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みんなの思い出
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オープニング
●
長い――長い、戦いだった……。
降り止まぬ雨がない様に、この戦いにも終わりの時が近づいて来ていた。
頂点を越えた日差しは、いまだジリジリと鉄製の得点ボードを焦がしている。
物理的にも、表示内容的にも、灼熱を帯びたボード。
それを見つめるのは小柄な少女
―のように見えるが、実態は謎の魔女こと、紅組大将・アリス（だいたいコイツの所為）ペンデルトン。
「ぐぬぬ、まさかここまで大差をつけられようとは予定外だったのぢゃ…」
まだ届いていない試合結果があるとはいえ、スコアボードの差は約２倍。全勝したとしても、なかなか難しい数字だ。
と、厳しい表情のアリスの後ろから近寄る影が。
「ふふん、どうやらこちらに機運はあるようだな？」
「太珀っ」
言うまでもなく、この大人気ない争いのもう一人の元凶で、白組大将の太珀であった。
得意げな表情は、いつもの２割り増し。少年の外見でそれをやるから、小憎らしさも倍増という有様。
当然、宿敵たる魔女が黙っている訳もなく言い争いに発展するのがいつものパターン…なのだが、この時は様子が違った。
ぐっと太珀を睨み付けていたアリスが、次の瞬間にやりと笑ったのだ。
こういう笑いをする時は、ろくな事がねぇ。
「のぅ、太珀よ。生徒ばかりに参加させて高見の見物で終わるのは、教師として如何なものぢゃろうな？」
「今更だが、正論だな。だが予定された種目はもう全て終わっただろう。まさか貴様、負けているから種目を増やすきかっ」
珍しくまともな事をと、誤魔化されそうになる狙いに気付き太珀はアリスを睨み付ける。
しかし、
「よよよよ、太珀よ、私は悲しいゾ！
天魔との戦いを強いられる学生諸君に、せめてもの楽しい学園生活をという大義名分で、学園長を乗せ…説得し、実行委員を強せ…召集したのぢゃ。
されどやはり、元凶たる我らが無関係のままというのは無責任ぢゃ。
それを、勝ちだ負けだと自分達の問題に拘り、大切な事を蔑ろにしたまま終わるなぞと。そう、我らは責任を取らねばならぬのぢゃ、この戦いを起こした者として！！」
相手が悪かった。すちゃらかで、無軌道に、およそ大体の無茶を実行できるのが、このアリス・ペンデルトンという魔女だ。
じわりと太珀の額に汗がにじむ。
決して間違った事は言っていない。確かに、アリスの言い分には納得できるのだが…。
このまま座していれば勝利は間違いないのも確かだ。
この下らない争いを、早く終わらせたいと言っていたのは自分ではなかったか。
「それとも太珀。よもやお前さん、折角の勝利が覆るのが怖いのかのぉ？」
ダメ押しの一言。
理性って、まじめな人ほど吹っ飛ぶと後先判らなくなるよね。
「いいだろう、そこまで言われて引き下がる筋合いもない。最終種目で、僕も参加してやろう」
こうして、最終種目・リレー式球技が会場全体を使い行われる事に。
「あ、最終種目は得点もどーーーんと、がお約束ぢゃ。勝った方に１０００点でよろしくぢゃ☆」
得点ボード係にそう手配する声は、幸い（？）にも太珀には届かなかった。
●
「簡単に説明すると、障害物リレーみたいな感じね」
説明を請け負っているのは、白衣と笑顔がまぶしい保険医、山咲 一葉。
拡声器を片手に、急いで作られたと思わしき資料をめくる。
最終種目が行われる学園内のトラック会場に集まったのは１００人程の生徒達。
最後とあって、応援席の埋まり具合も上々なようだ。
「ちょっと違うのはチーム単位でバトンをつなぐ事ね。チームで障害をクリアして次のチームに繋げるの」
障害内容は、簡単な球技。
と説明をしてる中、勇気ある生徒が当然の疑問を一葉にした。
「あの、なんで……トラックの中心に先生と実行委員が縛り付けになってるんですか？」
「ん〜連帯責任かしらね」
判ったような、判らないような…。
「負けた方の大将は、全ての責任を取って爆発を甘んじて受けるって事らしいわよ」
つまり……、今までの不条理を全てぶつけられると言う事か。
●
トラックの中央の一番高い席。
足元には、見るからに物騒な黒くて丸い物体が転がっている。
そこから伸びる導火線は長く、トラックをぐるりと巡っているが火がつけば確実に足元まで届くと言う寸法だ。
「な、なんで爆発する必要があるんぢゃ！」
「ふんっ、責任を取りたいんだろう？ 案ずる事はない、爆発したくなくば勝てばいい事だ」
「爆発を見るのは好きぢゃが、させられるのは好きではないぞおお」
一緒に参加したい旨を実行委員に告げた所、ならば最終ゴール役になって欲しいと提案されたのを承諾したのは１時間前。気付いた時にはここで、導火線を見守るしかないと言う状態に。
なんということでしょう。
「僕も付き合って座ってやっているんだ。まぁ、勝つのはこちらだけどな」
「このルールにした事を後悔させてやるのぢゃ！」
--------------------------------------------------
●課題５種目
バレー／１０００本スパイク
文字通り、１０００本分スパイクをして貰います。
トスはNPCが上げますが、PCが代わっても構いません。コートは隣同士。
バスケ／１０００点シュート
文字通り、１０００点分シュートをして貰います。
ボールは一人一つ配布。同じコート内で行います。
野球／１０００本キャッチ
文字通り、ノックを１０００本分キャッチして貰います。
同じグラウンドで取り合いになります。
サッカー／１０００回リフティング
文字通り、１０００回リフティングして貰います。
ボールは一人一つ配布。落としたら０からやり直し。
テニス／１０００本ラリー
文字通り、１０００本ラリーをして貰います。
ボールは一人一つ配布。往復で１カウント。落としたら０からやり直し。
●１０００ｍ走
１０００ｍ走は、チーム全員が走りきった所で、次のチームが課題に向かいします。
●実行委員の解放と魔法札
実行委員１０名が連帯責任という名の下、トラックの中心で拘束されていています。
課題クリアで一人を解放でき、手に持つ魔法札も手に入ります。
札の効果範囲は自軍全体です。
札効果と実行委員（紅／白）
・会心の一撃（一人１回） 黒峰夏紀／ミリサ・ラングナー
・回復の光（１回） 炎條忍／月見里叶
・超瞬発（３ターン） 綿谷つばさ／伊駿木音琴
・命中＆回避３倍（効果５分間） 月摘 紫蝶／猫目夏久
・失敗の呪い（効果３分） 中山寧々美／桐江 零
●何故かオンラインゲームのチラシの裏に書かれた追加資料
≪総大将の責任BOX≫
全校生徒を巻き込んだ責任を取って、少しは反省を促す為、課題クリアごとに勝利チームによる、憂さ晴らし（訂正線）勝利チームの攻撃を総大将が引き受ける。
課題ごとの勝利チームは、「く」「お」「ん」「が」「はら」の好きなBOXの中身を、敵大将に投げつけられるぞ♪
中身は、開けるまで秘密だ。
長い――長い、戦いだった……。
降り止まぬ雨がない様に、この戦いにも終わりの時が近づいて来ていた。
頂点を越えた日差しは、いまだジリジリと鉄製の得点ボードを焦がしている。
物理的にも、表示内容的にも、灼熱を帯びたボード。
それを見つめるのは小柄な少女
―のように見えるが、実態は謎の魔女こと、紅組大将・アリス（だいたいコイツの所為）ペンデルトン。
「ぐぬぬ、まさかここまで大差をつけられようとは予定外だったのぢゃ…」
まだ届いていない試合結果があるとはいえ、スコアボードの差は約２倍。全勝したとしても、なかなか難しい数字だ。
と、厳しい表情のアリスの後ろから近寄る影が。
「ふふん、どうやらこちらに機運はあるようだな？」
「太珀っ」
言うまでもなく、この大人気ない争いのもう一人の元凶で、白組大将の太珀であった。
得意げな表情は、いつもの２割り増し。少年の外見でそれをやるから、小憎らしさも倍増という有様。
当然、宿敵たる魔女が黙っている訳もなく言い争いに発展するのがいつものパターン…なのだが、この時は様子が違った。
ぐっと太珀を睨み付けていたアリスが、次の瞬間にやりと笑ったのだ。
こういう笑いをする時は、ろくな事がねぇ。
「のぅ、太珀よ。生徒ばかりに参加させて高見の見物で終わるのは、教師として如何なものぢゃろうな？」
「今更だが、正論だな。だが予定された種目はもう全て終わっただろう。まさか貴様、負けているから種目を増やすきかっ」
珍しくまともな事をと、誤魔化されそうになる狙いに気付き太珀はアリスを睨み付ける。
しかし、
「よよよよ、太珀よ、私は悲しいゾ！
天魔との戦いを強いられる学生諸君に、せめてもの楽しい学園生活をという大義名分で、学園長を乗せ…説得し、実行委員を強せ…召集したのぢゃ。
されどやはり、元凶たる我らが無関係のままというのは無責任ぢゃ。
それを、勝ちだ負けだと自分達の問題に拘り、大切な事を蔑ろにしたまま終わるなぞと。そう、我らは責任を取らねばならぬのぢゃ、この戦いを起こした者として！！」
相手が悪かった。すちゃらかで、無軌道に、およそ大体の無茶を実行できるのが、このアリス・ペンデルトンという魔女だ。
じわりと太珀の額に汗がにじむ。
決して間違った事は言っていない。確かに、アリスの言い分には納得できるのだが…。
このまま座していれば勝利は間違いないのも確かだ。
この下らない争いを、早く終わらせたいと言っていたのは自分ではなかったか。
「それとも太珀。よもやお前さん、折角の勝利が覆るのが怖いのかのぉ？」
ダメ押しの一言。
理性って、まじめな人ほど吹っ飛ぶと後先判らなくなるよね。
「いいだろう、そこまで言われて引き下がる筋合いもない。最終種目で、僕も参加してやろう」
こうして、最終種目・リレー式球技が会場全体を使い行われる事に。
「あ、最終種目は得点もどーーーんと、がお約束ぢゃ。勝った方に１０００点でよろしくぢゃ☆」
得点ボード係にそう手配する声は、幸い（？）にも太珀には届かなかった。
●
「簡単に説明すると、障害物リレーみたいな感じね」
説明を請け負っているのは、白衣と笑顔がまぶしい保険医、山咲 一葉。
拡声器を片手に、急いで作られたと思わしき資料をめくる。
最終種目が行われる学園内のトラック会場に集まったのは１００人程の生徒達。
最後とあって、応援席の埋まり具合も上々なようだ。
「ちょっと違うのはチーム単位でバトンをつなぐ事ね。チームで障害をクリアして次のチームに繋げるの」
障害内容は、簡単な球技。
と説明をしてる中、勇気ある生徒が当然の疑問を一葉にした。
「あの、なんで……トラックの中心に先生と実行委員が縛り付けになってるんですか？」
「ん〜連帯責任かしらね」
判ったような、判らないような…。
「負けた方の大将は、全ての責任を取って爆発を甘んじて受けるって事らしいわよ」
つまり……、今までの不条理を全てぶつけられると言う事か。
●
トラックの中央の一番高い席。
足元には、見るからに物騒な黒くて丸い物体が転がっている。
そこから伸びる導火線は長く、トラックをぐるりと巡っているが火がつけば確実に足元まで届くと言う寸法だ。
「な、なんで爆発する必要があるんぢゃ！」
「ふんっ、責任を取りたいんだろう？ 案ずる事はない、爆発したくなくば勝てばいい事だ」
「爆発を見るのは好きぢゃが、させられるのは好きではないぞおお」
一緒に参加したい旨を実行委員に告げた所、ならば最終ゴール役になって欲しいと提案されたのを承諾したのは１時間前。気付いた時にはここで、導火線を見守るしかないと言う状態に。
なんということでしょう。
「僕も付き合って座ってやっているんだ。まぁ、勝つのはこちらだけどな」
「このルールにした事を後悔させてやるのぢゃ！」
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●課題５種目
バレー／１０００本スパイク
文字通り、１０００本分スパイクをして貰います。
トスはNPCが上げますが、PCが代わっても構いません。コートは隣同士。
バスケ／１０００点シュート
文字通り、１０００点分シュートをして貰います。
ボールは一人一つ配布。同じコート内で行います。
野球／１０００本キャッチ
文字通り、ノックを１０００本分キャッチして貰います。
同じグラウンドで取り合いになります。
サッカー／１０００回リフティング
文字通り、１０００回リフティングして貰います。
ボールは一人一つ配布。落としたら０からやり直し。
テニス／１０００本ラリー
文字通り、１０００本ラリーをして貰います。
ボールは一人一つ配布。往復で１カウント。落としたら０からやり直し。
●１０００ｍ走
１０００ｍ走は、チーム全員が走りきった所で、次のチームが課題に向かいします。
●実行委員の解放と魔法札
実行委員１０名が連帯責任という名の下、トラックの中心で拘束されていています。
課題クリアで一人を解放でき、手に持つ魔法札も手に入ります。
札の効果範囲は自軍全体です。
札効果と実行委員（紅／白）
・会心の一撃（一人１回） 黒峰夏紀／ミリサ・ラングナー
・回復の光（１回） 炎條忍／月見里叶
・超瞬発（３ターン） 綿谷つばさ／伊駿木音琴
・命中＆回避３倍（効果５分間） 月摘 紫蝶／猫目夏久
・失敗の呪い（効果３分） 中山寧々美／桐江 零
●何故かオンラインゲームのチラシの裏に書かれた追加資料
≪総大将の責任BOX≫
全校生徒を巻き込んだ責任を取って、少しは反省を促す為、課題クリアごとに勝利チームによる、憂さ晴らし（訂正線）勝利チームの攻撃を総大将が引き受ける。
課題ごとの勝利チームは、「く」「お」「ん」「が」「はら」の好きなBOXの中身を、敵大将に投げつけられるぞ♪
中身は、開けるまで秘密だ。
リプレイ本文
該当リプレイは特設ページで公開しています。
http://www.wtrpg9.com/event/event_kakutou/novel_list.html
http://www.wtrpg9.com/event/event_kakutou/novel_list.html
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