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マスター:さとう綾子
シナリオ形態:ショート
難易度:難しい
形態:
参加人数:8人
サポート:3人
リプレイ完成日時:2016/08/30


みんなの思い出



オープニング

 そして、事件は収束し、拡散する。



 シス=カルセドナが学園から持ち帰った紋章と書簡は、ツインバベル上層部に大きな衝撃を与えた。
 事を重く見たベロニカ・オーレウスは、ウリエルに四国各地のゲートの護衛を進言する。現在メタトロンと王権派が対立している以上、『天王』が刺客を地球に送り込んだとすれば、ツインバベルも当然攻撃対象に含まれる。
 それを水際で止めるためには、四国各地のゲートを護衛し、相手にゲートエネルギーをできるだけ与えないようにしなければなるまい。
 ベロニカから事の次第を聞いたウリエルは、オグン生存の事実に大きな衝撃を受けていたものの、早急に護衛手配へと取り掛かる。
 彼女が呼び出したのは、焔劫の騎士団団員、白焔のアセナスだった。


 謁見の間に呼び出されたアセナスは、ウリエルの言葉に目を見開いた。
「ウリエル様……今、なんと」

「聞こえなかったか。本日只今を持って、お前を焔劫の騎士団団長代理に任ずる」

 アセナスは一度、息を吐いた。
「私には任が重すぎます。是非、ハントレイに」
「アセナス」
 厳しい声でウリエルはアセナスの言葉を遮った。
「オグンのいない今、若き騎士を育てなければならない。新しい騎士団が必要だ。けれども、古きを知る者も必要」
 ウリエルは淡々と言葉を紡ぐ。
「お前はバルシークにもゴライアスにもかわいがってもらっていただろう。今こそ、二人の恩に報いるときではないのか?」

 あの戦いで散った、二人の先輩騎士。
 アセナスは確かに二人の背中を追い続け、そして追いつけぬまま別れた。
 そして、敬愛する団長、オグンも――。

「お前が立派に独り立ちすれば、オグンも喜ぶだろう」
 ウリエルの微笑みと言い回しにアセナスは悔恨の念を覚える。
「俺が……オグン様をお止めすることができていれば」
「責めるな。オグンは生きている」

 時が止まった。

「……は?」
「呆けた顔をするな。オグンは生きている。撃退士たちに保護されているという話だ。もう剣は握れぬと思うがな」
「な」
 跪いていたアセナスは立ち上がりかけ、理性で押し留めた。ウリエルの前だ、無礼を働くことは許されない。
「私も驚いているが、お前に団長代理を任ずること、そしてこれから命じることはオグンからもたらされた情報によるものだ」
 ウリエルはアセナスをまっすぐに見て告げた。
「お前は代理としてお前らしくのびのびとやればよい。それでも拒むか、アセナス?」
 アセナスは深く頭を垂れた。
「この不肖アセナス、白焔の二つ名に誓い、拝命致します」
「ならば、お前に初任務を与える」
 満足したように、どこか安心したように、ウリエルは微笑んだ。
「騎士団全員で、王権派天使から四国のゲートを死守せよ。厳命だ」
「……御意に」

 ――かくて、焔劫の騎士団も動き出す。



「シリウス、出雲に行くんだってな。アタシも」
「連れてかねえよ」
「どうして!!」
 エステルは獣天使シリウスの即答に噛みつくように叫んだ。シリウスはわざとらしく耳を手で押さえ、それから後頭部を掻いた。
「全員で出て行ってどうするんだ。ツインバベルの奴らじゃあるまいし」
「うー……」
 エステル、大変ご立腹の様子。
「お前、先日失敗してるだろ。もう一回あそこへちょっかいかけてこいや」
「なんでアタシがそんな地味なこと」
「奴の大事な手駒を一人ずつ潰すのも、楽しそうだろ?」
 牙を見せて笑うシリウスにエステルは少し考える。
「あいつら、どうせ仲良しこよしでぬるーくやってるんだ。反吐が出るぜ」
 吐き捨てるように言うシリウスに、エステルはため息をついた。
「まあ、そうだね。ザインエル様のためにちょっと行ってくる」
「そうそう、ザインエル様のために、な」
 その名が出た途端、エステルはキラキラと目を輝かせた。
「待っててください、ザインエル様♪」
 ちょろいもんだ、とシリウスは内心思ったとか思わなかったとか。



 斡旋所で、篝さつきは四国の地図を見ながら、ペンをくるくる回していた。
 先日、教師である九重誉と話した内容が引っかかっているのだ。

 天使の裏切り。
 このところの、天使によるゲート乗っ取り。

 四国には悪魔のゲートだけでなく天使のゲートも点在している。
 ツインバベルのお膝元だ。
 だから天使は悪魔のゲートを乗っ取っているのかと思っていた。先日のセーレとゲートの件のように。
 けれども、裏切った天使がゲートを乗っ取っているのだとしたら、それは。

「天使のゲートも狙われる……?」

 それは見過ごせない兆候だと思った。
 そして、あながちハズレではない事実だとも。

 さつきは慌てて据え置き型の電話の受話器を握った。今現在、四国で調査してもらっている撃退士がいるはずだ。
 慣れない携帯の番号を押しながら、さつきは震える手を隠せないでいた。



「夏音!」

 それは突然起こった。
 とある天使のゲートを見まわっていたときのこと。
 突然の風圧でシュトラッサーの夏音は切り刻まれ、血を流し、アセナスの足元に倒れ伏した。

 二撃目。
 アセナスはその風圧を長剣でなんとか凌ぐ。

「ほう? アタシの攻撃を凌ぐとは、ちょっとは手ごたえがありそうだね」

 現れたのは自分よりはるかに高位の天使。
 しかも、相手はツインバベルでは見たことのない天使。


 ――つまり、相手は王権派の、天使。


「裏切り者が、いったい何の真似だ」
「はっ、一端の口を利くね、小童が。邪魔をするならそこで寝てる女のようになるよ」
「邪魔とは?」
「わかってんだろ、お坊ちゃん。このゲートを貰い受ける」

 黒髪の女天使は髪をかきあげると、長い槍を地面に突いた。
 彼女の足元に白い大蛇が二匹現れる。それが彼女のサーヴァントなのだろうか。
 手練ということは一目で知れた。それでも退くわけにはいかない。

「俺は、焔劫の騎士団団長代理を預かる、白焔・アセナス。お前の目的を見過ごすわけにはいかない」
「真面目な男は早死するよ。特にアタシとやりあうつもりならね」
「自分のシュトラッサーを挨拶代わりに倒した相手を前に、逃げるつもりは毛頭ない」
「じゃあ、仕方ないね」

 女天使は槍をくるりと回してにぃと笑った。


「アタシの名はエステル。誇りとやらを胸に抱いて――死にな」


 まさに神速の切っ先を、アセナスは長剣でかろうじて弾き返す。
 その音が響くのと、足音が聞こえたのは同時だった。
 エステルが舌打ちをする。
 アセナスは振り返った。


「久遠ヶ原学園の……撃退士、か?」


 そこには、さつきからの連絡を受け取り、天使のゲートに駆けつけた8人の撃退士がいた。
 今、三者の思惑が交差する。
 


リプレイ本文






「久遠ヶ原学園の……撃退士、か?」

 それは、事情の知らぬアセナスにとっては「前門の虎、後門の狼」のような状況だったのだろう。だが、彼は誰彼なく斬りかかる分別のない行いは、することすら考えなかった。それが騎士団長代理として選ばれた理由なのかもしれない。
 エステルとは対照的だった。

「は、こりゃいい、雑魚だらけじゃん! 手土産がまた増えた!」

 一歩、後ろへ飛び退くと、エステルは撃退士とアセナスを含むように槍を横薙ぎにした。音もないかまいたちのような風が8人と2人に襲いかかる――

「そこの使徒を庇わんと死ぬぞ、騎士団の」
 冷静なアスハ・A・R(ja8432)の声にはっとしたようにアセナスは倒れ伏した夏音を庇うように防御した。長剣が風を受け流す。
 そのアセナスを守ったのは神谷春樹(jb7335)のアウルの跳弾だ。風の軌道すら変える銃弾はある想いのこもった弾丸。
 任務や平和のために戦うのはもちろんだが、あの時たった一度だけ対面し、目の前で倒れた悪魔、セーレ。
(あの時が初対面だし、完全な仲間だって訳じゃないけどさ。やっぱり、一緒に戦った相手が目の前であんな目に合うのは良い気がしないんだよ)
 他の撃退士たちもシールドなどを掲げ、切り刻む風から身を守る中、その風の中を一直線に走る銀の影があった――狗月 暁良(ja8545)。青の瞳でエステルを見据えると、にんまり楽しそうに笑う。エステルが目を見開いたときには、暁良の手甲を嵌めた手は振り上げられていた。エステルの右頬、左頬、みぞおち、そして顔面まっすぐにブチ込む!
「ドーモ。はじめましての挨拶ってトコだぜ」
 先制したという驕りがあったエステルは防御も取れず、ぽかんと暁良を見る。

 そしてぽかんとしてるのはもう一人いた。アセナスだ。
 そのアセナスを庇うように縮地を使って隣に並ぶ人物は鐘田将太郎(ja0114)。
(四国で一戦交えたイケメン騎士と共闘か。面白い。騎士団団長代理のお手前、とくと拝見させてもらおう)
 アセナスは将太郎を見ると、軽く目を見開いた。
「四国で一戦交えた以来だな、イケメン騎士。俺の名は鐘田将太郎だ。覚えておいてくれ」
「大鎌の使い手だったな」
 将太郎が今の風を防ぐためにシールドを持っているのを見れば、アセナスは確認するように言った。
 自分のことなど覚えてないだろうと思っていた将太郎も、また驚く。
「剣を交わしながら、叱咤されることなどそうそうなかったからな。よく覚えている。アセナスと呼んでくれ」
「おう」
「しかし……この状況は?」
 アセナスが周囲を見渡し、目を止めたのは、彼の宿敵とも言っていい相手、龍崎海(ja0565)。
「龍崎海、説明を求めていいか?」
「こっちも王権派にコアを取られて即時吸収されるのは困るんだ。ここは共闘と行かないか?」
「撃退士たちにも、『王権派』は知られているのか?」
「それについては後で説明する。どちらにしてもエステルは俺たちの敵だ」
 海はアセナスの表情を探りながら、言葉を選ぶ。
「その言葉、信に値する証拠は?」
「信用については今までの行動でってしか言えないが」
 ここが海の最初の勝負どころだ。
(学園も四国と交渉を持ちたがっているし、すでに騎士団あたりとつながっていると楽なんだが……)
 アセナスは海を少し見、それから撃退士たちを見回した。
「鐘田将太郎」
「お、なんだ」
「今の率直な気持ちを教えてくれ」
 いきなり問われた将太郎は、少し考えてから本心を伝えることにした。
「共闘とは言え、お前に再会できたことは嬉しいし、戦えることは楽しい。本当ならば直接手合わせしたかったがな」
「わかった」
 アセナスはさっぱりと笑った。
「正直に言えば、一人で勝てるかどうかわからない相手だ。共闘は助かる。鐘田将太郎、手合わせはその後だ」
「楽しみにしてるぜ、イケメン!」
「アセナスだ」

 さて、この状況でやっぱり一人、ぽかんとしてるのはエステルだった。
「なに、撃退士と天使で仲良しこよし? 力がないから手を取り合うわけ? はは、笑っちゃうね」
 暁良に殴られた鼻をさすりながら、エステルは楽しそうに目を細めた。
「全員まとめて切り刻む。それで、あの天使の首をツインバベルに落として帰ろう。うん、決めた」
「貴女のされた事を、する事を許すわけにはいきません」
 努めて冷静に言うのはウィズレー・ブルー(jb2685)。その言葉に頷くのは詠代 涼介(jb5343)だ。
「……確実に言えるのは、お前は敵だ」
 エステルはしばらく二人の顔を見、ぽんと手を打った。
「あー、あの悪魔のときの雑魚だろ? ひょっとして悪魔の敵でも討ちに来たの? なにそれ、悪魔と天使と両方共とつるんでるの?」
「別につるんでるわけじゃないがな」
 少し不服そうに涼介が言う。ウィズレーはその柔らかな瞳に珍しく嫌悪を乗せてエステルを睨んだ。
(焔劫の騎士団VS新勢力ってヤツか? 騎士団相手に真っ向勝負とは、天界の内ゲバも随分と激しくなってるみてーだな)
 そんな様子を横目で見ながら、冷静に考えを巡らせるのは小田切ルビィ(ja0841)。
(――少なくともメタトロン配下のツインバベルと、各地でゲートを乗っ取っている勢力は別派閥であると見て間違いはねェだろう)
 それを『王権派』と呼ぶらしいが、そんな名称よりも知りたいことは別にある。
(アセナスとやらが知ってりゃいいんだけどよ)
 ルビィは以前の騎士団団長よりも格段に頼りなさそうな代理を見、それからアスハの動きを確認した。
「ま、全ては終わらせてからだな」
 負けることなど、計算には入っていなかった。


 撃退士たちが動き出す。それを支援するように、アスハが左手をかざした。
「全てを包む災禍の雨、受け取れ」
 それは奥義。エステルを中心に蒼く輝く微細な魔法弾が数多降り注ぐ。アスハの髪色にも似た、青い、青い、光の雨。雨はエステルと大蛇の体を穿つ。
 エステルは顔をしかめ、雨を払うように魔法弾を槍で払うが、大蛇2匹は真っ白な体が青く染まるくらいに姿が滲んだ。それを確認し、アスハも大蛇のほうへと急ぐ。
 春樹がリボルバーCL3で暁良のサポートをするべく、まずは一発撃ちこむ。アウルの弾丸は命中するが、かすり傷を作っただけに留まったようだ。
 先ほど、体のリミッターを外して総攻撃を加えた暁良はエステルの横で動けない。それを見て、エステルはにんまり笑った。
「アタシの顔に傷つけた罪は重いよ。あんたの綺麗な顔にもこれ以上の傷をつけてやる」
「へェ。案外、負けず嫌いなンだね。ナラ、もっとお洒落にも気を使いなヨ」
 銀の髪を隠した帽子をちょっと上げて、暁良も言うことははっきり言う。確かに真っ黒な髪を束ねもせず槍を振るうエステルの姿は、天使というより井戸から這い出てくる何かを連想させる。しかもクールな笑みは暁良のほうが余裕がある。
 エステルは顔を赤くして暁良を睨みつけた。
「この小娘、その口塞いでやる……!」
 エステルの槍の穂先が暁良に向く。咄嗟に春樹が回避射撃を発動しようと目を細めたときだった。
「撃退士、主導権は譲る。指示しろ」
 アセナスの声に海が頷く。
「今までの交戦から大蛇がコアを乗っ取る。あれをまず倒すぞ」
 アセナスに状況を説明すると、殊更大きな声で、エステルを挑発するかのように海は続けた。
「ジュライ・ダレスって王権派の天使には4人で対応できた。例え更に一つ上でも、撃退士複数相手できるお前がいるんだ。時間を稼ぐだけなら無理じゃないだろ」
 エステルはふと周囲を見る。将太郎、海、春樹、そしてアセナス。敵はジュライ・ダレスと自分が同じだと侮っている。
 エステルはこれ以上ないほどムカついたようだ。海の思惑どおりだ。
「そこの男、すごいムカつく。死ね。一度と言わず、二度でも三度でも死ね」
 穂先が海へ向いた。そして、神速の突き。一度、二度、三度。これもエステルの能力のひとつなのだろう。
 海もフローティングシールドを緊急活性、シールドで三度、攻撃を受ける。
(この突きは、物理じゃないな。魔法か)
 盾を通して鈍い痛みが伝わってくる。魔法防御の高い海でさえ、手が痺れ、立っている位置が押され、足が地を滑る。盾が壊れなかっただけよかったかもしれない。
 エステルが海を倒せなかったことに舌打ちをしたときに、今度はアセナスが一歩踏み込んだ。
「突きなら俺も得意だ。返すぞ!」
 長剣で一直線に貫く。エステルはくるりと槍をまわし、その長剣を受けた。ガキッと金属同士のぶつかる重い音が響く。
「はは、これで騎士団長代理かい? 笑っちゃうね」
 将太郎はその隙にアウルの力で防御能力を向上させる。自身が盾になる、と覚悟してきた将太郎は、エステルの動きをしっかり見てその闘志を密かに燃やしていた。
 海はアセナスがエステルを抑えているのを確認すると、夏音の元へ跪いた。海の奥義、生命の芽。それは、アセナスも知っている、一度きりの命の奥義。もはや立ち上がることは不可能と思われていた夏音の怪我はふさがり、彼女は目を開く。
「え……? 撃退士、どうして……」
「アセナスと話はついてる。彼を信用するなら、俺たちにも力を貸してほしい」
 夏音は回復系のシュトラッサーだ。一度彼女とも対峙している海はそれを知っている。夏音はアセナスがエステルを抑えているのを見れば、すぐに頷いた。
「回復に、まわります。指示があれば言ってください」
「まず、俺から回復してもらえれば嬉しいかな。あとは任せるよ」
 夏音は強張った顔で頷くと、不思議そうに自分の傷を撫ぜながら、撃退士たちよりさらに後方へと下がった。傷を癒す矢が約束どおり海へと飛んで来る。
 状況をやや遠目で眺めながら、春樹はエステルへとアウルの弾を放った。当たるのは当たるのだが、大きな傷までならないのが焦れったい。
 暁良が大蛇のほうへと移動したのを確認して、アセナスが長剣を引いた。
 エステルは周囲を見渡し、槍の穂先を将太郎へと向けた。
「そこの生意気なガキと天使は防御を持ってる……とくれば、あと二人に絞るしかないよね」
 エステルは一歩踏み込み、再び将太郎へ3回の突きを繰り出す――
(――目を逸らすな、攻撃の軌跡を見極めろ)
 いつもは優しげな春樹の青い瞳がすっと細められる。極限までの意識の集中。そして、ここだと思った箇所で、引き金を引く。
 キィン! という甲高い音が3度響く。将太郎の目の前で、3度穂先は弾かれ、将太郎を守っていた。
「僕を忘れちゃ困るよ、エステル」
「本当に撃退士ってのは忌々しいね!」
 エステルが槍を引くと同時にアセナスが長剣を一閃させる。それをエステルが再び槍で防ぐ。
 海はシュトレンを突き出した。足を狙ったそれは、手応えはあったがやはり大きなダメージにはならなかった様子。将太郎は即座にフルカスサイスに持ち変えるとやはりエステルの足を狙って薙ぎ払った。
(どうだ!?)
 スタン狙いのその攻撃は、けれどもエステルがアセナスを押し返すことで失敗したことが知れた。
 怒涛のように、しかし、連携した攻撃が続く。エステルは将太郎を狙い、春樹は回避射撃を発動し、エステルはアセナスの攻撃を一番ダメージの大きいものととらえたのか、防御する。
 ただ、エステルの攻撃が三連続というのは少し計算違いだったかもしれない。この時点で春樹の回避射撃が切れてしまったのだ。ひょっとしたらエステルもそれを狙っていたのかも知れない。
 春樹は一歩下がってさりげなくスキルを精密射撃へと入れ替える。
「どうやらいい頃合いのようだね!」
 エステルは春樹から攻撃がこないのを確認するように、将太郎へ三連続の突きを放つ。
「防げるだけ防ぐから、他の皆はエステルを攻撃しろ! お前もだ、アセナス!」
 シールドに持ち替えた将太郎のカオスレートはさらに闇側へ傾く。一撃受けるたびに腕に痛みが走るが、アセナスとの共闘は自身が無理を言って願ったこと。この程度で音を上げるわけにはいかない。腕を支える腰や足にも重い痛みと痺れが走る。スタンとは違う。痛みで動けなくなりそうだった。
 歯を食いしばったところで、背後から癒しの矢が足へと刺さる。痛みはまだ取れないが、動くことはできそうだ。
「無理はするなよ、命がなければ対戦もできない」
 アセナスが笑って将太郎に言うと、再びエステルへと長剣を突き出す。エステルの槍が弾いた。金属音が響いたときに海がシュトレンを突き出すが、やはり相手は強い。
(不本意ながらセーレに体を張って庇ってもらったし、代わりにボコって借りを返さないと)
 とは言え、エステルの受けるダメージよりも、将太郎が受けるダメージのほうが大きいのは事実。夏音の回復があっても、このままではジリ貧だ。
 再度の将太郎への攻撃で、将太郎は膝を突きかける。夏音が励ますように回復を送るが、こちらからのチャンスを作れない。春樹と海に焦りが走る。
(どこか、大きな攻撃を誰かがしかけてくれたら……)
 春樹にはスキル交換による秘策があった。だが、アセナスが防御され続けてはそれもうまくいかない。
 アセナスが不安そうに将太郎を見た。彼も打開策を考えているようだ。だが、ふと視線を巡らせ、かすかに笑った。
 春樹の攻撃はエステルの足に当たる。
「あー、マジうぜぇ。まとめて吹き飛べよ、お前ら!」
 エステルの声。同時に見慣れた横薙ぎの攻撃が大蛇班も巻き込むように半円状に繰り出される。
 その風に逆らってエステルの横へ再び現れた影は、
「ドーモ。あンまり怒ってるとシワが増えるよ、天使サン」
 握りこぶしを固めた暁良だった。
 そう、大蛇班の対応が終わったのだ。


 時間は少し遡る。

(あの蛇の堅さは分かっている、のんびり戦っている余裕はない、最初から全力で行く! )
 最初に動いたのは涼介だった。呼び出したのはフェンリル。暗紫色の毛を持つ狼型の召喚獣は涼介の指示に従い、地を駆け、大蛇一匹に冷たく鋭い爪を一閃させる。
 それはただでさえ鈍い大蛇の動きを遅くするには充分なほどの冷たさ。
 アスハは皆の援護をするため、エステルに青い雨を降らせていたので今回、大蛇へはそれで充分な攻撃になっていた。青い雨の降る中、暁良もエステルと交戦中。
 ウィズレーは全体を見回し、中衛に位置どる。大蛇班の回復を担うのはウィズレーだ。慣れている役とは言え、今回は少し冷静さを欠いている自分に気づく。
 あの天使のせいで、積み上げてきた「何か」を崩されてしまったような気がする。それが、非常に落ち着かない。気持ちの平衡を保てない。一度手を胸に当て、深呼吸をすると、ウィズレーは声をあげた。
「あの大蛇は、動きは遅いですがとても堅いです。少しばかり苦戦をするかもしれません」
「倒せばおんなじだろ」
 ルビィがたいしたことのないように言うと、ウィズレーは彼へと聖なる刻印を埋め込んだ。
「俺が大蛇の魔性に怖気付くなんざ有り得ねェ」
「では、おまじないとでも思ってください」
 ウィズレーの笑みにルビィは臨戦を発動し、前線に立つ。
「さあ来い、蛇野郎」
 蛇の一匹は動けない暁良を狙う。噛まれるも状態異常は起こらない。
 もう一匹はルビィを狙う。こちらも噛まれるが状態異常は振り払った。なにせ、ルビィが今までくぐり抜けてきた修羅場を思えば、蛇の魔性など、鼻で笑うくらいのものだ。
 涼介が今度はティアマットを召喚した。蒼銀色の竜がひとつ咆哮を上げると、撃退士たちの中から力がみなぎってくるのがわかる。
 皆に追いついたアスハが、涼介が攻撃したものとは別の大蛇へと異界の呼び手を使用した。地から這い出る無数の手が一匹の蛇の動きを止める。アスハはこの蛇の押さえ役だ。
(容易いものだ)
 蛇の動きを封じれば、アスハは表情を変えずにちらりとエステルを見やる。先ほどの「雨」の効果を見るためだ。
 槍による防御は魔法攻撃も物理攻撃も無効化するらしい。ただし、その範囲はエステル一人のみ。大蛇のほうはさすがの高耐久とは言え、かなり弱っているように見える。これならば蛇にてこずることはあるまい。
 問題はエステルにどう、撤退に匹敵する致命的ダメージを与えるかだ。
 ウィズレーが念のために暁良を回復すると、暁良は一度跳ねることで感謝の意を伝えた。そのままサタナキアLB63に持ち替え、大蛇を撃つ。アウルが蛇をえぐるようにするも、傷は確かに浅い。だが、暁良としては大蛇の傷口を増やすのが目的だ。傷口が増えたらえぐるように殴れば問題ない。
(時間は掛けられねェ。――速攻でキメるぜ……!!)
 ルビィは蛇を見据えると精巧に柄に細工の施された、芸術品のようなツヴァイハンダーFEを両手で構えた。左手に光が、右手に闇が。絡み合い、それは混沌となり、刃先へと宿る。
 それはルビィの奥義。混沌の片鱗をいっきに一匹へとブチ込む!
 蛇の頭をとらえたそれは、やったかと思わせるも、蛇はまだ尻尾がびちびちと跳ねる。頭が半分割れている状態で動くそれは、あまり見ていて気持ちいいものではない。
 その蛇がルビィを攻撃するが、攻撃は外れる。アスハの押さえている一匹は動けない状態だ。
 あとは、誰がとどめを刺すかの問題。アスハが押さえている一匹の体力を削る他は各自全力の攻撃を叩き込み、最後にルビィが武器に渾身のエネルギーを溜め、ツヴァイハンダーFEを振りぬいた。蛇は半分に斬られ、動かなくなる。
「次っ!!」
 アスハ一人で押さえている蛇。4人で押さえている天使。敵はまだいる。
 通常攻撃はかすり傷しか与えられない大蛇だったが、アスハとルビィがこだわらず活性化した攻撃を使ったのが功を奏した。ウィズレーと涼介が相対したときには、全員がスキル切れだったのも、戦闘が長引いた原因だったようだ。
 アスハが異界の呼び手で蛇の動きを止めながら、ルビィが封砲で薙ぎ払う。高防御力を誇る大蛇もコアに近づくことさえできぬまま、二匹とも動きを止めた。

 エステル側に加勢する前に各自、スキルを入れ替える。
「どう思う」
 アスハが尋ねると、ルビィは呆れたように言った。
「あの天使か? ありゃ、頭を使わねぇパワーファイター型だろう。戦う分にはつまらねぇけど、追い返すくらいなら容易いんじゃねぇの?」
「激情しやすいネ」
 暁良も同意するように頷く。
 ウィズレーは少し考えてから、首を傾げた。
「……総攻撃、でしょうか」
「ああ、それがいいと俺も思っていた」
 涼介は消えてしまった二匹の召喚獣の代わりに召喚の準備をしながらエステルを見る。
 8人の撃退士、それに天使とシュトラッサーがいれば、負けることはもうない。ただ、将太郎がどこまで持つか。回復役がいても時間との勝負だ。一箇所崩れれば、決壊することもありうる。
 そのときだった。エステルのもう見慣れた槍を横薙ぎに振るうモーションの前兆が全員に感じ取れた。
「俺、近くまで寄るンで」
「惹きつけは任せる。アスハ、移動するぞ」
「心得た」
「ならば、俺もひきつけるか」
「お願いします」
 各自が切り裂く暴風を凌ぐ中、暁良が風を切って走りだす。
 決着は、もうすぐそこ。


「ドーモ。あンまり怒ってるとシワが増えるよ、天使サン」
 笑う暁良には余裕が感じられた。
 切り裂かれ、ついに膝をついた将太郎には夏音以外の暖かなヒールがかけられる。ウィズレーのヒールだ。ウィズレーは夏音への射線を塞ぎ、彼女が狙われることのないように立つ。
 エステルが慌てたように大蛇のほうへ視線を向ければ、そこにいるのは暗青の鱗をもつ竜、ストレイシオン。ストレイシオンの防御の恩恵を与えながら、涼介はまっすぐにエステルを見る。
(アイツを傷つけられた分の借りぐらいは、返させてもらうぞ)
 海が、ふと視線を向けてから、アセナスに叫んだ。
「アセナス、お前の力量を見せてくれ」
「言われるまでもない」
 アセナスも何かわかったように笑うと、長剣で風を切り裂いた。認識障害を起こすその竜巻をエステルは鼻で笑う。
「はっ、騎士様の攻撃はその程度かい! このくらい――」
 槍で風を払いのけるエステルに迷いはない。未だ周囲を侮っている。大蛇などいなくなっても、此処にいる「敵」を倒せば問題ないと思っている。
 彼女は慢心していた。だからこそ、視線の範囲にいる人数を数えなかった。

 撃退士たちはアセナスがエステルを押さえていることでタイミングを合わせる。
 そう――エステルの背後上空で構えるルビィに。

「――アンタに聞きたい事が一つ。『シリウス』って天使の事、知ってるかい?」

 ツヴァイハンダーFEを振り下ろし、ラスト・ジャッジメント。
 アスハも続けて、ヘルオアヘヴンを叩き込む。
「失せろ、駄天使」
 背中からの攻撃にはまったく警戒していなかったエステルが、「ぐっ」とくぐもった声を上げる。前へとのけぞったところで、暁良の足がすらりと上がり、のけぞった箇所めがけて膝を叩き込んだ。エステルがかろうじて踏みとどまったところにかすり傷の目立つ足へと足技をひとつ。ついでにもう一回顔面へ拳をお見舞いする。
 大鎌を将太郎と海もいっきに足を狙い、エステルはたまらず槍を地面に立て、少し身を預ける。
「は、あンの野郎、たいそうな有名人になってんじゃん。知ってる、知ってる。アイツ、尻尾もふられると怒るぜ?」
 エステルはどこまで本気かわからない軽口を叩くと、翼を開いた。
「ざまぁねえな。また何言われるかわかんねえや。――次は本気で行く」
 それはあからさまな捨て台詞。
 慌てて春樹が羽根を穿つが、エステルは空へと舞い上がった。
「騎士団長さまは、撃退士と仲良しこよし……っと。それだけはいい収穫もらったぜ?」
「こちらも、王権派の情報が知れたからな。次は1対1で勝負をつけてやる」
 アセナスが言い返せば、エステルは大声で笑って、翼を動かした。
 涼介が睨んでいたように瞬間移動系の能力があるのだろうか。エステルはあっという間に上空高く舞い上がると、その姿は光の粒のようになって消えた。


「さて、騎士団長代理」
 地面に倒れて傷を癒やしてもらっている将太郎をちらりと見ながら、ルビィはアセナスと一定の距離をとって声をかける。
 暁良は慣れ合うつもりはない、と耳をそばだてるだけ。
 アスハもルビィと同じスタンスで深追いはしないつもりだった。
「さっきの天使とツインバベルは別勢力って事は分かったが……連中のボスは一体誰なんだ?」
 アセナスは剣を収めて背を伸ばすと、はっきりと答えた。
「ベリンガムと言う。天界における王だ。細かいことは略すが、天界で内乱があり、その男が台頭し、この地のエネルギーをすべて狩りつくそうとしている……らしい」
「この地って、地球をか?」
 うむ、と頷いてから、アセナスは一瞬黙りこんだ。
 夏音がコホン、咳払いをして、アセナスを制するように口を開く。
「これは、ここだけの、話として、いただけますと」
 撃退士たちは顔を見合わせた。
 アセナスは迷うように金の髪を掻いた。
「あまり撃退士に手の内を見せるのもアレなんだがな。どうやらそうも言っていられそうもない。申し訳ないが、共闘したことは上に報告させてもらう」
「それは構わないけど……俺からも聞きたいことが」
 海が口を開いた。
「レーヴァティンのデータは王権派にもあるのか?」
 さすがにアセナスは腕を組んで唸った。
「連中の内部事情はこちらにはまったくわからない。むしろ撃退士のほうが知っているくらいではないか? シリウスなどという天使は、俺も聞いたことがなかった」
 そうなるとオグン生存のハッタリを王権派にかましたこと、その反応などもアセナスは知るよしもないだろう。海は質問を諦めることにした。
「共闘したこと伝えたら、もう戦えねえじゃねえかー」
 ひどく不満そうに将太郎が言った。ウィズレーと夏音の手当が効いたのか、もう起き上がっても大丈夫らしい。
 アセナスはにやりと笑った。
「手合わせならいつでも受ける。団長代理の仕事だ」
「命かけるから面白いんだよ」
 ぶつぶつと言う将太郎に夏音が笑う。
 アセナスはそこでふと、ウィズレーと涼介、春樹を見た。
「そういえば悪魔も襲われたと言っていたが?」
 3人は顔を見合わせた。アセナスは深く追求するつもりはないらしい。少し考えてから、言う。
「天使との共闘がわかれば、悪魔はいい顔をしないだろう。そのあたり、撃退士としてどうするか、考えておいたほうがいいかもしれないな。こちらも気取られないようにはするが」
「ご忠告、ドーモ」
 暁良としては特に共闘に思い入れがあるわけではないから、問題はない。
 それが見て取れたので、アセナスは苦笑して夏音を振り返った。
「今回は助かった。撃退士に礼を言う。そしてこの恩はいずれ。夏音、戻るぞ」
「騎士団ってのは、相変わらず撃退士に甘いな」
 ルビィがにやりと笑って言えば、アセナスは少し視線を空に向け、笑った。
「伝統だろうな」

 飛び去っていく騎士団たちを見ながら、撃退士たちは一度、学園に報告へ戻ることとした。戻った先から出雲へ飛ぶことになるのだろう。
 王権派との戦いは始まったばかりなのだから。



 ――今は静かとなったツインバベル。
 アセナスが謁見の間へと向かって歩いていくと、そちらから来たシス=カルセドナと偶然出会った。

「ん? 久しぶりだな、シス。こんなところでどうした?」
 アセナスはシスの周囲を見渡した。
「ベロニカ様の護衛任務についているんじゃないのか? ベロニカ様は……」
「いや、つい先刻まで司令官殿と撃退士が会談をしていたのだ」
 シスはツインバベルの歴史的な事件をさらっと述べた。
「それに俺様も立ち会っていたのだが……」
「え? ちょ、ちょっと待て、シス」
 うろたえるアセナス。
「司令官殿というとミカエル様と、撃退士が、会談を?」
「ああ、その通りだが」
 混乱するアセナスをシスは不思議そうに見ている。
「なんの会談だったんだ?」
「詳しい話は司令官殿からあるはずだが、奴らはツインバベルに共闘を申し込んできたのだ」
「いや、待て、シス。共闘って……ミカエル様は受けたのか?」
 肯定。
 アセナスは自分の金の髪をくしゃくしゃとかき混ぜた。あからさまに混乱している。
「待ってくれ。今、俺は撃退士と共闘してきて、それをウリエル様にご報告しようと思っていたところで……」
「共闘? そっちは何があったのだ?」
 シスの顔色が変わる。アセナスはがっくりと肩を落とした。
「王権派らしいエステルとかいう天使にいきなり襲われ……」
 先ほどの一件をシスに話すと、シスの顔色は一層複雑になった。
「なんだと……やはり奴らの読みどおりだったのか……」
「読みどおり? どういうことだ?」
「実はだな」
 シスは先程の会談で出た話をアセナスに話す。アセナスは少し考えるも、ぐいとシスの腕を引いた。
「ぬおっ、何をする!」
「シス、俺と一緒にウリエル様の元へ行くぞ。すべて、ウリエル様にご報告しなければ」
「引っ張らなくても歩ける! おい待て俺様の腕を引きちぎるつもりか、アセナス!」
 強引な騎士団長代理に引っ張られ、学園とツインバベルの大事な交渉人はウリエルの元へ向かうこととなった。


「――以上、報告を終わります」

 跪き、ウリエルに共闘のことを報告したアセナス。横には引きずられてついてきたシスが跪いている。
 ウリエルは少しだけ手のひらに顔を埋め、沈黙を保つ。
「ウリエル様?」
「ミカエル――穏健派と撃退士の動きについては了解した。後ほど、ミカエルに話を聞きに行く」
「はっ」
「共闘の件だが……これは、オグンの望んでいた時代なのかもしれないな」
 ウリエルはシスとアセナスを通り越し、どこか遠くを眺めるように顔を上げた。

「敵だったものが味方となり、味方のはずのものが敵となる。正しいものとは、いったい何なのだろうな」

「ウリエル様……」
「見極めるためには多くの情報が必要だ」
 ウリエルは視線を戻し、アセナスとシスを見た。
「今後も、騎士団として見極めてくれ。――この地の、撃退士というものを」
「御意に」
「それから、シス=カルセドナ」
「はっ」
「仕えるものがおらねば、従士としているのもおかしいだろう。騎士との引き上げを検討する。今後もよく務めてくれ」
「騎士!? 俺様はしかし――」
 シスが拒むような声を上げるのを見て、アセナスが慌ててシスの口を塞いだ。
「それについては異論なく」
 アセナスが深く頭を下げる。それを見て、ふとウリエルの口元が緩んだ。
 焔劫の騎士団の新時代が、やってくる。



 時代は動く。
 拡散した事件は、新たな篝火となり、天を動かす。
 その流れの先に何があるのかは、――未だ、わからぬまま。
 
 


依頼結果

依頼成功度:成功
MVP: いつか道標に・鐘田将太郎(ja0114)
 歴戦勇士・龍崎海(ja0565)
 戦場ジャーナリスト・小田切ルビィ(ja0841)
重体: −
面白かった!:8人

いつか道標に・
鐘田将太郎(ja0114)

大学部6年4組 男 阿修羅
歴戦勇士・
龍崎海(ja0565)

大学部9年1組 男 アストラルヴァンガード
戦場ジャーナリスト・
小田切ルビィ(ja0841)

卒業 男 ルインズブレイド
蒼を継ぐ魔術師・
アスハ・A・R(ja8432)

卒業 男 ダアト
暁の先へ・
狗月 暁良(ja8545)

卒業 女 阿修羅
セーレの友だち・
ウィズレー・ブルー(jb2685)

大学部8年7組 女 アストラルヴァンガード
セーレの大好き・
詠代 涼介(jb5343)

大学部4年2組 男 バハムートテイマー
揺れぬ覚悟・
神谷春樹(jb7335)

大学部3年1組 男 インフィルトレイター