.


マスター:十三番
シナリオ形態:イベント
難易度:普通
参加人数:25人
サポート:2人
リプレイ完成日時:2013/03/08


みんなの思い出



オープニング


 多分に糖分を含んだ風が久遠ヶ原を吹き抜ける。

 鼻をくすぐるカカオの香り、耳に飛び入る愛の語らい。

 振り絞った勇気の対価に手に入れた契りは舌の上でとろける。

 プレゼントを握り締めていた手は、思いを寄せる者の手で塞がれた。



 ――いつもどおり。

 そのイベントはいつもどおり過ぎ去ろうとしていた。

 いつもどおり、彼らだけを置き去りにして。




 その廃棄された寮には辛うじて水道だけが通っていた。もっとも、それが仇となり、壁の隅や家具の裏には黴が蔓延し尽くしていた。とても我慢できる状況ではない。通常の者には、まるで。
 部屋に集合した面々は誰も頭の天辺からつま先まで黒い装束に身を包み、姿は愚か年齢性別さえ判らない。彼らがぼそぼそ声で語り合う中、一際立派な黒頭巾を被った人物が入室、テーブルに大きな段ボールを置いた。
「すまんすまん、遅くなった。
 いやあ、裏のスーパーでよく判らんがお菓子を大安売りしていてな。ありったけ買ってきた。
 詫びと言うわけではないが、みんな好きに食ってくれ!」

 \わーい/

 言うが早いか、頭巾を被った面々は立ち上がり、思い思いの菓子に手を伸ばす。久方ぶりに口にした糖分は全身を駆け巡り、彼らの心身の疲れを癒した。

 あ、お前口のところについてるぞ。
 バカ、頭巾被るんだからいいだろ。
 あ、それもそうか!

 あっはっはっはっは。

 朗らかに語り合う同士を見渡し、大頭巾は満足げに頷いた。
 そして窓際に移動すると、ああところで、と布の裏で口を動かした。



「ここにいる者で、今食べた物以外に、今年異性から甘いものを貰った奴は挙手してくれないか」


































「ははっ、だよな」

 (こくん)

「ではご唱和下さい。
 『嫉妬にあらず』!」

 しっとにあらず!

「『逆恨みにあらず』!」

 さからうらみにあらず!

「『羨ましくなんかない』ッッ!」

 うらやましくなんかなああああああああああああああああああああいっっっ!!

「よろしい! 恋に焦がれて浮かれ尽くした戯け共の目を我らの手で覚ましてやるぞ!!」

 ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!

「甘ったるい学園を、我らの手で 固 焼 き 塩 せ ん べ い に仕上げる!!
 覚悟はいいな! 征くぞ、諸君!!」

 ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!


 ――こうして。
 黴薫る部屋から、黒衣の集団は解き放たれた。
 チョコレートが結んだ絆を粉砕して、もう一度湯銭にかける為に。
 そして少しだけ、ほんの少しだけ、新たな出会いに胸を躍らせながら――。




 映像はそこで止まっていた。
「相も変わらず。いや、なんだか今回は気合いが違うね。
 まあそれもそうか。祭りや聖夜と違い、恋人ありきの季節だもんね」
 椅子を回すと同時、職員は大きな板チョコを噛み砕いた。
「懲りたり反省したりしない。その意気や良し。充分に『敵』足り得る」
 熱い緑茶で口を洗ってから、あなたたちに目を向ける。

「一足早いホワイトデー(物理)だ。きっちり3倍返ししてやんな」


リプレイ本文


 メリー(jb3287)は白い扉を横に流した。向かうのはカーテンで遮られた窓際のベッド。こっそりと忍び足で、しかし軽やかな足取りで進む。
「……おにーちゃんっ」
 ひょい、とカーテンから飛び出して覗き込む。
 ベッドはもぬけの殻、開け放たれた窓から入り込む晩冬の風を受けて冷え切っていた。
 マリーは息を呑む。右、左、そしてベッドの下を覗き込んでから、慌てて病室を飛び出した。
「たっ、大変なのです!」
 廊下で待っていた地領院恋(ja8071)、彼女の妹の地領院夢(jb0762)は目を丸くする。
「お兄ちゃんがどこか行っちゃったのです!!」
「重体なのにか!?」
「とっ、とにかく探しに行かないと!」
「あたしらも手伝うよ。なあ、夢?」
「うん! 私にできることがあったらなんでも言ってね!」
「ありがとうなのです!」
「行き先に心当たりは?」
「お兄ちゃんの匂いなら、メリー、1キロ離れてても嗅ぎ分けるのです!」
 言うが早いか、メリーは2度鼻をひくつかせ、薬品の匂いを胸いっぱいに吸い込むと、すっとスマートフォンを取り出し、GPSを起動させた。

 病室の中。
 空のベッドの向かいで、包帯に巻かれた目蓋が持ち上がる。
「……やれやれ。落ち着いて、寝ていられない、な……」




 あくびを打つと、鼻に甘い香りが舞い込んだ。乾きそうになる喉を僅かに鳴らし、ああ、と十八九十七(ja4233)は手を叩く。
「世はバレンタイン、ってやつでしたねぃ」
「そうですね」
 彼女の隣で、若杉英斗(ja4230)が感慨深そうに瞳を閉じる。
「むなしい。むなしい争いの匂いがします」
 頭でも打ったのか。眉を八の字に曲げて首を傾げる九十七。
 英斗が内ポケットからある物を取り出した。安っぽい包装紙でてきぱきと包まれた長方形を突き出し、自慢げな笑みを浮かべる。
「実は俺も、とうとうチョコを貰える立場になりまして」
「? それって文房具屋がサービスで配っ――」
「さあ、見てください! 燦然と輝いているでしょう!!」
 軽やかな足取りで九十七から距離を置き、辺りを跳び回る英斗。

♪るんたった るんたった
♪るんたった るんたった
♪甘い甘いチョコレート(はぁと)
♪いやいやちがうよ
♪甘いのは 俺の学園生活
♪いまはじまる 俺の青春

 本能で何かを察した九十七が自主的に距離を置く。
 一際高く飛び跳ねた英斗の頭上を、何者かが滑空した。
「えっ」
 英斗が反応する前に、鳴海鏡花(jb2683)がチョコを掠め取る。そして――
「チョコがなんぼのもんでござるかあああっ!!」
 ――叫びながらチョコを真っ二つに圧し折った。
「ぐぉあああああっ!!!」
 ショックの余り、英斗はすっ転んでしまう。起き上がれず、顔の下には涙の染みが無数に生まれた。
 そこに影が落ちる。柔らかそうな、二つの丘の影が。
「うふん、英斗君、かぁいいねぇ……!」
 この世の春が来た。英斗は心眼を見開き、畳まれた美女の太腿にすがりつく。
「あんっ」
「お姉さん、俺、俺……!」
「もぅ、こんなことしてぇっ。――『えあかのじょ』さんに怒られちゃうよ?」
「ッ……何故それを……!」
 一転、険しい瞳で見上げる英斗。おっぱいの向こうで美女は怪しく微笑んでいた。
「ん、誰だこんな時に……あ、き、君は……!
 違うんだ、これは違うんだ。落ち着いて聞いてくれ!」
 虚空に全力で訴える英斗。
「……なにこれ怖い」
 噛み合わぬ歯をカチカチと鳴らして状況を見守る九十七。
 彼女の耳に足音が二つ届いた。
「敵襲でござる!」
 伝え、鏡花は片翼を翻して飛び去る。
 もう少し楽しめそうだったのに。美女は無慈悲に英斗を払い落し、立ち上がり、『変装を解いた』。
「……エルレーン(ja0889)さん!」
「うふふ、えあかのじょとも喧嘩しちゃったねぇ?」
「騙したなッ! 主に胸的な意味でッ!」
「はっぴー・ばれんたいーん!!」
 叫びながらエルレーン・バルハザードが英斗の口に大きなチョコ(┌(┌ ^o^)┐)を叩き込む。衝撃で痙攣する彼を残し、エルレーンは何処かへ走り去った。

「……遅かったみたいだ」
 龍崎海(ja0565)が忌々しげに英斗の惨劇を見遣る。
 蒼い龍に跨った石動雷蔵(jb1198)が、へたり込む九十七に声を落とした。
「連中は何処に行った?」
「……てか、今のは?」
「チョコを貰った連中を爆破して回る、『アベック仏虎狼獅団』って連中らしい」
 一際強く、心臓が呼吸した。
 たかだかサービスのチョコレートを貰ってはしゃいでいただけなのに、英斗は木端微塵にされた。
 では、チョコを渡し、貰った自分が見つかったら、一体どうされてしまうのか。
 ざっと想像しただけで、顔からすぅ、と血が降りていく。
「つっ、九十七ちゃんは何も知らねぇですよ!?」
 震えた言葉を残し、九十七は脱兎の如く駆けて行く。
 雷蔵は肩を竦めた。
「さて、どうする」
「カップルが集まりそうな場所を回ろう。調べはついてる」
「了解だ」

――先生が全員にチョコを配ったことを忘れて貰ってないとかふざけるな
――俺にとって、今年は特別なんでな

 それぞれの想いを胸に秘め、瞳を燃やして彼らは征く。



「賑やかだとは思っていたが、成る程、こういうことか」
 ウイスキーボンボンを口に放るエルザ・キルステン(jb3790)。隣から石上心(jb3926)の手が伸び、チョコをつまむ。
「面白そうでしょ。で、手伝ってくれる?」
「……いいだろう、興が乗った」
「ありがと! それじゃ、頼んだ!」
 戸惑うエルザに、心は構わずデジカメを押し付けた。




 シャッターを押すと、画面はすぐに鮮明な花の画像を映し出した。
 思った以上の出来に天風静流(ja0373)は目を細める。
 辺りを見渡す。そろそろ人物を撮影したい。それとなく知り合いを探してみたが、目についたのはあるカップル。失礼、と呟き、ファインダーに捉え、シャッターを押し込んだ。
 遠くで炸裂音。
 画像に目線を落とす。そこには、黄色に染まったカップルが映っていた。
 顔を上げれば、確かに頭から黄色い水を被って咽かえっているカップルがいる。
 眉を寄せた彼女の耳に、ある会話が飛び入った。

「これでいいのか?」
「ぐっじょぶ! これが正しいバレンタインな!」
「文献で見かけたものと食い違う点があるが」
「うむ、これが最新式」
「なるほど、勉強になった。以後気を付けよう」
「お、おう」
 生真面目に頷くランベルセ(jb3553)と顔を背けて笑いを堪える七種戒(ja1267)。
 そこへ――
「敵を欺くには味方から、ですか」
 蒼と雪のような白の鎧に身を包んだ柊朔哉(ja2302)と、肩からギターを提げた夏木夕乃(ja9092)が現れる。
「チィッ! 一旦退くぞ、ランゼ!」
 応える代わりに抱き締め、ランベルセは翼を開き、空に舞う。
「用意周到、ですか……」
「ふはーははは届くまいッ!」
「暴れるな、落とすぞ」
「おお!? すんません大人しくしてます!」
「冗談だ。手放すのは惜しい」
「追いましょう」
 ぽろろん。
 飛び去るランベルセ達を追うべく朔哉と夕乃が猛然と駆けていく。
「……毎年よくも飽きもせず」
 鼻を鳴らし、静流は充分に距離を置いて彼女らを追跡した。




 カップルが甘い匂いにつられて来てみれば、『新店舗開店フェア』の看板と大きな寸胴鍋、そして純白の調理服に身を包んだナナシ(jb3008)の姿があった。彼女はカップルを発見するなり、ニコリ、と愛らしい笑みを浮かべる。
「ホットチョコを無料で配布しているの。よかったらどうぞ」
 それじゃあ2つ。ナナシは小さく頭を下げ、小さなカップを手渡す。口に運び、笑みを浮かべる二人に、ナナシは腕を伸ばして指し示した。
「ゆっくりしていって」
 入ろうよ。彼女に引きずられるようにして彼氏も呑み込まれていく。
 部屋は完全防音。2人が部屋の中央に進むと扉がひとりでに閉まった。
 そして、ああ、なんということだろう。とてもここには記述できないような事象がカップルを無慈悲に包み込み、決して離さない。
 辛うじて、まるで微風のように聞こえていた悲鳴が止むと、ナナシはホットチョコで一息ついた。
 無防備になった寸胴鍋。遥か高い位置から片翼の天使が材料を投入し、通りがかった目深に帽子を被った男がチョコを軽く放り込んだ。
「お疲れ様。一杯いかが? 安っぽい恋の味がするわよ」
「遠慮しておくよ。カップにはやはり、愛にも似たダークレッドが似合う」
 笑みを『つば』で隠し、レトラック・ルトゥーチ(jb0553)は足早に去っていく。




 さあ! ここからはワタクシ、石上心が実況を務めます!
 ご覧いただけますでしょうか。今、ワタクシの下には黒ずくめがカップルにカプセルを投げている真っ最中で――あーっと! どうやら刺激物が入っていたようです! 慌てるカップル! 黒ずくめ逃げる逃げるー!!
 物陰に入ったところで黒ずくめが停止、覆面をー……取りました!
 おお! 意外とイケメンです! なんと中に居たのはマキナ(ja7016)だあああっ!!
「……どなたですか?」
 実況の石上心です! 気にせず、続けて続けて。
「爆破を、助長、とは……感心しない、な」
 おおっと! ここでアスハ・ロットハール(ja8432)が、全身に包帯を巻いて登場だーっ!!
「……君、は?」
 いいから、続けて続けて。
「……ふむ」
「抜け出してきたんですか、アスハさん」
 不敵な笑みを浮かべるマキナ!
「(続ける、の、だな)」
「奥さんに怒られますよ」
「妹が、心配していた、ぞ? 重体者らしく、大人しくしていたら、どう、だ?」
「お互い様、ですね」
「そう、か。では、力付く、だな」
「させません!」
 おおっと! マキナ、敵に背を向けて走り出した! それをアスハが猛追します!
 あ! マキナが振り向いてカプセルを投擲しました……が、これは外れてしまいます!
 距離が詰まる! 詰まる! アスハ、充分に近づいてから深紅の大蛇を撃ち出したーっ!!
「くっ!」

 ドンッ

「む……?」
「ふふっ」
 ご覧いただけましたでしょうか!? 突然飛び込んできたエルレーンがマキナを突き飛ばしたかと思うと、アスハの一撃をロングコートに肩代わりさせました! これはファインプレー!!
「まあまあ、ふたりとも。チョコでも食べておちつきなよっ」
 美しい! 美しい展開です! エルレーン、マキナにチョコを手渡しています!
「はい、アスハ君もっ」
 エルレーンが差し出したチョコをー……アスハ、恐る恐る口に運びます!

 ぱくっ。もぐっ。Buu。

 だうーんっ! アスハ、ダウンです! 口から赤いものを吐いています! 匂い的にハバネロでしょうか!? これはえげつない!!
「すみません、助かりました」
「さあ、にげるよっ」


「逃がすくォァアアアッ!!」


 ああーっと! 突然の乱入者が放ったフックがあごに直撃! マキナ吹っ飛んだー!!
「この時期、この場所、その格好。どうせいつものリア充殲滅とかだろう?」
 乱入してきたのは地領院姉妹! 姉の恋がマキナに詰め寄り、その後ろから夢がエルレーンにやたらとファンシーな釘バットを突き出して牽制しています! 
「そもそも可愛い妹がいんだろが!?
 この世に!
 それ以上の!
 充  実  が  !
 あるかおルゥォァアアアッ!!」
 これはマキナ万事休すかー!?


「もうやめてぇっ!」


 ここでマキナの実妹、メリーが登場だーっ!! 駆けこんで最愛の兄に抱き――

「トドメは私がさすのです!!」
 ばちこーん!!

 ――魔法叩き込んだー!? マキナまたもや吹っ飛ぶー!!
 そこにメリーが走り込み、更なる追撃を……と思ったらハグです! 今度こそ抱擁です!
 なんと美しい兄妹愛なのでしょうか!? というかこれは愛なのでしょうか!?
「愛に決まってる。な、夢?」
「……うん、そうだね。トドメって言ってたけど、愛だと思う」
「おま……ちっとは手加減を――」




「お兄ちゃんのばかぁっ!」




「――ッ」


「いつもいつも怪我だらけで帰ってきて! メリーの気持ち考えたことあるの!?
 メリーのお兄ちゃんはお兄ちゃんしかいないんだよ!?
 強くなんかなくっていいの。すごい敵倒してこなくたっていいの!
 ちゃんと帰って来てくれればメリーはそれでいいのに……どうしていっつも、今日だってこんな無理して!
 ばかぁ!! お兄ちゃんのばかぁぁ!!」


「耳も重体ならよかったのにねぇ?」
「……ビッグな、お世話、だ……」
「立てますか? 肩、お貸しします」
「……あの。ありがとうございました」
「いいんです。それより、もっと頭を撫でてあげてください」
「お互い可愛い妹持ったんだ。大切にしてやろうな」
「――はい」

 どうやら決着したようです! 仏虎狼獅団マキナ、ここで脱落!! しかしその表情はとても穏やかです!!
 では、次の現場に向かおうと思います! 実況はワタクシ、石上心でした!





 飛び去る心を見送っていると、撫でていた頭がくい、と持ち上がった。目に涙を浮かべた妹は、じっとりと兄を睨みつけていた。
「そもそもメリー、お兄ちゃんに本命チョコあげたよ?」
「えっ?」
「えっ?」
「うお!? エルレーンさんいたんですか!?」
 真顔のエルレーンは、やがて満面の笑みを浮かべ、妹にそっとチョコを手渡した。
「おにいちゃんに、たべさせたげてねっ」
「? さっきのと顔が違……」
「わー! ありがとうなのです!!」
 手を振り神速で立ち去るエルレーン。メリーは目をキラキラさせて兄の口を開かせようとする。
「ま、待てって! 本当に覚えてないんだ!」
「じゃあ思い出せばいいのです! ショック療法なのです!」
「ショックって言ったな!?」
 わめくマキナの口に、ハバネロを内包した特大チョコが押し込められる――。




「実況と言われてもな。何をすればよいものか……」
 ベンチに掛け、カメラを弄っていると、突然ライトが点灯した。くるくる回しながらいろいろ押ししてみるが一向に消えない。
 静かに長く唸っていると、失礼、と横から腕が伸びた。少しカメラ全体を眺めた後、液晶を操作してライトを消し、エルザに返す。
「済まない、助かった」
「なに、構わないさ」
 静流は小さく微笑み、彼女の隣に腰を降ろした。
「お前もこの騒動を撮って回っているのか?」
「お前も、ということは、君も?」
「頼まれてしまってな。しかし、いまいち要領が掴めん」
「あの二人はどうかな?」
 言われて観てみれば、高等部の男女が噴水のへりに並んで座っていた。
 男が女の肩を抱き、女が男の胸に頭を預ける。やがて見つめ合い、互いの唇を甘くついばみ始めた。それは長く続き、時折こちらに視線を飛ばしてくる。
 みしみし、と何かが軋んでいた。静流が目をやれば、エルザがカメラを強く握り締めている。
「なんだ、なんなんだ、あいつらは。これ見よがしに人目も憚らずべたべたと……余所でやれ、余所で!!」
「静かに」
 短く強く言い、静流がカメラを構える。

「そこのお熱いお二人さん。互いの甘さを引き立てる、淹れたての紅茶は如何かな?」
 ルトゥーチが差し出したカップを、カップルは有難く受け取る。一片の疑念も無く。
 そして口に運ぶ。期待したのは仄かな甘みと、頭が痺れてしまうような香り。
 だが。
 訪れたのは渋味、そして圧倒的な苦味。それもそのはず、振る舞われたのは、じっくり時間を掛けて淹れられた苦丁茶だったのだ。
 互いの顔面に苦味を噴き出すカップル。指を鳴らし、ルトゥーチはしたり顔でその場を去ろうとした。

「……なんというか」
「地味、だな。これを、実況……?」
「おや、噴出の瞬間を捉えられたようだ」
「む。見せてくれるか?」
 液晶を覗き込むエルザ。カメラを傾ける静流。帽子を抑えたルトゥーチ。
 それぞれの耳が――


 ぽろろん


 ――静かに揺れた六弦の声を拾った。
 片眼鏡の向こうで瞳が狭くなる。
「……おや。これはまた可愛らしいお嬢さんだ。しかし悲しいかな、君が件の『刺客』なのだろう?」
 応える代わりに弦を爪弾き、夕乃は口を動かした。


「それでは、聴いてください」



『Lonely Soul〜ぼっち魂〜』
詞・曲・奏・歌:ゆーの(夏木夕乃)

周りが誰かとしゃべるのを たった独りで聞いていた
仲間に入れての一言が あの日は何故か言えなくて
気付けば周りはペアばかり 右も左もペアばかり
『たった1人の特別』に なれずに今日も日が暮れる

Oh 非リア ロンリーソウル
誰でもいいから付き合いたい
Oh 非リア ロンリーソウル
神様は叶えてくれない
Oh 非リア ロンリーソウル
恋人なんて夢物語
Oh 非リア ロンリーソウル
好きでなったわけじゃない

飲み会断り 部屋に引き籠り 非モテを背負って生きてゆけ



 いつしか膝を折っていたルトゥーチの頬を熱い物が伝う。
「何故だ……涙が、涙が止まらない!!」


 そもそも合コン呼ばれない というか出会いに恵まれない


「2番――!?」


 気になるあの子にかけた声 『気持ち悪い』と風に舞う


「や、やめろ……やめてくれえええっ!!」
 叫びながら逃げ去るルトゥーチ。演奏しながらてくてくと追いかける夕乃。
「全部録音しなくていいのか?」
「気が滅入るのは何故だろうか……というか私はいったい何を……」
 肩を落としたエルザの背中で、黒い光が翼を模した。




 命辛々、なんとかルトゥーチは逃げ果せる。その顔面は汗と涙で水びたしになっていた。
 不意に、鼻が匂いを拾う。それは間違えるはずもない、恋に焦がれた紅茶の香り。
 瞳を輝かせ、ルトゥーチは走る。香りが強くなる。あの角の向こうか! 滑り込むように回り込むルトゥーチ。
 子供のような笑顔の彼を迎えたのは――
「相変わらず紅茶中毒だな、レト」
 柔らかく微笑んでカップを傾ける、ディートハルト・バイラー(jb0601)の姿だった。
「……なるほど、道理で粗野な香りのはずだ。まるでなっていない」
「適温とかあるんだったか……? まあ、多少温い方が飲みやすいだろう」
 軽くあしらって目を細めるバイラー。
 抗議の為に伸ばそうとした腕は、しかし遠慮のない力で背中に捻られてしまう。顔を歪めて振り向けば、表情を凍らせたルチャーノ・ロッシ(jb0602)が無言で圧力を掛けていた。
「ああ……これは、打ち首かな、俺は」
「あんまりやり過ぎるなよ、ルッチ」
「心配すんな、帰ってからだ」
 言いながら手錠を嵌め、腕を荒縄できつく縛りあげる。すっかり諦めたルトゥーチをごろん、と転がすと、少し遠くで男女の絶叫が上がり、空から戒の底抜けた笑い声が降ってきた。
「どいつもこいつも、よくやるもんだ……」
「俺は好きだがね、どうにも若い」
 ポケットで携帯が震える。バイラーはカップを置き、耳に押し当てた。入ってくる台詞、それが引き連れる情景に頬を緩め、一度静かに頷く。
――ってことで、よかった一緒にいかがー?
「ああ、そんな楽しそうな事は大いに歓迎だ」




 転がるようにして、九十七はまだ冷たさの残る地べたに座り込んだ。胸に手を当て、何度も深呼吸。
「悲鳴と、罵声と……全く、なんて日ですかねぃ」
 バレンタインか。自嘲気味に笑う彼女の近くに気配、トンッ、と軽い音がした。
 息を呑んで覗き込む。

「ふ……」

 暗い笑みで両手に抱えたチョコを見つめる、鏡花の姿がそこにはあった。
「こんなもの――!!」
「鍋にでもくべるの?」
 唐突な声は屋上から。鏡花が見上げると同時、海と雷蔵が跳躍、彼女を挟み込むように着地する。
「おぬしらは……!」
「オイタが過ぎたな」
 雷蔵が拳を鳴らす。
「今の俺は色々と燃え滾ってるんだ。お前達の怨念の炎とどっちが上か、試してみるか?」
 というか。海が眉間を狭める。
「鏡花さん、女性でしょ。イベント的に貰えないのは仕方がないんじゃない?」
「黙りおろう!!」
 腹の底からの一喝。
「チョコならたんまり貰ったわ! 但し同性からのう!!
 こんなイベントがあるから……また性別を間違えられるのでござる!」
 取り出した鉄扇を海に突き出し、尚も鏡花は叫ぶ。
「そこをどくでござる! チョコなど、この鳴海が根絶やしにしてくれる!!」
「つまり、異性からチョコを貰えなくて妬いてる、ってこと?」
「えっ」
 薄く微笑んだ海が胸ポケットから取り出したのは、リボンの付いた包み。
「俺からでよければあげるよ。ゴネ得は駄目だから、ホワイトデーに三倍返しだけど」
「あ、え? う……かっ、かたじけない……」
 顔を真っ赤にしておずおずと受け取る鏡花。
「俺からもプレゼントだ」
「ほんとうでござるか!?」
 振り返った鏡花の顔面に、炎をまとった鉄槌が叩き込まれた。
 雷蔵は手を休めない。足を大きく開いて右に重心をずらし、横から思いきり殴りつける。そしてすぐに左へ移動、同じ攻撃を繰り出すと、鏡花は堪らず吹っ飛んだ。
「お前が大人しくなるまで殴るのを止めない」
「いろいろ効いてもう立てないでござる……」
「相手は女性なんだから顔は駄目だ」
 雷蔵を諌め、海は鏡花の傍らで膝を折る。そして平手を振り被ると、彼女の臀部に振り降ろした。
「いったっ!?」
「龍崎家三大躾が一つ、尻叩き」
「ま! 待つで! ござる!」
「君が泣いても叩くのは止めない」
「無限に続くでござるか!?」
「で、このあとはどうする?」
「もう少し叩いたら、龍崎家三大躾が一つ、物置放置に移行する」
「だっ! 誰か! 誰かあああ!!」


 九十七は走った。遮二無二走った。
 もう嫌だ。疲れた。しんどい。帰りたい。
 それが適わないなら、せめて一時だけでも、心が休まる場所へ行きたい。
 そう、例えば――




 清閑なカフェの扉が乱雑に開けられた。百々清世(ja3082)とアラン・カートライト(ja8773)が苦笑いを浮かべて入り口を見遣る。
 ランベルセに運ばれる戒がしたり顔で入店してきた。
「呼ばれて飛び出て来たぜ清にぃ!
 さ あ 遊 ぼ う か!」
「爆破はもういいのー?」
「フッ、かなり順調である。でもちょうど喉も乾いたしな!」
 アランが椅子の背もたれにあごを乗せる。
「よくやるよな。そんなことやってるからぼっちなんだよ」
「まーいーじゃん、難しいことは。さ、七種ちゃん、座って座って」
 言われ、導かれるまま、部屋の中央に置かれた椅子に腰を降ろす戒。わくわくしながら辺りを見回していると、突然それは始まった。
 アランが紅茶の入ったカップとケーキが乗った皿を手に、彼女の前にちょこん、と座り込む。
「今日は特別だ。お姫様扱いしてやるよ」
 清世が戒の顔に自分の頬を添え、優しくこすり付けた。
「あーん、てしてごらん? で、そのあと俺も、あーん、てして欲しいなー」
「アレ待ってなんかでじゃぶ!?」
「いつのだよ。大方夢の中とかだろ」
「そんな夢なら見飽きとるわっ!!」
 呆れ顔で肩を落とすアラン。
「……お前って本当、何つうか、イケメンの絡みが好きッつうか……だから残念なんじゃね? 外見は良いのにな、外見は」
「おいいいいい!?」
「いや中身も可愛いが残念可愛いというジャンルな訳で」
「外見も中身も残念と違うわ!!」
「ねー七種ちゃん、あーん、はー?」
「あっ、すまん清にぃ。でもまずは紅茶かなっ」
「おい、俺と態度違い過ぎるだろ」
「いやアランには萌えん、なんとなく」
「……ひっでぇな、お前」
 表情を尖らせ、アランが近づく。
 戒が口角を釣り上げた。
「こんなこともあろーかと、用意だけはしておったわ!
 ランゼ、かむひあ!」
「失礼する」
 ランベルセが戒の頭に手を掛ける。そして少し手間取りながも、なんとか彼女にアイマスクを装着した。
「……なにしてんの?」
「見えなかったらイケメン関係ないですしー!!」
 3人に後頭部を見せ、戒はドヤ顔で指を立てる。
「「ふーん」」
 意味ありげな笑みを向け合う清世とアラン。何かを感じ取り、ランベルセはそっと移動する。
「せっかくゲストが来てくれたのになー?」
「ゲストだとおおお!?」
「もっと右だ、右。そうそう、あ、行きすぎ。お、そこだ。そこで回れ右」
「真後ろじゃんんん!!」
 踵を返し、戒がアイマスクを上げると、そこには――


「戒姉……」


 ――八神奏(ja8099)がジト目で見つめていた。
「ちぇんじ!!」
 暗闇に戻る戒。
「だーめ」
「従弟の言う事くらい聞いとけ」
「オレ、戒姉のこと尊敬してるんだ」
「目を見て敬えええい!!」
「お前もだろ」
「はぁ……。頼むから何もしゃべらず動かないでいてくれないかな……」
「溜息ついたな!? 溜息ついたろ今あああ!!」
 言うだけ無駄だな、とアランが笑う。そこが魅力、と清世も微笑む。
 重い息と肩を落とし、奏は髪をかき混ぜた。
「ああ、うん、もういいや。モテたきゃダメってるのが一番いいと思うよ……」
「諦めんなよ! 諦めんなよ! 頼むから諦めないでくださいおねがいします!!」


「そうともさ。そのお嬢さんの何処が残念なものか」


 落ち着いた、優しい声色に振り向けば、目の前の黒を太い指が優しく拭ってくれた。
「久しぶりだね、Miss.七種。これが運命なら嬉しいんだが」
 言って手の甲にキスをするバイラー。
 戒の動揺は計り知れない。青褪めた顔の中で、頬だけが赤く染まっている。
「この前はありがとう。おかげで俺も可愛いものが見えた」
「……ときに、なぜにバイラー氏がここに?」
「俺が呼んだー」
「清にぃいいい!! ダンディ駄目絶対!!」
「おや、お気に召さなかったようだ。年甲斐も無く、些か傷ついてしまったよ」
「違うんですうううそうじゃないんですううう!!」


「やっぱり駄目だ、戒姉は……」
 溜息をつき、壁に凭れる奏。彼の足元から声が上がる。
「そんな野蛮人は放っておいて、俺とお茶でも……ゴフッ!!」
 ルトゥーチの口説きはロッシの蹴りに阻まれる。彼は首を振ってから、隣のランベルセに顔を向けた。
「お前は……あの女の連れか。すまん、うちの連れが迷惑かけたな。あんなに混乱しちまってる」
 ランベルセは笑って首を振る。
「いや、少なくとも俺は感謝する。狼狽えた様子を眺めるのも悪くない」
 なかなかどうして。ロッシは肩を竦め、手つかずのケーキを頬張った。




 九十七がようやく腰を掛ける。純白の椅子は火照った体を程よく冷やしてくれた。それが恋しくてテーブルに突っ伏していると、コトン、と何かが置かれた。
 顔を上げる。
 小さなパティシエが微笑んでいた。
「ホットチョコ、いかが?」
「訳あって、今はチョコ見たくないんですよ、ええ、はい」
「そう。残念。せっかくたくさん『確保』したのに」
「え……?」
 九十七が顔を上げる。柔らかく微笑むナナシの奥から、エルレーンがにんまりとこちらを眺めていた。

「ここが本拠地、ということですか」

 3人が声に顔を向ける。声の主は朔哉。右には夕乃、左には海の姿があった。
 ナナシが微笑み、エルレーンが睨み、九十七が戸惑う中、すっと釘バットが持ち上がる。
「元を辿れば同じ人、争いなどあってはならない」
「生憎私は悪魔なのだけど」
「詭弁ですね。では、汝の隣人を愛せよ、で」
「同じことを自分に言えるかしら?」
「無論です。参ります」
 真っ先に動いたのはエルレーン。胸の前で手を組み、力を溜める。
 そして、掛け声と同時に、一気に解き放った。


「はううーっ! もえーっ! もえーっ!!」


 刹那、虚空から無限に現れた┌(┌ ^o^)┐が辺り一面を埋め尽くす。
 顔を顰める朔哉。鬱陶しげに払う海。何故かまとわりつかれて動けなくなる九十七。
 彼ら一切を振り切るように、エルレーンはその場を走り去る。
 だが。
「甘いな」
 曲がり角の寸前で、待ち伏せしていた雷蔵に肩を掴まれ、校舎に押し付けられてしまう。
「うっ……!」
「安心しろ。痛くはしない」
 顔を向け、視線でバトンタッチを果たす。
 目を見張るエルレーンの正面で、夕乃が六弦を揺らす。


 掛け算だけは大得意 だけど自分の足し算できない


 辺りに木霊するエルレーンの絶叫。

 このままでは自分もいろいろな意味で危ない。
 逃げ出そうとした彼女の前で、朔哉が釘バットを地面にドン、と突き立てた。
「正座で」
「え?」
「正座で」
「どうして私が――」
「せ・い・ざ、で」
 どこか納得できないまま、ナナシは足を畳む。朔哉は確認してから、バットの先で彼女の隣を指した。
「せっかくなので、盟主様もどうぞ」
「なんでえええ!? 九十七ちゃんはいっちまいも噛んでねぇですのん!?」
「せっかくなので」
「いや、だから――」
「せっかく、なので」
 どこか納得できないまま、九十七は足を畳む。
 右手にバットを任せ、左手はクロスへ。
「よろしいですか、お二人とも」






「――そこから始まった朔哉の説法は、なんと3時間にも及んだ。
 九十七が倒れ、ナナシが観念して、ようやく事態は収束を迎える。
 こうして、2月のリア充と非リアの戦いは幕を閉じた。
 再び彼らの姿を見る日は、果たして訪れるのだろうか――」

 言い終え、充分な間を置いてから、心は録画を停止する。
「お疲れ様、でいいのかな?」
「それより冷えた。早く屋根の下に戻ろう」
 静流とエルザの顔には、少なからず憔悴が窺えた。
「うん。それじゃあ、今日はこれで解散にしようか」
 ぴくり、とエルザの眉が跳ねる。心はニヤリと笑った。
「ヒマだったら、明日もちょっと付き合ってくれる?」







 翌々日。
 足の腫れがなんとか治まったナナシに、一通の封書が届いた。
 中には白い封筒と、便箋。


 仏虎狼獅団
 桃薔薇十字軍 のみなさま
 あと、彼らに巻き込まれた方々

 先日はお疲れ様でした。
 秘密裏に撮影していた映像を商品化したところ、予想以上の大盛況でしたので、
 売り上げの一部、ならびに手作りのお菓子をプレゼントします。


 封筒を漁ると、奥の方に小さくラッピングされたチョコレートが入っていた。
 手に乗せ、モニターの前に腰を降ろす。口に放ると、しっとりと解れて溶けた。
「……甘くは、ないのね」
 再生ボタンを押す。昨日何度も見返したシーンだ。あの時の足の痛みやしんどさが蘇り、どうしようもない苦笑いが零れた。


依頼結果

依頼成功度:大成功
MVP: 撃退士・夏木 夕乃(ja9092)
 大いなる月の解放者・石上 心(jb3926)
重体: −
面白かった!:15人

撃退士・
天風 静流(ja0373)

卒業 女 阿修羅
歴戦勇士・
龍崎海(ja0565)

大学部9年1組 男 アストラルヴァンガード
┌(┌ ^o^)┐<背徳王・
エルレーン・バルハザード(ja0889)

大学部5年242組 女 鬼道忍軍
あんまんマイスター・
七種 戒(ja1267)

大学部3年1組 女 インフィルトレイター
茨の野を歩む者・
柊 朔哉(ja2302)

大学部5年228組 女 アストラルヴァンガード
オシャレでスマート・
百々 清世(ja3082)

大学部8年97組 男 インフィルトレイター
ブレイブハート・
若杉 英斗(ja4230)

大学部4年4組 男 ディバインナイト
胸に秘めるは正義か狂気か・
十八 九十七(ja4233)

大学部4年18組 女 インフィルトレイター
BlueFire・
マキナ(ja7016)

卒業 男 阿修羅
女子力(物理)・
地領院 恋(ja8071)

卒業 女 アストラルヴァンガード
撃退士・
八神 奏(ja8099)

大学部2年104組 男 アストラルヴァンガード
蒼を継ぐ魔術師・
アスハ・A・R(ja8432)

卒業 男 ダアト
微笑むジョーカー・
アラン・カートライト(ja8773)

卒業 男 阿修羅
撃退士・
夏木 夕乃(ja9092)

大学部1年277組 女 ダアト
奇妙な友人‥‥或いは?・
レトラック・ルトゥーチ(jb0553)

大学部9年97組 男 アストラルヴァンガード
夢幻に酔う・
ディートハルト・バイラー(jb0601)

大学部9年164組 男 ディバインナイト
焔禍鎮圧・
ルチャーノ・ロッシ(jb0602)

大学部9年315組 男 ルインズブレイド
絶望に舞うは夢の欠片・
地領院 夢(jb0762)

大学部1年281組 女 ナイトウォーカー
懐裡の燭・
石動 雷蔵(jb1198)

大学部5年135組 男 バハムートテイマー
モフモフ王国建国予定・
鳴海 鏡花(jb2683)

大学部8年310組 女 陰陽師
誓いを胸に・
ナナシ(jb3008)

卒業 女 鬼道忍軍
蒼閃霆公の心を継ぎし者・
メリー(jb3287)

高等部3年26組 女 ディバインナイト
撃退士・
ランベルセ(jb3553)

大学部5年163組 男 陰陽師
UndeadKiliier・
エルザ・キルステン(jb3790)

大学部1年70組 女 鬼道忍軍
大いなる月の解放者・
石上 心(jb3926)

大学部2年221組 女 ダアト