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マスター:日方架音
シナリオ形態:イベント
難易度:普通
参加人数:25人
サポート:1人
リプレイ完成日時:2014/12/24


みんなの思い出



オープニング

 息も白く染まる年の瀬。突き刺す寒さは行き交う人々の足を速め、安寧の地を求めさせる。
 そんな冬の厳しさも、しかしドアを一枚隔てれば、忽ち溶けて消えていく。
 看板御猫のミルク様が、無防備に窓辺で眠れるくらいに。
 
 アンティーク調に纏められた、ここは『ねこかふぇ』。緑と白と赤のリボンや、キャンドル、スノースプレーを使った装飾などが店内を飾り、まさにクリスマスムード一色。
 ただし店内はまだ準備中なのか、聞こえてくるのはカウンター越しの溜息のみ。

「はうぅ、困りましたわ〜…」
「うーむ‥‥困った」

 山と積まれたケーキの材料を前に顔を見合わせ。店員であるアリス・シキ(jz0058)と貴布禰 紫(jz0049)は、また深い溜息を吐く。
 それもそのはず。

「用意だけは頑張ったんだけどなー…」
「まさか皆さま、当日はお休みでいらっしゃいますなんて…」

 そう、クリスマス当日にねこかふぇ特製ケーキの販売を企画したはいいが、アリスは彼氏とデート、紫は友達とパーティ、他の人達も家族サービスだ修行だ何だと。うっかりシフト確認を忘れたために、まさかの当日誰もいないという事態になってしまったのである。このリア充どもめ!

「このままでは、もったいのうございますわ〜」

 頭を抱えるアリス。ケーキの材料だけでなく、飾り付けやその日だけの特別な制服も用意したのに。
 せっかくの準備が丸々無駄になるのは、どうにも忍びない。

「どーしたものかー……って。む?」

 悩む視界の端。ふと、窓の外に何かが横切った気がして。
 紫はカウンターから乗り出すように視線を向ける。

「最近あの人よく見るねぇ」
「あら、あのかた、またいらっしゃいましたのね」

 気を取られた様子に、釣られて覗き込んだアリスは。
 ここ数日見慣れた女子高生の姿に、小首を傾げて困ったように微笑んだ。



 鏡国川煌爛々(jz0265)は唸っていた。

「ケーキ…うううおいしそうですし…」

 ふと通り掛かった時に見付けた喫茶店。何の気なしに覗き込んだガラスケースの向こうには、綺羅びやかなケーキ達。
 魅惑の微笑みで手招きする彼女達に一目惚れしたその日から、足繁く日参しているのだ。
 だがしかし、彼女達をゲットするには、煌爛々には圧倒的に足りていないモノがある――

「今日も目に焼きつけとくですし…デザート食べた気分になるですし…」

 今日も今日とて、眉間に力を入れて熱い視線を送る。
 ソレは恰も、不良がガンくれるが如く――心なしか、華やかなケーキ達が怯えているような。



「多分ですが、ケーキを召し上がりたいのだと思いますわ〜」

 何とも言えない顔で、アリスは窓の外の常連客を見つめる。
 最初、睨まれているのかとその視線に怯えていたが。ある日、お財布とにらめっこする姿を見て全てを悟った。

 ええっと、もしやお金がございませんのかしら……?

 ひたすら暖かい瞳で微笑むアリスの隣、紫は何かを思い付いたように手を叩き。

「おぉそうだ!報酬ケーキってことで斡旋してみるのはどーだろうか!?」
「はわ?」

 突然の発言にパチクリ、と眼をまんまるに見開いて。アリスが何を言う間もなく、紫は勢い良く扉を開ける。
 いきなり開いた扉に固まる煌爛々に目を合わせ、にっこりと微笑んだ。

「おーい、そこのおっねーさん!いいお仕事あるよ!?」



 窓辺でミルク様が、ミャア、と可愛らしく欠伸した。


リプレイ本文


 剥き出しの素肌に突き刺さるような。真冬の街角に、張り紙を手にした人影が集まってくる。

「さて、今日の戦場はここか」

 キリリとした顔で、麻生 遊夜(ja1838)は目の前の喫茶店『ねこかふぇ』を睨む。

「帰ったらパーティだからな、ケーキはありがたい」
「あ、貴方もなの?頑張ろうね」

 吐く息で眼鏡を曇らせる遊夜の呟きに、杷野 ゆかり(ja3378)は夜に会える彼の人を想い微笑んだ。


「求人誌のチェックをしていたら、面白そうな短期バイトがあったので…」

 こちらもお目当ては、お土産に貰えるケーキ。
 とても楽しみに、花見月 レギ(ja9841)がくぐったドアが閉まりきらないうちに。

「煌爛々ー煌爛々ー、お手伝いきたよー!」
「遂にきらら様と一緒に遊ぶ機会に恵まれましたのですっ!」

 飛び込んできたのは、ふわふわ桜色の雪玉二つ。
 フェイン・ティアラ(jb3994)とヤンファ・ティアラ(jb5831)の兄妹は、目を丸くする鏡国川 煌爛々(jz0265)に飛びついた。

「ち、違うですしヤンファ、これは重要な使命ですし!」

 ヤンファの持つ携帯ゲームにチラチラ誘惑されながらも、必死にバイトを説明する煌爛々。

「お手伝い?…その後に遊べますです?」

 すごすごと仕舞われるゲーム機。何とかわかっていただけたようです。

「おや、奇遇ですね」
「あ、エイルズですし」

 ワイワイ騒ぐ後ろから、エイルズレトラ マステリオ(ja2224)は素知らぬ顔で声をかける。

「キララさんは槍を振り回すより、喫茶店でバイトする方が似合ってますね」

 使徒だからと、戦わなければいけない理由はない。仲良く出来るのなら、何よりの。
 真意を見せない笑みでポン、と。何もない掌から柊の枝を捧げる。

「へえ、素敵ですね。…あ、鏡国川でしたか」

 ミドル丈の赤いサンタワンピに白いブーツ。小雪の結晶のようなオーラが、どこからともなく舞い踊る。
 通りすがりの樒 和紗(jb6970)は、赤い実がワンポイントの柊を見て、煌爛々を見て、一つ頷くと。

「ちょっと良いですか」

 後ろに回り、手早く纏められた金髪に、柊が可愛らしく主張する。

「わー、煌爛々可愛いねーっ」
「きらら様、お似合いなのですっ」
「あ、ありがとですし…」

 手放しの賞賛は、少しくすぐったくて未だに慣れない。
 オロオロする煌爛々に微笑むと、和紗はチビッコ二人に向き直る。

「貴方達もどうですか」

 心得たように、エイルズの掌から柊が咲いた。


「うう…寒くない場所にいられるのならバイトでもなんでもやりますとも」

 鼻をすすりながらラナ・イーサ(jb6320)はいそいそとミルク様の元へ――

「ミャア」
「…あ、バイトですよね、ハイ」

 伸ばした手を、尻尾が優雅に払って厨房へフリフリ。働かざる者触るべからず。


 そこかしこでサンタが出来上がる中。

「変わってないな」

 クリスマス色に賑わう店内を眺め、黄昏ひりょ(jb3452)は去年の文化祭を思い出す。
 思い思いのサンタコスに身を包んだ臨時バイト達は、とても楽しそうで。

「僕達に、任せて下さい」

 依頼してきた店員を思い浮かべ、気合一発。

 
 さあ、ねこかふぇのクリスマスへ、ようこそ!



 ハーモニカの硬質な音が、柔らかくクリスマスソングを奏で始める。

「寒いですが、暖かい家にクリスマスケーキをいかがですかっ!美味しいですよっ!」

 寒さで鼻の頭を真っ赤にしながら、サミュエル・クレマン(jb4042)は声を張り上げた。進級して高校生になったからには、ちゃんと働かないと。
 膝小僧まで真っ赤な頑張る姿に、神谷春樹(jb7335)はふと目を止めた。

「…洒落たカフェだなぁ」
「中でも食べられますよっ!」

 時間を忘れて本屋に居たから、少々お腹も空いている。それに。
 少し緊張気味に声をかけてきたサミュエルが、何だか微笑ましくて。

「頑張ってくださいね」

 精一杯お辞儀をする彼に見送られ、春樹は暖かな店内へと。


「最近着実に料理が趣味になりつつあるんだが」

 遠い瞳をしながらも、アルフレッド・ミュラー(jb9067)の両手は淀みなくネコサンタの砂糖菓子を作っていく。
 ネコサンタは隣の遊夜ひょいと摘み上げられ、ロッジに見立てたガトーショコラにちょこんと乗っかった。

「ま、冬っぽくこんなもんかね」

 一段落ついたと見たか、和紗がカウンターから顔を覗かせ。

「すみません、お勧めメニューはありますか」
「ふむ、お勧めか…」

 顎に手を当てる遊夜が言葉を紡ぐ前に、アルフレッドがメモを取り出す。

「丁度いい、セットメニューが出来ないかと思っていたんだ」

 味の濃くなりがちな料理に合わせ、相性の良い飲み物を。
 細かく考えられたソレを、和紗は確りと頭に叩き込み接客に戻っていく。

「俺は何を目指しているんだ…」

 人生に迷うアルフレッドの背をバシンと一叩きして。オタマを振り上げ遊夜は叫んだ。

「さぁ、次々行くぞ!キッチンは戦場じゃぁ!」


「まったく、寒いったらねぇや…ようやく人心地だな」
「先輩の声がした」

 きょろきょろと彷徨っていた尻尾がピンと立つ。
 来崎 麻夜(jb0905)のわかりやすい反応に、ディザイア・シーカー(jb5989)から苦笑がこぼれる。

「あいつが終わるまで適度になんか頼むか?」
「ん、何も食べないのは、失礼」

 こくりと頷くヒビキ・ユーヤ(jb9420)の隣の椅子には、小さなクリスマスツリーの植木鉢。
 帰ったら家族でクリスマスパーティのようです。

「そうだねぇ、サラダと飲み物くらいなら良いんじゃない?」

 食べ過ぎるわけにはいかないけど、とメニューを開く一同に近付く煌爛々。

「ご、ご注文はいかがですし!」
「お、鏡国川も働いてんのか」
「ご、ご注文はいかめしですし!」

 その時ふと、ディザイアは気配を感じた。
 エイルズが、ケイン・ヴィルフレート(jb3055)が、ひりょが、和紗が、幸広 瑛理(jb7150)が、謎の着ぐるみパサランが。さりげなく、しかし確実にフォロー体制に入っている。

「…馴染み始めてるようで何よりだな」

 まだ敵だった頃からの想い出が走馬灯のようにディザイアの脳裏を過る。調理や接客が全滅?知ってる。だがこんなにも、手助けしてくれる人達が増えたのか。
 色んな意味で天使の微笑を浮かべながら、ゆっくりと注文を告げていく。

「かしこまりもうしですし!」
「ま、こういうのは慣れだ、頑張れよ」

 手と足を同時に出しながらキッチンに向かう煌爛々を、微笑ましげに見送るのであった。


「はむぁーっ!」

 厨房から鳴き声が響く。看板御猫のミルク様…ではなく、銀髪をサンタ色の三角巾に纏めた橋場 アイリス(ja1078)。
 持ち込んだスポンジに一心不乱に生クリームを塗っている。均一にするのは意外と難しい。

「普段やらないことではあるけれど…まぁたまには、ね」

 白い土台に、赤いイチゴが飾られていく。
 慣れない手つきで、しかし器用に作業するイシュタル(jb2619)は、ミニスカの裾が気になるようで。

「というか…この格好、かなり恥ずかしいのだけど…」
「いいんじゃない、か。似合っている、が」

 カウンターから涼しい顔のサンタが覗く。
 手伝う気配の無いアスハ・A・R(ja8432)に、アイリスはニヤリとした笑みを向けると。

「手伝わないなら、これをつけるのです!」

 取り出したのはサンタ帽と、ボリューム感たっぷりの見事な付け髭。
 手にずっしりくる質感に、アスハは口角を引き攣らせ。

「本当につけるの、か…これ…」
「本当なのです」

 期待に満ちた瞳に根負けしたか、絶望に溢れた瞳で身に着けていく。

「…よく似合ってるわよ?」

 笑いを堪えたイシュタルの瞳が、アスハの絶望に追い打ちをかけた。



「メリークリスマース!なのなっ!」

 寒空を物ともせず、大狗 のとう(ja3056)の明るい声にミニスカの裾が翻る。
 俯き加減に足早の通行人が、驚いたように足を止めて。

「外は、寒い…少し暖まると良いよ、そこのきみとか」
「ぼっ、僕はその、たまたま…」

 幾人かが、レギの柔らかな声にフッと力をぬいて、ねこかふぇへと吸い込まれていく。
 一人だけ、気まずそうに躊躇するオブリオ・M・ファンタズマ(jb7188)の背は、のとうの笑顔が押して。

「良い子で可愛いお客様、幸せの味をプレゼントいたしますっ…なのなっ」

 カランカラン。
 煌爛々に会おうか会うまいか、何度も店の前を往復していた冷えた身体が、店内の熱気にホッとする。

「ヘイらっしゃいですし!」
「キララ…なのです?元気なようで何よりなのです」

 普段と違う格好に一瞬戸惑って。それがよかったのか、迷っていた言葉はすんなり滑り出る。

「オブリオですし、ご来店おひかえなすって!」
「(見てられないな…)」

 謎の接客言語を放ち、オブリオを置いてさっさと進む煌爛々。
 謎の着ぐるみパサラン――の中の人、アルベルト・レベッカ・ベッカー(jb9518)は溜息一つ、オブリオの前に進み出て。

『(いらっしゃいませ、彼女が案内します、のジェスチャー)』
「…頑張って下さいなのです」

 場数を感じさせる手慣れた仕草に、今日の苦労が忍ばれた。


「ご注文をお伺いします」
「わっ!?」

 音も気配もなくかけられた声に、春樹は読んでいた小説を取り落とす。
 クリスマスツリーの栞は、床に落ちる前に和紗の手に掬われ。下がるポニーテールに合わせて、クリスマスベルの飾りが揺れた。

「あ、ありがとうございます…えっと、甘さ控えめの何か、ないですか」
「それでしたら、ブラック珈琲と甘さ控えめヘレントルテのセットがお勧めとなっております」

 和紗の提示したお勧めセットに頷くと、エリシア・ジェネリエスト(jb2911)が優雅にテーブルを整えていく。動く度にさりげなくスリットから露わになる太ももが眩しい。

「あ、あの…窓際に移っても、構いませんか」

 やり場に困った視線が彷徨い、ふと、暗くなってきた窓の外を捉える。もしかしたら。

「構いませんわ。…ホワイトクリスマス、かもしれないわね」

 心得たように微笑んで、エリシアは手早く窓際の一席を用意する。
 通りに面した窓からは、のとうの楽しそうな仕草やレギの柔らかな物腰、サミュエルのハーモニカが優しく響いてくる。

「ホワイトクリスマス、だといいですね」

 どこか呆けたように呟く春樹に、切れ長の赤い瞳が、優しく微笑んだ。


「お待たせしました」

 片手にお盆を持ち、ひりょは静かに料理を並べていく。

(前の経験が活きてるな、だいぶ接客も緊張しなくなってるみたいだ)

 文化祭の時に同じくねこかふぇを手伝った時よりも、自身の成長を感じて心中でガッツポーズ。
 と、ふと目の前のお客様――ディザイアが顔を上げる、目が合う。一つ頷いて、半歩横へズレた。

「ま、前が見えないですし…」
「半分持つよ〜」

 視界を塞ぐ程、山と積まれた皿を抱える煌爛々が背後を通り過ぎて行く。
 落ちかけた皿は、ケインがナイスキャッチしたようだ。

「…ありがとうございました」

 脳内に直接届いた注意喚起に、苦笑しながら礼を言う。
 あのままでは確実にぶつかって大惨事だった。

「ま、頑張ってるみたいだしな…」

 応えは、同じ苦笑で返された。


 厨房に、カミカミの声が響く。

「ね、猫のホースケーキいっちょですし!」
「猫のムースケーキが1個だって〜」

 猫なのか馬なのかを悩んでる煌爛々の横からそっと、ケインがラナに耳打ちする。

「いつものケーキが好きって人もいるでしょうし。ちょっとだけクリスマス」

 ねこかふぇの定番ムースケーキの片耳に、クリスマスっぽくサンタ帽のアートを。
 流れる手捌きで作られたケーキは、張り切った顔で待つ煌爛々のお盆の上へ――待った、何だかぷるぷるしているような。瞬時に厨房に緊張が走る!

「……煌爛々さん。こちら、よろしければ味見していただいてもいいですか?」
「むむっ」

 ラナがそっと、チョコプリンを差し出す。煌爛々の視線が向く。

「これも味見してくれるかな?」

 ヴァルヌス・ノーチェ(jc0590)がドライフルーツたっぷりのシュトレン風パウンドケーキを指差し。

「こっちも頼むぜ」

 アルフレッドがブッシュドノエルを皿に切り分けた。
 迫り来る好物達に煌爛々は生唾を飲み込み、お盆の上のムースケーキをチラチラ見る。

「ああ、これは僕が持って行きましょう」

 ラナの目配せを受けた幸広が、有無を言わさぬ笑顔でお盆を運んでいく。

「味見も大事な仕事だよ〜」

 ケインに背を押された先には、いつの間にかテーブルと椅子。
 美味しそうなお菓子達が手招くのに、抗える煌爛々ではなく。

「…し、仕事ならしょーがないですし!!」
「終わったらお皿の柄を選んでくれるかな?」

 マジパンの人形が、煌爛々に飾り付けられるのをヴァルヌスの掌で順番待ち。


 トリュフを二つくっつけて、顔を描いたら黒猫トリュフ。
 ヤンファは慎重にホワイトチョコペンを握ります。

「おー、ヤンファ、その猫の顔可愛いねー」
「格好いい、なのですよおにいちゃん。きらら様もきっとご満悦なのですっ」

 クールなイケメンにゃんこは、甘さだけでは生きて行けない世の中を表して。
 でもそれだけじゃ、面白さが足りない。

「もうちょっと遊び心が欲しいのですっ。いうなれば、攻撃力!」
「それはお菓子に必要な要素なのかしら…?」

 隣でクリームをホイップするゆかりが、泡立て器を片手に首を傾げる。
 ヤンファはくるりとそちらを向いて、フフっと笑うと。

「レアアイテムの宝箱には、エゲツナイ罠がかかってるものなのですっ」
「よくわからないけど凄い説得力がある気がするわ…」

 納得したような出来ないような。
 勢いでゆかりを丸め込んだヤンファは、何やらごそごそとトリュフに細工。

「猫の顔のクッキーもいいねー」

 そうしてる間に。フェインがオーブンを開けると、香ばしいクッキーの匂いがふんわり広がります。

「うう、作ってたら食べたくなってきたのですよっ」
「なんかいい匂いするですし…」

 きゅるきゅる、とお腹の二重奏。ふらふらと釣られて現れた煌爛々を見上げるヤンファ、見つめ返す煌爛々。
 絡み合う視線は、ゆっくりと皿に盛られたクッキーの山へ。連動した腕が、無意識に伸びていき。

「一つだけなら……」
「すいませーん、ケーキの補充を…ってあーっ!それはお客様のっ!僕も我慢してるのにっ!」

 タイミング悪く?厨房に顔を出したサミュエルの叫びに、揃った動きで飛び退る二人。

「はっ!?たたた食べてないのですよ?…じゅるるる」
「べべべべつになななんにもしてないですしごくり」

 再び緊張の走る厨房。真ん中にクッキーの皿を挟んで、牽制しあう三人。
 緊迫感を孕んだ空気は、しかし長くは続かず。

「あっ煌爛々、はいー。焼き立てクッキーおいしいよー、みんなもどうぞー」

 やっと煌爛々に焼き立て食べてもらえるねー、と無邪気に喜ぶフェイン。
 その笑顔に、あの時のクッキーの味が蘇る。アレも美味しかったけど、焼き立てはこんなにも違うのか。

「美味しいですっ!」
「あ、でもお客様に出すから、食べ過ぎ禁止だよー」

 もう一枚、と手が止まらない三人に、フェインがめっ、と釘を刺した。


 目線を合わせて、しゃがみ込んで驚かせないように。

「ん、至福」
「ミャア」

 うずうずと、そーっと伸ばした手は、許しと共に受け入れられて。
 ヒビキはうっすらと微笑んでミルク様の喉を撫でる。

「あ、先輩見っけ♪」

 遊夜が厨房から姿を見せた瞬間に、麻夜は嬉しそうに手と尻尾を振って自己主張。

「いらっしゃいだ、まぁゆっくりしてってくれや」

 レタス色のクリスマスツリーに、フレンチドレッシングが雪化粧。
 ラテからはふんわり、泡が雪山のように。

「これが、力作?」
「キッチンで動き回るサンタも中々」

 わくわくした視線を向けながらも、ヒビキの頭は遊夜の腰にぐりぐりアタック。反対側からは、クスクスと麻夜が手にすりすりアタック。
 甘えっ子×2の攻撃に、遊夜は苦笑して好きにさせる。

「あ、そういえば終わるのっていつだっけ?」
「夕方までだ、そう待たせんぜ」

 家で待つ子供達を思い浮かべる。パーティの気配に、そわそわしているのだろう。

「料理の準備も、飾りつけも、終わった、何時でも、大丈夫」
「って、もうそんなに食べたの?」

 横倒しになったツリーは、葉が全部落とされて面影もない。
 驚きを含んだ指摘に、ヒビキはこっくり頷いて。

「だって、おいしい」
「そいつはよかった」

 純粋な賛辞は心に響く。
 慌ててフォークを取る麻夜とヒビキの頭を掻き撫で、遊夜は優しく笑った。



 プルプルとお盆が揺れる。
 覚束ない足取りに合わせ、後ろにつく着ぐるみパサランも揺れる。

「おまたせですし、ドリフですし!」
「いらっしゃいませお嬢様、当店自慢のトリュフでございます」

 ドン!と置かれたトリュフに捩れたテーブルクロスを、さりげない補足と共に瑛理が直した。

「…これ僕が石窯で焼いてきたピッツァなのです。お一つどうぞなのです」

 ドヤ顔の煌爛々に、オブリオは色々と悩むのがちょっとアホらしくなりかけるも。
 気を取り直して忘れないうちにとお土産を差し出す。

「いいんですし!?ありがとですし!おっ、お礼…そうだ、ドリフはんぶんあげますし!!」
「(いやそれ注文品だから!)」

 パサランが思わず可愛らしさを放り出してツッコむ。
 だが悲しいかな、着ぐるみの無音の言葉は届かない。

「……半分こ、するのです」

 むしろ周囲が憐れに思えてきたか、オブリオが慈愛に満ちた微笑みでトリュフを半分差し出した。
 キラキラした瞳で、トリュフは煌爛々の口に運ばれていき。

「○@×△&□!!??」

 突然、煌爛々が火を吐いた!
 使徒の膂力は、掠めた片手だけで重厚なテーブルをひっくり返し――ポットから飛び出した紅茶(熱湯)がオブリオに迫る!

「おっと、失礼します」

 研ぎ澄まされし縮地!ひりょがテーブルをそっと支え。

「(ある意味天才だな、と)」

 華麗なるジャンプ!着ぐるみパサランが料理ごと皿をキャッチ。

「実は、特技なんですよ」

 優雅なる妙技!瑛理が目にも止まらぬ速さでテーブルをセッティング。

「Ladies&gentlemen――給仕の仕事は慣れてますよ」

 深淵なる奇術。エイルズのハンカチが、オブリオにかかる直前に紅茶を一滴漏らさず包み込み。次の瞬間。

「勿論、手品も」

 一振りしたハンカチから、粉雪が柔らかく店内に降り注いだ。
 指を鳴らすと照明が消え、粉雪が色とりどりに輝き始める。魔法の刻は刹那に終わり、けれど。

「ホワイトクリスマス…」

 魔法の終わりは、窓の外、聖夜の始まりと共に。



※ちなみに厨房では

「攻撃力、バッチリなのですっ!」
「煌爛々、生きてるかなー?」

 ――ガッツポーズをする幼子の姿があったとか。




 夜の帳が粉雪の白を際立たせる。そろそろ、バイトも終わりの時間。

「オブリオ…ごめんですし」
「気にしてないのです」

 ドアでお見送り、それでもまだしょんぼりしている煌爛々に、オブリオは思案する。
 コレはチャンスなのでは。

「なら、僕とともだ……また、遊んでくださいなのです」
「!?…もももちりんですs!!」

 舌を噛んだらしい。悶える煌爛々を眺めながら、出掛かった本当の言葉を飲み込む。
 すんなりとソレを口にするには、まだ自身に蟠りが残るから。またいつか、きっと。



 細くしなやかな指先が、ミルクの頬を撫ぜる。

「ふふ、こういうカワイイのも良いわね……♪」
「ミャア」

 お疲れ様、とでも言いたげな瞳に、エリシアは感謝を込めて耳の後ろに手を這わす。

「ただいまっ!…ってあのその」
「あら、寒かったでしょう、暖まるといいわ」

 ずっと外で頑張っていたサミュエルは雪塗れ。
 ミルクに触って暖まりたいのに、足は地面に根が生えたよう。

「ふふ、獲って食べやしないわよ」
「いえちがうんですけどそのっ」

 男子高校生には、サキュバスのお姉さんは刺激が強すぎたようです。


「猫かわいいよな猫」
「癒されますよねー…」

 厨房のドアに張り付き、羨ましげな視線を送る二人。厨房担当はお触り厳禁です。

「いいんだ……見てるだけで癒されるんだ」
「…お腹すいてないかしら」

 エプロンを握りしめるアルフレッドの横で、ラナは冷蔵庫から牛乳を取り出し。

「ちょっと温めがいいですよね」

 必殺☆せめて遠くから貢ごう作戦!人肌に温められたミルクを、飲みやすい皿によそって。
 気付く。触れないということは、これも渡せない。うろうろと視線を彷徨わせるラナに救いの手が。

「持って行こうか〜?」

 ちょうど洗い物を終えたらしいケインが、ひょいとお盆を受け取る。
 猫は可愛いし好きだけど、食物関連を扱っていたので、ミルクに近付くのは自粛していたのだ。

「全部終わったら会いに行くと良いよ〜」

 それくらいのご褒美は下さるみたいだから、と。
 俄然やる気を出して片付けだした二人に微笑って、ケインはエリシアとサミュエルのやり取りに入っていった。



 庭のイルミネーションが粉雪に踊るのを、頬杖をついて眺める。

「傘、持ってこなかったな」

 元々、こんなに長居する予定ではなかった。家につくまでに、確実に雪だるまだけど。

「この景色を見れたなら良いか」

 こんな予定外も悪くはない。目を細めてもう一度窓の外を見詰め。
 ブラック珈琲の最後の一口をゆっくりと味わう。

「お帰りですか」

 立ち上がると、音もなく奇術士が傍に。荷物をお持ちして、ドアまで。

「傘は持ってないんです」
「おや…それでしたら」

 ドアから走ろうとする春樹を、エイルズは片手で制し。小説に挟まった栞を指差す。

「お貸し願えますか?…ありがとうございます」
「これをどう…っ!?」

 エイルズの左手に、ゆっくりと押し込まれていく栞。
 消えると同時、ゆっくりと引き出されてきたのは。

「どうぞ、お持ちください」

 クリスマスツリー柄の傘が、恭しく差し出された。



「さて、お手をどうぞ?」

 謎のパサランは店仕舞い。
 レベッカは芝居っ気たっぷりに、イルミネーションの庭へと煌爛々を誘う。

「ひひひとりで歩けるですし!!」
「はははっ」

 ついつい誂ってしまうのは性分か。
 ケーキを食べようと誘ったからには、程々にしておかないと。

「よく頑張ったな。偉い偉い」
「それほどでもないですし」

 今日一日を手放しで褒めると、平静を装いながらも口角がピクピクと嬉しげに跳ねている。
 バレバレなのが、可笑しくてたまらない。



「料理を学びたくて人間界に来たくらいだからね、作るのが好きなんだ」

 ヴァルヌスの両腕が、魔法のように苺トルテを作っていく。

「苺のケーキ、良いですね」
「好きなの?」

 お皿にチョコペンでMerry Christmas。
 マジパンのサンタをつけたら完成。おまけに、とゆかりはツリーを横に添える。

「彼が、苺好きなんです」
「ふぅん、じゃあ」

 もうすぐ、会える。甘酸っぱい期待は、まるで苺のよう。
 そわそわと洗い物をするゆかりに、ヴァルヌスは箱を差し出して。

「苺、多めにしておいたよ」

 泡だらけの手から、スポンジを奪った。



「お嬢様、こちらをどうぞ」

 そっと差し出されたのは、大きなブランケット。
 そっと肩にかけながら、赤マントのサンタが柔らかく微笑む。

「バイトは楽しかったですか?」
「楽しかったですし!」

 それはよかった、と瑛理は最後のテーブルセッティング。
 ヴァルヌス作の苺トルテに温かい紅茶を添えて。

「こちら、ノーチェさんから…甘いクリスマスのひとときをどうぞ」
「いちごいっぱいですし!!…一緒に食べてかないですし?」

 空いた席を示す煌爛々に、瑛理はウィンク一つ、自分のケーキを掲げた。

「可愛い人と、頂きますので」



 並んだ力作の前で顰めっ面。

「んんー…どれも可愛いのにゃ。どれにしようかな…!」
「なら半分こしよう、どれでも良いよ。君が好きなものなら、きっと美味しい」

 決めきれないのとうの様子に、レギは微笑ましげに耳打ち。
 可愛くラッピングもしてもらって、どうせなら、庭を通って帰りましょう。

「レオ、レオ!綺麗だなっ」

 隣には、大好きな友達。イルミネーションに囲まれて、腕の中には美味しそうなケーキの箱。
 楽しくって、嬉しくなって、見えない尻尾がブンブンと振れる。

「うん。光というのは、不思議な魅力がある、な。彼らは、唯そこにいるだけなのだけれど。そしてのと君、あんまり絞めるとケーキが潰れるよ。揺するとこけるな」

 頭一つ分高い所から、苦笑混じりの忠告が降ってくる、が。

「な、な!帰ったら一緒に食べようなっ!俺ってば、お腹がすいたのだ!」

 テンションの高いまま、はしゃぐワンコには届かないようで。

「帰ったら、温かい紅茶を淹れよう。雪が舞う夜は魅力的だけれど…外は、寒い」

 スキップで少し先を行くのとうをゆったりと追いかけながら。
 舞い落ちる粉雪を片手で受け止めた。

「のと君が、風邪を引かないように、ね」



「できたのですー」

 満足気にアイリスが叫ぶ。さもありなん、出来上がったホールケーキは、店売りにも遜色無いモノで。
 窓際、イルミネーションの綺麗な場所を陣取って、三人だけのお茶会。

「…てっきり食べる専門だと思ってたが、違ったの、だな」
「しゃーっ!」

 綺麗に三等分に切り分けるイシュタルの横を、ストローが飛んで行く。
 本気で投げられたソレは、過たず標的の額にぶち当たり。

「褒めたつもりだが、な。…痛い」
「…アスハ、私は偶に貴方がわざと言っているのではないかと思うことが有るわ…」

 額を擦るアスハに呆れた風情を隠しもせず、しかし手は淀みなく紅茶を注いでいく。

「美味しいのですー!」
「本当、美味しいわね」

 早速、一口含んだアイリスの表情が綻ぶ。追いかけるように、イシュタルの顔にもうっすらと微笑が浮かんで。
 女子にとって、甘いモノは正義です。

「少し良い、か?」

 ふと、何かに気付いたか、アスハが手を伸ばす。
 長い指は、無防備に視線を向けるイシュタルの頬を下からそっと撫で上げて。そのまま。

「ついてた、ぞ。…甘い、な」

 涼しい顔で己の口腔へと。クリームは、程良い甘さで丁度いい。
 改めて、ケーキへの賛辞を口にしようとしたアスハの額、全く同じ場所に再びストローが突き刺さる勢いでぶち当たった。

「天誅なのですーーー!!」

 飛び掛かろうとする銀色にゃんこと、真っ赤な顔を抑える銀色サンタでした。



 雪景色に傘二つ。

「さぁ帰るか、ガキ共が腹空かせて待ってんぞー」

 ケラケラと笑い声に眼鏡を曇らせ、遊夜は片手に確りとケーキの箱を持つ。
 もう片手は、定位置とばかりに麻夜の腕が絡めとって。

「早く帰らないとお冠かもだねぇ」

 帰り道は、肌に染み込む寒さ。
 ソレにかこつけて、クスクスと更に腕を抱き込む。

「大丈夫、コレとケーキ、持ってけば、機嫌も直る」

 ディザイアの肩の上、大切そうにミニツリーを抱きしめて。ヒビキはこれからのパーティを想う。
 飾り付けは終わってるから、あとはお土産を持って帰るだけ。家族皆で、楽しい夜にしよう。

「ケーキ、人数分貰えてよかったな」

『おうちに家族がいるんだねー?じゃあオマケするよー!』

 依頼でお世話になったから、と。ふわふわ綿菓子のような知り合いの笑顔に心を温められる。
 アイツで繋がった縁か、と金髪の少女の今日の痴態にも苦笑して。

「Merry Christmas」

 愛する家族に、親愛なる友に、どうぞ良い聖夜を。



「うううケーキおいしいですし」
「美味いな。…ああ、ケーキといえば」

 涙を流さんばかりにケーキを味わう煌爛々に、レベッカは素知らぬ顔で言葉を紡ぐ。

「誕生日、すぎちゃったなー」
「ブゴフゥ!?」

 気管に入ったか、凄い勢いで咽る煌爛々の背を擦りながら、しかし言葉は止まらず。

「楽しみにしてたんだけどなー」
「ゲフゴフゴキュゴキュ……プハァ!そ、それはです、し!!」

 紅茶を一気飲み、バン!と立ち上がり、赤い顔で言い訳を探して――しょんぼりと、肩を落とす。
 当日に祝えなかったのは確かなのだ。覚えておくと約束したのに。

「…クス、じょうだ――」
「ううううええい!!」

 苛め過ぎたかな、と苦笑したレベッカの言葉を遮って、目前のケーキに何かが刺さる。
 それは、煌爛々が最後に食べようと、大事にとっておいたハズのサンタ型のチョコレート。

「た、たんじょうび、おめでとでしたし!!」

 雪空に拳を突き上げ叫ぶ。そのまま、チョコを見ないようにか、ぎゅっと眼を瞑って。

「きらら様っ!!」
「うえええ!?」

 無防備なところに、ヤンファアタック。
 腰の辺りにひっついたヤンファは、ごそごそとゲーム機を取り出した。

「新しいゲーム買ったのですよっ!一緒に遊びましょうなのです!」
「僕もやってるんだよー」
「そ、それは幻のクオンステーションですし…!」

 わいのわいの、三人で画面を覗きこんで。聖夜は途端に賑やかに。

「煌爛々、すっごく弱いねー…?」
「弱いというか、運がなさすぎなのですよっ」
「ぐぬぬぬぬ」

 壊しそうな勢いでゲーム機を握り締める煌爛々に、レベッカは本日何度目かの苦笑を向けて。

「Merry Christmas――ありがとう」

 チョコサンタが、感謝と共に口内に溶けていった。


依頼結果

依頼成功度:大成功
MVP: −
重体: −
面白かった!:13人

踏みしめ征くは修羅の道・
橋場 アイリス(ja1078)

大学部3年304組 女 阿修羅
夜闇の眷属・
麻生 遊夜(ja1838)

大学部6年5組 男 インフィルトレイター
奇術士・
エイルズレトラ マステリオ(ja2224)

卒業 男 鬼道忍軍
絆を紡ぐ手・
大狗 のとう(ja3056)

卒業 女 ルインズブレイド
聖夜の守り人・
杷野 ゆかり(ja3378)

大学部4年216組 女 ダアト
蒼を継ぐ魔術師・
アスハ・A・R(ja8432)

卒業 男 ダアト
偽りの祈りを暴いて・
花見月 レギ(ja9841)

大学部8年103組 男 ルインズブレイド
夜闇の眷属・
来崎 麻夜(jb0905)

大学部2年42組 女 ナイトウォーカー
誓いの槍・
イシュタル(jb2619)

大学部4年275組 女 陰陽師
撃退士・
エリシア・ジェネリエスト(jb2911)

卒業 女 ナイトウォーカー
和の花は春陽に咲う・
ケイン・ヴィルフレート(jb3055)

大学部5年58組 男 アストラルヴァンガード
来し方抱き、行く末見つめ・
黄昏ひりょ(jb3452)

卒業 男 陰陽師
桜花の護り・
フェイン・ティアラ(jb3994)

卒業 男 バハムートテイマー
守護の覚悟・
サミュエル・クレマン(jb4042)

大学部1年33組 男 ディバインナイト
撃退士・
ヤンファ・ティアラ(jb5831)

中等部3年10組 女 陰陽師
護黒連翼・
ディザイア・シーカー(jb5989)

卒業 男 アカシックレコーダー:タイプA
Gaudeamus igitur・
ラナ・イーサ(jb6320)

大学部3年208組 女 アストラルヴァンガード
光至ル瑞獣・
和紗・S・ルフトハイト(jb6970)

大学部3年4組 女 インフィルトレイター
仄日に笑む・
幸広 瑛理(jb7150)

卒業 男 阿修羅
アツアツピッツァで笑顔を・
オブリオ・M・ファンタズマ(jb7188)

卒業 女 アカシックレコーダー:タイプB
揺れぬ覚悟・
神谷春樹(jb7335)

大学部3年1組 男 インフィルトレイター
ヴィオレットの花婿(仮)・
アルフレッド・ミュラー(jb9067)

大学部5年24組 男 阿修羅
夜闇の眷属・
ヒビキ・ユーヤ(jb9420)

高等部1年30組 女 阿修羅
風を呼びし狙撃手・
アルベルト・レベッカ・ベッカー(jb9518)

大学部6年7組 男 インフィルトレイター
彩り豊かな世界を共に・
ヴァルヌス・ノーチェ(jc0590)

大学部7年318組 男 アカシックレコーダー:タイプA