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マスター:火乃寺
シナリオ形態:ショート
難易度:やや易
参加人数:8人
サポート:4人
リプレイ完成日時:2012/04/23


みんなの思い出



オープニング

「今回集まって頂いたのは、少し荒っぽい依頼をお願いしたく思いまして」
 コーヒー喫茶『雨音』のマスター、壬生谷 霧雨(jz0074)は、閉店後の店内に集まった学生達の前で、普段の客商売では見せない真剣な表情を見せる。
「入学の時期になり、周辺地区にて風紀委員会の目をかいくぐり、無法を働く集団が居ります」
 腕組みをとき、用意していた用紙を、各々席に着いた学生達に手渡して回る。今回の依頼で必要なデータが記してあった。
「日本では四月は入学の時期。久遠ヶ原学園にあっても、そういった正式な行事予定は。やはり日本式なのですが」
 アウルの適正が見つかった場合、希望する生徒は常時入学可能だが、やはり一般高からの進級や、時期をあわせて入学してくる生徒達への本式の入学式は四月に行われている。
「皆さんもそうだった様に、新入生に学園から一定の久遠が支給されるは周知の事。故にこの時期を狙って彼らを襲撃し、久遠を奪い取る事件が、ここ暫く相次いでいるのです」
 無駄に広大な面積を持つ学園の立地が災いし、人目の及ばない一角などが、どうしても存在する。そういった場所に引きずりこまれ、複数で暴行されれば、目撃者がない限り救い様がない。
「学園に来たばかりで力の扱いもまだ習得していない者には、それがドロップアウトした撃退士崩れとは言え敵う相手ではなく、放っておけば被害は続くでしょう」
 勿論、学園としても対処をしていないわけではないのだが。
「本来なら、風紀委員会が取り締まる案件であります。が、彼らの元にはより大きな案件も持ち込まれる為、現実問題として処理が追いついていないらしいのです」
「そこで、商店街の有志で依頼料を出す形で、この度お願いする事になりました」
 一気にしゃべった為、一旦言葉を切り息をつく。ついでに、学生達にも好みのドリンクを振舞う。
「まあ、風紀に動かれると、予算がどうこうと嘆かれる部署も一部にありまして」
 何を思い出したのか、それまでの表情を崩し苦笑する壬生谷。生徒会に一度相談を持ちかけた時の事を思い出していた。
 今回の依頼は、筋として生徒会や風紀委員会にも話を通す必要があった為、その途中で色々とあったらしい

「新生活への期待や不安を抱いて入学された彼らが、最初の段階でこのような被害に遭うのは、個人的にも許し難い」
 再び表情を引き締め、続ける。
「基本は生け捕りにしてください。生きてさえいれば、他の事については私も関係部署も目を瞑ります」
「ただし、リーダーと思われる男。彼については、その生死を問いません」
 本来ならドロップアウトした者については撃退士免許を取り上げられ、V兵器も没収される筈なのだが、リーダーと目される男はどんなルートを使ってか、それを所持していたらしい。
 一度遭遇した風紀委員の一人が、その折に重傷を負っている。今回の件に志願した彼らの身の危険性も考慮し、彼の者については生殺与奪を一任すると。
 無論、生かしたままの方が心象は良いし、余罪の追及なども行える為、委員会から歓迎されるのは言うまでもないのだが。
「同時に、彼らに奪われた久遠を取り戻してください」
 恐らく全額は戻らないと思われるが、その分は学園側で補填して被害者に返却する事になっていた。
「くれぐれも油断なさらぬよう。どうか、よろしくお願いします」


リプレイ本文


 巌瀬 絋司(ja0207)、峰谷恵(ja0699)、木ノ宮 幸穂(ja4004)は、裏口班として北側の路地へと入り込む。
 事前に他の者が過去の廃ビル見取り図を頼んで手に入れていた為、見落とす事無く配置が行われていた。
「死んだ方がマシと思わせないとね」
 笑顔で、やたら物騒な事を呟く木ノ宮。金色の瞳の奥に、静かな怒りが揺れる。
「事務所の非常口は・・はまず使えないが」
「もう一つの方は使えるんだよね?」
 裏口の状態を確認した巌瀬に、木ノ宮が返す。
隣の建造物が崩れて瓦礫に完全に埋まっていた。だが厨房の通用口は無事で、その上綺麗に片付けられている。
恐らく無法者達がやったのだろう。
「奴らも裏口として認識しているんだ」
 見張りがいないのは単に考えが足りないか、気づかれない様にのどちらかなのだろう。
 つまり逃げる必要に迫られた時、こちらを使う心算なのだ。巌瀬と木ノ宮は簡易な足掛け罠を張り、少し先の地面を軽く溝状に掘って油を流し込んでおく。大きな効果は無いだろうが、時間稼ぎに位はなるかもしれない。
「扉の向こうには、人がいないみたいだよ」
 その間、峰谷は通用口の鉄扉に耳を押し当て、中の様子を出来るだけ探ろうとしていた。もしすぐ内側に敵がいれば、感づかれる恐れもあるからだ。
(兄さんが言ってた喧嘩の仕方・・殴る時は掌で殴れ。やるとなったら躊躇うな。相手の弱い奴を無言で即効殴り倒してびびらせろ。
 ・・・・それと、絶対にびびるな。喧嘩はびびったもん負けだ)
 亡き兄の言葉を思い出し、胸中で自分に言い聞かせながら。
 どうやら内側に人の気配は無いように思われた。余程自信があるのか、単に抜けているだけかは分からない。
 無事罠の設置も終わり、巌瀬、木ノ宮と頷きあった彼女は準備しておいたメールの送信ボタンを押した。

 表班。
(生死は問わず、か)
 無法を働く相手だと言う事は十分承知し、捕縛する為に容赦する心算はなかった。
 だが、殺すとなればまた別の話になる。その可能性は、朱烙院 奉明(ja4861)の心を重くする。
 ともかく出来る事をやる、そう気持ちを切り替えた。
(リーダーの生死問わず・・ですか。まあ、相手もその程度は覚悟しているでしょう)
 筑波 やませ(ja2455)は朱烙院と見張り対処を再確認しつつ、考える。
「使い古された手だが」「分かりました、ではその手筈で」
二人から少し離れた所で裏口班の合図を待っていた柴島 華桜璃(ja0797)は、どきどきとする大きな胸を押さえながら、その時を待っていた。
(初めての仕事だから、ちょっと緊張するけど頑張る!
 ちゃんと戦闘訓練も格闘演習もしてるから、多分大丈夫っ!・・・・だと、思うの)
 若干強気な弱気になりながら。
「強行突入による制圧ですか。
 えっと、俗語だとカチコミって言うんでしたっけ・・?」
 どこか感情の起伏が薄い、平坦な口調でフローラ・ローゼンハイン(ja6633)は、準備段階の間、周囲警戒をしている平間院 兎羽(ja7507)に語りかける。
「う〜ん、どうなんでしょ?」
 おっとりと小首を傾げる平間院は、荒事とは余り縁がなさそうに見える少女だった。
「ともかく依頼人のオーダーですし、こうなったのも彼らの自業自得ですからね」
 暫くして、裏口班から朱烙院のスマートフォンへ準備完了の合図が送られてきた。


 入口からは見えない位置で、朱烙院が空き缶を地面に落とす。
「あ? 何だ今の」「野良猫か犬だろ」
 だが、再び響く音。見張りは顔を見合わせ、とりあえず原因を確認しようとそちらへ向かう。
 寄って来る見張りを物陰に隠れてやり過ごした筑波は、忍軍の技で足跡も気配もほぼ完全に消し去り、敵の背後をとる。
 内一人の首筋に手刀を叩き込んだ。
「――っ」「な、何だてめ――がっ!」
 相方の倒れる音に振り返ったもう一人も、その背後へ飛び出してきた朱烙院の手刀で同じ運命を辿った。
 気絶した二名を、平間院の持ってきた縄で筑波と二人縛り上げ、目が覚めても騒げない様に猿轡を噛ませた。
「さて、ここからが本番だな」
 裏口班へ、突入開始の通信を送り、五人は一斉に地下入口を目指した。

 扉が蹴り開けられ、複数の人影が押し入ってくる。
「んなっ、なん――も゛ほぉ!!?」
 尤も入口近くにいた男の股間に、ローファーの爪先が突き刺さる。その間で、柔らかな何かが潰れた感触があったが、フローラは気にせず屈みこんだ男の顎を膝で蹴り上げた。折れた歯や泡を吹き出してそのまま気絶する男。
「「・・・・」」
 一瞬だが、その光景に筑波と朱烙院は憐憫の視線を向けたとか向けなかったとか。
 どれだけ超人になっても、男には鍛えられない部位と言う物があるのである。合唱。
「殴りこみだぁ?!風紀の奴らか!」「ふざけやがって、この前みたいに潰してやるよ!」
 突入したその場で魔法を撃とうと構えていた柴島は、突っ込んできた男が振り下ろしたナイフを腕に受け、痛みに涙目になる。
 別に切れたりしていないのだが、打撲程度でも痛い物は痛いのだ。
「ちゅ、中学生相手に全力で攻撃してくるなんてっ、非道いっ」
「そっちから仕掛けておいて、今更何いってんだこのガキ!」
 釣り目がちなダークブラウンの瞳をうるうるさせ、良心に訴えかけてみるが、相手は元から無法者。
 まあ、通じる訳が無かった。意外に正論を吐かれたし。
「むっ、あたしはガキじゃないよっ」
 後退して、今度は不意打ちを受けない位置を取り、伸ばした右腕に左手を添える。
「セット・・シュート!」
 手加減されていたとは言え魔力の光矢を腕ごと武器に受け、焼かれる様な痛みに男は蹲る。
 その鳩尾にいい角度で蹴りを入れ、気絶させた。
「ごめんね、暫く寝ててっ」
 見事に足払いを決め、倒れた相手の利き手に踏みおろす。鈍い音がして悲鳴が上がる。
「てめぇ!」
「破ッ」
 背後から襲いかかってきた相手に、朱烙院は上段回し蹴りを決め、壁際まで吹き飛ばす。
(・・・・こんなにも力の差があったのか)
 二〜三発入れただけで、戦闘不能になる者達。死線に立ち戦う者と、力を弱者への暴力に替えた者との差。
 その余りの手応えのなさに、彼は若干の戸惑いを覚えた。
「やらせませんよ〜」
 ブロンズシールドを構えた平間院は、発砲してくる相手に向かって距離を詰め、その手首を取る。
「は、はなせ、この・・おわっ」
 咄嗟に離れようとする相手の力を捌き、逆に利用してくるりと宙に舞わす。地面に叩きつけた相手に当て身を食らわせて、気絶させた。
 筑波は素早い身のこなしで避けつつ、銃を持つ敵を相手取りながら、リーダーの姿を探して視線を巡らす。
(広間にはいませんね。とすると事務所か厨房の方ですか)
 相手の外見は、朱烙院が聞き出して仲間全員に周知していた。赤毛の箒頭で、額に大きな傷がある男。
(まあ、この騒ぎですからその内出てくるでしょう)
 脇に挟んだ腕をへし折り、悲鳴を上げる男の鼻面に肘打ちを決めて沈める。

「うるせえぞ、何を騒いでやがる!」
「り、リーダー、どっかの馬鹿が殴りこんできたんすよ!しかも強ぇっ」
「んだとぉ!!」
 事務所で手下から襲撃の報を受けたリーダーは、ドアに駆け寄って隙間から様子を窺う。
(ちっ、まずいな。奴らとこいつらじゃ、質が違いすぎる)
 一目で不利なのは分かった。相手は五人だが、一部を除いて戦い慣れているのが分かった。
 広間のいた筈の人員は、既に1/3が床に伏せていた。
「おい、ブレーカーを落とせ」
「へ?そ、そんな事したら同士討ちになるんじゃ・・」
「いいからやれ」
 魔法の様にリーダーの手に現れた銃を向けられ、手下は青ざめた顔で配電盤の方へと走った。

「うわ、なんだ!?」「あ、明かりが・・何も見えねぇ」「おい、撃つな!」
 天井に幾つか残っていた照明が一斉に消え、暗闇に包まれる広間。
「真っ暗で何にも見えないよ!」「まずいですね・・逃げる心算かも」「くそっ」「・・・・」
 肉体能力がどれだけあっても、夜目の力まで上がった訳ではない。途惑い焦る四人だったが、突然傍で優しい光が瞬き、広間を明るく照らし出した。
「これで大丈夫でしょ?」
 輝きの中心でにっこりと笑う平間院。もしかしたらと備えておいた術が文字通り光明となる。
「助かります」「流石だ」「・・助かります」
 彼女に声をかけ、仲間達が残った敵に対して再度仕掛けていく。
「ナイスだよ!」
 ぐっと親指を立てて笑顔を向ける柴島に、彼女ははにかんだ笑みを浮かべて照れた。


 同時突入を考えていた峰谷だったが、表班が注意を惹きつけてからという巌瀬の案を受け入れる。
 思惑通り敵の注意は広間に集まっていた為、三人は何の抵抗も無く通用口から突入。
 最後尾で木ノ宮は、念の為にとドアノブに瞬間接着剤をつけて固定しておいた。
 そうして彼らは、無人の厨房を駆け抜けて広間へ飛び出す。
「なっ!? こっちからごぉ!?」
「喧嘩は先手必勝っ(らしいです)」
 手近にいた柄の悪そうな男の振り向きざまに峰谷の掌底が打ち抜き、よろけた所で鳩尾に一撃。男は白目を向いて倒れる。
「こちらには五人程度だ、挟み討つぞ!」
 巌瀬が表班に叫ぶ。
 闇に乗じて逃げようと、久遠の入ったバッグを肩に下げて壁伝いに向かっていたリーダーは、裏口を抑えられた事実に顔が歪ませる。
「くそ!」
 現役で天魔と凌ぎあう撃退士達と、無法者に墜ちた者達とでは経験も技量も違う。
 見る間に数を減らし、床に伸び、或いは泡を吹いて悶絶する手下達に、リーダーは必死に逃げ道を探した。

 入口は五人、裏口は三人。
 挟み撃ちで浮き足立った手下達に見切りをつけ、傍にいた手下を盾に発砲しながら三人の方へ突撃する。
「ひぃ!?何するんですかっ!」
「うるせぇ、黙ってろ!」
 銃弾を避けた三人の間に飛び込み、突き飛ばした手下を囮に無理やり突破をする。
「きゃっ!?」「むっ」「しまった!」
 手下を峰谷と木ノ宮に任せ、後を追う巌瀬。
「なんだ、開かねぇ?!」
 木ノ宮が固定しておいたノブが、リーダーの足を止める。だがすぐに銃で撃ち抜き、蹴り開ける。
 階段を駆け上がった所で出口の罠に一躓き、降って来た網を被る。
 ちゃちな罠だと振り払おうと踏み出した足が溝にはまり、溜まっていた液体にずるりと滑らせた。
「うをっ!?」
 この間に距離を詰めていた巌瀬が、階段下から一気に跳躍し、揺らぐ白金のオーラを帯びたショートスピアの柄でリーダーの脚を強かに打ち据える。膝を狙ったのだが、僅かに逸れてしまった。
「ぐっ! クソが、くたばりやがれ!」
「ちっ」
 次の瞬間に彼に向けられる銃口。咄嗟に射線から身を反らし、弾丸が肩を肉ごと削る。
「うぐっ、つっ」
 掠めた程度でありながら、右肩が吹き飛ばされそうな衝撃に戦慄する。風紀委員が重傷を負ったと言うのも頷ける威力。
 何故これほどの実力がありながら、犯罪に走ったのか。
「巌瀬さんっ!」
 駆けつける峰谷。放たれる光弾が咄嗟に防いだリーダーの左腕を焼き、苦悶の声を上げさせる。
 今度は彼女に向かって発砲するが、その後ろから現れた木ノ宮の矢が、放たれた銃弾を撃ち弾道を逸らす。
「んなっ?!」
 驚くリーダーの銃を持つ右腕に、短槍の柄が振り下ろされたのは次の瞬間だった。鈍く、重い音が響き、あらぬ方向に曲がる腕。
「ぐあ゛ああっ!?」
 折れた二の腕を押さえ、苦痛にのた打ち回る男。落とした銃を峰谷の方へ蹴り飛ばし、その背を踏みつける。
「詰みだ、諦めろ。嫌だと言うなら、死体にして引き渡してもいいんだぞ?」
「ぐうぅ・・野郎が・・づっ」
 間もなく、広間の敵を捕縛した他の五人も集まって来る。武器も失い多勢に無勢。逃走は最早不可能だった。


「本当にこれだけか?」
 リボルバーを押し当て、尋問する朱烙院。
「う、嘘はじゃねぇよ・・いや、無いです」
 ごりっとおしこまれた銃口に、慌てて言い直すリーダー。
 持っていたショルダーバッグ、それから締め上げて吐かせた場所を数人で探し、強奪された久遠を回収する。
 その上で、巌瀬はそれ以外の場所も丹念に調べまわり、嘘ではない事を確認した。
「傷を負ったものはいないか?」
 そして仲間の負傷を見て回る。打撲以上の目立った負傷は無く、平間院が既に救急箱を用いて簡単な手当てを終えているようだった。
 安心して自分の肩を魔力で癒し、一息つく。
「もう二度と悪い事はしませんよねっ?」
 そうなれれば、誰にとっても幸いなのだろう。
 縛り上げて委員会への引渡しを待つ無法者達に、にっこりと笑顔で語りかける柴島。
 彼らに対しても、平間院は簡単な手当てをしておいた。男としてちょっと深刻なダメージを負った者はどうしようもなかったが。
「特に問題ないですね」
「あははは・・・・」
 フローラがどこかに向かって呟き、峰谷が苦笑を浮かべていた。

 暫くして、やってきた風紀委員会に引渡しを済ませる。
「お見事な手並みです。貴方達に任せた先輩達は、慧眼でした」
 全員の捕縛、死傷者皆無の成果。処理を担当した委員は、掛け値なしに彼らに賞賛を送り、一人一人と握手を交わしていった。
「V兵器の横流しのルートについても、お蔭様で手がかりも得られそうです。本当にご苦労様でした!」

 後日、委員会の方からも些少だが褒賞を出すと言う事になったという。


 依頼から数日後。朱烙院は、喫茶『雨音』を訪れていた。
 ぼんやりとカウンターに座って、先日の依頼の事を思い返す。
 結局、あの時、人を殺めるという事に対しての覚悟を決められていなかった。
 それは甘さか、或いは弱さか。
 かつて力なく弱かった頃と、アウルと言う力を手に入れた今は、何かが違ってしまっていた。
「まだまだ甘い、な」
 カップに残るコーヒーの水面に映る自分に向かい、自嘲気味に呟く。
「おや、甘すぎましたか?」
 それを耳にしたのか、壬生谷に突然声をかけられる。
「あ、ああ、いや。コーヒーの事じゃないんだ」
「そうでしたか、ならよかった」
 にっこりと笑いながら。
「でも、きっとコーヒーも人間も、少しくらい甘い方がより味わい深いと思いますよ」
「・・・・からかってますか?」
「さて、どうでしょう」
 甘さを切り捨てるのか、受け入れるのか。
 答えは、彼がこれからも撃退士として生きていく先に、見出せるかもしれないと。



依頼結果

依頼成功度:大成功
MVP: 揺るがぬ光輝・巌瀬 紘司(ja0207)
 術嫌いの魔砲使い・朱烙院 奉明(ja4861)
 光明のウィングラビット・平間院 兎羽(ja7507)
重体: −
面白かった!:7人

揺るがぬ光輝・
巌瀬 紘司(ja0207)

大学部5年115組 男 アストラルヴァンガード
掃除戦士・
峰谷恵(ja0699)

大学部1年129組 女 ダアト
グランドスラム達成者・
柴島 華桜璃(ja0797)

大学部2年162組 女 バハムートテイマー
風の向くまま気の向くまま・
筑波 やませ(ja2455)

大学部7年271組 男 鬼道忍軍
撃退士・
木ノ宮 幸穂(ja4004)

大学部4年45組 女 インフィルトレイター
術嫌いの魔砲使い・
朱烙院 奉明(ja4861)

大学部9年47組 男 ダアト
百火亮乱・
フローラ・フェルミ(ja6633)

高等部1年20組 女 インフィルトレイター
光明のウィングラビット・
平間院 兎羽(ja7507)

大学部5年227組 女 アストラルヴァンガード