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マスター:十三番
シナリオ形態:イベント
難易度:易しい
参加人数:25人
サポート:2人
リプレイ完成日時:2013/06/20


みんなの思い出



オープニング


 ある日、あなたが帰宅すると、郵便受けに大きめの茶封筒が突き刺さっていた。
 宛名は間違いなくあなた。裏面には差出人の名前も住所も無い。ただ【Orz】とスタンプが捺してある。
 靴を脱ぎ、部屋に戻り、封を切る。
 中にはA4サイズの書類と、沖縄までの旅券が入っているだけだった。



 次の土曜日。
 あなたはキャリーケースを引き連れて飛行機に乗り込んだ。
 荷物を棚に仕舞い、指定された席に腰を降ろす。やがて機内に流ちょうなアナウンスが響き渡り、大袈裟な振動が訪れる。それが治まる頃には、窓の外には雲海が広がっていた。
「いい眺めですね」
 通路の向こう側の席から声が届く。振り向けば、いったいどうやって機内まで進んだのか、黒子の衣装に身を包んだ人物がこちらに体を向けていた。
「飛行機は初めてですか? そうでなかったのなら失礼を。なんとも楽しそうにしている方だ、と思ったもので」
 黒子は口と思われる部分に手を当て、体を短く震わせた。
「沖縄へは観光ですか?」
 あなたが理由を説明すると、黒子は静かに何度も頷いた。
「なるほど、あなたが。
 いや、人の良さそうな方でよかった。私の勘は間違っていなかったようです。安心しました」
 首を傾げるあなたに、黒子は人差し指を立てた。
「申し遅れました。私、沖縄リゾートゾーンの従業員です。
 で、あなたに封書を送らせていただいたの、私です」



 時同じくして、久遠ヶ原学園の生徒の元へ大量のメールが送信されていた。
 差出人は【Orz】。
 内容は、要約すればこうだ。

 1日住民募集。
 『沖縄リゾートゾーン』というテーマパーク内にある『村』の住民として生活してみませんか。
 果物や魚食べ放題。交通費全額支給。

 嘘偽りのない――また、少しだけ説明が足りない――メールは学園内で物議を呼んだ。
 そして圧倒多数の「敬遠すべきだ」という声を振り切り、数名の生徒が沖縄に向けて荷造りを始める。



「ゆるーい一日サバイバル体験、とでも言いましょうか。沖縄ののんびりとした雰囲気を肌で感じ取ってもらおう、という企画とアトラクションでして。給与が発生しない代わりにあるものなんでも食べ放題、と。もちろんアトラクションなので他のお客様も訪れますし、動物の着ぐるみを必ず着用していただくという制限もありますが。
 ……ああ、あなたはそのままで大丈夫ですよ。あなたには、その書類にあるとおり『村長』を務めていただきたいのですから」
 悠々と紡がれる言葉を聴きながら、あなたは書類に目を落とす。
 確かにそう記されている。村の名前を決め、手入れをし、条例を決めて村を導いてください、と。
「一種のサプライズですね。ただ可愛いどうぶつたちが生活しているだけでは、お客様はともかく住民の皆さんの楽しみが薄い。そこで、彼らの『生活』に彩りを加えるという重大な役割を、あなたにお任せしたいのです。
 そう不安そうな顔をしなくても大丈夫です。あなたならきっと大丈夫だ。素敵な1日にしてくれるに違いない。
 ですが、それさえもあなたにお任せしたい。あの村の長になる、あなたに」
 頭巾から垂れた黒い布。その奥に笑みが浮かんだ、ように見えた。

「――それで、どういう1日にするかは、もうお決まりで?」

 黒子がかくん、と頭を傾ける。
 あなたはそれを眺めてから、もう一度書類に視線を向ける。紙の端、指で掴んでいた部分がくしゃり、と歪んだ。


 やがて、窓の外を雲が昇ってゆく。
 青く輝く海の上、夏の深緑を湛えた沖縄の姿が見えた。


リプレイ本文

●土曜日
 歌音 テンペスト(jb5186)は入り口で額に手を当て、村の様子を端から端まで、何度も眺めた。
 広場には多くの影が並んでいた。やがて、最も手前に立っていた影が一歩前に出る。
「村長殿、こんにちはじゃ」
 秘書の狐珀(jb3243)が尻尾を揺らしながら告げると、テンペストは
「おいっす!!」
 と、顔の横に指を揃えた手を翳した。
「さて……村名、条例、そして過ごし方。諸々は既に決まっておるかの?」
「もちろんです! 短い間ですが、これからよろしくお願いします!」
 下げた頭の上で、柔らかい拍手がぽふぽふと鳴り続ける。

 こうして、村長の入村は完了した。初仕事は、村の名前を決めること。
 村長は空の旅の最中考え続けた名前を高らかに宣言した。

 その名前とは――










●日曜日
「ここなの! もきゅもきゅ村!」
 サーターアンダーギーで頬を膨らませた神谷 愛莉(jb5345)がずんずんと進んでゆく。
「ちょ、ちょっと、もう少しゆっくり……」
 礼野 明日夢(jb5590)は躓きそうになりながら、抱えたハンバーガーと飲料をなんとか守った。
 狐珀が駆け寄り、畏まって頭を下げる。
「おお、ようこそ、もきゅもきゅ村へ。存分にのんびりしていってくだされ」
「夕方頃にはバーベキューも予定しておるので、よければそちらにも是非」
「はい! ありがとうです!!」
 元気よく頭を下げる愛莉の隣で、明日夢が不思議そうに首を傾げた。
「あの、どうして皆さん、着ぐるみを着ていらっしゃるんですか?」
 苦笑を浮かべる狐珀の前に、ウサギの着ぐるみを着た大谷 知夏(ja0041)躍り出た。
「ようこそお客さん! 着ぐるみに興味があるウサか?」
 目を丸くする愛莉と明日夢に構わず知夏はまくし立てる。
「折角のお越しっすので、動物耳を付けてみないウサか?」
「いいんですか!?」
「もちろんウサ! そちらのお客さんもどうぞウサ!」
「あ、ありがとうございます」
 お揃いの、色違いのウサミミを装着した2人へ向けて、知夏は丸っこい手をぽふぽふと鳴らした。
「とってもよく似合ってるウサよ! 今なら着ぐるみの着用サービスも――」
 背中に悪寒を感じ取った知夏が言葉を呑み込んだ。
 振り返る。
 チーターの着ぐるみを着こんだ月臣 朔羅(ja0820)が肉食獣宛らの笑みを浮かべていた。しかし知夏と目が合うと、すっと笑みの質を変え、愛莉と明日夢の前に進んだ。ビシッと敬礼を決めて見せる。
「いらっしゃいニャ。よかったら私が案内させてもらうニャ」
「……チーターって、ニャって鳴くんですか?」
「猫の鳴き声を甲高くしたような感じニャ。
 そうそう、先に来たお客さんは海の方へ向かったニャ」
 やや面食らっていた明日夢だったが、朔羅の台詞に瞳を輝かせた。
「海……はい、行きたいです! いいよね、えり?」
「うん! ボクもアシュと泳ぎたい!」
「では、こっちだニャ。あ、足元に気を付けてニャ?」


 知夏が次のターゲットを探していると、新たな客人が入ってきた。
「何やエネルギーが一杯あってええところやね……」
 肩に背負ったサックを揺らしながら辺りを見回すアニタ・劉(jb5987)。彼女の元へ、両手に動物耳を持った知夏が歩み寄る。
「いらっしゃいウサ! サービスで動物耳、いかがウサ?」
「あ、着ぐるみですやん」
「おっと、お目が高いウサ! 今なら着ぐるみの着用サービスもあるウサよ!
 着ぐるみを来ていると、子供とかにモテモテウサよ? 全力で狩られる位にウサ!」
 熱弁を振るう知夏を余所に、アニタは村内を見渡した。
「――というわけで、いかがウサ? いろんな着ぐるみから選び放題ウサ!」
「それも面白そうなんやけど……」
 ゆっくりと吊り上る口角に指を添える。
「……もう少し、詳しくこの村の話、聴かせてもらえます?」
 きょとん、と見上げる知夏。アニタの瞳は、先程までの自分と似た色を浮かべていた。


「こんにちは、お邪魔する」
 頭を下げて入村したルーファ・ファーレンハイト(jb5888)を、
「おいっす!!」
 テンペストが手を挙げて出迎えた。
「美味しいもの、食べたい」
「了解ぽん! 果物食べに行くみゅー!」
 そう言うと、テンペストは返事を待たずに彼女の手を取って歩き出した。
「おいっす!」
 突然テンペストが手と声を上げた。
「おいっすどらー」
「おいっす、わふっ!」
 返ってくる挨拶に覗き込むと、丸っこいフォルムの白いドラゴンの着ぐるみを着たフェイン・ティアラ(jb3994)と、ふかふかの毛並みを湛えたヤンファ・ティアラ(jb5831)が、木の枝に並んで腰を降ろしていた。
「……犬?」
「狼なのですよっ! わふっ!」
「あ、一つ採ってくれるキュン?」
「どうぞどらー」
 フェインが山なりに投げて寄越したのは、丸々と実ったマンゴー。受け取り、テンペストが捌いていく。
「どうぞぷるん!」
 瞳を輝かせるルーファに手渡すと、彼女はそのままの表情でかぶり付き、もぐもぐと口を動かしながら更に両目を輝かせた。
 よかった、上手にできた。テンペストは笑顔の裏で胸を撫で下ろす。
「もっと、いろいろ見たい」
 言うが早いか、ルーファは背中に翼を広げ、青空へ飛びあがった。
 村を眺めながら移動する。奥には海原、左手には少しだけ深い森が見えた。



●森
 イワトビペンギンの着ぐるみに身を包んだナナシ(jb3008)は息を潜めていた。口は真一文字に結び、呼吸は最低限。両手に握った得物が草花に触れぬよう、注意深く進む。
 やがて間合いへ。
 そして機が訪れた。
 踏み込み、一気に虫あみを払う。
 捕獲、成功。目視するや否や宙で網を返し、網の口を閉じて手繰り寄せた。
 その場に座り込み、図鑑を開く。網の中で観念した虫はだんまりを決め込んでいた。
「ん……これは、トノサマバッタペンね」
 頷いて付箋を貼る。満足げに図鑑を閉じると、さっきまでバッタが立っていた位置がぐい、と動いた。
「〜……っあー、よく寝たニャ」
 もっふもふの手で顔を洗うネコ――神喰 茜(ja0200)を今ようやく発見し、ナナシは少しだけ目を伏せた。
「ごめんなさいペン。起こしてしまったペンね」
「あはは、大丈夫だニャ。ちょうどお腹もすいてきたからニャ」
 伸びをして立ち上がろうとする茜。――を、ナナシが制した。
 目をぱちくりさせる茜の前で、ナナシは集中、気配を薄める。やがて彼女はもにもにと進み、素早く網を振った。
 手応え有り。ナナシは網を引き、獲物を確認する。
「……またトノサマバッタだったペン……」
「で、また誰かの上だったニャ」
 茜の声にはっとしてナナシが顔を向けると、木の幹に凭れかかったトラ――高虎 寧(ja0416)の姿があった。
 しかしナナシが一歩踏み出す前に、寧はゴロン、と体の向きを変え、睡眠を続行した。
 顔を見合わせるナナシと茜。困ったように笑い合った。
「バッタを集めてるのかニャ?」
「他の虫も集めているペン。それと、村内のハンターランキングも集計しているペンよ」
 ナナシはきょろきょろと見回し、やがて木陰を示した。
 茜が目を凝らすと、鴉の着ぐるみ――鴉乃宮 歌音(ja0427)の姿が見えた。
 彼は手当たり次第にあれもこれも拾っていた。空き缶は背負った竹の籠へ、果物は小脇に提げたポーチに。どちらも既に溢れそうになっている。
 ナナシが短い腕を組んで見守る中、歌音の動きがピタリ、と止まった。
 手にはやや尖ったフォルムのサングラス。歌音はくるくると回しながら記憶を掘り返す。
 そこへ巨大なやまあらし――命図 泣留男(jb4611)が駆け寄ってくる。
「おお! そいつは俺のフェイバリット・アイテムあらし!」
「『やっぱりクァ。どこかで見たな、と思っていたクァ』」
 歌音は機械で濾した声を置き、泣留男へサングラスを差し出す。泣留男は受け取ると俯きながら顔に掛け、尖った爪で位置を整えた。
「ふ……やはり俺の世界にはこのブラックなフィルターが不可欠だ、あらし……」
「『森の中なら、なくても大丈夫じゃなイカ?』」
「(……イカって言ったかニャ?)」
「こいつがないと、俺が世界をブラックに染めちまいそうなんだ、あらし」
「『さっきまで大丈夫だったじゃなイカ』」
「(イカって言ったペンね)」
「とにかく、助かったあらし。こいつは礼だ、食ってくれ、あらし」
 彼は大きなパイナップルを差し出した。手で千切って食べられるものだ。
 歌音が顔を上げると、既に泣留男は背を向けて歩き出していた。互いに顔を見ずに手を振り合う。やがて泣留男の姿が森の外に消えると、歌音はつい、と首を動かした。
「そこのお二人さん、よかったら一緒に食べなイカ?」
 またイカって言った。茜とナナシは顔を見合わせて笑い、木々の間を小走りで進んだ。



●海
 白い砂浜には先客がいた。
 愛莉と明日夢が笑い声を上げながら波打ち際を跳び回って水を掛け合い、真っ新な砂の上に足跡を描いている。
 気持ちよさそう。ルーファがぼんやりと眺めていると、不意に目が合った。
「お空飛んでるですの!」
「気持ちよさそうだね」
 振られた小さな二対の手に、ルーファは控えめに振り返す。そして沖へ進むと一気に高度を落とし、海の中に飛び込んだ。
 手の届く位置にはサンゴ礁が広がっていた。その間を色彩豊かな魚たちが泳ぎ回り、更にその奥では、セパレートの黒い水着を身に着けた機嶋 結(ja0725)が僅かに目を丸くしていた。
 やがて結が腕を振った。手のひらから山なりの曲線を描いて淡い色の貝殻がルーファの元へ届く。
 初めて目にする物体だった。見惚れているうちに体がゆらりと昇っていく。ちゃぽん、という音で我に返ると、貝殻の奥には底抜けの青空が広がっていた。
 離れた位置で似た音が鳴る。結は頭を振って銀色の髪を払った。
「海と空、違う青、どっちも綺麗」
「……そう、ですね……」
 色に差があれば、受け取り方にも差が出る。
 再び海に潜るルーファを尻目に、結は砂浜へ上がった。
 砂の上に寝転ぶ。
 意識はどんどん沈んでいった。

 今、自分は武器を手放している。休んでしまっている。『戦い』はまだ続いているのに。
 沖縄を訪れたことを悔いているわけではなかった。穏やかな時はとても心地よい。
 だからこそ、恐ろしい。
 このまま流されて、安らいで、己を支えていたどす黒いものが洗い流されてしまいそうで。
 否定しなければいけないのに。
 でも。

「随分難しそうな顔してるじゃねぇか」
 結が顔だけ起こして視線を送ると、桟橋の中ほどから相賀翡翠(jb5879)がこちらを見ていた。
「悩み事なら、聴くだけ聴いて聞き流すぞ」
「言うほどのことではありませんから」
「なら素直に楽しみゃいい。ここは遊園地だ。ああだこうだ考えず、楽しめばいいんだよ」
「しかし……」
「悩むなって意味じゃねぇ。考えるなって意味でもねぇ。悩み過ぎて、考え過ぎて、楽しい気持ちに嘘つくな、って意味だからな」
 そうとも。自分の言葉に翡翠は頷く。さっきまで遊んでいた少女は、心底楽しそうだったじゃないか。
「……そういう、ものでしょうか……」
 空を仰いだ結に大きな影が降りた。
「ほらよ。……ベルベットなひと時をお前にくれてやるあらし」
 言って泣留男は結にパイナップルを差し出した。が、彼女は受け取らず、きょとんとして口を動かす。
「……あらし?」
「村の条例で語尾をつけなきゃならないんだあらし」
「……それはなんの着ぐるみですか?」
「やまあらしあらし」
「……」
「な? 考えたって仕方ねぇこともあんだよ」
 笑う翡翠が垂らす糸が張る。小さく呟いて身構え、水面に神経を注ぐ。次の瞬間、浮のすぐ隣からまるでロケットのようにルーファが飛び上がった。勢いが良すぎて飛んでいた鳥に激突してしまう。意識を失った鳥は急降下、呆気にとられていた翡翠の額に口ばしから激突した。衝撃に尻餅をつき、そのまま海の中に落ちる翡翠。大袈裟な悲鳴は水柱の陰に紛れた。
「――ブハッ!! な、何しやがる!!」
「ごめん。ルー、やりすぎた」
 一連の流れを眺めていた結の隣に、ゆっくり、スタイリッシュに泣留男が腰を降ろす。
「……しかし……やまあらしの動物語ってのは、これでいいのか? あらし」
「恐らく違うかと」
 ばっさりと斬り、パイナップルに手を伸ばす。口に含んだ黄色い果肉は、結の頬をやんわりと綻ばせた。



●川辺
 狐に扮していたソフィア・ヴァレッティ(ja1133)は、両手いっぱいに抱えた器具を危うく落とすところだった。
 突如広場に現れた大穴を、ソフィアは眉を寄せて覗き込む。
 底では、もぐらの着ぐるみの上にヘルメットを被ったリンド=エル・ベルンフォーヘン(jb4728)がせっせと掘り進んでいた。
「何してるケン?」
「ばーべきう、とやらをやるのに器材がいるもげ?」
「そうケンね」
「交換するためには対価が必要だもげ? 化石のひとつでもでてくれば、一気に揃えられるだろうもげ」
 気の無い返事をし、ソフィアは膝を折って抱える。彼女の背に狐珀が優しく寄りかかった。
「どうじゃ、ソフィア殿。楽しんでおるか?」
「あ、はい。お陰さまで……ケン」
「何よりじゃ。ほっほっほ。可愛いのう、もふもふじゃのう」
 言われながら全身をくまなくモフられ、至近距離でフラッシュを焚かれる。ソフィアはくすぐったそうに笑い、唐突に真顔に戻った。
 彼女の足元で、蟻の群れが右往左往していた。


 もきゅもきゅ村には条例が2つあった。
 ひとつは、雰囲気づくりの為、語尾に動物語を付けること。
 もうひとつは、『蟻さんを踏まない』こと。要約すれば『いのちだいじに』となる。無益な殺生は避けよ、という意味合いだ。


 ソフィアの相談を受け、狐珀はずいと身を乗り出した。そしておもむろにペンライトを取り出すと、穴の壁へ端から順に光を当てていった。
 不思議そうに見上げるリンドの上で、ソフィアと狐珀が難しい顔を並べる。
「リンド殿、どうやら蟻の巣を壊してしまったようじゃのう」
「なんだと!?」
 ここじゃ。小さな光が壁でくるくると回る。リンドが目を凝らすと、確かにそこには巣穴らしきものが窺えた。
「殺生したわけではないもげ!」
「難しいところケン」
「村長に判断をお願いしようかの」
「呼んだプルかー!?」
 リンドが見上げる丸い空、ソフィアらの向かいにテンペストの顔がずい、と現れた。
「村長さん、実は――」
「――判ったモン……リンドさん、こっちへピュン」
 テンペストが手で呼ぶ。
 リンドは腹をくくり、穴からひょっこりと顔を出した。
「あ、もうちょっと上に」
「む……」
 言われるがまま高度を上げる。テンペストはニッコリと微笑んで、
「有罪ッ!!」

 ごっ!

 リンドの眉間にかまぼこ板を突き出した。
「ぐぉぉぉぉっ!!」
 苦悶の声を上げながら、リンドは穴の底へ落ちていった。
「……あれは地味に効いてるケン……」
「大丈夫かの。尻尾をモフモフするか?」
「……ッ、何故俺が……」
「おや、語尾が抜けておるのう」
「強制じゃないけど、雰囲気は大事にしてほしいムフ……」
「語尾を抜いたらなんだと言――」
 すっ(かまぼこ板が掲げられる音)
「悪かったもげ!!」


「賑やかだニャア……」
 茜はさとうきびを齧りながら村内をぶらついていた。
「おーいクマー」
「ニャ?」
 声に振り返れば、見覚えのある顔が遠い位置から短い手を振っていた。茜はぱっと表情を明るくして、急ごしらえの店舗に駆け寄る。
 橋場 アトリアーナ(ja1403)は目を細めて邂逅を喜んだ。
「こんなところで会えるとは、奇遇クマ」
「そうだニャア。橋場さんは、ここで何をしてるのニャ?」
「お魚屋さんクマ。他の物もあるから、欲しいものがあれば交換するクマ」
 では、と茜は手にしていたドラゴンフルーツを納品、袋詰めされたサーターアンダーギーを受け取る。美味しそうで量も充分。きっと喜んでもらえるだろう。
 それにしても。茜は品ぞろえを眺め、かくん、と首を傾げた。
「魚がちょっと少ない気がするニャア。あ、大人気なのかニャ?」
 微笑む茜の前で、アトリアーナは深刻そうに俯いた。
「魚……特に川魚は、鬼門クマ……」


 明日夢は眠る愛莉の頭を撫でつつ、目の前の光景を半ば畏れながら観察していた。
 川辺には巨体が寝そべっていた。咲・ギネヴィア・マックスウェル(jb2817)が着込んだカバの着ぐるみである。
 彼女は愚痴を並べながら上半身を水辺に投げ出していた。その様子だけなら明日夢は気にも留めずうたた寝に興じていたことだろう。
 魚の影が見えた。
 刹那。

 ――ばくっ

 魚が水面に近づいた瞬間、咲はぐんと身を乗り出し、魚を丸呑みにしてしまった。
「うまいカバー……」
 生きた川魚を丸呑みするという行為も去ることながら、存外な俊敏さに明日夢は息を呑んだ。
 そしてまた咲はぼやき始める。やがて一度大きなあくびをしてから、寝返りの動作に移った。
「そこ、蟻さんが通るニャ!!」
「えっ」
 咲は咄嗟に対応しようとする。が、蟻の存在を認識できていなかった為、身をよじるに留まった。
 着地したところへ朔羅が駆け込む。咲が、そして明日夢が見守る中、蟻は着ぐるみの下からなんとか這い出し、群れに合流した。
「ほっ……」
「村長、村長はいるかニャー?」
「えっ」
「呼んだポコー!?」
 テンペストがスッ転びそうになりながら現場に到着する。
「ちょっと待つカバ! 蟻は無事だったカバ!?」
「実は……」
「……なるほど」
「話を聞けカバー!!」
「ギルティー!!」

 スコーーーーーーンッ

 額をかまぼこ板で打ち抜かれた咲は痛がりながら転げ回り、着水。
「いーたーいーカーバー……」
 川を流され、橋脚に引っかかっても尚悶絶した。
「さて、そろそろバーベキューだプク!」
「そうだニャ。秘書さんにアナウンスしてもらおうかニャ?」
「あ、助けないんだ……じゃなくて。ねえ、起きて、えり。バーベキューそろそろだって」



●住居
 そろそろ川釣りができそうだ。大きな窓の傍で相好を崩し、安瀬地 治翠(jb5992)が大型犬の着ぐるみを動かす。
「それじゃあ、行ってきますよ……わん」
「うん、気を付けて。俺は引き籠っているからぁぁ」
 同じ家の中にいたナマケモノ――時入 雪人(jb5998)がぶるぶると震えた。治翠が午前中のうちに備えを整えていた為、何不自由なく引き籠ることができる。
「何かあったら呼んでね、ハルぅぅ」
「……語尾まで震えていますよ……わん」
 微笑を残し、治翠は屋外に赴いた。
 雪人は何をするでもなくごろごろと転がっていた。もし魚を獲ってきてくれたなら、塩焼きにでもしようか、とぼんやり考えながら。

 ドンドンッ

 突然のノックに、しかし雪人は動じない。治翠でないことは音で判った。
 しかし、彼が応対するまでもなく、ドアはあっさりと開いた。
「やーどもども。今日もあっついですねー」
 雪人は一瞥しただけで無視。アニタは構わず言葉を続ける。
「お宅はいろいろ揃ってますねー。こんなに揃えるの大変やったんやないですか?」
「……」
「でも、こんだけ揃ってはると、逆に泥棒とか怖いんとちゃいます? 大切な家具が突然無くなったら、いろいろ大変ですよ?」
「……」
「どうです、お話だけでも? 掛け捨てとちゃいますから」
 雪人は短くため息を落とし、ごろごろと床を転がった。



 シカ――浅間・咲耶(ja0247)とシマリス――伊那 璃音(ja0686)は、木陰でテーブルを囲み、ティータイムを楽しんでいた。
「……うん、美味しいぴょん」
「ふふっ……」
「どうしたぴょん?」
「ごめんなさい、未だに語尾に慣れなくて……ふふ」
「そろそろ慣れてくれてもいいと思うけど……ぴょん。あ、璃音、語尾が抜けてるぴょん」
「あ、ごめんなさい、りす。……ふふっ、何回口にしても舌を噛みそう、りす」
 朗らかな会話が紡がれる。そこを治翠が通りかかった。
「おや、こんにちは……わん」
「こんにちはぴょん」
「こんにちは、りす」
 それぞれの口調に笑い合う3人。
「あ、よろしければフルーツサンドはいかがりす?」
「璃音の手作りなんですぴょん。きっとお口に合うと思いますぴょん」
「ではお言葉に甘えて。不躾ですが、2人分包んでいただいても……わん?」
 璃音は快諾、微笑んでフルーツサンドを手渡した。治翠は包みから立ち上る香りに胸を躍らせながら、頭を下げてその場を後にする。
「喜んでいただけるといいのだけれど……りす」
「きっと喜んでもらえるぴょん」
「そう、りす? じゃあもっと作ってお配りしようかしら、りす?」
「じゃあ、ボクは果物採ってくるぴょん」
 咲耶が立ち上がり、やや離れた位置ではしごに足を掛ける。
 その瞬間、アニタが土煙を上げながら到着、咲耶の下で瞳を輝かせた。
「高い所に登って怪我でもしたら大変ですやろ? そこでどうです、この保険! 掛け捨てとちゃいますよ!!」
 咲耶は目をぱちくりさせ、やがて苦笑。
「それじゃあ、パンフレットだけ拝見させていただくぴょん」
「はい! お連れ様にお渡ししておきますー! いつでも連絡してくださいね!!」
 アニタは軽やかなステップで璃音にパンフレットを渡し、次のターゲットを探して歩き出した。
 あごに手を当てて思案する。
 やはりもうひと押しが欲しい。例えば、村に訪れる脅威などがあれば、皆もっと熱心に耳を傾けてくれるのではないだろうか――。
 だが、彼女が答えを得る前に、村内にアナウンスが流れる。


「それでは、今からバーベキューを行うのじゃー」



●広場
 各自が持ち寄った食材で、調理用のテーブルはすぐにいっぱいになった。咲がうっとりと瞳を輝かせ、ソフィアが彼女を警戒していた。
 野菜や果物は、朔羅が爪に見立てた苦無でリズミカルに刻んでいた。
「へーぇ。見事なもんだな」
「あなたもニャ。お魚は任せたニャ」
 翡翠は軽く返し、慣れた手つきで魚を捌いていく。
「新鮮でとっても美味しそうなのですっ、わふ……じゅるっ」
「ヤンファ、せっかくだからボクらでお肉の味付けをするどらー」
「わかったのです、わふ!」
 ヤンファは手元の調味料に手を伸ばし、手を泳がせ、手を唇に添えて片目を瞑り、指を弾いた。
「美味しくな〜れですわっふぅ♪」
 妹の台詞に合わせて、兄が微笑みながら調味料を振った。


「さて、ちょっとよいかの?」
 辺りに狐珀の声が投げられた。
「ナナシ殿の集計が終わり、本日の収穫ランキングが確定したのじゃ。トップは……歌音殿じゃ!」
 ぽふぽふの拍手に包まれながら、歌音が前に出、小さく頭を下げる。
「賞品などはないが、代わりにバーベキューを存分に楽しんでもらいたいのじゃ」
「『そうさせてもらうクァ』」
「(あ、今度はクァだったニャ)」
「さて、村長殿」
「はい!
 それではみなさん、両手を合わせて!」
 それぞれが手を合わせ、口を揃えた瞬間、それは起こった。



 時間は少しだけ遡る。
 愛莉は明日夢と林を訪れていた。明日夢が麺類を求め、交換する為の山菜を採りに訪れていたのだ。幾分優しくなった木漏れ日の中、眠る寧の尻尾を踏まぬように進んでいく。
 ふと、愛莉がその『匂い』を嗅いだ。
「……カレー?」
「……あと、なんだろう……ゴーヤ?」
 場に似つかわしくない香りに、明日夢は辺りを見回す。そしてすぐに異変に気が付いた。
 やや離れた木々の陰に、黒装束の人物が潜んでいた。それは肩を震わせ、バーベキュー会場をねっとりと眺めている。先のエリアでやられた視力は回復していたが、全身に染みついたカレーとゴーヤソフトの匂いは落ち切らなかった。
 愛莉と明日夢が口を抑えて見守る中、黒子は己の頭を労るように撫でた。
「フフフフ、精々今のうちに楽しんで――」
 明日夢の両目がもうひとつの異変を捉えた。黒子の背後で、ぼこ、と土が盛り上がったのだ。
「――おくがいい――」
「ふぅ……」
 土からリンドが現れる。
 結果。

 ぷすっ

「……もげ?」
 彼の着ぐるみから飛び出していた角が、黒子の臀部にクリーン・ヒットした。




「――っわァアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」


 悲鳴は村中に轟いた。
「? なんの声あらし?」
「敵襲ペン」
 ナナシが手で示した先から、尻を抑えた黒子が猛然と駆けてくる。
「しょ……しょ、食材、貰い受けるうッ!!」
「まったく、とんだハプニングだ、あらし」
 泣留男がずいと前に出て、半身で黒子を指さした。
「あんまり無粋なことをするヤツには、俺のジャッジメント・ナックルを叩き込む、あらし……」
 言う彼のすぐ脇を黒子は猛スピードで駆け抜ける。
「まあまあ、できれば穏便に……」
「そうはいかない、かなぁぁ」
 治翠を制し、雪人が走り出す。
「ハル、そしてみんなの努力、無駄にはさせないよぉぉ」
 そして黒子に向けて、鋭いスライディングを放った。
「雪人さん、あんなに機敏に動いて……」
「感心してる場合じゃないニャ!」
 茜の言うとおり、黒子は雪人を飛び越え、進撃を続ける。

「う゛にゃーーーーーーーーーーっ!!」

 茜が咆える。ビリビリと大気を震わせるそれを、しかし黒子は姿勢を低くして突破しようとしてくる。
「いかん!」
「ヤンファー!」
「白子にしてあげるのです、わふ!」
 ヤンファが小麦粉爆弾を、狐珀が自身についていたノミを、そして明日夢がやや大きめの石を投擲した。
 全弾命中。頭巾は白に染まり、服の間にはノミが入り込み、後頭部に狙撃を受けてつんのめる。
 黒子は痛がり、痒がり、だが止まらない。
「もうちょっと強めでも大丈夫そうペンね」
「村の平和は、あたしが守るカメ!」
「手伝うニャ!」
 三位一体の波状攻撃。ナナシが銀色のスコップのフルスウィングを顔面に叩き込む。宙で高速後転する黒子にテンペストがかまぼこ板を振り降ろし、一瞬静止した瞬間を狙って茜が竹刀で打ち上げた。
 高らかに上がる黒子を見送る茜の目に、逆光を受けたアトリアーナが映る。
 彼女は身を捻ると、体重を乗せたストレートを黒子のボディに叩き込んだ。更に右、右、左右左と拳を繰り出し、最後に引き寄せ、力任せに抱き締める。

 メキョメキョゴキゴキボキィ……ッ

「オオオオオオオ……ッ」
「甘いクマ」
 口元を歪め、アトリアーナは黒子を地面目掛けて放り投げる。その先には咲が待ち受けていた。
「林獣ヒポポタマス拳奥義ぃー、えーと……なんだったカバ?」
 結局咲は着ぐるみの口で黒子を受け止め、ゴリ、と鳴るほど噛み、不味そうに吐き捨てた。
 地面に転がった黒子は既に満身創痍だった。が、村民は手を休めない。
 仰向けに倒れる黒子の腹に歌音が跨る。そして黒い布をめくると、
「『そんなにお腹が空いてるなら、たらふく食わせてやるクァ』」
 黒子の口に、集めるだけ集めて使わなかったキノコを詰め込んでいく。
「むぐっ……んぶ、ゴホッ、エホッ!!」
「『私の料理が食べられなイカ?』」
「うぐっ……ぶっ、うは……うははははははは!」
 璃音が笑顔で覗き込む。
「はい、どうぞ。口直しのハバネロサンドりす」
 言いながら璃音は黒子の口に深紅を挟んだパンを押し込む。辛さは瞬く間に痛みとなり、黒子は盛大に噴き出した。
「『ほらほら、残しちゃイカんよ』」
「(本当にイカって言ったクマ)」
 笑い転げながら抵抗する黒子に、尚も歌音はキノコを詰め込んでいく。
 もがき苦しむ黒子の前に、咲耶がちょこん、としゃがんだ。
「相手とタイミングが悪かったぴょんね。それはともかく、璃音の手作りを残すのは感心しないぴょん」
 言って咲耶は璃音からおかわりを受け取り、黒子の口に押し込む。
 全身をばたつかせる黒子の手に、
「掛け捨てとちゃいますから、いつでも連絡してくださいねー」
 アニタが呆れ顔で保険のパンフレットを握らせた。


「もう大丈夫かな、ケン」
 調理場の前で身構えていたソフィアが構えを解く。
「あんがとな。おかげさんで捌き終わったぞ」
「どういたしましてケン」
「さあ、どんどん焼くニャ!」
 朔羅と翡翠、ソフィアが山盛りの食材を運ぶと、わっと全員が歓声をあげ、群がった。すぐに美味しそうな香りが辺りに立ち込める。遅れて海からやってきたルーファも頬を赤らめて参戦した。
 その賑やかさで、ようやく結は目を覚ました。開けた目の前には知夏の顔が。彼女は眠ってしまった結に膝を貸していた。
「……あ、ありがとうございました」
「お安いご用ウサ。もうバーベキューは始まったウサよ? いっぱい食べてくるといいウサ!」
「はい、そうします……」
 目を擦り、生あくびを噛み殺しながら歩いていく結。
 彼女の頭で揺れるウサミミを眺めながら、知夏はマンゴーを口いっぱいに頬張った。











 用意されたデザートが無くなった頃、もきゅもきゅ村にチャイムが鳴り渡った。
 それは、村長が赴任してからちょうど24時間が経過したことを告げるもの。
 村長が無事に、そして見事に任期を満了した証だった。
「終わっちゃった……」
 テンペストが呟く。思わず目頭が熱くなったので俯いた。
 丸くなった背に狐珀がそっと手を置く。
「お疲れ様じゃ、テンペスト殿」
「……あたし、ちゃんとできてましたか……?」
「うむ?」
「みんなのこと、邪魔しないで、ちゃんと楽しんでもらえましたか……?」
「聞いてみぬとわからぬが、聞かなくてもわかるじゃろう。ほれ」
 狐珀が指し示した先では、村を訪れた面々が思い思いに楽しんでいた。満足げに微睡む者、仲間と笑い声を交わす者、愛する者と寄り添う者。その誰もが夕日に照らされていた。
 誰かが言った。海を見に行こう。沈む夕日を眺めに行こうと。
 決して大きくない声の提案は波紋の様に広がる。
 その穏やかな光景に高鳴っていたテンペストの想いは、一緒に行きましょうと振られる手によってとうとう溢れた。
「……と、いうことじゃ。もちろん私も存分に楽しめた」
「……ぐすっ……」
「行こうかの、『村長殿』」
「……ばい゛……っ」
 号泣するテンペストの手を取り、狐珀が村民らに続いていく。
 25の影法師は大きな夕日に、長く、長く伸ばされていた。



依頼結果

依頼成功度:大成功
MVP: −
重体: −
面白かった!:10人

癒しのウサたん・
大谷 知夏(ja0041)

大学部1年68組 女 アストラルヴァンガード
血花繚乱・
神喰 茜(ja0200)

大学部2年45組 女 阿修羅
La benedizione del mare・
浅間・咲耶(ja0247)

大学部4年303組 男 ディバインナイト
先駆けるモノ・
高虎 寧(ja0416)

大学部4年72組 女 鬼道忍軍
ドクタークロウ・
鴉乃宮 歌音(ja0427)

卒業 男 インフィルトレイター
Orz/天の華は星と戯る・
伊那 璃音(ja0686)

大学部4年25組 女 ダアト
秋霜烈日・
機嶋 結(ja0725)

高等部2年17組 女 ディバインナイト
封影百手・
月臣 朔羅(ja0820)

卒業 女 鬼道忍軍
太陽の魔女・
ソフィア・ヴァレッティ(ja1133)

大学部4年230組 女 ダアト
無傷のドラゴンスレイヤー・
橋場・R・アトリアーナ(ja1403)

大学部4年163組 女 阿修羅
べ、別にビビッてないし!・
咲・ギネヴィア・マックスウェル(jb2817)

大学部6年268組 女 阿修羅
誓いを胸に・
ナナシ(jb3008)

卒業 女 鬼道忍軍
久遠ヶ原のお洒落白鈴蘭・
狐珀(jb3243)

大学部6年270組 女 陰陽師
桜花の護り・
フェイン・ティアラ(jb3994)

卒業 男 バハムートテイマー
ソウルこそが道標・
命図 泣留男(jb4611)

大学部3年68組 男 アストラルヴァンガード
誇りの龍魔・
リンド=エル・ベルンフォーヘン(jb4728)

大学部5年292組 男 ルインズブレイド
主食は脱ぎたての生パンツ・
歌音 テンペスト(jb5186)

大学部3年1組 女 バハムートテイマー
リコのトモダチ・
神谷 愛莉(jb5345)

小等部6年1組 女 バハムートテイマー
リコのトモダチ・
礼野 明日夢(jb5590)

小等部6年3組 男 インフィルトレイター
撃退士・
ヤンファ・ティアラ(jb5831)

中等部3年10組 女 陰陽師
非公式A級料理人認定・
相賀翡翠(jb5879)

大学部6年184組 男 ルインズブレイド
撃退士・
ルーファ・ファーレンハイト(jb5888)

大学部3年42組 女 ルインズブレイド
撃退士・
アニタ・劉(jb5987)

大学部3年218組 女 アカシックレコーダー:タイプA
花咲ませし翠・
安瀬地 治翠(jb5992)

大学部7年183組 男 アカシックレコーダー:タイプA
撃退士・
時入 雪人(jb5998)

大学部4年50組 男 アカシックレコーダー:タイプB