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マスター:日方架音
シナリオ形態:イベント
難易度:普通
参加人数:25人
サポート:2人
リプレイ完成日時:2013/06/20


みんなの思い出



オープニング

● 
 斡旋所の南窓から、柔らかく差し込む木漏れ日を乗せて。
 新緑の爽やかさを含んだ風が、開け放たれた窓辺のカーテンを揺らし侵入する。
 そのまま、我が物顔に駆け巡っては、あちらこちらで悪戯に吐息を振り撒き。
 舞い上がる書類の束、そのうちの一枚が、カツリ、と踏み出したミハイル・チョウ(jz0025)の革靴の先に落ちる。
「…デモンストレーション?」
 拾い上げた依頼書の一番目立つ所。綴られた文字に、ミハイルは思わず言葉を零す。
 然程大きくないはずの其れは、不思議と斡旋所の喧騒の隙間を縫って響き。
「あ、こんにちはミハイル先生。…今日も、暇なんですね?」
 カウンターの向こう、床に散らばる書類を掻き集めていたバイトの少年が、顔を上げて苦笑を滲ませる。
「返答が必要かね?」
「うっわいけしゃあしゃあと…この有閑紳士め」
 この教師がふらりと此処を訪れるのは、けして珍しい事では無い。
 大抵がさしたる用事も無く、気の向くままに雑談しては、気紛れに帰っていく。
 噂では、至る所で同様の姿が見受けられるとか。どれだけ暇人だ、仕事代わってくれまじで。

 閑話休題。
 カウンターの邪魔にならず離れ過ぎない辺り、いつもの定位置に軽く凭れ掛かり、ミハイルは依頼書を捲る。
 読み進めていくうち、片眼鏡の奥、細められた目に興味深げな色が灯る。
「黄砂舞う丘の祭壇、か」
「ああ、沖縄リゾートゾーン――通称『Orz』からの依頼ですね。なんでもそのアトラクション、一般受けが悪いらしくて」
 楽しげな声音が紡ぐ内容に、心当たりがあったようで。少年は書類を拾いながらも、すらすらと説明していく。

 曰く。
 古代中国を模したエリア。緩やかな小高い丘の頂上に、威風堂々と築かれし祭壇。
 迫り来る悪逆非道の賊軍『黒巾党』を蹴散らしながら、そこで怪しげな儀式を行う党首を討ち取るという王道ストーリー。
 だが体力勝負なせいか、はたまた舞台再現度に拘り過ぎたのか。
 「勝負服が汚れる」「休みくらいのんびりしたい」「黄砂アレルギーなんだよね」等々、まぁなんというか、大不評。
 こりゃいかんと、謳い文句の一騎当千の爽快感をアピールすべく、撃退士を起用してデモPVを作ることになったそうな。

「これはまた……随分と、贅沢だな」
 一頻り説明を聞いて。くつり、と堪え切れない笑みがミハイルから漏れる。
 天魔に唯一対抗しうる人類の切り札。全世界で切望されし、希少なる存在。
 この人数の撃退士を、そんなことに使おうだなどとは。さすが天魔被害の無い沖縄、酔狂にも程がある。だが。
「――洒落の無い人生なぞ、詰まらないと思わないか」
「ミハイル先生のは、道楽っていうんですよ」
 顔は真面目を取り繕っている教師に、呆れた口調で切り返し。
 少年はそれでも、律儀に依頼書に指を伸ばす。示したのは募集要項、その一番下。
「そうだ、これなんか、先生にぴったりだと思うんですけど」

 ―――――――

 参加者(複数名):実際に攻略し、ド派手な行動で観客を魅せる。
 総大将(1名):本陣にて待機し、最低限の自衛行動のみ可能。裏方。 ← しょうねんのゆび

 ―――――――

「激しい戦闘が無理でも、これならほとんど動かずにすみますし。こういうの好きですよねミハイル先生……先生?」
 数瞬の沈黙。反応が返らない事に首を傾げながら、そろりと視線を上げ――少年の顔が、盛大に引き攣る。
 玩具を与えられた子供のような。ミハイルは、それはそれは愉しそうに微笑っていた。


 かくて、ミハイルを引率として。
 物好きな参加者達は、沖縄へ向け青い空を飛んだ。


リプレイ本文



 黄色い風が、簡易に張られた白い天幕を、砂塵と共に巻き上げていく。
 広い本陣の目前。高台の祭壇と、其処に至る緩やかな、されど一筋縄ではいかない道筋を見上げる26対の瞳。

「祭壇に怪しげな儀式ですか、囚われの美女でもいそうですね」
 鮮やかな緑のカンフー服を身に纏い、楯清十郎(ja2990)は白銀の杖をくるりと一回転。
「一騎当千とか無双って憧れるんですよね」
「天魔相手だと無双なんて滅多にできないですしねー」
 丁寧な声色に微か、愉しげな響きを滲ませ。折田 京(jb5538)は紫を瞬かせる。
 心に掠めるのは東北の現状。だからこそ、心身共に万全に。
 答えるフィン・ファルスト(jb2205)も、鬱憤を払う様に血色の斧を振り回す。

 風を掻き混ぜた片手で、Tシャツの首元を引っ張る。
「熱気、砂塵、雰囲気は十分。…本州に比べてやっぱ暑ィなァ」
「PVって事なら爽やかにいこうか」
 苦笑交じりの鷹群六路(jb5391)に向けられたのは、頭上に続く澄み切った空の様な青い瞳。
 片側だけ隠して、黒葛 琉(ja3453)は小粋に笑った。

「戦闘物のアトラクション、ですか?」
 背で一括りにした黒猫の尾を揺らし、首を傾げる鑑夜 翠月(jb0681)の背後から。
「PV撮影なら衣装にも拘らないとね♪」
「せっかくですから楽しませて貰いましょう」
 両手一杯にナニカを抱えた、雀原 麦子(ja1553)と楊 玲花(ja0249)の笑顔が迫る。

 さあ、準備は万全。
 高らかに轟く法螺貝に呼応して、雲霞の如く湧き出づる敵影を見据え。
「あはァ、これだけ多いと喰い切れそうにないわァ…♪」
「倒せば倒すほど褒められるなんて…ふふふ」
 黒百合(ja0422)から落月 咲(jb3943)から、抑えきれない愉悦が漏れる。
 
 高まる闘気はそう、限界まで引き絞られた弓弦のように。
 暴発する直前まで張り詰めた空気を、肺胞の一房まで吸い込み。
 マクセル・オールウェル(jb2672)の鍛えられた褐色の腹筋が、限界まで引き締まって――吼える!

「全軍、突撃であるぅーっ!」

 かくて、合戦の火蓋は落とされた。


●落石注意
 本陣から右に伸びる道。轟く爆音と震える大地、近付くにつれ顕になるのは。
 大小様々、自由落下を洒落こむ岩の群と、同じだけの敵の姿。

「たったそれだけで、氷雪の舞を止められるかしら?」
 不敵な笑みで先陣を切ったのはフローラ・シュトリエ(jb1440)。その手には、凍れる刃。
 落石の間隙を見計らい、鞘から抜き放つ勢いのままに右へ一閃。
 散り行く敵には、刃先から零れる冷たき六花を手向けに。ただ前へと。

 「ふははははわしのハリセン乱舞受けてみるがよいの!」
 その背を追い、文字通り滑るように。橘 樹(jb3833)が、ちょっとイッちゃってる哄笑を響かせ突撃する。
 その手に持ったハリセンを高く掲げると、紫のビームが迸り、岩も人も一緒くたに押し流していく。

 ※尚、このハリセンは(よくわからない)高度な技術によって再現されたレプリカですのでつまりビームくらいでますが学園支給のハリセンからビームがでなくても我が社は責任をとりかねますご了承下さい。(テロップ)

「ふふ…落石注意っつう表示は見慣れたもんだべ」
 ご丁寧に立てられた落石注意の看板を目に、拳を握る竜見彩華(jb4626)。
 かの山で兎とか色々追ったのは、きっと今日のため。
 思わず気合い入れて膝の運動とか始める彩華、その直近を。
「何だべっ!?」
 影野 恭弥(ja0018)の放ったライフルの弾が、掠めていく。

「さっさと行ったら?」

 狙撃手はびーくーる。
 固まる彩華をちらとも省みる事無く、恭弥の銃口は容赦無い正確さで敵を撃ち抜いていく。

 白磁のチャイナ服から伸びる小麦色の脚。
 足運びの軽やかさとは裏腹、フローラは大胆に落石を駆け上がっていき。
 最後の一蹴り、崖より遥か舞い上がり、くるりと一回転。眼下で右往左往する工作隊、そのど真ん中へと。

「遅いわね」

 ずどん、と。
 自重を乗せ振り下ろされた中華剣から、青銀の衝撃波が波紋のように周囲に伝い。
 入れ替わりに高く飛ばされる敵影、土煙が覆い隠そうとも、狙撃手たる恭弥の目には丸裸。
「所詮ゲームだな。本気を出すまでもない」
 連なる銃声。至極退屈そうな声音の示す通り、再び地を踏めた者は一人としておらず。

 余りにも鮮やかな攻防に。
「め、目指すはすたいりっしゅあくしょんなんだから!」
 負けてられないと、山仕込みの本能のままに、落石を避けまくる彩華。
 だが忘れてないだろうか、敵は落石だけではない。気付いた時には不可避の歩兵、慌てて武器を構え――

「ってこれ腕輪だっぺよ!?」

 どごーんっ!!
 クリティカルヒット!ツッコミという名の裏拳が、迫っていた一群を丸々吹っ飛ばした!

「す、すごい…僕も負けてられないですね」
 呆然とする彩華の背後から、感嘆と共に躍り出る清十郎。
 数を減らした落石を縫い、愚直に進む姿を囲むように。
 地面が波打ち、飛び出た爆兵が、一斉に爆弾を投擲する。
 360度、避けるには隙間が足りない、だが。

「さあ、派手にいきますよ!」

 掌の円舞。高速回転する杖は、まるで白銀の盾。名に負う武具は、何よりも扱いに手馴れたモノだから。
「ホームラン!なんてね」
 弾き返した爆弾で沈む敵に、清十郎は少年の笑みを魅せた。


 落石組の活躍で出来た空隙を、何人かが走り抜けていく。
「ふふふ、楽しみましょ〜」
 黄昏ひりょ(jb3452)の腕を引っ掴み、待ちきれないように奥へと走る咲。
(意識してる場合じゃない)
 己を引っ張る咲の細腕、そこに巻かれた包帯を見詰めながら。ひりょは緊張を飲み下し、ただ足を前へと。


 右の一振りで歩兵が高く飛び、左の一振りで爆兵が自爆する。
「武器っていうか素手攻撃力上がってる…」
 彩華の一撃で高く舞う歩兵、けして少なくはないそれを、欠伸混じりに全て撃ち落とし。
 女の子なのに、とOrzする少女に、恭弥はあっさり一言。

「アンタ強いね、素手なのに」
「ぐはっ!?」

 狙撃手は追い撃ちも得意なようです。

「ふははは馬鹿め、がっ?」
 頭を出した爆兵と、ハリセン片手に走り回る樹が偶然にもごっつんこ。
 紫ビームが宙を向き、なんと崖の一部を削り取る。それなんて以下略。
 流石に工作隊長も想定外だったのか、思わず無防備に崖下を覗き込み――その刹那で、十分。

 身を潜め、息を殺し、機を狙う。赤星鯉(jb5338)の全ては、只々、この一撃を不可避とするために。
 弓構えは一瞬、限界まで引き絞られた優美なる曲線は、飛び立つ寸前の羽を広げた朱鷺に似て。

「華麗なる陰陽スナイピング、魅せてあげるわ」

 身の丈を超える長弓から放たれた嘴は、一点集中の鋭さで獲物を、工作隊長を喰らい落とす。
 呆気無く沈黙する落石。だがそれと引き換えに、押し寄せるのは有象無象の敵影。

 「増えた、か…祓い甲斐があるわね」
 一進一退の状況に、鯉はむしろ不敵に笑うと。
 天に向け弓を引き、矢継ぎ早にお見舞いするのは、一撃必中の雨霰。


 指令:落石を止めろ!クリア!

●突風注意
 本陣から左に伸びる道。朦々と舞う砂塵の向こう、うっすらと見え隠れする敵の影。
 立っているのがやっとの暴風に、躊躇うこと無く身を投じたのは。
「今日のレヴィアタンは血に狂ってるよー」
 鎖鞭をしならせ、クスクスと愉しげに屠る来崎 麻夜(jb0905)。
「ガンガン攻めるわよー♪」
 榛色に踊る金雀。借り物にしては誂えたかのようなチャイナ服で、剣技を魅せる麦子。

 先んじたのは、飾りではない肉体美で地を踏みしめるマクセル。
「我が前に敵はなく、我が後ろに灰が残るだけである!」
 突風に負けず仁王立ちでズンズン進み、世紀末ポージングをキメると。

 火炎放射器ファイアァァ!!

「ヒャッハー、汚物は消毒であ…るぇーっ!?」

 突風によりバックファイアァァ!!

 巨体に似合わぬ俊敏さで炎を避けまくる筋肉天使。

「マクセルちゃん楽しそうねー♪」
「ボクには真似出来ないけどね」

 ギャラリーの声援(?)をBGMに。転げ回りつつちょっと焦げつつ――ふと、視線を感じて顔を上げる。
 気付けば周囲には敵ばかり。筋肉ダルマに巻き込まれ、時折誰かが吹っ飛びながらも、全員の心はひとつ。

 なんかうわぁ。

「そ、その目は何であるかぁーっ!!」
 ちょっぴり涙目のマクセル。空高く火炎放射器を放り投げ、前方にフライングボディプレス!
 からの起き上がりざま、運良く範囲外だった歩兵の足を引っ掴みジャイアントスイング!
 自身にも制御出来ぬまま激しく回転し続け、華麗にリリース&火炎放射器キャッチ!

「さて…覚悟は良いであるか?」

 キラリ。真っ白な歯が光る。構えた先は、風下に。偶然じゃないよわざとだよ!
 逃げ惑う歩兵達の背中目掛け。八つ当たりと粛清の炎が、突風に乗り燃え上がった。

※尚、この火炎放射器は(よくわからない)高度な技術によって再現されたレプリカですのでつまり炎も風に煽られてアチチですが学園支給の火炎放射器がアウルの炎なのは我が社ではどうにも出来かねますのでご了承下さい。(テロップ)

「そらそら退いた退いたー!」
 集団に振り下ろされる、地を抉り粉砕する斧槍の一撃。
 先を急ぐ台詞とは裏腹、地に食い込むそれを確かな重しとして、フィンは着実に前へと進んで行く。
 そのゆっくりとした姿目掛け、風の鋭さを纏った矢が幾本も飛来し――カンッ、と高らかな音を立て防がれる。

「すごい、これがホログラム!?信じられないや」
 響く確かな手応えに、レグルス・グラウシード(ja8064)は、純真な色の瞳を瞬かせる。
 何やら感動している少年を与し易しと見て取ったか、殺到する敵の攻撃は、しかし。

「そんな攻撃で、僕の盾にかなうもんかっ!」

 両手に盾を掲げたまま、前方に爆発する脚力。
 両刃の剣身が取り付けられたそれは、文字通り攻防一体の、刺突する盾。
 突進する要塞とも言うべきレグルスは、その突貫力でフィンを風車まで護衛する。

「ここまで来たら風も関係ないですね!」
 風車の根本にて、清々しい笑みで斧を振り被るフィン。
 鬱陶しいのは弓兵の矢、しかしそれは全てレグルスが防いでくれる。
 残るは守るように風車を囲む歩兵、だがそんなもの。

「纏めてやっちゃえばいいんですよ?」

 青い瞳が過激に微笑み、斧槍が血色に輝く。
 限界まで撓った腕、柔らかな身体のバネは、全身が即ち武器。
「そぉれえ!」
 持てる全力で斜めに打ち下ろされた刃は、一撃で周囲の歩兵ごと、風車を切り倒した。


 風の弱まった場所を、何人かが駆け抜けていく。
「勢いに任せた方がいい時もあるモンさ」
 両の手の赤と青、一対の双刃への信頼と共に。君田 夢野(ja0561)は最短を疾走する。
「つまり突撃ですよね、さすが先輩…」
 呆れたような声音で面白がる笑みを浮かべ。六路はその背を追う。


 栗色の髪が踊る。一括りに纏めていた髪留めは、とうに何処か砂の中。
 目元にかかる髪をかきあげ、麦子は感覚を研ぎ澄ませる。造られた風といえど、自然摂理には抗えない、ならば。

「逆らわなきゃいいのよ」

 とん、と地を蹴る。――否、風に乗る。
 一瞬で詰められた距離、驚愕に歪む顔を足掛かりに方向転換。
 振り返りざま抜き放つのは、碧々と輝く刀身。二桁は下らない集団に、そのまま、遠心力で押し薙いで。

「あら、ありがと♪」
「どういたしまして」

 死角から飛来した矢、麻夜の鎖鞭が叩き落としたのを視界の端に。
 それでも足捌きは止めないまま。掬い上げるような上段蹴り、流れるような回し蹴り。
 乱気流の如く脚が舞い、ボロ雑巾のように敵が舞う。ついでにチャイナ服の裾も激しく舞う。けしからんもっとやれ。

「負けてられないかな?」
 周囲の喧騒を余所に、麻夜は涼しい顔で、敵を重く打ち据えていく。そこに。
 麦子の蹴り飛ばした一体が、偶然にも死角から麻夜に迫る。瞬間。

「ボクに、触れるな!」

 沸騰する感情――触れて、良いのは。
 不意に、脳裏に浮かびかけた姿。吹き飛ぶ余裕、形容し難い苛立ちに眉を顰め、手首を翻す。
 意のままに動く鞭は、慮外者の身を過たず捕らえて。
 技巧もへったくれもない、純粋なる力技。鬱憤を晴らすが如く、右へ左へ。
 振り回し薙ぎ払い周囲を巻き込んで暴れ回るも、麻夜の瞳には等しく塵芥。

「今のボクを止めれるものなら止めてみろー!」
 激情の迸るまま叩き付ける最後の一撃を受けて、風車はあっさりと崩れ落ちる。
「脆すぎるよ馬鹿ー!」
 この程度じゃ止まれない、暴れ足りないと。麻夜は鞭を振り回し頂上へ。


 指令:突風の仕掛けを解除せよ!クリア!

●一騎当千
 風と岩の合流した先、端から端が見えぬほど広い通路。だというのに。
「足の踏み場もないくらい、ですね」
 翠月が思わず感嘆の呟きを漏らすほど、同士討ちしかねない密集っぷり。ホログラフでよかったね!
「全部倒しちゃえばいいんじゃない?」
 足元まで流れる銀糸をかきあげ、珠真 緑(ja2428)は冷徹に見回す。だが傍観者の雰囲気を纏いながらも、好戦的な瞳は隠し切れない。

 総撃破数を稼ぐためには、まさにうってつけのこの場所。待ちきれない、と最初に飛び出したのは。
 陽の元にありてなお昏い鎌を携えた咲と、その背を追うひりょ。
(楽しそうでよかった)
 怪我で動けなかった咲の高揚は、顔を見ずとも伝わってくる。ならば、己のやるべき事は。
 離れた温もり、惜しむ心を振り切るように、ひりょは右腕の包帯に触れる。

「ひりょちゃん、いましたよぅ」

 咲のデスサイズが、生贄を見つけ嗤う。身を遥かに超えるそれを、危なげ無く操って。
 向けられる切っ先が届くより前に。身を捩り、振り抜き、引っ掛け――そして纏めて刈り取っていく。
 迫り来る終焉に、弓兵は慌てて距離を開けようとして。

「逃がしませんよぅ?」

 大鎌の届く場所、其処はもう、河岸の向こう側。
 愉しげに半孤を描き踊る様は、無邪気なる死神に似て。

 アクセル全開な咲に苦笑しながらも、ひりょは穏やかな気持ちで咲の死角を補うように刀を抜き放つ。

「折角だし、ちょっと試そうかな」

 走り込む勢いで、上段から袈裟懸けに一振り。
 踏み込んだ足を軸として回転、ご丁寧に並んでいた歩兵を、横薙ぎに一閃。
 切っ先の動くまま、下から斬り上げ弾き飛ばし。出来た数瞬の間隙に納刀し、首を傾げる。

「何かが貯まってきたような…?」
「ひりょちゃん」

 呼ぶ声に、視線を向ける。同時に走る、電撃のようなナニカに、知らず手に力が入る。
 どうやら、咲も同じようで。高まる闘気、重なる呼吸、合図は――不要。

「どでかいの、いきますよぅ」

 己を軸に鎌を振り回す咲。少しでも触れようものなら、例外無く黄泉送りに。
 少しずつ動く台風から逃れようと、歩兵達が固まり始め。そこが狙い目。

「必殺!龍縋げふんげふん」

 空高く跳び上がり、ど真ん中へと唐竹割る。深く抉れた地面、砂を巻き込み吹っ飛ぶ敵兵。
 僅か残る討ち漏らしは、違わず死神の鎌の餌食に。
「次行きますよぅ」
「咲さん待って」
 退屈が襲う間も無く、次なる獲物へ一直線。


 息の合った二人を遠目に。
「…思う存分に飛び回るというのも、たまには悪くないですね」
 玲花は微笑み、どこからか胡蝶扇を取り出す。
 吹き抜ける風にはためく赤いチャイナドレスは、普段から着慣れているせいか、堂に入ったもの。
 惜しむらくはズボン付きな事だろうか、何故履いたもったいないほんとうにこころから。

「あの…」
 大輪の華と咲き誇る玲花の背後から、鈴を転がしたような声がかかる。
 生成りに若芽を散らしたような。可愛らしさの中に爽やかさの混じるチャイナドレス。
 モジモジと裾を引っ張りながらも、危なげ無く着こなす翠月に。
 内心、己の見立てを褒め称えながら、玲花は首を傾げる。

「なんでしょう?」

 笑顔。

「いえ、あの、僕…」
「なんでしょう?」

 満面の笑顔。

「…なんでもないです」
「そうですか。では、行きましょう」

 似合っていればせいべつなどささいなことです。

 ともあれ。戦場に咲く二輪の華、美しきモノには刺がある、とはよく言ったもの。
 押し寄せる歩兵を目前に、玲花の雰囲気が一変する。
「雑兵如きが、このわたしに触れようと?」
 はらり、扇を開く。浮かべるのは、艶然とした笑み。格下を見る眼差しで――嘲笑う。

「思い上がりも甚だしい!」

 最低限の労力すら、割くのは惜しいと。微動だにせぬまま、右腕のみ払う。
 放たれた扇は、炎を纏いて縦横無尽に飛び回り。
 再び玲花の手元に収まった時には、己が足で立つ者はおらず。恰も、女帝の前に平伏すが如く。

「えっと、余り目立つのは好きではないのですけど」
 派手に立ち振る舞う玲花の影ならば、隠れられるかも。内心ホッとして、翠月は懐から扇子を取り出す。
 広がるのは緋色の鳳凰。構える所作は、舞踊前の静けさに満ちて。

「いきますね」

 宣言と跳躍は、同時。
 視界から消えた翠月に動揺する兵士達の首筋に、とん、とん、と、扇が触れていく。
 黒い尾を翻し、緑の蝶をお供にして。殆ど地に触れる事無く、翠月が駆け抜けた後ろで。

 兵士達が、音も無く一斉に崩れ落ちた。

「こんな感じでしょうか」
 小首を傾げる様は、黒猫の愛らしさ。


 人、人、さらに人。勿論、すべてホログラフ。
 されど高い技術と、無駄に凝り性な日本人の性質が具現化されたせいか、馬鹿に出来ない精巧さ。
「…あはァ」
 そう、飢えた少女が、愉しめる程度には。

 オーダーメイドにカスタマイズされた愛銃。馴染んだ重みを片手に、黒百合はゆらりと進み出る。
 無視できないナニカを感じ取ったか、警戒の色を浮かべる、その表情さえもが。

「食べ頃ねェ…」

 唐突に発砲。ざわめく空気、戦場は一気に静から動へと。だが。
「遅いわよォ!」
 挨拶代わりの散弾。怯んだ所へ、身体を滑り込ませる。
 構える暇など与えない――否、構えた武器ごと噛み砕く。
 銃剣で掻き切った喉、血を吹き出す代わりに倒れ込んでくる身体を蹴り飛ばし。
 視線を向ける事無く背後を殴打、ふらついた鳩尾へ、零距離から御馳走を雨霰。

 遠距離武器ではなかったろうか、そう驚くほど、近接に特化したスタイルで。
 喰らえば喰らう程、纏う雰囲気は狂気を孕む。

「私の分も残しといてよ」
 ニィ、と緑の瞳が歪む。黒百合に充てられたか、否、これが緑の本質。
 これは『遊び』。『依頼』でも、ましてや『任務』でもない。
 ならば何のしがらみもなく、只々、気の向くままに――もて『あそぶ』だけ。

「ほら、殺してあげるからこっちおいで」

 浮かべた笑みは、愛おしげにいっそ優しく。振るう刃は、無慈悲に的確に、急所を斬り捨てる。
 皺一つ無い黒いスーツは、砂に塗れる事も無く。それは、一方的な蹂躙の証。
 銀と黒、似た背格好も相まって、まるで対。けれど彼女らに、共闘の概念は無い。
 あるのはただ、抑える気もない愉悦の衝動。本能のままに屠り尽くすのみ。

 遠くから、走ってくる一群が見える。どれだけ倒そうとも、けして全滅はしない敵。
 普通なら絶望を覚える状況に、しかし少女達は高らかに哄笑する。

「おかわり自由みたいねェ…あはははァ♪」
「本物のが美味しいんだけどなぁ…あははっ」


 ――宴はまだ、始まったばかり。


●本陣奇襲
 多数が駆け去った本陣の中。
 中央にゆったりと座すミハイル・チョウ(jz0025)の周囲には、それでも数人の護衛が。
「あたし達が頑張れば頑張るほど、普通の人は参加したくなくなるかもねえ」
「賑やかしに口上とかやったほうがいいでしょうか」
 風に嬲られる赤髪を払いながら、アナスタシア・スイフトシュア(jb6110)があっけらかんと言い放ち。
 紫の瞳を瞬かせ、京が冷静に提案する。そういえばこれPV撮影でしたね!
「フリマでは世話になった。ところで…あの時の瓶は何に使うのか訊いても?」
 穏やかな一時。キャロライン・ベルナール(jb3415)が、チョウの前に身を屈めた時。

「敵襲だよー!」

 響き渡るクリス・クリス(ja2083)の弾んだ声、天幕を跳ね除け、黒子盗賊団が襲来した!

 チョウを中心に大きく円陣を組む一同。
「そうそう、黒子は本気でぶん殴っても大丈夫なの?」
 鞘で黒子を押し止め、アナスタシアはチョウを振り返る。確かパンプレットには一般人バイトと書いてあったような。
 集中する視線、何故か黒子からすらも投げられるそれに、チョウが答えようと口を開きかけ。

 ブォーーー

 高らかに法螺貝が吹き鳴らされる。同時に、風が一際激しく舞い狂い、砂塵が乱れ飛ぶ。
 耐え切れず吹き飛んだ天幕の一角、砂塵の向こうに仁王立つ巨大な影が。

「…あれがキング黒子か」

 GOKURI。誰かが唾を飲み込む音。
 遊園地中を荒らしまわる悪の親玉(設定)が、ついにここにも現れたのか!

 キングは威厳を示すかのように、ゆっくりと砂塵から歩み出て――

「白いよー?」
「白いな」
「白じゃない?」
「白いぜ」
「白ですね」

 どうやらキング白子だったようです。


 何だか白いでろりっちなモノを全身につけ、哀愁を漂わせるキング。
 もう帰りたい、そんな想いのこもった視線が彷徨い――チョウの穏やかな瞳とかち合う。

「…本気を出しても良いか、だったか」

 慈愛あふれる眼差しで、キングを見詰めるチョウ。
 安心させるようにひとつ頷くと、静かに答えを紡いだ。

「此処は戦場だ――あとはわかるな?」


「ミハイルさんはやくー!」
「よしよし、振り落とされないように気をつけろ」
 飛び跳ねるクリスに強請られ、屈みこむミハイル・エッカート(jb0544)。
 素早く肩車をすると、低いテノールで厳かに告げる。

「チョウ先生、同じミハイルのよしみで、俺の戦いざまを見てやってくれ」
「無事に戻ったら酒を奢ろう。…人参のが良いかね?」

 サングラス越し、馬マスクのつぶらな瞳を光らせ。ライフル片手に、ミハイルは黒子の集団に身を投じる。
「やらせはせんぞぉぉーー!」

「“尋常に”とはいきませんが、折田京、推して参ります……!」
 涼やかに口上を述べ、一礼する。礼儀正しい所作で京が構えたのは、なんと釘バット。
 シュールな見た目に、おいお前行けよいやお前が的な牽制をし合う黒子達。

「…仕方無いですね」

 ふむ、と一つ頷くと。徐に突っ込み、大きく振り被ってフルスイング!
 内角低めの球(黒子)は、内野(本陣)安打でキングやらにぶち当たり。
 たまにファール(味方)となるのはご愛嬌。

 ※尚、場外ホームランもありますが、ダメージは軽減されておりますご安心ください(テロップ)

「よーし中央突破!いっけー♪」
 深海の蒼に金銀の六花が刺繍された京劇衣装、頭には赤い冠。
 小さな武将のクリスは、愛馬ミハイルの頭をペシペシ。京の安打で開いた所へ、駆け足の指示を出す。
 マジカルステッキがブンブンするたびに、周囲からゴスゴス音が聞こえてくる。なにそれこわい。
 だがタフなナイスホースにも限界があるようで。

「く、意識が朦朧と…!」

 そりゃマスクですし。

 くらりと傾ぐ馬体、無防備な背に黒子の凶刃が迫ったところへ。

「凡愚どもめ消え失せるがいい!」

 遠方より突き刺さるビーム――これは、真のハリセン乱舞!?

「樹にいちゃん!」
 クリスの歓声を背に、不敵に笑いながら黒子に突撃していく樹。
 紫色が閃くたび、ダース単位で黒子が宙を舞う。ついでにキングも舞う。

「ふっ、さすがは俺の見込んだ男だ」
 ハードボイルドにキメるミハイル。ちなみにマスクは外したようです。
 喧騒に紛れそうなその呟きに、何故か樹はピタッと止まり。

「べっ別にお主のためじゃないの…」

 ツンデレキタコレ。


 倒しても倒しても湧いて出る黒子達を、総大将の傍らで退け続けるキャロライン。
「総大将ミハイル。あなたならこの場をどう切り抜ける?」
 流石に埒が明かないと思ったのか、手は止めぬまま、いまだ悠然と座すチョウに問いを投げかける。
「さて…総大将らしく、褒賞でも約束しようか」
「褒賞?」
 顎に手をやり、思案は一瞬。疑問顔の生徒に向けられたのは、反応を愉しむ道楽者の視線。

「ああ。…先程の答が欲しくはないかね、ベルナール?」
「…ッ!」

 そうきたか、と面白がる教師の雰囲気に苦笑を浮かべ。
「ふ、これは奮起せざるを得ないか」
 フルカスサイスを大きく構えると、キャロラインは敵中に突っ込んでいく。


 南国の海、その水面に遊ぶ陽の光を象ったかのような。
 碧のチャイナドレスを身に纏い、アナスタシアは剣技を舞う。

「楽しませてくれるんでしょ?」

 午後の日差しに、緋色の刃が煌めく。
 弾かれる黒子の武器は、戻った時には対象を見失い。
「下手ねえ」
 惑う間に、失望の声と共に斬り捨てられる。寄せては返すその攻防は、漂流物を弄ぶ波の激しさ。
 その頃にはもう、アナスタシアの興味は既にそこになく。
 目的は、キング白子――いや、だいぶでろりっちが剥がれたか、黒子と呼べなくもない。
「なんか砂っぽいわね…まあいいけど」
 懐に潜り込み、斬る、と見せかけてローキック。低く吹っ飛んだ先には、ちょうど大きく振り被った京が。

「あっ」

 カキーンッ!
 空高く打ち上げられたキング。俺なんでこんな事してるんだろう、空の青さがやけに沁みて。

 ターン!バシュッ!――キラーンッ☆

「もう少しマシな敵を用意出来ないのか?」
「決めるところは決めなきゃ嘘よね」

 落石地帯、左右の崖の上から。
 無情なる狙撃手達の手によって、キングは次のステージへと旅立っていった。


 指令:総大将を死守せよ!クリア!

●妖術師との死闘
 朦々と、砂塵の代わりに煙が立ち昇る。
 威風堂々と聳え立つ祭壇に辿り着いたのは、夢野、六路、清十郎、麻夜、マクセル、そして。
 中央の祭壇に向かい祈りを捧げる集団の最前列。一際オーバーリアクションで崇め奉る妖術師目掛け。

「銃より重い物は持たない俺が斧を片手に颯爽と参上!」

 ――正確には、祭壇の上方に設置されたカメラ目掛け。
 爽やかな笑顔を魅せ、誰よりも速く突っ込んでいく琉。(※パッシブスキル:青薔薇フレーム)
 漣のように壁を作る兵士達に、勝手が分からないと言いつつも、射手の目で過たず攻撃を命中させていく。
 軽やかに薙ぎ倒していく琉に向かい、術兵達の杖から雷撃が放たれる、が。

「魔法でも何でも、当たらなきゃいいんだ」

 目の良さは、回避にも強い武器。放たれる直前、杖先の僅かな傾きから軌道を読み取って。
 紙一重で躱すのみならず、味方の有利に働かせる。そう、こんな風に。

「そらよっ!」
「ありがとー」

 麻夜を狙う弓兵が、琉の誘導した雷撃を受け沈み。(※しゃいにんぐ青薔薇)

「よっと!」
「助かります!」

 清十郎と鍔迫り合う突兵が、琉の避けた炎弾に包まれる。(※ないあがら青薔薇)

 そのまま杖を軸にし、燃え盛る巨体を飛び越える清十郎。
 予想以上にしなる白杖は、想定外の飛距離を叩き出し。

「覚悟!」

 祈祷を続けていた妖術師の背に、初めて一撃を届かせた。


 邪魔をされ憎々しげな眼差しで振り返り、両の手を掲げる妖術師。
 途端、激しく震える大地。其処彼処で物が倒れ、地が裂けていく。

「うわっ!?」
 地割れの一つに足をとられる夢野。バランスを崩した身体目掛け、術兵の鎌鼬が疾走る!

「君田せんぱ――ぐあぁっ!」
「六路っ!?」

 間一髪滑り込んだ全身を衝撃が襲い、たまらず倒れ伏す六路。(※スポットライトON)

 己に倒れ込んでくる身体を、震える腕で抱きとめる。
 こうなるのは自分だったハズなのに…どうして。
「畜生、こんな所で倒れるんじゃない!」

 脳天を揺さぶる声。うっすらと目を開け、ぼやけた焦点で手を伸ばす。
 何でこんなに力が入らねェ…ああ、そうか。
「俺ァここまで、か…」

 開いた瞼にホッとしたのも束の間。緩慢な仕草と、聞こえた台詞に愕然とする。
「馬鹿言うな!起きろ!起きるんだよ!」

 先輩の口が動く。その声すらもう、遠い。何とか掴んだ服に、万感を込めて。
「先輩、アイツ、を……」

「六路ーーっっ!!」(※スポットライトMAX)

 ゴウッと祭壇から火が吹き上がる。
 狼狽える配下に目もくれず、再び大技の準備に入る妖術師。

 六路をそっと横たえ、ゆらりと立ち上がる夢野の姿に、何やらアイコンタクトを交わす麻夜とマクセル。

(これは秘められし能力が必要だねー)
(うむ、えありーでぃんぐ、とやらであるか)

 頷き合い、一瞬で意思の疎通を図ると。

「ここは吾輩に任せるのである!」
「道を開けろー!」

 麻夜は左にマクセルは右に。それぞれ敵を追い立てていく。
 ピッ!と立てられた親指に気付いているのや否や。夢野はゆっくりと顔を上げて。

「聴こえるか、双刀の奏でるレクイエム。六路には鎮魂歌を、そして――」

 青紅倚天を掲げ疾走る様は、戦場に駆ける一陣の風。
 双つの刃をその首に、いざ届かせん!

「――これが、アンタを送る葬送曲だッ!!」

 笑えるほど呆気無く、妖術師は双刀の錆と消えた。


「敵将、討ち取ったり!」
 夢野の勝鬨が風に乗って響き渡る。
 力強い叫びは遠く本陣まで届き、地鳴りのような歓声がステージ中から沸き起こった。

 歓声が収まった後、燃え尽きた祭壇の影から、ひょこりとレグルスが顔を出す。
「とりあえず燃やしといたよ(ゝω・)!」
 可愛い顔して過激だな青少年!
「ずるいのである!?」
 さっき散々ヒャッハーしましたよね!

 マクセルにヘッドロックされそうになり、逃げ回るレグルス少年。
 途切れる事のない笑いが、祭壇跡に渦巻く、そんな中。

(いつまでこうしてりゃいいかなァ…)

 ――頑張れ六路!明日はきっと良いことあるぞ!


 黒巾党:討伐完了!

●兵どもが夢の跡
「くー、汗をかいた後の勝利の一杯は最高〜♪」
 本陣に用意された飲物から、キンキンに冷えたビールを手に取り一気飲みする麦子。
「暴れ足りないわね」
「もう一度挑戦出来ないものでしょうか」
 優雅に脚を組みながら、フローラと玲花が些か物騒な会話を交わす。

 ※尚、オマケ映像になったこのシーンは、夢見る男性諸氏のため音声処理がされております。

 喧騒の中央から少し離れ、武器の手入れをするキャロラインに近付く人影。
「さて、褒賞だったな」
「ミハイル先生」
 立ち上がる彼女に飲物を差し出し、チョウは何でもない微笑みを向ける。

「なに、ちょうど醤油差しが壊れてね」


沖縄の熱い一日は、まだまだ続く――


依頼結果

依頼成功度:大成功
MVP: −
重体: −
面白かった!:15人

God of Snipe・
影野 恭弥(ja0018)

卒業 男 インフィルトレイター
『九魔侵攻』参加撃退士・
楊 玲花(ja0249)

大学部6年110組 女 鬼道忍軍
赫華Noir・
黒百合(ja0422)

高等部3年21組 女 鬼道忍軍
Blue Sphere Ballad・
君田 夢野(ja0561)

卒業 男 ルインズブレイド
夜のへべれけお姉さん・
雀原 麦子(ja1553)

大学部3年80組 女 阿修羅
アルカナの乙女・
クリス・クリス(ja2083)

中等部1年1組 女 ダアト
水神の加護・
珠真 緑(ja2428)

大学部6年40組 女 ダアト
道を切り開く者・
楯清十郎(ja2990)

大学部4年231組 男 ディバインナイト
撃退士・
黒葛 琉(ja3453)

大学部9年38組 男 インフィルトレイター
『山』守りに徹せし・
レグルス・グラウシード(ja8064)

大学部2年131組 男 アストラルヴァンガード
Eternal Wing・
ミハイル・エッカート(jb0544)

卒業 男 インフィルトレイター
夜を紡ぎし翠闇の魔人・
鑑夜 翠月(jb0681)

大学部3年267組 男 ナイトウォーカー
夜闇の眷属・
来崎 麻夜(jb0905)

大学部2年42組 女 ナイトウォーカー
EisBlumen Jungfrau・
フローラ・シュトリエ(jb1440)

大学部5年272組 女 陰陽師
湯煙の向こうにナニカ見た・
フィン・ファルスト(jb2205)

大学部3年237組 女 阿修羅
伝説のシリアスブレイカー・
マクセル・オールウェル(jb2672)

卒業 男 ディバインナイト
心の受け皿・
キャロライン・ベルナール(jb3415)

大学部8年3組 女 アストラルヴァンガード
来し方抱き、行く末見つめ・
黄昏ひりょ(jb3452)

卒業 男 陰陽師
きのこ憑き・
橘 樹(jb3833)

卒業 男 陰陽師
微笑む死神・
落月 咲(jb3943)

大学部4年325組 女 阿修羅
想いを背負いて・
竜見彩華(jb4626)

大学部1年75組 女 バハムートテイマー
花唄撫子・
赤星鯉(jb5338)

大学部1年279組 女 陰陽師
撃退士・
鷹群六路(jb5391)

大学部3年80組 男 鬼道忍軍
撃退士・
折田 京(jb5538)

大学部4年78組 女 ルインズブレイド
撃退士・
アナスタシア・スイフトシュア(jb6110)

大学部4年77組 女 アカシックレコーダー:タイプB