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マスター:久生夕貴
シナリオ形態:ショート
難易度:難しい
参加人数:6人
サポート:2人
リプレイ完成日時:2013/01/22


みんなの思い出



オープニング

 冬の晴れた日は、いい。
 前夜に雪が降った日は、特にいい。
 きん、と冷え切った大気が、いつもより澄んで見えるから。

 斡旋所スタッフの西橋旅人(jz0129)は、うっすらと雪が積もる芝生に立ち、まぶしそうに空を見上げていた。
 澄み渡った上空を、黒い影が横切る。
「戻っておいで」
 旅人が声をかけると、その影は大きく一度だけ旋回し。
 弧を描きながら滑空を始めると、瞬く間に近づいてくる。そして彼が掲げた腕へ、すべるように飛び乗った。
「おかえり、半蔵」
 旅人が穏やかに微笑みかける。
 対する黒鷹は満足そうにその翼をばさり、ばさりと羽ばたかせた。

「ふん、随分とご機嫌のようだな」

 背後からかけられた声に、旅人は振り向く。そこに立っていたのは、仏頂面をした子供。
 否。少年の姿をした、はぐれ悪魔。
「鷹匠か。まったく人間は変わった趣味を持った奴がいるものだ」
 そう言いながら近づいてくる太珀(jz0028)に、旅人は面食らった様子で尋ねる。
「先生、こんな所でどうしたんです」
 ここは広大な学園内でもかなりはずれた場所にあり、よほど用事でも無い限りまず訪れることはない。
 そう、誰もいない場所で鷹を飛ばそう、などと考えでもしない限り。
「僕が用もないのに、こんな所に来るわけが無いだろう。西橋旅人、貴様に用があって来たのだ」
「えっ……僕に、ですか」
 困惑気味の旅人に構わず、太珀はおもむろに切り出す。
「ここ最近の四国についてだ。今あそこでは急激に天魔が関わる依頼が増えている。そのことには、当然気付いているな?」
「え、ええ……。最近、妙に多いなとは思ってましたけど…」
 それを聞いた太珀はやや鋭い目つきで旅人を見据えると、口を開く。
「いいか、人間。――物事には道理というものがある。天魔にしろ、人にしろ、何かが慌ただしい動きを見せている以上、そこには何か理由があると見るべきだ」 
 旅人は黙り込んだ。太珀の言うとおり、ここ最近四国での依頼数は急激に増加している。自身も気にはなっていたのだが、慌ただしさのあまり、思考まで追いついていなかった。

 背筋を冷たいものが滑り落ちる。
 一体あそこで、何が。

 沈黙する旅人の耳に、悪魔教師の響きが届く。
「ようやく事態が飲み込めてきたようだな。しかし僕やお前が懸念しているだけじゃ、学園は動かせない。何せ京都の小競り合いもまだ油断できないし、先だって長野の一件もあったからな。今、これ以上学園が余力を回すためには、もっと確証が要る」
「情報次第では、学園側も動き出す……と」
「そう言うことだな」
 太珀の確信めいた言い方に、旅人は固唾を呑む。
 この教師は京都での一件をただ一人見抜いた人物だ。そのあまりある知識量を備えた勘が、言っているのだ。

 四国で何かがある、と。

 二人の視線が、交差する。
「――では、僕は何をすればいいですか」
 急に表情を引き締めた旅人に、太珀はうなずいてみせ。
「今から言うことを全てやって、僕に報告しろ。まず四国内において、ここ二ヶ月間で起きた一連の事件を全て洗い流せ。悪魔が関わっているのも、天使が関わっているもの、関係無くだ。その上で導き出されるこの騒動の原因とこれから起こりうる可能性、加えて学園側が取るべき対策を考え、まとめて、提案してみせろ。依頼に同行しているお前なら、拾えるものも多いはずだ」
 そう一気に言い終えると、旅人と向き合い。 
「結果次第では、僕が直接学園と掛け合う」
「わかりました、必ずやり遂げます」
 旅人の即答に太珀はにやりと笑みを浮かべ。背を向けながら、当然のように言い切る。

「報酬は多めに出してやる。それだけの価値が、恐らくあるからな」

 言い終えたと同時、黒鷹が空へと舞い上がった。


リプレイ本文

 ここは、久遠ヶ原学園内にある会議室。
 集まっているメンバーの表情は、穏やかな陽差しが差し込んでいる室内と相反して、一様に硬い。
 斡旋所スタッフの西橋旅人(jz0129)が全員を見渡し、おもむろに口を開く。
「集まってくれた皆、協力ありがとう。それじゃあ、始めようか」

●四国についての検討

 ――Round1:今何が起こっているのか――

「この件については天界側、冥魔側に分けて検討したいと思う」
 旅人の言葉に、暮居 凪(ja0503)が手を挙げる。
「ではまず、天界側から行かせてもらいます」
 彼女はその知的な眼差しを皆に向け。
「四国における天界側の動きで最も大きいものは、やはり使徒『森野菖蒲』による停戦地域の提案でしょうね」
「資料によると…彼女は高知県土佐市で一部地域を人間との停戦地区としたらしいね」
 旅人の言葉に、凪は頷き。
「森野菖蒲に変化が見られ始めたのは『封都』以後『天魔大戦』以前であったことが報告されています。これが本人の意志なのか上役より命を受けたからなのかはわかりませんが…。私が気になるのは、例え彼女の意志によるものだとしても、使徒の立場で停戦条約を結ぶなどという行為が単独で許される筈がないと言うこと」
「つまり――背後に大きな力を持つ存在がある、と」
「ええ。そこでこの地域で忘れてはいけない存在があります。愛媛石鎚に君臨する巨大ゲート『ツインバベル』。ここを管理する天使の一人『ミカエル』は穏健派の代表とも言える存在」
 凪は地図が張り出されたホワイトボードに視線を移しながら、続ける。
「あの上位天使が関わっていると考えるのが、自然ではないでしょうか」
「なるほど…じゃあこの件について他に意見がある人はいるかな」
 旅人の問いかけに、小田切ルビィ(ja0841)が手を挙げる。
「その使徒の動き…なんだが。恐らく、良くも悪くも四国全体に影響を与えていると思うぜ」
 ほう、と言う声が漏れる中、ルビィは手にした資料に視線を落としながら話す。
「堕天した奴らへの取材をしてわかったんだが、天界における今の主流は過激派らしい。ミカエルを中心とする穏健派は少数である以上発言力も低いみてえだな」
「そんな穏健派が治めているのが、四国…という訳か」
 旅人の言葉にルビィは「ああ」と返し。
「今まではツインバベルの強力な力もあって、過激派との均衡が何とか保たれていたんだろう。しかし封都以降活発な過激派の動きに加え、あの使徒による停戦条約と来た。ここまで言えば、大体わかるだろうが…」
「穏健派と過激派の均衡が崩れた……」
「その通り。このまま行けば、穏健派の力が強まってくる可能性があるからな。それを過激派が黙って見ているとも思えねえ」
「なるほど。それが使徒・『前田走矢』殿による、港の襲撃に繋がるわけでござるな」
 虎綱・ガーフィールド(ja3547)がふむふむと言った様子で、腕を組む。
「あの御仁は過激派の先鋒と言っても、過言ではござらんからな!」
「そう言うことだ。あの使徒は過激派の命を受けて四国に乗り込んで来たと見て、間違いないと思うぜ」

「つまり、まとめると――」
 旅人がゆっくりと皆を確かめるように、口を開く。
「現在四国では穏健派による、人間との停戦地域が存在している。これは穏健派上位天使による何らかの意志が働いている可能性もあり、そのことに過激派が反応し派閥争いが激化した…と言うことで良さそうだね」 



「じゃあ、次に冥魔側を見てみようか」
「これはうちに任せて」
 旅人の言葉にいの一番に挙手をしたのは、雨宮祈羅(ja7600)だった。
「まず、この二ヶ月四国で起こった事件の統計を取ってみたんだけど…とにかく数が多いのが気になるね。これは天界側の比じゃないと思う」
 祈羅はホワイトボードの前に立つアッシュ・クロフォード(jb0928)に頼む。
「アッシュちゃん、今からうちが挙げていく地域に印をつけていってもらえる?」
「OK、任せて」
 祈羅が指示した場所に、アッシュは次々にペンでマーキングをしていく。その数、ざっと二十近く。
「うわ…こんなに多いんだ。驚いたな」
 これだけ見ても、四国で何かが起きているのはわかりそうなものである。
「うんでもね…この事件の巧妙な所は、一つ一つに関係性が感じられないところなんだよね。ぱっと見、ただ悪魔が各地で遊んでるようにしか見えない」
「もし関係性を指摘するとすれば……」
 旅人の言葉に、祈羅はちらりと自分の隣に座る加倉一臣(ja5823)を見て。
「これは一臣ちゃんから話した方が説得力があると思う。お願いできる?」
「わかった」
 相関図を作成していた一臣は立ち上がり、地図上のマーキングを指す。
「ここと、ここ…それとこれもか。俺はここ二ヶ月で道化姿の悪魔に、少なくとも三回は会っている。しかも全て、四国内でのことだ。この頻度はちょっと見過ごせないんじゃないかね」
 一臣の説明に、メンバーはなるほどと頷く。祈羅が補足を入れ。
「そうなんだよね…うちの探偵さんが行った依頼でも、実はその悪魔が目撃されてる。それと報告書には書かれてなかったと思うけど、うちと一臣ちゃんが一緒になった依頼…うんそうそう、一臣ちゃんの髪が燃えたやつね。あれも同じ子供の悪魔が目撃されてるって噂もある。そうなるとあのクソガキ…悪魔は、五回も同じ地域で事件を起こしてるってわけ」
 皆を見渡して。
「しかもね、これと同じ現象が他でも起きているみたいなんだ。大きな化け猫や、紅い眼をした怠そうな男、蝿を従えた少女なんてのも度々目撃されてる。どれも悪魔って所がさ……何か理由があるとしか思えないよ」

 ごくり、と固唾を呑む空気が漂う中。旅人は進行役としてあくまで落ち着きを保ったまま、切り出す。
「その理由について…意見はある?」
「そこなんだけどね」
 一臣が先に切り出し。
「俺の会ったミスター…クラウンとレックスは、わざわざ四国に呼び出してまで人の覚悟を試すようなことばかりしている。本人達は賭けごとだと言ってるけど――」
「遊びにしては、手が込みすぎている、と」
「そう言うこと。しかもシルバと言う悪魔…だっけか。彼に至っては報告書読む限り人間そのものに興味なんて無さそうだった」
 それを聞いた虎綱が、微かに視線を上げ。
「単なる気まぐれな遊戯、とは到底思えませぬな」
「同感だね」
「もしその者達の動きが、わざとで御座るなら…」
 ――陽動。
 鋭くなった旅人の視線に、虎綱と一臣は頷き。祈羅も立ち上がりながら言う。
「今回の悪魔の動きには二種類あると思うんだ。一つはさっき言ったとおり陽動に見える派手な動き。もう一つは、その影で頻発している小さな冥魔の動き」
「僕らが本来注目すべきなのは、後者だった…」
「うん。で、この小さな動きの方はね…何かを調べているんじゃないかと思う」
「…あり得るね。天界に探りでも入れていたのかな」
「それもあると思う。でもうちはそれ以上に、もっと『大きな目的』を持って調査しているんじゃないかって」
 旅人の表情が、わずかに強ばり。
「…なるほど。じゃあその件については、後でまとめて検討しよう」
 周囲を見渡して。
「他に、冥魔の気になる動きについて意見のある人はいるかな」

「あ、自分が言ってもいいですかー?」
 櫟 諏訪(ja1215)が挙手する。
「最近四国でとある悪魔による、情報リークがあったのを知っていますかー?」
「ああ、ええと…ディアボロが小村を襲った事件の時だね。襲われる前に情報提供があったとか」
「そうです。この件でちょっと気になることがあるのですよー」
 諏訪は資料を指でなぞりながら、続ける。
「この事件は表面だけ見ると、冥界を裏切った悪魔の気まぐれで終わっちゃいますー。でも、ここには何か思惑が潜んでいるんじゃないかと思うのですよー」
「思惑、と言うと…」
 諏訪はちらりと自分の隣に座るアスハ・ロットハール(ja8432)に目配せをし。
「これは一緒に参加していたアスハさんに説明をしてもらってもいいですかー?」
 頼まれたアスハは軽く頷くと、口を開く。
「参加当時…僕は不自然なものを感じていた。あれは裏切り者をあぶり出すために、冥魔側が事件を利用したとも考えられるのだが…そもそも、手勢を犠牲にしてまでやろうとする姿勢に疑問が残る」
「その意見には、賛成だね」
 アスハはやや考え込むように。
「この背景にはもっと…何か大きな流れが潜んでいるのではないかと推測している。僕の考えとしては…あの事件は情報リークさせること自体が目的だった可能性がある…と」
「リーク自体が目的…か」
 諏訪が後を継ぎ。
「つまりですねー。小出しに情報を掴ませることで、その裏にある大きな『何か』が漏れないようにしているのではないかと思うのですよー」
「なるほど…十分にあり得るね。その『何か』については……」
「恐らく、雨宮さんが言った『大きな目的』に繋がるのではないですかねー?」

 旅人は一度瞬きをすると、皆を見渡し。
「まとめると――四国では大小の差があれど冥魔による事件が頻発している。多くの悪魔が集結してきており、陽動とも思える派手な動きも多い。一方で何かを調査し、情報操作を行っているようなきらいも有る。裏で『大きな何か』が動いているのでは――と言うことでいいかな」


 
 ――Round2:これから何が起こるのか――

「じゃあ、たたき台として俺の俯瞰的考えを言わせてもらうぜ」
 先陣切って、ルビィが切り出す。
「天界側は今まで以上に、穏健派と過激派の派閥争いが進むと考えて問題ねえだろうな。その動きを嗅ぎつけた冥魔側が隙あらば漁夫の利を狙おうと動いているはずだ。この機に乗じて四国での勢力拡大を狙い、下手すりゃツインバベル攻略を目指していてもおかしくは無いぜ」
「そうだね。その流れについてはまず間違いないと思う」
 旅人は眉をひそめながら呟き。
「じゃあこの流れを元に具体的に両者がどう動いていくか、検討してみようか。まず、天界についてはどうかな」
 凪が反応する。
「使徒・森野菖蒲は、四国における冥魔の動きを察知している徴候が見られます。これが上位天使に伝われば、何かしらの動きがあるのではないでしょうか」
「人間側への情報又は武力提供もあり得る…と?」
 そこで虎綱が大きく手を挙げ。
「確かに穏健派は今の所、友好的で御座る。しかし彼らの言動はやや心地よすぎる気がしましてな。抜かぬ刃と言えば聞こえはいいが、それは我らを監視し、行動を制限する可能性もあるということ。警戒するに越したことはありませぬ」
「そうだね…そもそも穏健派の全てが、停戦条約に賛同しているとも思えないし。あくまでこれはレアケースとしてこの先どうなるかわからない、と見ておくのが良さそうだ」
 虎綱は顎に手をやりながら、続ける。
「それに加えて使徒・前田の動きも気になりますな。港で戦った時は、何か特殊な兵が集められている気もしましてのう。橋や港と言った交通の要所を押さえて四国そのものを手に入れようとしているのかもしれませんぞ」
「うん…過激派の行動は、まさに人を圧する為の行動に見える。このまま穏健派を排して、自分たちが支配しようとしていてもおかしくはないだろうね」

「じゃあ、次に冥魔側はどうかな」
 地図の側にいたアッシュが手を挙げる。チェス駒型のマグネットをうまく用いて、冥界・天界を分けているようだ。
 彼は黒のキングを指さすと。
「冥魔側が白のキングとクイーン…ツインバベルを落とそうとしているなら、手勢を送り込む以上の何かを用意している気がするんだよね」
 黒のポーンやビショップに視線を移しながら。
「その上で僕が気になるのは、この冥魔が襲撃した場所にある程度法則性があるんじゃないかってこと」
「法則性か…それについて何か意見はある?」
「そうだね…」
 アッシュは地図を眺めながら首を傾げ。
「…陽動目的の事件を除くと、比較的主要都市に集中しているように思うよ」
 それを聞いたメンバーは、あっと言う表情になる。祈羅も手を挙げ。
「うちもそれが気になってた。攻撃された地域は香川の高松とか、愛媛の松山、徳島の鳴門市…共通するのは、人が集まる地域だってこと。それって要するに経済や交通の要所ってことなんだよね」
「なるほど…言われてみれば確かにそうだ」
 旅人の反応に、アッシュと祈羅は顔を見合わせ頷く。
「で、これがさっき言ってた『大きな目的』に繋がるんだけど…」
「こういう場所にゲートを作られたら、大変なことになると思わない?」

 室内が水を打ったように静まりかえる。
 巨大な闇が現在進行形で動いている、感覚。

 旅人は慎重に口を開く。
「…ゲートを作るには、その地域の地形や地脈を調べなくちゃいけないらしい」
 その為の調査をしているのだとしたら。
 虎綱が、低く呟く。

「四国は、これから戦場になりますな」


 ――Round3:これから取るべき対策――

「じゃあ自分からいきますよー?」
 諏訪が手を挙げながら、立ち上がる。
「今までの検討結果を見る限り、事態は思った以上に進んでいますねー。報告によると四国以外の地域でも悪魔が活発化しているみたいですし、天界に対抗して何か大きな作戦を準備しているとしか思えませんよー」
 頷く旅人を見て、諏訪は皆を見渡して。
「それを踏まえてなんですけど、今まで事件があった場所…とりわけ主要都市での調査を早急に開始するべきではないですかねー?」
 次に凪が挙手し。
「私は過激派及び冥魔への対策として、あえて森野菖蒲の町との連携強化を提案します。穏健派への監視にもなるでしょうから」
 するとルビィも賛同の意を示す。
「俺もそう思うぜ。賛否両論あると思うが、緩衝地域を作ることは人間側にとってマイナスじゃない。天界側と手を組めば少なくとも天魔双方との二正面衝突を回避することができるしな」
 それに、とルビィはその真紅の瞳をわずかに細め。
「穏健派の勢力が拡大すれば、天界と何らかの交渉ができる可能性もあるぜ。それが無理でも、両派の亀裂を深め天界の力を削ぐことは――俺たちとって損にはならないはずだ」

 聞き終わった旅人は全員の反応を見つつ、一度深呼吸をし。
 立ち上がると、ゆっくり告げた。

「決まりだね。主要地域への迅速な調査と、穏健派との連携強化。この結論を太珀先生に提案しよう」



「……わかった。ご苦労だった」
 旅人から報告を受けた太珀(jz0028)は、険しい表情のまま短くそう告げる。
「…僕らはこれで、良かったんでしょうか」
 それを聞いた太珀は、ほんの少し表情を緩め。
「当たり前だ。お前ら全員にボーナスをつけてやる」
「えっ…」
「これから忙しくなるぞ――覚悟しておけ」
 そう言った悪魔教師の表情は、硬く、そして何か決意を秘めているように見える。

 太珀――長い時を生きてきた、史の観測者。
 彼の懸念が確信に変わったことを、旅人は思い知る。

 近く、深淵の闇が。


依頼結果

依頼成功度:大成功
MVP: −
重体: −
面白かった!:16人

Wizard・
暮居 凪(ja0503)

大学部7年72組 女 ルインズブレイド
戦場ジャーナリスト・
小田切ルビィ(ja0841)

卒業 男 ルインズブレイド
二月といえば海・
櫟 諏訪(ja1215)

大学部5年4組 男 インフィルトレイター
世紀末愚か者伝説・
虎綱・ガーフィールド(ja3547)

大学部4年193組 男 鬼道忍軍
撃退士・
雨宮 祈羅(ja7600)

卒業 女 ダアト
猛き迅雷の騎獣手・
アッシュ・クロフォード(jb0928)

大学部5年120組 男 バハムートテイマー