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マスター:十三番
シナリオ形態:ショート
難易度:難しい
参加人数:6人
サポート:4人
リプレイ完成日時:2012/10/08


みんなの思い出



オープニング

●6/6
「口を慎みたまえ!!」
 男性教諭の声が喫煙所のガラスを鳴らした。
「そもそも君がしっかりと対応していればここまで事態は悪化せずに済んだのだ!
 言い逃れをする暇があるならしっかりと対策を練りたまえ!
 失敗は許されん、いや、許さんぞ。忘れるな!!」
「黙れタコ」
 小日向千陰(jz0100)は教諭の視線を資料で遮った。
「本当に理解しているのか君は……!
 いいか、必ず6人全員倒すんだ、いいな!」
 彼女は溜息で資料を揺らすと、端から左目を覗かせた。
「目障りなんだよ、失せろカスが」
 顔を真っ赤にし、しかしそれ以上何も言わず教諭は踵を返す。
 彼が喫煙所を出て、姿が見えなくなってから、千陰は――
「(上等だってのよ……やってやるわよ、とことん……!)」
 思いっきり灰皿を蹴り飛ばした。



●第6会議室
 真っ暗な部屋の教壇に立ち、千陰はプロジェクターを操作する。
「志願ありがとう。さっそくだけど状況を説明するわね」
 投影されたのは茨城県沿岸の略図。6ヶ所に赤い円でマークしてある。
 地図の右端には、縦に並んだ6つの顔写真。
「元久遠ヶ原学園の生徒たちが同時多発で暴動を起こしているわ。
 彼らは24時間前に呼吸はおろか指一つ動かせない状況だったの。
 さらに、そうなった直後、彼らのすぐ近くで、微弱ながら『天使』の反応も観測されているわ。
 ……判るわね。場合によっては、数十人が動く作戦にも成り得る事態なのよ」
 千陰は一瞬だけ目を伏せてから、やや内陸、他の円から離れた赤い円を指した。

「あなたたちには『陸(リュウ)』の『偵察』をお願いするわ。
 討伐でも殺害でも捕縛でもない。様子を見て来てほしいの。
 もちろん、倒せるならそれに越したことはないけれど、何よりも安全第一でお願い。
 ……最悪の事態も考えられるからね」

 彼女は首を振った。

「陸は前回、前々回の様子を見るに一対一に拘る節があるみたい。
 でも私は、だからこうしなさい、とは言わない。あなたたちが納得いく方法でことに当たりなさい。
 『依り、頼る』。
 依頼とはそういうことよ」



●廃ビル
 両手に握った日本刀を振り回し、壁、地面、廃車を切り裂いてゆく。
 積もりたての雪をスコップですくうように、形は崩れてゆく。
 彼は刻む。まるで踊るように。そして試しながら。

「……成る程。これが『しゅとらっさあ』というものか」

 柄を握り締め、陸は笑う。

「思っていた理想とは遠いが、これはこれで良し。
 ……そう、貴様らのような烏合の衆に比べれば、何万倍も良しだ!」

 転送されたあなたたちに切っ先を向け、陸は吼える。

「作戦。段取り。そんなものは何の役にも立たぬ!
 よしんば立ったとしても、不測の折には何の意味も成さぬ!
 各々が脆弱ならば朽ち果てるのみだ!
 己の力を磨こうとせず、他人の力を借りて形を成そうとする……貴様らを見ていると反吐が出る!!」


 刀を構え、腰を落とす。
 瞳は血走り、息は荒い。


「貴様らを刻み、俺は高みを目指す。貴様らが百人、千人群れようと決して至れぬ高みをだ!!」


 紫光を撒き散らし、剣鬼が駆ける――。


リプレイ本文

●駐車場
 陸(リュウ)の牽制を受け、影野恭弥(ja0018)と、そしてアニエス・ブランネージュ(ja8264)が彼を挟むように移動する。両者を一瞥、それぞれの後ろを走る月隠紫苑(ja0991)と微風(ja8893)を眺め、彼は笑む。多勢に無勢、何する物ぞと。
 つい、と陸の視線が、左方、アニエスに流れた。
「見た顔だ。また『この場』で逢うとはな、女」
 銃を取り出し、アニエスは肩を竦める。
「『あの時』に懲りたとばかり思っていたけどね」
「笑えぬ冗談だ」

「冗談じゃないからね」

 声の先、はためくは集った旗の名が入った羽織。
 組んだ腕を解いて得物を取り、赤い髪の女は敵を睨む。
「一閃組白兵隊隊長ルーネ(ja3012)、推して参る!」
 その隣で
「悪い人にはおしおきですっ!」
 顔の前で両手を打った丁嵐桜(ja6549)が声を上げ、駆けた。


「やってみるがいい!」


 陸がそれを迎え撃つ。踏み込み、桜の顔面目掛けて突きを放った。桜は頬を裂かれながらも前進、自身の背丈を遥かに超える大槌を振り上げる。彼は身を反らしてこれを回避、すぐさま振り返り、微風の奇襲に応える。彼女のしなやかな剣閃に合わせるようにして刀を振る。上腕を斬られた微風は顔を歪めて後退、紫苑とスイッチする。
「――行きます」
 刃圏に入ると同時、紫苑が大剣を振る。陸はそれを刀で受けてから即座に前に出る。
「こちらもだ!」
 刀を握る腕にアウルが滾る。
 刹那、全力で振るわれる三連斬撃。
 直撃すれば致命傷を免れないその攻撃は、しかし紫苑の前髪を僅かに削ぐに終わる。攻撃の瞬間、恭弥が刀を狙撃し、軌道を逸らしたのだ。
「貴様……!」
「どこを見ている!」
 咆え、ルーネが迫る。
 向き直り、刀を構える陸。
 彼に照準を合わせ、アニエスがトリガーを引き絞った。
「小賢しいわ!」
 飛礫の如く遅い来る銃弾を左手の刀で悉く切り落とす。且つ彼は、その挙動のままルーネの斬撃に応えてみせる。
 済んだ金属音が鳴り響き、短い鍔迫り合いを迎える。互いに睨み合い、しかしすぐに陸がルーネを押し返した。

 息もつかさぬ怒涛の波状連携は続く。

「てやぁーっ!」
 声に気合いを乗せて跳び、桜が陸の脳天目掛けてハンマーを振り降ろした。陸は二刀を交差させて受ける。が、無傷とは行かず額が割れた。しかし彼は怯まず、大きな挙動で桜の体を蹴り飛ばす。
 間髪入れず飛来した恭弥の銃弾は、だが陸の刀捌きの前に着弾することができない。
 次いで迫るは微風の剣閃。そよぐ稲穂の如きそれを陸はまとめて打ち払い、彼女を退ける。
 刀をアスファルトに突き刺して後退を止める微風。
 陸が体の向きを変える。正面に据えるのは――アニエス。
「覇ァッ!!」
 怒号と同時、クロスさせるように振られた刀それぞれから深い紫の光が飛び出す。
 射撃の体勢に入っていたアニエスは回避が間に合わない。×字の光は彼女を直撃、後方へ吹き飛ばした。
「「アニエスさんっ!!」」
 仲間の名を呼ぶ悲鳴の中、陸は踵を返す。
「次は貴様だ!!」
 駆ける陸は宛ら鬼の形相。
 到達と同時、横薙ぎの一閃を恭弥に向けて放つ。浅くは無く、しかし致命傷には至らない。
 腕の傷から鮮血が噴き上がる。恭弥がそこに手を伸ばした。
 未練がましい、と陸は嘲笑い、そして目を剥いた。
 血液が深紅の刃を模したのだ。
 恭弥はその柄を握り、陸の腹部へ押し込むように突き刺す。刃は柄の寸前までめり込んだ。
「ぬ……!」
「悪いな、接近戦ができないわけじゃないんだ」
 舌を打ち、陸は数歩後退。忌々しげに手を伸ばした赤い刀は、しかし指が触れる寸前で霧散した。
「呆けている暇は――」
「――ないですよーだっ!!」
 入れ違い、錯綜しながら紫苑と桜がそれぞれの得物を振る。陸は辛うじて刀で受けるが、反撃には至らない。
 連携の波が途切れた隙間を埋めるべく、
「はあああああっ!!」
 ルーネが鬼切を振る。
 刀身から伸びた黒い光が地を這いながら標的を襲う。

 だが。

「届かぬわ!!」
 腹から声を出し、陸が刀を十字に振るうと、黒色の衝撃波は4つに分散され、掻き消えた。


「くっ……!」
 ルーネは歯がゆむ。

「封砲を……」
「『斬る』とはね」
 膝をつくアニエスと、彼女を支える微風が息を呑んだ。


 腹の傷を撫で、指に付いた血を舐め取る。
 二刀を振り、敵の血を払う。
 表情は硬い。
 余裕も油断もすっかり消え失せていた。


 攻撃を再開する機会を窺う敵を見渡し、陸が口を動かす。
「どうした、これで終いか」


「まだですっ!」


 両手で槌の柄を握ったまま、桜が四股を踏んだ。

「作戦や段取りなど、何の役にも立たない……先程そう仰いましたね」
 ゆっくり歩みを進める微風。その後ろでアニエスが身を屈めて銃を持ち直す。
「ならば、これからわたし達が弄する策、真っ向から受けて頂けますか?」

「充分に弄していたように見えたがな」

「手加減無しでやってやるって意味だ」
 恭弥の銃が鳴る。

「存分に群れてみせよう、と。雑魚らしい詭弁だな」

「己の力のみを信じるのは勝手だ。でも信念は押しつけるものじゃない、貫くものだ!」
 言い放ち、ルーネは陸に切っ先を向ける。
「私は弱い。一人じゃあんたに勝てないよ。
 ……でも、帰りたい場所がある。護りたい仲間がいる!
 だから、私はあんたよりも強くなれる!」

「己が脆弱さを棚に上げ、精神論と数に縋る。
 厚顔無恥も甚だしい。貴様が最も弱いぞ、女!」

 顔色を変えた陸が地を踏み鳴らした。

「俺とて、斯様な所で朽ちる心算など無し。
 いいだろう、やってみろ。
 全身全霊を以て貴様らを刻んでくれる!!」

「させないさ」
 アニエスが引き金を握ると同時――

「行きます」
 紫苑が走る。

 陸は大股を開き、アニエスの射撃を切り落としながら紫苑の斬撃を受け止める。彼女の全体重を乗せた一撃は僅かに陸を圧した。が、陸は怒号を上げて押し返し、すぐさま反撃に転じる。紫苑はそれを横に移動して回避、大振りの剣を横一文字に振り抜く。無骨な刃が陸の胸を裂いた。
 歯を食いしばり痛みに耐え、尚も陸は剣を振るう。紫苑は再び軸をずらしてこれを回避、その挙動から身を屈めて後方へ跳び退く。
 彼女を、刀を突き出した微風が跳び越える。面食らい、しかし陸は口元を歪め、迎え撃つべく刀を振り上げる。
 構えが攻撃に向かった瞬間、刀身が恭弥の狙撃を受け、揺らぐ。舌を打つが止まらず、直せない。虚空を切り落とす剣閃の横を、微風の柳一文字が直走る。切っ先は陸の肩に深々と突き刺さった。
「……女ァッ!」
 憤怒色の切り上げ。
「きゃああっ!」
 微風はまともに受け、傍らへ弾き飛ばされてしまう。勢い、離れる刀。開け放った蛇口のように傷口から鮮血が零れ出た。
 無論、視認する暇など与えられない。恭弥が、そしてアニエスがここぞとばかりに銃弾を叩き込む。
「通じぬわァッ!!」
 両横から飛来する銃弾を切り落とす陸。
 幾度と繰り返されてきた光景。如何に強力な術でも、見る者が見れば綻びが浮かび上がる。まして六対の双眸があれば尚更のこと。
「今だ!」
「はっけよーいっ!!」
 ルーネの静かな、それでいて叫びにも似た号令を受け、彼女と共に桜が走る。先行するのはルーネ。鬼気迫るその様は正に特攻と言えた。
「甘い!!」
 恭弥の銃弾を斬り終えた刀がルーネを迎えに行く。己が言葉を違えぬ、全力の三連撃。
 彼女はそれを受ける。刀――ではなく、産み出した盾で。
 吹き飛ばされるルーネ。
 その脇をすり抜け、桜が陸に肉薄した。
「む……ッ!」
 銃弾の対処に傾倒すれば必然他の対処が疎かになる。それをカバーしてきたのは陸の精神力、加えて『授かった力』の賜物であった。

 今、その力を、数と策が上回る。

「うおおおおっ!」
 桜が陸の襟元と腰の帯を掴み、頭上に掲げる。そしてそのまま、対応は愚か認識させる間も与えず、
「どっせーーーーーーーーーいっ!!」
 彼を脳天からアスファルトに叩き落とした。


 ごしゃっ


 自身の頭が軋む音を聞きながら陸は一度跳ねる。刀を頼りに立ち上がるが、視界はインクを垂らした水面のように揺れ、歪んでいた。
 確かなのは気配のみ。
 色濃く、圧倒的で絶対的な敵意だけ。

 『そちら』へ振り返る。
 目前でルーネが刀を引いていた。


「受けてみろよっ!!」


 密着状態からルーネがありったけの力で放った漆黒の衝撃波は、高らかに陸を打ち上げた。


 皆が眺める中、陸が墜落する。辛うじて足から、だが着地の瞬間、片方の刀が中央から、まるで砕けるように折れた。



「……ふっ」
 顔を伏せたまま、鼻を鳴らす。
「ここで負け、倉庫で負け、天使の力を受けても尚負ける。
 ……つまり、そういうことなのだろう」

「嘆かわしいことです」
 ぽつり、と紫苑が零した。
「強さを求めるあまり、道を誤るとは……」
 それは違う。陸は首を振る。
「個としての強さを求めるのは、俺の命題であった。
 貴様らの道も認めよう。認めざるを得まい。だが断じて、俺の歩んだ道は誤りなどではない」

 あごが上がる。
 表情は穏やかですらあった。

「待ってください」
 『何か』を察知した微風が歩み出る。
「教えてください。
 あなたが接触した天使は、どのような天使ですか?
 どのような契約をしてその力を受け取ったのですか?」


「……契約……?」


 投げられた言葉を繰り返し、一拍置いてから、陸は笑った。
 腹の底から、心の底から愉快げに。


「そうか。なるほどな。そういうことか。
 俺等など……くく、なるほどな、合点が入った。それを俺は……くはははははは!」
「笑うな! 答えろ!」
「断る」

 言い、笑みを下げる。代わりに持ち上がったのは刀。ずっと戦場を共にしてきた刀。

「教えてなどやらぬ。精々悩み、迷うがいい!」


「待っ――」


 微風の制止を振り払い、陸は己の胸に刀を突き刺した。



 閉ざされた唇の隙間から命の塊のような量の赤が溢れる。




 と、同時。




 辺りを風の波紋が奔った。


「え……」
「あぶないですっ!」
 立ち竦んでいた微風を桜が抱えて避難する。


 波紋の中央は陸。
 彼の上空に舞い降りたのは、ずっと空を旋回していた、鳥に似た大型のサーバント。
 その実、類似しているのは大雑把な形のみ。頭部と首は無く、一対の脚の代わりに人間の腕に似たものが生えていた。その指が開き、陸の上に覆い被さる。

 最も早く反応したのは恭弥。
 その身を象るあらゆる物を黒に染めると一瞬で狙いを定め、影を斬り抜いたような弾丸を放った。
 漆黒の銃弾はサーバントの胴体、本来なら首がある位置を捉える。
 弾け飛ぶ黒を振り払うようにサーバントは暴れる。大業な羽根を羽ばたかせ、悲鳴を体現するかのように。
 槌を握り直した桜も前に出る。大きく上げた脚を地面に降ろすと同時、臀部目掛けて思いきり振り抜いた。
 向かいからはルーネが駆けていた。振るった刃はサーバントの胸を真一文字に斬り、裂く。
 だがサーバントは止まらない。怯みこそすれ、羽ばたく挙動は治まらない。
 恭弥が第二射に備えた瞬間、サーバントは一瞬で秋空高く舞い上がる。
 目で追う彼らが見たのは、まるで爆撃のように降り注ぐ真白い羽根。それぞれが本能の警鐘に従い距離を置く。
 駐車場に驟雨の如く降り注ぐ白は、地面近くで次々と爆ぜてゆく。その様子は宛ら爆竹。体の内外を震わせる爆音が、まるでドラムロールのように暫く鳴り続いた。

 やがてそれが治まり、銘々が顔を上げる。
 辺りに揺蕩った白い靄が晴れた先に陸の姿は無く、晴れ渡った空には雲一つ浮かんでいなかった。




●喫煙所
「戦闘の末、陸は自刃。その直後、大型のサーバントが彼を『持って行った』と……」
 報告書に目を通し、小日向千陰(jz0100)は眉を寄せる。
「タイミングに間違いはないのね」
 微風は静かにあごを引いた。
「サーバントは決着がついてから飛んできました。加勢するタイミングは何度かあったと思います」
「ふむ……」
 呼吸を整える。
「妙、よね?」
 頷いたのは、同じく報告に訪れていたルーネ。
「初めから助ける気なんてなかったみたいでした」
「移動用かしら。だとしても、危機に放っておくのは不自然だわ」
「絶命だけは避けるため、と考えても、やはり辻褄が合いません……」
「そもそもシュトラッサーというのは、負けました、はい次、という存在ではないからね。
 例えではなく文字どおりの意味で、天使の『右腕』となる存在なの。
 それが命の危機に瀕するまで使い魔を静観させておくというのも頷けないわ」
 思案を巡らせても出てくるのは疑問ばかり。
 それらが連れてきた沈黙を振り払うように千陰は顔を上げた。
「とにかく、お疲れ様。無事に戻ってきてくれて何よりだわ。
 どうかゆっくり休んで頂戴。怪我を負ったみんなにもそう伝えて」
「はい」
 涼風は静かな仕草で、ルーネはきびきびと頭を下げ、喫煙所を後にする。


 広さが増した個室で、千陰は入念に報告書を読み返す。


「(先行した肆の部隊と同じく、撃退に成功、か。
 肆と陸、両者の元の力量を鑑みれば出来過ぎとも言える成果だわ。
 なんにせよ、サーバントの動きが尋常でなく不可解。天使の意図を見つけるのが急務ね)」


 煙草に火を灯し、彼女は穴が開くほど読み込んだ書類を頭から見直す。


「(考えなさい、千陰。
 みんなが持ち帰ってくれた報告から何も見つけられないなら、あなたがここにいる意味なんかまるでないのよ)」




●???
「おかえりなさい」


 優しい声色に、しかし陸は応えない。辛うじて残っていた意識の規模は余りにも儚かった。


「可愛い可愛い私の子、本当に、本当によく『働いて』くれましたね」


 応答を待たず、訶梨帝母は言葉を紡ぐ。そもそも返答など無用だ。これから起こる事は何も変わらないのだから。


「ゆっくり、やすらかにお休みなさい」


 訶梨帝母が命じると、サーバントが手を開いた。
 陸は刀を握ったまま落下し、その真下、ゲートの中にぽちゃん、と沈んだ。


依頼結果

依頼成功度:成功
MVP: 誠士郎の花嫁・青戸ルーネ(ja3012)
重体: −
面白かった!:5人

God of Snipe・
影野 恭弥(ja0018)

卒業 男 インフィルトレイター
翻弄の新月・
月隠 紫苑(ja0991)

大学部5年308組 女 阿修羅
誠士郎の花嫁・
青戸ルーネ(ja3012)

大学部4年21組 女 ルインズブレイド
序二段・
丁嵐 桜(ja6549)

大学部1年7組 女 阿修羅
冷静なる識・
アニエス・ブランネージュ(ja8264)

大学部9年317組 女 インフィルトレイター
穏やかなれど確たる・
微風(ja8893)

大学部5年173組 女 ルインズブレイド