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マスター:さとう綾子
シナリオ形態:ショート
難易度:難しい
参加人数:6人
サポート:1人
リプレイ完成日時:2016/07/31


みんなの思い出



オープニング

●Prologue
 梅雨の半ばに報告があったゲートを巡る異変。
 規模としては小さな異変ではあったが、その異質さは小さいとはとても言えないものだ。

 天使のゲートを悪魔が襲っていた―、ルシフェルを筆頭にまさに鳥海山がそれであり、問題ではない。
 悪魔のゲートを天使が襲っていた―、天使から動く事はあまりないが、報告がなかったわけではない。

 しかし、今回は違う。 
 天使と悪魔それぞれのゲートを――、人類以外の勢力が襲撃した。
 おそらく背後に居るのは、京都を何度となく襲撃したあのザインエル。
 二つのケースに彼が関与しているのであれば、事態が小さく終わるはずはない。
 少なくとも、ザインエルという男が動いた時はいつであろうと、大きな事を起こす時だと私たちは経験から知っているのだから。
 何かをしているだろうと理解った以上、状況を正確に知る必要がある。それも早くにだ。
 その為、同様のケースが他の場所でも起こってはいないかの調査をするべきだと学園から撃退庁に提案された。


 程なくして、全国各地において大小様々なゲートで異変が発見されたという報告が上がってくるのだった。


●Accident
 お気に入りというものは、そこに意味なんて必要ないのかもしれない。
 ただ、なんとなく好き。
 それ以上の理由なんていらない。

 セーレにとって、その放置されていたゲートはまさに「お気に入り」だった。

 どこかの力のない悪魔が作ったものだろう。
 誰が作ったかは問題ない。それが放置されていたということが大事だ。
 四国の山間部にある、本当に小さなゲート。
 セーレが一人になりたいときに、召喚したディアボロで遊びたいときに、何か面白いことがないか考えるときに――そのゲートに篭って、好きにする。
 それが、セーレのちょっとした楽しみだったのに。

「なんでボクの邪魔をしようとするのかな」

 ある日、そのゲートに行ったら、異質な力を感じた。
 冥魔のものではない――天界の気配。
 そもそも、ゲートの中に入ると体が重い。それはもうゲートが冥魔のゲートでなくなっていることを意味する。そんなこと、セーレの常識では考えられないことだが、つまりは。

 ゲートが、天使に乗っ取られた。

「別にボクのゲートじゃないから、いいんだけどさ」

 セーレはにんまりと笑う。

「こーゆーやり方、ボク、我慢できないし、お気に入りをはいそうですかってあげる気にもならないんだよね」

 パチンと指を弾くと、セーレは大きなカラスを何羽も呼び出す。
 そのカラスはゲートの中心――ゲートコアへの偵察を行うべく、一斉に飛び立つ。

「さあ、楽しいこと始めようかっ」

●Encounter
 篝さつき(jz0220)に久方ぶりに真面目な依頼を頼まれ、撃退士6人は四国のゲートにいた。
 各地で起きるゲートの異変。
 それにいち早く対応できるよう、ゲートに異変がないか調べる。地道で地味な依頼だと最初は思ったが、四国は未だ天魔が睨みあう要の地でもある。
 ザインエルが動くとしたら、此処を見逃すはずはないだろう、というのがさつきの判断だった。

 地図を頼りに各所のゲートを巡り、放置されているものなら、コアを壊していく。
 そんなことを幾つ繰り返しただろう。


 山奥の、とあるゲートの前でセーレが体育座りをしていた。


 咄嗟に戦闘態勢になる撃退士たちを見て、セーレはにんまりと笑った。

「ねえねえ、ゲート壊したくない?」

 撃退士たちは顔を見合わせた。

「ボクと一緒に、このゲートコア、壊さない?」

 


リプレイ本文


「ボクと一緒に、このゲートコア、壊さない?」

 セーレの問いかけに条件をつけてではあるものの、頷こうとした撃退士たちを制したのは、先に調査任務にも参加していた龍崎海(ja0565)だった。
「天使のゲート攻略ってあなたの趣味じゃなさそうなのに、どういうことだ?」
 セーレは海の問いかけに一度瞬きをする。
「趣味じゃないから、一人でやりたくないんだよ。その……もともと、ここ、悪魔のゲートだったんだ」
 セーレはもごもごと口ごもるように言う。
「悪魔のゲート、ですか?」
 ウィズレー・ブルー(jb2685)が目を見開く。ウィズレーも「どうして」を聞きたかった一人だ。
 ウィズレーはセーレが気まぐれなのを嫌というほど知っている。ゲート運営を好まないことも知っている。だからこそ『いつもの気まぐれ』なのか、とは思ってはいたが……。
 セーレはウィズレーを見て「お気に入りのゲートだったんだ、ボクのじゃないけど」と小声で添えた。
 撃退士たちはまた顔を見合わせた。
「次に、共闘に対してのメリットは?」
 海は冷静に聞く。
 セーレは少し考えてからぽつぽつと答えた。
「ボクは内部状況を知ってるから、道案内も、戦闘協力もできると思う。中にはサーヴァントが4体、それも高体力型だ。正直、ボクの火力じゃ削ってる間に気づかれる」
「気づかれる? 誰に?」
 セーレとは初見の神谷春樹(jb7335)は、セーレの言葉をひとつも聞き逃すまいと問いかける。セーレは春樹を見て、困ったように笑った。
「このゲートを乗っ取った、天使」
「ちょっと待って、セーレ」
 逆にセーレとは面識のある森田良助(ja9460)が、整理するように声をかける。
「天使が、悪魔のゲートを乗っ取って、セーレはそれが気に食わないから僕らに声をかけたの?」
「うん」
 セーレは悪びれることなく頷いた。
「同陣営では主が亡くなった時とか引き継ぎとかしているけど、敵対陣営でも可能なのか?」
 海が乗っ取りと聞いて尋ねれば、セーレは首を横に振った。
「ボクはそんなことできるなんて聞いたことがない。ボクが聞いたことがないってことは、かなり高位の天使が絡んでる」
 セーレはまっすぐに撃退士全員を見た。
「これは、撃退士も知っておくべきじゃないかなって思うんだ。この情報を渡せただけで、メリットはあると思う。ついでに……その天使の相手はボクがする。キミたちは情報だけ持って、逃げていい」
「……意外だな」
 詠代 涼介(jb5343)が、ぽつりと呟くと、ウィズレーを見た。ウィズレーも同意するように頷く。
「ボクはお気に入りを奪った天使をボコボコにしてやりたいだけなんだ。どうかな?」
「お気に入りを取られるくらいなら、か……お前らしい理由だな」
 涼介はそれを聞いて、納得したようだった。
 楽しそうな声を上げたのは黒百合(ja0422)だ。
「きゃはァ、悪魔と合同戦線なんて珍しいじゃないのォ、色々と楽しめそうだわァ」
「そう? そう?」
「私は、充分メリットはもらったと思うわァ。どうかしらァ?」
「ほんと? ほんと?」
 黒百合の言葉にきゃっきゃするセーレ。
 海は少しだけ考える。先日調査した岡山での事件――
「相当高位の天使でも、逃げていいんだな?」
「うん、逃げて。これはボクの問題だから」
 海はちらりと他のメンバーの顔を見た。
(もし、天使が出てこなかった――セーレの嘘だったとしても、断れば素直に立ち去らずにゲート攻略後に襲い掛かってくるという可能性もある)
 この悪魔はそういうことは上手そうだ。
(なら見える所で監視し、こちらと同じように消耗させたほうがいい)
「協力するなら、条件をつけさせてもらうけど、いいかな?」
 良助が皆をまとめるように口を開く。
 お互い騙し討ちのような裏切り行為はしないこと、コア破壊まで味方として協力すること、セーレは撃退士の指示を聞くこと、お互い妙な動きをしないかの監視は可能であること――ひとつひとつ子供に言って聞かせるように提案すると、セーレは頷いた。
 最後に良助はこう言ってまとめた。
「僕達の指示に従ってもらう代わりに僕がキミの言うことを何でも聞いてあげる。僕が出来る範囲でだけど」
 セーレは大きく頷くと、笑った。
「わかった。ボクからの良助へのお願いは、コア破壊が終わったら逃げてほしい、その一点だけだよ」
 そう言ってから、ふと悪戯っぽく顔を覗き込む。
「あと、大福ちょうだい」
 交渉は無事成立した。


 セーレ曰く、ゲートコアまでは敵はいないという。ただ、道が入り組んでいるため、ついてきてもらったほうがいい、とも。
 そこで、全員でセーレを先頭に全力移動でコアに向かうことになった。
 ゲートに入ると、そこは農村地帯の風景が広がっていた。あまり手を加えていない自然が広がる。
「あれが、ゲートコア」
 セーレが指差した先に赤い色の光の帯が伸びていた。
「コアって普通、青白い色だと思っていましたが……」
 ウィズレーがセーレの乗っている獅子のディアボロにクッキーをあげながら尋ねると、獅子はゴロゴロと喉を鳴らした。
「あれは、コアのエネルギーを吸い取られてる証拠、だと思う」
 実際に一度見ている海もうなずいた。セーレは続ける。
「サーヴァントたちにああやってゲートエネルギーを枯渇させるまで吸い取らせて、天界に持って行ってるんじゃないかな。ホントやなやつ」
 そんな話をしているときに、黒百合はウィズレーにひそひそと話しかけた。
「セーレって甘いものが好きなのかしらァ?」
「ええ、和菓子でも洋菓子でも好きなようですよ。あげてみますか?」
「大丈夫、持ってるものォ」
 黒百合が一粒金平糖を獅子に差し出してみると、獅子は美味しそうにぺろりと食べ、ねだるような目を黒百合に向ける。
「終わった後のご褒美にねェ」
「セーレはゲートを取り返す気はないの?」
 良助が尋ねると、セーレはうん、と頷いた。セーレ曰く、「ゲート運営は面倒だから」だそうだ。
 良助に撃退士全員の名前を聞いて、すっかりご満悦のセーレに質問を投げかけたのは涼介だ。
「一つ聞きたいと思っていたことがある。お前は大きな楽しみの為に小さな楽しみを我慢することはできるか?」
 セーレはきょとんとする。
「巨大大福をあげるから、小さな大福は今は我慢、みたいな?」
 大福が基準なのか、と少し呆れる春樹。
「もっと具体的に言おうか。お前にもっと楽しいことを教えることができたら、人の命で遊ぶことを我慢できるか、ということだ」
 セーレは目をぱちぱちと瞬かせ、少し考えこんだ。
「うーん、現に今は天使をボコボコにしたいから、しばらく人間で遊ぶつもりはないかなあ。そういうことでいいの?」
「……ああ」
 涼介はかすかに笑う。妥協のポイントは探ればないわけではなさそうだ。
 その落とし所はこれから考えていくべきだろうが――
 涼介にとっては、それがわかっただけでも、今回の共闘は意味があるものになりそうだ。


 ゲートコアまではさほど緊張感もなく到着した。
 コアの周りには、事前にセーレに聞いたように7メートルの単眼の巨人、サイクロプスが3体。そして赤いコアに絡みついている白い大蛇。その様子はどこか禍々しい。
 仕掛ける前に海はゲートコア周辺をデジカメで撮影する。先の調査と合わせれば、何か見えてくるものもあるかもしれない。
 セーレが花嫁のディアボロを5体召喚する。
「花嫁は僕と一緒に足止めを担当してもらうよ」
 春樹が言う。
「こちらが使い潰す気じゃない証明ってことで、僕もそっちに合流するよ。もしこっちが騙し討ちをしたりのらりくらりと戦って君の部下を無駄に損耗させるようなら僕を集中攻撃してくれて構わない」
 セーレは春樹をまっすぐに見て頷いた。
「ボク、撃退士のそーゆーところ、大好きなんだ。春樹の本気、見せてねっ」
 作戦としては、サイクロプス1体に集中攻撃。残り2体を春樹とセーレで足止めを行う。1体倒れたら、攻撃手はサイクロプス2体に別れ、攻撃を仕掛け、最後にコアと大蛇の攻撃を実施する。
 サイクロプスは動きが鈍く、頭のめぐりも遅いようだ。撃退士たちは楽に先手を取れた。
 花嫁は2・3に分かれ、スタンを与える。春樹もリボルバーCL3でサイクロプスの影を縫い止め、束縛する。
 その隙に残りの5人はサイクロプス1体に集中攻撃を行う。良助が黒い霧を纏った弾丸をヨルムンガンドから放ち、涼介はフェンリルを召喚、その鋭い爪で動きを鈍らせる。ウィズレーは雷霆の書で雷を降らせ、海は前衛に立ち思い切りよく槍を振るう。黒百合は後衛から眷属殲滅掌を使用しながら海と同様に白銀の槍でサイクロプスの足を狙った。皮膚と言っていいのだろうか、は硬く、ただ、7メートルの巨体は足だけでなく回避は苦手なようだ。
 その分、海を狙った腕での一撃は大きい。受け防御を咄嗟に選んでも体力がごっそりとえぐられるのがわかった。
「こっちは抑えられる。大丈夫!?」
 春樹が尋ねる。束縛とスタンは面白いようによくかかる。抵抗値が低いのだろう。
 攻撃手5人は前衛が海だけというのも若干難しいところではあったが、すぐにウィズレーが回復に入り、海も槍からフローティングシールドに持ち替え、盾役として攻撃に参加することで、安定してきた。浮遊する盾が巨人の視界を隠すようにすれば、もともと命中率も低いのか、サイクロプスの攻撃を回避することもできる。
 ただ、巨人の体力が高いのは難点だった。1体を倒し終わったときに、1つのスキルを使いきってしまった者も多い。
 続く、2体、3体目は春樹、海、涼介、花嫁組と黒百合、良助、ウィズレー、花嫁組で分かれ、攻撃を実施。春樹の束縛スキルはすっかり使い終わっていたが、花嫁の高命中スタンが地味に効果を発揮した。時間的にも余裕がある上、巨人からの攻撃がこないなら、じりじりと削っていけばいい。海がうまくスキルを交換し吸魂撃で止めをさすと同時に、黒百合がもう1体の頭を叩き潰すようにサイクロプスの動きを止めた。
「時間は?」
「まだ大丈夫」
 良助の問いにセーレが応える。
 赤いコアにしがみついている白い大蛇。時間的には大丈夫でも、早く片付けてしまいたい気持ちは皆同じ。
 良助の三連続攻撃で幕が開く。事前情報どおり、コアを狙わない限り蛇は動かない。回避しないならいい的でしかない。
「巻き付いていようが貫通する攻撃はあるし、隙間がある以上巻き込む攻撃はいくらでもあるんだよ」
 春樹は貫通力の高い弾丸を撃ち込んだ。蛇に当たった弾丸は貫通し、コアへと到達する。
 ビシリ、とコアにヒビが入る音がした。コアの赤色が明滅する。
 フェンリルが咆哮する。その咆哮が皆を鼓舞し、力を発揮させる。
 蛇が動く前に花嫁のスタンがかかる。
「動けなくしたら、遠距離から蜂の巣にすればいい」
 海も遠距離に下がり、石の塊を降らせた。ウィズレーも雷を降らせる。その雷を縫って、飛び込むのは黒百合。
 蛇が動けないことを確認したうえで、一気に躍りかかった。小さい体ながら、黒百合の一撃は大きい。蛇の頭を叩き潰すように殴りつける。
 コアへは春樹の貫通する弾丸がトドメになった。バラバラと壊れていくコア。絡まっているものがなくなった蛇は、こちらへと這ってくる。
 けれども、コアがなくなったということは、ゲートが壊れたということ。撃退士たちの不利な状況も払拭されている。
 随時、蛇を囲むように遠距離から攻撃を仕掛けていく撃退士たち。
 花嫁だけが蛇と同じ距離からの攻撃を繰り出し、何体か攻撃を受けかけるが、良助なり春樹なりウィズレーなり涼介なり、誰かしらがそれを回避させ、庇うことで、花嫁も無傷だ。
 セーレが不思議そうな顔をする。
「今は僕達の仲間だ。だから君も守る」
 良助の言葉に、セーレは「仲間」と不思議そうに呟いた。
 ――程なくして、大蛇も黒百合の近距離からの再度の攻撃で、動きを止めた。


「セーレ、お疲れ様ァ」
 黒百合がそっとセーレに金平糖を手渡す。セーレは嬉しそうにそれを受け取るも、どこかそわそわとしている。
「ありがと、黒百合。でも、もう逃げて」
「そんなに早く天使って来るのかしらァ?」
「ゲートの中には天使はいなかったですよね?」
 ウィズレーも不思議そうに問いかける。セーレはぐいぐいとウィズレーを押した。
「コアが壊されたら、きっと気づく。だから早く――」
 ふと、涼介は遠い空が光ったのを見た。あれは、と言うより早く、セーレがその光に向けて素早く花嫁を展開する。
 一瞬だった。花嫁は光に包まれて、消えた。
「なっ……!?」
 続く、光。セーレは今度は自分の乗っていた獅子を走らせる。その獅子も光に包まれて消える。

「――っざけんなぁああああ! この雑魚共が!」

 アルトの声が不意に響き渡った。
 黒髪に白い翼を持った女天使がすぐ傍まで来ていた。気配などまったくなかった。その事実に何度も天使たちと対してきた撃退士たちはごくりと息を飲む。
 セーレが胸を張って、撃退士たちの前に進み出た。
「雑魚とかボクに向かって言ったこと、後悔させてやる!」
「セーレ、こいつは」
 ヤバイ。良助が言うよりも早く、女天使が舌打ちをした。
 攻撃をした形跡は見られない。けれども、確実に攻撃は行われ、セーレは吹き飛ばされた。
「雑魚を雑魚って言って、何が悪いんだよ?」
 女天使がにやりと笑う。セーレは傷だらけの体で起き上がった。
「この……っ、ボクの、お気に入りを、滅茶苦茶に、して」
「ふん」
「セーレ!」
 回避射撃もシールドも多重召喚も間に合わない。セーレは再び吹き飛ばされた。血が空を舞う。
 ウィズレーが慌ててヒールをかけようとするも、これではジリ貧なのは目に見えていた。
「みんな、逃げて。こいつは、ボクが」
「うるさいんだよ、雑魚」
 セーレの体が切り刻まれる。倒れこむ寸前に、良助がセーレを支えた。
「にげ、て」
「……撤収するぞ」
 海が冷静に言う。歴戦の彼はこれだけの強さの天使とたった6人で相手することがどれだけ無謀かわかっている。
 良助は黙ってセーレを背負った。海を先頭にして撃退士たちは駆け出していく。
 春樹が女天使を振り返ると、女天使は楽しそうに笑っていた。
「……アタシの名前はエステル」
 女天使は大蛇の死骸を踏み潰しながら言う。
「その雑魚悪魔の冥土の土産に教えておいてやるよ。ああ、悪魔だから行くところはどうせ冥界か。ははっ」
 セーレは良助の背で動かない。冷たくなっていくのがわかった。


 天使から離れ、安全になった場所に、一人のメイド悪魔が佇んでいた。
 エメと名乗ったそのメイド悪魔は海に頭を下げると、セーレを悪魔のゲートで預かると言った。回復するかしないかは、セーレ次第だとも。
「でも、あたしは信じてます。セーレ様は撃退士の皆様と共闘したとき、何か新しいことを掴んでるって」
 エメは良助からセーレを預かると笑った――
 


依頼結果

依頼成功度:大成功
MVP: 歴戦勇士・龍崎海(ja0565)
 セーレの大好き・詠代 涼介(jb5343)
重体: −
面白かった!:5人

赫華Noir・
黒百合(ja0422)

高等部3年21組 女 鬼道忍軍
歴戦勇士・
龍崎海(ja0565)

大学部9年1組 男 アストラルヴァンガード
セーレの王子様・
森田良助(ja9460)

大学部4年2組 男 インフィルトレイター
セーレの友だち・
ウィズレー・ブルー(jb2685)

大学部8年7組 女 アストラルヴァンガード
セーレの大好き・
詠代 涼介(jb5343)

大学部4年2組 男 バハムートテイマー
揺れぬ覚悟・
神谷春樹(jb7335)

大学部3年1組 男 インフィルトレイター