑顔を向ける。その裏手、調理場で作業していた橋場 アトリアーナ(ja1403)はせっせと器に注文品を詰めていた。漂う匂いに、大会用にと食事を抜いた胃袋が、きゅー、と切なく訴える。
(……大学芋、食べ放題)
 その心はすでに大食い大会に飛んでいた。
(文化祭、だねぇ)
 賑やかな喧噪に目をキラキラと輝かせ、来崎麻夜(jb0905)は呼び込みを開始すべく黒いメイド服の裾を軽く翻して表へ出る。
 待ち受けるかのような熱気と、人の声。出店の内と外。距離にしてたかだか数歩程度なのに、これほどに違う気配と景色。
 麻夜は二度ほど小さく深呼吸し、いつもより少しだけ大きな声を意識して頑張る。
「いかがですかー、阿波座の大根と卵を使用した美味しい美味しいおでんですよー」
 少女の声とおでんの匂いに心を惹かれ、子供連れの女性が振り返る。
「美味しそう……おすすめの品、入れてくれるかしら。卵は五つで」
「あ、ありがとうございますー」
 自分で呼び込んだ初めてのお客。麻夜の顔が喜びに綻んだ。
「大根と卵!おでんにこれほど相性がいいものがあったものか!」
 滾る心の声が猛烈に漏れている森田良助(ja9460)も大食い出場予定。こちらは逆に胃を軽く拡張させるために少しだけ食べておく念の入れようだ。
「えっと、パフォーマンス用に……と」
 良助は自作しておいた段ボール製の看板もとい被り物をがぽっと自分に被せる。顔と手足が出るサーコートのような感じだ。
「前でパフォーマンスしてきまーす!」
「がんばって」
 声援を送りつつ見送って、鷹司律(jb0791)は次々に大根を剥いていく。味が染みこみやすいよう、十字の切り込みを入れる等下拵えに余念がない。
 その隣で藤宮睦月(ja0035)も丁寧に大根の面取りを行っていた。自前でもある着物姿は着慣れた者だけがもつ着こなしで清楚に美しい。
(材料を無料で提供してくださった阿波座さんへの感謝を忘れず、不束ながら、誠心誠意務めさせて頂きます)
 凛とした顔で包丁を握る少女の傍ら、火加減を調整していたフローラ・シュトリエ(jb1440)は顔を上げ、味見皿に出汁を少し入れて味見する。
「……ちょうどいい感じだわ」
 睦月が和の装いであるならこちらは華の装い。フローラが纏うのは華服とも呼ばれる中華服である。
「時間がかかるものは早めに用意しておかないとね」
「売れ行きいいですからね……」
 フローラと睦月は困ったため息をつく。けれどそれは嬉しい困り方だ。
「沢山用意して、沢山アピールしましょうね」
「お世話になっているのなら、恩を返せるようにしないとね。……あ!」
 一旦区切りのいい所で手を止め、表を向いたフローラの目がパフォーマンスの途中でこけて転がった良助に声を上げた。
「大丈夫!?」
「大丈夫ー! 失敗したのですよっ」
 ひょこんっと元気に起きあがった少年に、周囲の客が楽しげに笑いながら背中を叩いたりしている。
「ありがとうございます! よかったらおでんもいかがですかっ?」
 ちゃっかり売り込む良助に、出店のメンバーも思わず笑った。
「怪我、しないようにね」
 良助に笑いながら声をかけて、フローラがタオルで良助の髪についていた土埃を落とす。レグルス・グラウシード(ja8064)は楽しげに笑った。
「こういうのって、お祭りっぽくて楽しいですよね!」
 そんな彼は色々具を食べ、やたらと大根が気に入った模様。
「もっともっと煮て、もっともっと味がしみこんだら……きっとおいしいですよ!」
 さぁ次の大根は、と探すレグルスの目が鷹司の下茹で用鍋に向けられる。
「あれ、これはこっちに移していいやつですか?」
「箸がすっと入るようなら移しても大丈夫です」
 覗き込んだレグルスは、大根の入っている白い液に首を傾げた。
「これ、何で煮てるんですか?」
「米のとぎ汁です。下茹ですることで独特の臭みや灰汁を和らげることができるんです」
「へぇ……」
 感心して覗き込み、そういえばとレグルスはさっき自分が入れていた大根を思い出した。夢中になっていて気づかなかったが、ザルに入っていた大根は全部下茹で済のものばかりだ。
 その後もじっくり煮る物とそうでない物を分けて煮ていく鷹司に習い、二人でせっせと調理を進めていく。
「いけない。売り手が不足してきてるわ」
 注文を捌く手が不足しだしたのを見てフローラが慌てる。するりと表に出た睦月に、小腹を空かせた系の少女二人が声をかけた。
「お奨めってどれ〜?」
「わたしのお勧めは、やはり大根、ですね。お出汁の染みた大根って、どうしてこんなに美味しいのでしょう」
  ほゎ、と日本の食文化の素晴らしさを再確認しつつ答える睦月の笑顔に、少女達の後ろから大きなお友達がこぞって大根へと群がった。
 その様子に鷹司とレグルスが顔を見合わせる。
 二人してひっそりと笑って下準備へと舞い戻った。





「大食いの受付はコチラなのぜー」
 一方その頃、昼に開始される大食い会場では選手のエントリーが始まっていた。
(ふっふっふっ…お芋の大食い大会とか、参加しないわけにはいかないわね)
 目を輝かせ、早速エントリーする少女の名は六道鈴音(ja4192)。白地に胸に「おいしい阿波座」と文字が入ったオリジナルTシャツは、自身そのものが広告塔というスポンサー歓喜の出で立ちだ。
「大学芋!大学芋!」
 麻生遊夜(ja1838)から参加証を受け取りつつ、早くも開始が待ちきれない様子。
「って金取るのかよー!」
 その次に訪れた久我常久(ja7273)は要求されたエントリー料金に愕然とした。
「シルバー料金とか無い?」
 残念。シルバーは六十五歳からである。
「あ、学生料金併用してくれよな! ほれ、ワシ大学生だしな!! 」
「残念。学割適用外なのぜ」
「うぉーっ!」
 頭を抱えた常久に、続いてエントリーに訪れた神埼煉(ja8082)がぽんぽんと背中を叩く。
「仕様ですから、仕方がありません」
 そうして、妹である神埼律(ja8118)と共に名簿に名前を書き記した。
「――お芋、秋はお芋なの…!!」
「この時期の芋は美味しいですよね」
 微笑み、煉は妹へと声をかけた。
「律も頑張って。私も頑張ります」
「今日は負けないの……!」
 そんな微笑ましい二人に続いて、そっと名前を記す影一つ。
(大会…目立つのは苦手なんだよなぁ。でも、大学芋好きだから食べたいし… )
 ジレンマを抱きつつ、長幡陽悠(jb1350)もまた参加証を受け取る。
「大食い大会か。しかも大学芋……」
 その傍ら、受付会場で足を止め、虎落九朗(jb0008)は舌なめずりをする。
(芋料理全般好きだけど、特に大学芋が好きなんだよ!)
 前日から体調を整え、朝食はちゃんと摂って戦う体力もつけてきた、そんな九朗は大学芋スキーの一人である。
(とろーりと蜜がかかって、ごま塩が軽く振ってあって、くぅー、想像しただけで涎が出る! )
 ぐー
 腹もハヨヨコセと鳴っている!
(しばし待て胃袋! たらふく喰わせてやる!)
 参加証を握る手が熱い。
「おー!!大食い大会だぞ!!俺頑張るぞ!」
 熱いといえばこちらは体から迸る熱意がアツイ。彪姫千代(jb0742)は大会の意味は理解していないものの、唯ひたすら食べる算段で参加である。
「沢山食べるぞー!!」
「がんばるのぜー」
「俺、大学芋好きだぞー! でも、何で大学何だ?」
 千代の素朴な疑問に、遊夜は軽く肩を竦めながら言った。
「スィートポテトだと作るのに時間かかるからだとさ」
 焼き芋にするというお手軽計画は無かったらしい。
「名前に大学ついてんのは?」
「そっちは説が色々あるのぜ。大正時代に東京のとある地区の大学生が好んで食べてたからだ、というのと……」
「とにかく大学なんだなー」
 ざくっと終わらせた千代に遊夜は笑って頷く。
「ともかく大学なんぜ」
 ともかく、美味ければそれでいい。
 彼等の後ろで、デカい芋のオブジェが紫の巨体を誇らしげに誇示していた。





 所変わってこちらは焼き鳥。
「やるっすよ久遠寺先輩!目標はオール完売っす!」
 千鳥柄の着物に袴、フリルエプロン、これぞ大正ハイカラメイドという出で立ちの夏木夕乃(ja9092)はメラメラと闘志を燃やす。
(ま、また、出店依頼……!)
 その隣、同じ衣装の久遠寺渚(jb0685)は赤面症かつ激しい人見知りということもあって人混みにくらっと目眩を起こしかけている。
「おいしいもんは皆で分けっこ。お手伝いさせてもらうで」
 同じくハイカラさん衣装な大和田みちる(jb0664)も笑顔で手伝いに入る。客引きは得意でないものの、一生懸命声を張り上げる姿の初々しさに視線を向ける客は多い。
(体質的に、出来れば男と行動するのは避けたいかな……)
 悲しい強制人格変換回避のため、既に光纏と変化の術で外見のみ女性化してる紺屋雪花(ja9315)が切ない希望を心の中で呟く。その目がちょうどこちらを向いたみちると合った。
「よろしゅう」
「よろしく」
 互いに微笑みあい、雪花は得意のマジックで一輪の桔梗を掌に出現させた。
「よかったら、一緒に回らない?」
「わぁ。おおきに。うちでええん?」
 よろしゅうにー、と嬉しげに答える相手にホッとしつつ、二人で店の前に立つ。みちるの紅葉の簪と、雪花の雪の結晶の簪がしゃらりと音をたてた。
(売れ残りを期待するのは良くないんだろうな……)
 皆の様子に、こっそりタッパー持参していた相馬晴日呼(ja9234)は(おみやげ持って帰ってやりたいな)という思いに蓋をする。材料の入った段ボールを開け肉をテキパキと並べる晴日呼から肉を受け取って、黒井明斗(jb0525)は丁寧に下拵えをしていく。
「ん? それ、オリジナルメニューか?」
「はい。鶏肉と一緒にサイドメニュー的なものも楽しんでもらえないかと思いまして。先生も許可してくださいましたし」
 晴日呼が見守る中、明斗が作るのはプチトマチーズ。プチトマトにベーコンを巻き、それを三つ纏めて串に刺して焼いた後、仕上げにチーズを載せとろけさせて完了、というアイデア串だ。
 夜明け前から出店に来て掃除他準備を仕上げている最中、同じく夜明け前に諸準備に訪れた教師に申請して許可された品は、どこかイタリアンな風味でなかなかに人気だ。
(さて、俺は店員かな。料理はある程度できるし……)
 汚れないよう支給されたエプロンを着用しつつ、久瀬悠人(jb0684)は自身のヒリュウを呼び出す。
「とりあえず、だ。チビよ、お前はこの看板を首に引っさげてそこら辺をぶらつけ。良かったな、合法的にサボれるぞ 」
「キィ」
 焼き鳥あるよ、と書かれたプラカードを首に下げさせてもらって、チビことヒリュウ、プラカードの重さに一瞬下がってから浮上した。
「キュィ」
「重くないだろ? 俺はちゃんと分かってるぞ」
 上目遣いなヒリュウだったが、付き合いの長さである意味以心伝心。嘘もサボりも把握である。
 仕方なくプラカードを下げたまま飛ぶヒリュウを見てから、悠人は焼かれ続ける串にふと視線を向ける。
「焼き鳥……か……。……焼きヒリュウ?」
 がぶっ!
「……オーケーお前の怒りは分かった。痛いから頭に噛み付くな」
 チビ。ご主人様の失言を聞き逃しませんでした。
「こっちも呼び込みに出るっす!」
 味見用見本品を用意し、夕乃はおろおろしている渚を引っ張って表へ出る。
「さあさあ! みんな大好き焼き鳥はいかがーっすかー! 生産者の粋な心意気そのままの粋な田舎の滋味だよー!」
 張り上げられた明るい声に振り返る人々。渚も勇気を奮い起こして声をあげた。
「たっ、たれと塩、りょっ、両方ありますよ〜!」
 顔を赤らめ、一生懸命に呼び込む少女に、道行く人々の顔が綻んだ。
「さらになんと今回は、こちらに坐す美少女・久遠寺渚特製の醤油ダレと塩ダレで焼いてみたからさあ大変! 美味しくてほっぺ落っこちちゃうよ〜!」
「ゆ、ゆーちゃん?!」
 美少女と指し示された渚は真っ赤な顔で口をぱくぱくさせる。愛らしい少女の照れ顔ほどご褒美はありません。
「特性ダレを五本ずつ!」
「毎度あり〜♪」
 夕乃がにっこりと微笑んだ。
「あ。ねぎまが足りなくなってきた。焼きスタンバイお願いー!」
「レバーもさっき一気に売れたっす」
 次々に売れていく品に、晴日呼達がせっせと串打ちする。
 同じく裏方手伝いに回りつつ、きょろきょろと不思議そうに周囲を見渡している少年の姿があった。龍騎(jb0719)だ。
(屋台は汚いからダメって言われてたし、近くで見た事なかったんだよね。オモシロイや)
 仕事手伝いがメインなのだが、どう手伝えばいいのか実は分からない。結果、運搬等を手伝いつつ見学といった形となっている。
(あちこちスゴイ匂いがするな。こういうのってオイシソーなの? リュウ嫌いかも……)
 なにせ肉類が充満する場所である。食肉処理場等の解体現場ほどではないものの、それなりの生臭さは拭えない。
(でも食べるのもシゴトなんだっけ。食べてオイシイって言わなきゃ)
 しかし、どう頑張っても生臭い臭いをかいだ後で肉を食べる気にはなれない。
(おでん……行こ)
 ふらふらとおでんに導かれていく少年を見送って、阿波座の名を大きく書いた看板を手にした雪花とみちるが通りの人々に声をかける。振り返り、のぞき込み、どうしようかと迷う一般客の前に、晴日呼が串を差し出す。
「食うか?」
 商品ではない。自分で購入した分だ。
「うまいか? そこで売ってる。よかったら寄ってけ」
 その時、休憩に入った宮子が周囲を冷やかしつつ遊びにやって来た。
「せっかくだからいっぱい食べないと損だよね。焼き鳥も美味しそうだし、少し食べて行かないと♪」
 愛らしい注文声に、渚は慌てて明斗から品を預かり渡す。
「はいっ、お待たせしました!」
「ありがと♪」
 同じく休憩時間を利用して訪れたレグルスも各種焼き鳥を眺めて注文する。
「えっと、とりあえず…1本ずつください!」
「(もぐもぐ)毎度ありーっ!」
 つまみ食いってた!? 夕乃はぐいと唇を拭ってイイ笑顔。隠れ喰いの美味さって格別だよね!
(お昼に近くなってきたから、混雑してきましたね)
 客足は衰えるどころか加速する一方だ。明斗は手早く串打ちしながら材料をチェックする。
(これは、今日の分を売り切る、というどころでは済まないかもしれません)
 そこへ交代で休憩に出た麻夜も来店した。
(焼き鳥屋……サクラとしても、頑張らないと)
 ぐ、と握り拳。何気に義理堅い。
(人目につきやすい所で……さりげなくアピールを)
 思い、購入した串をその場でパクッと食べた。
「あ、美味しい……」
 演技いらなかった。
「……先輩にも買って行ってあげなきゃ」
 幸せそうにほころんだ笑顔でやや多めの串を買って移動する。
(先輩、喜んでくれるかな)
 目指す先は大食い会場だ。道中、すれ違った少年は周囲を見渡し、喧噪から少し離れた場所にあるベンチへと向かう。
(あそこなら、ゆっくりできるかな)
 レグルスはもぐもぐしながらベンチに座ると、早速愛する彼女にメールした。
『今日はバイトだっけ?いっしょに来たかったなあ…残念(;´Д`)
でも、夕方ちょっと会えない?おでんをおみやげにもってくよ…
僕が煮込んだ大根、きっとおいしいよ\(^o^)/』
 メールを送信するその顔が甘い笑みに溶けている。送信し終え、携帯を閉じたところでアナウンスが流れた。
 大食い大会開催の放送だった。


●天に示すは無限の胃袋


「ではこれより! 阿波座ブランドの芋をふんだんに使用した大学芋(巨大)大食い大会を始めます!」
 バッと手を振り上げ、遊夜はそう高らかに宣言する。
「実況は私、麻生遊夜が担当させて頂きます!」
 きゃー! アソウせんぱーい!
 黄色い歓声と一緒に一部野太い歓声混じる。
「食事中風景をご覧いただきながら紹介させていただきましょう!」
「いただきまーす!」
「まずは六道鈴音選手、可憐な笑顔で芋にかぶりつきます!」
 もぐもぐ咀嚼しながら、鈴音はきょろきょろとテーブル上を見渡す。
「お茶もほしいな…」
 玄米茶が提供されました。
「ありがとうございます!」
 にっこり笑顔。一食抜いてハラペコーニャな鈴音、「目指すは優勝よ!」と意気込みも勇ましく、まずは軽快に皿の上を片づけて……
 片づけて……
「……ちょ……これ……大きくない……?」
 片づけ、かなり厳しかった。
 それもそのはず、甘さで著名なN▲RUT●金時、エエ芋を贅沢に使った大学芋のそのサイズ

 直径三十センチである。

 しかもお茶のコラボで腹の膨れっぷりが半端無い。
「げぷ…もう無理…」
「おーっと! 早くもリタイアだー!」
「みんな、胃袋どうなってんの?ちょっとおかしいわよ…」
 涙目な鈴音は視線を隣に向ける。
 ぽんぽんもちもちな常久に。
「ハムッハフハフ、ハフッ!! うめぇ!しかし腹が膨れる……」
 体格だけ見れば圧倒的優位な感じがしなくもない。そんなぽんぽんもちもちな常久は、超弩級大学芋にかぶりつきつつも周囲をチラッチラッ。
(皿の枚数数えてんだろ?)
 目がキラリ。
 そして発動☆遁甲の術!
 潜伏して大学芋を隣へぽいぽいぽい!
(コレでわしが一位じゃああああ!!!)
「ぃょぅし、久我君、センセーとちょっと話そうかー」

 二秒で処刑人・雅、発動しました。

 がしぃっ、と教師に肩を抱かれて常久の顔が見事に引きつる。
「ワシ ナニモ シテナイ」
「そうかー」
「ワシ ムジツ、ワシ イイヤツ ダヨー!」
「悪い子は尻叩きだからなー」
 哀れ、ドナドナった男の姿に、何人かの観客が合掌する。その間に運営班がポイポイされた芋を撤収して行った。
「えー……久我常久選手、リタイアとなりました。さて、アクシデント()がありましたが大会は続いております! あちらでは斐川幽夜選手が……おや何か申し出ていますね?」
 掌で指し示す場所では少女の肢体に大人の色気を併せ持つ、実年齢:大人の斐川幽夜(ja1965)がキリッとした顔で運営に申請をしていた。
「どうせなら大学芋にバニラアイスを合わせて食べたい」
 キリッ。
 そして心にも無い適当な説得☆開始。
「私が初めて温かい大学芋にバニラアイスを合わせて食べた時、この広い宇宙で大学芋とバニラアイスが出会った奇跡に運命を感じました」
 ぷゎゎー、とバックに宇宙とバニラと大学芋の幻覚が。
「それは比翼の鳥や連理の枝、岩にせかるる滝川のように大学芋とバニラアイスの前世は一つの魂だったのかもしれません。大学芋がバニラアイスの魂を狂おしいまでに乞う声が聞こえるように思いませんか私は思いません」
 だんだん投げやりになってきた。
「ともあれ、バニラアイスを合わせての商品化もご検討戴ければ幸いです。また、大食いにほんの少しでもバニラアイスが出ると嬉しいです」
 キリリッ。
 ある種のドヤ顔で締めくくった幽夜に、運営班、半開きになっていた口をぱくんと閉める。

 バニラアイスをお供えしました。

「ありがとう」
 幽夜のキリッ顔がしばらく忘れられそうになかった。
「なにやら貴重な映像が撮れた気がいたします。続いてお隣、森田良助選手は器用に両手で箸を操っていますねー」
「ぬふふ、大食いの心得を知る僕にスキはないでございますよ」
 胃だってちゃんと拡張済だもんね☆
 箸二組を使って2丁食いしつつ、水分摂取を最低限に止めるためにマヨネーズも要望。軽く芋に塗って喉の通りを良くする算段だ。
「皆さん色々工夫されております! さてお隣の虎落九朗選手は、早くも五皿目です!」
「うまい、うまい!」
「本当に美味しそうに食べております! すかさず六皿目だー!」
 すでにキロ単位で胃袋に溜まっているはずだが箸は止まらない。問題は──
(うまい……けど。味に飽きてきた……)
 ──味が一種類しかない、ということだ。
(こういう時は……ちょっと、いや、かなり行儀は悪いが)
 九朗はそっと水を口に含み、ぐゆぐちゅごくんと舌をリセット☆
「さあ、もう一度楽しむぞー!」
 エンドレスイートが始まった。
「そのお隣にいる橋場アトリアーナ選手、ペースが全く乱れません!」
 大の甘党であるアトリアーナは周りなど一切気にせずひたすら食べている。優勝目指しでなく「甘い物を沢山食べたい」が故の参加。速度は一定でありながら、飽きることなくもくもく食べる。もくもく。もくもく。もくもくもくもく。
 ……ちょっと全滅させかねない勢いなのですが、もしもし?
「…甘い物に囲まれて、幸せ」
 心からの言葉と積み上がった皿に甘党マジぱねぇ。
 その隣の煉もまた自己のペースで皿を積み上げる。
「お隣は兄妹で参加、神埼煉選手と神埼律選手。淡々としたペースながらも麗しい外見からは想像もつかない枚数が積み上がっております!」
(早食いではないですからね)
 急いで食べるよりも自分のペースで。そんな煉の隣、着物の帯を緩めて挑む律もマイペースに食べている。その隣にいるのは陽悠だ。
(おお、隣に座った兄妹、美男美女だしこの人達が目立てば、俺なんて霞むんじゃ…)
 隠密希望者、好物を前にしてもやはり自分の存在が気になって仕方ない(隠す意味で)。
 よしっ、と気合い入れ、沢山食べる美人兄妹として二人を目立たせる為に(ひいては自分が霞むために)密かにフォロー開始。タイムラグを無くすためにさりげなく次の皿を椀子蕎麦の如く給仕する。
(よくわからないけどありがとうなの……!)
 律、謎フォローに首を傾げつつも素直に喜んだ。
(しかし、本当によく食べるなこの兄妹…いや、他の参加者も……)
 自身も皿を積みつつ、陽悠は偵察のためヒリュウをこっそり召還する。
「おおっ!? 召還獣が飛び出しました! どうやら長幡陽悠選手の召還獣のようです。場内、カワイーコールが勃発だ!」
 しまったむしろ大目立ちだ!
「きゅぃっ」
「あ、こら、これはお前のエサじゃない!」
 呼び出されたピンクな小竜、好奇心からか皿に首をつっこもうとしてご主人様に止められた。召還主に愛らしくなぜなぜ?ポーズ。ややおねだり気味なその姿に、隣の律も一瞬和む。
(よくわからないけど負けないの……!)
 しかし大食いは戦うファイターだった。
「ヒリュウは初めて見ました」
 愛らしいヒリュウの姿に、煉も思わず箸を止めて注目。

 陽悠の目立ち度、只今MAXである。

「大注目のヒリュウですが、えー、今、運営がお預かりしに向かいました。ご主人様を求めてパタる姿がまた可愛らしいですね。さてそのお隣は黒井明斗選手。こちらも自己のペースで箸を進めております!」
 淡々と箸を進め続ける明斗もすでにかなりの皿を積み上げている。あの小柄な体にどうやって入っているのか……見守る観客がふと気づく。
 明斗の頭がなにやらこっくりこっくりしていることに。
「……これは黒井選手、もしは半分眠っておられる感じでしょうか?」
 遊夜の声もやや戸惑い混じり。もぐもぐこっくりしつつ機械的に食べている姿は、ちょっといやかなり可愛いかも知れない。
「驚くべき食欲、というべきでしょうか。半分寝ながらでも食べる手は止まりません!」
 おそらくネムネムな頭では満腹感も薄いのだろう。しかし、いつ頭が落ちて芋にめり込むか、観客のハラハラが止まらない。
(ふーん、大食い大会ね)
 そんな観客に混じって龍騎は淡々と壇上を眺める。ちょうど通りかかったついでに見に来てみたが、人混みが多すぎて近くには行けそうになかった。
(みんな涼しい顔して意外と……うわ、暑苦しいヤツいた。チヨじゃん、いろんなイミでさっすが)
 龍騎、友人である千代の姿に唖然となった。皿もかなり積み上がっている。
「ここまで快進撃を続けてきている彪姫千代選手、ここにきて少しペースダウンです!」
「あー……俺ちょっと飽きてきたぞ……」
 さすがに同じ味ばかりというのは辛い。やや箸の速度が驚いた千代は、ふと顔を上げて目を丸くした。
「…ん?」
 龍騎と千代、互いの目がバッチリ合った。
(あ)
「おー!! リュウだ!! おーい!! リュウー!!」
 千代、少しどころかえらく嬉しそうな反応である。
「ウシシシ! リュウが見に来てくれてる! ここは良いとこみせてやるんだぞ!」
 大いにヤル気を漲らせた千代に、周囲に注目された龍騎はぴしゃりと顔の半分を手で覆う。壇上の陽悠が心の中で感謝の言葉を呟いていた。
「ウシシシ! 楽しくなってきたぞ!」
 一方の千代はテンションMAX! ばさぁっ! と勢いよく服を脱ぐ!
 ……上半身だけですか?
 観客の目が違う何かを訴えた。
「さてすでに十枚の皿が積み上がっていますが……おっとここで神埼律選手、リタイアだ!」
「後は……がんばって……なの……」
 さすがにイッパイイッパイな律は兄にバトンを渡してリタイアする。
「――無理し過ぎ。でも、よく頑張りましたね」
 続いてバニラと芋を堪能しきった幽夜が食べられないわけではないが無理喰いするものでもないとあっさりリタイヤ。同時についに眠気が勝った明斗が芋にめり込み、満足した良助が箸を置いて、注目に耐えかねた陽悠がリタイヤした。
「皿の枚数二十を突破しました。最早胃袋が無限になっているかのような状況です。……おや、ここで彪姫選手がリタイアです!」
 味に飽きた千代と、同じく舌のリセットが出来なくなった九朗がここで終了。会場の視線がアトリアーナと煉に注がれる。
 そして、
「橋場選手、箸を……置いた! 神埼煉選手、優勝です!」
 声と同時、歓声と拍手がわき上がる。
 四十五皿を数えてアトリアーナが終了。
 優勝者はキャパ∞の煉。皿数四十八枚。
 阿波座主催の出身地大会ですら出たことがない、大食い大会新記録だった。 





「あー…もうダメだ…」
 大会終了後燃え尽き、ぐでー、と力無く机に突っ伏した遊夜に、差し入れに来た麻夜が包みを手に声をかける。
「お疲れさまです、差し入れですよー」
「あー、わざわざ持って来てくれたのか…ありがとさんよー」
 よろよろと身を起こし、遊夜は麻夜の頭をポンポンする。
「メイド服も似合ってるやね、可愛い可愛い」
「あ、ありがとうございますー」
 褒められ、麻夜は頬を染めた。常と違い明らかに喜色に満ちた姿は、どこか人見知りするワンコに似ていた。尻尾があったら千切れんばかりに振られていそうな勢いだ。
 その様子に微笑みつつ、遊夜は目をしょぼつかせる。朝から全力で盛り上げに尽力したため、かなり疲れていた。
「むぅ、眠い…ちっと、失礼するのぜー… 」
 そのまま机に再度突っ伏してしまった青年に、麻夜は静かに寝顔を眺めて後、そっと声を落とした。
「お休みなさい」



 そろそろ材料がヤバイ。そんなおでん屋に来店する影。
「いらっしゃいませ」
 レグルスに笑顔で出迎えられ、珍しげに見ていた龍騎は煮込まれている具材に目を丸くした。
「なにこれ、何でできてるの…!?」
「それははんぺんですね。ちょっと膨れてしまってますけど。そっちのはちくわぶです」
(はんぺん? ちくわぶ? イミわかんない……)
 だって食材名なんて教わる機会なかったし。呪文のような品名に龍騎の戸惑いが加速する。その横で注文品を受け取った少女(の姿だが実は男性)が顔を綻ばせた。
「美味しい! 大根の甘さは良質の土でストレスなく育った証だね」
 雪花だ。一緒にいるみちるも頷きながら大根の一欠片を口にする。
「ホクホクの大根。味がよう染みてはる」
「卵の濃厚な味はプリンにしても美味しそう」
(大根……卵……)
 龍騎は二人の様子を観察し、レグルスに注文を告げる。最後の一切れだとフローラから渡された大根と卵をしばし眺めてから、口をつけた。
 美味しかった。



「お疲れ様。おでん買って来たから食べてくれ」
 やりきった感でぐったり椅子にもたれた面々に、サクラも兼ねておでん屋に行ってきた悠人がたっぷりのおでんを差し出す。
「ありがとう。明日の分の材料まで使ったけど、大丈夫かなコレ……」
「先生に相談だな。……向こうもそろそろ完売しそうな勢いだったんだけどな」
「今、完売したって」
 大食いから帰還し、携帯で連絡を取り合っていたらしい明斗が告げる。ワッと歓声が上がった。
「全部売り切ったの!?」
「売り切ったって!」
「大成功、だねっ」
 渚が夕乃に抱きついた。


「ほい」
 店じまいを手伝っていた晴日呼はぽんと手渡されたタッパーに目を丸くする。
「先生?」
「寮の子等と食べるといい。……お疲れ様。ありがとうな」
 中は焼き鳥だ。見れば、渡された睦月と鷹司も嬉しそうにタッパーを受け取っている。
「昼食に渡した焼きそばパンも早めに食べろよ?」
「ワシが焼いた串だからなっ。あと先生、尻が痛いんだがー」
「ズルはイカン、ということだ。あと、ちゃんと回復かけただろ?」
「この年でペンペンされるとはなー……」
 どうやら二人して別所で皆の分を焼いていたらしい。
 山と抱えたタッパーを常久と一緒に参加者に配って行く雅の背中を見送って、晴日呼はまだ暖かいそれに視線を落とす。
 弟妹のように大事にしている寮の仲間達へのお土産。喜んでくれるだろうか。
 淡い秋の日差しが人々の上に降り注ぐ。
 彼等の顔を思い描いて、晴日呼はくしゃりと微笑った。


 文化祭、二日目。

 焼き鳥、午後一時三十七分完売。
 おでん、午後二時十四分完売。


 快挙だった。




依頼結果

依頼成功度:大成功
MVP: 撃退士・藤宮 睦月(ja0035)
 夜闇の眷属・麻生 遊夜(ja1838)
 重城剛壁・神埼 煉(ja8082)
 撃退士・夏木 夕乃(ja9092)
 セーレの王子様・森田良助(ja9460)
 鉄壁の守護者達・黒井 明斗(jb0525)
 絆紡ぐ召喚騎士・久瀬 悠人(jb0684)
 未到の結界士・久遠寺 渚(jb0685)
 七福神の加護・鷹司 律(jb0791)
重体: −
面白かった!:14人

無念の褌大名・
猫野・宮子(ja0024)

大学部2年5組 女 鬼道忍軍
撃退士・
藤宮 睦月(ja0035)

大学部2年198組 女 インフィルトレイター
無傷のドラゴンスレイヤー・
橋場・R・アトリアーナ(ja1403)

大学部4年163組 女 阿修羅
夜闇の眷属・
麻生 遊夜(ja1838)

大学部6年5組 男 インフィルトレイター
Le lien eternel・
斐川幽夜(ja1965)

大学部7年200組 女 インフィルトレイター
闇の戦慄(自称)・
六道 鈴音(ja4192)

大学部5年7組 女 ダアト
撃退士・
久我 常久(ja7273)

大学部7年232組 男 鬼道忍軍
『山』守りに徹せし・
レグルス・グラウシード(ja8064)

大学部2年131組 男 アストラルヴァンガード
重城剛壁・
神埼 煉(ja8082)

卒業 男 ディバインナイト
京想う、紅葉舞う・
神埼 律(ja8118)

大学部4年284組 女 鬼道忍軍
撃退士・
夏木 夕乃(ja9092)

大学部1年277組 女 ダアト
子猫の瞳・
相馬 晴日呼(ja9234)

大学部7年163組 男 インフィルトレイター
美貌の奇術師・
紺屋 雪花(ja9315)

卒業 男 鬼道忍軍
セーレの王子様・
森田良助(ja9460)

大学部4年2組 男 インフィルトレイター
撃退士・
虎落 九朗(jb0008)

卒業 男 アストラルヴァンガード
鉄壁の守護者達・
黒井 明斗(jb0525)

高等部3年1組 男 アストラルヴァンガード
【流星】星を掴むもの・
大和田 みちる(jb0664)

大学部2年53組 女 陰陽師
絆紡ぐ召喚騎士・
久瀬 悠人(jb0684)

卒業 男 バハムートテイマー
未到の結界士・
久遠寺 渚(jb0685)

卒業 女 陰陽師
泡沫の狭間、標無き旅人・
龍騎(jb0719)

高等部2年1組 男 ナイトウォーカー
撃退士・
彪姫 千代(jb0742)

高等部3年26組 男 ナイトウォーカー
七福神の加護・
鷹司 律(jb0791)

卒業 男 ナイトウォーカー
夜闇の眷属・
来崎 麻夜(jb0905)

大学部2年42組 女 ナイトウォーカー
約定の獣は力無き者の盾・
長幡 陽悠(jb1350)

大学部3年194組 男 バハムートテイマー
EisBlumen Jungfrau・
フローラ・シュトリエ(jb1440)

大学部5年272組 女 陰陽師