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マスター:火乃寺
シナリオ形態:イベント
難易度:普通
参加人数:25人
サポート:2人
リプレイ完成日時:2012/08/01


みんなの思い出



オープニング

●SIDE:アリス

「皆の衆……これは由々しき事態なのぢゃゾ」

 誰がそう呼んだか――気づけばお祭り教師と呼ばれ早数ヶ月。
 アリス・ペンデルトン(jz0035)は、いつになく真剣な表情で生徒達へ告げた。

「前々から、あやつとは一度腰を据えて話をせねばと思っていたのぢゃがの。
 どうやら話は通じないようなのじゃよ。我々には、拳で語り合う選択肢しか残されていないのぢゃ!
 当然ぢゃな、……相手は悪魔のような男、いや、悪魔そのものなのぢゃから」

 悪魔。その言葉を聞き、生徒達は一時騒然とする。
 あの強大な存在と、アリスは剣を交えようというのか?
 止めるべきなのだろう。だが彼女のここまで真剣な表情を、今まで誰が見た事ある?(反語)
 それでなくとも、火のついたお祭り教師を止められる度量を持つ生徒はいない。
 なにせ学園長さえも篭絡する魔女(笑)である。彼女に対抗できそうな人間なんてこの学園には……、ん?

 待て。いるではないか、人間ではないけれど。彼女を唯一抑止できると思われる悪魔教諭――太珀(jz0028)が。

「……ん? 悪魔?」

 ふと、一人の学生が察する。まさかとは思うが、アリスの言う悪魔って――

「うむ。悪魔の名は太珀、人の世に帰依し甘い蜜を吸う、極悪非道の悪魔……!
 球技大会を開催し、あやつのチームと正々堂々、スポーツで勝負するのぢゃっ!」

 成程、納得である。


●SIDE:太珀

「今朝、ポストに果たし状が入っていた。無記名――だが、犯人は分かってる」

 腕組みをしたまま、悪魔教師は苦虫を噛み潰したような顔をした。
 彼が差し出した件の手紙には、デカデカと赤文字。

『どちらがより多くの生徒から信頼を集めておるか、思い知らせてやるゾぃ。紅白対抗☆球技大会で勝負なのぢゃ☆』

 書き文字なのにバレバレってどういうこと。

「あのすちゃらか魔女、どうも頭の中までお祭り状態らしい。何でも大会にすりゃいいと思ってるのか?
 ……まあいい。売られた喧嘩を買わない道理はない、こちらも全力で行くまでだ」

 なんだかんだ言って、この悪魔ノリノリである。


「てなReasonでBall tournamentだ!」
 参加者を前に壇上に立った炎條忍(jz0008)は高らかに宣言した。
 何でそうなってるの。
「俺様にもさっぱりわからねぇが、まあ楽しそうだからNo problemだぜ!」
 ともあれ久遠ヶ原学園なら仕方がない。と言えば何となく納得できそうな気がしなくもない生徒達も、大概色々染まっていそうだった。


「ここに集まったAllにPlayして貰うのは、ずばり『大玉転がし』だ!」
 それにしてもこの男、相変わらずテンションが高い。まぁ、それはいい。
 競技を聞いて平凡だと思うかもしれないが、それは“撃退士”が行う『大玉転がし』である。普通に行われる訳がない。
「んで、Courseだが…just a minute(ごそごそ)。えー『コースはまず中等部のグラウンドよりスタート、商店街を抜け、郊外の林道へ。そこが第一のチェックポイント。そこを抜けたら海岸の砂浜を抜け、水練用の人口溜池を迂回し、第二チェックポイント。そこから市街を抜け、高等部グラウンドを一周してゴールとなる』…だ!」
 懐から取り出したメモに目を走らせながら、読み上げていく。

「Ruleは…『使うのはヒヒイロカネを組み込んだ直径2mの大玉。光纏しアウルを流し込まなければ動かない様になっているから気をつける事。チームは2〜5チーム(1チーム最大五人)範囲で自由に分けて構わない。そしてここからが重要だが…チーム内で大玉転がし役とジャマー役に分れて貰う。ジャマーがするのは当然だが、他チームへの妨害だ。但し、相手を直接傷つければペナルティが発生する。手段はコース上にトラップを仕掛け、それによって“足止め”する手段のみに限定する。スキル使用応用可』」
 とそこまで一気に読み上げ、懐から取り出したドリンクで喉を潤す忍。あれは多分購買の支給品だな、と同様のジュースを所持している者は思った。
 無料支給万歳。

「まだ続くのかよ!あー、『また、大玉転がし役には、一回だけだが【前を走る者を大玉で押し潰す権利】が与えられる。これを喰らうと、強制的に暫く束縛が掛かるので気をつける様に。一度しか使えないから、機を見るに敏が必要となる』…つまりあれだ、後ろから轢き逃げAttack OK!」
 当然だが大玉に潰された挙句、足で踏み潰していく事になる。友情とかには気をつけよう!
「WinnerにはRankingによって賞金が出るそうだぜ!って、俺様、これListenしてないぜ!?」
 この間買った新しい刀で、忍の財布の中身は今月分の生活費ぎりぎりであった。
「くっ…、俺様もParticipationしてえ!畜生、なんでRefereeなんて請け負っちまったんだ!?」

 理由は簡単だ、忍だと潜んで罠を仕掛けるジャマーには向かないし、よしんば仕掛けると加減を知らないとんでもないトラップにしそうだからである。大玉転がし位ならできそうだが、本人が多分絶対やりたがらない。
 教師陣が彼を審判にしたのは、それを見越して。
「ぐうぅ…と、ともかくだ!細かいRuleは、これからDistrivuteするPaperでもConfirmationしてくれ!」
 悔しそうに地団太を踏みながら、彼は配布用のプリントを参加者に手渡して回るのであった。


リプレイ本文


「ふはははっ、見るがよいのぢゃ☆ これが私とおぬしの違いなのぢゃゾ☆」
 腰に手を当て、無い胸(ここ一部の人に重要?)をはってふんぞり返るロリば…ごほん、アリス・ペンデルトン(jz0035)。
「ふん、爪先から頭の毛先まですちゃらかの貴様には分るまい。こういったものは量より質だ」
 腕組みをしてどっしりと構えるショタ――もとい、はぐれ悪魔、太珀(jz0028)。
 二人が言い合っているのは、双方に加担するチーム数である。
 アリス側チーム3に対し、太珀チーム2。数の上では確かに違うが、得点方式を考えれば順位次第でひっくり返る可能性はある。
「はっはっはっ、まあ二人とも落ち着きたまえ。事の発端はともかく、ここは生徒達の頑張りを楽しみにしようじゃないか」
 球技祭を見学に来ていた室井正博(jz0036)は、傍らに立ってそんな二人を諌める。
 三人や今回の運営に携わるスタッフ(面白そうだから)の職員達がいるのは、ゴールが設置された高等部グラウンドのテント下であった。

 本日は晴天。眩い日差しが降り注ぐ中等部のグラウンドに集まってスタンバイする学生達の姿を、特設された大スクリーンを通じて見る事ができる。
「各所に審判と放送部員の配置も終わりました。撮影と共に不正があれば証拠としても残ります」
「うむ、ご苦労。しかし、いつも引き篭もっているきみが涼しい校内から出てくるとは珍しいな」
 放送部員からの報告をそのまま伝えるのは顧問を務める月雫 紫蝶(jz0043)だ。 
「何をおっしゃいますやら、私はいつも真面目に励んでいますよ?」
「おや、そうだったかね? 普段見かけるきみは幻だったかな、はっはっはっ」
「ほほほっ☆(ちぃ、よく見てるな、この親父)」
「減俸してもいいかね?(にっこり)」
 ひしっ!
「それだけはなにとぞご勘弁を(えぐえぐっ)」
「はっはっはっはっ、放したまえ、暑いから」
 笑顔でにべも無いナイスミドルであった。

●SIDE:アリスチーム
 生徒たちはA〜Eチームに分かれて組んでいた。

 A班の玉転がしは九十九(ja1149)、櫟 諏訪(ja1215)、萩乃 杏(ja8936)。
 ジャマーは虎綱・ガーフィールド(ja3547)、クインV・リヒテンシュタイン(ja8087)。
「たまにはこーいうのも良いのさぁねぇ」
(太珀せんせーにもお世話になったけど、アリスせんせーにはぬいぐるみ貰った恩があるのさぁねぇ)
 ぽふぽふとスタート地点に並べられた自班の大玉を叩きつつ思う九十九。上位狙いは当然だが、一位になればアリスにほめてもらえるかもと。
「やるからには一位目指してがんばりましょー!」
「当然。気合入れてくわよ」
 おっとりにっこり、諏訪は満面の笑顔でやる気十分だ。あほ毛もぴこぴこと風に逆らって揺れている。
 応じてぐっと拳を握り締めて言う杏だが。
(玉転がしはいいけど、バトルって何よバトルって)
 内心冷静な突っ込みをしていたり。とは言え負けん気が強い彼女、勝負事なら一位を目指すのは当然の理。
 杏が中央に、左右を九十九と諏訪の配置で臨む。
「ん、まぁ、こうなった以上全力で楽しまねば損でござろう」
 ぱたぱたと手に持つ扇子で自身を扇ぎながら鷹揚に笑う虎綱。
「ふふふっ、僕がしっかりトラップを仕掛けておくよ」
 くいっと指先で押し上げる眼鏡がきらりと光る。自信ありげに言い放つクイン。
「ところで…ふと思ったのですが、大玉転がしって球技なのかのう」
 玉使ってるから球技なのよ、きっと!気にしないでっ。

 D班の玉転がしはアトリアーナ(ja1403)、栗原 ひなこ(ja3001)、高峰 彩香(ja5000)。
 ジャマーはアイリス・ルナクルス(ja1078)ヴィーヴィル V アイゼンブルク(ja1097)。
「…やるからには勝ちにいくの」
 淡々とした物言いだが狙うは一番。故に己が役目に、アトリアーナは全を尽くす所存であった。
「アリス先生、絶対勝とうねっ〜!」
 こちらにも設置されたスクリーンに、一瞬映し出されるアリスを見かけて手を振るひなこ。ぴょんぴょんと元気に飛び跳ねる姿が微笑ましい。
「張り切って転がすとしようか」
 腕まくりしそうな勢いで笑う彩香。身体を動かす事が好きな彼女は、楽しそうであれば細かい事は気にしない。
(お金がいるのです…!)
 一転して身も蓋も無く欲望全開(?)で意気込む者もいる。その一人、アイリス。
(剣を買ったり強化するためにいっぱいいるのです…!この試合、負けられない!)
 瞳に炎が灯っていた。…科学室、お金掛かるものね。
「ふふふふ…♪これはいい機会ですね♪」
 と、なにやら含み笑いを漏らすヴィーヴィル。
「ヴィルちゃん、くれぐれも無茶はダメだよ?」
 とひなこは釘を刺す。何かとても不穏な笑い方だったから。
「大丈夫、分ってます♪」
「ならいいんだけど。皆、がんばろ〜!おー」
「「「「おーっ」」」」
 音頭を取る彼女に、皆が続いて拳を振り上げていた。

 E班の玉転がしは鐘田 将太郎(ja0114)、水杜 岳(ja2713)、焔・楓(ja7214)。
 ジャマーはレイラ(ja0365)、緋野 慎(ja8541)だ。
「わはー、球技祭だって!楽しそうー」
 きらきらと瞳を輝かせた慎は、あちこち珍しげに眺めてははしゃぐ。
「おう、楽しんで行こう♪」
 応じる岳は、言葉そのまま素直に楽しむ心算だった。特にどちらの先生にも思い入れがないのも有るが、裏表の無い前向きな性格なのだ。 
「大玉転がしか。小学校の運動会以来だな」
 昔を思いながら腕組む将太郎。昨今はこの競技がない運動会も増えたので、なおさら懐かしいかもしれない。
(勝敗はともかく、楽しめればいいさ。…まあ、できれば勝ちたいけど)
「皆、頑張ろうな」
「溜池で泳ぎ隊出陣なのだ♪」
 スタート前から既に泳ぐ気満々の楓。運動が好きなのもあるが、溜池で泳ぎたいと言う理由も大きい。
「楽しく元気にごーごーなのだ♪難しい事は考えずどどーんと行こう♪」
 きゃっきゃっと心底楽しそうに跳ね回る。
(なんとなく来てしまいましたけど、こんな不毛な戦いが)
 それは言わない約束だよおっかさん(誰)。事の発端に関して生真面目に考えるレイラだったが。
(とはいえ、楽しんだもの勝ちっぽいですし、楽しませて頂きましょう)
 意外と切り替え早いポジティブ娘であった。

●SIDE:太珀チーム
 B班の玉転がしは影野 恭弥(ja0018)、水城 秋桜(ja7979)、艾原 小夜(ja8944)。
 ジャマーは神棟 星嵐(ja1019)、燐(ja4685)。
「……」
 平素の如く、余り感情を表に出さず自然体である恭弥は、何故この祭りに参加したのであろうか。知るは彼のみ、である。
「玉転がしっ!うちは乙女じゃけど、やっぱり乙女は運動もできんとダメじゃけぇ!」
 秋桜は今日も全開で乙女を目指す!…だけど、それ以前の部分に重大な見落としがある気がします、乙女道(ヲトメロード)。
「頑張りますよー」
「球技大会なんて何時振りになるでしょう。若干、先生の私怨が入ってる状態ですが、楽しむ事が一番ですね」
 おっとり微笑み、えいえいおーと手を上げる小夜に、星嵐が頷く。
「…頑張ろう、ね」
 その間に挟まれる位置で、燐は無表情に呟くが、その声音になんとなく楽しげな雰囲気が感じられた。
 配置は中央を恭弥に任せ、左右を秋桜と小夜となる。

 C班の玉転がしはマキナ・ベルヴェルク(ja0067)、神喰 茜(ja0200)、紺屋 雪花(ja9315)。
 ジャマーはエルレーン・バルハザード(ja0889)六道 鈴音(ja4192)。
「それでは皆さん、よろしくお願いしますね」
 淡々と無感情に、マキナはメンバーに対して続ける。
「勝負事であるなら、遊びであれ本気で臨みますよ。負けるつもりなどありません」
 狙うは一位。それのみを求めるのだと。
「ただの球技大会なのに…。さすが久遠ヶ原はレベルが違うなぁ…」
 周囲を見回して呆れたように茜は呟く。
 方向性が間違ってる気がしないでもないけど。面識のある太珀せんせーが関わっているとあれば、味方するならこっちかなと。
(ふう…なんとか周りに女子だけという班に入れたな。よかった)
 メンバー構成にほっと胸を撫で下ろす雪花は、字面だけ見るとアレですた。
 実際には必要に迫られる事情があるのだが、知られても多分反応は変わらないんじゃないかな思うが如何だろうか?
(少しは役に立てるといいのだが。まあ、楽しんだ者勝ちって事なのかな…)
 配置は中央に雪花、左右にマキナ、茜である。
「おかね!おかね!おこづかい!」
 心に秘める事無くぶっちゃける欲望全開その2ことエルレーンは、来月のまんがマーケットに向けて多額の金を所望していた。
 他に参加理由があるか?いや、ない(反語)。
「勝って、どうじんしいっぱい買っちゃうんだからねッ!」
 更に最近“腐ってやがる”方面にも進出しているので、購入希望のジャンルが心配である。
 そんな彼女の傍らでは、
(球技大会て燃えるよね!みんなで力をあわせて勝つぞ!)
 と、額に【必勝】と書いた鉢巻をきりりと巻き付け鈴音。妙に着衣に厚みがあるのが気になったが、ジャマーの彼女だけに何か仕込んでいるのだろう。

「そろそろReadyはいいか! PrecedingするジャマーはGoだ! その五分後にRaceStart!」
 拡声器で呼びかける炎條忍(jz0008)の声に、各々チームが動き出す。
 こうして仁義無き戦いが今、始まる。

●――Go!
 パァンッ!
 スタートラインから一斉に転がりだす直径二メートル台の大玉が五つ。
 それらを押す学生達の光纏が色鮮やか様々な形で大玉にも纏い、複雑万化な色合いを見せる。
『さあスタートしました、赤(アリス)白(太珀)対抗バトル大玉転がし!実況は放送部の――がお届けします!』
 スピーカーに雑音が混じり聞こえなかった。
『さーあ、まずは横一線…かと思いきやCチームいきなり飛び出した!これはスキルを惜しみなくつぎ込んだスタートダッシュだぁ!!』
 地の加速力でみればBが最速と思われた。だがマキナが神速宿地を、そして。
「まさか玉転がしでこれを使うことになるなんて思わなかったんだよ…」
 茜の艶やかな赤髪が、煌びやかな金色へと変わり、纏う光纏も常の緋黒混じりあう黒焔がより緋く深みを増す。
 二人のスキルを注ぎ込まれたヒヒイロカネ仕込の大玉は、転がす三人へと均等に力を流し込むことで爆発的に加速した。
『Cチーム速いっ!あの速度で最初のグラウンドカーブを難なく曲がりきったぁ! 続いて地力のBが続く!流石に各チーム、玉転がし役三人配置と有って危なげなく操作していきますねー!』
 この時点でEジャマー、慎が分身の術を用いてグラウンドに配するものの。
『流石に大人数での視点だけあって、分身はさくっと見抜かれたようです、慎君どんまい!』
 視点以前に、分身作る時にすぐ隣に本人が出ないと無理なので、どちらが本物か一目瞭然なのだが。
「んー、だめだったよ!」
 後頭を掻きつつ、ひょいひょいと外壁を飛び越え、慎は姿を消した。
 グランドでトップに躍り出たCがそのまま校門を駆け抜け、続きB、A、D、Eの順で追う。

●COURSE:商店街
『さあ、各チームとも商店街を駆け抜けていく!ここで地力のBチーム、Cチームがスタートで稼いだ距離を詰めていく! そのまま街角90度カーブへと差し掛かったぁ! と、ここでAジャマー、クイン君が動いた!』
 BはCを追いかける形でAの直前を疾走していた。クインは前を行くBチームへと併走し、手に六花護符を閃かせる。
「これも勝負の常、悪く思わないでくれよ」
 放たれた符は異界へと干渉、召喚されし異形の腕がBチームの大玉へと伸びる!
「……」
 だが瞬間、恭弥の片手が抜き放ったシルバーマグWEの強装弾が全ての腕へと叩き込まれた。銃弾に込められたアウルが魔術へと干渉し、ほんの僅かに動きを逸らせる。
 その隙に、Bチームは術の影響領域を走りぬける。
「ちっ」
 舌打ち一つして、クインは次の仕掛けの為にコースから姿を消した。
『見事な反応を見せましたね、Bチーム。解説の室井さん、どう思われますか?』
 いつの間に放送席に腰掛けた学園長が、解説に祭り上げられていたりする。
『ふむ。やはり最初から姿を見せていたのは拙かったのだろうね。あれでは当然警戒され、対応策を準備する余地を与えてしまう』
『なるほど、ジャマーの真骨頂は気づかれず仕掛ける、と言う事ですね! だがしかし、Aチームの攻撃はまだ続いていたぁ!』
 カーブを抜けた直後の直線、ジャマーを回避したばかりのBの背後から猛然と加速して突っ込むAの姿が!
「よっし、ちゃーんすっ」
「怨みはないが、これも勝負事なんでねぇ。南無南無…」
「失礼しますよー!」
 機会があれば積極的に轢き逃げを狙う、これがAのスタンス。大玉が衝撃と共にBの三名を押し潰し、
ふぎゅっ!「……」
げしっ!「ふぎゃんっ!?」
むぎゅぅ!「あうー、ふまれましたー」
 容赦ない追い討ち。Aに踏み越えられ、地に伏すBであった。
『ここでAチームの轢き逃げ成功!Bチームには強制束縛が掛かります!いやー、しかし躊躇いもなく踏んでいきましたねぇ』
『勝負の世界は厳しいと言う事かな』

 そして別の所でも。
『おっと、Bチームの追い上げから逃れトップを独走していたCチームの前にBジャマー、燐ちゃんの登場だー!』
 自チームが足止めされたのを機にCの進路延長上に現れた燐は、持ち込んだ特性油を路上に振りまいた!
「ヌルヌルで、足止め…」
 だがそれならば進路を変えればいいだけの事、Cの三名は当然の様に大玉の軌道修正を試みる。しかし。
「「「――ッ!」」」
 脳裏に走る、とても不快な感覚。それは燐と共に現れた星嵐から発せられていた。引き寄せられるように油の上に到達してしまうCチームは。
ずるべしゃごすんっ!
 三者三様の姿で盛大にすっころび、油塗れになる。と同時に。
ずどんっ!
「ギャ〜〜ッ!」
 大玉、急には止まれない。タウントの短い射程が祟り、込められた運動エネルギー全てが大玉を避けられなかった星嵐に注ぎ込まれた!そして安全機構が働いた大玉がぴたりと停止する。
『おおっと!Cチームここでトラップに引っかかり一時脱落だぁ!ついでにBジャマー、星嵐君、お星様になった模様です。よく飛びましたねぇ』
『スキルの特性としてはいい使い方なのだがね。後の事を考えてなかったな、彼は』
 因みに、これは轢き逃げには相当しない事故であり、ペナルティは無し。
『Bチームに続いてCチームが一時的な脱落、その間隙をついてトップに躍り出るのはAチーム!続いてD、E!…ここでDジャマー、アイリスちゃんが何やらばら撒いたぞ?』
ジャララララーッ。
 アイリスの手から、後方のE目掛けて路上に大量のビー玉がばら撒かれる。
『しかーし、そこは岳君がアウルの翼を広げ、大玉をメンバーと共に空中へ…おっと、このトラップ、どうやら二人掛かりのようだ!』
 沿道の観客の中に潜んでいたヴィーヴィルが飛び出し、空中のEに対して、魔力に満ちた眠りへと“いざなう”!
「ふふ♪よい夢を♪」
 どぅっ!
「「「Zzzz…」」」
『おやすみなさいEチーム!と言う事で一時脱落!その間にA、Dが距離を稼ぐ!だが復帰したCチーム追い上げる!そろそろBチームも束縛が切れる時間だ、勝負はまだ分らない!!』

 最終的にA、D、C、E、Bの順で各チームが商店街を抜けた。

●COURSE:林道
『ここでトップで林道コースへと突入したAチーム!道は可能な限り自然のまま舗装されておらず、周囲は木々や茂みに囲まれている、ジャマーが潜むならもってこい!無事突破できるのか!?』
ピコーンッ!
「むむっ、ジャマー発見ですよー!」
 諏訪のあほ毛が激しく茂みの一端に反応を見せる!そこから飛び出してきたのは、Aが射程圏に入るのを待ち構えていた鈴音だった!
「先手必勝!くらえ、グニグニの術!」
 彼女の手から放たれた召炎霊符が地面に張り付き、ぐにゃりとゆがみ始めたその時!
「そうはさせんで御座る!」
 樹上から彼女に飛び掛る影一つ、ジャマーのジャマーとなった虎綱であった。相手を傷つけなければルールに抵触しないのでこれも有りなのだ。
「きゃあっ!?」
 突如飛び掛られ、押し倒されてゴロゴロと絡み合い転がる両者。
「ちょ、ちょっと、何処触ってるんですかぁー!?」
 ドサクサで柔らかい部分を掴んでしまったりしていたが問題ない。多分。
「あ、す、すまんでござっ、これは不可抗り…じゃない、ここは某に任せて行くで御座る!」
 鈴音を地に押さえつけた虎綱が自チームに叫ぶ…が。
「ひゃっはー!おじゃましちゃうのッ!」
 虎綱が飛び降りた樹より更に高い樹上から、A大玉へ襲い掛かるエルレーン!
 アウルを刃に変えたエネルギーブレードが、影と化した剣旋を撃ち出す!
「させないさぁね!」
「やらせませんよー!」
 咄嗟に九十九がサルンガから光刃の矢を、諏訪のオートマチックP37から弾丸が放たれるも、射線をすり抜けて大玉に影が纏わりつく。
「えへー、ごめんねぇー!」
 シュタッと身軽に着地したエルレーンは、
げしっ!
「ござー!?」
鈴音を押さえつけていた虎綱を蹴り飛ばして解放する。
「ふぅ、助かりました!では撤収―!」
「おー!」
 こうしてAは暫しトラップに拘束。
『どうやらジャマーによるトップの蹴落としあいになってきたー!ここで二番手だったDがトップに躍り出る!』
 だが、後方より復帰したCがスキルを用い脅威の追い上げを見せてDの背後に迫っていた。

ザザザザザーッ!
「そうはさせないのです!」
 樹枝を吹き飛ばして飛び上がったアイリスは、得物であるブラストクレイモアを抜き放つ!
「紅じゃなくてやるのは初めてですが…!」
ヴォン!
「ハァアッ!」
 彼女が握る柄から溢れ出した影は切っ先までを覆い尽し、落下重も加えた一撃を大地に穿つ!
ゴゥン――ッ!!
「…くっ」
「うわっ、ぺっぺっ、土が口の中に〜」
「げほっ」
 濛々と上がる土煙。それが晴れると、林道に結構大きな大穴が出現していた。少なくとも玉を転がしていける深さと傾斜ではない。
 幸い道は広く、迂回してもさほど遅れにはならないだろう。
「…?」
「あれ、なに…か…」
「しまっ、毒だ!」
 迂回しようとした矢先、次々に膝をつく三人。雪花の警告も時既に遅し。
『うふふふ♪』『あははは♪』『ふふ、くすくすくす…♪』
 毒性は最大限に薄められてはいたが、“あまいかおり”を放つ魔力毒の霧は三者に纏わりつき、意識下にヴィーヴィルの幻影を躍らせながら蹲る。
「少しそこで遊んでいてくださいな。アイちゃん、ナイス囮です♪」
「それはいいのですけれど、こちらも土塗れなのです…」
 自分でこさえた穴をよじ登ったアイリスが、頭に被った土をブルブルと跳ね飛ばした。
 暫定トップのDを復帰したAが追い、Eは加速に優れるC、そしてBに立て続けに抜き去られる。

 ここでE、抜き去っていった直後のBへと轢き逃げを敢行!
「オラオラー!邪魔だどけー!」
「突撃―!」
「ごーごー♪」
 しかしBは奇跡の意地を見せた。
「二度も乙女の頭は踏ませんけんねっ!」
 踏まれてたらしい。
「あはっ、ごめんですよー」
 元々轢き逃げ、各チームとも命中重視で回避は横並びだった上にバックアタック扱いなので早々外れる可能性は低かった。
 本当に僅差、ラプラスの悪戯と言ってもいい差でBチームはEチームの轢き逃げ回避に成功する。
『おおおお!?なんと!!あれは滅多に避けれないと思っていたのですが、やはり世の中何が起こるか分らない物!と言う事でしょうかー!』
「くっそっ!」
 歯噛みする将太郎。
 一時的な加速で一瞬Bを抜くも、再び抜き返されるE。

 林道を抜けた時点でD、A、B、C、Eとなっていた。

●COURSE:砂浜
 見通しのいい海岸線。隠れられる場所は早々なく、ここはジャマーの可能性も低いと思われた、が。
「何か気配があるよ!気をつけてっ」
 ひなこの警告と同時、目の前の砂浜が爆発した!
「グニグニの術、セカンド!」
「こんびねーしょん☆あたーっく!」
 このあっつい最中、焼ける砂の下に潜伏していたらしい鈴音とエルレーンが放つ弱化アーススピアと影縛のコンボ再び。
 足場が砂だけあり、林道の時よりも効果は即座に現れて足を取られるDチームの面々。
「一度見た手が、そう何度も通じると思わないでよね!」
 ダンッ!
 アウルによって強靭となった足腰が生む瞬発力。その最大限を活かして彩香は全力で蠢く足場から大玉を押し上げ跳躍した!
 アトリアーナとひなこは、即座に全力で左右から回り込み、着地した大玉に再び手をかける。
「…残念、また今度であるの…」
 ふっと一瞬であるが微笑するアトリアーナ。すぐにいつもの無表情へと戻る。
「きぃーっ!」
「おしかったー!」
 地団太を踏む鈴音とエルレーンを置き去り、Dチームは更に先を目指す。

 砂浜ではこれ以上の攻防はなく、D、A、B、C、Eの順位に変動はなかった。

●COURSE:溜池
(まさか地面に伏せているとは思わないだろう。僕の罠でさぞかし慌てるだろうね)
 土をつけた布を被って待ち伏せするのはクイン。だが相性と言うか相手が悪かった。
「流石にバレバレですよ…」
 ひなこの生命探知を用いた警戒網にしっかり補足される。
「くっ、だがこのままではっ!」
 苦し紛れの防壁陣展開で池に落とそうと足掻くも。
ダンッ!
 右肩に掛かる重圧に、がくりと膝をつく。
「ぼ、僕を踏み台にした!?」
「ふふん」
 彩香の全力跳躍再び。クインの右肩にくっきりと靴痕をつけて飛び越える――その最中。
ズザッ!
「え?」
「空中は…隙だらけ…」
 漁夫の利を得んと茂みから飛び出してきた燐が、空中にある大玉へとサイドステップの蹴りを放つ!狙いは池への玉落とし!
「なん――のっ!」
 しかし、このコースに入った時点でD各員がその可能性を常に警戒していた。
 空中で無理矢理身体を捻り、燐の蹴りに対抗して大玉を蹴り上げる彩香。
「っつぅ…!」
 無理な体勢で蹴った為、脇腹に激痛が走るが無視して蹴り抜く。大玉は二点の力作用によって飛び、岸辺に落ちた所で機構を作動させ停止した。
「…狙いは外れたけど…結果、オーライ…」
 呟いて燐は再び姿を晦ます。
「大丈夫ですか?」
 駆け寄ったひなこが彩香の脇腹にヒールをかける。今回のこれも偶発の事故、ルール抵触はしない。
『ジャマーとDチームの手に汗握る攻防!若干クイン君が残念無念な気がしなくもないが!ここでDチーム足止め、A、B、Cチームが詰める詰める!』
 ここで溜池外延にそって走るA、Cがトラップで足止めされたDを抜き去る。そしてBは。
「これが忍者じゃけぇ!」
「忍者ですよー」
 秋桜と小夜、忍軍の面目躍如とばかりに水上歩行を用いて水上を駆け抜ける!
――ゆらり。
 びくっ。
「どうしましたー、水城さん?」
「い、や…今一瞬、水の中に何か見えた気がしたんじゃけぇど…(ぶるる)、き、気のせいじゃけぇ、先いそごー!」
 実際気のせいではなく、二人を追うように水面下で何者かが蠢いていたのだが、流石に地上と同様の速度で走る二人は補足できず、やがて気配を消していた。
 その頃、全力で一人溜池を迂回する恭弥は身軽さもあって二人より早くに上陸予定地点まで到着する。
「…ん?」
 おかげで、Eジャマーのレイラが岸辺に撒いていた油に気づく事ができた。
 彼は身振り手振りで、水上の二人に上陸地点をずらすよう伝える。叫べばもっと簡単に伝わるのだろうが、これが彼のスタンスなのだろう。
「…しくじりましたか、意外と用心深いですね」
 潜んで様子見していたレイラは呟き、次のトラップの為に移動していった。

「溜池発見♪突撃―♪あたしは水着着てるから大丈夫なのだ♪」
 ぽぽぽぽーいとTシャツとスパッツを脱ぎ捨て、スク水姿になる楓。
 最早競技そっちのけで一人溜池へと突っ込んでいく。
「おいおい…」
「元気だなぁ、はは」
 そんな彼女を見送って、残る二人は玉を転がし続けるが。
「うひゃいっ!?」
 ごぶん――!
「あれ、溺れたか?」「まずい、俺が助けに行って――」
 泳いでいた楓がいきなり水中に消え、慌てて岸辺に駆け寄る将太郎と岳。
 岳がアウルの翼を広げて助けに行こうとした矢先、起こった。
ずざばばばばばーーー!
「うひゃひゃ、そこだめ、だめだったらー!ひっ、うひひ、くすぐ、くすぐった…あはははははっ!?」
 水面下から一斉に飛び出してきたのは…無数の巨大な触手。そして。
「…イソギンチャク?」
「…だよな」
 二人の見上げる外見は確かにそれだが、大きさが規格外。10m超のんなものが居るなんて普通は想像しない。
「やー、だめそこ、いちばんくす…ひっ!…はうぅ、そ、やめぇ…」
 細い触手数本に体中を撫で繰りまわされ、笑い転げていた楓の声音が変わる。水着の内にまで触手が潜りこんだらしい。
「おおう、今助けるよー!」
 心配して様子を見に来ていた慎が、即座に水中に飛び込むも――。
「あははははっ、ひ、そここそばゆぃぃひひひっ!?あう、お尻やーめーてーっっはひははははっ!」
 ミイラ取りがミイラ、或いは二重遭難乙☆
 ばっくん。
「あ」
「食われたな…」
 岳が辿り着く前に、二人はイソギンの口盤中央に開いていた巨大な口に飲み込まれる。
ぷっ、ぷぷっ!…ばしゃっ、ばしゃんっ。
 やがてスイカの種を飛ばすが如く二人を吐き出したイソギンは、満足した様子で再び水中へと戻っていった。
 で、二人はというと。
「きゃーっ!?」
「何で下穿いてないの俺!!?」
 ズボンを食われちゃったらしい慎君、はともかく…スク水だったそれを食われた楓は、マッパのまま放り出された訳で。
 その光景は映像を通じて見守るギャラリーにも――。

『放送部、スクランブル!』
 紫蝶が叫ぶ。件の映像がはっきりと放送される寸前で一時切断され、暫くお花畑の映像へと切り替わった。
「ふぅ、危ない所だった」
 ぎりぎりのラインで放送事故は回避され、流石にあのまま競技続行させる訳にも行かないと特例で脱いだ服を着直す事を認められた楓であった。

 その間に実はCが溜池を抜ける直前のAに轢き逃げを仕掛け、抜いた瞬間にBの轢き逃げをCが食らうという攻防が繰り広げられて居たりした。
 溜池を全チームが抜けた時点でB、D、C、A、Eの順位となる。

●COURSE:市街
 ここに来て殆どのジャマーはトラップを使っていた。
 市街をトップで疾走するBに、鈴音・エルレーンコンビが襲い掛かる!
「腐女子ホイホイ発動!」
 この時の為に服の下に仕込んでいた同人誌を盛大にばら撒く鈴音!だが、彼女には誤算があった。
「おとしものはわたしのものー!」
ずざざーっ!
「え?え?!」
 ばら撒かれた瞬間、影縛りを放とうとしていたエルレーンの瞳がギラリと輝く!瞬く間に散らばった同人誌に飛びつき懐に入れ、遁走を開始!
「エルレーンさん、ちょっとぉ!?」
 腐女子ホイホイ、一番身近に居た腐女子に絶大な効果を上げたよっ☆

 だが続いて襲来したアイリス・ヴィーヴィルコンビ。
「チッ」
 ばら撒かれたビー玉は恭弥が悉く撃ち弾くも、最近エロ魔いえもとい、ヴィーヴィルの魔力のかおりによって眠りの淵へといざなう。
「…ねむねむじゃ…け…」
「(すやすや〜)」
 路上で寝転げるBをDが抜き去り、束縛から復帰したAがCを抜くもグラウンド直前でスキル加速したCに抜き返される。
 グラウンドにトップが到達した時点で、順位はD、B、C、A、Eとなった。

●FINAL:グラウンド
 各チームがラストスパート!
 Eジャマー、レイラがグラウンドに鏡のトラップを仕掛けていたが。
『えー、この炎天下で鏡が日光反射してバレバレです、レイラちゃん』
「あぅ…」
 あえなく失敗。
「特製の、トリモチ…ベタベタだよ」
 人を隠すなら人ごみの中。スタッフに紛れていた燐がDのコース上にトリモチを投げつける!
「その程度!」
 咄嗟に軌道修正するが、突然足元の感覚が喪失する!
ずどんっ!
「あっ」
「こんなベタベタの罠にー!」
「イタタタタ…」
 星嵐がこさえていた落とし穴に、トリモチに誘導された形でDが落下。コース上にあった盛り土で予想はできても、何処に有るかまでは分らない。
「――」
「今のうちじゃけぇ!」
「スパートですよー」
ゴール直前で足止めを食うD、グラウンドを半周したBが逆転を狙いゴールへと迫る!
「急いで…上がるの」
「急いで急いでーっ」
「もうちょっと!」
 彩香の上にひなこが、その上にアトリアーナが乗って大玉を穴から押し上げ脱出を図る!
「最後まで諦めないかんねっ」
 遅れてグランドに到達したCとAも追い縋る!

パァン、パパーンッ!
『ごーーーーるっ!トップはDちーむっ!ぎりぎり穴から這い出したDチーム、最後に縮地を用い執念の第一位!しかし二位〜四位のBとCとAが殆ど同時、3チームでタイムは僅差でした!』
『うむ、見応えのあるアグレッシブな展開だったね。ジャマーによるトップの落とし合いが、この結果へと繋がったようだ』

「うぅー、ちょっと悔しいなぁ」
 唸る茜、離れた場所ではがっくりと将太郎。やっぱり勝ちたかったらしい。
「……」
 マキナを始め本気で一位を狙いながらも逃した者達は、ぐっと拳を握り締める。
「1位は逃しちゃいましたけど、楽しかったですよー!」
「全体としては負けておらんでござるしな」
 諏訪の言葉に虎綱が頷き、幾人かは微笑んで互い掲げた手を打ち合わせ。
 レイラはいつの間にビデオ片手に、皆の姿を撮影していた。
 ズボンはいてない慎はレース終了と同時に教室へ駆け戻った。ほんのり頬を染めてもぢもぢする楓に、雪花がタオルを渡す。

 エルレーンは目下逃走中で、鈴音が追跡中である。

 因みに忍、審判している内にHustleして乱入しようとした為、スタッフに取り押さえられました☆
『Eチームもアクシデントに見舞われながらも四位との差は20秒!健闘でした!皆、お疲れ様―!!』

 こうして、大玉転がしでは赤(アリス)に16点、白(太珀)に14点が加算される事となった。


依頼結果

依頼成功度:成功
MVP: −
重体: −
面白かった!:9人

God of Snipe・
影野 恭弥(ja0018)

卒業 男 インフィルトレイター
撃退士・
マキナ・ベルヴェルク(ja0067)

卒業 女 阿修羅
いつか道標に・
鐘田将太郎(ja0114)

大学部6年4組 男 阿修羅
血花繚乱・
神喰 茜(ja0200)

大学部2年45組 女 阿修羅
202号室のお嬢様・
レイラ(ja0365)

大学部5年135組 女 阿修羅
┌(┌ ^o^)┐<背徳王・
エルレーン・バルハザード(ja0889)

大学部5年242組 女 鬼道忍軍
次なる階梯に至りし体・
神棟 星嵐(ja1019)

大学部7年150組 男 ディバインナイト
踏みしめ征くは修羅の道・
橋場 アイリス(ja1078)

大学部3年304組 女 阿修羅
撃退士・
ヴィーヴィル V アイゼンブルク(ja1097)

大学部1年158組 女 ダアト
万里を翔る音色・
九十九(ja1149)

大学部2年129組 男 インフィルトレイター
二月といえば海・
櫟 諏訪(ja1215)

大学部5年4組 男 インフィルトレイター
無傷のドラゴンスレイヤー・
橋場・R・アトリアーナ(ja1403)

大学部4年163組 女 阿修羅
Orz/天の華は星と戯る・
水杜 岳(ja2713)

大学部3年237組 男 ディバインナイト
懐かしい未来の夢を見た・
栗原 ひなこ(ja3001)

大学部5年255組 女 アストラルヴァンガード
世紀末愚か者伝説・
虎綱・ガーフィールド(ja3547)

大学部4年193組 男 鬼道忍軍
闇の戦慄(自称)・
六道 鈴音(ja4192)

大学部5年7組 女 ダアト
道を拓き、譲らぬ・
燐(ja4685)

中等部3年1組 女 阿修羅
SneakAttack!・
高峰 彩香(ja5000)

大学部5年216組 女 ルインズブレイド
パンツ売りの少女・
焔・楓(ja7214)

中等部1年2組 女 ルインズブレイド
トラップは踏み抜くもの・
水城 秋桜(ja7979)

大学部7年186組 女 鬼道忍軍
眼鏡は世界を救う・
クインV・リヒテンシュタイン(ja8087)

大学部3年165組 男 ダアト
駆けし風・
緋野 慎(ja8541)

高等部2年12組 男 鬼道忍軍
場を翻弄するもの・
荻乃 杏(ja8936)

大学部4年121組 女 鬼道忍軍
撃退士・
艾原 小夜(ja8944)

大学部2年213組 女 鬼道忍軍
美貌の奇術師・
紺屋 雪花(ja9315)

卒業 男 鬼道忍軍