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マスター:川崎コータロー
シナリオ形態:ショート
難易度:やや易
参加人数:6人
サポート:3人
リプレイ完成日時:2015/12/27


みんなの思い出



オープニング


 奇妙なのと出会った。
「んんあ、すみませんすみません! お怪我はございませんか」
 久遠ヶ原学園島でも、特に賑やかなメインストリート――の片隅。
 自動販売機の隣に置かれたペットボトル専用のゴミ箱に向かって平謝りしている男がいた。
 気弱そうな高い声に、アンテナの立ったぼさぼさの長い銀髪、何故かボロボロになったシンプルな服。
「あんた、何やってんの?」
 普段はこういうものに関わるべきではないと悟るはずの小鳥遊であるが、今回ばかりは声をかけてしまった。
「はいぃ?」
 振り向いた男は、春夏冬と同じか上くらいかの年に見えた。しかし、枝のように細い体はどう考えてもひ弱で、どこまでも人のよさそうなくりくりとした目はむしろ少女的であり、十と同じくらいにも見える。
「それ、人じゃないわよ」
「はっ」
 恐る恐るゴミ箱に触れた男は、そこでようやくゴミ箱と気付いたらしい。ひたすら無心にゴミ箱を両手でべこべこ触っている。
「なんと……なんと……」
(変な奴)
 小鳥遊の予想を遥かに超えた奇人であった事に軽く後悔しながらも、小鳥遊は続ける。
「あんた……悪魔よね」
「ははあ、よくわかりましたね」
「いや雰囲気でわかるわよ」
 この久遠ヶ原に来て以降、小鳥遊は目の前にいる者が人間なのか天魔なのかを一度で見抜けるようになっていた。特に悪魔ならば匂いでわかるようになった。
「で、あんたどうしたの。ゴミ箱なんかに謝って」
「近くのものがすっごくよく見えるようになるメガネをなくしちゃって……」
「何でメガネなんか道端でなくすのよ」
 ゴミ箱に謝り倒した上に近くのものがよく見えるようになる、という事は即ち、この男はドのつく遠視という事になる。ならば道を歩いている最中でも着用している筈のメガネなど紛失しない筈だ。
「そのですね、ギラギラ金髪のトゲトゲした人達に話しかけられて」
「うん」
「気付いたら気を失っていて」
「……はあ」
「そうしたら必需品バッグと一緒にメガネがなくなっていまして」
「いやいや」
 推測する限り、この男はカツアゲに遭いさらには気絶させられた事になる。なるほど、道理で服がボロボロな筈だ。
「ああどうしましょう、子供達にも工具セットを持っていかれてしまった事を思い出しました……」
「はあ?」
「工具セット、大事なものなんです。たぶん必需品ポシェットの中にあるお財布より! でないとせっかくここまで来た意味もないですし依頼人さんにも失礼しちゃうんです!」
 一周回って冷静になった小鳥遊は、この頭のぬくいしゃべり方は何なのだろうかと考えつつ、事態の整理の為に聞きそびれていた事を聞く。
「あんた、名前は」
「コッペリウスです。お人形を作ったり、直したりしてます」
「コッペリウス……人形師?」
「そんな大層なものでもないんですよ。あなたのお名前は?」
 にっこりと屈託なく笑うコッペリウス。
「小鳥遊」
「たかなし! いいお名前ですね」
「……」
 垂れ下がった大きな目を見て、小鳥遊はもういなくなった自分の姉の事を思い出す。このコッペリウスとかいう男は、面影がどこか姉に似ているのだ。
「で、なくしたものは何? 改めて教えてちょうだい」
「へ?」
「なくしたものを教えなさいって言ってるの!」
「え、一緒に探してくれるんですか?!」
「流れで話しかけたのに、このまま手放しなんて人間性を疑うことなんかできないでしょ。何人か知り合い呼んで、あんたの持ち物探すの付き合ってあげるって言ってるの!」
 突如の逆切れにも驚かず、コッペリウスは渡りに高級クルーザーと言わんばかりの満面の笑顔を小鳥遊に向けた。
「わあー、ありがとうございます! とってもいい人だぁ!」
(……変なの)
 やはり似ている。笑った時の目元、口元の形。今も大好きな姉・アデレイドに。
 それがどこか懐かしく、どこか抱いた違和感でもあった。


リプレイ本文


 昼下がりのメインストリート。そこは午後の時間を持て余した学生たちの気だるい時間である。
「うへー、喰った喰った。二時かー、お腹いっぱいだしかえって寝ようかなぁ……ぁ?」
 昼食を堪能した米田 一機(jb7387)もそんな時間を享受する学生の一人――であったが、店から出るや否や悶着している小鳥遊とコッペリウスを目撃し、挙句目が合ってしまった。
「あんた。暇?」
「あー、いや、まぁ、ヒマ……ですけど」
「私今少し困ってるの。見て分からない?」
「……あー、そうなんですかー」
「知り合い来るから待ってるんだけど、ちょっと手伝ってくれないかしら」
「……はぁ、あ、僕もやるの?」
「愚問よ」
 少々腑に落ちないが、小鳥遊もコッペリウスも初対面だが悪い者には見えないので、断る事も出来なかった。完全にただの通りすがりで巻き込まれた様相である。
「しかし今度は探し物ですか。小鳥遊さんも色々と巻き込まれることが多くて大変ですね」
 合流した理葉(jc1844)は小鳥遊とその隣できょとんとしているコッペリウスを交互に見た。背丈で言えば無論コッペリウスが大きいが、立ち振る舞いと態度からはしっかり者の姉とぽややんとした弟のような雰囲気がある。
「世間知らずのはぐれ悪魔、か。人形を直す仕事で来たってことだけれど……学園生ではなさそうだね。普段はどこに住んでるのかな」
「ここからず――っと西に行った所の山の奥です! 僕、自然いっぱいの所が大好きなんです!」
 ある方向を指差し狩野 峰雪(ja0345)の質問に答えるコッペリウス。素直で元気がよく屈託のない様子は関心するが、指差す方向は北である。残念。
「……まぁ、失くしたものも多い事だし、三班に分かれて捜索しようか」
 そこに騒ぎを聞きつけた者が一人。
「なんと! これは私の出番ですね!」
 キアラ・アリギエーリ(jc1131)は一応――自称だが――保安官だ。人――いや今回は悪魔――助けならば全力を尽くす。
「では、まずは特徴を可能な限り教えてください」
「なくしたのはえーっと、必需品ポシェットと、お人形を直すのに必要な工具カバンと、メガネです!」
 結構なものが取られている。置き引きされやすい男なのか。
「本当に大変ですね。小鳥遊さんにお会いできて良かったです。きっと見つけてきますから、コッペリウスさんは危ないので休んでてくださいね」
 五十鈴 響(ja6602)はコッペリウスの服の埃を掃いながら優しく微笑んだ。
「そしてお聞きしたいのですが、小鳥遊さんに話しかけられた時は、気絶した場所からどのくらい移動してましたか? メガネの特徴を詳しく教えてください」
「うん、眼鏡は早い事見つけたいね。ないと危険だろうし。ねえ、眼鏡ってどんな形だったの?」
「まん丸おっきな分厚いレンズの銀色メガネです!」
「……いわゆる瓶底眼鏡、か」
 米田はすぐ想像ができた。
「誰かの持ち去りか、何かの拍子で傍に落ちて――もしかしたらカラスとかキラキラ好きなこたちに持ってかれたってことも……地面等に落ちてたり、枝に引っかかってたり、動物を見かけたら持ってないかも確認したいですね」
「カラスか……そうなると少し厄介だな」
 もし五十鈴の言うとおりカラスに持っていかれたりしたら、それこそ米田でも手こずってしまう。
「コッペリウスが弱いって言っても悪魔だし、悪魔にダメージを与えて気絶させられるってことは、覚醒者の不良なんだね」
 Robin redbreast(jb2203)は推測する。
「はい、ギラギラ金髪のトゲトゲした人たちです。三人だったかな」
「ギラギラ金髪のトゲトゲした三人組だったら、目立って見つけやすそうだね」
 よくカツアゲをしているならば、この辺りで要注意人物になってるかもしれない。通行人や周辺の住人に話を聞いて探してみるのが早いか。どこかで見かけなかったか、よくどこで見かけることが多いのか、など。
「探し物の内、理葉は必需品ポシェットというものの担当しましょう。小鳥遊さん、お手伝い願えますか」
「え、いいけど……」
「助かります。人手は多い方がいいので」
 小鳥遊はコッペリウスに対して何か思うところがある様子であるし、上手く探し物を取り返して話しやすい雰囲気を整えてあげられたらな、とも思っていた。理葉自身としては人形師だというのが気になるが、取り敢えずは静観だ。
「まずはコッペリウスさんがカツアゲされた不良の目撃情報の収集、でしょうか。まだ時間もそれほど経っていませんし、そう遠くには行っていないと思いますが」
 とは言え不良だ。妙な裏路地にたむろでもされていたら骨が折れる。
「じゃあ僕は人形を直すのに必要な工具カバンを探そうか。子供たちについて、もう少し詳しく聞かせてね。どこで取られたか、どの方向に去っていったか 何人位いたのか、年頃とか見た目とか特徴を、覚えてる限りでいいから教えてくれると助かるな」
 狩野の質問に、コッペリウスは指を折りながらこくこく頷いて答える。
「ええと、五人組さんで……みんな十歳とかそのあたりなのかなぁ……元気そうでした。ワギャー! って感じです」
「君は一応悪魔なんだし……そうなると久遠ヶ原学園の子供たちか」
「あ、それっぽいです。ここのみなさんがよく着てるお洋服着てました!」
 更に聞き込んで得た情報を元に、狩野はある所に電話をかける。
「どこにお電話を?」
「教務課だよ。人を守る撃退士が、その力を悪用して、強盗みたいな真似をしているのを放置しておくのは不味いからね。工具カバンを取り戻して終わり……には出来ないよね。この辺でよく悪さをしてるなら、何処かにたまり場があるかもしれないし、目撃情報を辿ってみたり、周辺のお店の人に聞き込みしたりして探してみよう」
 それぞれの役割が決まった所で、アリギエーリが威勢よくガッツを組んだ。
「それでは捜査開始です!」
 アリギエーリにとってメインストリートとその横の商店街は、彼女が保安官としてパトロールをしている場所だった。実態はほとんどただの食べ歩きだが、そのお陰か地理も詳しい。通行人だけではなく、その店の料理を食べながら、付近の商店にも聞き込みを行う。
 そんな中、redbreast達三人はコンビニの前でいかにもな三人組を見つける。トゲトゲ金髪のギラギラ三人組。コッペリウスの証言通りで、三人組には似合っていない、それらしいポシェットも持っている。
「お店の前で暴れられたら、色んな人に迷惑かかっちゃうし、まずは人通りの少ない場所に誘導した方がいいかな」
「同感です。大人しく物を返してくれるなら良いのですが、そのような様子でもなさそうですし。返してくれないなら制圧、無力化してから返してもらうしかありませんね」
 ハイドアンドシークで潜行。気配を消して忍び寄り、隙を見てポシェットを強奪。
「あっ、テメ」
「ポシェット、返してもらうね」
 微笑んで挑発し、全力疾走。コンビニ前から引き剥がし、人に迷惑がかからない場所におびき寄せる。
「ナメてんのかぁ!」
「悪い子にはお仕置きしないとダメなんだけど殺しちゃったらダメだよね? でも覚醒者なら、多少のダメージなら死なないよね」
 あどけない笑顔のまま、redbreastは氷の夜想曲を奏でる。
「理葉達がナメる以前に踏み込みが甘いです」
 先制はせず、相手の攻撃を捌いて峰打ちを当てる理葉。連携して相手を逃さず、確実に仕留める。
「全く、面倒な奴らに取られたものね……!」
 と、小鳥遊が気合を入れる前に結構呆気なく終わった。トゲトゲギラギラしているのも見かけだ。
「これが必需品ポシェット、ねぇ……」
 ざっと中身を確認するが、何かが奪われた様子はない。しかしよく見ると財布もハンカチも全ていい品という事がわかる。不良にはブランド品を見極める能力がなかったのが幸いしたか。
「……で、あんたは何やってんの?」
「不良って髪型とか洋服とか、コダワリがありそうだから、技が効いている間に身ぐるみを剥いで下着姿にしてみて、恥ずかしくて外を歩けなくしてみようかなって。ごめんなさいって謝るまで返してあげないよ。反省したら、自分で返しに行かせるから」
「――好きにすれば?」
 小鳥遊にとってredbreastの行動は多少やりすぎな気もした。しかしコッペリウスのあの人の良さそうな笑顔を思い出すと、眉を顰める程度でそれ以上何も言わなかった。
 自業自得。そんな言葉が浮かび、コッペリウスの日向を求めて彷徨う髪の動きに掻き消えていった。

 一方狩野はと言うと、教務課に問い合わせて得た情報を元に近くの公園に来ていた。目測どおりビンゴで、いかにもなクソガキ五人組の傍らには、どう考えても小学生程度の子供が持つのは不自然な鞄があった。
「おや、もしかしてあれは……」
 いや、もしかしなくてもそうだろう。
 そうとなればいきなり力で訴えるのではなく、まずは色々と話してみたい。
「そのカバンは、君達のものじゃないよね。どうしたのかな?」
 ひとまずは優しく。安易に暴力での解決を図ったら、子供たちの手本にもならないのだ。
「は?」
「そのカバンは、君達のものじゃないよね。どうしたのかな?」
「関係ねーだろ、オッサン」
 ニヤニヤと笑ってシラを切るつもりだろうが、無駄である。
「君達の身元は押さえてるから、逃げても無駄だよ。そこの青のダウンジャケットの君。君は確か初等部の五年六組二十番――」
「ヤベッ」
 逃げ出す子供たち。だから逃げても無駄だと言っただろう。子供達の所属と名前を叫びながら子供達を易々と追う狩野。むしろ追い越し、壁のように立ちはだかる。
「僕は百戦錬磨(誇張)の撃退士だから、抵抗しても痛い目に遭うだけだよ。ここは一つ、平和的に話し合いと行こうじゃないか」
「う、うるせぇー!」
 武器を構える子供達。
「しょうがないなぁ……」
 交渉は決裂である。ダークハンドで捕縛し、更にナイトアンセムで一時的に無力化させる。その間に武器と工具カバンを回収する。
「担任の先生に連絡するよ。反省文を書いて、コッペリウスさんにお詫びをするんだ。いいね?」
 ひとまず、教務課で教えてもらった担任教師の携帯電話へと電話を入れた。
 やることはたくさんある。一件落着しかけているのが、せめてもの幸いであろう。

「「猫ぉ?」」
 五十鈴と米田は、二人して素っ頓狂な声を上げた。
「うん。ちょうどあっちの公演で、猫がそれっぽい眼鏡を持って寝てたよ」
「そ、それってどんな猫でしたか?」
「茶ブチだったかなー。大きかったし貫禄もあったし、このあたりのボス猫かも」
 中等部の女子学生の証言は確証性が非常に高かった。
「あっ、あれ……!」
 五十鈴の指差す先、日当たりのいいベンチでは大きい茶斑の猫が瓶底眼鏡を抱え込むように丸まって眠っていた。
「あれか……できればそ〜っと掴んで一気に引っこ抜いてばれる前にトンズラしたかったけど、なんかがっちり抱えてるね」
 米田の言う通り、下手に手出しをしたら二人も眼鏡も妙な負傷をしかねない。
「任せてください」
 こういう事もあろうかと、五十鈴は近くにあったペットショップで猫じゃらし用の玩具、お頭付きのおいしそうな魚、猫用ミルクとお皿、小さめブランケットを調達していたのだ。
「はーい。起きてくださーい。おいしいミルクがありますよ〜……」
 ちろちろと猫じゃらしを振りながら、気を立たせないように起こす。隣では、米田も近くでむしってきた草を目の前でふりふりさせている。
 こうして猫の気を引き、二人どちらかが猫を抑えて猫がうっかりメガネを手放した瞬間、米田が勢いよくメガネを引き抜き返してもらう計画だ。
 最悪スリープミストで眠らせるか、怪我を覚悟でメガネを奪取するかだ。
 猫の目の前でおもちゃを振ってネコパンチなどをしてくるのを待つ。
 ――が、中々動じない。猫カフェの猫はおもちゃで遊ばれすぎておもちゃに反応しないというが、そのあたりの理論は根本的には違うもののボス猫も同じらしい。
「ほら、お昼寝用のブランケットですよ〜。あとミルクも! ……あ、そこの猫さん、ミルクいかがですかー?」
 もしかしたら近くの別の猫にあげたら関心を示すかもしれない。
 五十鈴のミルクに引き寄せられた三毛猫が、嬉しそうにミルクを飲み始める。ぴちゃぴちゃと小さなミルクの音に、流石のボス猫でも反応せざるをえなかったらしい。
「ほら、お魚もありますよ〜。どうぞどうぞ」
 今だもう一押し――と、魚を差し出す。もう我慢できない。ボス猫も、そして三毛猫も、魚めがけて飛びついてきた。
「よし!」
 ボス猫が飛びついた拍子にベンチから落ちた眼鏡を、米田は間一髪のところで受け取る。汚れてはいるものの、大きな破損はない。無事である。
「――って、大丈夫?」
 見ればミルクや魚のにおいにつられて、公園の猫達が五十鈴や米田を囲んでいる。米田は多種多様な野良猫たちに囲まれながら、その眼光の鋭さに困ったように笑った。
「えへへ……皆さん食いしん坊みたいで」
 この後公園の猫達に囲まれ、少し逃げ時に困ったのは、また別の話だ。


「わぁ〜! ありがとうございます! ああ良かった〜、全部無事だぁ〜! これでお人形さんを直せる〜! アイサイザーもゴム引きも無事だぁ〜!」
 びいびいと鳴いて礼を言うコッペリウス。その口から出る言葉の端々に、人形師らしい用語が零れた。
「人形師か……初めて会ったからよくわかってないんだけど、どうしてなろうと思ったの? 何ができるの? 道具ってどこから買ったの?」
 表面では普通の子を装いつつ警戒していた。
 戦闘能力も運動神経もないが『はぐれ』ている。即ち、それを可能にする長所を持っているのだ。
 併せて人形師という情報が他者への操作系の能力を連想させる上、人がいいというのは自分に頓着がない事でもある。
 悪魔でこのタイプがいるのか――そんな疑問を抱えつつコッペリウスを見ていた。だからこその疑問かもしれない。
「僕、お人形さんが好きなんです。妹達からはよく笑われたけど、末の弟は褒めてくれて……道具はね、その弟がくれたんです! 兄さんには必要なものだろうから、これで素敵な人形を作ってね、って!」
 人を疑う事を知らないコッペリウスは、屈託のない笑顔で質問に答えた。
「コッペリウスさんはどんなお人形を作っていらっしゃるのか、いつか見せていただきたいです」
「あっ、はい! いいですよ〜。作って弟に褒められた人形があるんです! 三体いて、名前はアンネローゼと、マルグレットと、リリアンヌって言うんですけど……あ、写真忘れちゃった……」
 がっくりうな垂れるコッペリウスに、ため息を吐く小鳥遊。しかし小鳥遊の心中はどうしてか穏やかで、不快感など一片もない。
 そしてこれが、小鳥遊ことイヴリン・リア・ルトロヴァイユと、はぐれ悪魔コッペリウスの、運命の歯車が回り始めた瞬間でもあった。
【了】


依頼結果

依頼成功度:成功
MVP: Mr.Goombah・狩野 峰雪(ja0345)
 あなたへの絆・米田 一機(jb7387)
重体: −
面白かった!:2人

Mr.Goombah・
狩野 峰雪(ja0345)

大学部7年5組 男 インフィルトレイター
幻想聖歌・
五十鈴 響(ja6602)

大学部1年66組 女 ダアト
籠の扉のその先へ・
Robin redbreast(jb2203)

大学部1年3組 女 ナイトウォーカー
あなたへの絆・
米田 一機(jb7387)

大学部3年5組 男 アストラルヴァンガード
堕天使保安官・
キアラ・アリギエーリ(jc1131)

大学部1年289組 女 アストラルヴァンガード
深緑の剣士・
理葉(jc1844)

中等部1年6組 女 ルインズブレイド