.


マスター:烏丸優
シナリオ形態:イベント
難易度:非常に難しい
形態:
参加人数:25人
サポート:3人
リプレイ完成日時:2013/12/08


みんなの思い出



オープニング

●再招集

 ディアナゲート攻略作戦。その第一歩である占領区域の奪還戦は、惜しくも失敗という結果に終わった。
 多数の犠牲者を出した戦いから一夜明け、再び撃退士たちを作戦相談室に集めた若い男性教師は、前回と同じように説明を繰り返した。
 声を振り絞り、教師が告げる。

「……目的は前回と同じだ。支配エリアへと繋がる廃墟街に突入し、守護部隊を潰す。敵の主力は、レインを始めとした上級ディアボロの集団だ。全個体が熟練の撃退士と同等か、それ以上の強さを持っているものと思われる。さらに奴らは忌々しいことに、連携して戦うことによってその力を最大限に発揮している」

 まるで、人間のように。
 そんな言葉を飲み込んで、教師が続ける。

「たとえば敵がレイン一体だけだったならば、数の利で圧倒できたはずだ。レインは魔法性能に特化したヴァニタスで、遠距離戦では無類の強さを見せるが、物理防御は脆弱という報告がある。接近戦に持ち込めば撃退士のほうに分があると見て間違いないだろう」

 だが、今はレインを守る五体のポイズンナイトが存在する。味方への攻撃を肩代わりする厄介なスキルを備えた、半蛇の魔法騎士たち。

「このディアボロはアタッカーとしてもそれなりに優秀だが、やはり盾役としての役割が大きい。兵士級――ともすれば騎士級悪魔をも凌駕する魔法攻撃力を備えたレインに、強固な防御が加わるんだ。厄介なことこの上ない。ポイズンナイトを如何にして無力化できるかがこの戦いの一つの争点となるかもしれないな。しかし――」

 しかし、正面からポイズンナイトを叩くにはリスクが高いのもまた確か。
 何故ならば、ナーガと呼ばれる蛇女型のディアボロ三体が後衛に控えているからだ。
 ナーガは高精度の命中に長けているだけでなく、石化魔法を操る。考えなしにポイズンナイトに突撃すれば、ナーガの反撃を受けるのは必至。そして石化して動けなくなった所に強力な魔法攻撃・範囲攻撃の直撃を受ければ、それで詰みだ。

 では正面から向かわず、背面や側面からばらばらに攻めれば?
 それも攻略法の一つだが、成功させるのは正面突破同様に容易ではないだろう。
 単独で動けば集中攻撃の餌食となりやすいは勿論のこと、戦場内には瓦礫が散乱していて移動しにくい。また廃屋等が邪魔で、遠距離狙撃は射線を遮られやすい。
 瓦礫や廃屋が邪魔なのは敵とて同じだが、撃退士にだけ不利なファクターが一つだけある。

 それは、ナーガと共に後衛に陣取る巨大な蛇型ディアボロ、ナーガラージャの能力。ナーガラージャは、撃退士の霊的な感覚を鈍らせる特殊な波動を頭部の角から常に放ち続けている。この能力により、撃退士たちの魔法回避力は大きく低下してしまう。
 前回の戦いでナーガラージャの二本あった角のうち、一本は破壊できた。恐らくパッシブスキルの効果範囲は弱まっているだろうが、それでも脅威なことには変わりない。ナーガラージャは、他にも強力な攻撃スキルを多数保持しているのだ。

 地形の問題もある。
 廃墟街の中での戦闘。撃退士は迂回して接近しようとすれば足並みが乱れやすいし、瓦礫を壁代わりに利用しようとしても壁ごと撃ち抜かれてしまうだろうが、敵は違う。
 多少動きが鈍ろうとそれを補うだけの遠距離攻撃が敵にはあり、精度が落ちようとナーガラージャのスキル影響下ならばそれも関係ない。

 勿論、隠密能力や魔法回避力に優れた撃退士ならば、遮蔽物に潜みつつ接近するという手もある。
 移動力に長けた者なら多少の足場不良も関係ないだろうし、あるいは優秀なスナイパーならば、廃墟の隙間から狙撃することだって出来るだろう。

 しかし結局のところ、攻撃が分散してしまえば、肝心要の盾役であるポイズンナイトに効率よくダメージを積み重ねることは出来ない――。

「……正直言って、状況はかなり厳しい。本来、こんな状況下で君達を送り出すべきではないのかもしれない。ここで作戦を諦めるべきなのかもしれない……だが、ここでゲートを破壊できなければ、事態は最悪の方向に転がる。そんな予感がするんだ」

 支配エリアを出たディアナの所在は掴めていない。このタイミングで、わざわざリスクを冒してまでゲートを離れたということは、もしやディアナの狙いは――。
 あり得ない、とは言い切れない。あの魔女ならやりかねないのだ。確証はない。だが、彼女の怖さを、彼女たちの恐ろしさを、撃退士たちは嫌というほど知っている。

 無茶で無謀な戦い。けれど、この戦いに、何千もの人間の命運がかかっているとしたら――。

 やがて、生徒たちを見つめ、教師は真剣な声音で言った。

「頼む。今度こそ、レインを倒してくれ――」


●蒼色の絶望


 瓦礫を踏みしめ、撃退士たちが廃墟を疾走していく。

 総勢二十五名の撃退士は、全員久遠ヶ原学園生だ。今回は支援してくれる外部撃退士はひとりもいない。

 雑兵は無視する。包囲されると怖いが、いちいち相手にしていたらキリがない。掃討するのは主力を壊滅してからでいい。もっとも、そんな余力があればだが。
 敵に囲まれた時点で、敗北は確定。ならば、速攻で主力部隊を打ち破るのみ。
 長引けば長引くほどこちらは不利になる。敗色が濃くなれば、退路を断たれる前に迅速に撤退するしかないだろう。
 雑兵も撤退条件も考える必要はない。行動を割く余裕がない。とにかくまずは、レインたちを倒すことにのみ集中すべきか。

「――あははっ! 来ると思ってましたよ、撃退士!」

 不意に響いた笑い声に、撃退士たちの足が立ち止まる。
 撃退士たちの前に姿を現したのは、青髪の少女。もはや見慣れた者もいるだろう。
 レインは酷薄な笑みを浮かべたまま、

「あの程度で、あなたたちが諦めるわけないですもんね。でも――何度来ても結果は同じです。今度は皆殺しにしてあげますよッ!」

 油断なく構えるレインの全身から、青黒い光が噴き上がる。そして、レインを護るように近衛ディアボロたちが続々と立ちはだかった。

 最前列に立つのは、蛇の頭を持つ騎士・ポイズンナイト五体。
 後列には下半身が蛇と化した少女・ナーガ三体に、巨大な体躯の蒼き蛇竜・ナーガラージャ一体。

 そして、戦いの幕は開ける。

「さあ、はじめましょう! ここで何もかも終わらせてあげますっ、あははははは!!」




リプレイ本文




 全てが荒れ果て、死に絶えた暗灰色の町。
 世界の終末を切り取ったような廃墟の中で、撃退士たちと冥魔の軍勢とが対峙していた。
 ひび割れた道路の上。それぞれの武器を構える撃退士たちの視界に映るのは、蛇を模したディアボロの群れ。そしてその奥で嗤う、蒼色の少女。

「レインちゃん見ィつけたァ……爪の先から骨の髄まで可愛がって上げるわァ……♪」
 ヴァニタスの姿を認め、黒百合(ja0422)が妖しい笑みを浮かべる。黒百合は強敵の出現に歓喜するかの如く、金色の瞳を爛々と輝かせていた。
 興奮に突き動かされるように、黒百合がアスファルトを蹴って疾走する。瓦礫の転がる街中を駆け抜けていく。ディアボロは無視。小さな死神が狙うのは、当然レイン。
 一瞬でレインの背後へと回り込んだ黒百合はデビルブリンガーを召喚。長い柄の先に悪魔の爪のような三枚刃を備えた、禍々しい大鎌が具現化される。
「さてェ、良い声で鳴けェ……♪」
 黒百合はいやらしく舌舐めずりをすると、首狩りの刃を豪快に一閃。同時にレインが跳躍。それまでヴァニタスがいた空間を大鎌が切り裂く。逃げ遅れたレインの青い毛髪が切断され、数本が地面に落ちた。
「……ッ!」
 驚愕の表情を浮かべてレインが黒百合を振り向く。ヴァニタスの顔からは、直前までの笑みが残らず消し飛んでいた。
 さらに乾いた銃声が響き、動揺するレインに追い打ちをかける。廃墟の隙間を縫ってまっすぐと飛来した白銀の光弾は、振り返ったレインの慎ましい胸部に着弾した。

「まず一発……」
 ヴァニタスを狙撃したのは、スナイパーライフルを構えた影野 恭弥(ja0018)。凄腕の射手が放ったのは〈白銀の退魔弾〉による必殺の一撃。けれど、直撃したはずのレインには外傷ひとつ見当たらない。
「……ディアボロのスキルか……」
 恭弥の視線が手前の騎士たちに注がれる。人身蛇頭の毒騎士五体。そのうちの一体、正面に立つポイズンナイトの胴から血肉が弾けた。魔術により、レインへのダメージを肩代わりしたのだ。
 しかしそれは撃退士たちの想定内。特に先日この魔軍と刃を交えた者たちは、その厄介さを嫌というほど知っている。

「前回の屈辱、雪がせていただきますよ。……いや、洗い流すというべきでしょうか。雨だけに」
 エイルズレトラ マステリオ(ja2224)が飄々と言い放つ。直後、飛んできた蛇腹の刃を回避し、少年奇術士は前進。敵との間合いを詰め、〈黒のJOKER〉を発動した。
 アウルの力によって生成された五十四枚ものトランプが宙を舞い乱れる。鋭く飛び交う紙札が、後衛の蛇娘ごと毒騎士の肉体を次々と切り裂き、削ぎ落としていく。
「くっ……! ラージャちゃんッ!」
 レインの叫びに呼応し、蒼鱗の大蛇が動いた。竜の如き巨駆を這わせ、奇術士を射程に収めたナーガラージャが、口腔から蒼炎を放射。蒼き火炎の息吹が、撃退士たちを瞬く間に焼き尽くしていく――否。
 蒼炎の直撃を受けた紫髪の少女撃退士は、業火を突き破って一歩を踏み出してきていた。
「随分と温い攻撃ね。私の炎はあなたのソレほど弱くないわよ」
 ナナシ(jb3008)が淡々と告げて、敵陣の正面に迫る。名無しのはぐれ悪魔は、黒銀色の羽根飾りが施された鎧を身に纏っている。その手には、炎の剣。
 ――〈煌めく剣の炎〉。
 燃え猛る神秘の炎が斬撃と共に放たれる。煌めく炎は雨の盾たるポイズンナイトを貫き、ナーガラージャを飲み込み、レインのもとまで到達した。


 小さく呻き、レインが浄火を払う。ナナシに反撃を試みたいが、黒百合に後ろを取られている。ショートレンジが苦手なレインにとって、この間合いは非常に不味い。
 瞬間の葛藤の末、レインは反転。黒百合のほうを向き、蒼色の光槍を投擲した。黒百合を串刺しにして瞬殺するはずの魔法槍は、しかし、スクールジャケットを刺し貫くのみ。
 空蝉で致命傷を回避した黒百合が、即座に後方に跳ぶ。
「あはァ……こっちにおいでェ……♪」
 疾風の速度で後退した黒百合の姿が廃墟の影に消える。再び攻撃の機を窺い、レインへと強襲を仕掛ける構えだ。
「……っ、鬱陶しい真似をしてくれますね……!」
 レインの顔に苦悶の表情が浮かぶ。前と後ろから同時に攻められ、流石のレインも一ヶ所に集中できない。


「前回の失態は繰り返せません。まずは先陣を叩いて下処理を入念に、ですね」
 オーデン・ソル・キャドー(jb2706)が冷静な言葉と共に曲剣を振るう。放たれた封砲はポイズンナイトへと殺到。ここで負ければ後はない。それを理解しているからこそ、まずは確実に堅実に、盾を砕く。
「冗談抜きに、俺達が最後の希望ってわけか。だったらやるしかないよな」
 全身に炎を纏った緋野 慎(ja8541)が、その猛火の全てを腕に収束していく。燃え滾る火炎とは対照的に、慎の心は水面のように落ち着いていた。
 幼さの残る少年の眼差しが、ヴァニタスを見据える。
「……レイン、久々に見るけど変わらないな。 あいつを見てると吐き気がするんだ」
 ここで、絶対に終わらせよう。そう告げて、慎は〈緋炎閃〉を解放。鮮やかに燃える炎が一気に振り抜かれ、緋色の閃光となって敵陣へと炸裂していく。
(初撃でどれだけ敵を倒せるかが、成否を分ける)
 そう考えるのは龍崎海(ja0565)。出だしはおおむね作戦通り。ここでボード・アドバンテージを稼げるかが鍵となるはず、と海は臆することなく前進。ヴァルキリージャベリンを投げ、魔滅の一撃をディアボロたちに放つ。
 戦乙女の光槍は、ポイズンナイトを貫通してレインへと命中。手応えはない。だが、それでも構わない。
(庇った分だけポイズンナイトにダメージがいく。つまり――)

 海に続き、ユウ(jb5639)がポイズンナイトの右側面へと迫る。少女悪魔の追撃。ユウが目にも留まらぬ速さで槍撃を繰り出していく。時雨の一撃はナーガを巻き込んで放たれた。これも盾役の騎士が代わりに受けて、二体分のダメージが積み重なる。狙い通りだ。
 範囲攻撃の嵐は続く。
 マキナ(ja7016)が縮地を発動。自分に、ではなく隣接するエリーゼ・エインフェリア(jb3364)に。彼女のアウルを脚部に集中させ、機動力を上昇させる。
 斧使いの修羅に弱点を補強してもらった殺戮の天使が駆ける。敵陣左側面へと回り込んだエリーゼは〈ジャッジメント〉を照射。無慈悲な裁きの光が降り注ぎ、哀れな蛇どもを蹂躙していく。レイン並の破壊力を持つ恐るべき魔法砲撃だったが、ディアボロたちはまだ倒れない。

 ポイズンナイトが蛇腹剣を伸ばし、ナーガが魔法球を飛ばしてそれぞれ反撃。蒼い軌跡を描いて五条の光が閃く。
 麻痺毒の乗った魔法刃を、慎は野生動物並の敏捷性を魅せて回避。エリーゼはマジックシールドで受け止め、寸前で阻む。
 精度に優れた三連の魔弾は、オーデンが根性で、海がアウルの鎧で耐える。ユウは森田良助(ja9460)の放った回避射撃の支援を受けて、軌道がわずかに逸れた蒼弾を紙一重で回避した。
 怒涛の猛攻を撃退士たちが凌ぐ。爆発力に加え、防御手段も充分だった。
「ちょっとはしゃぎ過ぎちゃうか? これ以上は……許さへん」
 侮蔑の色が混じった紫眼でレインを一瞥し、雅楽 灰鈴(jb2185)が戦神の剣を招来。無数の刃が荒々しく舞い踊り、毒騎士に叩き込まれる。即座に反撃の刃が突き出されるが、灰鈴は膝をつかない。反撃を見越して天宮 佳槻(jb1989)が四神結界の展開し、味方の防御を高めていたのだ。

 冷たく重い空気を肺腑に吸い込みながら、日下部 司(jb5638)がディバインランスを握り締める。
 ふと気づくと、廃墟街の上空は不吉な灰色に覆われていた。今にも泣き出しそうな空は、まるで敗北を暗示するように翳っている。胸中に一抹の不安が過ぎるが、その思いを振り切るように少年が槍を払う。
「レイン……雨、か。悲しい雨はいつか青空に変わる、その為に俺が出来ることをやりきろう」
 これまで敗戦を重ね、司は己の弱さを痛感している。使徒に負けヴァニタスに敗れ、自身の無力を理解し、だけどそれでも、司は戦いから逃げることを選ばなかった。
 決意を込めた槍撃が閃き、斬撃が乱れ飛ぶ。
 守りたいものがある。そのために傷つく覚悟も。たとえ捨石となろうと、ここで必ず希望の道を切り拓く――!





 クロエ・キャラハン(jb1839)は天魔が憎い。自分の大切なものを奪った天魔が、たまらなく憎い。
 天魔が利益を得るなんて気に入らない。天魔のせいで誰かが不幸になるなんて許せない。
「……天魔の思い通りになんて、させてやらない。天魔なんて――みんな死ねばいい」
 吐き出されるのは怨嗟の言葉。凍えるような殺気を宿したクロエの姿からは、普段の明るさなど微塵も感じられなかった。

「俺たちの全てをぶつける……同じ過ちを繰り返さないために」
 ルナジョーカー(jb2309)のその名は、悪魔に殺された恋人の名前に由来する。忘れぬように、繰り返さぬように、ルナの名を自身に刻み込んだ。
 喪くしたものは二度と戻ってこない、だからこそ。

 黒い衝撃波が戦場を縦横無尽に奔る。
 ルインズブレイドたちによる封砲が連鎖し、交錯していた。
 爆裂と剣戟の交響曲を織り成す絢爛な最前線。敵も負けずと攻撃を返してきている。第一陣として突撃した前衛たちへの負荷は相当なものだが、打ち崩されてはいない。いや、打ち崩しなどさせない。
 第二陣、クロエが疾走する。味方を巻き込まぬよう、端からオンスロートを射出。狂える影の刃が暴れ、ディアボロを滅多切りにしていく。
 ルナがクロエに続きファイアワークスを発動。撃ち込まれた爆炎が炸裂し、極彩色の花火が咲き誇る。

 火力支援を行う黒魔導士たちの前に影。間合いを詰めてきたポイズンナイトが、蛇腹剣を高速で振り抜いた。毒蛇の斬撃が、クロエとルナの喉元へと迫る。同時に重なる銃声。弾かれた刃が、虚空を舞う。
 回避支援を行ったのは、赤坂白秋(ja7030)と矢野 古代(jb1679)の二人だった。
「良い戦場だ」
 銀光を身に纏い、白秋は獰猛な笑みを浮かべた。狼の瞳が敵部隊を鋭く睨みつける。
 丁度同時に、良助が一歩を踏み出す。竜殺しの射手が狙うのはナーガラージャ。
「一発とはいわない、全て当ててやる!」
 ヨルムンガルドの銃口からアウルが噴き、掃射音が轟く。デスペラードレンジ。ひたすら撃ちまくる。
 宣言どおり、全弾命中。だが、側近のポイズンナイトが肩代わりしダメージを吸収。代償にスキルを消費し尽くす。
 そのタイミングを待っていた、と白秋がアサルトライフルの引き金を絞る。撃ち出された弾丸は、星の輝きを帯びていた。
 白秋のスターショットは青髪の蛇娘へと着弾。周囲に庇える騎士はいない。
 少女の額を、白秋の弾丸が貫く。頭を撃ち抜かれ絶命したナーガは、溜息のような声を漏らしてその場に倒れ伏せた。

 姫宮 うらら(ja4932)がリボンを解き、白髪を靡かせる。
「姫宮うらら、獅子となりて参ります……!」
 口上と共に、うららが疾駆。第二陣の動きに合わせて果敢に突貫していく。
 討つか討たれるか。ならば活路は前にこそ在り。如何な敵が往く道を阻もうとも、攻め抑え、繋ぎ、獅子として貫き通すのみ。
「雪辱戦ってとこかしら? ま、気負わずいきましょ♪」
 うららと並走する雀原 麦子(ja1553)が、笑みを崩さぬまま武器を大山祇に持ち替える。麦酒で稼動するほろ酔い剣士は、死地においても飄々とした態度のままだった。
 二人の女修羅が踏み込み、それぞれの獲物に喰らいかかる。
 うららは純白の斬糸〈戦爪〉を手繰り、ナーガの肉体を引き裂いた。白獅子の爪牙に薙ぎ払われ、蛇身の少女が意識を手放す。
「先手必勝、押し切るわよ♪」
 リミッター解除。肉体の限界を一時的に超えた麦子が、ポイズンナイトへと斬撃を放つ。碧々と輝く刃を振り下ろし、さらに下段から一閃。毒騎士の盾を砕き、そのまま胴を両断した。
 直後、スタンを受けていない別のナーガが三連の魔法球を発射。うららと麦子に痛烈な打撃を与え、快進撃を阻む。





 海の有する神の兵士が自動発動。倒れかけていた自身と、周囲にいる仲間の意識を覚醒させる。
 全体的に見れば撃退士が押している。しかし敵も甘くはない。飛び交う連続攻撃は、こちらの体力を激しく削っていた。
「ちっ……まだ負けてねぇぞ!」
 マキナが巨人の戦斧を携えて毒騎士に前進。貪狼の斬撃を浴びせ、ディアボロの生命力を剥ぎ取る。
 さらに灰鈴が炎陣球で追撃。炎球がナイトと、ラージャの巨駆を焼き焦がしていく。
 火の球が踊る中、横手では冷気の渦が広がっていた。

 クロエが氷の夜想曲で騎士たちを氷漬けにしていく。
 氷結を耐え切ったディアボロが蛇腹剣を振るう。クロエの隙だらけの脇腹に、刃を突き立て反撃した。
 それがクロエの仕掛けた罠とも知らずに。
 起死回生の力で以って即座に気絶から脱したクロエが後退。入れ替わるように、佳槻が鎌鼬を発射する。
 佳槻の的確な一撃が狙うのは、クロエを襲ったポイズンナイトの脚部。目論み通りディアボロが体勢が崩れる。そのわずかな隙を、アスハ・ロットハール(ja8432)は見逃さなかった。
 物陰から飛び出した赤髪の青年が、ポイズンナイトのもとに急接近。グラビティゼロ――リボルビング式に改良された大型バンカーの先端を向けた。回転型薬室が跳ね、アウルが弾ける。
 アスハが発射した極太の鋼鉄杭は、毒騎士の腹部に直撃。杭は鎧を破壊し、肉体を貫通していた。息絶えたディアボロがその場に倒れ込む。
 別のポイズンナイトが、奇襲を仕掛けてきたアスハに対応。蛇腹剣を伸ばそうとして――大鎌に薙ぎ払われた。
 フルカスサイスで妨害したのはキャロライン・ベルナール(jb3415)。さらに堕天使の少女は、ヴァルキリージャベリンの術式を紡ぎ終えていた。口許には笑み。
「前回の借りは返して貰うぞ」
 天の力を最大限に高めた、キャロラインの一撃。解き放たれた光の槍が、ディアボロたちを串刺しにしていく。





 蒼い光線が駆け巡る。
 それは、白秋とエリーゼの攻撃を浴びて満身創痍となったナーガが放った、石化の魔法だった。
 光線を浴びた撃退士たちが石像と化す。続けて撃ち込まれるのは大蛇の息吹。
 ナーガラージャが吐き出した、幾度目かの蒼炎が荒れ狂う。火炎の奔流に呑まれ、前衛を中心に数人の撃退士が倒れた。範囲内にいた佳槻も重傷を負ったが、辛うじてまだ動ける。火の粉を払い、支援のためにその場を離れていく。
 佳槻の背筋に怖気。
 激戦の中、正面に向き直ったレインが、両手を前に突き出しているのに気づいた。掌には蒼い光が収束している。
「させぬのじゃ!」
 遠方から声と炸裂音。二体の召喚獣を操る白蛇(jb0889)の放った銃弾が、咄嗟に回避したレインの右頬を掠めていく。
 白蛇と恭弥が遠距離からレインを銃撃。撹乱するように攻撃を放つ。
 ここで準備を終えた天羽 伊都(jb2199)がついに参戦。最初に滅光を空撃ちして変動させたカオスレートを、キープレイで維持。対冥界用兵器に変貌を遂げた伊都が再度前進し、レインを封砲の射程に収めた。
 極天の斬撃砲が飛び、レインに吸い込まれるようにして直撃。衝撃波で、レインの顔や手足、着衣に無数の裂傷が鋭く走り抜ける。
 好機を窺っていた黒百合も弾丸突撃。爆発的速度で急接近し、レインの無防備な背中を大鎌で切り裂いた。盛大に上がる血飛沫。レインの口から零れる悲鳴。
 壮絶な攻撃を喰らいながらも、なお光雨を撃とうとするレイン。しかし、それを遮る声が上空から響く。
「貴方に行動はさせません」
 いつ間にか飛翔していたユウだった。闇の翼で宙を舞うユウが、レインに強襲を仕掛ける。同時にレインに肉薄する佳槻。
 残されたアウルを解放し、佳槻がレインに一撃を叩き込む。火事場の馬鹿力で振るわれた攻撃が、重傷を与えると共に上空への注意を一瞬だけ逸らした。レインの頭上から突き出されるべネボランス。
 ユウに弾き飛ばされたレインが、ふらつく意識の中で光雨を発動。妨害が入ったせいで手番が遅れに遅れたものの、意識を手放すには至らなかった。
「……こ、れで……終わり、ですっ!」
 放たれたのは、夥しい量の光の粒子。蒼く輝く微細な流星群が、死をもたらす雨となって撃退士たちに降り注ぐ。





 光の雨が止む。
 廃墟街の一角は、レインの光雨によって焦土と化していた。
 その雨を浴びて、だけどそれでも撃退士たちの一部は生き残っていた。
 広範囲魔法攻撃を喰らった鈴代 征治(ja1305)が、気力を振り絞って立ち上がる。
 征治とオーデンは根性で、黒百合とエイルズレトラは起死回生で、ナナシと慎は空蝉で、アスハとエリーゼはマジックシールドで、それぞれ光雨を耐え凌いでいた。
 彼らだけではない。範囲外にいた狙撃手たち――白秋、古代、良助、恭弥、白蛇の五人も無事だ。
 惜しくも倒れた者たちは多いが、彼らのお陰ですでに残る主力ディアボロは瀕死。対主力との戦いは、撃退士側が優勢だった。
 とはいえ、周囲を見渡せばそれほど余裕がないのもまた事実。
 火蛇、水蛇、風蛇。この区域を占領する中級ディアボロの群れが、撃退士たちに迫りつつある。流石に、そちらまで相手をするとなると絶対的に手が足りない。本格的に包囲される前に引き上げなければ、死ぬのは撃退士たちの方だろう。
 時間的猶予は少ない。恐らくこの一合が、最後の攻防。この一合で勝敗が決する。


 無数の刃と魔弾が放たれた。最後の猛攻撃が撃退士たちを襲う。
 征治が地面を蹴って飛翔。魔法球を喰らいながらも、ポイズンナイトへと迫る。振り抜かれるワイルドハルバード。封砲の衝撃波を浴び、全身を切り裂かれた毒騎士の肉体が弾け飛ぶ。
 封砲を回避したナーガが魔法球を散らす。それを無視してエイルズレトラは突進。道化士が戦場を駆け抜ける。
 エイルズレトラは〈トランプマン〉で直撃をかわすと、敵の中心点に〈黒のJOKER〉を叩き込んだ。巻き起こるトランプの嵐。斬殺されたディアボロが、肉片を撒き散らす。
 壁を喪ったナーガラージャが、迫り来る撃退士たちを迎撃。蒼い電撃を纏った尾を鞭のようにしならせる。
 射線上にいた慎は〈幻炎〉で容易に回避。スクールジャケットを身代わりに、レインへと向かう。
 同時に、強烈な銃弾と荒れ狂う炎がナーガラージャに襲い掛かった。角が砕け、尾が千切れ、巨体が燃える。
 疲弊したディアボロの頭にブチ込まれたのは、良助のスターショット。太い尾を貫通したのは白秋のピアスジャベリン。全身を焼き尽くすのは、ナナシの〈煌めく剣の炎〉。三人の攻撃はとどめのダメージを与えるには充分にすぎた。建物が倒壊するように、巨大な蛇の体が地面へと崩れ落ちていく。


 ナーガラージャのパッシブスキルが消失する。
 敵主力部隊は壊滅していた。ディアナ支配領域への侵入者を迎撃する最精鋭のディアボロたちは、撃退士の力と技の前に敗れ去った。前回の戦いで得た情報や、ナーガラージャの片角を破壊できていたことも、勝因の一つだった。
 残るは、蒼色の少女ただ一人。
「随分長い付き合いになった、な……」
 呟き、アスハがレインを見つめる。黒百合のバックアタックや伊都のレート変動攻撃、ユウの降下攻撃といった痛打を浴び続け、レインの全身はぼろぼろだった。
 痛ましい姿だ、とアスハは思う。けれど、手を緩めるつもりは微塵もない。仕事は果たす。それだけだ。
「此処で、お前の降らせた雨を全部清算して行け」
 古代が狙撃銃を構える。報告書を読んで、この少女がこれまで何をしてきたのかは知っていた。何の為に彼女が戦うのかも、断片的にだが理解しているつもりだ。
(君にも大切な物が在るのだろうが、俺にも大切な物がある。譲れぬ一線が此処に或る以上、何時もの様に引き金を絞れ――)
 只、撃つのみ。古代のスターショットが大気を切り裂き、レインへと襲い掛かる。残った力で銃弾を避けようとしたヴァニタスに、黒い衝撃波が嵐となって迫る。
 オーデンの放った封砲に気を取られたレインの左肩に、古代の弾丸が命中。苦鳴を漏らすレインに、おでんの剣士が優雅に刃を振り抜く。
「貴女は速いですからね、数の理を活かさせて貰いますよ」
 オーデンが踏み込んだ瞬間、隙を狙っていた慎が〈緋炎閃〉を発動。死角から放たれた究極の赤炎が、レインの左半身を飲み込んだ。焼け焦げる左腕。同時に、低い姿勢から繰り出された黒い斬撃がレインの左足を貫いた。肉が裂け、骨が砕ける音がした。レインの喉から絶叫が溢れる。
 片腕と片足を潰され痛みに喘ぐ少女の背後から、轟音。反射的に振り返ったヴァニタスが右手を掲げた。レインの掌で雷光が炸裂し、火花が散る。
「……ッ、あははっ! この槍、は……っ!」
「初めて会った時のスキルです、あの頃よりは痛いと思いますよ!」
 エリーゼが投擲したのは雷槍〈ブリューナク〉。速さに特化し命中に優れた雷の魔法槍だった。
 かつて、レインに余裕で受け止められたものと同じ技。しかし、その威力は当時よりも増大していた。防御するレインの小さな掌を、迸る雷が押し込んでいく。
 研ぎ澄まされた雷撃は、ついにレインの掌を貫通。手の甲を突き破った雷が暴れるように弾け、レインの顔面まで到達した。青玉のような右眼に、紫電の鞭が突き刺さる。
 訪れた攻撃の機に紅色の青年が前進していく。
「……あの日の続き、といくか。レイン」
「あ、は、ははははは――! いい、ですよ。決着、を、つけましょうッ!」
 蒼色の少女は哄笑と共に、残った右手を振り上げた。蒼く澄んだ魔力を右手に束ね、光の槍を生成。間合いを詰めてきた仇敵を、これまでと同じように光槍で迎撃する。
 読んでいたアスハは一歩も退かない。マジックシールドを前面に展開し、そのまま突撃を続行。
 光槍は魔法障壁を一瞬で破砕して、アスハの左脇腹を抉った。硝子片のように砕け散った障壁が舞う。激痛によろめくアスハ。
 だが、威力を減殺された魔法攻撃程度では、紅蓮の魔術師は死なない。
 体勢を崩されながらも、アスハはレインの懐に飛び込み、グラビティゼロに蓄積したアウルを爆発させた。
 零距離から六連続で発射された鋼鉄の杭が、レインの右目を、右手を、右腕を、右肩を、右胸を、撃ち貫く!





 血の尾を曳いて倒れる少女は、傾いていく世界を呆然と眺めることしかできなかった。
 灰色の空が、狭まった視界に広がる。仰向けに倒れたのだとレインは気づき、続いて頬に落ちてきた水滴を知覚した。雨はすぐに勢いを増して、廃墟街に降り始めていた。
 唐突に降り出した時雨が、血に塗れた少女の体を洗い流していく。
 レインは動かない。否、動けない。

 ――あたしは、負けたんですね。

 愛する主人のために戦って死ねるのならば、悔いはない。自分はそのためだけに存在しているのだから。ただ一点、約束を護れなかったことだけが心残りだった。
「……ディアナ様……」
 無力な人間だった自分に力を分け与えてくれた、絶対者たる悪魔。弱者として生きるしかなかった自分を変えてくれた、死と暴力の女王。
 あの人が道具としてしか見ていなくても、それでもいい。あの人の力は、あたしを救ってくれた。あの人のために死ねて、あたしは満足だ――。

 地面を激しく叩く雨音に混じって、自身に近づいてくる足音をレインの耳が捉えた。左眼を眼球だけ動かし、そちらに視線を向ける。
 レインの視界に入ってきたのは、純白のドレスを纏った黒髪の少女だった。

 宿敵を見下ろすエリーゼの顔には、泣き笑いにも似た表情が浮かんでいた。
「私と同じような能力を持つあなたと戦うのは、私の楽しみでした……レインちゃん可愛いですし!」
 冗談めかした言葉で語られる、エリーゼの告白。他にも告げたいことがたくさんあった。
 意識が薄れゆく中で、レインが掠れた声を振り絞る。
「……あたし、も……おんなじ、……でした。あなたと、戦うのは、すごく、楽しかっ……た……」
 それは本心からの言葉だった。性質は違えど、本質的なところで彼女と自分はとてもよく似ている、とレインは思う。もしも敵として出逢っていなければ、この子と仲良くなれたかもしれない、と。
 もしも彼女が悪魔だったら。もしもあたしが天使だったら――。
 青い瞳を滲ませるレインに、もうひとつの足音が近づく。
 古代がレインに視線を落とした。
「……お前の『本当の名』が知りたい。雨の名を知る栄誉を、俺に与えてくれないだろうか」
 問いかける男の眼差しは、どこまで真剣なもので。
 逡巡の後、ヒトだった少女は震える口を開いた。
 雨音が響く中、少女の弱々しい声が発せられる。
「あた、し……の、なま、え……は――」

「そこまでよ、撃退士」

 続けて聴こえた声は、少女のものではなかった。
 不吉さを孕んだ、艶のある声。
 面識のある者たちはすぐに気づいた。そうでない者たちもすぐに声の方向を振り抜き、正体に気づいた。
 黒いドレスを身に纏った妖艶な美女が、そこにいた。
 ディアナだった。





「おやおや。貴女は確か、外に出ていると訊いていたのですがね……」
「あの人が噂の女王様ですか。何の伏線もなくラスボス登場なんて、やめていただきたいですねえ」
 オーデンとエイルズレトラが肩を竦める。この段階でディアナが戻ってくることは完全に想定外だった。
 ディアナが嗜虐的な笑みを浮かべる。
「文句なら、久遠ヶ原の無能な斥候どもと、撃退署のゴミどもに言うことね。特にゴミどもが消えてくれたおかげで、随分と楽に動かせて貰ったわ」
 これまでディアナの動向を監視していた地元撃退署は、一連の戦闘で壊滅状態となっていた。もしも彼らの監視体制が万全だったならば、ディアナの動きも把握できていたのだろうか。
 女悪魔は撃退士たちを一瞥すると、地面に倒れる少女に声を飛ばした。
「さあ、撃退士どもに教えてやりなさい。あなたの名前を。あなたが何者で在るのかを」
「……ぅ……ぁ、……」
 最愛の主人の声に反応して、少女が強引に体を起こす。動かないはずの手足に、力が込められる。

 ――互角に渡り合える敵が愛おしい。彼らのおかげで、あたしは虐待でも虐殺でもなく、純粋な闘争の喜びを初めて知れた。
 ――だけど、あたしがいちばん、大事なものは。

 ぐちゃ、べき、ぼき――と、肉が潰れるような、骨が折れるような、嫌な音が響く。
 両腕と左足、右眼を破壊された蒼色の少女が、再起不能寸前の体で、ゆっくりと立ち上がった。
 その在り方は壊れた人形ように醜く、見苦しく――気持ち悪かった。
 血反吐を零しながらも、少女が声を振り絞る。
 さきほどよりも、強く、強く。

「あたし、の……名前……は、レイン。あたしは、ディアナ様の奴隷。ヴァニタス・レイン、です……っ!」

「……それが、お前の答えか」
 諦めのような、憐憫のような、古代の呟き。
「……ごめん、なさい」
 レインはか細い言葉を吐き出し、糸の切れた操り人形のように再び地面に倒れこんだ。同時に、死にかけの少女を護るように、水壁が列を成して出現する。
 続けざまに爆炎と竜巻が吹き荒れた。蛇魔の群れが、四方八方から撃退士たちに襲いかかろうとしていた。当然、動けない重傷者たちにも。
 撤退を余儀なくされ、撃退士たちが重傷者を抱えて離脱していく。同じように、ディアナもレインを抱きかかる。
 女王の細い手が、レインの頬を撫でる。
「あなたは言いつけをちゃんと守ったわ、レイン。あなたのおかげで――新たなゲートを展開する私の計画は、予定通り実行に移せる。その時が来るまで、今は眠っていなさい……」


 雨が降る中、撃退士たちが駆ける。
 ディアナの目的は新ゲート作成。だが、レインはしばらく治らないであろう傷を――もしかしたら今後ずっと癒えないかもしれない重傷も――負っている。ディアナの分身たるレインを無力化できたことで、おそらくディアナ側の戦力低下は著しい。だとすれば、道は広がった。ディアナが戻ってきたのは痛いが、レインが戦闘不能になったことで、これからの戦いはだいぶ楽になるはずだ。

 降りしきる雨が勢いを弱めていく。
 雨はまだ止まない。けれど、確かに何かが終わろうとしていた。



依頼結果

依頼成功度:大成功
MVP: 赫華Noir・黒百合(ja0422)
 時代を動かす男・赤坂白秋(ja7030)
 蒼を継ぐ魔術師・アスハ・A・R(ja8432)
 駆けし風・緋野 慎(ja8541)
 撃退士・矢野 古代(jb1679)
 陰のレイゾンデイト・天宮 佳槻(jb1989)
 おでんの人(ちょっと変)・オーデン・ソル・キャドー(jb2706)
 誓いを胸に・ナナシ(jb3008)
 水華のともだち・エリーゼ・エインフェリア(jb3364)
重体: −
面白かった!:9人

God of Snipe・
影野 恭弥(ja0018)

卒業 男 インフィルトレイター
赫華Noir・
黒百合(ja0422)

高等部3年21組 女 鬼道忍軍
歴戦勇士・
龍崎海(ja0565)

大学部9年1組 男 アストラルヴァンガード
最強の『普通』・
鈴代 征治(ja1305)

大学部4年5組 男 ルインズブレイド
夜のへべれけお姉さん・
雀原 麦子(ja1553)

大学部3年80組 女 阿修羅
奇術士・
エイルズレトラ マステリオ(ja2224)

卒業 男 鬼道忍軍
撃退士・
姫宮 うらら(ja4932)

大学部4年34組 女 阿修羅
BlueFire・
マキナ(ja7016)

卒業 男 阿修羅
時代を動かす男・
赤坂白秋(ja7030)

大学部9年146組 男 インフィルトレイター
蒼を継ぐ魔術師・
アスハ・A・R(ja8432)

卒業 男 ダアト
駆けし風・
緋野 慎(ja8541)

高等部2年12組 男 鬼道忍軍
セーレの王子様・
森田良助(ja9460)

大学部4年2組 男 インフィルトレイター
慈し見守る白き母・
白蛇(jb0889)

大学部7年6組 女 バハムートテイマー
撃退士・
矢野 古代(jb1679)

卒業 男 インフィルトレイター
月華を謳うコンチェルト・
クロエ・キャラハン(jb1839)

卒業 女 ナイトウォーカー
陰のレイゾンデイト・
天宮 佳槻(jb1989)

大学部1年1組 男 陰陽師
符術士・
雅楽 灰鈴(jb2185)

高等部3年2組 女 陰陽師
黒焔の牙爪・
天羽 伊都(jb2199)

大学部1年128組 男 ルインズブレイド
撃退士・
ルナ・ジョーカー・御影(jb2309)

卒業 男 ナイトウォーカー
おでんの人(ちょっと変)・
オーデン・ソル・キャドー(jb2706)

大学部6年232組 男 ルインズブレイド
誓いを胸に・
ナナシ(jb3008)

卒業 女 鬼道忍軍
水華のともだち・
エリーゼ・エインフェリア(jb3364)

大学部3年256組 女 ダアト
心の受け皿・
キャロライン・ベルナール(jb3415)

大学部8年3組 女 アストラルヴァンガード
この命、仲間達のために・
日下部 司(jb5638)

大学部3年259組 男 ルインズブレイド
優しき強さを抱く・
ユウ(jb5639)

大学部5年7組 女 阿修羅