.


マスター:川崎コータロー
シナリオ形態:イベント
難易度:普通
参加人数:9人
サポート:1人
リプレイ完成日時:2016/01/16


みんなの思い出



オープニング

※このシナリオは初夢シナリオです。オープニングは架空のものであり、ゲームの世界観に一切影響を与えません。


「何これ」
 シャウレイはいつも紅茶を楽しんでいるテーブルの上に、見慣れぬ小包を発見した。傍らのワゴンで準備をしているシャウレイ付きの執事・ベルンゲルに問う。
「トゥイードルダム様とトゥイードルディー様からの贈り物でございます」
「ああ、兄上達からか……」
 トゥイードルダムとトゥイードルディーと言えばシャウレイの四番目と五番目の兄であるが、とにかく意地が悪く汚い。
 どうせロクでもない悪趣味なものであろうが、シャウレイは兄達が送りつけてくるそんな悪趣味な品を逆に利用していたずらを仕掛けるのが好きであった。
「で、中身はなんだい?」
「銃でございます」
「銃」
 包みを開ける。中から出てきたのは、鋳鉄と銅でできた銃。レトロフューチャーを装ったチャチな玩具の銃と言えばそれまでであるが。
「撃った相手を美青年にする銃?」
 取扱説明書にはそう書かれている。端から見れば実にくだらない、これを開発した人間は馬鹿ではないのかと思ってしまう程だ。
 ――いや、しかしそう思っていても面白いと目に映ってしまうのがこの男・シャウレイである。
 ふと思いついたように、シャウレイはベルンゲルの用意した茶菓子を勝手につまみながら問う。
「そういえばベルンゲル。人間の世界には、見目麗しい人間の男を集めた『執事喫茶』というものがあると言うじゃないか」
「そのようでございます。もっとも、自分も詳しく存じ上げませんが」
 ベルンゲルはと言うと、まだ準備の段階のクッキーをつまみ食いされた上、突き出された藪から棒な言葉にも動じることはなく、食われた分を淡々と補充しながら主に質問に答えた。
「面白そうだね、執事喫茶。ちょっと適当なのに適当に撃ってさ、僕みたいなのにして一緒にその執事喫茶とやらをしよう。ちょうどお前の仕事に興味があったんだ。僕もやってみたい」
 主が自分の意志とは言え、主が執事の仕事をするとは本来ならばあってはならない事。止めるべきなのだろうが、生憎とベルンゲルには主に対して口答えをするという発想が元よりない。
「だからさ、ベルンゲル。ちょっと執事喫茶作ってよ。ついでに地下に闘技場も拵えてそこで執事を戦わせてさ。だってその方が面白いだろう?」
 主はいつもそうだ。思いつきで行動し、思いつきでベルンゲルを振り回す。
 ベルンゲルもそれに文句はない。このシャウレイという悪魔に仕える事を決めたのは彼自身なのだから。
「御意」
 いつも通り、ベルンゲルは表情筋ひとつ動かさずに頷いた。
 ただ今回は、流石に骨が折れそうである。


リプレイ本文


 この世のどこかにあるという執事喫茶「マグノリア」。洒落た洋館には見目麗しい青年達が執事として働き、令嬢紳士諸氏の帰宅を待っている。
 ――という設定である。正直に白状をすればシャウレイが面白そうとの一言とベルンゲルの無言の努力で作り上げたものであり、期間限定もいいところで本日一回限りの営業だ。
 無論、執事は評判に違わぬ美青年揃えた。ただし美青年は、老若どころか性別すら様々。そう、シャウレイが撃った美青年になる機械の光線を浴び、たちまちの内に美青年になってしまった哀れな被害者達である。
「なんかビームされて執事喫茶で働けって言われた」
 要すればその通りである。不本意ではあるものの、鏡を見た九鬼 龍磨(jb8028)の心は躍っていた。
 何故ならば執事の燕尾を着た彼の外見に、さしたる大きな変化というものがないからだ。いずれも簡単な化粧でも施せばそうなるようなものである。
 漆黒の夜空を映した髪に描かれた、白い彗星の一房。上質なマホガニーの瞳は幾分か長くなった睫に縁取られ、穏やかな初夏を連想させる。柔らかな眉からは通った鼻筋が続いていた。
「ふふふ、やったぜ!」
 朗らかで澄んだ雰囲気を纏う、極めて健康的な魅力を持った美しい青年である。
「お似合いですよ」
 少し華美なギャルソンスタイルの執事の青年となったのは華澄・エルシャン・ジョーカー(jb6365)。服はメイド服がそのまま男物に変わったものであり、それがギャルソンスタイルとして反映されたのだろう。
 闇に溶け込む蝙蝠の羽を借りた優雅な黒髪、深紅の薔薇の精霊から祝福を受けた瞳。冬に最も煌く、絢爛たる宵闇の眷属。
 現実の一切から隔離されて夜に月光を浴び、清らかな聖女の血のみを啜って生きてきたかのような吸血鬼の気品を纏う、美しい青年。
「どうしたらこうなるんですか?!」
 猪川 來鬼(ja7445)は鏡に映った自分の姿を見て、一度意識を失いかけた。どういう間違いがあったらこうなるのであろう。自分が男になっているではないか。
 童顔の面影が残った上に、子犬の毛並みのように初々しい黒の髪と瞳はそのままなせいか、男は青年でも、どちらかと言えば少年のようにも見える。
 純真でいて素朴。華やかさこそ控えめであるが、可憐さを持ち合わせる自然な美貌を持つ青年だ。
「説明書に原理の説明があったから読んでみたけど、君たちに分かりやすく説明しようとすると五時間はかかるね。まぁ僕が途中で飽きるから意味はないと思うけれど」
 元凶のシャウレイはというと、罪悪感も何もなく、執事服の調子を楽しげに確かめていた。これが貴族の末息子特有の浮世離れなのか、それともシャウレイが元から持っていたものなのかはわからない。
 ラファル A ユーティライネン(jb4620)は、まず手洗いに駆け込んで開口一番。
「生えてる――――」
 自分は今、男の体となっているのだ。少女の時とは打って変わっての首筋を隠す程度の短髪。しかし上等な白磁の滑らかな肌と、純金を撚り合わせて拵えた金髪と、水平線を焼き付けた青い瞳と、左の下睫毛で輝く北極星はそのまま。
 北欧の美少女が北欧の美青年になったと言えば早い。北方の人間特有の、結束力の強そうな瞳の力が、男となった今より強く輝いている。
 成人した自分がそのまま男になったと思うと事態はすぐに飲み込めた。執事服の襟元を正した後、何食わぬ顔で「執事」ラファル A ユーティライネンという一人の美青年として店内に戻る。
「気は済んだかい?」
「ああ、もう十分だ」
 満足げに頷いた姿は、まさしく誰もが幼少期に読む物語に出てくる王子そのものである。
「ちゃんと……出来る……かな」
 幻想を引き連れた輝きの銀髪を輝かせ、夏の深緑の雫を固めた瞳を潤ませ、浪風 威鈴(ja8371)が浪風 悠人(ja3452)に問う。
 どこか悩ましく憂いげな雰囲気を纏う、現れては消えてゆく霧のように儚い美青年は、人見知り故、接客は慣れていないどころの状態ではない。
 見知らぬ誰かに触れられでもしたら、それだけで罅が入り壊れてしまいそうな危うい繊細さと脆さの上、彼は憂う。館内の淡い照明が、彼の肌理の細かい白砂の肌を静かに照らした。
「出来ます。大丈夫」
 浪風 悠人は知の糸を紡いだ涼やかな銀髪。瞳は書庫の奥底に眠る英知の銀幕の裏の黒。冷静にして静寂。鋭利であり鋭敏。だが他を決して威圧しない、全てを包み込む静かな知性の心地。
 新しい本の頁の紙のように白い肌が覆う顔。よく通った鼻梁にかけられた眼鏡の黒が燕尾の黒と溶け合い、無色透明のレンズが世界をより鮮明に映す。
「……うん、頑張って……みるね」
 とにもかくにも、こうなった以上は一生懸命頑張るしかない。分からない事や知らない事があれば何でも誰かに聞けばいいし、何よりも隣には浪風 悠人がいる。それだけで安心ができた。
「と、殿方に!?」
 梅之小路 鬼(jb0391)も、鏡の中の自分を見て驚いた。
 左目の深緋の瞳も、右目の月白の瞳にも、何も変わりはない。ただ背丈が伸び、およそ成人くらいの男に自分は今なっている。猩々緋の組紐が漆の黒の長髪をうなじの前で一つに留め、より高くなった腰のあたりに毛先が届いていた。
 万人の羨望を集める冴えた美貌という訳ではなく、その場に春を訪れさせる、暖かみのある美貌を持った青年となったのだ。実際、『彼』となった梅之小路は、微笑さえ絶やさなければ、時間の流れすらも緩慢にさせてしまう雰囲気があった。
「女の子にも効果あるんだねー。ま、頑張ってね」
「それよりいつ、このような服を……」
「全部ベルンゲルがやったよ」
 執事服を着たシャウレイが、ベルンゲルに執事服の最終調整をさせている。なるほど、
「むむむ……」
 どこか腑に落ちないが、要するに細かいことは気にしたら負けと言いたいのだろう。あまりに不可思議な事態ではあるものの、あまりの理不尽に対して以外は従順な梅之小路はとにもかくにも、与えられた仕事をこなそうと思考を切り替えた。
「さ、そろそろ開館だよ」
 シャウレイが扉を開く。
 執事喫茶『マグノリア』の一日が、今日も始まった。


「お帰りなさいませお嬢様。今日も凍えるような寒さ。執事にも色々我慢してる部分があるのですが、人肌が恋しくなる時期でございます」
 花魁のような艶やかさと気品を持つ美しい青年である。妖艶とは決して、見せ付ける肌の面積でもそれらしい言葉遣いでもない。本人から滲み出る、全てを魅了して止まない上等の色香と一級品の美。さもなくば妖艶はたちまち墜落し、その本当の意味も顕現できぬまま朽ち果てて死んでしまう。
 薄やかに笑う瑞朔 琴葉(jb9336)。濡れ羽烏の艶やかな長い黒髪は纏められ、シャツの白襟が反射して尚一層のこと白くなったうなじに後れ毛が気だるく影を落としている。
「寒い日は少し人肌がとか言うじゃないですかぁ」
 先に感知で瑞朔の言葉を読み取っていて助かった。猪川
「寂しいものです。忘れられたのかと思いましたから。二人でお楽しみを、ね?」
 不意に猪川の腰を抱き寄せ、穢れなど一切知らぬ名家の令嬢達に見せつけるようにしつつ、全てを誘うかのように妖しげに笑う。
「お楽しみって……はぁ?! 何もしてないじゃないですか」
 話を振られた猪川はその後始末に必死だ。
 客に何もなければいい――と、そんな淡い希望を持ってしまう。淡すぎるあまり、むしろ透明になってしまったような希望であった。
 しかし無理であろう。相手は瑞朔。猪川を愛で遊んだり、弄ったら面白そうな客や従業員を見つければ率先してそ遊ぼうとする瑞朔だ。享楽的故に面白ければ全力で何でもやる彼の行動の全てを完璧に予測できる訳がない。
「お帰りなさいませ、お嬢様」
 穏やかな微笑を絶やさず、梅之小路が帰宅した令嬢達を迎えた。
「ここはお嬢様の第二の家でございます。どうぞごゆっくりとお過ごしください」
 生真面目で細やかさの出る対応で席へと案内する。
 席に着いた令嬢達を迎えるのが、シェフ達が腕によりをかけて作った料理の数々。
「皆さん、料理を楽しんでくださいね♪」
 厨房からワゴンを押して出てきたのは、ギャルソンスタイルの木嶋香里(jb7748)。上等な墨を擦ってできた黒の髪。
 繊細に描かれた睫の額縁には光をよく通す、最上級の紫水晶の瞳が象嵌されている。聖母的な包容力と柔らかさを持つその瞳は、見るもの全ての心を解し癒すようだった。
 纏う空気は、北国にようやく到来した短くも穏やかな夏。一瞬の楽園の芸術品。
「せっかくのご帰宅です。楽しんで過ごしてください♪」
 ローストビーフサンド・ラムチョップのソテー・トルティーヤ・エビの生春巻き・ノンアルコールカクテル。全て木嶋の手製である。作った料理を自らがサーブする事で、厨房だけに世界を留めず令嬢紳士諸氏との交流を図る。
 そこに飛び込んできたイレギュラーがシャウレイである。
「うーん、中々の出来だね。僕の屋敷に呼んで腕を振るってもらいたい所だよ」
「ありがとうございます。こちらもいかがですか?」
 つまみ食いに動じることもなく、木嶋は聖母のように微笑みながらローストビーフサンドの皿をシャウレイの前に差し出した。
「頂こうか」
 シャウレイは貴族ではあるものの、貴族らしく行儀よくする機会はほぼ皆無であった。ローストビーフサンドをそのまま頬張って咀嚼している彼の隣を、ある二人が横切った。
「さてお嬢様方、紅茶の準備は済んでおります。僕の部下である、パティシエの華澄君が腕によりを掛けた菓子もございますよ」
 友人のジョーカーは、執事である九鬼の部下、屋敷勤めのパティシエという設定である。だからジョーカーは徹底して傅き、
「少々早いのですが、龍磨さんとお嬢様方へバレンタインケーキをお持ち致しました」
 ジョーカーが押すワゴンに載せられたのは、見るも立派なオペラケーキ。艶やかな表面は磨き上げられたグランドピアノのように光を反射し、上には薔薇と蝶のチョコレート細工が誇らしく飾られている。
 ジョーカーと九鬼が二人で作った自信作。だからこそ、サーブも抜かりはない。
「少しだけ、離れてくださいね……ほら!」
 ブランデーを染み込ませた菓子に火を点す。
 炎の色は青。神の領域に最も近い、神に愛された不可能の青。
「龍磨さんの灯されるブランデーの蒼い炎は美しゅうございましょう? どちらのお菓子も大人のお味です。愛がお嬢様方にありますように」
 言い方こそ冬の息吹を声として震わせている印象のあるジョーカーであるが、その言葉の端にあるのは、その裾を持つ春の陽射しの優しさであった。
「ブランデーの火は消えますが、愛の灯は不滅ですよ」
 折角だから、最大限に格好をつける九鬼。格好をつけても、何も言われず様になっているのが今なのだから。
「酔った? 夢は途切れません。私がうつつまでお連れします」
 ジョーカーの前にピアノの鍵盤が現れる。白魚の指先で静かに弾き出すは、夜想曲のメロディ。砂糖菓子のように甘い音色が、館内に染み渡った。


 喫茶室の隅にあるエレベーターに乗ると、地下の闘技場に出る。戦っている執事達の姿が見れると、令嬢達からは以外に人気であった。
 フィールドを見ると、今まさしく居合刀を使用して奮戦した梅之小路が立ったまま気絶した所である。意識を失った虚ろな目。燕尾はすっかり汚れ、所々が切り刻まれ、積もった雪のように細やかな白い肌を持つ上半身が露になっていた。
 気絶してもなお整いきらない荒い呼吸が玉のような汗を上から下、胸元から臍へと流れ、彼の必死さを表している。
 梅之小路が運ばれてゆき騒然とした闘技場に次に現れたのは、浪風の苗字を持つ二人であった。
 だが。
「闘技場で……なにするの……?」
 きょとんとした目で小首を傾げる浪風 威鈴。何をするのかもわからず、浪風 悠人に誘われるままやってきた。
「闘技場で腕試しです。執事であるならば主を守るのも役目の一つ。腕は磨いておくものです」
「そっか。――ぇと……よろしく」
 言うが早いか。千条鞭を掴み、浪風 悠人の脚辺りを攻撃。そのまま足の動きが少しでも鈍らせた瞬間、胴をクイックショットで撃ち抜きにかかる。
「流石です――」
 左手で操るワイヤーで急所を全て避けた浪風 悠人は、眼鏡のレンズを闘技場の強い白光に反射させながらブリッジを上げ、浪風 威鈴に襲い掛かる。
 足をワイヤーで絡め取り、転ばせ背中に掌底。
 浪風 威鈴の肺から、酸素が一気に追い出される音がした。しかしそれでも浪風 威鈴は地面に着いた手を起点に飛び起き、続け様に浪風 悠人の足を払う。
 暫し静寂。ぴたりと止まり緊張しきった時が流れる。
 次に口を開いたのは、浪風 威鈴であった。
「大丈夫……? 痛く、ない……?」
 心配そうに浪風 悠人の顔を覗き込む浪風 威鈴。
「大丈夫ですよ。こちらこそ、ありがとうございました」
「うん……ありがとう」
 固い握手を交わす二人。それに沸き立つ闘技場の客席。
 その客席の一角で、観戦している執事が三人。ユーティライネンとシャウレイ、そしてベルンゲルだ。
「にしても普通執事って屋敷に一人いるもんだろ。こんなにいたら色々困るよなー」
「まぁざっと二十人? 三十人は撃ったしね」
 常識的に考えて撃ち過ぎな訳であるが、ユーティライネンはそういった事は気にしない性格であった。
「てなわけで誰がこの店のナンバー1執事にふさわしいかのゲームを開始するぜー。名付けて『執事-1』バトカリポス」
「あっはっは、面白そうだね。やればいいじゃないか」
 シャウレイは微笑みを崩す事もなく、行われている試合を眺めている。
「何ならお前も参加するか? 一緒に暇そうな奴らをここに拉致ってひとしきり暴れようぜ」
「暇な人達を地下に誘う事は手伝ってあげるけど、暴れるのは遠慮しておくよ。そろそろベルンゲルがお茶を用意してくれるんだ」
 彼らが今いるブロックのすぐ後ろには、常連中の常連だけが使うと設定されたボックス席のエリアがある。テーブルのあるソファー席で、言ってしまえば特等席に類するものだ。
「お前も執事だろ」
「今しがた執事の僕はお茶休憩に入ったのさ。だから今、僕は執事じゃないのさ。執事は主人の為に茶を淹れるのが仕事なら、主人は執事が淹れた紅茶を飲むのが仕事なんだよ」
「物凄い言いくるめだな」
 空前絶後のお坊ちゃん理論であるが、そうこうしているうちにベルンゲルが勝手にボックス席を一つ使ってシャウレイのアフタヌーンティーの準備を手際よく行っている。これではどこからが店員でどこからが客なのかよくわからなくなってきた。
「しっかし、これってどんな行動しても勝手に優雅になっちまうのな。おんもしれー」
「それも機械の効果の一つだって説明書には書いてあるよ。開発者の趣味がわかって面白いよね。どれだけ愚かになれたらこんな機械を作れるのか不思議で堪らないよ」
 そして、さも当たり前のようにティータイムを開始するシャウレイ。執事の恰好をした青年が執事喫茶の中心で執事を携えて紅茶を飲むという前代未聞の事態が発生した。最早森羅万象がひっくり返ってもおかしくはない。
 ユーティライネンによって一階から連れて来られた執事たちが、早速爆発と硝煙の嵐に見舞われている。
「いやあ、ここも面白くなって良かったね。そう思わないかい、ベルンゲル」
「左様で」
 シャウレイはティーカップに
「うん、今日の紅茶も美味しいね」
「有難きお言葉」
 懐中から時計を出し、時間を見る。機械の効果が切れるまではまだ少しある。
「次はどんな楽しみがあるのかな」
 少なくともまだ、シャウレイの暇は潰しきれていない。
 執事喫茶マグノリアの一日は、もう暫く続きそうだ

【了】


依頼結果

依頼成功度:成功
MVP: 愛する者・華澄・エルシャン・御影(jb6365)
 圧し折れぬ者・九鬼 龍磨(jb8028)
 自由を求めてやってきた・瑞朔 琴葉(jb9336)
重体: −
面白かった!:3人

おかん・
浪風 悠人(ja3452)

卒業 男 ルインズブレイド
肉を切らせて骨を断つ・
猪川 來鬼(ja7445)

大学部9年4組 女 アストラルヴァンガード
白銀のそよ風・
浪風 威鈴(ja8371)

卒業 女 ナイトウォーカー
撃退士・
梅之小路 鬼(jb0391)

大学部5年210組 女 アストラルヴァンガード
ペンギン帽子の・
ラファル A ユーティライネン(jb4620)

卒業 女 鬼道忍軍
愛する者・
華澄・エルシャン・御影(jb6365)

卒業 女 ルインズブレイド
和風サロン『椿』女将・
木嶋香里(jb7748)

大学部2年5組 女 ルインズブレイド
圧し折れぬ者・
九鬼 龍磨(jb8028)

卒業 男 ディバインナイト
自由を求めてやってきた・
瑞朔 琴葉(jb9336)

大学部7年22組 女 アカシックレコーダー:タイプB